JP2017176140A - 細胞培養装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、細胞を大量に効果的に培養でき、且つより正確に培養状態を観察できる細胞培養装置を提供することを目的とする。【解決手段】容器本体10の一端側にガス透過部25と穿刺部27が配置された開口部15が設けられ、容器本体10の他端側に、先端に向かって縮径する溜まり部17が設けられ、開口部15が蓋部材20で開閉され、表面に培養細胞が接着可能な複数の基板30が、容器本体10の内部に配置され、各基板30の表面が、所定間隔で平行に多段に積層され、複数の基板30の表面と対面する筒状容器本体10の表面壁からみて、この表面壁側に位置する第1基板301に、第1基板301よりも内側に位置する第2基板302の表面状態を、表面壁側から観察できるための表面壁側の観察窓40が設けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、接着系の細胞又は株化細胞、特に体性幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)等の細胞を、効率良く多量に培養できる細胞培養装置に関する。
一般的に、細胞の培養は、培養装置の培養容器内に培養する細胞と共に液体の培地を充填し、この細胞及び培地が充填された培養容器を所定の環境下に静置して行われる。
最近では、培養した細胞を実際に生体に使用するために、大量に細胞を培養することが強く求められている。大量生産の1例として、特許文献1のように、円筒内にジグザグに折り曲げたフィルム体、或いは、放射状に折り曲げたフィルム体を1つの培養容器内に入れて、大量に培養することが知られている。しかし、この特許文献1では、折り曲げたフィルム体に付着した細胞の付着状態等を観察することは、開示されておらず、検討されて無いと思われる。
細胞を大量生産するもので、培養装置の容器内の細胞を観察する培養装置の1例として、特許文献2のような構成が知られている。特許文献2では、培養装置の容器内を多段に重ねて、斜め方向から観察することで、重ねた培養装置の容器内の細胞の状態を観察するようになっている。
特開2014−183753号公報 特開2004−344016号公報
しかし、特許文献2の培養装置では、各培養容器を重ねるので、積み重ねた培養容器の高さが高くなりすぎる、或いは高さが制限された場合には、大量の培養容器を積層できない。また、重ねられた培養容器内の細胞を斜めから観察するので、観察に限界が有り、十分に観察できないと言う欠点がある。
従って、本発明は、細胞を大量に効果的に培養でき、且つより正確に培養状態を観察できる細胞培養装置を提供することを目的とする。
本発明は、1つの培養容器内に、細胞を培養する基板を平行に多段に積層して設け、且つこれらの多段の基板に観察用の窓を設けて、重ねた基板に付着した細胞の状態を観察できるようにした細胞培養装置を提供する。
具体的には、第1の発明は、筒状の容器本体と、前記容器本体の一端側に設けられた開口部と、前記容器本体の他端側に一体に設けられ、先端に向かって縮径する溜まり部と、
前記開口部に取り付けられる蓋部材と、前記蓋部材に設けられ、液密性を有し、かつ、気体の流通を許容するガス透過部と、前記容器本体の内部に配置され、表面に培養細胞が接着可能な複数の基板と、を備え、前記各基板は、板材からなり、該基板の表面が前記容器本体の長手方向に沿うように配置され、所定間隔で平行に多段に積層され、前記複数の基板の表面と対面する前記容器本体の表面壁からみて、この表面壁側に位置する第1基板に、前記第1基板よりも内側に位置する第2基板の表面状態を、前記表面壁側から観察できるための表面壁側の観察窓が設けられていることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記観察窓は貫通孔であり、前記貫通孔を設けた基板よりも内側に位置する基板の状態を観察できるようになっていることを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記複数の基板は、第2基板よりも内側に第3基板を有する少なくとも3段以上設けられており、前記貫通孔は、前記第1基板に設けられ、前記第2基板の表面状態を観察する第2基板用貫通孔と、前記第1基板に設けられ、前記第3基板の表面状態を観察する第3基板用貫通孔と、前記第2基板に設けられ、第1基板に設けた第3基板用貫通孔と重なる位置に、第3基板用貫通孔とを有することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記基板がN段設けられており、前記容器本体の前記表面壁と反対側の裏面壁に位置する第(N)番目の基板よりも内側に位置する(M)番目の基板の表面状態を観察できるための第M基板用貫通孔が、前記第1基板から第(M―1)基板まで連続して貫通して設けられており、(M−1)番目の基板の表面状態を顕微鏡観察できるための第(M―1)基板用貫通孔が、前記第1基板から第(M―2)基板まで連続して貫通して設けられており、順次、(M―(M−2))番目の基板の表面状態を顕微鏡観察できるための第(M―(M−2))基板用貫通孔が、前記第1基板から第(M―(M−2))基板まで連続して貫通して設けられていることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、前記容器本体の前記表面壁と反対側の裏面壁に位置する第N番目の基板に、前記(N)番目の基板よりも内側に位置する(N−1)番目の基板の表面状態を、前記裏面壁側から観察できるための裏面壁側の観察窓が設けられていることを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において、第(N)番目の基板及び第(N−1)番目の基板に、第(N−2)番目の基板の表面状態を、前記裏面壁側から観察できるための裏面壁側の第(N−2)番目用観察孔が連続して設けられていることを特徴とする。
第7の発明は、第1ないし6の発明のいずれか1つの発明において、前記蓋部材には、気密性を保って、注射針を刺し込む/抜き出すことができるアクセスポートを備えることを特徴とする。
第8の発明は、第1ないし7の発明のいずれか1つの発明において、前記蓋部材は開閉可能に前記開口部に組み付けられていることを特徴とする。
第9の発明は、第1ないし7の発明のいずれか1つの発明において、前記複数の基板が、平行に等間隔に配置され、且つ該細胞培養装置を遠心する際に重力がかかる方向と平行に配置されていることを特徴とする。
第1の発明によると、1つの容器内に、多段に平行に、基板を重ねて培養できるので、複数の基板に一度に大量に細胞を培養でき、量産性に優れる。且つ、表面壁側の観察窓を通して、第1基板の内側にある第2基板の細胞の付着状態や増殖状態を観察できる。
第2の発明によると、前記貫通孔を通して、貫通孔を設けた基板よりも内側に位置する基板の状態を、貫通孔を設けた基板に邪魔されずに観察でき、その基板の細胞の付着状態や増殖状態を観察できる。
第3の発明によると、前記貫通孔を通して、第1基板の内側にある第2基板及び第3基板の細胞の付着状態や培養状態を確実且つ正確に観察できる。
第4の発明によると、第(M)番目の基板の表面状態を、観察できるための第(M)基板用貫通孔が、第1基板から第(M―1)基板まで、連続して貫通して設けられており、(M−1)番目の基板の表面状態を、観察できるための第(M―1)基板用貫通孔が、第1基板から第(M―2)基板まで、連続して貫通して設けられており、順次、(M―(M−2))番目の基板の表面状態を、観察できるための第(M―(M−2))基板用貫通孔が、前記第1基板から第(M―(M−2))基板まで、連続して貫通して設けられているので、多段の基板を重ねて設けても、内側に位置する基板の培養状態を観察できる。
第5の発明によると、筒状容器本体の前記表面壁と反対側の裏面壁に位置する第(N)番目の基板に、前記(N)番目の基板よりも内側に位置する(N−1)番目の基板の表面状態を、前記裏面壁側から観察できるための裏面壁側の観察窓が設けられているので、両側から観察でき、より正確な観察をすることができる。
第6の発明によると、裏面側から、第(N)番目の基板、第(N−1)番目の基板、第(N−2)番目の基板の表面状態を、前記裏面壁側から観察できるので、両側から多段の基板を観察でき、細胞の付着状態をより正確に観察できる。
第7の発明によると、注射針を刺し込む/抜き出すことで、細胞の播種や培地を交換したり、容器内の培地を抜き取り分析することで培養途中の培地の成分変化を調査したり、培地の濃度調整などを気密性を保って行うことができる。
第8の発明によると、前記蓋部材を開けて、基板のセットや遠心分離後に溜まり部に溜まった培養細胞の回収、などを簡単に行うことができる。
第9の発明によると、前記複数の基板が、該細胞培養装置を遠心する際に重力がかかる方向と平行に配置されているので、遠心分離を行う際に、遠心分離による分離方向に沿わせることができ、培養した細胞を容易に分離して、溜まり部に集められる。
図1は、実施形態1の細胞培養装置の概略を示す斜視図である。 図2は、図1の細胞培養装置を分解した状態の斜視図である。 図3は、図1の蓋部材のIII―III線断面図である。 図4は、図1の蓋部材のIV―IV線断面図である。 図5は、実施形態1の細胞培養装置内の基板のイメージを説明するための斜視図である。 図6は、遠心分離機の概略を説明するための正面図である。 図7は、実施形態2の細胞培養装置の概略を示す斜視図である。 図8は、図7の細胞培養装置のVIII―VIII線断面図である。 図9は、図7の細胞培養装置のIX―IX線断面図である。 図10は、実施形態3の細胞培養装置の概略を示す斜視図である。 図11は、図10の細胞培養装置のXI―XI線断面図である。 図12は、図10の細胞培養装置のXII―XII線断面図である。 図13は、図10の細胞培養装置のXIII―XIII線断面図である。 図14は、実施形態4の細胞培養装置の一部の概略視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
実施形態1の細胞培養装置について、図1〜図5を参照しながら説明する。実施形態1の細胞培養装置1は、図1及び図2に示すように、断面矩形状の筒状の容器本体10と、この容器本体10に着脱可能に取り付けられる蓋部材20と、容器本体10の内部に収容される基板30と、を備える。本発明の細胞培養装置は、気密型の細胞培養装置に敵しており、実施形態を気密型細胞培養装置で説明する。
容器本体10は、1例であるが、縦:17mm、横:17mm、長さ:110mmからなる直方体形状であって、透明性を有する合成樹脂、又はガラスにより構成される。容器本体10の材質としては、上述の透明性、及び細胞の接着良好性の観点から、通常はポリスチレンにより構成されることが一般的であるが、遠心回転時の強度改善のため、PP(ポリプロピレン)、或いはPET(ポリエチレンテレフタレート)で構成されてもよい。
容器本体10の一端側に、断面矩形状の開口部15が設けられ、容器本体10の他端側に、基端側から先端側に向かって縮径した円錐形状の溜まり部17が一体に設けられている。なお、溜まり部17の形状は、この実施形態の形状に限られるものでは無い。例えば、外形状も内形状の容器本体の形状に合わせて四角錐形状にすることが製造し易いので、四角錐形状でも良い。なお、遠心分離して細胞をこの溜まり部17に溜める場合には、断面が円形状の方が良いので、少なくとも内形状は、楕円形状又は円形状とすることが好ましい。例えば、外形を四角錐形状として、内部を円錐形状や楕円形状としても良い。
開口部15は、蓋部材20と気密的に圧接される上端面10a、上端面10aから容器本体10の長手方向に伸びて、縮径する傾斜面10bで形成されている。
蓋部材20は、ポリスチレンからなり、開閉可能に開口部15に組み付けられている。なお、本発明で、開閉とは、蓋部材20がヒンジ等で移動可能に容器本体10に取り付けられて、開口部15を開閉する場合や、蓋部材20が着脱可能に容器本体10に取り付けられて、取り外すことで開口部15が開けられ、取り付けることで開口部15が気密的に保持される場合を含む。
蓋部材20は矩形状であって、蓋部材20の外周下面20aが、開口部15を形成する容器本体10の上端面10aに圧接され、且つ蓋部材20の傾斜面20bが、傾斜面10bに圧接されて取り付けられている。取り付ける時には、蓋部材20を外側から容器本体10に押し込み、蓋部材20の傾斜面20bが容器本体10の傾斜面10bに直接接触して圧接されると共に、蓋部材20の下端面20aと容器本体10の上端面10aに接近するように押し付けられる。蓋部材20の下端面20aと容器本体10の上端面10aの間には、ゴム製のシールリング21が介在され、液密性をより高く保っている。
蓋部材20には、液密性を有し、かつ、気体の流通を許容するガス透過部25が嵌め込まれている。ガス透過部25は、円柱形状のゴム部材からなり、途中に係合部(図示省略)が膨らんで形成されている。係合部が蓋部材20の係合凹部(図示省略)に係合して密着するようになっている。なお、実施形態1では、係合部及び係合凹部の図示を省略したが、係合部27a及び係合凹部20cと同様な構造である。
ガス透過部25は、特開2014−183752号公報に開示されたガス透過領域と同じように、複数の貫通孔と蓋部材20の内面側に配置されたガス透過膜とにより構成されるようにしても良い。このガス透過膜は、液体を通さずに、二酸化炭素や酸素等の気体の流通を許容するものであって。ガス透過膜としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体及びポリスチレン等のフィルムを、厚さ100μm程度の膜状に構成したものが挙げられる。
また、蓋部材20には、気密性を保って、注射針(図示省略)を刺し込む/抜き出すことができるアクセスポート27を備える。このアクセスポート27に注射針を刺して、細胞の播種や培地を交換したり、容器内の培地を抜き取り分析することで培養途中の培地の成分変化を調査したり、培地の濃度調整などを気密性を保って行うことができる。このアクセスポート27は、例えば、弾性体の合成ゴム部材からなる。この実施形態では、アクセスポート27は、円柱形状のゴム部材からなり、途中に係合部27aが膨らんで形成されている。係合部27aが蓋部材20の係合凹部20dに係合して密着するようになっている。なお、上記アクセスポートの材料や構造は1例に過ぎず、これに限定されるものでは無い。
容器本体10の内部に、表面に培養細胞が接着可能な複数の基板30が配置されている。基板30は、ポリスチレン製の板材(板厚:0.5mm)からなり、両端に設けられた矩形状のポリスチレン製の支柱31に、平行に一定間隔を開けて5段に重ねて、溶着等の固定手段で固定されている。基板30は、図1及び図2に示すように、容器本体10の長手方向に沿うように容器本体10の内部に収容される。即ち、基板30の表面は、容器本体10の長手方向に沿うように配置される。
支柱31は、容器本体10に挿入された際に、蓋部材20に近い側のみに設けられており、溜まり部17側には設けられてない。これは後で説明するが、遠心分離して、基板30の表面に付着した培養細胞を溜まり部17に集める際に、支柱31が細胞の流れの妨げにならないようにするためである。なお、基板30の支えを優先する場合には、溜まり部17側にも支柱31を設けることもあり得る。
複数の基板30は、同じ大きさ・形状であって、図1及び図5に示すように、容器本体10の表面壁11からみて、順次第1基板301、第2基板302、第3基板303、第4基板304、第5基板305が一体間隔で平行に並んで配置されている。基板30は、容器本体10の長手方向に沿うように容器本体10の内部に収容される。即ち、基板30の表面は、容器本体10の長手方向に沿うように配置される。
図5に示すように、容器本体10の表面壁11よりも内側に位置する第2基板302、第3基板303、第4基板304、第5基板305は、第1基板301等が妨げになって、良く観察できない可能性が高いので、実施形態1では、第2基板302、第3基板303、第4基板304、第5基板305の表面状態を、表面壁11側から顕微鏡観察できるための表面壁側の観察窓40、及び裏面壁12側から顕微鏡観察できるための裏面壁側の観察窓50が設けられている。

図5に示すように、表面壁側の観察窓40は、円形断面の貫通孔からなり、第1基板301には、第2基板302、第3基板303、第4基板304、第5基板305の表面状態を観察するための貫通孔、即ち第2基板用貫通孔412、第3基板用貫通孔413、第4基板用貫通孔414、第5基板用貫通孔415が、順次一定間隔で直線上に設けられている。そして、第2基板302には、第3基板303、第4基板304、第5基板305の表面状態を観察するための貫通孔、即ち第3基板用貫通孔423、第4基板用貫通孔424、第5基板用貫通孔425が、順次第1基板301の貫通孔の直下位置に設けられている。第3基板303には、第4基板304、第5基板305の表面状態を観察するための貫通孔、即ち、第4基板用貫通孔434、第5基板用貫通孔435が、順次第1基板301の貫通孔の直下位置に設けられている。第4基板304には、第5基板305の表面状態を観察するための貫通孔、即ち、第5基板用貫通孔445が、順次第1基板301の貫通孔の直下位置に設けられている。
また、裏面壁側の観察窓50は、円形断面の貫通孔からなり、第5基板305には、第1基板301、第2基板302、第3基板303、第4基板304の表面状態を観察するための貫通孔、即ち第1基板用貫通孔551、第2基板用貫通孔552、第3基板用貫通孔553、第4基板用貫通孔554が、順次一定間隔で直線上に設けられている。そして、第4基板304には、第1基板301、第2基板302、第3基板303の表面状態を観察するための貫通孔、即ち第1基板用貫通孔541、第2基板用貫通孔542、第3基板用貫通孔543が、順次第5基板305の貫通孔の直下位置に設けられている。第3基板303には、第1基板301、第2基板302の表面状態を観察するための貫通孔、即ち、第1基板用貫通孔531、第2基板用貫通孔532が、順次第5基板305の貫通孔の直下位置に設けられている。第2基板302には、第1基板301の表面状態を観察するための貫通孔、即ち、第1基板用貫通孔521が、順次第5基板305の貫通孔の直下位置に設けられている。
各貫通孔は、約直径2mmの孔であるが、細胞を顕微鏡観察できれば、できるだけ小さい径の方が好ましい。
これらの貫通孔を通って、培養液が通流できるので、培養液の濃淡や停滞を防止でき、貫通孔の無いものに比較して、細胞の培養がより均等にでき、培養を更に促進できる。
基板30と支柱31は、容器本体10には固定されてなく、容器本体10内に挿入する、或いは取り出すことができるように、容器本体と僅かの隙間を保って配置されている。なお、基板30が、容器本体10内でガタツクことを防止するために、支柱31を蓋部材30の係合凹所20eに係合している。この係合手段は1例に過ぎず、他の係合手段であっても良く、例えば、容器本体10の内部に、支柱31が係合する凹部等を設けて、係合・離脱できるようにしても良く、また凹部無しでも、支柱が容器本体10に、直接或いは弾性部材を介して、ガタツクことなく組み付けられ、または取り外すことができるようにすることも可能である。
図6に基づいて、遠心分離装置2の例について、説明する。
例えば、特開2010−115175公報に開示されているような遠心分離機を使用することができる。遠心分離装置2は、培養容器10を収容し、底部を半径方向外方に向けて回転させられる遠心分離容器6と、遠心分離容器6を回転させる回転駆動機構3と、回転駆動機構3による回転速度を周期的に変動させる制御部4とを備える。遠心分離容器6は円筒形状であって、底部分が滑らかに縮径している。細胞を培養した後の培養容器10が、蓋部材20が密閉されたままの状態で、この遠心分離容器6に、先端側を下側にして、上から挿入して取り付ける。この遠心分離装置2は、1例であって、本発明はこの構造の遠心分離装置に限られるものではない。
以上の細胞培養装置1は、以下のようにして用いられる。
まず、滅菌された状態の細胞培養装置1の蓋部材20を取り外し、容器本体10に基板30を収容し、液体培地を充填し、蓋部材20を取り付ける。次いで、細胞培養装置1を、基板30の表面が水平方向にほぼ沿うように容器本体10を寝かせた状態でインキュベータに収容して細胞を培養する。
これにより、寝かせた状態の容器本体10内の基板30に細胞が接着し、増殖する。なお、基板30の表面及び裏面に、均一に細胞が増殖するようにするためには、時々容器本体10を裏返す、或いは、自動で反転する或いは自動で水平回転させる、或いは三次元に回転させるようにしても良い。
なお、細胞培養装置1により培養される細胞としては、体性幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、胚性生殖細胞(EG細胞)、間葉系幹細胞、神経幹細胞、血管内皮幹細胞、造血系幹細胞、肝幹細胞等の幹細胞の他に、骨細胞、軟骨細胞、筋細胞、心筋細胞、神経細胞、腱細胞、脂肪細胞、膵細胞、肝細胞、腎細胞、毛母細胞、血球細胞等の分化した細胞又はその前駆細胞が挙げられる。
また、液体培地としては、通常、細胞培養に用いられるようなものを、特に制限なく用いることができる。具体的には、α−MEM培地、RPMI−1640培地、MEM基本培地等が挙げられる。
なお、これらの液体培地には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、塩素、アミノ酸、ビタミン、ホルモン、抗生物質、脂肪酸、糖等の化学成分に加えて、細胞増殖効果を高めるため、血清や細胞増殖因子(サイトカイン)のような生体成分を含有させてもよい。ただし、血清や細胞増殖因子等の生体成分を加えることにより、BSE等に感染する可能性や、細胞が癌化する可能性があるため、これらの生体成分を用いないことが好ましい。
基板30の表面(両面)には、細胞の接着性を向上させるために、ラミニンやフィブロネクチン等の接着因子でコーティング処理が施されていたり、プラズマ放電等の電荷処理が施されていることが好ましい。この基板30の表面の電荷処理は、5段に重ねて所定間隔で支柱31で支持した後でも、1枚毎にプラズマ処理してから5段に重ねて支柱31で支持するようにしても良い。基板30の厚さは、剛性と平面度を保つために0.5〜3mm、特に、1.0〜3mmとすることが好ましい。基板30の間隔は、細胞が培養できれば良いので数μmの間隔でも良いが、僅かな隙間にすることは多量生産上では不利で有り、量産性を考慮すると、1.0〜5.0mmとすることが好ましい。
また、電荷処理を施した基板30の表面における水の接触角は、細胞の接着性を向上させる観点から、室温(25℃)において、50度〜70度であることが好ましい。
次に、培養して増殖している状態を顕微鏡観察する手順につき説明する。
実施形態1の細胞培養装置1を用いて細胞を培養した場合、細胞は、細胞培養装置内の基板30の表面や裏面に接着して増殖していく。この時の細胞の増殖状態や細胞の接着状態を観察するために、顕微鏡を、例えば、容器本体10の表面壁側にセットして、顕微鏡(図示省略)の焦点を第1基板301に合わせ、第1基板301の表面状態を観察する。次に、容器本体10をスライドさせて、顕微鏡の焦点を第2基板302に合わせ、第1基板301に設けた第2基板用貫通孔412を透して、第2基板302の表面状態を観察する。順次、第3基板303の表面状態、第4基板304の表面状態、第5基板305の表面状態を観察する。即ち、第1基板301に設けた第3基板用貫通孔413、第2基板302に設けた第3基板用貫通孔423を透して、第3基板303の表面状態を観察する。第1基板301に設けた第4基板用貫通孔414、第2基板302に設けた第4基板用貫通孔424、第3基板303に設けた第4基板用貫通孔434を透して、第4基板304の表面状態を観察する。第1基板301に設けた第5基板用貫通孔415、第2基板302に設けた第5基板用貫通孔425、第3基板303に設けた第5基板用貫通孔435、第4基板304に設けた第5基板用貫通孔445を透して、第5基板305の表面状態を観察する。
同様にして、裏面壁12からも、第5基板305、第4基板304、第3基板303、第2基板302、第1基板301の表面状態を観察する。観察手順は、表面壁11からの観察と同様であり、ここでは、詳細な説明を省略する。
なお、上記観察手順では、第1基板301、第2基板302、第3基板303、第4基板304、第5基板305を順番に観察することを述べたが、この順番に限られるものではなく、他の順番でも良い。または、全ての基板を観察するのではなく、一部の基板だけを観察する場合にも適用して良い。表面壁11側から或いは裏面壁12側からのみの観察でも良い。
基板30は、断面矩形状であるので、表面壁11や裏面壁12と各基板30とを平行に配置でき、表面壁11や裏面壁12が一定の厚みであるので、観察部分がゆがむこと無く観察窓40、50の正面から直接(他の基板を透さない)、観察したい基板をより正確に観察することができる。
このように、観察することによって、各細胞の増殖状態や付着状態を監視できるので、必要な処置、例えば、培地の追加、変更、培養条件の変更、培養容器の位置や向きの変更などを行うことができる。
次に、培養して増殖させた細胞を回収する手順について説明する。
培養した細胞を回収する場合には、まず、細胞培養装置1に充填された液体培地を除去し、その後、容器本体10にトリプシン等の細胞剥離剤を添加して、基板30に接着した細胞を剥離させる或いは剥離し易い状態とする。次いで、細胞培養装置1を、そのまま遠心分離器2に設置して遠心分離(例えば、500rpm、室温、5min)を行う。
これにより、剥離された細胞は、容器本体10の溜まり部17に集められる。基板30の表面が容器本体10の長手方向に沿うように配置されているので、遠心分離を行う場合において、基板30の表面を遠心分離による分離方向に沿わせられるので、培養した細胞を容易に分離して筒状の容器本体10の溜まり部17に集められる。また、基板30は、溜まり部17により下方への移動が制限される。これにより、基板30が容器本体10の先端側に移動することを防ぎつつ、細胞を溜まり部17に集められる。
以上説明した第1実施形態の細胞培養装置1によれば、以下のような効果を奏する。
容器本体10を筒状に構成し、この容器本体10の内部に複数の基板30を平行に配置した。これにより、基板30を多数並列に配置して、培養容器10にセットできるので、細胞を多量に培養できる。特に、基板10に観察窓30があるので、培養途中であっても、内側に重ねた基板30に付着した細胞の状態でも観察でき、培養環境の制御を適正に行うことができる。その結果、細胞が多量に培養でき、基板に接着する環境を維持でき、細胞の多量生産に繋がっている。
また、矩形状の板材からなる基板を多段に積層して細胞を培養できるので、複数の基板に一度に大量に細胞を培養でき、量産性に優れる。外形が矩形状の容器で有り、多数重ねてインキュベータ内の培養スペースに配置でき、培養スペースを効率良く活用できる。
また、細胞培養後、容器内の培養細胞を取り出すこと無く、そのまま遠心分離装置にセットして遠心分離にかけられるので、培養細胞を入れ替えなくて済み、培養細胞が雑菌等の異物で汚染される恐れが無く、且つ作業性に優れる。培養した細胞を回収する場合には、基板30の表面で培養した細胞を剥離させた後、この細胞培養装置1を遠心分離する。そこで、容器本体10の内部に基板30を、この基板30の表面が容器本体10の長手方向に沿うように配置していることにより、遠心分離を行う場合において、基板30の表面を遠心分離による分離方向(重力がかかる方向)に沿わせられるので、培養した細胞を容易に分離して筒状の容器本体10の底部に集められる。よって、細胞が接着できる領域の面積を増加させられ、かつ、培養した細胞を容易に集められるので、細胞培養の効率をより向上させられる。
容器本体10の開口部15に蓋部材20を取り外し可能に設けたので、培養細胞の回収時に、蓋部材20を開けて、開口部15から先に基板を取り出して、培養容器10内を空洞にしてから、溜まり部17の培養細胞を取り出すことができるので、作業性が容易で有り、速やかに細胞をもれなく回収できる。
細胞培養後、容器内の培養細胞を取り出すこと無く、培養容器10のまま遠心分離装置2にセットして遠心分離にかけられるので、培養細胞を入れ替えなくて済み、培養細胞が雑菌で汚染される恐れが無く、且つ作業性に優れる。また、基板を多段に積層して細胞を培養できるので、複数の基板に一度に大量に培養できる、量産性に優れる。
(実施形態2)
実施形態2について、図7ないし図9に基づいて説明する。なお、実施形態2の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。実施形態2は、実施形態1に対して、培養容器101、開口部151の形状が異なる。
培養容器101が、ほぼ円筒形状であって、培養容器101の上面101a及び下面101bの一部が平坦形状になっている。即ち、基板30の観察窓40、50を培養容器101の外側から観察する場合、培養容器101の厚さが一定で、基板30と平行になっていることが好ましいので、図7、図8において、上面101a及び下面101bが平坦面になっている。
蓋部材201は、容器本体101の開口部151を塞ぐ円板状の底部材201aと、底部材201aの外周に連続する円筒状のネジ部201bとを備える。ネジ部201bは、容器本体101の外周に形成したネジ部101bと螺合することで、開口部151が気密的に閉じられる。
図8に示すように、基板30の幅は、培養容器101の形状に合わせて、第3基板303aが一番広くて、順次基板302a,及び304a、基板301a及び305aと狭くなっている。観察窓40、50は、幅方向の中央に設けられている。蓋部材201は、ねじ込み方式で、取り外し可能になっている。
この構造により、遠心分離装置2の遠心分離容器6の円筒形状に合わせた形状にすることで、遠心分離容器6内に、容器本体101を嵌め込んで使用でき、既存の遠心分離装置を有効に利用できる。
実施形態2では、蓋部材201は容器本体101とネジで螺合して、気密的に取り付けられているが、更に気密性を高めるためには、シール部材を介在するようにしても良い。
また、容器本体101を、遠心分離装置2に使用可能な遠心分離管6と同様の形状及び大きさ(例えば、容量50mlの遠心分離管(コニカルチューブ)と同形同大)に形成して、遠心分離管6の代わりに直接組み付けて遠心分離することも可能である。
(実施形態3)
実施形態3について、図10ないし図13に基づいて説明する。なお、実施形態3の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。実施形態3では、実施形態1に対して、開口部152及び蓋部材202が異なる。
実施形態3の容器本体102の開口部152は、容器本体102の上端部101aから容器本体102の半径方向内側に向かって伸びた平面壁102bと、平面壁102bから容器本体102に沿って溜まり部17の方向に伸びた内側壁102cとを備える。内側壁102cの半径方向内側が、開口部152となっている。
蓋部材202は、医療用精密ゴム(クリーンラバー(住友ゴム工業株式会社))などの医療用のゴム部材からなり、容器本体102の矩形状の内周面102aに弾力的に圧接される矩形状の外周面202aを有し、この外周面202a側に、容器本体102の外周壁102aと内側壁102cとの空間に挟まれる突出部232とを有する。
蓋部材202を嵌め込む場合には、開口部152の外部から、内側壁102cの内径以下に弾力的に蓋部材202を強制的に縮径させてから、一旦容器基本体102内(内側壁102cよりも内側)に蓋部材202を押し込む。そして、蓋部材202の外周が、容器本体102の外周壁102aに接触する元の外径に戻ってから、蓋部材20を抜く方向に移動させて、蓋部材202の突出部252が上記空間に嵌まるようにする。
また、取り外す時は、上記の逆の操作をすれば良い。
蓋部材202には、実施形態1と同様に、ガス透過部25a及び穿刺部27aが嵌め込まれている。
実施形態3では、医療用のゴム材からなる蓋部材202を弾力的に押し込んで、開口部152に嵌め込んでいるので、気密性は十分に確保できる。また、ガス透過部25a及びアクセスポート27aも蓋部材202に嵌め込んで組み付けることができ、取り付け作業が容易である。
(実施形態4)
実施形態4について、図14に基づいて説明する。なお、実施形態4の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。実施形態4は、実施形態1に対して、蓋部材203の形状が異なる。
図14に示すように、蓋部材203が、ヒンジで、回転可能に取り付けられている。具体的には、容器本体103の上端部の外周に非係合部103aが突出して設けられている。係合部材6が、蓋部材203に回転可能に軸支されている。係合部材6は、コ字状のフレーム部材からなり、先端部分に、非係合部103aに係合する係合部6aを備え、後端部分に、蓋部材203の外周に設けたブラケット203aに回転可能に軸支される軸支部6bを供える。係合部材6と容器本体103との間には、シールリング213a、213bが設けられている。
(その他の実施形態)
各実施形態を組み合わせることも可能で有り、例えば、実施形態4の構造を、実施形態2に利用する。
基板への細胞付着状態や培養状態を観察する手段としては、顕微鏡観察が一般的であるが、本発明の観察窓は、この顕微鏡観察に限られるものでは無く、目視で使用する場合や、顕微鏡以外の観察手段、例えば、デジタルカメラを使用して、観察データを保存するともにパソコンのモニター面に表示する、ビデオカメラを使用して、観察データを保存するともにパソコンのモニター面に動画及び静止画を表示する、ルーペを使用する場合も含まれる。
また、貫通孔の形状は円形に限られるものでは無く、楕円形、多角形、スリット状など色々の形状が適用できる。また、貫通孔の大きさは、全てを同じ大きさにすること無く、徐々に大きくする、或いは徐々に小さくする等のように変更しても良い。
なお、観察窓を貫通孔にすることで、貫通孔を設けた基板に重なる位置にある内側の基板の表面状態を、貫通孔を設けた基板に邪魔されることなく、観察できる点で優れているが、この観察窓を、貫通孔しないで、薄いフィルムを設ける、或いは、観察窓に相当する部分に細胞が付着し難い処理を施すようにして、使用することもあり得る。
例えば、容器本体10の内部における基板30の数量は5枚を例として説明したが、5枚に限られるものでななく、10枚などの他の数量でも良い。
支柱31は、上記実施形態の構造に限られるのもではなく、複数の基板30を一定間隔で、容器本体10内で、保持できていれば良いものあって、例えば、板材でも良く、格子構造でも良い。また、基板30と別部材とすることなく、一方の基板30に凸部を、対面する他方の基板30に凹部を設けて、凸部と凹部とが嵌まるようにしても良い。
また、容器本体10と基板30との位置関係は、インキュベータ内で横にして動かさないで置いておく場合には、容器本体10の内面から、基板30が少し浮いていれば良く、例えば、容器本体10の内面に、一部凸部が設けられている、或いは基板に一部凸部が設けられている、又は、スペース用の部材を容器本体10の内面と基板30との間に配置するだけでも良い。
遠心分離容器6は、図6に示すように、揺動するともに公転するので、円筒形状になっているものが多い。そのために、特開2010−115143号公報に開示されたように、既存の遠心分離機を採用する場合には、培養容器10も断面円形とすることが好ましい。しかし、実施形態1の断面矩形状のものでも、矩形状の培養容器10を遠心分離容器6に収納できて、遠心分離を行えれば、培養容器の断面形状は、円形で無くても良い。例えば、断面が多角形、半円形、楕円形でも良い。
容器本体10の表面壁11や裏面壁12は、透明或いは半透明で有り、第1基板301や第5基板305の表面状態は、何もしないでも顕微鏡観察できるが、場合によっては、表面壁11や裏面壁12の内表面に、培養細胞が付着しない処理を施して、透明性が維持されるようにしても良い。この場合でも、観察窓の部分だけに、上記培養細胞が付着しない処理を施しても良い。
本発明は、細胞培養、接着系の細胞又は株化細胞、特に体性幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)等の細胞を培養できる細胞培養装置に利用可能性が高い。
1 細胞培養装置
2 遠心分離機
10 容器本体
17 溜まり部
20 蓋部材
30 基板
31 支柱
40 表面壁側の観察窓
50 裏面壁側の観察窓

Claims (9)

  1. 筒状の容器本体と、
    前記容器本体の一端側に設けられた開口部と、
    前記容器本体の他端側に一体に設けられ、先端に向かって縮径する溜まり部と、
    前記開口部に取り付けられる蓋部材と、
    前記蓋部材に設けられ、液密性を有し、かつ、気体の流通を許容するガス透過部と、
    前記容器本体の内部に配置され、表面に培養細胞が接着可能な複数の基板と、
    を備え、
    前記各基板は、板材からなり、該基板の表面が前記容器本体の長手方向に沿うように配置され、所定間隔で平行に多段に積層され、
    前記複数の基板の表面と対面する前記容器本体の表面壁からみて、この表面壁側に位置する第1基板に、前記第1基板よりも内側に位置する第2基板の表面状態を、前記表面壁側から観察できるための表面壁側の観察窓が設けられていることを特徴とする細胞培養装置。
  2. 請求項1において、前記観察窓は貫通孔であり、前記貫通孔を設けた基板よりも内側に位置する基板の状態を観察できるようになっていることを特徴とする細胞培養装置。
  3. 請求項2において、
    前記複数の基板は、第2基板よりも内側に第3基板を有する少なくとも3段以上設けられており、
    前記貫通孔は、
    前記第1基板に設けられ、前記第2基板の表面状態を観察する第2基板用貫通孔と、
    前記第1基板に設けられ、前記第3基板の表面状態を観察する第3基板用貫通孔と、
    前記第2基板に設けられ、第1基板に設けた第3基板用貫通孔と重なる位置に、第3基板用貫通孔とを有することを特徴とする細胞培養装置。
  4. 請求項3において、
    前記基板がN段設けられており、
    前記容器本体の前記表面壁と反対側の裏面壁に位置する第(N)番目の基板よりも内側に位置する第(M)番目の基板の表面状態を観察できるための第(M)基板用貫通孔が、前記第1基板から第(M―1)基板まで、連続して貫通して設けられており、
    第(M−1)番目の基板の表面状態を観察できるための第(M―1)基板用貫通孔が、前記第1基板から第(M―2)基板まで、連続して貫通して設けられており、
    順次、(M―(M−2))番目の基板の表面状態を観察できるための第(M―(M−2))基板用貫通孔が、前記第1基板から第(M―(M−2))基板まで、連続して貫通して設けられていることを特徴とする細胞培養装置。
  5. 請求項4において、
    前記容器本体の前記表面壁と反対側の裏面壁に位置する第N番目の基板に、前記(N)番目の基板よりも内側に位置する第(N−1)番目の基板の表面状態を、裏面壁側から観察できるための裏面壁側の観察窓が設けられていることを特徴とする細胞培養装置。
  6. 請求項5において、
    第(N)番目の基板及び第(N−1)番目の基板に、第(N−2)番目の基板の表面状態を、前記裏面壁側から観察できるための裏面壁側の第(N−2)番目用観察孔が連続して設けられていることを特徴とする細胞培養装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つにおいて、
    前記蓋部材には、気密性を保って、注射針を刺し込む/抜き出すことができるアクセスポートを備えることを特徴とする細胞培養装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つにおいて、
    前記蓋部材は開閉可能に前記開口部に組み付けられていることを特徴とする細胞培養装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つにおいて、
    前記複数の基板が、平行に等間隔に配置され、且つ該細胞培養装置を遠心する際に重力がかかる方向と平行に配置されていることを特徴とする細胞培養装置。
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