JP2020147742A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020147742A
JP2020147742A JP2020028744A JP2020028744A JP2020147742A JP 2020147742 A JP2020147742 A JP 2020147742A JP 2020028744 A JP2020028744 A JP 2020028744A JP 2020028744 A JP2020028744 A JP 2020028744A JP 2020147742 A JP2020147742 A JP 2020147742A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
resin composition
mass
photosensitive resin
average molecular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020028744A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6918163B2 (ja
Inventor
吉生 岡本
Yoshio Okamoto
吉生 岡本
弘 榮西
Hiroshi Eizai
弘 榮西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tamura Corp
Original Assignee
Tamura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tamura Corp filed Critical Tamura Corp
Priority to CN202010159354.6A priority Critical patent/CN111665685A/zh
Publication of JP2020147742A publication Critical patent/JP2020147742A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6918163B2 publication Critical patent/JP6918163B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、インクジェット法を用いての塗工性に優れ、また、回路パターンとの密着性及び電気絶縁性を損なうことなく、難燃性及び耐ブリード性に優れた硬化物を形成することができる感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂と、(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物と、(C)リン系難燃剤と、(D)光重合開始剤と、を含む感光性樹脂組成物であり、前記(C)リン系難燃剤が、粉体状であり、25℃の前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して、10質量部以上溶解する溶解度を有する感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、リジッド基板やフレキシブル基板を用いたプリント配線板等の基板上に、例えば、インクジェット法を用いて塗工できる、難燃性を備えた感光性樹脂組成物に関するものである。
従来、所望の回路パターンを有する基板(例えば、プリント配線板)に絶縁被覆を形成するにあたり、スクリーン印刷法等を用いて、感光性樹脂組成物を塗布後、予備乾燥し、回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを、塗布した感光性樹脂組成物上に密着させ、その上から紫外線等の活性エネルギー線を照射し、ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去して、感光性樹脂組成物の塗膜を現像し、ポストキュアを行っていた。
しかし、上記絶縁被膜の形成方法は、現像等、処理工程が多く、作業が繁雑である。そこで、近年、インクジェット法を用いて所望の回路パターンを有する基板上に感光性樹脂組成物を吐出して塗膜を形成し、該塗膜上にレーザーや紫外線等の活性エネルギー線を露光することで硬化塗膜を形成し、硬化塗膜をさらに熱硬化処理をすることで、所望のパターンを有する絶縁被覆を形成することも行われている。
プリント配線板の製造に適した、インクジェット法に用いる硬化性樹脂組成物として、例えば、所定の化学構造を有するビスアリルナジイミド化合物と、所定の化学構造を有するビスマレイミド化合物と、希釈剤と、を含有し、粘度が25℃で150mPa・s以下である硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
一方で、プリント配線板には発熱素子が搭載されることがあるので、絶縁被覆を形成する感光性樹脂組成物の硬化塗膜には、難燃性が要求されることがある。難燃性を有する感光性樹脂組成物を、インクジェット法を用いて安定的に吐出するには、粒子径の細かい、例えば、平均粒子径が1μ以下の難燃剤を感光性樹脂組成物に配合する必要があった。そこで、インクジェット法を用いて感光性樹脂組成物を塗工するために、粉体状の難燃剤を粉砕処理して細粒化したものを感光性樹脂組成物に配合することが行われることがある。
しかし、粉体状の難燃剤を粉砕処理しても十分には細粒化することができず、インクジェット法を用いて難燃性を有する感光性樹脂組成物を安定的に吐出する点で、改善の余地があった。また、インクジェット法を用いて難燃性を有する感光性樹脂組成物を安定的に吐出するために、粉体状の難燃剤に代えて、液体状の難燃剤を配合すると、硬化塗膜が所望のパターンから染み出してしまうことがあり、硬化塗膜の耐ブリード性に問題があった。
国際公開第2006/075654号
上記事情に鑑み、本発明は、インクジェット法を用いての塗工性に優れ、また、回路パターンとの密着性及び電気絶縁性を損なうことなく、難燃性及び耐ブリード性に優れた硬化物を形成することができる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1](A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂と、(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物と、(C)リン系難燃剤と、(D)光重合開始剤と、を含む感光性樹脂組成物であり、
前記(C)リン系難燃剤が、粉体状であり、25℃の前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して、10質量部以上溶解する溶解度を有する感光性樹脂組成物。
[2]前記(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂が、(メタ)アクリレート化合物であり、前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物が、(メタ)アクリレート化合物である[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂が、前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して、5.0質量部以上50質量部以下含まれる[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記(C)リン系難燃剤が、前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して、5.0質量部以上50質量部以下含まれる[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記(C)リン系難燃剤が、(メタ)アクリロイルメチルジフェニルフォスフィンオキサイド及び/または10−(3−グリシジルオキシプロピル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドを含む[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂が、重量平均分子量5000以下である[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[7]さらに、25℃にて液体であるリン系難燃剤を含む[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[8]インクジェット用である[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[9][1]乃至[8]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
[10][9]に記載の硬化物を備えたプリント配線板。
上記[1]の態様では、粉体状の(C)リン系難燃剤が25℃の前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して10質量部以上溶解する特性を有しているので、(C)リン系難燃剤は、感光性樹脂組成物の成分である(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物に対して溶解しやすい特性を有している。
本発明の感光性樹脂組成物の態様によれば、(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂と、(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物と、(C)リン系難燃剤と、(D)光重合開始剤と、を含み、前記(C)リン系難燃剤が、粉体状であり、25℃の前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して、10質量部以上溶解する溶解度を有することにより、インクジェット法を用いての塗工性に優れ、また、回路パターンとの密着性及び電気絶縁性を損なうことなく、難燃性及び耐ブリード性に優れた硬化物を形成することができる感光性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物の態様によれば、(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂が(メタ)アクリレート化合物であり、(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物が(メタ)アクリレート化合物であることにより、インクジェット法を用いての塗工性がさらに向上し、また、耐ブリード性にさらに優れた硬化物を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物の態様によれば、(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂が(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して10質量部以上50質量部以下含まれることにより、インクジェット法を用いての塗工性がさらに向上する。
本発明の感光性樹脂組成物の態様によれば、(C)リン系難燃剤が(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して10質量部以上50質量部以下含まれることにより、インクジェット法を用いての塗工性と難燃性とをバランスよく向上させることができる。
本発明の感光性樹脂組成物の態様によれば、(C)リン系難燃剤が(メタ)アクリロイルメチルジフェニルフォスフィンオキサイド及び/または10−(3−グリシジルオキシプロピル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドを含むことにより、耐ブリード性にさらに優れた硬化物を得ることができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物の詳細について、以下に説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂と、(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物と、(C)リン系難燃剤と、(D)光重合開始剤と、を含む感光性樹脂組成物であり、前記(C)リン系難燃剤が、粉体状であり、25℃の前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して、10質量部以上溶解する溶解度を有する。
(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂
(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂(以下、「(メタ)アクリル系樹脂(A)」ということがある。)は、重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂であれば、化学構造は特に限定されない。なお、本明細書において「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、常温で測定し、ポリスチレン換算にて算出される重量平均分子量を意味する。
(メタ)アクリル系樹脂(A)としては、例えば、(メタ)アクリル酸を含むモノマーの重合体、(メタ)アクリレートを含むモノマーの重合体、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートを含むモノマーの重合体、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させて得ることができるエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。このうち、インクジェット法を用いての塗工性がさらに向上し、また、耐ブリード性にさらに優れた硬化物を得ることができる点から、(メタ)アクリレート化合物が好ましく、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレートは、1分子中にエポキシ基を1個以上有するエポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、(メタ)アクリル酸を反応させることで得ることができる。エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。上記から、(メタ)アクリル系樹脂(A)であるエポキシ(メタ)アクリレートは、遊離のカルボキシル基を有していない。
ウレタン(メタ)アクリレートには、例えば、ウレタンに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。ウレタンは、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物と1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネアート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネート等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物は、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール等の炭素数2〜22のアルカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール等のアルケンジオール等といった脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール;グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール等の脂肪族トリオール;テトラメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール等の水酸基を4つ以上有するポリオールなどが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記から、(メタ)アクリル系樹脂(A)である、ウレタンに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートは、遊離のカルボキシル基を有していない。
また、ウレタン(メタ)アクリレートには、例えば、1分子中にエポキシ基を1個以上有するエポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に(メタ)アクリル酸を反応させてエポキシ(メタ)アクリレートを得て、生成した水酸基に1分子中に1つ以上のイソシアネート基を有する化合物を付加反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、上記したエポキシ(メタ)アクリレートと同じく、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
1分子中に1つ以上のイソシアネート基を有する化合物は、特に限定されないが、例えば、上記と同じく、ヘキサメチレンジイソシアネアート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネート等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記から、(メタ)アクリル系樹脂(A)である、エポキシ(メタ)アクリレートの水酸基に1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を付加反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートは、遊離のカルボキシル基を有していない。
上記した各種(メタ)アクリル系樹脂(A)は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、500以上であれば、特に限定されないが、インクジェット法における吐出性をより向上させる点から550以上が好ましく、1000以上が特に好ましい。一方で、(メタ)アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量の上限値は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物の粘度の増大を確実に防止してインクジェット法でも優れた塗工性を得る点から5000が好ましく、4000が特に好ましい。
(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物
(B)重量平均分子量(Mw)が500未満の(メタ)アクリル系化合物(以下、「(メタ)アクリル系化合物(B)」ということがある。)は、重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物であれば、化学構造は特に限定されない。(メタ)アクリル系化合物(B)としては、例えば、単官能の(メタ)アクリレートモノマー、2官能以上の(メタ)アクリレートモノマー等の(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。本発明の感光性樹脂組成物に(メタ)アクリル系化合物(B)が配合されることで、後述する所定の(C)リン系難燃剤の所定量が(メタ)アクリル系化合物(B)に溶解するので、インクジェット法における塗工性に優れた感光性樹脂組成物を得ることができ、また、感光性樹脂組成物に難燃性を付与することができる。さらに、(メタ)アクリル系化合物(B)が配合されることで、感光性樹脂組成物の25℃における粘度が低下するので、非反応性希釈剤(例えば、有機溶剤)を配合しなくても、インクジェット用として使用することが可能となる。
(メタ)アクリル系化合物(B)の25℃における粘度は、特に限定されないが、インクジェット法における塗工性がさらに向上しつつ、より優れた耐ブリード性を得る点から、1.0mPa・s以上50mPa・s以下が好ましく、2.0mPa・s以上300mPa・s以下が特に好ましい。
(メタ)アクリル系化合物(B)としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート等の単官能(メタ)アクリレート化合物、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂組成物中における(メタ)アクリル系樹脂(A)と(メタ)アクリル系化合物(B)の含有量は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物の硬化物に強度を確実に付与する点から、(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対して(メタ)アクリル系樹脂(A)が5.0質量部以上含まれるのが好ましく、10質量部以上含まれるのがより好ましく、15質量部以上含まれるのが特に好ましい。一方で、後述する所定の(C)リン系難燃剤が(メタ)アクリル系化合物(B)に溶解することで難燃性を確実に付与しつつインクジェット法における塗工性が確実に向上する点から、(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対して(メタ)アクリル系樹脂(A)が50質量部以下含まれるのが好ましく、40質量部以下含まれるのがより好ましく、30質量部以下含まれるのが特に好ましい。
(C)リン系難燃剤
リン系難燃剤が感光性樹脂組成物に配合されることで、感光性樹脂組成物に難燃性が付与される。リン系難燃剤としては、粉体状であり、25℃の(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対して、10質量部以上溶解する溶解度を有するリン系難燃剤が使用される。25℃の(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対して10質量部以上溶解するリン系難燃剤は、所定割合以上のリン系難燃剤が(メタ)アクリル系化合物(B)に溶解することから、インクジェット法を用いての塗工性に優れた感光性樹脂組成物を得ることができ、また、感光性樹脂組成物に難燃性を付与することができる。なお、C成分のリン系難燃剤が粉体状とは、本発明の感光性樹脂組成物に配合される前の状態が粉体状であることを意味する。ただし、C成分のリン系難燃剤が本発明の感光性樹脂組成物に配合された後でも、C成分のリン系難燃剤の一部が粉体を維持したまま本発明の感光性樹脂組成物に存在する(すなわち、C成分のリン系難燃剤の他の一部が溶解された状態で本発明の感光性樹脂組成物に存在する)ことから、C成分のリン系難燃剤が本発明の感光性樹脂組成物に配合された後でも、本発明の感光性樹脂組成物に配合される前の状態が粉体状であることを確認することができる。
リン系難燃剤の25℃の(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対する溶解度は10質量部以上であれば、特に限定されないが、インクジェット法を用いての塗工性をさらに向上させる点から15質量部以上が好ましく、20質量部以上が特に好ましい。一方で、リン系難燃剤の25℃の(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対する溶解度の上限値は、高ければ高いほど好ましいが、例えば、50質量部が挙げられる。従って、C成分のリン系難燃剤は、感光性樹脂組成物中において、一部は溶解し、他の一部は粉体のまま混合されている。
粉体状であるリン系難燃剤の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、感光性樹脂組成物中における分散性の点から、0.10μm以上3.00μm以下が好ましく、0.10μm以上1.00μm以下が特に好ましい。
粉体状であり、25℃の(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対して10質量部以上溶解するリン系難燃剤の具体例としては、(メタ)アクリロイルメチルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジフェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類、10−(3−グリシジルオキシプロピル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等のホスファフェナントレン環を有する化合物、ホスファゼン化合物、10−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(3−グリシジルオキシプロピル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ビニル−10−ホスファフェナントレン−10−オキシロ、フェニルビニルホスフィン酸、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、耐ブリード性にさらに優れた硬化物を得ることができる点から、(メタ)アクリロイルメチルジフェニルフォスフィンオキサイド、10−(3−グリシジルオキシプロピル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドが好ましい。
リン系難燃剤の含有量は、特に限定されないが、その下限値は、感光性樹脂組成物に確実に難燃性を付与する点から、(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対して、5.0質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、15質量部が特に好ましい。一方で、リン系難燃剤の含有量の上限値は、感光性樹脂組成物の硬化物に柔軟性を付与してフレキシブル基板に対しても適用可能とする点から、(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対して、50質量部が好ましく、40質量部がより好ましく、35質量部が特に好ましい。
(D)光重合開始剤
光重合開始剤は、特に限定されず、公知のものを適宜使用することができる。光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオ
フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対して、5.0質量部以上30質量部以下が好ましく、10質量部以上20質量部以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物では、リン系難燃剤として、上記した、粉体状であり、25℃の(メタ)アクリル系化合物(B)100質量部に対して10質量部以上溶解するリン系難燃剤に加えて、さらに、25℃にて液体であるリン系難燃剤(他のリン系難燃剤)を配合してもよい。液状リン系難燃剤である他のリン系難燃剤としては、例えば、トリエチルホスフェート等のホスフェート類、リン酸トリアゾール、リン酸エステルアミド類、リン含有三環式化合物等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
他のリン系難燃剤と上記したC成分のリン系難燃剤の配合割合は、特に限定されないが、例えば、C成分のリン系難燃剤100質量部に対して、他のリン系難燃剤が50質量部以上200質量部以下含まれるのが好ましく、75質量部以上150質量部以下含まれるのが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物では、上記(A)成分〜(D)成分に加えて、必要に応じて、他の成分、例えば、着色剤、各種添加剤、非反応性希釈剤等を配合することができる。
着色剤は、顔料、色素等、特に限定されない。また、着色剤は、感光性樹脂組成物の硬化物に付与する色彩に応じて、白色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、黒色着色剤等、いずれの色彩も使用可能である。上記着色剤には、例えば、白色着色剤である酸化チタン、黒色着色剤であるカーボンブラック等の無機系着色剤や、緑色着色剤であるフタロシアニングリーン及び青色着色剤であるフタロシアニンブルーやリオノールブルー等のフタロシアニン系、黄色着色剤であるクロモフタルイエロー等のクロモフタル系、アントラキノン系等の有機系着色剤などを挙げることができる。
各種添加剤には、例えば、シリコーン系、炭化水素系及びアクリル系等の消泡剤、タルク、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、マイカ、シリカ等の無機フィラー、粉末ウレタン樹脂、(メタ)アクリルポリマー、ビニル系重合物、カルボキシル基含有ポリマー変性物、カルボン酸エステル等の有機フィラー等が挙げられる。
非反応性希釈剤は、必要に応じて、感光性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するために配合する。非反応性希釈剤として、例えば、有機溶剤を挙げることができる。有機溶剤には、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合を行ってもよい。
次に、本発明の感光性樹脂組成物の使用方法例について説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、インクジェット印刷法を用いて、基板(例えば、所定の回路パターンを有するプリント配線板)に絶縁被覆(例えば、ソルダーレジスト膜)を形成するために使用することができる。まず、本発明の感光性樹脂組成物をインクジェット法(例えば、ジェットディスペンサーを用いたインクジェット法)によりプリント配線板上に所望のパターンにて塗工する。塗工後、LDI(Laser Direct Imaging)を用いたレーザー直描、または紫外線等の活性エネルギー線により、塗工した塗膜を光硬化させる。なお、紫外線等の活性エネルギー線にて光硬化処理を行う場合には、照射光量は、例えば、100〜2000mJ/cmの範囲である。塗膜の光硬化処理後、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で、20〜80分間、ポストキュア(熱硬化処理)を行うことにより、所望のパターンを有するソルダーレジスト膜をプリント配線板に形成することができる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜27、比較例1〜5
下記表1〜3に示す各成分を下記表1〜3に示す配合割合にて配合し、ビーズミルを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜27、比較例1〜5にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1〜3に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1〜3中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
なお、表1〜3中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂
・EBECRYL 3708、EBECRYL 8405、EBECRYL 8402:ダイセル・サイテック株式会社
・Miramer PE210、Miramer PE250、Miramer PU250:Miwon社
(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物
・ピスコート♯160、ピスコート♯150、IBXA:大阪有機化学株式会社
・ライトエステル1.4BG、ライトエステル2EG:共栄社化学株式会社
・アロニックスM−220:東亞合成株式会社
・HDDA:ダイセル・サイテック株式会社
・Miramer M140:Miwon社
(C)リン系難燃剤
・MC−4:25℃の(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100gに対する溶解度10〜15g、片山化学工業株式会社
・E−10g:25℃の(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100gに対する溶解度10〜15g、片山化学工業株式会社
・FP−110:25℃の(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100gに対する溶解度15〜30g、株式会社伏見製作所
液状リン系難燃剤
・TEP:大八化学工業株式会社
・レオフォス35:味の素ファインテクノ株式会社
・FRM−1000:下記式(1)に示すリン含有三環式化合物、日本化薬株式会社
(D)光重合開始剤
・IRGACURE907、IRGACURE369E、LUCIRIN TPO、IRGACURE819:BASFジャパン株式会社
・Chemcure DETX:Chembridge International社
着色剤
・リオノールブルーFG−7351:トーヨーカラー株式会社
・クロモフタルイエローAGR:チバスペシャルティケミカルズ株式会社
添加剤
・フローレンG−700:共栄社化学株式会社
・UVX−189:楠本化成株式会社
・BYK−361N、BYK−168:ビックケミージャパン株式会社
非反応性希釈剤
・EDGAC:神港有機化学工業株式会社
25℃の(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して溶解度が10質量部未満のリン系難燃剤(難溶性リン系難燃剤)
・OP−935:25℃の(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100gに対する溶解度0〜5g、Clariant社
・HCA:25℃の(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100gに対する溶解度2〜5g、三光株式会社
試験体作製工程
基板:銅張積層板(厚さ1.6mm)
表面処理:バフスクラブ研磨
印刷法:インクジェット印刷(インクジェット装置:「MJP2013F1−DU」、Microcraft社)
DRY膜厚:20〜23μm
露光:塗膜上に1000mJ/cm、アイグラフィックス株式会社「UB093−5AM」
ポストキュア:BOX型乾燥炉 150℃、60分
評価項目
(1)塗工性
上記インクジェット装置を用いて、100×100ドットパターンを塗布し、その後の基板を拡大鏡(30倍)にて観察し、パターンと同等の塗布が行われているかどうかを確認した。
(2)密着性
上記試験体作製工程で作製した試験体を、JIS K 5400に準じて、銅との密着性を評価し、碁盤目の残数により、下記のように評価した。
◎:100/100
○:70/100〜99/100
△:10/100〜69/100
×:0/100〜9/100
(3)難燃性
基板を銅張積層板から厚さ25μmのポリイミド基板に変更した以外は、上記試験体作製工程に準じて、両面にDRY膜厚が20μmになるよう塗布し、硬化塗膜を形成後、UL94VTM試験規格に準じて評価した。
(4)電気絶縁性
基板を銅張積層板から櫛形テストパターン(線幅100μm、線間100μm)に変更した以外は、上記試験体作製工程に準じて、硬化塗膜を形成し、温度85℃、湿度85%の雰囲気中で直流30V印加して100時間放置後、試験体を槽外に取り出し、絶縁抵抗値を測定した。
(5)耐ブリード性
上記試験体作製工程で作製した試験体を、150℃、3MPa、300秒にてプレスを行った後の試験体からの染み出しの状況を、目視及び拡大鏡(30倍)を用いて観察し、下記のように評価した。
◎:プレス後に拡大鏡で判別可能な染み出し無し
○:プレス後に拡大鏡で判別可能な染み出し有り
△:プレス後に目視で判別可能な染み出し有り
×:試験体作製後に染み出し有り
評価結果を、下記表1、2、3に示す。
上記表1、2に示すように、(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂と、(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物と、(C)リン系難燃剤と、(D)光重合開始剤と、を含み、(C)リン系難燃剤が、粉体状であり、25℃の(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して10質量部以上溶解する溶解度を有する感光性樹脂組成物である実施例1〜27では、回路パターンとの密着性及び電気絶縁性を損なうことなく、難燃性及び耐ブリード性に優れた硬化塗膜を形成することができた。また、実施例1〜27では、インクジェット法での塗工性に優れていた。
特に、上記表1から、(C)リン系難燃剤として、メタクリロイルメチルジフェニルフォスフィンオキサイドを使用した実施例1、10−(3−グリシジルオキシプロピル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドを使用した実施例2では、ホスファゼン誘導体を使用した実施例3と比較して、耐ブリード性が向上し、メタクリロイルメチルジフェニルフォスフィンオキサイドを使用した実施例1では、特に耐ブリード性が向上した。また、実施例6、7、27から、粉体である(C)リン系難燃剤と液状リン系難燃剤を併用しても、耐ブリード性に優れた硬化塗膜を形成することができ、インクジェット法での塗工性にも優れていた。
一方で、上記表3に示すように、25℃の(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して溶解度が10質量部未満のリン系難燃剤を使用した比較例2、3では、インクジェット法で塗工することができず、液状リン系難燃剤を使用した比較例4、5では、硬化塗膜に耐ブリード性を付与することができなかった。また、難燃剤自体を配合しなかった比較例1では、難燃性を付与することができなかった。
本発明の感光性樹脂組成物は、インクジェット法を用いての塗工性に優れ、また、回路パターンとの密着性及び電気絶縁性を損なうことなく、難燃性及び耐ブリード性に優れた硬化物を形成することができるので、例えば、所望の回路パターンを有するプリント配線板に絶縁被覆を形成する分野で利用価値が高い。

Claims (10)

  1. (A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂と、(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物と、(C)リン系難燃剤と、(D)光重合開始剤と、を含む感光性樹脂組成物であり、
    前記(C)リン系難燃剤が、粉体状であり、25℃の前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して、10質量部以上溶解する溶解度を有する感光性樹脂組成物。
  2. 前記(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂が、(メタ)アクリレート化合物であり、前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物が、(メタ)アクリレート化合物である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂が、前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して、5.0質量部以上50質量部以下含まれる請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(C)リン系難燃剤が、前記(B)重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリル系化合物100質量部に対して、5.0質量部以上50質量部以下含まれる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(C)リン系難燃剤が、(メタ)アクリロイルメチルジフェニルフォスフィンオキサイド及び/または10−(3−グリシジルオキシプロピル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドを含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(A)重量平均分子量が500以上の(メタ)アクリル系樹脂が、重量平均分子量5000以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. さらに、25℃にて液体であるリン系難燃剤を含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. インクジェット用である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
  10. 請求項9に記載の硬化物を備えたプリント配線板。
JP2020028744A 2019-03-08 2020-02-21 感光性樹脂組成物 Active JP6918163B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN202010159354.6A CN111665685A (zh) 2019-03-08 2020-03-09 感光性树脂组合物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019042456 2019-03-08
JP2019042456 2019-03-08

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020147742A true JP2020147742A (ja) 2020-09-17
JP6918163B2 JP6918163B2 (ja) 2021-08-11

Family

ID=72431805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020028744A Active JP6918163B2 (ja) 2019-03-08 2020-02-21 感光性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6918163B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022052593A (ja) * 2020-09-23 2022-04-04 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008222677A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Chisso Corp 難燃剤、それを用いた重合体組成物
WO2018124205A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 片山化学工業株式会社 リン含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008222677A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Chisso Corp 難燃剤、それを用いた重合体組成物
WO2018124205A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 片山化学工業株式会社 リン含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022052593A (ja) * 2020-09-23 2022-04-04 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
JP7220691B2 (ja) 2020-09-23 2023-02-10 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6918163B2 (ja) 2021-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5996894B2 (ja) 絶縁膜形成用透明樹脂組成物
JP7053345B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板
JP5731229B2 (ja) アルカリ可溶性透明樹脂組成物
JP2017107182A (ja) 感光性樹脂組成物
TWI567126B (zh) UV-curable transparent resin composition
CN109983403B (zh) 感光性树脂组合物、使用该感光性树脂组合物的阻焊膜、柔性印刷布线板及图像显示装置
JP6918163B2 (ja) 感光性樹脂組成物
CN110268325B (zh) 感光性树脂组合物及使用其的阻焊膜、柔性印刷布线板
TWI749153B (zh) 聚胺酯化合物、含有該化合物的活性能量線硬化型樹脂組成物及該組成物的用途
JP7220691B2 (ja) 感光性樹脂組成物
CN113448170A (zh) 喷墨用感光性树脂组合物及印刷布线基板
JP6872302B2 (ja) 黒色感光性樹脂組成物
JP6893073B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP7218387B2 (ja) インクジェット用感光性樹脂組成物およびプリント配線基板
JP7229211B2 (ja) 感光性樹脂組成物
CN111650811B (zh) 一种白色感光膜及其制备方法和应用
JP2020105530A (ja) インクジェット用硬化性樹脂組成物
JP2022052594A (ja) 感光性樹脂組成物
WO2021200258A1 (ja) 硬化性組成物、硬化物、およびプリント配線板
CN111665685A (zh) 感光性树脂组合物
JP6689308B2 (ja) インクジェット用硬化性樹脂組成物
JP2021157025A (ja) 感光性樹脂組成物
JP2013145283A (ja) 感光性樹脂組成物、絶縁性材料、ソルダーレジストインク、感光性積層体、フレキシブル回路基板および永久パターン形成方法
JP2023183285A (ja) 感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物の光硬化物及び感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板
WO2022050372A1 (ja) 光硬化性熱硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物および当該硬化物を有する電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210714

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6918163

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150