JP2021050292A - 伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物の得られる組成物、及び組成物の熱硬化シート - Google Patents

伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物の得られる組成物、及び組成物の熱硬化シート Download PDF

Info

Publication number
JP2021050292A
JP2021050292A JP2019175107A JP2019175107A JP2021050292A JP 2021050292 A JP2021050292 A JP 2021050292A JP 2019175107 A JP2019175107 A JP 2019175107A JP 2019175107 A JP2019175107 A JP 2019175107A JP 2021050292 A JP2021050292 A JP 2021050292A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
mass
parts
cured product
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019175107A
Other languages
English (en)
Inventor
明 喜多村
Akira Kitamura
明 喜多村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tamura Corp
Original Assignee
Tamura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tamura Corp filed Critical Tamura Corp
Priority to JP2019175107A priority Critical patent/JP2021050292A/ja
Publication of JP2021050292A publication Critical patent/JP2021050292A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】本発明は、伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物を得ることができる組成物を提供することを目的とする。【解決手段】(A)ポリイソシアネート及びポリイソシアネートの変性体からなる群から選択された少なくとも1種のイソシアネート化合物と、(B)ポリオールと、(D)有機系の紫外線吸収剤と、を含有する組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物の得られる組成物に関するものであり、例えば、導電性材料による回路パターンを基板上に形成して伸縮性回路基板を製造するための基板として適用できる伸縮性シートを得ることができる組成物に関するものである。
電子機器の小型化、電子部品の高密度搭載等に対応するために、電子機器の狭小空間に配線板を搭載することが要求される場合がある。狭小空間に配線板を搭載するには、柔軟性に優れた配線板が要求されることから、絶縁被膜が形成された樹脂フィルム(基板)上に導電性材料による回路パターンが設けられたフレキシブルプリント配線板が使用されることがある。一方で、近年、生体情報を得るために、回路パターンを形成したシート(基板)を人体に貼付することも検討されている。回路パターンを形成したシートを人体に貼付する場合には、フレキシブルプリント配線板の絶縁被膜の柔軟性では対応することができない。
すなわち、回路パターンを形成したシートを人体に貼付する場合には、シートが、人体の曲面に十分に対応でき、ツッパリ感等の違和感を人に起こさせず、また、人体の動きに円滑に追従できることが要求される。フレキシブルプリント配線板の絶縁被膜に用いる組成物の柔軟性では、上記のような人体に貼付する用途に対応することができない。
シートが、人体の曲面に十分に対応でき、ツッパリ感等の違和感を人に起こさせず、また、人体の動きに円滑に追従できるためには、優れた伸縮性が要求される。そこで、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、スチレンゴム、ウレタンゴム、プロピレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンゴムおよびエチレンプロピレンゴムからなる群より選択されるいずれかを含む耐熱性を有する樹脂の厚さ1〜100μmの伸縮性シートであって、シートの少なくとも一方の面にセパレーターを備え、セパレーターとシートとの剥離力が、0.01N/15mm以上である、回路基板用の伸縮性シートが提案されている(特許文献1)。
特許文献1では、セパレーターを付けることでシートの厚みを薄く設計できることにより追従性を向上させ、回路を印刷した後、セパレーターを剥がす際に伸縮性シートが伸びてしまい導電インク回路の損傷が発生するのを防止するために、伸縮性シートとセパレーターとの剥離力を調整したものである。
また、シートに回路パターンを形成してセンサー等をシートに搭載する場合に、シートに小さな開口部等の微細な加工を施すことが要求される場合がある。シートに小さな開口部等の微細な加工を施すには、フレキシブルプリント配線板に用いる絶縁被覆用の組成物では、紫外線に対する感光性やアルカリ現像性を向上させる置換基を導入することで対応できる。しかし、紫外線に対する感光性やアルカリ現像性を付与する置換基を組成物に導入すると硬化物が硬くなってしまい、シートに優れた伸縮性を付与することができなくなってしまう。
そこで、上記置換基を導入していない組成物から形成したシートに小さな開口部等の微細な加工を施すには、所定の開口パターンを有するマスクを用いて組成物を印刷する方法や組成物を硬化後に打ち抜き加工して所定の開口パターンを形成する方法があった。しかし、マスクを用いた印刷法や打ち抜き法では、開口部の位置精度が十分ではなく、また、マスクを用いた印刷法では幅200〜300μmまでの開口パターンに制限され、打ち抜き法では幅300〜500μmまでの開口パターンに制限されることから、いずれも、開口部の微細化に改善の余地があった。
特開2017−204594号公報
本発明者は、上記置換基を導入していない組成物の硬化物を紫外線レーザで加工できるようにすることで、伸縮性と微細加工性に優れた硬化物が得られるのではないかと検討を進めた。そこで、本発明は、伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物を得ることができる組成物を提供することを目的とする。
本発明の構成の要旨は以下の通りである。
[1](A)ポリイソシアネート及びポリイソシアネートの変性体からなる群から選択された少なくとも1種のイソシアネート化合物と、(B)ポリオールと、(D)有機系の紫外線吸収剤と、を含有する組成物。
[2](C)ポリウレタンと、(D)有機系の紫外線吸収剤と、を含有する組成物。
[3]前記(D)有機系の紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物である[1]または[2]に記載の組成物。
[4]前記ベンゾトリアゾール構造を有する化合物が、2−[2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フエニル]ベンゾトリアゾール、2−(5−クロロ−2H−ベンズトリアゾール−2−イル)−6−t−ブチル−4−メチルフェノール、及び(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとベンゾトリアゾール基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体からなる群から選択された少なくとも1種の化合物である[3]に記載の組成物。
[5]前記(D)有機系の紫外線吸収剤を、前記(A)イソシアネート化合物と前記(B)ポリオールとの合計100質量部に対して0.2質量部以上30質量部以下含有する[1]に記載の組成物。
[6]前記(D)有機系の紫外線吸収剤を、前記(C)ポリウレタン100質量部に対して0.2質量部以上30質量部以下含有する[2]に記載の組成物。
[7]前記(A)イソシアネート化合物が、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体である[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の組成物。
[8]紫外線レーザを用いた前記組成物の硬化物の加工用である[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の組成物。
[9]回路基板用である[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の組成物。
[10]前記組成物の硬化物の伸び率が、30%以上である[1]乃至[9]のいずれか1つに記載の組成物。
[11]前記組成物の硬化物の、波長400nmの光の透過率が90%以上であり、波長350nmの光の透過率が70%未満である[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の組成物。
[12][1]乃至[11]のいずれか1つに記載の組成物が熱硬化した伸縮性シート。
本明細書中、「硬化物の伸び率」とは、平均膜厚25μmのシート状の硬化物を、測定温度25℃にて、50mm/分の速度にて引っ張り試験を行った場合の最大の伸び率(%)を意味する。また、本明細書中、「光の透過率」とは、平均膜厚25μmのシート状の硬化物について分光光度計で測定した透過率を意味する。
本発明の組成物の態様によれば、(A)ポリイソシアネート及びポリイソシアネートの変性体からなる群から選択された少なくとも1種のイソシアネート化合物と(B)ポリオールまたは(C)ポリウレタンと、(D)有機系の紫外線吸収剤と、を含有することにより、伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物を得ることができる。紫外線レーザ加工性を備えることにより、紫外線レーザ加工部の外観上の欠陥を抑制しつつ、幅100μm以下の開口パターンを形成できるので、小さな開口部等の微細な加工を硬化物に付与することができる。
本発明の組成物の態様によれば、(D)有機系の紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物であることにより、紫外線レーザ加工性が確実に得られる。
本発明の組成物の態様によれば、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物が、2−[2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フエニル]ベンゾトリアゾール、2−(5−クロロ−2H−ベンズトリアゾール−2−イル)−6−t−ブチル−4−メチルフェノール、及び(メタ)アクリル酸エステルとベンゾトリアゾール基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体からなる群から選択された少なくとも1種の化合物であることにより、紫外線レーザ加工性が確実に向上する。
本発明の組成物の態様によれば、(D)有機系の紫外線吸収剤を、(A)イソシアネート化合物と前記(B)ポリオールとの合計100質量部または(C)ポリウレタン100質量部に対して0.2質量部以上30質量部以下含有することにより、伸縮性と紫外線レーザ加工性をバランスよく向上させることができる。
本発明の組成物の態様によれば、(A)イソシアネート化合物が、ポリイソシアネートのイソシアヌレート体であることにより、伸縮性が確実に得られる。
次に本発明の組成物について説明する。本発明の組成物は、(A)ポリイソシアネート及びポリイソシアネートの変性体からなる群から選択された少なくとも1種のイソシアネート化合物と、(B)ポリオールと、(D)有機系の紫外線吸収剤と、を含有する。上記各成分は、以下の通りである。
(A)イソシアネート化合物
(A)成分であるイソシアネート化合物は、後述するポリオールと反応させてポリウレタンを得るための成分である。ポリウレタンを得るための成分を配合することで、優れた紫外線レーザ加工性を損なうことなく、硬化物に優れた伸縮性を付与することができる。イソシアネート化合物としては、ポリイソシアネート、ポリイソシアネートの変性体を挙げることができる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、メチルペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート類(MDI類)、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート類(TDI類)、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。このうち、硬化物に伸縮性を確実に付与する点から、脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、伸縮性をさらに向上させる点から炭素数3〜10の脂肪族ポリイソシアネートがより好ましく、炭素数5〜10の直鎖状脂肪族ポリイソシアネートがさらに好ましく、伸縮性と機械的強度をバランスよく向上させる点から、ヘキサメチレンジイソシアネートが特に好ましい。これらのポリイソシアネートは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリイソシアネートの変性体は、特に限定されず、例えば、上記脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体、アダクト体、ビウレット体、2官能型などが挙げられる。これらのうち、硬化物に伸縮性を確実に付与する点から、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましく、伸縮性をさらに向上させる点から、炭素数3〜10の脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体がより好ましく、炭素数5〜10の直鎖状脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体がさらに好ましく、伸縮性と機械的強度をバランスよく向上させる点から、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が特に好ましい。これらのポリイソシアネートの変性体は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ポリイソシアネートの変性体は、ポリイソシアネートと併用してもよい。
(A)イソシアネート化合物として市販されているものには、例えば、タケネートD170N(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体:三井化学株式会社)、ミリオネートMT(4,4’− ジフェニルメタンジイソシアネート:日本ポリウレタン工業株式会社)、コスモネートLL(カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート:三井化学ポリウレタン株式会社)、デュラネートTPA100(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体:旭化成株式会社)等を挙げることができる。
(B)ポリオール
(B)成分であるポリオールの種類は、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオキシアルキレンポリオール、グリコール類などが挙げられる。このうち、硬化物の伸縮性と機械的強度とのバランスの点から、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、へキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類と、の脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオール、環状エステルを開環して得られるポリカプロラクトンポリオールなどが挙げられる。これらのうち、硬化物の伸縮性がさらに向上する点から、ポリカプロラクトンポリオールが好ましい。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、2官能性のポリカプロラクトンジオール、3官能性のポリカプロラクトントリオール及び4官能性のポリカプロラクトンテトラオールなどが挙げられるが、硬化物の伸縮性と機械的強度とのバランスの点から、ポリカプロラクトントリオールが好ましい。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前記ポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオール類とホスゲンとの脱塩酸反応、または前記低分子ポリオール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。これらのうち、硬化物の伸縮性がさらに向上する点から、1,5−ペンタンジオール及び/または1,6−ヘキサンジオールの骨格を有するポリカーボネートジオールが好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、例えば、前記ポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオール類を開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物の1種以上を開環付加重合あるいは(共)重合させた、ポリオキシエチレン系ポリオール、ポリオキシプロピレン系ポリオール、ポリオキシブチレン系ポリオール、ポリオキシテトラメチレン系ポリオール、ポリ−(オキシエチレン)−(オキシプロピレン)−ランダムまたはブロック共重合系ポリオール等が挙げられる。
グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
(B)ポリオールのOH基価は、特に限定されないが、その下限値は、伸縮性シートとして十分な強度を付与する点から50mgKOH/gが好ましく、150mgKOH/gがより好ましく、250mgKOH/gが特に好ましい。一方で、(B)ポリオールのOH基価の上限値は、硬化物に伸縮性を確実に付与する点から400mgKOH/gが好ましく、380mgKOH/gがより好ましく、350mgKOH/gが特に好ましい。
(B)ポリオールの数平均分子量は、特に限定されないが、伸縮性と機械的強度とのバランスの点から300〜2500が好ましく、500〜2000が特に好ましい。なお、数平均分子量の異なるポリオールを2種以上組み合わせて使用することもできる。
(B)ポリオールの配合量は、特に限定されないが、例えば、(B)ポリオールのヒドロキシ基(OH)に対する(A)イソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/OH)について、その下限値は、組成物の硬化性の低下を確実に防止する点から0.6が好ましく、0.9が特に好ましい。一方で、前記当量比(NCO/OH)の上限値は、硬化物の硬度が高くなりすぎて伸縮性が低下するのを確実に防止する点から2.5が好ましく、1.5が特に好ましい。上記から、(B)ポリオール100質量部に対して、(A)ポリイソシアネート化合物の配合量は50〜200質量部が好ましく、65〜150質量部が特に好ましい。
(B)ポリオールとして市販されているものには、例えば、PLACCEL(プラクセル) 305(ポリカプロラクトントリオール:株式会社ダイセル、OH基価は305mgKOH/g)、PLACCEL 308(ポリカプロラクトントリオール:株式会社ダイセル、OH基価は195mgKOH/g)、PLACCEL 309(ポリカプロラクトントリオール:株式会社ダイセル、OH基価は186mgKOH/g)、ヂュラノールT5652(1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを用いた共重合ポリカーボネートジオール:旭化成株式会社、数平均分子量は約2000、OH基価は51mgKOH/g〜61mgKOH/g)等を挙げることができる。上記ポリオールは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)有機系の紫外線吸収剤
(D)成分である有機系の紫外線吸収剤は、(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールと共に配合されることで、優れた伸縮性を有しつつ、紫外線レーザ加工性に優れたシート状等の硬化物を形成できる。従って、(D)有機系の紫外線吸収剤を配合することで、本発明の組成物を硬化させた伸縮性シートについて、紫外線レーザで開口部形成等の加工を行った部位の外観上の欠陥(例えば、開口部周縁の膨れやスプラッシュ)を抑制しつつ、幅100μm以下の開口パターンを形成できるので、小さな開口部等の微細な加工を、伸縮性シート等、本発明の組成物の硬化物に付与することができる。
有機系の紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、ベンゾエート構造を有する紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線吸収剤、ベンゾフェノン構造を有する紫外線吸収剤等が挙げられる。このうち、硬化物の伸縮性を損なうことなく、紫外線吸収特性が調整されて優れた紫外線レーザ加工性を得る点から、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物が好ましい。
ベンゾトリアゾール構造を有する化合物としては、例えば、紫外線レーザ加工性がさらに向上する点から、フェノールが置換基としてベンゾトリアゾール構造を有する化合物、すなわち、ベンゾトリアゾール構造とフェノール構造とを有する化合物が好ましい。ベンゾトリアゾール構造とフェノール構造とを有する化合物としては、紫外線レーザ加工性が確実に向上する点から、2−[2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フエニル]ベンゾトリアゾール、2−(5−クロロ−2H−ベンズトリアゾール−2−イル)−6−t−ブチル−4−メチルフェノールが好ましい。また、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物としては、例えば、紫外線レーザ加工性が確実に向上する点から、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとベンゾトリアゾール基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体等が好ましく、ベンゾトリアゾール構造とフェノール構造を有する置換基を備えた(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとの共重合体等が特に好ましい。
ベンゾトリアゾール構造とフェノール構造を有する置換基を備えた(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとの共重合体としては、例えば、下記構造の共重合体を挙げることができる。
Figure 2021050292
ベンゾエート構造を有する紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ペンチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,6−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等を挙げることができる。ベンゾフェノン構造を有する紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4メトキシベンゾフェノン等を挙げることできる。これらの紫外線吸収剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
有機系の紫外線吸収剤の含有量は、特に限定されないが、その下限値は、(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールとの合計100質量部に対して、紫外線透過率をより低減して紫外線レーザ加工性を確実に得る点から、0.2質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1.0質量部がさらに好ましく、紫外線透過率をさらに低減して紫外線レーザ加工性をさらに向上させる点から、1.5質量部が特に好ましい。一方で、有機系の紫外線吸収剤の含有量の上限値は、(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールとの合計100質量部に対して、硬化物の伸縮性と強度を確実に得る点から、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部が特に好ましい。
また、本発明の組成物では、(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールに代えて、または(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールとともに、(C)ポリウレタンを配合してもよい。(C)成分であるポリウレタンを配合することで、優れた紫外線レーザ加工性を損なうことなく、硬化物に優れた伸縮性を付与することができる。(C)成分であるポリウレタンとしては、熱可塑性ポリウレタンが好ましい。
ポリウレタンの化学構造としては、特に限定されないが、例えば、上記した(A)成分のイソシアネート化合物と(B)成分のポリオールを反応させて得られる化学構造を有するポリウレタンが挙げられる。これらのうち、硬化物に伸縮性を確実に付与する点から、脂肪族ポリイソシアネート及び/または脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体とポリカプロラクトンポリオールを反応させて得られる化学構造を有するポリウレタンが好ましく、伸縮性と強度をバランスよく向上させる点から、ヘキサメチレンジイソシアネート及び/またはヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体とポリカプロラクトンポリオールを反応させて得られる化学構造を有するポリウレタンが特に好ましい。
ポリウレタンの質量平均分子量は、特に限定されないが、5000以上が好ましく、10000以上が特に好ましい。一方で、ポリウレタンの質量平均分子量の上限値としては、例えば、1000000が挙げられる。
なお、(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールに代えて、または(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールとともに、(C)ポリウレタンを配合する場合、有機系の紫外線吸収剤の含有量は、特に限定されないが、その下限値は、(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールと(C)ポリウレタンとの合計100質量部に対して、紫外線透過率をより低減して紫外線レーザ加工性を確実に得る点から、0.2質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1.0質量部がさらに好ましく、紫外線透過率をさらに低減して紫外線レーザ加工性をさらに向上させる点から、1.5質量部が特に好ましい。一方で、有機系の紫外線吸収剤の含有量の上限値は、(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールと(C)ポリウレタンとの合計100質量部に対して、硬化物の伸縮性を確実に得る点から、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部が特に好ましい。
本発明の組成物では、上記した(A)成分〜(D)成分に加えて、必要に応じて、さらに、非反応性希釈剤を配合してもよい。非反応性希釈剤は、組成物の塗工性や乾燥性を調節するためのものである。非反応性希釈剤としては、例えば、有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブのセロソルブ類、メチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロプレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び上記グリコールエーテル類のエステル化物などのエステル類;エタノール、プロパノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのモノオール類等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、(A)成分〜(D)成分からなる組成物、または(A)成分〜(D)成分と非反応性希釈剤とからなる組成物でもよい。従って、本発明の組成物では、光安定剤、フィラー等、他の成分は配合されなくてよい。本発明の組成物では、(A)成分〜(D)成分と任意成分である非反応性希釈剤のみが配合され、他の成分が配合されないことにより、硬化物の伸縮性をより確実に向上させることができる。また、本発明の組成物では、必要に応じて、所望の伸縮性を損なわない範囲で、(A)成分〜(D)成分と非反応性希釈剤以外の添加成分を、さらに配合した組成物としてもよい。
添加成分としては、例えば、難燃剤、着色剤、消泡剤等を挙げることができる。
難燃剤としては、例えば、リン系の難燃剤を挙げることができる。リン系の難燃剤としては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、顔料、色素等、特に限定されず、また、白色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、橙色着色剤等、いずれの色彩の着色剤も使用可能である。上記着色剤には、例えば、白色着色剤である酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型)等の無機系着色剤や、緑色着色剤であるフタロシアニングリーン及び青色着色剤であるフタロシアニンブルーやリオノールブルー等のフタロシアニン系、黄色着色剤であるアントラキノン系、橙色着色剤であるクロモフタルオレンジ等のジケトピロロピロール系等の有機系着色剤などを挙げることができる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系等を挙げることができる。
上記した本発明の組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温(常温)にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、混練または混合の前に、必要に応じて、室温(常温)にて、予備混練または予備混合を行ってもよい。
次に、本発明の組成物の使用方法例について説明する。ここでは、本発明の組成物を、基板(例えば、石英ガラス基板、銅等の金属製基板、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂基板)上に塗工して、伸縮性シートを形成する方法を例にとって説明する。上記のように製造した組成物を、基板上に、スクリーン印刷法、バーコータ法、ブレードコータ法、ナイフコータ法、ロールコータ法、グラビアコータ法等の方法を用いて所望の厚さに塗布する。次に、60℃〜170℃程度の温度の乾燥炉等で15〜60分間程度加熱することにより塗布した組成物を熱硬化させて、基板上に目的とする硬化膜を形成させる。硬化膜の膜厚としては、例えば、10μm〜100μmが挙げられる。得られた硬化膜を基板から剥離させることで、伸縮性シートを製造することができる。
本発明の組成物は、紫外線レーザ加工性に優れており、例えば、波長300nm〜380nm程度の紫外線レーザを用いて、本発明の組成物の硬化物である伸縮性シートに対して開口部の形成等の加工をすることができる。紫外線レーザを用いた伸縮性シートの加工としては、例えば、幅100μm以下の微細な開口パターンが挙げられる。また、本発明の組成物の硬化物では、開口部周縁における紫外線レーザ加工部の外観上の欠陥を抑制することができる。
本発明の組成物から得られた伸縮性シートの用途としては、例えば、生体情報を得るために回路パターンを形成する伸縮性の回路基板用を挙げることができる。
本発明の組成物の硬化物の伸び率の下限値は、人体の曲面に十分に対応し、また人体の動きに円滑に追従する点から、30%が好ましく、50%がより好ましく、基板から本発明の組成物の硬化物を剥がす際に該硬化物に伸びが生じても、人体の曲面に十分に対応し、また人体の動きに円滑に追従できる点から、100%が特に好ましい。一方で、上記伸び率の上限値は、高ければ高いほど好ましいが、例えば、2000%が挙げられる。
本発明の組成物の硬化物について、波長400nmの光の透過率は、伸縮性シートを人体に貼付した部位の視認性の点から、50%以上が好ましく、90%以上が特に好ましい。また、本発明の組成物の硬化物について、波長350nmの光の透過率は、紫外線レーザ加工性が確実に向上する点から、95%未満が好ましく、70%未満が特に好ましい。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1〜4
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜6、比較例1〜4にて使用する組成物を調製した。なお、下記表1中の配合の数字は質量部を、空欄部は配合なしを意味する。
なお、表1中の各成分についての詳細は以下の通りである。
(A)イソシアネート化合物
・タケネートD170N:三井化学株式会社
・デュラネートTPA100:旭化成ケミカルズ株式会社
(B)ポリオール
・プラクセル305T:株式会社ダイセル
・ヂュラノールT5652:旭化成ケミカルズ株式会社
(C)ポリウレタン
・ミラクトランP22SRNAT:東ソー株式会社
(D)有機系の紫外線吸収剤
・KEMISORB 79:ケミプロ化成株式会社
・バナレジンUVA−5080:新中村化学工業株式会社
・ADEKAスタブ LA−36:株式会社ADEKA
カーボン:MA−14、カーボンブラック、三菱化学株式会社
光安定剤
・KEMISTAB 29:ケミプロ化成株式会社
非反応性希釈剤
・THF:三菱ケミカル株式会社
試験体作製工程
支持用基板:石英ガラス、銅板、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)離形処理フィルム(フィルム厚さ125μm)
調製した実施例1〜6及び比較例1〜4の組成物の塗工方法:スクリーン印刷
組成物の熱硬化処理:100℃、60分
Wet膜厚:20〜300μm
DRY膜厚:20〜30μm
なお、調製した実施例1〜5及び比較例1〜4の組成物については、塗工直前に、さらにテトラヒドロフラン(非反応性希釈剤)を10〜20質量部添加した。
評価項目は以下の通りである。
(1)紫外線(UV)透過率
試験体作製工程に準じ、石英ガラス上に得られた熱硬化膜に対して、紫外線(波長350nm)の透過率を分光光度計(日立ハイテクノロジーズ株式会社製、「U−3310」)で測定し、以下のように評価した。
○:70%未満
△:70%以上95%未満
×:95%以上
(2)紫外線レーザ開口性
試験体作製工程に準じ、銅板上に得られた熱硬化膜に対して、波長355nmの紫外線レーザで加工し、以下のように評価した。
○:φ100μm以下の開口部の形成が可能であり、外観上の欠陥がない
△:開口部に一部スプラッシュが見られるものの、φ100μm以下の開口部の形成が可能
×:開口部に、膨れ、スプラッシュ等の欠陥が顕著に見られる
(3)伸び特性
試験体作製工程に準じ、PET離形処理フィルム上に得られた熱硬化膜をPET離形処理フィルムから剥離させて得られた伸縮性シートに対して、オートグラフ(株式会社島津製作所)を用いて、測定温度25℃にて、50mm/分の速度で引っ張り試験を実施し、以下のように評価した。
○:伸び率80%以上
△:伸び率30%以上80%未満
×:伸び率30%未満で切れる
(4)透明性
試験体作製工程に準じ、石英ガラス上に得られた熱硬化膜に対して、波長400nmの光の透過率を分光光度計(日立ハイテクノロジーズ株式会社製、「U−3310」)で測定し、以下のように評価した。
○:90%以上
△:50%以上90%未満
×:50%未満
評価結果を下記表1に示す。
Figure 2021050292
上記表1から、(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールと(D)有機系の紫外線吸収剤とを含有する組成物である実施例1〜5、(C)ポリウレタンと(D)有機系の紫外線吸収剤とを含有する組成物である実施例6では、紫外線透過率を抑制でき、φ100μm以下の微細な開口部の形成が可能であり、且つ開口部に外観上の欠陥がないことから、優れた紫外線レーザ加工性を有する硬化物を得ることができた。また、実施例1〜6では、伸び率80%以上と伸び特性に優れ、透明性も備えたシート状の硬化物を得ることができた。また、実施例1〜3、5と実施例4の比較から、(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールとの合計100質量部に対して(D)有機系の紫外線吸収剤を約2質量部〜約11質量部配合すると、(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールとの合計100質量部に対して(D)有機系の紫外線吸収剤を約1質量部配合する場合と比較して、紫外線透過率をさらに抑制でき、紫外線レーザ加工性を確実に向上させることができることが判明した。
一方で、有機系の紫外線吸収剤を配合しなかった比較例1では、開口部に、膨れやスプラッシュ等の欠陥が顕著に生じてしまい、紫外線レーザ加工性が得られなかった。また、比較例1では、紫外線透過率を抑制できなかったことが、紫外線レーザ加工性が得られなかった一因と考えられる。
また、有機系の紫外線吸収剤に代えて、無機系の紫外線吸収剤であるカーボンを(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールとの合計100質量部に対して約1質量部配合した比較例2では、紫外線透過率を抑制できたものの、紫外線レーザ加工性が得られなかった。また、比較例2では、カーボンを配合したことでシート状の硬化物が黒色となってしまい透明性が得られなかった。また、有機系の紫外線吸収剤に代えて、無機系の紫外線吸収剤であるカーボンを(A)イソシアネート化合物と(B)ポリオールとの合計100質量部に対して約11質量部配合した比較例3では、伸び特性と透明性が得られなかった。
また、有機系の紫外線吸収剤に代えて、光安定剤を配合した比較例4では、紫外線透過率を抑制できず、開口部に、膨れやスプラッシュ等の欠陥が顕著に生じてしまい、紫外線レーザ加工性が得られなかった。
本発明は、伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物を得ることができる組成物なので、微細な回路パターンを有する伸縮性回路基板を製造するための伸縮性基板として適用でき、例えば、生体情報を得るために人体に貼付する伸縮性回路基板の分野で利用価値が高い。

Claims (12)

  1. (A)ポリイソシアネート及びポリイソシアネートの変性体からなる群から選択された少なくとも1種のイソシアネート化合物と、(B)ポリオールと、(D)有機系の紫外線吸収剤と、を含有する組成物。
  2. (C)ポリウレタンと、(D)有機系の紫外線吸収剤と、を含有する組成物。
  3. 前記(D)有機系の紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記ベンゾトリアゾール構造を有する化合物が、2−[2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フエニル]ベンゾトリアゾール、2−(5−クロロ−2H−ベンズトリアゾール−2−イル)−6−t−ブチル−4−メチルフェノール、及び(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとベンゾトリアゾール基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体からなる群から選択された少なくとも1種の化合物である請求項3に記載の組成物。
  5. 前記(D)有機系の紫外線吸収剤を、前記(A)イソシアネート化合物と前記(B)ポリオールとの合計100質量部に対して0.2質量部以上30質量部以下含有する請求項1に記載の組成物。
  6. 前記(D)有機系の紫外線吸収剤を、前記(C)ポリウレタン100質量部に対して0.2質量部以上30質量部以下含有する請求項2に記載の組成物。
  7. 前記(A)イソシアネート化合物が、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 紫外線レーザを用いた前記組成物の硬化物の加工用である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 回路基板用である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記組成物の硬化物の伸び率が、30%以上である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記組成物の硬化物の、波長400nmの光の透過率が90%以上であり、波長350nmの光の透過率が70%未満である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の組成物が熱硬化した伸縮性シート。
JP2019175107A 2019-09-26 2019-09-26 伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物の得られる組成物、及び組成物の熱硬化シート Pending JP2021050292A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019175107A JP2021050292A (ja) 2019-09-26 2019-09-26 伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物の得られる組成物、及び組成物の熱硬化シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019175107A JP2021050292A (ja) 2019-09-26 2019-09-26 伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物の得られる組成物、及び組成物の熱硬化シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021050292A true JP2021050292A (ja) 2021-04-01

Family

ID=75157070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019175107A Pending JP2021050292A (ja) 2019-09-26 2019-09-26 伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物の得られる組成物、及び組成物の熱硬化シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021050292A (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08113704A (ja) * 1994-10-17 1996-05-07 Asahi Denka Kogyo Kk 耐変色性水系ウレタン組成物の製造方法
JP2001270929A (ja) * 1999-10-28 2001-10-02 Mitsui Chemicals Inc 熱硬化ポリウレタン樹脂及びその製造方法
JP2008081720A (ja) * 2006-08-30 2008-04-10 Fujifilm Corp 分解性樹脂組成物及びそれを用いるパターン形成材料
JP2008223018A (ja) * 2007-02-14 2008-09-25 Fujifilm Corp レーザー分解用組成物およびそれを用いたパターン形成材料
JP2008266553A (ja) * 2006-09-01 2008-11-06 Fujifilm Corp レーザー分解性樹脂組成物並びにそれを用いるレーザー分解性パターン形成材料及びレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版
JP2013067793A (ja) * 2011-09-07 2013-04-18 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 塗料組成物
JP2017149820A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 三井化学株式会社 樹脂組成物およびその用途
JP2018141139A (ja) * 2017-02-27 2018-09-13 東ソー株式会社 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、および該樹脂組成物を用いた成形体
JP2018159054A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 日東電工株式会社 表面保護フィルム
JP2019065184A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 ホヤ レンズ タイランド リミテッドHOYA Lens Thailand Ltd 光学部材用樹脂の製造方法、光学部材用樹脂、眼鏡レンズ及び眼鏡

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08113704A (ja) * 1994-10-17 1996-05-07 Asahi Denka Kogyo Kk 耐変色性水系ウレタン組成物の製造方法
JP2001270929A (ja) * 1999-10-28 2001-10-02 Mitsui Chemicals Inc 熱硬化ポリウレタン樹脂及びその製造方法
JP2008081720A (ja) * 2006-08-30 2008-04-10 Fujifilm Corp 分解性樹脂組成物及びそれを用いるパターン形成材料
JP2008266553A (ja) * 2006-09-01 2008-11-06 Fujifilm Corp レーザー分解性樹脂組成物並びにそれを用いるレーザー分解性パターン形成材料及びレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版
JP2008223018A (ja) * 2007-02-14 2008-09-25 Fujifilm Corp レーザー分解用組成物およびそれを用いたパターン形成材料
JP2013067793A (ja) * 2011-09-07 2013-04-18 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 塗料組成物
JP2017149820A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 三井化学株式会社 樹脂組成物およびその用途
JP2018141139A (ja) * 2017-02-27 2018-09-13 東ソー株式会社 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、および該樹脂組成物を用いた成形体
JP2018159054A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 日東電工株式会社 表面保護フィルム
JP2019065184A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 ホヤ レンズ タイランド リミテッドHOYA Lens Thailand Ltd 光学部材用樹脂の製造方法、光学部材用樹脂、眼鏡レンズ及び眼鏡

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5613172B2 (ja) 難燃性ソルダーレジスト組成物及びそれを用いて得られるフレキシブル配線板
JP5304954B2 (ja) カルボキシル基含有ポリイミド
JP5568225B2 (ja) 塗料
KR20160051705A (ko) 경화성 수지 조성물, 그의 드라이 필름 및 경화물, 및 이들을 이용한 프린트 배선판
JP5996894B2 (ja) 絶縁膜形成用透明樹脂組成物
JP2003212954A (ja) リン含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物および感光性組成物
JP5726275B2 (ja) 接着剤
TW201027242A (en) Flame-retardant photocurable resin composition, dry film and cured product of the same, and printed wiring board using the composition, dry film or cured product
JP6497952B2 (ja) 自己修復性と硬度を備えた硬化物の得られる組成物、並びにそれを硬化した皮膜を有する自己修復コートフィルム
JP5731229B2 (ja) アルカリ可溶性透明樹脂組成物
CN103459504A (zh) 固化性树脂组合物、其固化物以及使用它们的印刷电路板
JP6912494B2 (ja) 感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いたソルダーレジストフィルム、フレキシブルプリント配線板及び画像表示装置
KR20140147897A (ko) 광경화성 수지 조성물, 프린트 배선판, 및 광경화성 수지 조성물의 제조 방법
JPWO2008068996A1 (ja) オキセタン含有樹脂、それを用いた接着剤及びレジスト剤
JP5610301B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2021050292A (ja) 伸縮性と紫外線レーザ加工性を備えた硬化物の得られる組成物、及び組成物の熱硬化シート
JP2009298991A (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、光硬化性・熱硬化性層、インキ、接着剤、及び、プリント回路基板
JP2010006909A (ja) ポリエステル樹脂、光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、光硬化性・熱硬化性層、インキ、接着剤、及び、プリント回路基板
JP6870789B1 (ja) 粘着剤組成物及び表面保護フィルム
JP6801821B2 (ja) ウレタン粘着剤及び粘着シート
JP2013231897A (ja) 感光性樹脂組成物、感光性積層体、フレキシブル回路基板、及び永久パターン形成方法
JP2020147742A (ja) 感光性樹脂組成物
JP2021155503A (ja) 伸び特性と透湿性を備えた硬化物の得られるフィルム用組成物、フィルム用組成物の硬化物であるフィルム、及びフィルムを使用した皮膚への貼付型センサデバイス
JP5056092B2 (ja) 触感塗料用組成物
TWI837377B (zh) 黏著劑組成物及表面保護膜

Legal Events

Date Code Title Description
RD07 Notification of extinguishment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427

Effective date: 20220204

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230627

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231212