JP7252697B2 - 表面保護フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、光学用表面保護フィルムに関する。特に、光学部材(例えば、液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルム、ディスプレイ用のカバーガラス等)表面の保護や、紫外線照射により劣化しやすい等の部材を紫外線から保護するために用いられる光学用表面保護フィルムとして、有用である。
保護フィルムは、一般に、フィルム状の基材上に粘着剤層が設けられた構成を有する。かかる保護フィルムは、前記粘着剤層を介して被着体である光学部材に貼り合わされ、これにより光学部材を加工、搬送、検査時等の際の表面の傷や汚れから保護する目的で用いられる。例えば、液晶ディスプレイのパネルは、液晶セルに粘着剤層を介して、偏光板や波長板等の光学部材を貼り合わせることにより形成されている(特許文献1)。
保護フィルムとしては、光学部材などに貼り合せた状態で、外観検査などが行われることがあるため、経時での保護フィルムの色相変化(赤変等の変色)を防止できるものが要求される。
また、液晶ディスプレイのパネルに用いられる液晶セルに封入されている液晶は、紫外線により劣化するため、液晶セルに貼り合せされる偏光板などの部材には、紫外線吸収機能を有する保護フィルムが貼り合わせられ、使用される。
また、近年、薄型化スマートフォンやタブレットのようなモバイル端末のカバーガラスの製造時に、紫外線や熱などの活性エネルギーにより硬化する樹脂を用いて貼り合わせ作業が行われるが、紫外線照射を必要とせず、紫外線により劣化する部材が用いられることもあり、このような部材を保護するため、紫外線吸収剤を含む保護フィルムが使用される。
使用された保護フィルムは、不要になった段階で剥離除去されるが、薄型化したスマートフォンなどに用いられるカバーガラスに貼付された保護フィルムを剥離除去しようとすると、紫外線や熱などにより、粘着力の上昇した保護フィルムでは、容易に剥離除去することが困難となり、カバーガラスの破損などを引き起こす場合がある。
特開2007-304425号公報
そこで、本発明者らは、上記事情に鑑み、鋭意研究した結果、紫外線透過率が低く、色相変化が抑制され、粘着力安定性に優れた光学用表面保護フィルムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明の光学用表面保護フィルムは、ポリエステル系樹脂から形成される基材、及び、前記基材の片面に、粘着剤組成物より形成される粘着剤層を設けてなる光学用表面保護フィルムであって、前記表面保護フィルムのb*値が2以下であり、前記表面保護フィルムの、波長365nmにおける透過率が2%以下であり、前記粘着剤層をガラスに貼付後、加熱前の粘着力と、100℃で30分加熱後の粘着力の変化率が、±30%以下であることを特徴とする。
本発明の光学用表面保護フィルムは、前記粘着剤組成物が、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
本発明の光学用表面保護フィルムは、前記紫外線吸収剤の分子内のヒドロキシル基が、3個以下であることが好ましい。
本発明の光学用表面保護フィルムは、前記粘着剤組成物が、(メタ)アクリル系ポリマー、及び/又は、ウレタン系ポリマーをベースポリマーとして含有することが好ましい。
本発明の光学用表面保護フィルムは、前記粘着剤組成物が、前記ベースポリマー100重量部に対して、前記紫外線吸収剤を0.1~20重量部含有することが好ましい。
本発明の光学用表面保護フィルムは、前記基材の厚みが、6~100μmであり、前記粘着剤層の厚みが、1~30μmであることが好ましい。
本発明は、特定の光学特性を有する表面保護フィルムを用いることで、紫外線の透過率が低く、色相変化が抑制され、粘着力安定性に優れた光学用表面保護フィルムを得ることができ、有用である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<光学用表面保護フィルムの全体構造>
ここに開示される光学用表面保護フィルム(以下、単に「表面保護フィルム」という場合がある。)は、一般に、粘着テープ、粘着ラベル、粘着フィルム等と称される形態の粘着剤層表面がセパレータにより保護されるものであり、特に光学部品(例えば、偏光板、波長板、カバーガラスの液晶ディスプレイパネル構成要素として用いられる光学部品)の加工、検査、搬送時に光学部品の表面を保護する表面保護フィルムとして好適である。前記表面保護フィルムにおける粘着剤層は、典型的には連続的に形成されるが、かかる形態に限定されるものではなく、例えば点状、ストライプ状等の規則的あるいはランダムなパターンに形成された粘着剤層であってもよい。また、ここに開示される表面保護フィルムは、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。
<基材>
本発明の光学用表面保護フィルムは、ポリエステル系樹脂から形成される基材を有することを特徴とする。前記ポリエステル系樹脂から形成される基材は、光学特性や寸法安定性に優れる等、表面保護フィルムの基材として、好ましい特性を有する。
前記ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート等のエステル結合を基本とする主骨格を有するポリエステル系ポリマー材料(ポリエステル樹脂)を主たる樹脂成分(樹脂成分のなかの主成分、典型的には50重量%以上を占める成分)とする樹脂材料から構成されたものを、前記基材として好ましく用いることができる。前記ポリエステル系樹脂以外のその他の樹脂材料としては、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体等の、スチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン-プロピレン共重合体等の、オレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロン6、ナイロン6,6、芳香族ポリアミド等の、アミド系ポリマー;等を樹脂材料とするものが挙げられる。前記樹脂材料のさらに他の例として、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー等が挙げられる。上述したポリマーの2種以上のブレンド物からなる基材であってもよい。
前記基材を構成する樹脂材料には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)等の各種添加剤が配合されていてもよい。例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理、下塗り剤の塗布等の、公知または慣用の表面処理が施されていてもよい。このような表面処理は、例えば、基材と粘着剤層との密着性(粘着剤層の投錨性)を高めるための処理であり得る。
前記基材として、帯電防止処理がなされてなるものを使用することも可能である。前記基材を用いることにより、剥離した際の表面保護フィルム自体の帯電が抑えられるため、好ましい。また、前記基材に帯電防止処理を施すことにより、表面保護フィルム自体の帯電を低減し、かつ、被着体への帯電防止能が優れるものが得られる。なお、帯電防止機能を付与する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができ、例えば、帯電防止剤と樹脂成分から成る帯電防止性樹脂や導電性ポリマー、導電性物質を含有する導電性樹脂を塗布する方法や導電性物質を蒸着あるいはメッキする方法、また、帯電防止剤等を練り込む方法等があげられる。
前記基材の厚みとしては、6~100μmであることが好ましく、より好ましくは10~60μmであり、更に好ましくは15~40μmである。前記基材の厚みが、前記範囲内にあると、被着体への貼り合せ作業性と被着体からの剥離性や作業性に優れるため、好ましい。
ここに開示される表面保護フィルムは、基材、及び、粘着剤層に加えて、さらに他の層を含む態様でも実施され得る。前記他の層としては、帯電防止層や粘着剤層の投錨性を高める下塗り層(アンカー層)などが挙げられる。また、粘着剤層表面を保護する目的で、セパレータを貼付してもよい。
<粘着剤層>
本発明の光学用表面保護フィルムは、前記基材の片面に、粘着剤組成物より形成される粘着剤層を設けてなることを特徴とする。本発明で用いられる粘着剤層は、粘着性を有する粘着性ポリマーを含有する粘着剤組成物から形成されるものであれば、特に制限なく使用できる。前記粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等を使用することができ、中でも、ベースポリマーとして、(メタ)アクリル系ポリマー、及び/又は、ウレタン系ポリマーを含有する粘着剤組成物を使用することが好ましい。
<アクリル系粘着剤>
前記粘着剤層がアクリル系粘着剤を使用する場合、前記アクリル系粘着剤を構成する粘着性ポリマーである(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとし、これを構成する原料モノマーとして、炭素数1~14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを、主モノマーとして用いることができる。前記(メタ)アクリル系モノマーとしては、1種または2種以上を使用することができる。前記炭素数が1~14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、被着体(被保護体)に対する剥離力(粘着力)を低く制御することが容易となり、軽剥離性や再剥離性に優れた表面保護フィルムが得られる。なお、本発明における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいい、また(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。
前記炭素数1~14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
なかでも、本発明の表面保護フィルムにおいては、特に、n-ブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数4~14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーが好適なものとしてあげられる。特に、炭素数4~14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、被着体への剥離力(粘着力)を低く制御することが容易となり、再剥離性に優れたものとなる。
特に、前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、炭素数1~14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを、65重量%以上含有することが好ましく、より好ましくは、75重量%以上、更に好ましくは、85~99.9重量%、特に好ましくは90~99重量%である。65重量%未満になると、粘着剤組成物の適度な濡れ性や、粘着剤層の凝集力が劣ることになり、好ましくない。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、原料モノマーとして、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、1種または2種以上を使用することができる。前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、粘着剤組成物の架橋などを制御しやすくなり、ひいては流動による濡れ性の改善と剥離における剥離力(粘着力)の低減とのバランスを制御しやすくなる。
前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、たとえば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルアクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、などがあげられる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを、25重量%以下含有することが好ましく、より好ましくは、15重量%以下、更に好ましくは、0.1~10重量%、特に好ましくは、1~5重量%である。前記範囲内にあると、粘着剤組成物の濡れ性と、得られる粘着剤層の凝集力のバランスを制御しやすくなるため、好ましい。
また、その他の重合性モノマー成分として、粘着性能のバランスが取りやすい理由から、Tgが0℃以下(通常-100℃以上)になるようにして、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度や剥離性を調整するための重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、原料モノマーとして、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。前記カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、粘着剤層(表面保護フィルム)の経時での粘着力の上昇を抑制することができ、再剥離性、粘着力上昇防止性、及び作業性に優れる。また、粘着剤層の凝集力と共に、せん断力にも優れ、好ましい。
前記カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、カルボキシルペンチル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、前記カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを、10重量%以下であることが好ましく、0~8重量%であることがより好ましく、0~6重量%であることが更に好ましい。前記範囲内にあると、粘着剤組成物の濡れ性と、得られる粘着剤層の凝集力のバランスを制御しやすくなるため、好ましい。
更に、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、前記原料モノマー以外のその他の重合性モノマーを、本発明の特性を損なわない範囲内であれば、特に限定することなく用いることができる。たとえば、前記その他の重合性モノマーとして、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N-アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマーなどの剥離力(粘着力)の向上や架橋化基点として働く官能基を有する成分を適宜用いることができる。中でも、シアノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、及び、N-アクリロイルモルホリンなどの窒素含有モノマーを用いることが好ましい。窒素含有モノマーを用いることにより、浮きや剥がれなどが生じない適度な剥離力(粘着力)を確保でき、更にせん断力に優れた表面保護フィルムを得ることができるため、有用である。これら重合性モノマーは、1種また2種以上を使用することができる。
前記シアノ基含有モノマーとしては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルがあげられる。
前記アミド基含有モノマーとしては、たとえば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジエチルメタクリルアミド、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどがあげられる。
前記イミド基含有モノマーとしては、たとえば、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミドなどがあげられる。
前記アミノ基含有モノマーとしては、たとえば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
前記ビニルエステルモノマーとしては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどがあげられる。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、たとえば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α-メチルスチレン、その他の置換スチレンなどがあげられる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
前記ビニルエーテルモノマーとしては、たとえば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
本発明において、前記その他の重合性モノマーは、前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、0~30重量%であることが好ましく、0~10重量%であることがより好ましい。前記その他の重合性モノマーは所望の特性を得るために、適宜調節することができる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーが、更に、モノマー成分としてアルキレンオキシド基含有反応性モノマーを含有してもよい。
また、前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーのオキシアルキレン単位の平均付加モル数としては、オキシアルキレン基含有化合物との相溶性の観点から、1~40であることが好ましく、3~40であることがより好ましく、4~35であることがさらに好ましく、5~30であることが特に好ましい。前記平均付加モル数が1以上の場合、被着体(被保護体)の汚染低減効果が効率よく得られる傾向がある。また、前記平均付加モル数が40より大きい場合、オキシアルキレン基含有化合物との相互作用が大きく、粘着剤組成物の粘度が上昇して塗工が困難となる傾向があるため好ましくない。なお、オキシアルキレン鎖の末端は、ヒドロキシル基のままや、他の官能基などで置換されていてもよい。
前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー成分全量中、0~20重量%であることが好ましく、0~10重量%であることがより好ましい。アルキレンオキシド基含有反応性モノマーの含有量が20重量%を超えると、被着体への汚染性が悪化するため、好ましくない。
前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーのオキシアルキレン単位としては、炭素数1~6のアルキレン基を有するものがあげられ、たとえば、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などがあげられる。オキシアルキレン鎖の炭化水素基は直鎖でもよく、分岐していてもよい。
また、前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーがエチレンオキシド基を有する反応性モノマーであることがより好ましい。エチレンオキシド基を有する反応性モノマー含有(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとして用いることにより、ベースポリマーとオキシアルキレン基含有化合物との相溶性が向上し、被着体へのブリードが好適に抑制され、低汚染性の粘着剤組成物が得られる。
前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキレンオキシド付加物や、分子中にアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などの反応性置換基を有する反応性界面活性剤などがあげられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキシド付加物の具体例としては、たとえば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられる。
また、前記反応性界面活性剤の具体例としては、たとえば、(メタ)アクリロイル基またはアリル基を有するアニオン型反応性界面活性剤、ノニオン型反応性界面活性剤、カチオン型反応性界面活性剤などがあげられる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)が10万~500万が好ましく、より好ましくは20万~400万、さらに好ましくは30万~300万、最も好ましくは30万~120万である。重量平均分子量が10万より小さい場合は、粘着剤層の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が500万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し、被着体(例えば、偏光板)への濡れが不十分となり、被着体と表面保護フィルムの粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、0℃以下が好ましく、より好ましくは-10℃以下である(通常-100℃以上)。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくく、例えば、光学部材である偏光板への濡れが不十分となり、偏光板と表面保護フィルムの粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。特にガラス転移温度を-70℃以下にすることで偏光板への濡れ性と軽剥離性に優れる粘着剤層が得られ易くなる。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調整することができる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーの重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できるが、特に作業性の観点や、被着体(被保護体)への低汚染性など特性面から、溶液重合がより好ましい態様である。また、得られるポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよい。
<ウレタン系粘着剤>
前記粘着剤層にウレタン系粘着剤を使用する場合、任意の適切なウレタン系粘着剤を採用し得る。このようなウレタン系粘着剤としては、好ましくは、ポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させて得られる粘着性ポリマーであるウレタン系ポリマーをベースポリマーとするものが挙げられ、前記ウレタン系粘着剤は、ポリウレタン系樹脂を含むものを用いることができ、前記ポリウレタン系樹脂とは、ポリオールとポリイソシアネート化合物を含有する組成物を硬化させて得られるものをいう。
前記ウレタン系粘着剤中のポリウレタン系樹脂の含有割合は、下限値として、好ましくは40重量%以上が好ましく、より好ましくは50重量%以上であり、さらに好ましくは55重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%であり、特に好ましくは65重量%であり、最も好ましくは70重量%であり、上限値として、好ましくは99.999重量%以下であり、より好ましくは99.99重量%以下であり、さらに好ましくは99.9重量%以下であり、さらに好ましくは99重量%以下であり、特に好ましくは95重量%以下であり、最も好ましくは90重量%以下である。前記ポリウレタン系樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
また、前記ポリオールとしては、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記ポリオールとしては、OH基を2個以上有するポリオールであれば、任意の適切なポリオールを採用し得る。このようなポリオールとしては、例えば、OH基を2個有するポリオール(ジオール)、OH基を3個有するポリオール(トリオール)、OH基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、OH基を6個有するポリオール(ヘキサオール)などが挙げられる。
また、前記ポリオールとして、好ましくは、OH基を3個有するポリオール(トリオール)を採用し得る。このようにポリオールとしてOH基を3個有するポリオール(トリオール)を採用することで、例えば、濡れ速度が速い粘着剤層とすることができ、本発明で採用する特定の基材と組み合わせることにより、傷や異物混入の検出率がより高い表面保護フィルムを提供することができる。ポリオール中の、OH基を3個有するポリオール(トリオール)の含有割合は、好ましくは50~100重量%であり、より好ましくは70~100重量%であり、さらに好ましくは80~100重量%であり、さらに好ましくは90~100重量%であり、特に好ましくは95~100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
前記ポリオールとしては、好ましくは、数平均分子量(Mn)が400~20000のポリオールを含むことができる。ポリオール中の、数平均分子量(Mn)が400~20000のポリオールの含有割合は、好ましくは50~100重量%であり、より好ましくは70~100重量%であり、さらに好ましくは90~100重量%であり、特に好ましくは95~100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
また、本発明においては、ポリオールとしてOH基を3個有するポリオール(トリオール)としては、好ましくは、数平均分子量(Mn)が7000~20000のトリオールと、数平均分子量(Mn)が2000~6000のトリオールと、数平均分子量(Mn)が400~1900のトリオールとを併用し、より好ましくは、数平均分子量(Mn)が8000~15000のトリオールと、数平均分子量(Mn)が2000~5000のトリオールと、数平均分子量(Mn)が500~1800のトリオールとを併用し、さらに好ましくは、数平均分子量(Mn)が8000~12000のトリオールと、数平均分子量(Mn)が2000~4000のトリオールと、数平均分子量(Mn)が500~1500のトリオールとを併用することである。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひまし油系ポリオールなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリオール成分と酸成分とのエステル化反応によって得ることができる。
前記ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,8-デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
前記酸成分としては、例えば、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12-ドデカン二酸、1,14-テトラデカン二酸、ダイマー酸、2-メチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2-エチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェエルジカルボン酸、これらの酸無水物などが挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、低分子ポリオール(プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、ジヒドロキシベンゼン(カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンなど)などを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
前記ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ε-カプロラクトン、σ-バレーロラクトンなどの環状エステルモノマーの開環重合により得られるカプロラクトン系ポリエステルジオールなどが挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記ポリオール成分とホスゲンとを重縮合反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分と、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロビル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル、エチルブチル炭酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジル等の炭酸ジエステル類とをエステル交換縮合させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分を2種以上併用して得られる共重合ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとカルボキシル基含有化合物とをエステル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエーテル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとエステル化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとジカルボン酸化合物とを重縮合反応させて得られるポリエステル系ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとアルキレンオキサイドとを共重合させて得られる共重合ポリエーテル系ポリカーボネートポリオール;などが挙げられる。
前記ひまし油系ポリオールとしては、例えば、ひまし油脂肪酸と上記ポリオール成分とを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ひまし油脂肪酸とポリプロピレングリコールとを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物(多官能イソシアネート化合物)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記ポリイソシアネート化合物(多官能イソシアネート化合物)としては、ウレタン化反応に用い得る任意の適切なポリイソシアネート化合物を採用し得る。このようなポリイソシアネート化合物としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物などが挙げられる。
前記多官能脂肪族系イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記多官能脂環族系イソシアネート化合物としては、例えば、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,3-シクロへキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記多官能芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソソアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,2’一ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、上記のような各種多官能イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体なども挙げられる。また、これらを併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物の含有割合は、前記ポリオール100重量部に対して、好ましくは5~60重量部であり、より好ましくは10~50重量部であり、さらに好ましくは15~40重量部である。
前記ポリオールと前記ポリイソシアネート化合物における、NCO基とOH基の当量比は、NCO基/OH基として、1.0を超えて5.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.1~5.0であり、さらに好ましくは1.2~4.0であり、特に好ましくは1.5~3.5であり、最も好ましくは1.8~3.0である。
前記ポリウレタン系樹脂は、濡れ性添加剤として使用できる脂肪酸エステルを含むことができる。ポリウレタン系樹脂が脂肪酸エステルを含むことにより、濡れ速度が向上し得る。脂肪酸エステルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記脂肪酸エステルの含有割合は、前記ポリオール100重量部に対して、好ましくは5~50重量部であり、より好ましくは10~45重量部であり、さらに好ましくは15~40重量部であり、特に好ましくは20~35重量部であり、最も好ましくは25~30重量部である。脂肪酸エステルの含有割合を上記範囲内に調整することによって、濡れ速度が一層向上し得る。脂肪酸エステルの含有割合が少なすぎると、濡れ速度が十分に向上できないおそれがある。脂肪酸エステルの含有割合が多すぎると、コスト的に不利になる問題が生じたり、粘着特性が維持できないという問題が生じたり、被着体が汚染されたりするという問題が生じたりするおそれがある。
前記脂肪酸エステルの数平均分子量(Mn)は、好ましくは200~400であり、より好ましくは210~395であり、さらに好ましくは230~380であり、特に好ましくは240~360であり、最も好ましくは270~340である。脂肪酸エステルの数平均分子量(Mn)を上記範囲内に調整することによって、濡れ速度がより一層向上し得る。脂肪酸エステルの数平均分子量(Mn)が小さすぎると、配合量が多くても濡れ速度が向上しないおそれがある。脂肪酸エステルの数平均分子量(Mn)が大きすぎると、乾燥時の粘着剤の硬化性が悪化し、濡れ特性に留まらずその他粘着特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
前記脂肪酸エステルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な脂肪酸エステルを採用し得る。このような脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、べへニン酸モノグリセライド、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2-エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル、オレイン酸オクチルなどが挙げられる。
前記ポリウレタン系樹脂は、レベリング剤を含むことができる。ポリウレタン系樹脂がレベリング剤を含むことにより、ゆず肌による外観ムラを防止し得る。前記レベリング剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記ポリオールとポリイソシアネート化合物を含有する組成物を硬化させてポリウレタン系樹脂を得る方法としては、塊状重合や溶液重合などを用いたウレタン化反応方法など、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法を採用し得る。ただし、従来の、いわゆるウレタンプレポリマーを経由させて得られるポリウレタン系樹脂では、本発明の効果が発現し得ないおそれがあるため、前記ポリオールとポリイソシアネート化合物を含有する組成物を硬化させてポリウレタン系樹脂を得る方法としては、好ましくは、ウレタンプレポリマーを経由させてポリウレタン系樹脂を得る方法以外の方法である。
<紫外線吸収剤>
本発明の光学用表面保護フィルムは、前記粘着剤組成物が、紫外線吸収剤を含有することが好ましく、前記紫外線吸収剤の分子内のヒドロキシル基が、3個以下であることが好ましい。紫外線吸収剤を使用することにより、紫外線により劣化しやすい部材の保護が可能となり、更に、ヒドロキシル基が3個以下の紫外線吸収剤を使用することにより、粘着剤層の粘着力安定性に優れ、好ましい。なお、前記紫外線吸収剤の分子内のヒドロキシル基が多い場合、紫外線吸収剤が架橋剤と反応してしまい、粘着剤組成物の硬化を阻害することが推測される。
前記紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等を挙げることができ、これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、前記紫外線吸収剤の分子内のヒドロキシル基が、3個以下のものがより好ましい態様である。
1分子中にヒドロキシル基を3個以下有するトリアジン系紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4-ビス-[{4-(4-エチルヘキシルオキシ)-4-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(Tinosorb S、BASF製)、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル]-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(TINUVIN 460、BASF製)、2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヒドロキシフェニルと[(C10-C16(主としてC12-C13)アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物(TINUVIN400、BASF製)、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール)、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物(TINUVIN405、BASF製)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール(TINUVIN1577、BASF製)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]-フェノール(ADK STAB LA46、ADEKA製)、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン(TINUVIN479、BASF社製)等を使用することができる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(TINUVIN 928、BASF製)、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(TINUVIN PS、BASF製)、ベンゼンプロパン酸および3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ(C側鎖および直鎖アルキル)のエステル化合物(TINUVIN384-2、BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(TINUVIN900、BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(TINUVIN928、BASF製)、メチル-3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物(TINUVIN1130、BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール(TINUVIN P、BASF製)、2(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(TINUVIN234、BASF製)、2-〔5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル〕-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール(TINUVIN326、BASF製)、(TINUVIN326 FL、BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール(TINUVIN328、BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(TINUVIN329、BASF製)、メチル3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300との反応生成物(TINUVIN213、BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノール(TINUVIN571、BASF製)、2-[2-ヒドロキシ-3-(3、4、5,6-テトラヒドロフタルイミドーメチル)-5-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(Sumisorb250、住友化学工業製)等を使用することができる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物)、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤(オキシベンゾフェノン系化合物)としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸(無水及び三水塩)、2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシベンゾフェノン、4-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2´-ジヒドロキシ-4,4-ジメトキシベンゾフェノン、2,2´-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(KEMISORB 111、ケミプロ化成製)等を挙げることができる。
前記サリチル酸エステル系紫外線吸収剤(サリチル酸エステル系化合物)としては、例えば、フェニル-2-アクリロイルオキシベンゾエ-ト、フェニル-2-アクロリイルオキシ-3-メチルベンゾエ-ト、フェニル-2-アクリロイルオキシ-4-メチルベンゾエ-ト、フェニル-2-アクリロイルオキシ-5-メチルベンゾエ-ト、フェニル-2-アクリロイルオキシ-3-メトキシベンゾエ-ト、フェニル-2-ヒドロキシベンゾエ-ト、フェニル-2-ヒドロキシ-3-メチルベンゾエ-ト、フェニル-2-ヒドロキシ-4メチルベンゾエ-ト、フェニル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンゾエ-ト、フェニル2-ヒドロキシ-3-メトキシベンゾエ-ト、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート(TINUVIN120、BASF製)等を挙げることができる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤(シアノアクリレート系化合物)としては、例えば、アルキル-2-シアノアクリレート、シクロアルキル-2-シアノアクリレート、アルコキシアルキル-2-シアノアクリレート、アルケニル-2-シアノアクリレート、アルキニル-2-シアノアクリレート等を挙げることができる。
前記紫外線吸収剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、前記紫外線吸収剤の全体としての含有量は、前記ベースポリマー100重量部に対して、0.1~20重量部であることが好ましく、0.5~15重量部であることがより好ましく、1~10重量部であることが更に好ましい。紫外線吸収剤の含有量を前記範囲とすることで、粘着剤層の紫外線吸収機能を十分に発揮することでき、かつ、紫外線重合の妨げとはならないため、好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の光学用表面保護フィルムは、前記粘着剤組成物が、酸化防止剤剤を含有することができ、例えば、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤などが挙げられる。
前記ラジカル連鎖禁止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などが挙げられる。
前記過酸化物分解剤としては、例えば、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
前記モノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリン-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。
前記ビスフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
前記高分子型フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’-ビス-(4’-ヒドロキシ-3’-t-ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H、3H、5H)トリオン、トコフェノール、ペンタエリトリトール=テトラキス[3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]などが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’-チオジプロピオネートなどが挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、前記酸化防止剤の全体としての含有量は、前記ベースポリマー100重量部に対して、0.01~1重量部であることが好ましく、0.1~0.8重量部であることがより好ましく、0.2~0.7重量部であることが更に好ましい。前記酸化防止剤の含有量を前記範囲とすることで、粘着剤層の酸化による劣化を十分に抑制することでき、粘着特性が安定するため、好ましい。
<オキシアルキレン基含有化合物>
本発明で用いる粘着剤組成物は、オキシアルキレン基含有化合物を含有することも可能である。オキシアルキレン基含有化合物を含有することにより、更に軽剥離性を発現させることが可能である。オキシアルキレン基含有化合物としては、オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンやオルガノポリシロキサンを含まないオキシアルキレン基含有化合物が挙げられる。
<架橋剤>
本発明の表面保護フィルムは、前記粘着剤組成物が、架橋剤を含有することが好ましい。また、本発明においては、前記粘着剤組成物を用いて、粘着剤層とすることができる。例えば、前記粘着剤組成物が、前記(メタ)アクリル系ポリマーを含有するアクリル系粘着剤の場合、前記(メタ)アクリル系ポリマーの構成単位、構成比率、架橋剤の選択および添加比率等を適宜調節して架橋することにより、より耐熱性に優れた粘着剤層(表面保護フィルム)を得ることができる。また、前記ウレタン系ポリマーを含有するウレタン系粘着剤の場合、ポリオールの構成単位、構成比率、架橋剤の選択および添加剤比率等を適宜調節して架橋することにより、初期リワーク性に優れるとともに、経時後での粘着信頼性に優れた粘着剤層(表面保護フィルム)を得ることができる。
本発明に用いられる架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、および金属キレート化合物などを用いてもよく、特にイソシアネート化合物やエポキシ化合物の使用は、好ましい態様となる。また、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
前記イソシアネート化合物としては、たとえば、トリメチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの脂環族イソシアネート類、2,4-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族イソシアネート類、前記イソシアネート化合物をアロファネート結合、ビウレット結合、イソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、ウレア結合、カルボジイミド結合、ウレトンイミン結合、オキサジアジントリオン結合などにより変性したポリイソシネート変性体が挙げられる。たとえば、市販品として、商品名タケネート300S、タケネート500、タケネート600、タケネートD165N、タケネートD178N(以上、三井化学社製)、スミジュールT80、スミジュールL、デスモジュールN3400(以上、住化バイエルウレタン社製)、ミリオネートMR、ミリオネートMT、コロネートL、コロネートHL、コロネートHX(以上、東ソー社製)などがあげられる。これらイソシアネート化合物は、単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよく、2官能のイソシアネート化合物と3官能以上のイソシアネート化合物を併用して用いることも可能である。架橋剤を併用して用いることにより粘着性と耐反発性(曲面に対する粘着性)を両立することが可能となり、より粘着信頼性に優れた粘着剤層(表面保護フィルム)を得ることができる。
前記エポキシ化合物としては、たとえば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン(商品名TETRAD-X、三菱瓦斯化学社製)や1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(商品名TETRAD-C、三菱瓦斯化学社製)などがあげられる。
前記メラミン系樹脂としてはヘキサメチロールメラミンなどがあげられる。アジリジン誘導体としては、たとえば、市販品としての商品名HDU、TAZM、TAZO(以上、相互薬工社製)などがあげられる。
前記金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチルなどがあげられる。
本発明に用いられる架橋剤の含有量は、例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.01~20重量部であることが好ましく、0.1~15重量部であることがより好ましく、0.5~10重量部であることがさらに好ましく、1~8重量部であることが最も好ましい。前記含有量が0.01重量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、得られる粘着剤層の凝集力が小さくなって、十分な耐熱性が得られない場合もあり、また糊残りの原因となる傾向がある。一方、含有量が20重量部を超える場合、ポリマーの凝集力が大きく、流動性が低下し、被着体(例えば、偏光板)への濡れが不十分となって、被着体と粘着剤層(粘着剤組成物層)との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。また、これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、前記ウレタン系ポリマーを含有するウレタン系粘着剤の場合、前記架橋剤の含有量としては、前記ポリオール100重量部に対して、好ましくは5~30重量部であり、より好ましくは5~28重量部であり、さらに好ましくは5~25重量部であり、特に好ましくは5~23重量部である。前記架橋剤の含有量を上記範囲内に調整することにより、得られる粘着剤層は、被着体に貼着した際に、初期粘着性に優れるとともに、経時後での粘着信頼性に優れる。
<架橋触媒>
前記粘着剤組成物には、さらに、上述したいずれかの架橋反応をより効果的に進行させるための架橋触媒を含有させることができる。かかる架橋触媒として、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジオクチルスズ(ジオクチル錫ジラウレート)などのスズ系触媒、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(ヘキサン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン-3,5-ジオナト)鉄、トリス(5-メチルヘキサン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(オクタン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(6-メチルヘプタン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(2,6-ジメチルヘプタン-3,5-ジオナト)鉄、トリス(ノナン-2,4-ジオナト)鉄、トリス(ノナン-4,6-ジオナト)鉄、トリス(2,2,6,6-テトラメチルヘプタン-3,5-ジオナト)鉄、トリス(トリデカン-6,8-ジオナト)鉄、トリス(1-フェニルブタン-1,3-ジオナト)鉄、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)鉄、トリス(アセト酢酸エチル)鉄、トリス(アセト酢酸-n-プロピル)鉄、トリス(アセト酢酸イソプロピル)鉄、トリス(アセト酢酸-n-ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸-sec-ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸-tert-ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸メチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸エチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸-n-プロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸イソプロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸-n-ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸-sec-ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸-tert-ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸ベンジル)鉄、トリス(マロン酸ジメチル)鉄、トリス(マロン酸ジエチル)鉄、トリメトキシ鉄、トリエトキシ鉄、トリイソプロポキシ鉄、塩化第二鉄などの鉄系触媒を用いることができる。これら架橋触媒は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記架橋触媒の含有量は、特に制限されないが、例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、およそ0.0001~1重量部とすることが好ましく、0.001~0.5重量部がより好ましい。前記範囲内にあると、粘着剤層を形成した際に架橋反応の速度が速く、粘着剤組成物のポットライフも長くなり、好ましい態様となる。また、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。また、前記ウレタン系ポリマーを含有するウレタン系粘着剤の場合、前記架橋触媒の含有量としては、前記ポリオール100重量部に対して、0.01~1重量部含有することが好ましく、より好ましくは0.08~0.5重量部である。
<その他添加剤>
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、前記粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、滑剤、着色剤、顔料などの粉体、溶剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、濡れ性添加剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリンング剤、帯電防止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。
<光学用表面保護フィルム>
本発明の光学用表面保護フィルム(表面保護フィルム)は、ポリエステル系樹脂からなる基材、及び、前記基材の片面に、粘着剤組成物より形成される粘着剤層を設けてなるものであるが、その際、粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材などに転写することも可能である。
また、基材上に粘着剤層を形成する方法は特に問わないが、たとえば、前記粘着剤組成物(溶液)を基材に塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を基材上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生をおこなってもよい。また、粘着剤組成物を基材上に塗布して表面保護フィルムを作製する際には、基材上に均一に塗布できるよう、前記粘着剤組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
また、本発明の表面保護フィルムを製造する際の粘着剤層の形成方法としては、粘着テープ類の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコート法などがあげられる。
前記粘着剤層の厚みは、好ましくは1~30μmであり、より好ましくは2~28μmであり、更に好ましくは3~25μmである。粘着剤層の厚みが、前記範囲内にあると、適度な再剥離性と粘着性のバランスを得やすいため、好ましい。
本発明の表面保護フィルムは、総厚みが、7~130μmであることが好ましく、10~100μmであることがより好ましく、20~50μmであることが更に好ましい。前記範囲内であると、粘着特性(再剥離性、粘着性、粘着力安定性など)、作業性、外観特性に優れ、好ましい態様となる。なお、前記総厚みとは、基材、粘着剤層、セパレータ、及び、その他の層などの全ての層を含む厚みの合計を意味する。
<セパレータ>
本発明の表面保護フィルムは、必要に応じて、粘着剤層表面を保護する目的でセパレータを貼り合わせることが可能である。
前記セパレータを構成する材料としては、紙やプラスチックフィルムがあるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。そのフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
前記セパレータの厚みは、通常5~200μm、好ましくは8~100μm、より好ましくは10~50μm程度である。前記セパレータには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。
ここに開示される表面保護フィルムは、支持体、及び、粘着剤層に加えて、さらに他の層を含む態様でも実施され得る。前記他の層としては、帯電防止層や粘着剤層の投錨性を高める下塗り層(アンカー層)などが挙げられる。
<光学用表面保護フィルムの使用方法>
本発明の光学用表面保護フィルムの使用方法としては、例えば、印刷ガラスの印刷部の一部の表面に、本発明の光学用表面保護フィルムを構成する粘着剤層表面を貼り合せ、紫外線硬化させる工程において、光学用表面保護フィルムが貼り合わされず、曝露される部分に紫外線硬化樹脂を塗布し、前記光学用表面保護フィルムが貼付された紫外線硬化樹脂を塗布しない部分の紫外線による劣化を防止するものである。この使用方法によると、紫外線照射により、硬化反応が進行することや、紫外線照射による劣化を防止したい印刷部分等の部材を保護することができ、有用である。
<光学部材>
本発明において、前記光学用表面保護フィルムの粘着剤層の表面を光学部材に貼付し、光学部材を保護することができる。前記表面保護フィルムは、粘着剤層の被着体である光学部材などに貼付保存後、加熱した場合であっても、粘着力上昇を防止でき、粘着力安定性に優れると共に、再剥離性に優れるため、加工、搬送、出荷時等の表面保護用途(表面保護フィルム)に使用できるため、前記光学部材(偏光板など)の表面を保護するために、有用なものとなる。また、表面保護フィルムを構成する粘着剤層の色相変化が抑えられ、表面保護フィルム全体で紫外線の透過率が低く抑えられているため、光学部材に表面保護フィルムを貼り合わせた状態で検査を行うことができ、紫外線照射に伴う硬化や劣化を抑えたい用途にも使用できるため、好ましい態様である。
以下、本発明に関連するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明中の「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。また、表中の配合量(添加量)を示した。
また、以下の説明中の各特性は、それぞれ次のようにして測定または評価した。
<アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度(Tg)(℃)は、各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度Tgn(℃)として、下記の文献値を用い、下記の式により求めた。
式:1/(Tg+273)=Σ[Wn/(Tgn+273)]
(式中、Tg(℃)は共重合体のガラス転移温度、Wn(-)は各モノマーの重量分率、Tgn(℃)は各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度、nは各モノマーの種類を表す。)
文献値:
2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA):-70℃
2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA):-15℃
なお、文献値として「アクリル樹脂の合成・設計と新用途開発」(中央経営開発センター出版部発行)を参照した。
<アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)の測定>
使用する(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC-8220GPC)を用いて測定を行った。測定条件は下記の通りである。
サンプル濃度:0.2重量%(THF溶液)
サンプル注入量:10μl
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
測定温度:40℃
カラム:
サンプルカラム;TSKguardcolumn SuperHZ-H(1本)+TSKgel SuperHZM-H(2本)
リファレンスカラム;TSKgel SuperH-RC(1本)
検出器:示差屈折計(RI)
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算値にて求めた。また、アクリル系ポリマーに限らず、数平均分子量(Mn)を測定する際も、重量平均分子量(Mw)と同様に測定した。
<b*値の測定>
各例に係る光学用表面保護フィルム(表面保護フィルム)を室温で7日間エージングした後、幅50mm、長さ50mmのサイズにカットし、表面保護フィルムの粘着剤層表面からセパレータを剥離した後、高速積分球式透過率測定器(村上色彩技術研究所社製、型式「DOT-3C」)にて、「b*値」を測定した。なお、b*値はCIELab値を指す。
前記表面保護フィルムのb*値としては、2以下であり、好ましくは、1.6以下であり、より好ましくは、1.2以下である。前記b*値が前記範囲内であれば、粘着剤層の色相の変化が抑えられ、光学部材に貼付した状態でも検査することが可能であり、実用上問題のないレベルであり、好ましい。
<透過率の測定>
透過率は、日立社製分光光度計U-4100を用いて、300~400nmの波長の光を、実施例、及び、比較例により得られた光学用表面保護フィルムの基材側から基材表面に垂直に入射させ、透過率(%)を求めた。なお、透過率(紫外線透過率)は、前記範囲内の波長の光に対する透過率のうち、波長365nmの時の透過率(%)を表わした。
前記透過率としては、2%以下であり、好ましくは、1.8%以下であり、より好ましくは、1.6%以下である。前記透過率が2%を超えると、紫外線の透過率が高く、紫外線照射による硬化や劣化を防止することができず、例えば、印刷部の強度が落ちるなどの問題が発生し、好ましくない。
<初期粘着力(加熱前の粘着力)>
各例に係る表面保護フィルムを25mm幅にカットし、セパレータを剥離した光学用表面保護フィルムの粘着剤層側をガラス板(松浪硝子工業株式会社製、商品名:マイクロスライドガラスS)の表面に2kgのローラーを用いて貼り合わせた後、室温(23℃、50%RH)にて20分間放置後、引張圧縮試験機(装置名「TG-1kN」、ミネベア社製)にて、剥離角度180°、剥離速度0.3m/分の条件で剥離し、表面保護フィルムの剥離力(対ガラス粘着力)を、「初期粘着力(加熱前の粘着力)」(N/25mm)として測定した。
測定条件:温度:23±2℃、湿度:50±5%RH
<加熱後の粘着力>
上記初期粘着力と同様に、試験片を作製した後、100℃で30分間加熱後、室温(23℃、50%RH)にて1時間放置後、上記初期粘着力と同様の条件にて、「加熱後の粘着力」(N/25mm)を測定した。
前記対ガラス粘着力としては、初期(加熱前)及び加熱後の粘着力いずれにおいても、好ましくは、0.2N/25mm以下であり、より好ましくは、0.15N/25mm以下であり、更に好ましくは、0.1N/25mm以下である。前記粘着力が0.2N/25mmを超えると、粘着力が高くなりすぎて、軽剥離性(再剥離性)が難しくなり、例えば、表面保護フィルムとして使用した場合、その後剥離する際に、被着体に糊残りが生じたり、基材が破損する恐れがあり、好ましくない。
<加熱前後の粘着力の変化率>
加熱前後の粘着力の変化率は、下記式にて計算した。
(加熱前後の粘着力の変化率(%))=100×(加熱後の粘着力-加熱前の粘着力)/(加熱前の粘着力)
前記加熱前後の粘着力の変化率としては、±30%以下であり、好ましくは、±25%以下であり、より好ましくは、±20%以下である。前記変化率が±30%を超えると、重剥離や剥がれの問題の原因となり、好ましくない。
[実施例1]
〔アクリル系ポリマーの調製〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)200重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)8重量部、重合開始剤として2,2´-アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、溶剤として酢酸エチル312重量部を仕込み、緩やかに撹拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液(40重量%)を調製した。上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は54万、ガラス転移温度(Tg)は-68℃であった。
〔アクリル系粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系ポリマー溶液(40重量%)を酢酸エチルで29重量%に希釈し、この溶液中の固形分100重量部に対して、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネートHX、表1中の「C/HX」):4重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(東京ファインケミカル社製、商品名:エンビライザーOL-1、表1中の「OL-1」、0.5重量%酢酸エチル溶液):0.015重量部、紫外線吸収剤として2,4-ビス-[{4-(4-エチルヘキシルオキシ)-4-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(商品名:Tinosorb S、BASF製):2重量部、架橋遅延剤としてアセチルアセトンを全溶剤量に対して3重量部を加えて混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤溶液(粘着剤組成物)を得た。
〔光学用表面保護フィルムの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液を、基材である帯電防止処理層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ダイアホイルT100G38、三菱樹脂社製、厚さ38μm)の帯電防止処理面とは反対の面に塗布し、130℃で1分間加熱して、厚さ21μmの粘着剤層を形成した。次いで、上記粘着剤層の表面に、セパレータ(片面にシリコーン処理を施した厚さ21μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)のシリコーン処理面を貼合せて光学用表面保護フィルムを作製した。
<実施例2~5、比較例1~3>
表1に示す配合内容に基づき、実施例1と同様の方法で、光学用表面保護フィルムを作製した。
<実施例6及び7>
実施例1で用いた基材の代わりに、厚み12μmのポリエステルフィルム(三菱樹脂社製、商品名:ダイアホイルT100G12)を用い、表1に示す配合内容に基づき、実施例1と同様の方法で、光学用表面保護フィルムを作製した。
<実施例8及び9>
実施例1で用いた基材の代わりに、厚み80μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製、商品名:SRF)を用い、表1に示す配合内容に基づき、実施例1と同様の方法で、光学用表面保護フィルムを作製した。
<実施例10>
〔ウレタン系粘着剤溶液の調製〕
ポリオールとして、プレミノールS3011(旭硝子株式会社製、Mn=10000):85重量部、サンニックスGP3000(三洋化成工業製、Mn=3000):13重量部、サンニックスGP1000(三洋化成工業製、Mn=1000)2重量部を用い、紫外線吸収剤としてTinuvin 384-2(BSF製):10重量部、架橋剤として多官能脂環族系イソシアネート化合物(東ソー製、商品名:コロネートHX):18重量部、架橋触媒(日本化学産業株式会社製、商品名:ナーセム第2鉄):0.08重量部、酸化防止剤として、Irganox1010(BASF製):0.5重量部、濡れ性添加剤として、脂肪酸エステルであるミリスチン酸イソプロピル(花王製、商品名:エキセパールIPM):30重量部、希釈溶剤として酢酸エチル:210重量部を配合し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系粘着剤溶液(粘着剤組成物)を得た。
〔光学用表面保護フィルムの作製〕
上記ウレタン系粘着剤組成物を、基材である帯電防止処理層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ダイアホイルT100G38、三菱樹脂社製、厚さ38μm)の帯電防止処理面とは反対の面に塗布し、130℃で1分間加熱して、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、上記粘着剤層の表面に、セパレータ(片面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)のシリコーン処理面を貼合せて光学用表面保護フィルムを作製した。
実施例及び比較例に係るセパレータ付光学用表面保護フィルムにつき、上述した配合内容、各種測定および評価を行った結果を、表1及び表2に示した。なお、表1中の配合量は有効成分を示す。
Figure 0007252697000001
上記表1中の略称の詳細については、以下に示す。
<基材>
ダイアホイルT100G38:厚み38μm、三菱樹脂社製、商品名:ダイアホイルT100G38
ダイアホイルT100G12:厚み12μm、三菱樹脂社製、商品名:ダイアホイルT100G12
SRF:厚み80μm、東洋紡社製、商品名:SRF
<紫外線吸収剤>
Tinosorb S:2,4-ビス-[{4-(4-エチルヘキシルオキシ)-4-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、商品名:Tinosorb S、BASF製、ヒドロキシル基数:2個)
Tinuvin 571:2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノール、BASF製、商品名:Tinuvin 571、ヒドロキシル基数:1個)
Tinuvin 384-2:ベンゼンプロパン酸および3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ(C側鎖および直鎖アルキル)のエステル化合物、BASF製、商品名:Tinuvin 384-2、ヒドロキシル基数:1個)
Tinuvin 326:2-〔5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル〕-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール、BASF製、商品名:TINUVIN326、ヒドロキシル基数:1個)
KEMISORB 111:2,2´-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ケミプロ化成社製、商品名:KEMISORB 111、ヒドロキシル基数:2個)
SEESORB 106:2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、シプロ化成社製、商品名:SEESORB 106、ヒドロキシル基数:4個)
<酸化防止剤>
Irganox1010:ペンタエリトリトール=テトラキス[3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、BASF製、商品名:Irganox1010
<濡れ性添加剤>
ミリスチン酸イソプロピル、花王製、商品名:エキセパールIPM
Figure 0007252697000002
上記表2より、全ての実施例において、色相変化が抑えられ、紫外線硬化を防止でき、加熱後の粘着力の上昇を防止できることが確認できた。一方、比較例1においては、紫外線透過率がやや高く、紫外線照射時の劣化防止が不十分であった。比較例2においては、使用した紫外線吸収剤のヒドロキシル基が多く、加熱前後での粘着力の変化率が大きく、重剥離化してしまい軽剥離の用途に不向きであり、比較例3では、紫外線吸収剤を使用しなかったため、紫外線透過率が非常に高く、紫外線硬化(吸収)を防止したい材料(部材)に対して、使用が不向きであることが確認された。
ここに開示される光学用表面保護フィルムは、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の構成要素として用いられる光学部材の製造時、搬送時等に該光学部材を保護するための表面保護フィルムとして好適である。特に、液晶ディスプレイパネル用の偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、光拡散シート、反射シート等の光学部材や、ディスプレイ用のガラス等の部材に適用される光学用表面保護フィルムとして有用である。

Claims (3)

  1. ポリエステル系樹脂から形成される基材、及び、前記基材の片面に、粘着剤組成物より形成される粘着剤層を設けてなる光学用表面保護フィルムであって、
    前記粘着剤組成物が、ベースポリマー、及び、紫外線吸収剤を含有し、
    前記ベースポリマーが、(メタ)アクリル系ポリマー、又は、ウレタン系ポリマーであり、
    前記紫外線吸収剤の分子内のヒドロキシル基が、3個以下であり、
    前記表面保護フィルムのb*値が2以下であり、前記表面保護フィルムの、波長365nmにおける透過率が2%以下であり、前記粘着剤層をガラスに貼付後、加熱前の粘着力が、0.2N/25mm以下であり、前記粘着剤層をガラスに貼付後、加熱前の粘着力と、100℃で30分加熱後の粘着力の変化率が、±30%以下であることを特徴とする光学用表面保護フィルム。
  2. 前記粘着剤組成物が、前記ベースポリマー100重量部に対して、前記紫外線吸収剤を0.1~20重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の光学用表面保護フィルム。
  3. 前記基材の厚みが、6~100μmであり、前記粘着剤層の厚みが、1~30μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学用表面保護フィルム。
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