JP2017179201A - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、スマートフォンやタブレット端末など指やペンで画面に直接触れて操作するタッチパネルを備えた電子機器の普及が著しく、このような機器ではタッチパネル表面のさらなる硬度向上が求められている。
一般にハードコート塗膜の表面保護機能を高める方策として、硬度の高い無機フィラーを活性エネルギー線硬化性組成物中へ配合し、ハードコート層とする手法が知られている(例えば特許文献1〜3)。
すなわち、本発明は、
水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(a)と化学結合して修飾された金属酸化物(A)と、水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(D)であって、動的光散乱法で測定される粒子のメジアン径dが、10〜100nmであり、多官能(メタ)アクリレート(a)の溶解度パラメータ(SP値)SPaと多官能(メタ)アクリレート(B)の溶解度パラメータSPBとの差の絶対値ΔSPが0.5以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物である。
なお、これらの金属酸化物は、通常、水酸基を含有している。
これらの官能基(α)のうち、水酸基、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、水酸基とカルボキシル基がさらに好ましく、水酸基が最も好ましい。
(a2)の製造に用いられるポリオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
(a2)の製造に用いられる水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
そして、この加水分解縮合物は、金属アルコキシド(d)と水を反応させて、加水分解により得られるものであり、例えば、溶媒として多官能(メタ)アクリレート(B)中で、加水分解すると透明性の観点から好ましい。
また、触媒の存在下で加水分解反応を行うのが好ましい。この際の触媒としては無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸など)、有機酸(カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸など)などが挙げられる。
これらのうち、硬度の観点から好ましいのは、アルコキシシラン、アルコキシチタンである。
また、アルコキシル基は特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基ブトキシ基などが挙げられる。
官能基(α)としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基などが挙げられる。これらのうち好ましいのは、水酸基、カルボキシル基、リン酸基であり、さらに好ましいのは水酸基である。
これらの化学結合のうち、エーテル結合、カルボン酸エステル結合、リン酸エステル結合が好ましく、エーテル結合、カルボン酸エステル結合がさらに好ましい。
この化学結合により生成した化合物(A)を含有することにより、本発明の硬化性組成物の透明性が優れ、高硬度となる。
また、触媒として無機酸または有機酸を用いることが好ましく、反応性の観点で好ましいのは塩酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸であり、さらに好ましいのは塩酸および酢酸である。
これらの官能基(α)のうち、水酸基、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、水酸基とカルボキシル基がさらに好ましく、水酸基が最も好ましい。
(B2)の製造に用いられるポリオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
(B2)の製造に用いられる水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
但し、多官能(メタ)アクリレート(B)として使用する多官能(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリレート(a)として使用する多官能(メタ)アクリレートは同じものである必要はなく、あるいは(B)として2種以上の多官能(メタ)アクリレートを使用する場合もあり、結果的に異なるものを使用することになる。
SP値は下記の計算式から求められる。
但し、Vはモル容積(cc/モル)、△Hは蒸発潜熱(cal/モル)、Rはガス恒数1.987cal/モル°Kを表す。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,Robert F.Fedors.(147〜154頁)」
しかし、例えば、多官能(メタ)アクリレート(B)として2種以上の多官能(メタ)アクリレートを併用した場合、混合物の(B)のSPBがSPaと異なる場合もある。
本願明細書の実施例5と6の場合がそうである。
このメジアン径(累積50%粒径)は、測定原理として動的光散乱法で測定した値であり、例えば動的光散乱式粒子径分布測定器[商品名:ナノ粒子解析装置 nano Partica SZ−100、(株)堀場製作所製]を用いて測定することができる。
この目的で含有させるレベリング剤(E)としては、変性ポリシロキサン[ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等]、PEG型非イオン界面活性剤(ノニルフェノールEO1〜40モル付加物、ステアリン酸EO1〜40モル付加物等)、多価アルコール型非イオン界面活性剤(ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素系界面活性剤(パーフルオロアルキルEO1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)等が挙げられる。これらの中で好ましいのは変性ポリシロキサン、PEG型非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤であり、さらに好ましいのは変性ポリシロキサンである。
添加剤としては、可塑剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤が挙げられる。
溶剤の使用量は、該組成物の全重量に基づいて通常2,000%以下、好ましくは10〜500%である。また、塗料の粘度は、使用時の温度(通常5〜60℃)で、通常5〜5,000mPa・s、安定塗工の観点から好ましくは50〜1,000mPa・sである。
これらの溶剤のうちコーティング膜の平滑性および溶剤除去の効率の観点から好ましいのは沸点が70〜100℃のエステル、ケトンおよびアルコール、さらに好ましいのはメチルエチルケトン、酢酸エチル、i−プロパノールおよびこれらの混合物である。
塗工に際しては、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。
塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常0.5〜300μmである。乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μmであり、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性および外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
使用するランプとしては、例えば高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。紫外線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10〜10,000mJ/cm2、更に好ましくは100〜5,000mJ/cm2である。
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製;1個の水酸基と5個のアクリロイル基を有する]65部、水1.51部およびテトラエトキシシラン(d−1)[商品名:TEOS、東京化成工業(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、塩酸2.36部を仕込み、65℃で2時間で(d−1)の加水分解縮合反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、水酸基と反応する官能基(α)としての1個の水酸基と5個のアクリロイル基を有するジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−1)で化学修飾され金属酸化物(A−1)のジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)による分散液を得た。
なお、本発明の化合物(a)は水酸基と反応する官能基(α)としての水酸基を有し、かつ2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート化合物であるが、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)は(a−1)にも該当する。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)を、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)[商品名:ETERMER235、長興化学工業(株)製;1個の水酸基と3個のアクリロイル基を有する]に変える以外は製造例1と同様にして、水酸基と反応する官能基(α)としての 1個の水酸基と3個のアクリロイル基を有するペンタエリスリトールトリアクリレート(a−2)で化学修飾された金属酸化物(A−2)のペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)による分散液を得た。
なお、本発明の化合物(a)は水酸基と反応する官能基(α)としての水酸基を有し、かつ2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート化合物であるが、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)は(a−2)にも該当する。
テトラエトキシシラン(d−1)の代わりにテトラブトキシチタン(d−2)[商品名:B−1、日本曹達(株)製]40部を、塩酸の代わりに酢酸1.00部を、水の添加量を1.73部に変える以外は製造例1と同様にして、水酸基とアクリロイル基を有するジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−1)で化学修飾された金属酸化物(A−3)のジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)による分散液を得た。
溶媒としての(B)として(B−1)と(B−2)をそれぞれ30部使用する以外は製造例1と同様にして、水酸基とアクリロイル基を有するジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−1)および水酸基とアクリロイル基を有するペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−2)で化学修飾された金属酸化物(A−4)のジペンタエリスリトールトリアクリレート(B−1)とペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)による分散液を得た。
製造例5 [金属酸化物(A−5)の(B−1)分散液の製造]
テトラエトキシシラン(d−1)を50部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)を50部に、水を2.16部に変える以外は製造例1と同様にして、水酸基とアクリロイル基を有するジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−1)で化学修飾された金属酸化物(A−5)のジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)による分散液を得た。
テトラエトキシシラン(d−1)を50部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)を、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)50部、水を2.16部に変える以外は製造例1と同様にして、水酸基とアクリロイル基を有するペンタエリスリトールトリアクリレート(a−2)で化学修飾された金属酸化物(A−6)のペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)による分散液を得た。
(B−1)を、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(B’−1)[商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学(株)製;2個のアクリロイル基を有するが水酸基は有しない]に変える以外は製造例1と同様にして、未修飾の金属酸化物(A’−1)のジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(B’−1)による分散液を得た。
なお、本発明の化合物(a)は水酸基と反応する官能基(α)としての水酸基を有し、かつ2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート化合物であるが、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(B’−1)は、水酸基と反応する官能基(α)を有しないので、本発明の化合物(a)には該当せず、金属酸化物を化学修飾することはない。未修飾の金属酸化物(A’−1)は比較例1で使用する。
(B−1)を、フェノキシエチルアクリレート(B’−2)[商品名:ライトアクリレートPO−A、共栄社化学(株)製;1個のアクリロイル基を有するが水酸基は有しない]に変える以外は製造例1と同様にして、未修飾の金属酸化物(A’−2)のフェノキシエチルアクリレート(B’−2)による分散液を得た。なお、フェノキシエチルアクリレート(B’−2)は水酸基と反応する官能基(α)を有せず、アクリロイル基も1個しか有しないので、本発明の化合物(a)には該当せず、金属酸化物を化学修飾することはない。未修飾の金属酸化物(A’−2)は比較例2で使用する。
水の量を9.06部に変える以外は製造例1と同様にして、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−1)で化学修飾された金属酸化物(A’−3)の(メタ)アクリレート(B−1)による分散液を得た。得られた分散液中に含まれる金属酸化物粒子のメジアン径は150nmであった。
水の量を0.76部に変える以外は製造例1と同様にして、ペンタエリスリトールトリアクリレート(a−2)で化学修飾された金属酸化物(A’−4)の(メタ)アクリレート(B−1)による分散液を得た。得られた分散液中に含まれる金属酸化物粒子のメジアン径は1nm以下であった。
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、コロイダルシリカのメチルエチルケトン分散液 [シリカ含量30質量%、シリカの平均粒子径10〜20nm、商品名MEK−ST;日産化学株式会社製]91.5部、アクリロイル基を1個のみ有する3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−5103;信越化学工業株式会社製)8.5部を加え、この混合液に、反応触媒として塩酸3.1gを加え、40℃で6時間加熱撹拌することにより、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランで化学修飾されたシリカ粒子のメチルエチルケトン分散液を得た。
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを、(メタ)アクリロイル基を有しない3−アミノプロピルトリエトキシシラン[商品名:KBM−903;信越化学工業株式会社製]に変える以外は製造例1と同様にして、3−アミノプロピルトリメトキシシランで化学修飾されたシリカ粒子のメチルエチルケトン分散液を得た。
テトラエトキシシラン:商品名「TEOS」、東京化成工業(株)製
テトラ−n−ブトキシチタン:商品名「B−1」、日本曹達(株)製
塩酸:佐々木化学薬品(株)製
酢酸:ナカライテスク(株)製
(B−1):ジペンタエリスリトールペンタアクリレート[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製、官能基数5個、水酸基1個]
(B−2):ペンタエリスリトールトリアクリレート[商品名:ETERMER235、長興化学(株)製、官能基数3個、水酸基1個]
(B’−1):ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート[商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学(株)製、官能基数2個、活性水素を含む官能基はなし]
(B’−2):フェノキシエチルアクリレート[商品名:ライトアクリレートPO−A、共栄社化学(株)製、官能基数1個]
コロイダルシリカのメチルエチルケトン分散液[商品名「MEK−ST」一次粒径10−15nm MEK30%溶液、日産化学工業(株)製]
(C−1):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド[商品名「ルシリンTPO」、BASF(株)製]
(C−2):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、BASF(株)製]
(E−1):EO、PO変性ポリジメチルシロキサン[商品名「BYK−333」、ビッグケミー・ジャパン社製]
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、製造例1で得られた金属酸化物(A−1)のジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)分散液を100部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(C−2)[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]3.0部、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(E−1)[商品名「BYK−333」、ビックケミー・ジャパン株式会社製]3.0部を加え、65℃で均一になるまで混合攪拌し、硬化性組成物(D−1)を得た。
なお、上記の製造例1で得られた金属酸化物の分散液100部は、表1で記載しているように(A−1)35部と(B−1)65部を含有する。
実施例1と同様にして、製造例2〜4および比較製造例1〜4で製造した分散液[溶媒としての(B)成分を含む]100部に対して、表1に示す重合開始剤(C)およびレベリング剤(E)を記載の重量部で均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D−2)〜(D−4)および(D’−1)〜(D’−4)を得た。分散液の合計100部の内訳は表1に示す通りである。
実施例1と同様にして、製造例5で製造した(A−5)の(B−1)分散液90部に、さらにペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)を10部と、表1に示す成分(C)と(E)を記載の重量部で追加して均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D−5)を得た。
なお、上記の製造例5で得られた金属酸化物の分散液90部は、表1で記載しているように(A−5)45部と(B−1)45部を含有する。
実施例1と同様にして、製造例6で製造した(A−6)の(B−2)分散液90部に、さらにジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)を10部、および表1に示す成分(C)と(E)を記載の重量部で追加して均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D−6)を得た。
なお、上記の製造例6で得られた金属酸化物の分散液90部は、表1で記載しているように(A−6)45部と(B−2)45部を含有する。
純分含量が表1に記載の通りとなるように、化学修飾された金属酸化物微粒子(A’−5)30部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)70部、および(C)と(E)を記載の重量部で追加して均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D’−5)を得た。
純分含量が表1に記載の通りとなるように、化学修飾された金属酸化物微粒子(A’−6)30部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)70部、および(C)と(E)を記載の重量部で追加して均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D’−6)を得た。
純分含量が表1に記載の通りとなるように、市販の金属酸化物微粒子(A’−7)[商品名「MEK−ST」一次粒径10−15nm MEK30%溶液、日産化学工業(株)製]を、(C)および(E)と同時に(B)に配合し、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D’−7)を得た。
また、硬化性組成物(D−2)と(D’−4)においては、(a−2)も(B−2)も共にペンタエリスリトールトリアクリレートであるので、SPaもSPBも共に12.2である。
一方、硬化性組成物(D−4)においては、(a−1)と(a−2)がジペンタエリスリトールペンタアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの1:1の混合物、(B−1)と(B−2)がジペンタエリスリトールペンタアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの1:1の混合物であるので、その相加平均をとり、SPaもSPBも共に11.4である。
硬化性組成物(D−5)においては、(a−1)がジペンタエリスリトールペンタアクリレート単独であるのでSPaは10.5、(B−1)と(B−2)がジペンタエリスリトールペンタアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの45:10の混合物であるので、その相加平均をとりSPBは10.8となる。
硬化性組成物(D−6)においては、(a−1)がペンタエリスリトールトリアクリレート単独であるのでSPaは12.2、(B−1)と(B−2)がジペンタエリスリトールペンタアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの10:45の混合物であるので、その相加平均をとりSPBは11.9となる。
比較例の硬化性組成物(D’−5)と(D’−6)では、金属酸化物表面はシランカップリング剤で修飾されているため、SPaはそれぞれ、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシランのSP値である8.9と8.6となる。また、SPBはジペンタエリスリトールペンタアクリレートの10.5となる。
粒度分析計(株式会社堀場製作所製「SZ−100」)を用いて測定し、メジアン径を測定する。メジアン径は顔料分散体をMEKで約100倍に希釈し、上記粒度分析計を用いて、25℃で測定した。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D−1)〜(D−6)および(D’−1)〜(D’−7)をそれぞれディスパーザーを用いてメチルエチルケトンで希釈し、不揮発分30%に調製する。
厚さ40μmのTACフィルム基材の片面にバーコーターを用い、乾燥硬化後の膜厚が7μmになるように塗布し、70℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製。以下同じ。]により、紫外線を300mJ/cm2照射し、基材フィルム表面に硬化膜を有するフィルムを作成した。
得られたフィルムについて下記の方法で物性測定と性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
上記の操作で得られた硬化膜を有するフィルムについて、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−gard dual」BYK gardner(株)製]を用いてヘイズを測定した。
この評価条件で、一般に0.5以下が好ましい。
上記の操作で得られた硬化膜を有するフィルムについて、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」、BYK gardner(株)製]を用いて全光線透過率(%)を測定した。
この評価条件では、一般に88%以上が好ましい。
上記の操作で得られた硬化膜を有するフィルムについて、JIS K−5400に準じ、鉛筆硬度を測定した。
この評価条件で、3H以上が好ましい。
一方、金属酸化物が、水酸基と反応する官能基(α)を有する化合物(a)により化学修飾されていない比較例1および比較例2は鉛筆硬度が劣る。また、市販の無変性シリカ微粒子を添加した比較例3は透明性が劣り、鉛筆硬度も不十分である。市販の無変性シリカ微粒子を(メタ)アクリロイル基を1個のみ有するシランカップリング剤により表面修飾した比較例4および(メタ)アクリロイル基を有しないシランカップリング剤により表面修飾した比較例5では透明性は良好であるが、鉛筆硬度が不十分である。さらに、シリカ粒子の粒径が100nmを超える比較例6では透明性が悪化し、粒径が1nmより小さい比較例7ではフィラー効果が見られず鉛筆硬度が不十分である。
Claims (4)
- 水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(a)と化学結合して修飾された金属酸化物(A)と、水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(D)であって、動的光散乱法で測定される粒子のメジアン径が、10〜100nmであり、多官能(メタ)アクリレート(a)の溶解度パラメータ(SP値)SPaと多官能(メタ)アクリレート(B)の溶解度パラメータSPBとの差の絶対値ΔSPが0.5以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
- 修飾される前の金属酸化物がシリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナからなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 修飾される前の金属酸化物が金属アルコキシド(d)の加水分解縮合物である請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 金属酸化物(A)と多官能(メタ)アクリレート(B)の重量比(A)/(B)が、25/75〜80/20である請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
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