JP2016059355A - 細胞培養容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】微小重力環境において、より効率的に細胞を培養できる細胞培養容器を提供すること。
【解決手段】細胞培養容器1は、開口部11を有する容器本体10と、開口部11に着脱可能に取り付けられるキャップ20と、キャップ20に設けられ、液密性を有し、かつ、気体の流通を許容するガス透過領域22と、キャップ20に設けられ、容器本体10の内部と外部とを連通させるポート本体241、及びポート本体241に着脱可能に取り付けられるポートキャップ242を有するポート部24と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、体性幹細胞や、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)等の細胞を効率的に培養できる細胞培養容器に関する。
従来、体性幹細胞や、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)等の細胞を培養する場合には、滅菌された樹脂製の細胞培養容器が用いられる(例えば、特許文献1参照)。より具体的には、細胞の培養は、細胞培養容器に培養する細胞と共に液体の培地を充填し、この細胞及び培地が充填された細胞培養容器を所定の環境下に静置して行われる。
また、近年、重力分散型の模擬微小重力装置を用いた微小重力環境(例えば、10−3G)において幹細胞を培養することにより、幹細胞の分化を抑制しながら細胞を増殖させる技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−179137号公報 特開2003−9852号公報
ところで、細胞は、多くの場合、細胞培養容器の内面に接着して増殖する。通常の重力環境において、特許文献1で提案されたような細胞培養容器を用いて細胞を培養した場合、細胞は、細胞培養容器の底面に接着して増殖していく。
一方、微小重力環境において同様の細胞培養容器を用いて細胞を培養した場合、細胞は、細胞培養容器の内面の全面に接着して増殖する。そのため、微小重力環境においては、細胞の分化を抑制すると共に、細胞の培養効率を向上させることもできる。
ここで、微小重力環境において細胞を培養する場合、細胞培養容器は常に回転した状態となる。そのため、細胞培養容器の内部に空気(気泡)が存在すると、細胞培養容器の回転に伴って気泡が細胞培養容器の内部を移動することにより、細胞の培養面における細胞の接着や増殖を阻害してしまう。
従って、本発明は、微小重力環境において、より効率的に細胞を培養できる細胞培養容器を提供することを目的とする。
本発明は、開口部を有する容器本体と、前記開口部に着脱可能に取り付けられるキャップと、前記キャップに設けられ、液密性を有し、かつ、気体の流通を許容するガス透過領域と、前記キャップに設けられ該キャップが取り付けられた前記容器本体の内部と外部とを連通させるポート本体、及び該ポート本体に着脱可能に取り付けられるポートキャップを有するポート部と、を備える細胞培養容器に関する。
また、前記容器本体は、一端側に前記開口部が形成され他端側が閉鎖された円筒形状に形成されることが好ましい。
また、前記ポート部は、前記キャップの端面における中央部からずれた位置に配置されることが好ましい。
また、前記容器本体の内部に配置され、培養細胞が接着可能なフィルム体を更に備えることが好ましい。
本発明の細胞培養容器によれば、微小重力環境において、より効率的に細胞を培養できる。
本発明の細胞培養容器を微小重力環境において培養するために用いる装置の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る細胞培養容器を示す斜視図である。 第1実施形態の細胞培養容器を示す分解斜視図である。 第1実施形態の細胞培養容器を示す平面図である。 図4のA−A線断面図である。 本発明の第2実施形態に係る細胞培養容器を示す斜視図である。 第2実施形態の細胞培養容器を示す分解斜視図である。 図7のB−B線断面図である。 本発明の第3実施形態に係る細胞培養容器を示す斜視図である。 本発明の細胞培養容器の変形例を示す分解斜視図である。 本発明の細胞培養容器の変形例を示す分解斜視図である。 本発明の細胞培養容器の変形例を示す分解斜視図である。
以下、本発明の細胞培養容器の好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の細胞培養容器1は、微小重力環境において好適に用いられる。微小重力環境とは、地上に比して極めて重力の小さい環境をいい、例えば、宇宙ステーションにおける環境(10−3G)や、重力分散型の模擬微小重力装置(例えば、特開2003−9852号公報参照)を用いて実現できる環境をいう。或いは、重力の影響を減少するという点から、上記の細胞培養容器は3次元培養システムであるRotary Cell Culture System(RCCS;シンセコン社)にも、好適に使用できる。
微小重力環境、或いはRCCSのような単軸の回転培養容器で実現できる重力の影響を減少する環境においては、細胞は、重力の影響を小さくすることができる。そのため、細胞は、水平面の上面のみではなく、細胞培養容器1の内部におけるすべての面に接着して増殖できる。
重力分散型の模擬微小重力装置100は、図1に示すように、複数、或いは単一の細胞培養容器1を収容可能な容器収容部110と、この容器収容部110を第1の軸125を回転軸として回転可能に支持する第1支持部120と、容器収容部110を第1の軸125に直交する第2の軸135を回転軸として回転可能に支持する第2支持部130と、容器収容部110の回転を制御する制御部(図示せず)と、を備える。そして、模擬微小重力装置100は、容器収容部110を、直交する2つの軸125,135を中心として回転させることで、容器収容部110にかかる重力を分散させて、模擬的に微小重力環境を実現する。
まず、本発明の第1実施形態に係る細胞培養容器1につき、図2〜図5を参照しながら説明する。
第1実施形態の細胞培養容器1は、図2及び図3に示すように、開口部11を有する容器本体10と、この容器本体10に着脱可能に取り付けられるキャップ20と、を備える。
容器本体10は、図2に示すように、一端側に開口部11が形成され、他端側が閉止された筒状に形成される。この容器本体10は、円筒部14と、縮径部15と、を備える。
円筒部14は、容器本体10の一端側、即ち、開口部11が形成された側に配置される。この円筒部14の開口部11側の端部近傍の外周面には、ねじ山141が形成される。
縮径部15は、円筒部14における開口部11が形成された側と反対側の端部に配置される。この縮径部15は、基端側から先端側に向かって縮径した円錐形状に形成される。
容器本体10は、遠心分離器に使用可能な遠心分離管と同様の形状及び大きさ(例えば、容量50mlの遠心分離管(コニカルチューブ)と同形同大)に形成される。
以上の容器本体10は、透明性を有する合成樹脂、又はガラスにより構成される。容器本体10の材質としては、上述の透明性、及び細胞の接着良好性の観点から、通常はポリスチレンにより構成されることが一般的である。ただし、遠心時の強度改善のため、PP(ポリプロピレン)、又はPET(ポリエチレンテレフタレート)で構成されてもよい。また、容器本体10の内面には、細胞の接着性を向上させるために、プラズマ放電等の電荷処理が施されていることが好ましい。
キャップ20は、図3〜図5に示すように、キャップ本体21と、このキャップ本体21に設けられたガス透過領域22及びポート部24と、Oリング23と、を備える。
キャップ本体21は、容器本体10の外周面に被嵌される筒状の被嵌部211と、この被嵌部211の一端側を塞ぐ端面部(端面)212と、を備える。被嵌部211の内面には、容器本体10(円筒部14)に形成されたねじ山121に対応する形状のねじ溝213が形成される。
キャップ本体21は、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂により構成される。
ガス透過領域22は、液密性を有し、かつ、気体の流通を許容する領域である。このガス透過領域22は、キャップ本体21の端面部212に設けられる。ガス透過領域22は、端面部212に形成された複数の貫通孔221と、キャップ本体21における端面部212の内面側に配置されたガス透過膜222と、により構成される。
ガス透過膜222は、液体を通さずに、二酸化炭素や酸素等の気体の流通を許容する。ガス透過膜222としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体及びポリスチレン等のフィルムを、厚さ100μm程度の膜状に構成したものが挙げられる。
ポート部24は、キャップ本体21の端面部212におけるガス透過膜222が配置されていない部分に設けられる。本実施形態では、ポート部24は、キャップ20の端面部212における中央部からずれた位置に配置される。
ポート部24は、図2に示すように、両端部が開放された筒状のポート本体241と、このポート本体241に着脱可能に取り付けられるポートキャップ242と、これらポート本体241とポートキャップ242とを連結する連結部243と、を備える。
ポート本体241は、端面部212を貫通して配置され、キャップ20が取り付けられた状態の容器本体10(つまり、細胞培養容器1)の内部と外部とを連通させる。ポート本体241は、端面部212の外面側に向かって突出している。ポート本体241における突出した側の端部は、周方向の外方に延出したフランジ状に形成される。またポート本体241における端面部212の内面側は、図5に示すように、端面部212の内面と面一になっている。
ポートキャップ242は、ポート本体241の突出した側の端部に取り付けられ、ポート本体の端部を閉鎖する。本実施形態では、ポートキャップ242は、図3及び図5に示すように、ポート本体241の内周面に当接するようにポート本体241に挿入される筒状部242aと、この筒状部242aにおけるポート本体241への挿入端と反対側の端部を塞ぐと共に筒状部242aの周縁から延出する蓋部242bと、を備える。
連結部243は、可撓性を有する部材により構成され、ポートキャップ242の蓋部とポート本体241のフランジ状部分とを連結する。
以上のポート部24によれば、ポートキャップ242の筒状部242aをポート本体241の端部に挿入し、ポートキャップ242の蓋部242bとポート本体241のフランジ状部分とを当接させることで、ポート本体241の端部を閉鎖できる。
Oリング23は、シリコーン樹脂等の弾性を有する部材により構成され、キャップ本体21の内面側に配置される。このOリング23は、容器本体10にキャップ20を取り付けた場合に、キャップ20と容器本体10との間の液密性を維持する。
以上の細胞培養容器1は、以下のようにして用いられる。
まず、滅菌された状態の細胞培養容器1のキャップ20を取り外し、容器本体10に液体培地を充填し、次いで、細胞を播種する。ここで、液体培地は、容器本体10から溢れない程度の量(例えば、上端部から数mm程度下方の位置までの量)が充填される。次いで、液体培地が充填され細胞が播種された容器本体10にキャップ20を取り付ける。その後、ポート部24からシリンジ等を用いて更に液体培地を注入する。ここで、ポート部24が配置された側が上方に位置するように細胞培養容器1を傾けた状態で液体培地を注入することで、細胞培養容器1の内部に残存する空気の量をより少なくできる。
尚、キャップ20が取り付けられたときに細胞培養容器1の内部に残存している空気は、ポート部24から注入される液体培地と交換される形でポート部24から外部に出て行くと共に、ガス透過領域22を通じて外部に出て行く。
次いで、細胞培養容器1を、例えば、図1に示すように模擬微小重力装置100に装着して細胞培養容器1を回転させることで微小重力環境におき、細胞を培養する。
また、細胞を培養している間には、細胞培養容器1の内部に充填された液体培地の一部が蒸発して外部に出て行くこと、及び細胞の呼吸により二酸化炭素(気体)が生じること等により、細胞培養容器1の内部の液体培地の液位(水位)は低下していく。ここで、第1実施形態によれば、キャップ20を取り外すことなくポート部24から液体培地の補充を行えるので、細胞培養容器1の内部の汚染を防ぎつつ、細胞培養容器1の内部の空気(気体)の量を減らせる。
更に、細胞の培養中における細胞の増殖状態を測定するためには、液体培地の一部を採取する必要がある。ここで、第1実施形態によれば、キャップ20を取り外すことなくポート部24から液体培地の採取を行えるので、細胞培養容器の内部の汚染をより抑制できる。
尚、細胞培養容器1により培養される細胞としては、体性幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、胚性生殖細胞(EG細胞)、間葉系幹細胞、神経幹細胞、血管内皮幹細胞、造血系幹細胞、肝幹細胞等の幹細胞の他に、骨細胞、軟骨細胞、筋細胞、心筋細胞、神経細胞、腱細胞、脂肪細胞、膵細胞、肝細胞、腎細胞、毛母細胞、血球細胞等の分化した細胞又はその前駆細胞が挙げられる。
また、液体培地としては、通常、細胞培養に用いられるようなものを、特に制限なく用いることができる。具体的には、アルファα−MEM培地、RPMI−1640培地、MEM基本培地等が挙げられる。
尚、これらの液体培地には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、塩素、アミノ酸、ビタミン、ホルモン、抗生物質、脂肪酸、糖等の化学成分に加えて、細胞増殖効果を高めるため、血清や細胞増殖因子(サイトカイン)のような生体成分を含有させてもよい。ただし、微小重力環境において細胞を培養することで、血清や細胞増殖因子(サイトカイン)のような生体成分を用いることなく、幹細胞を未分化状態を維持しつつ増速させられる。
次に、培養して増殖させた細胞を回収する手順につき説明する。
培養した細胞を回収する場合には、まず、ポートキャップ242を取り外して細胞培養容器1に充填された液体培地を除去し、その後、容器本体10にトリプシン等の細胞剥離剤を添加して、容器本体10に接着した細胞を剥離させる。次いで、再度ポートキャップ242を取り付けた後、細胞培養容器1を、そのまま遠心分離器に設置して遠心分離(例えば、1000rpm、4℃、5min)を行う。
これにより、剥離された細胞は、容器本体10の縮径部15に集められ回収される。
以上説明した第1実施形態の細胞培養容器1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)細胞培養容器1を、容器本体10と、この容器本体10に取り付けられるキャップ20と、このキャップ20に設けられるポート本体241及びこのポート本体241に取り付けられるポートキャップ242を有するポート部24と、を含んで構成した。これにより、細胞培養容器1を使用する場合に、まず、キャップ20を取り付ける前に容器本体10から溢れない程度に液体培地を充填した後キャップ20を取り付け、その後ポート部24から更に液体培地を注入できる。よって、細胞培養容器1の内部に残存する空気の量を減らせるので、微小重力環境において細胞を培養する場合に、細胞培養容器1の内部を気泡が移動することに起因する細胞と空気(気泡)との接触を抑制できる。その結果、容器本体10の内面への細胞の接着及び接着した細胞の増殖の阻害を防げるので、微小重力環境においてより効率的に細胞を培養できる。また、キャップ20を容器本体10に取り付けた後にポート部24から更に液体培地を注入できるので、容器本体10から液体培地を溢れさせることなく液体培地を充填できる。よって、充填中に容器本体10から液体培地が溢れることに起因するコンタミネーションの発生を防げる。
(2)容器本体10を円筒形状に構成した。これにより、培養した細胞を回収する場合に、容器本体10の内面(表面)で培養した細胞を剥離させた後、この細胞培養容器1を遠心分離することで細胞を容易に回収できる。
(3)ポート部24を、キャップ20における中央部からずれた位置に配置した。これにより、ポート部24が配置された側が上方に位置するように容器本体10を傾けた状態で液体培地を注入することで、容器本体10の内部に残存する空気の量をより少なくできる。
次に、本発明の細胞培養容器の第2実施形態につき、図6〜図8を参照しながら説明する。
第2実施形態の細胞培養容器1Aは、容器本体10の内部にフィルム体30が配置されている点において第1実施形態と異なる。尚、第2実施形態以降の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
フィルム体30は、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムともいう)又はポリスチレンフィルムにより構成される。第2実施形態では、フィルム体30は、図6〜図8に示すように、矩形形状のPETフィルムが、所定間隔をあけて互いに平行に形成された複数の折線31において交互に折り返されて、ひだ状に折り畳まれて構成されている。
そして、ひだ状に折り畳まれたフィルム体30は、折線31が容器本体10の長手方向に沿うように容器本体10の内部に収容される。即ち、フィルム体30の表面は、容器本体10Aの長手方向に沿うように配置される。
より詳細には、フィルム体30は、ひだ状に折り畳まれた状態で、折線31の延びる方向が高さ方向となるように筒状に丸められて容器本体10に収容される。
第2実施形態では、ひだの高さH、つまり隣り合って配置される2つの折線31の間の長さは、円筒部14の半径r以下であり、より好ましくは、円筒部14の半径rの70%〜90%である(図8参照)。
フィルム体30の表面(両面)には、細胞の接着性を向上させるために、プラズマ放電等の電荷処理が施されていることが好ましい。このフィルム体30の表面の電荷処理は、折線31が形成される前の状態のPETフィルムに施される。これにより、フィルム体30への電荷処理を容易かつ均一に施せる。
フィルム体30の厚さは、折り畳み性を良好に保つ観点から、好ましくは30μm〜150μm、より好ましくは50μm〜100μmである。
また、電荷処理を施したフィルム体30の表面における水の接触角は、細胞の接着性を向上させる観点から、室温(25℃)において、50度〜70度であることが好ましい。
以上説明した第2実施形態の細胞培養容器1Aによれば、上述した(1)〜(3)の効果を奏する他、以下のような効果を奏する。
(4)細胞培養容器1Aを、容器本体10の内部に配置されるフィルム体30を含んで構成した。これにより、微小重力環境において細胞を培養した場合に、容器本体10の内面、及びフィルム体30の表面において細胞を接着させられるので、細胞が接着できる領域の面積を増加させられる。また、細胞培養容器1において、細胞が接着可能な領域を増加させる手法、つまり、細胞の接着対象の表面積を増加させる手法としては、容器本体に多孔質材料、中空糸、又はマイクロビーズを収容する手法が考えられる。しかしながら、これらの材料を細胞の接着対象として用いた場合には、これらの材料の滅菌処理や、電荷処理等の表面処理が困難となる。また、増殖させた細胞を剥離させにくく、細胞の回収率が低下してしまう。更には、細胞の増殖性に劣る。そこで、細胞の接着対象としてフィルム体30を用いた。これにより、滅菌処理や表面処理を容易に行え、また、増殖させた細胞を容易に剥離させられる。更に、細胞の接着性に優れるため、細胞の増殖性を向上させられる。
(5)容器本体10を、円筒部14と縮径部15とを含んで構成した。これにより、細胞を培養した後の細胞培養容器1を遠心分離した場合に、フィルム体30が容器本体10の先端側に移動することを防ぎつつ、細胞を縮径部15に集められる。よって、遠心分離した細胞を回収しやすくできるので、細胞培養容器1Aを用いた細胞培養の効率をより向上させられる。
(6)フィルム体30を、このフィルム体30の表面が容器本体10の長手方向に沿うように配置すると共に複数の折線31においてひだ状に折り畳み、更にこの折線31が容器本体10の長手方向に沿うように容器本体10に収容した。これにより、容器本体10に収容するフィルム体30の表面積を増加させられるので、細胞が接着できる領域の面積をより増加させられる。また、折線31を容器本体10の長手方向に沿うように配置したので、遠心分離を行う場合において、フィルム体30の表面を遠心分離による分離方向(重力がかかる方向)に沿わせられる。よって、培養した細胞を容易に分離して筒状の容器本体10の底部に集められる。
(7)フィルム体30を筒状に丸めた状態で容器本体10に収容した。これにより、ひだ状に折り畳んだフィルム体30を、より表面積を多くした状態で容器本体10に収容できる。また、容器本体10の内部において、フィルム体30を均等に配置できるので、細胞培養容器1Aに充填された培地の流動性に偏りを起こしにくくできる。よって、細胞培養の効率を更に向上させられる。
次に、本発明の細胞培養容器の第3実施形態について、図9を参照しながら説明する。第3実施形態の細胞培養容器1Bは、キャップ20Bが第1ポート部24A及び第2ポート部24Bを有する点において第1実施形態と異なる。
第3実施形態では、第1ポート部24A及び第2ポート部24Bは、キャップ本体21の端面部212に配置される。
第3実施形態の細胞培養容器1Bによれば、第1ポート部24Aのポート本体241Aをシリンジの先端等で完全に塞いだ状態で液体培地を注入した場合であっても、細胞培養容器1Bの内部に残存した空気を、ガス透過領域22からのみでなく、第2ポート部24Bから外部に出すことができるので、細胞培養容器1Bの内部に残存する空気をよりスムーズに外部に排出できる。
以上、本発明の細胞培養容器の好ましい各実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、第1実施形態〜第3実施形態では、ポート部24を、ポート本体241とポートキャップとこれらを連結する連結部と、を含んで構成したが、これに限らない。即ち、ポート部を、連結部を含まず、ポート本体とポートキャップとを別体により構成してもよい。
また、第1実施形態〜第3実施形態では、容器本体10を筒状に形成したが、これに限らない。即ち、容器本体10Cを、図10に示すように、箱状の本体部12と、開口部11Cが形成された首部13と、を含んで構成し、キャップ20Cを、首部13に取り付けて細胞培養容器1Cを構成してもよい。
また、容器本体10の内部におけるフィルム体30の配置は、第1実施形態及び第2実施形態の配置に限らない。即ち、図11に示すように、容器本体10の内径よりも小さい板状のPETフィルム32を、厚さ方向に所定間隔をあけて複数枚層状に配置する共に、これら複数枚のPETフィルム32を容器本体10の内径と略等しい円板状の支持板33により一体化させてフィルム体30Dを構成してもよい。また、図12に示すように、PETフィルムを渦巻き状に丸めた状態で容器本体10に収容してフィルム体30Eを構成してもよい。
1 細胞培養容器
10 容器本体
11 開口部
12 円筒部
13 縮径部
20 キャップ
22 ガス透過領域
24 ポート部
30 フィルム体
31 折線
241 ポート本体
242 ポートキャップ

Claims (4)

  1. 開口部を有する容器本体と、
    前記開口部に着脱可能に取り付けられるキャップと、
    前記キャップに設けられ、液密性を有し、かつ、気体の流通を許容するガス透過領域と、
    前記キャップに設けられ該キャップが取り付けられた前記容器本体の内部と外部とを連通させるポート本体、及び該ポート本体に着脱可能に取り付けられるポートキャップを有するポート部と、を備える細胞培養容器。
  2. 前記容器本体は、一端側に前記開口部が形成され他端側が閉鎖された円筒形状に形成される請求項1に記載の細胞培養容器。
  3. 前記ポート部は、前記キャップの端面における中央部からずれた位置に配置される請求項1又は2に記載の細胞培養容器。
  4. 前記容器本体の内部に配置され、培養細胞が接着可能なフィルム体を更に備える請求項1〜3のいずれかに記載の細胞培養容器。
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