JP2017179242A - 表示画面用粘着シート、積層体、表示体及び画面保護方法 - Google Patents
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Abstract
Description
保護フィルムは、ディスプレイパネルに密着して衝撃吸収及びスクラッチ防止などの機能を提供するもので、最近、従来のフィルム基材に替わり、薄型の強化ガラスやガラス並の硬度を持ったフィルム基材による保護シートが登場し始めている。このような保護シートは、特にガラス基材を用いた場合には、直接粘着加工することができないために、ガラス基材に両面粘着シートを貼り合わせた構成になっている(例えば、特許文献1)。
特許文献1は、強化ガラスフィルムの下にPET層を有し、強化ガラスフィルムとPET層とを接着する接着層と、PET層を携帯情報端末機器の表面に貼り付ける貼着層とを有する保護フィルムを開示する。
ところで、このような表示装置の光源としてLEDが使用される場合、青色LEDも多く用いられることから、光源からの出射光線に含まれる380〜495nmの波長の青色光が強くなる。そして、かかる青色光は、ブルーライトと呼ばれ、可視光の中でも波長が短くかつ高エネルギーを有しており、網膜に潜在的に有害であると認識されている。
本発明は、このような状況下に事情に鑑みてなされたものであり、ヘーズを抑えることができるために視認性がよく、ブルーライトを遮蔽することができる表示画面用粘着シート、積層体、それらを用いた表示体及びその画面保護方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
[1]透明基材(A)の一方の面上に、樹脂(b1)及び紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物(x)から形成される粘着剤層(B1)を有し、透明基材(A)のもう一方の面上に樹脂(b2)を含有する粘着剤組成物(y)から形成される粘着剤層(B2)を有する、表示画面用粘着シートであって、該紫外線吸収剤の含有量が、樹脂(b1)100質量部に対して、0.1〜30質量である、表示画面用粘着シート、
[2]樹脂(b1)が、アクリル系粘着剤を含有する、上記[1]に記載の表示画面用粘着シート、
[3]紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、及びトリアジン系紫外線吸収剤から選ばれる1種以上である、上記[1]又は[2]に記載の表示画面用粘着シート、
[4]樹脂(b2)が、シリコーン系粘着剤及びウレタン系粘着剤から選ばれる1種以上を含有する、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の表示画面用粘着シート、
[5]透明基材(A)が、ポリエステルフィルムである、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の表示画面用粘着シート、
[6]上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の表示画面用粘着シートの粘着剤層(B1)上に、硬質平面板が積層されてなる、積層体、
[7]表示体モジュールの表示画面上に、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の表示画面用粘着シート、又は上記[6]に記載の積層体を有する、表示体、及び
[8]上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の表示画面用粘着シート、又は上記[6]に記載の積層体を、表示体モジュールの表示画面上に貼合して該表示画面を保護する方法、
を提供するものである。
[表示画面用粘着シート]
本発明の表示画面用粘着シート(以下、単に「粘着シート」と称することがある。)は、透明基材(A)の一方の面上に、樹脂(b1)及び紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物(x)から形成される粘着剤層(B1)を有し、透明基材(A)のもう一方の面上に樹脂(b2)を含有する粘着剤組成物(y)から形成される粘着剤層(B2)を有する、表示画面用粘着シートであって、該紫外線吸収剤の含有量が、樹脂(b1)100質量部に対して、0.1〜30質量であることを特徴とする。
本発明の粘着シートにおける透明基材(A)については、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、環状オレフィン系フィルム等を挙げることができる。これらの中では、透明性の点で、ポリエステルフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
透明基材(A)の厚さは、特に制限はないが、好ましくは5〜500μmの範囲、より好ましくは20〜250μmの範囲である。この厚さが5μm以上であれば破断することなく、加工性が向上し、500μm以下であれば十分な柔軟性が得られ、加工性に優れる。
また、透明基材(A)は、その表面に設けられる粘着剤層(B1)及び粘着剤層(B2)との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施したり、易接着層を形成したりしてもよい。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
易接着層の材料としては、ポリエステル系樹脂やウレタン系樹脂等が挙げられる。
本発明の粘着シートは、透明基材(A)の面上に、樹脂(b1)及び紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物(x)から形成される粘着剤層(B1)を有する。なお、本発明の粘着シートの粘着剤層(B1)側を後述する硬質平面板と貼合することが好ましい。
本発明に係る粘着剤組成物(x)は、樹脂(b1)を含有する。樹脂(b1)としては、特に制限は無いが、アクリル系粘着剤を含有することが好ましい。アクリル系粘着剤を含有することで、紫外線吸収剤を含有しても、ヘーズが上昇することがない。
樹脂(b1)を構成する樹脂成分の中で、アクリル系粘着剤の含有量は、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、より更に好ましくは100質量%である。
樹脂(b1)は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
アクリル系粘着剤としては、任意の適切なアクリル系樹脂からなるものが挙げられる。
アクリル系樹脂に特に制限はないが、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が好ましい。
この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、必要に応じて用いられる架橋性官能基含有エチレン性単量体や他の単量体との共重合体を好ましく挙げることができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
以上の(メタ)アクリル酸エステル、及び必要に応じて用いられる架橋性官能基含有エチレン性単量体や他の単量体を、それぞれ所定の割合で用い、従来公知の方法を用いて共重合を行い、重量平均分子量が、好ましくは30万〜150万程度、より好ましくは35万〜130万程度の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を製造する。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
架橋剤としては、従来アクリル系樹脂において架橋剤として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が、架橋性官能基としてヒドロキシ基を有する場合には、ポリイソシアネート化合物が好ましく、一方カルボキシル基を有する場合には、金属キレート化合物やエポキシ化合物が好ましい。
アルミニウムキレート化合物としては、例えばジイソプロポキシアルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムビスオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノオレエートモノエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノラウリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノステアリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノイソステアリルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノ−N−ラウロイル−β−アラネートモノラウリルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(イソブチルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(2−エチルヘキシルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(ドデシルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(オレイルアセトアセテート)キレートなどが挙げられる。上記金属キレート化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る粘着剤組成物(x)は、紫外線吸収剤を含有する。紫外線吸収剤を含有することで、表示画面からのブルーライトの透過を低減することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては「Cyasorb UV−24」(Cytec社製)等が市販されている。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として「チヌビン326」(BASFジャパン(株)製)等が市販されている。
トリアジン系紫外線吸収剤として「チヌビン460」、「チヌビン477」、「チヌビン479」(いずれもBASFジャパン(株)製)等が市販されている。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
これらの中で、ブルーライトの透過を効果的に抑制する観点から、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びトリアジン系紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びトリアジン系紫外線吸収剤がより好ましく、トリアジン系紫外線吸収剤が更に好ましい。
粘着剤層(B1)を形成する粘着剤組成物(x)としては、本発明の効果を損なわない範囲において、樹脂(b1)として、シリコーン系粘着剤やウレタン系粘着剤を含有してもよい。シリコーン系粘着剤やウレタン系粘着剤の具体例としては、後述する樹脂(b2)と同じものである。
汎用添加剤としては、例えば、粘着付与剤、酸化防止剤、軟化剤(可塑剤)、顔料、染料、充填剤等が挙げられる。なお、これらの汎用添加剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着剤組成物(x)中にこれらの汎用添加剤を含有する場合、粘着剤組成物(x)中のそれぞれの汎用添加剤の含有量は、粘着剤組成物(x)中の樹脂(b1)100質量部に対して、好ましくは0.0001〜60質量部、より好ましくは0.001〜50質量部、更に好ましくは0.01〜40質量部、より更に好ましくは0.1〜30質量部である。
なお、粘着剤組成物(x)中に含まれる樹脂の生成に際し、生成した樹脂が有機溶媒に含有された状態である場合、同じ有機溶媒を用いて希釈し、上記固形分濃度となるように調製してもよい。
本発明の粘着シートは、粘着剤層(B1)と接する面とは反対側の透明基材(A)の面上に、樹脂(b2)を含有する粘着剤組成物(y)から形成される粘着剤層(B2)を有する。粘着剤層(B2)を有することで、表示体モジュールの表示画面と貼合することができる。
本発明に係る粘着剤組成物(y)は、樹脂(b2)を含有する。樹脂(b2)としては、特に制限は無く、被着体との濡れ性を高める観点から、表示体モジュールの表示画面の材質によって最適なものを選択することができる。そのため、粘着剤組成物(y)における粘着剤の材料の選択の自由度が広い。樹脂(b2)としては、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及びアクリル系粘着剤等が挙げられる。樹脂(b2)は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中で、樹脂(b2)は、シリコーン系粘着剤及びウレタン系粘着剤から選ばれる1種以上を含有することが好ましく、シリコーン系粘着剤からなることがより好ましい。樹脂(b2)にシリコーン系粘着剤を含有することで、表示体に対して、気泡が残留することなく、貼付することができる。
シリコーン系粘着剤としては、例えばポリオルガノシロキサンを主成分とする粘着剤を使用でき、例えば、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤、及び付加反応型シリコーン系粘着剤等が挙げられる。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤は、ポリオルガノシロキサンを有機過酸化物の存在したで架橋するものである。
付加反応型シリコーン系粘着剤は、ケイ素原子に結合した不飽和基を有するオルガノポリシロキサンを主剤とし、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金系の硬化触媒からなっている。
これらの中で、付加反応型シリコーン系粘着剤が好ましい。
オルガノ基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等が例示される。上記オルガノ基が一部ビニル基、ヘキセニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、オクテニル基等のアルケニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルメチル基、(メタ)アクリロイルプロピル基、シクロヘキセニル基のような不飽和基に置換されている。中でも、不飽和基として、工業的に入手が容易なアルケニル基を有するものが好ましく、ビニル基を有するものがより好ましい。このような付加反応型シリコーンを含む粘着剤においては、不飽和基と架橋剤に含まれるヒドロシリル基との付加反応によって架橋が進行して網状の構造が形成され、粘着性が発現する。
ビニル基のような不飽和基の数はオルガノ基100個に対して、好ましくは0.05〜3.0個、より好ましくは0.1〜2.5個である。
なお、付加反応型シリコーン系粘着剤に含まれるオルガノポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、網状が例示される。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ビニル基のような不飽和基1個に対して、ケイ素原子に結合した水素原子を好ましくは0.5〜10個、より好ましくは1.0〜2.5個になるように配合する。
白金触媒は、主剤に対して、好ましくは5〜2000質量ppm、より好ましくは10〜500質量ppmである。5質量ppm以上とすることにより、粘着力および凝集力(保持力)が低下するのを防ぎ、2000質量ppm以下とすることにより、コストアップを防ぐとともに粘着剤層の安定性を保持することができる。
その含有量は、主剤100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは0〜20質量部の範囲である。50質量部以下であれば、粘着力の過度の上昇が抑えられ、再剥離性が向上する。
ウレタン系粘着剤としては、任意の適切なウレタン系樹脂からなるものが挙げられる。ウレタン系樹脂は、ポリオール(c)と多官能イソシアネート化合物(d)を含有する組成物を硬化させて得られる。
ポリオール(c)としては、水酸基を2個以上有するポリオールであれば、任意の適切なポリオールを採用し得る。このようなポリオール(c)としては、例えば、水酸基を2個有するポリオール(ジオール)、OH基を3個有するポリオール(トリオール)、水酸基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、水酸基を6個有するポリオール(ヘキサオール)などが挙げられる。
ポリオール(c)の数平均分子量(Mn)としては、好ましくは400〜20,000、より好ましくは500〜15,000、更に好ましくは600〜12,000である。
ポリエステルポリオールは、例えば、ポリオール成分と酸成分とのエステル化反応によって得ることができる。
ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンなどの環状エステルモノマーの開環重合により得られるカプロラクトン系ポリエステルジオールなどが挙げられる。
ひまし油系ポリオールとしては、例えば、ひまし油脂肪酸と上記ポリオール成分とを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物(d)としては、ウレタン化反応に用い得る任意の適切な多官能イソシアネート化合物を採用し得る。このような多官能イソシアネート化合物(d)としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物などが挙げられる。
多官能脂環族系イソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,3−シクロへキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物(d)としては、上記のような各種多官能イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体なども挙げられる。また、これらを併用しても良い。
3級アミン系化合物としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等が挙げられる。
有機金属系化合物としては、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルフィド、トリブチル錫スルフィド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキシド、トリブチル錫エトキシド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫クロリド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等の錫系化合物、ジブチルチタニウムジクロリド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロリド等のチタン系化合物が挙げられる。なお、これらの触媒は、単独で又は2種以上併用して用いてもよい。
また、当該反応において必要に応じて用いられる溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で又は2種以上併用して用いてもよい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
アクリル系粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系共重合等の従来公知のアクリル系樹脂の中から適宜選択することができる。アクリル系樹脂の具体例は、前述の樹脂(b1)と同じものである。
粘着剤組成物(y)には、本発明の効果を損なわない範囲において、汎用添加剤を含有してもよい。
汎用添加剤の具体例及び含有量は、粘着剤組成物(x)で述べた説明と同じである。粘着剤組成物(y)には、本発明の効果を損なわない範囲において、汎用添加剤として紫外線吸収剤を含有することもできるが、樹脂(b2)にシリコーン系粘着剤を使用する場合には、ヘーズを抑える観点から、粘着剤組成物(y)には、紫外線吸収剤を含有しないことが好ましい。
粘着剤組成物(y)は、有機溶媒で希釈することが好ましい。用いる有機溶媒、粘着剤組成物(y)の固形分濃度及び、その具体的な態様は、粘着剤組成物(x)で述べた説明と同じである。
本発明の粘着シートは、総厚が好ましくは60〜400μm、より好ましくは100〜300μm、更に好ましくは120〜250μmである。総厚が60μm以上であれば、十分な追従性が得られ、400μm以下であれば、裁断加工適性や抜き加工適性が良好である。
本発明の粘着シートのヘーズは、好ましくは5.0%以下、より好ましくは2.0%以下、更に好ましくは1.0%以下である。なお、本発明において、上記ヘーズは、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の粘着シートにおける波長380〜495nmの光線透過率は、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下、更に好ましく70%以下である。なお、本発明において、当該光線透過率は、実施例に記載の方法により測定することができる。本発明の粘着シートの波長380〜495nmの光線透過率が上記の範囲であれば、目に有害なブルーライトを効果的に遮蔽することができる。
本発明の粘着シートの製造方法としては、特に制限はないが、例えば、剥離シート上に、粘着剤組成物(x)を直接塗布し、粘着剤層(B1)を形成した粘着シートと、粘着剤組成物(y)を直接塗布し、粘着剤層(B2)を形成した粘着シートとをそれぞれ用意し、この2枚の粘着シートの粘着剤層を透明基材(A)の両面にそれぞれ貼り合わせて作製することができる。もしくは、透明基材(A)の一方の表面に、粘着剤組成物(x)を直接塗布し、もう一方の表面にと粘着剤組成物(y)を直接塗布し、乾燥して粘着剤層を形成し、更に形成した該粘着剤層上に剥離シートを貼り合わせてもよい。また、透明基材(A)の一方の表面と剥離シート上に形成した粘着剤層(B1)とを貼り合わせ、他方の面に粘着剤組成物(y)を直接塗布して粘着剤層(B2)を形成して作製することもできる。なお、本発明において、粘着剤層(B1)及び粘着剤層(B2)を形成する順序は特に限定されない。
なお、粘着剤組成物を塗布した後、溶剤や低沸点成分の残留を防ぐ観点から、80℃〜150℃程度の温度で、30秒〜5分間程度加熱し乾燥させることが好ましい。塗布装置としては、特に制限無く、公知のものを使用できる。
このようにして得られた本発明の粘着シートは、視認性に優れ、下記本発明の積層体及び表示体の作製用として用いることができる。
本発明の粘着シートは、粘着剤層(B1)上に、硬質平面板を有する積層体とすることが好ましい。すなわち、本発明の積層体は、前述した本発明の表示画面用粘着シートの粘着剤層(B1)上に、硬質平面板が積層されてなる。本発明の積層体は、透明基材(A)を介して粘着剤層(B2)と、粘着剤層(B1)とが順に積層されてなり、粘着剤層(B1)の透明基材と接する面とは反対の面上に、更に硬質平面板が積層されてなる構造を有する。本発明においては、硬質平面板を有する積層体とすることで、表示体モジュールの表示画面を衝撃から保護することができ、このような積層体を部材として用いることにより、携帯情報端末機器や、静電容量方式タッチパネル装置、各種のフラットパネルディスプレイなどを提供することができる。
硬質平面板の材質としては、通常透明なガラス板や樹脂板が用いられる。上記ガラス板としては、例えばソーダライムガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、アルミノケイ酸ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などからなるものを用いることができる。上記樹脂板としては、例えばアクリル樹脂板、ポリカーボネート板、TCA(トリアセチルセルロース)フィルムなどからなるものを用いることができる。
上記硬質平面板の厚さは、後述する積層体の用途にもよるが、好ましくは0.08〜5mm、より好ましくは0.2〜4mm、更に好ましくは0.4〜3mmである。
本発明の表示体は、表示体モジュールの表示画面上に、本発明の粘着シート又は積層体を有する。すなわち、表示体モジュール、及び本発明の粘着シート、又は本発明の積層体の順で積層されてなることを特徴とする。本発明の粘着シート又は積層体は、粘着剤層(B2)を介して表示体モジュールの表示画面上に容易に貼合することができる。
前記表示体モジュールとしては、画像表示パネルを有する携帯情報端末機器などの電子端末用画像表示モジュール、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機又は無機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、表面電解ディスプレイ(SED)等の種々のフラットパネルディスプレイモジュール、静電容量方式タッチパネルモジュールなどを用いることができる。
本発明の表示体は、表示画面に対する視認性が良好であり、ブルーライトを遮蔽することができ、表示画面を衝撃から保護することができる。
なお、各例における諸特性は、以下に示す方法に従って求めた。
各例で得られた樹脂シートの樹脂層の厚さを、JIS K 7130に準じて、定圧厚さ測定器(テクロック社製、製品名「PG−02」)で測定した。
ゲル浸透クロマトグラフ装置を用いて、下記の条件下で測定し、標準ポリスチレン換算にて測定した値を用いた。
測定装置:製品名「HLC−8220GPC」、東ソー社製
カラム:製品名「TSKGel SuperHZM-M」、東ソー社製
展開溶媒:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
各例で得られた粘着シートの剥離シートを取り除き、ヘーズメータ(日本電色工業(株)製、製品名「NDH2000」)を用い、日本工業規格JIS K 7136−2000「プラスチック―透明材料のヘーズの求め方」に準拠して粘着シートのヘーズ(%)を測定した。
各例で得られた粘着シートのブルーライトカット効果を以下の方法で評価した。
各例で得られた粘着シートの剥離シートを取り除き、分光光度計((株)島津製作所製、製品名「UV−3600」)を用いて波長380〜495nmの光線透過率を測定した。
表示画面用粘着シートを50mm×50mmに切断することにより、貼り易さを評価するための試験片とする。試験片の粘着剤層(B2)から剥離フィルムを剥がし、試験片の粘着剤層(B2)を水平面に置いたガラス面に対して45度の角度で、試験片の1辺からガラス面に接触させ、試験片をガラス面に落とし、粘着剤層(B2)の全面がガラス面に濡れるまでの時間を測定する。
透明基材(A)として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、製品名「ルミラーT−60」)の一方の面に、アクリル系粘着剤(1)100質量部(固形分)に対して更にベンゾフェノン系紫外線吸収剤を1.5質量部配合したアクリル系粘着剤塗工液を塗布し、乾燥し、架橋させることにより、厚さ100μmの粘着剤層(B1)を形成し、その面に剥離フィルムを積層した。
さらに、透明基材(A)の他方の面に、シリコーン系粘着剤の塗工液を塗布し、乾燥し、架橋させることにより、厚さ20μmの粘着剤層(B2)を形成し、その面に剥離フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムを積層することにより、表示画面用粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
粘着剤層(B1)における紫外線吸収剤をトリアジン系に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、表示画面用粘着シートを作製した。
粘着剤層(B2)をウレタン系粘着剤に変更したこと以外は、実施例1と同様にして表示画面用粘着シートを作製した。
粘着剤層(B2)をウレタン系粘着剤に変更したこと以外は、実施例2と同様にして表示画面用粘着シートを作製した。
粘着剤層(B2)をアクリル系粘着剤(2)に変更したこと以外は、実施例2と同様にして表示画面用粘着シートを作製した。
粘着剤層(B1)において紫外線吸収剤を添加しなかったこと、及び、粘着剤層(B2)において、トリアジン系紫外線吸収剤をシリコーン系粘着剤100質量部(固形分)に対して10質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、表示画面用粘着シートを作製した。
アクリル系粘着剤(1):
アクリル酸エステル共重合体(ブチルアクリレート98質量%、アクリル酸2質量%、重量平均分子量80万、固形分30質量%の酢酸エチル溶液)100質量部、及びポリイソシアネート化合物(東ソー(株)製、製品名「コロネートL)0.5質量部を使用し、アクリル系粘着剤(1)を調製した。
シリコーン系粘着剤:
付加反応型シリコーン(信越化学工業(株)製、製品名「X−40−3229」)100質量部、及び白金系硬化触媒(信越化学工業(株)製、製品名「CAT−PL−50T)0.017質量部を使用し、シリコーン系粘着剤を調製した。
ウレタン系粘着剤:
水酸基含有ウレタンプレポリマー(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、製品名「US−1353」、固形分70質量%)100質量部、多官能イソシアネート化合物(東ソー(株)、製品名「コロネートHL」)6質量部、錫系化合物(固形分2.5質量%)1質量部を使用し、ウレタン系粘着剤を調製した。
アクリル系粘着剤(2):
アクリル系粘着剤(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、製品名「AS−425」)100質量部、ポリイソシアネート化合物(東ソー(株)製、製品名「コロネートHL」)6質量部を使用し、アクリル系粘着剤(2)を調製した。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(CYTEC社製、製品名「CYASORB UV−24」)
トリアジン系紫外線吸収剤(BASF社製、製品名「チヌビン477」)
Claims (8)
- 透明基材(A)の一方の面上に、樹脂(b1)及び紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物(x)から形成される粘着剤層(B1)を有し、透明基材(A)のもう一方の面上に樹脂(b2)を含有する粘着剤組成物(y)から形成される粘着剤層(B2)を有する、表示画面用粘着シートであって、該紫外線吸収剤の含有量が、樹脂(b1)100質量部に対して、0.1〜30質量である、表示画面用粘着シート。
- 樹脂(b1)が、アクリル系粘着剤を含有する、請求項1に記載の表示画面用粘着シート。
- 紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、及びトリアジン系紫外線吸収剤から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の表示画面用粘着シート。
- 樹脂(b2)が、シリコーン系粘着剤及びウレタン系粘着剤から選ばれる1種以上を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示画面用粘着シート。
- 透明基材(A)が、ポリエステルフィルムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示画面用粘着シート。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示画面用粘着シートの粘着剤層(B1)上に、硬質平面板が積層されてなる、積層体。
- 表示体モジュールの表示画面上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示画面用粘着シート、又は請求項6に記載の積層体を有する、表示体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示画面用粘着シート、又は請求項6に記載の積層体を、表示体モジュールの表示画面上に貼合して該表示画面を保護する方法。
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