JP2017179201A - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属酸化物を高濃度で含有してもその硬化物が透明性に優れ、かつ高い硬度を有する活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 水酸基と反応する官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(a)と化学結合して修飾された金属酸化物(A)と、水酸基と反応する官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(D)であって、動的光散乱法で測定された粒子のメジアン径が、10〜100nmであり、多官能(メタ)アクリレート(a)の溶解度パラメータ(SP値)SPaと多官能(メタ)アクリレート(B)の溶解度パラメータSPBとの差の絶対値ΔSPが0.5以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物を用いる。【選択図】 なし

Description

本発明は金属酸化物分散体を含有する活性エネルギー線硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、表示装置などのハードコート塗膜に用いる活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
従来より、ハードコート塗膜を保護層にしたプラスチックフィルムを表面に設けた液晶ディスプレイ(LCD)やタッチパネルディスプレイ等の表示装置やLCD中の偏光子、光ファイバ、光ディスク等の電子素子が知られており、ハードコート塗膜が表面の傷付き防止や粉塵付着防止等の表面保護の目的に使用されている。
近年、スマートフォンやタブレット端末など指やペンで画面に直接触れて操作するタッチパネルを備えた電子機器の普及が著しく、このような機器ではタッチパネル表面のさらなる硬度向上が求められている。
一般にハードコート塗膜の表面保護機能を高める方策として、硬度の高い無機フィラーを活性エネルギー線硬化性組成物中へ配合し、ハードコート層とする手法が知られている(例えば特許文献1〜3)。
しかしながら、無機フィラーを樹脂や有機溶剤などの分散体に添加する場合には、無機フィラー同士が凝集しやすく、その分散体を用いて硬化物の塗膜とした際に、傷付き防止のための塗膜の硬度が十分に発現しないという問題がある。特に、無機フィラーの含有量が低いと十分な表面の硬度が得られず、その反面、含有量が高いと塗膜の透明性が悪化するという問題がある。
特開2012−7028号公報 特開2015−86103号公報 特開2015−36402号公報
本発明は、金属酸化物を高濃度で含有してもその硬化物が透明性に優れ、かつ高い硬度を有する活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(a)と化学結合して修飾された金属酸化物(A)と、水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(D)であって、動的光散乱法で測定される粒子のメジアン径dが、10〜100nmであり、多官能(メタ)アクリレート(a)の溶解度パラメータ(SP値)SPと多官能(メタ)アクリレート(B)の溶解度パラメータSPとの差の絶対値ΔSPが0.5以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物である。
本発明の金属酸化物を高濃度で含有してもその硬化物の透明性に優れる。また、この金属酸化物を含有した活性エネルギー線硬化性組成物は透明性に優れ、かつ高い硬度を有する硬化物を与えることができるという効果を奏する。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物(D)は、水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(a)と化学結合して修飾された金属酸化物(A)と、水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤(C)とを含有する。さらに、硬化性組成物(D)中の粒子のメジアン径は10〜100nmであり、化合物(a)の溶解度パラメータ(SP値)SPと多官能(メタ)アクリレート(B)の溶解度パラメータSPとの差の絶対値ΔSPが0.5以下であることを特徴とする。なお、金属酸化物を化学修飾するために用いる多官能(メタ)アクリレート(a)と、硬化性組成物(D)の必須成分の多官能(メタ)アクリレート(B)は同一であっても異なっていても差し支えないが、硬化性組成物(D)の製造方法上、同一であることが好ましい。
以下において、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の必須構成成分である(A)〜(E)について、順に説明する。
本発明の金属酸化物(A)は、金属酸化物を水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(a)と化学結合させて修飾することにより得られるが、この金属酸化物としては、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナなどが挙げられ、好ましいのはシリカとチタニアである。
なお、これらの金属酸化物は、通常、水酸基を含有している。
金属酸化物の水酸基と反応して化学結合させ、本発明の金属酸化物(A)を生成させるために用いる多官能(メタ)アクリレート(a)は金属酸化物の水酸基と反応する官能基(α)を少なくとも1個有する。
本発明の多官能(メタ)アクリレート(a)は、水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有しており、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個、好ましくは3〜6個有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
水酸基と反応し得る官能基(α)としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基などが挙げられる。この反応性基(α)は金属酸化物(A)中の水酸基と反応するために必要である。
これらの官能基(α)のうち、水酸基、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、水酸基とカルボキシル基がさらに好ましく、水酸基が最も好ましい。
多官能(メタ)アクリレート(a)としては、以下の3価以上の(メタ)アクリレート(a1)、ウレタン(メタ)アクリレート(a2)、エポキシ(メタ)アクリレート(a3)、(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサン重合体(a4)であって、水酸基と反応する官能基(α)を有するものが挙げられる。
3価以上の(メタ)アクリレート(a1)としては、炭素数3〜40の多価アルコールおよびそのAO付加物のポリ(メタ)アクリレート、グリセリンのジ(メタ)アクリレート、グリセリンのEO3モルおよびPO3モル付加物の各ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのEO4モル付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(a2)としては、 ポリイソシアネート、ポリオール、水酸基含有(メタ)アクリレートとのウレタン化反応により得られる複数のウレタン結合と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する分子量400以上かつMn5,000以下のウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(a2)の製造に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば脂肪族ポリイソシアネート[ヘキサメチレンジイソシアネート等]、芳香(脂肪)族ポリイソシアネート[2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等]、脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等]が挙げられる。
(a2)の製造に用いられるポリオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
(a2)の製造に用いられる水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート(a3)としては、多価(2〜4価)エポキシドと(メタ)アクリル酸の反応により得られる、少なくともひとつの水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する分子量400以上かつMn5,000以下のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサン重合体(a4)としては、少なくともひとつのシラノール基と主鎖および/または側鎖に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するMn300〜20,000のジメチルポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
上記(a1)〜(a4)は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これら(a1)〜(a4)のうち、硬化物の硬度の観点から好ましいのは(a1)〜(a3)、さらに好ましいのは(a1)および(a2)である。
本発明の金属酸化物(A)は、金属アルコキシド(d)の加水分解縮合物であることが好ましい。
そして、この加水分解縮合物は、金属アルコキシド(d)と水を反応させて、加水分解により得られるものであり、例えば、溶媒として多官能(メタ)アクリレート(B)中で、加水分解すると透明性の観点から好ましい。
また、触媒の存在下で加水分解反応を行うのが好ましい。この際の触媒としては無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸など)、有機酸(カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸など)などが挙げられる。
このような金属アルコキシド(d)としては、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウム、アルコキシアルミニウムなどが挙げられる。
これらのうち、硬度の観点から好ましいのは、アルコキシシラン、アルコキシチタンである。
また、アルコキシル基は特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基ブトキシ基などが挙げられる。
金属酸化物中の水酸基と多官能(メタ)アクリレート(a)中の官能基(α)とが化学結合して修飾された金属酸化物(A)は、金属酸化物中の水酸基と多官能(メタ)アクリレート(a)中の水酸基とが反応し化学結合しているものである。
官能基(α)としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基などが挙げられる。これらのうち好ましいのは、水酸基、カルボキシル基、リン酸基であり、さらに好ましいのは水酸基である。
その結果、化学結合としてはエーテル結合、カルボン酸エステル結合、スルホン酸エステル結合、リン酸エステル結合などが挙げられる。
これらの化学結合のうち、エーテル結合、カルボン酸エステル結合、リン酸エステル結合が好ましく、エーテル結合、カルボン酸エステル結合がさらに好ましい。
この化学結合により生成した化合物(A)を含有することにより、本発明の硬化性組成物の透明性が優れ、高硬度となる。
この化学結合は、金属酸化物を金属アルコキシド(d)と水とを反応させて生成させる際の反応条件で十分進行する。温度は、40〜80℃であることが好ましく、60〜70℃であることがより好ましい。
また、触媒として無機酸または有機酸を用いることが好ましく、反応性の観点で好ましいのは塩酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸であり、さらに好ましいのは塩酸および酢酸である。
本発明の金属酸化物(A)の製造方法としては、多官能(メタ)アクリレート(B)中、触媒存在下で金属アルコキシド(d)と水を反応させて加水分解・縮合により金属酸化物を合成すると同時に、金属酸化物の表面を多官能(メタ)アクリレート(a)で修飾する手法が適している。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物(D)の必須構成成分である多官能(メタ)アクリレート(B)は、先述の(a)と同じく、水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有しており、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個以上有する多官能(メタ)アクリレートである。
ここで、水酸基と反応し得る官能基(α)は、多官能(メタ)アクリレート(a)で説明したものと同じで、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基などが挙げられる。この反応性基(α)は金属酸化物(A)の水酸基と反応するために必要である。
これらの官能基(α)のうち、水酸基、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、水酸基とカルボキシル基がさらに好ましく、水酸基が最も好ましい。
多官能(メタ)アクリレート(B)としては、以下の3価以上の(メタ)アクリレート(B1)、ウレタン(メタ)アクリレート(B2)、エポキシ(メタ)アクリレート(B3)、(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサン重合体(B4)であって、水酸基と反応する官能基(α)を有するものが挙げられる。
3価以上の(メタ)アクリレート(B1)としては、炭素数3〜40の多価アルコールおよびそのAO付加物のポリ(メタ)アクリレート、グリセリンのジ(メタ)アクリレート、グリセリンのEO3モルおよびPO3モル付加物の各ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのEO4モル付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(B2)としては、 ポリイソシアネート、ポリオール、水酸基含有(メタ)アクリレートとのウレタン化反応により得られる複数のウレタン結合と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する分子量400以上かつMn5,000以下のウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(B2)の製造に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば脂肪族ポリイソシアネート[ヘキサメチレンジイソシアネート等]、芳香(脂肪)族ポリイソシアネート[2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等]、脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等]が挙げられる。
(B2)の製造に用いられるポリオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
(B2)の製造に用いられる水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート(B3)としては、多価(2〜4価)エポキシドと(メタ)アクリル酸の反応により得られる、少なくともひとつの水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する分子量400以上かつMn5,000以下のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサン重合体(B4)としては、少なくともひとつのシラノール基と主鎖および/または側鎖に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するMn300〜20,000のジメチルポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
上記(B1)〜(B4)は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これら(B1)〜(B4)のうち、硬化物の硬度の観点から好ましいのは(B1)〜(B3)、さらに好ましいのは(B1)および(B2)である。
本発明の金属酸化物(A)の製造方法で例示したように、多官能(メタ)アクリレート(B)中、触媒存在下で金属アルコキシド(d)と水を反応させて加水分解・縮合により無機酸化物を合成すると同時に、無機酸化物の表面を多官能(メタ)アクリレート(a)で修飾することが一般的であり、その場合は実質的に、多官能(メタ)アクリレート(B)として使用する多官能(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリレート(a)として使用する多官能(メタ)アクリレートは同じものになる場合がある。
但し、多官能(メタ)アクリレート(B)として使用する多官能(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリレート(a)として使用する多官能(メタ)アクリレートは同じものである必要はなく、あるいは(B)として2種以上の多官能(メタ)アクリレートを使用する場合もあり、結果的に異なるものを使用することになる。
本発明の(メタ)アクリレート(B)の含有量は、硬度および透明性の観点から、活性エネルギー線硬化性組成物中の(A)および(B)の合計重量に基づいて、20〜75重量%であり、好ましくは30〜60重量%である。
本発明において、多官能(メタ)アクリレート(a)の溶解度パラメーター(SP値)をSPとし、多官能(メタ)アクリレート(B)のSP値をSPとしたときに、それらの差の絶対値ΔSPは0.5以下である。好ましくは0〜0.3である。0.5を超えると、透明性と硬度が悪化する。
ここで、SP値は、化学物質相互の溶解度の目安となるもので、化学物質間のSP値の差が小さいほど相互の溶解度が大であることが知られている。
SP値は下記の計算式から求められる。
SP値=[(△H−RT)/V]1/2
但し、Vはモル容積(cc/モル)、△Hは蒸発潜熱(cal/モル)、Rはガス恒数1.987cal/モル°Kを表す。
このSP値は、下記文献に記載されたFedorsらが提案した方法によって計算される。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,Robert F.Fedors.(147〜154頁)」
2種以上の混合物のSP値は加成則が成立するとして、構成成分のSP値を各構成割合(重量%)で比例配分して、SP値の加重平均値として算出される。
多官能(メタ)アクリレート(a)と多官能(メタ)アクリレート(B)で全く同じ組成の多官能(メタ)アクリレートを用いた場合は、SPとSPは同じ値なので、差の絶対値ΔSPは0となる。
しかし、例えば、多官能(メタ)アクリレート(B)として2種以上の多官能(メタ)アクリレートを併用した場合、混合物の(B)のSPがSPと異なる場合もある。
本願明細書の実施例5と6の場合がそうである。
本発明の光重合開始剤(C)としては、フォスフィンオキサイド系化合物(C1)、ベンゾイルホルメート系化合物(C2)、チオキサントン系化合物(C3)、オキシムエステル系化合物(C4)、ヒドロキシベンゾイル系化合物(C5)、ベンゾフェノン系化合物(C6)、ケタール系化合物(C7)、1,3αアミノアルキルフェノン系化合物(C8)などが挙げられる。
フォスフィンオキサイド系化合物(C1)としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
ベンゾイルホルメート系化合物(C2)としては、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
チオキサントン系化合物(C3)としては、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物(C4)としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1(O−アセチルオキシム))等が挙げられる。
ヒドロキシベンゾイル系化合物(C5)としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物(C6)としては、ベンゾフェノン等が挙げられる。
ケタール系化合物(C7)としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
1,3αアミノアルキルフェノン系化合物(C8)としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤(C)のうち、硬度および透明性の観点から好ましいのは、(C1)、(C5)、(C8)であり、更に好ましくは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンである。
光重合開始剤(C)の含有量は、硬化性および透明性の観点から、活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.2〜7重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物において、動的光散乱法で測定される粒子のメジアン径は、10〜100nmであり、好ましくは10〜50nmである。100nmを超えると、透明性と硬度が悪化し、10nm以下であると硬度が不十分である。
このメジアン径(累積50%粒径)は、測定原理として動的光散乱法で測定した値であり、例えば動的光散乱式粒子径分布測定器[商品名:ナノ粒子解析装置 nano Partica SZ−100、(株)堀場製作所製]を用いて測定することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物(D)には、<村上君の言いたいことをこうろしてこれも追記>→耐擦傷性を向上させることにより硬度をさらに向上させる目的でレベリング剤を含有させることができる。
この目的で含有させるレベリング剤(E)としては、変性ポリシロキサン[ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等]、PEG型非イオン界面活性剤(ノニルフェノールEO1〜40モル付加物、ステアリン酸EO1〜40モル付加物等)、多価アルコール型非イオン界面活性剤(ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素系界面活性剤(パーフルオロアルキルEO1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)等が挙げられる。これらの中で好ましいのは変性ポリシロキサン、PEG型非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤であり、さらに好ましいのは変性ポリシロキサンである。
レベリング剤の使用量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、硬化物の耐擦傷性の観点から0.1〜3%、好ましくは0.1〜2%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりレベリング剤以外の種々の添加剤を含有させてもよい。
添加剤としては、可塑剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤が挙げられる。
本発明の組成物は、塗工の際に、塗工に適した粘度に調整するために、必要に応じて溶剤で希釈した塗料とすることができる。
溶剤の使用量は、該組成物の全重量に基づいて通常2,000%以下、好ましくは10〜500%である。また、塗料の粘度は、使用時の温度(通常5〜60℃)で、通常5〜5,000mPa・s、安定塗工の観点から好ましくは50〜1,000mPa・sである。
溶剤としては、本発明の組成物中の樹脂分を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレンおよびエチルベンゼン)、エステルまたはエーテルエステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチルおよびメトキシブチルアセテート)、エーテル(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールのモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールのモノエチルエーテル)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトンおよびシクロヘキサノン)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、n−およびi−プロパノール、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコールおよびベンジルアルコール)、アミド(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド(例えばジメチルスルホキシド)、水、およびこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
これらの溶剤のうちコーティング膜の平滑性および溶剤除去の効率の観点から好ましいのは沸点が70〜100℃のエステル、ケトンおよびアルコール、さらに好ましいのはメチルエチルケトン、酢酸エチル、i−プロパノールおよびこれらの混合物である。
本発明の組成物は、必要により溶剤で希釈して、基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、必要により乾燥させた後、活性エネルギー線(紫外線、電子線、X線等)を照射して硬化させることにより、硬化膜を有するハードコート被覆物を得ることができる。
塗工に際しては、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。
塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常0.5〜300μmである。乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μmであり、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
上記の透明基材としては、メチルメタクリレート(共)重合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリトリアセチルセルロース及びポリシクロオレフィン等の樹脂からなるものが挙げられる。
本発明の組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。
乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性および外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
本発明における活性エネルギー線には、紫外線、電子線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のうち硬化性と樹脂劣化の観点から好ましいのは紫外線と電子線である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を紫外線により硬化させる場合は、種々の紫外線照射装置[例えば、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]を使用できる。
使用するランプとしては、例えば高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。紫外線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10〜10,000mJ/cm2、更に好ましくは100〜5,000mJ/cm2である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1 [化学修飾された金属酸化物(A−1)の(B−1)分散液の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製;1個の水酸基と5個のアクリロイル基を有する]65部、水1.51部およびテトラエトキシシラン(d−1)[商品名:TEOS、東京化成工業(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、塩酸2.36部を仕込み、65℃で2時間で(d−1)の加水分解縮合反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、水酸基と反応する官能基(α)としての1個の水酸基と5個のアクリロイル基を有するジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−1)で化学修飾され金属酸化物(A−1)のジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)による分散液を得た。
なお、本発明の化合物(a)は水酸基と反応する官能基(α)としての水酸基を有し、かつ2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート化合物であるが、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)は(a−1)にも該当する。
製造例2 [金属酸化物(A−2)の(B−2)分散液の製造]
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)を、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)[商品名:ETERMER235、長興化学工業(株)製;1個の水酸基と3個のアクリロイル基を有する]に変える以外は製造例1と同様にして、水酸基と反応する官能基(α)としての 1個の水酸基と3個のアクリロイル基を有するペンタエリスリトールトリアクリレート(a−2)で化学修飾された金属酸化物(A−2)のペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)による分散液を得た。
なお、本発明の化合物(a)は水酸基と反応する官能基(α)としての水酸基を有し、かつ2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート化合物であるが、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)は(a−2)にも該当する。
製造例3 [金属酸化物(A−3)の(B−1)分散液の製造]
テトラエトキシシラン(d−1)の代わりにテトラブトキシチタン(d−2)[商品名:B−1、日本曹達(株)製]40部を、塩酸の代わりに酢酸1.00部を、水の添加量を1.73部に変える以外は製造例1と同様にして、水酸基とアクリロイル基を有するジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−1)で化学修飾された金属酸化物(A−3)のジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)による分散液を得た。
製造例4 [金属酸化物(A−4)の(B−1)と(B−2)分散液の製造]
溶媒としての(B)として(B−1)と(B−2)をそれぞれ30部使用する以外は製造例1と同様にして、水酸基とアクリロイル基を有するジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−1)および水酸基とアクリロイル基を有するペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−2)で化学修飾された金属酸化物(A−4)のジペンタエリスリトールトリアクリレート(B−1)とペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)による分散液を得た。
製造例5 [金属酸化物(A−5)の(B−1)分散液の製造]
テトラエトキシシラン(d−1)を50部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)を50部に、水を2.16部に変える以外は製造例1と同様にして、水酸基とアクリロイル基を有するジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−1)で化学修飾された金属酸化物(A−5)のジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)による分散液を得た。
製造例6 [金属酸化物(A−6)の(B−2)分散液の製造]
テトラエトキシシラン(d−1)を50部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)を、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)50部、水を2.16部に変える以外は製造例1と同様にして、水酸基とアクリロイル基を有するペンタエリスリトールトリアクリレート(a−2)で化学修飾された金属酸化物(A−6)のペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)による分散液を得た。
比較製造例1 [金属酸化物(A’−1)の(B’−1)分散液の製造]
(B−1)を、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(B’−1)[商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学(株)製;2個のアクリロイル基を有するが水酸基は有しない]に変える以外は製造例1と同様にして、未修飾の金属酸化物(A’−1)のジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(B’−1)による分散液を得た。
なお、本発明の化合物(a)は水酸基と反応する官能基(α)としての水酸基を有し、かつ2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート化合物であるが、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(B’−1)は、水酸基と反応する官能基(α)を有しないので、本発明の化合物(a)には該当せず、金属酸化物を化学修飾することはない。未修飾の金属酸化物(A’−1)は比較例1で使用する。
比較製造例2 [金属酸化物(A’−2)の(B’−2)分散液の製造]
(B−1)を、フェノキシエチルアクリレート(B’−2)[商品名:ライトアクリレートPO−A、共栄社化学(株)製;1個のアクリロイル基を有するが水酸基は有しない]に変える以外は製造例1と同様にして、未修飾の金属酸化物(A’−2)のフェノキシエチルアクリレート(B’−2)による分散液を得た。なお、フェノキシエチルアクリレート(B’−2)は水酸基と反応する官能基(α)を有せず、アクリロイル基も1個しか有しないので、本発明の化合物(a)には該当せず、金属酸化物を化学修飾することはない。未修飾の金属酸化物(A’−2)は比較例2で使用する。
比較製造例3 [金属酸化物(A’−3)の(B−1)分散液の製造]
水の量を9.06部に変える以外は製造例1と同様にして、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a−1)で化学修飾された金属酸化物(A’−3)の(メタ)アクリレート(B−1)による分散液を得た。得られた分散液中に含まれる金属酸化物粒子のメジアン径は150nmであった。
比較製造例4[金属酸化物(A’−4)の(メタ)アクリレート(B−1)分散液の製造]
水の量を0.76部に変える以外は製造例1と同様にして、ペンタエリスリトールトリアクリレート(a−2)で化学修飾された金属酸化物(A’−4)の(メタ)アクリレート(B−1)による分散液を得た。得られた分散液中に含まれる金属酸化物粒子のメジアン径は1nm以下であった。
比較製造例5 [変性シリカ微粒子である金属酸化物(A’−5)のメチルエチルケトン分散液の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、コロイダルシリカのメチルエチルケトン分散液 [シリカ含量30質量%、シリカの平均粒子径10〜20nm、商品名MEK−ST;日産化学株式会社製]91.5部、アクリロイル基を1個のみ有する3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−5103;信越化学工業株式会社製)8.5部を加え、この混合液に、反応触媒として塩酸3.1gを加え、40℃で6時間加熱撹拌することにより、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランで化学修飾されたシリカ粒子のメチルエチルケトン分散液を得た。
比較製造例6[変性シリカ微粒子である金属酸化物(A’−6)のメチルエチルケトン分散液の製造]
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを、(メタ)アクリロイル基を有しない3−アミノプロピルトリエトキシシラン[商品名:KBM−903;信越化学工業株式会社製]に変える以外は製造例1と同様にして、3−アミノプロピルトリメトキシシランで化学修飾されたシリカ粒子のメチルエチルケトン分散液を得た。
なお、製造例、比較製造例中で使用した原料は以下の通りである。
テトラエトキシシラン:商品名「TEOS」、東京化成工業(株)製
テトラ−n−ブトキシチタン:商品名「B−1」、日本曹達(株)製
塩酸:佐々木化学薬品(株)製
酢酸:ナカライテスク(株)製
(B−1):ジペンタエリスリトールペンタアクリレート[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製、官能基数5個、水酸基1個]
(B−2):ペンタエリスリトールトリアクリレート[商品名:ETERMER235、長興化学(株)製、官能基数3個、水酸基1個]
(B’−1):ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート[商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学(株)製、官能基数2個、活性水素を含む官能基はなし]
(B’−2):フェノキシエチルアクリレート[商品名:ライトアクリレートPO−A、共栄社化学(株)製、官能基数1個]
コロイダルシリカのメチルエチルケトン分散液[商品名「MEK−ST」一次粒径10−15nm MEK30%溶液、日産化学工業(株)製]
(C−1):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド[商品名「ルシリンTPO」、BASF(株)製]
(C−2):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、BASF(株)製]
(E−1):EO、PO変性ポリジメチルシロキサン[商品名「BYK−333」、ビッグケミー・ジャパン社製]
実施例1
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、製造例1で得られた金属酸化物(A−1)のジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)分散液を100部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(C−2)[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]3.0部、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(E−1)[商品名「BYK−333」、ビックケミー・ジャパン株式会社製]3.0部を加え、65℃で均一になるまで混合攪拌し、硬化性組成物(D−1)を得た。
なお、上記の製造例1で得られた金属酸化物の分散液100部は、表1で記載しているように(A−1)35部と(B−1)65部を含有する。
実施例2〜4および比較例1〜4
実施例1と同様にして、製造例2〜4および比較製造例1〜4で製造した分散液[溶媒としての(B)成分を含む]100部に対して、表1に示す重合開始剤(C)およびレベリング剤(E)を記載の重量部で均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D−2)〜(D−4)および(D’−1)〜(D’−4)を得た。分散液の合計100部の内訳は表1に示す通りである。
実施例5
実施例1と同様にして、製造例5で製造した(A−5)の(B−1)分散液90部に、さらにペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)を10部と、表1に示す成分(C)と(E)を記載の重量部で追加して均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D−5)を得た。
なお、上記の製造例5で得られた金属酸化物の分散液90部は、表1で記載しているように(A−5)45部と(B−1)45部を含有する。
実施例6
実施例1と同様にして、製造例6で製造した(A−6)の(B−2)分散液90部に、さらにジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)を10部、および表1に示す成分(C)と(E)を記載の重量部で追加して均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D−6)を得た。
なお、上記の製造例6で得られた金属酸化物の分散液90部は、表1で記載しているように(A−6)45部と(B−2)45部を含有する。
比較例5
純分含量が表1に記載の通りとなるように、化学修飾された金属酸化物微粒子(A’−5)30部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)70部、および(C)と(E)を記載の重量部で追加して均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D’−5)を得た。
比較例6
純分含量が表1に記載の通りとなるように、化学修飾された金属酸化物微粒子(A’−6)30部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)70部、および(C)と(E)を記載の重量部で追加して均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D’−6)を得た。
比較例7
純分含量が表1に記載の通りとなるように、市販の金属酸化物微粒子(A’−7)[商品名「MEK−ST」一次粒径10−15nm MEK30%溶液、日産化学工業(株)製]を、(C)および(E)と同時に(B)に配合し、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D’−7)を得た。
ここで硬化性組成物(D−1)と(D−3)と(D’−3)においては、(a−1)も(B−1)も共にジペンタエリスリトールペンタアクリレートであるので、SPもSPも共に10.5である。
また、硬化性組成物(D−2)と(D’−4)においては、(a−2)も(B−2)も共にペンタエリスリトールトリアクリレートであるので、SPもSPも共に12.2である。
一方、硬化性組成物(D−4)においては、(a−1)と(a−2)がジペンタエリスリトールペンタアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの1:1の混合物、(B−1)と(B−2)がジペンタエリスリトールペンタアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの1:1の混合物であるので、その相加平均をとり、SPもSPも共に11.4である。
硬化性組成物(D−5)においては、(a−1)がジペンタエリスリトールペンタアクリレート単独であるのでSPは10.5、(B−1)と(B−2)がジペンタエリスリトールペンタアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの45:10の混合物であるので、その相加平均をとりSPは10.8となる。
硬化性組成物(D−6)においては、(a−1)がペンタエリスリトールトリアクリレート単独であるのでSPは12.2、(B−1)と(B−2)がジペンタエリスリトールペンタアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの10:45の混合物であるので、その相加平均をとりSPは11.9となる。
比較例の硬化性組成物(D’−1)と(D’−2)では、金属酸化物表面は化合物(a)によって修飾されていないため、本発明で定義するSPは存在しない。また、それぞれ(B−1)がジメチロールトリシクロデカンジアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレート単独であるのでSPはそれぞれ9.7および10.4となる。
比較例の硬化性組成物(D’−5)と(D’−6)では、金属酸化物表面はシランカップリング剤で修飾されているため、SPはそれぞれ、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシランのSP値である8.9と8.6となる。また、SPはジペンタエリスリトールペンタアクリレートの10.5となる。
以下の方法で粒子径を測定する。
粒度分析計(株式会社堀場製作所製「SZ−100」)を用いて測定し、メジアン径を測定する。メジアン径は顔料分散体をMEKで約100倍に希釈し、上記粒度分析計を用いて、25℃で測定した。
以下に、透明性、鉛筆硬度の性能評価の方法を説明する。
<硬化フィルム作成法>
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D−1)〜(D−6)および(D’−1)〜(D’−7)をそれぞれディスパーザーを用いてメチルエチルケトンで希釈し、不揮発分30%に調製する。
厚さ40μmのTACフィルム基材の片面にバーコーターを用い、乾燥硬化後の膜厚が7μmになるように塗布し、70℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製。以下同じ。]により、紫外線を300mJ/cm2照射し、基材フィルム表面に硬化膜を有するフィルムを作成した。
得られたフィルムについて下記の方法で物性測定と性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
[ヘイズの測定]
上記の操作で得られた硬化膜を有するフィルムについて、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−gard dual」BYK gardner(株)製]を用いてヘイズを測定した。
この評価条件で、一般に0.5以下が好ましい。
[全光線透過率(フィルムの透明性)の測定]
上記の操作で得られた硬化膜を有するフィルムについて、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」、BYK gardner(株)製]を用いて全光線透過率(%)を測定した。
この評価条件では、一般に88%以上が好ましい。
[鉛筆硬度の評価]
上記の操作で得られた硬化膜を有するフィルムについて、JIS K−5400に準じ、鉛筆硬度を測定した。
この評価条件で、3H以上が好ましい。
表1の結果から、本発明の実施例1〜6の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られた硬化膜は、金属酸化物の微粒子を多量に含有しても透明性が損なわれず、かつ金属酸化物中の水酸基と多官能(メタ)アクリレート化合物が化学結合することにより高い硬度を有している。
一方、金属酸化物が、水酸基と反応する官能基(α)を有する化合物(a)により化学修飾されていない比較例1および比較例2は鉛筆硬度が劣る。また、市販の無変性シリカ微粒子を添加した比較例3は透明性が劣り、鉛筆硬度も不十分である。市販の無変性シリカ微粒子を(メタ)アクリロイル基を1個のみ有するシランカップリング剤により表面修飾した比較例4および(メタ)アクリロイル基を有しないシランカップリング剤により表面修飾した比較例5では透明性は良好であるが、鉛筆硬度が不十分である。さらに、シリカ粒子の粒径が100nmを超える比較例6では透明性が悪化し、粒径が1nmより小さい比較例7ではフィラー効果が見られず鉛筆硬度が不十分である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られるハードコート膜を有するハードコートフィルムは、鉛筆硬度および透明性に優れているため、特にプラスチック光学部品、例えばフラットパネルディスプレイ、タッチパネル等の分野に好適である。

Claims (4)

  1. 水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(a)と化学結合して修飾された金属酸化物(A)と、水酸基と反応し得る官能基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(D)であって、動的光散乱法で測定される粒子のメジアン径が、10〜100nmであり、多官能(メタ)アクリレート(a)の溶解度パラメータ(SP値)SPと多官能(メタ)アクリレート(B)の溶解度パラメータSPとの差の絶対値ΔSPが0.5以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
  2. 修飾される前の金属酸化物がシリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナからなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 修飾される前の金属酸化物が金属アルコキシド(d)の加水分解縮合物である請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 金属酸化物(A)と多官能(メタ)アクリレート(B)の重量比(A)/(B)が、25/75〜80/20である請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
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