JP2017176133A - グミキャンディ - Google Patents

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Abstract

【課題】高濃度の脂肪球皮膜成分を含みながらも油脂感とざらつきが少なく、容易に噛み切れるグミキャンディの提供。【解決手段】(A)ゼラチン、及び(B)乳脂肪球皮膜成分を3〜15質量%含有し、タンパク質量が6〜25質量%であり、水分量が5〜70質量%であるグミキャンディ。リン脂質の含有量が0.5〜2.5質量%であることが好ましい前記グミキャンディ。スフィンゴミエリンの含有量が0.1〜0.55質量%であるであることが更に好ましいグミキャンディ。グミキャンディのタンパク質がゼラチンと乳脂肪球皮膜成分に由来するものであるグミキャンディ。乳脂肪球皮膜成分がタンパク質を22質量%以上含有することが好ましいグミキャンディ。【選択図】なし

Description

本発明は、乳脂肪球皮膜成分を含有するグミキャンディに関する。
近年、高齢者等の咀嚼機能が低下した人は、流動性が高い、また口当たりの良い食品を摂取しがちになり、その結果さらに咀嚼機能が低下するという悪循環に陥る問題が指摘されている。咀嚼機能が低下していく人にとって、ある程度の咀嚼は咀嚼機能を維持する上で必要である。しかし一方で噛んでも砕け難い食品は喉に詰まり易く危険である。そのため、咀嚼を要しつつも、口腔内で簡単に砕けて飲み込み易い食品が求められている。
一方、乳脂肪球皮膜成分(Milk−fat Globule Membrane)は、乳腺より分泌される乳脂肪球を被覆している膜成分で、バターミルクやバターセーラム等の乳複合脂質高含有画分に多く含まれることが知られている(非特許文献1)。乳脂肪球皮膜には、リン脂質として、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれるが、卵黄や大豆に含まれるリン脂質と比べてスフィンゴミエリンの割合が高く、スフィンゴミエリンは乳脂肪球皮膜成分の特徴的な構成成分となっている。
乳脂肪球皮膜成分は、脂肪を乳汁中に分散させる機能を有するのみならず、筋力等の運動機能向上作用、内臓脂肪蓄積抑制作用、血中アディポネクチン増加及び減少抑制作用等の多くの生理機能を有することが報告され(特許文献1及び2)、乳脂肪球皮膜成分の幅広い利用が期待されている。
乳脂肪球皮膜成分の生理機能を得るためには、乳脂肪球皮膜成分(乾燥物換算)として、成人に対して1日あたり1000mg以上とするのが好ましいと考えられている(非特許文献2)。そのため、食品中に乳脂肪球皮膜成分を高濃度で配合して一回当たりの摂取量を少量に設定することが求められるが、高濃度で配合する場合には乳脂肪球皮膜成分の水への溶解性が低いため均一に分散しない、また沈殿が発生する等の問題がある。
この問題に対しては、例えば、特許文献3に、ミルクセラミドをpH4以下のペースト状にした後、食品中に配合することにより沈殿を発生させること無くミルクセラミドを添加する方法が記載されている。また、特許文献3には、pH2.2のミルクセラミドペーストを添加したグミキャンディが記載されている。
特開2010−59155号公報 特開2007−320901号公報 特開2012−135286号公報
三浦晋、FOOD STYLE21、2009年 Ota、Springer Plus (2015) 4:120
食品形態のなかでもグミキャンディは、口当たりが良いことに加え、栄養成分を摂取しやすいことから好ましい形態である。
しかしながら、従来のグミキャンディは粘弾性が高いために、咀嚼力が弱く、唾液分泌量の減少等が見られる高齢者にとっては口腔内での崩れやすさが十分ではなく、その結果飲み込むのは難しい。ここで、口腔内での崩れやすさとは、咀嚼時に噛み切り易さに加えて、細かく砕かれて飲み込みやすい形状となり、更に唾液と混ざりやすく口どけが良くなる状態を意味する。
また、特許文献3のようにグミキャンディに乳脂肪球皮膜成分を高濃度で配合すると、乳脂肪球皮膜成分特有の油脂感やざらつきが感じられることが判明した。
したがって、本発明は、高濃度の乳脂肪球皮膜成分を含みながらも油脂感とざらつきが少なく、かつ口腔内で崩れやすく容易に飲み込めるグミキャンディを提供することに関する。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、乳脂肪球皮膜成分とタンパク質を一定の範囲で含有させることで、製造上の問題を生じることなく、乳脂肪球皮膜成分特有の油脂感とざらつきが低減されて、また、口腔内で崩れやすく容易に飲み込めるグミキャンディとすることができることを見出した。
すなわち、本発明は、(A)ゼラチン、及び(B)乳脂肪球皮膜成分を3〜15質量%含有し、タンパク質量が6〜25質量%であり、水分量が5〜70質量%であるグミキャンディを提供するものである。
本発明によれば、乳脂肪球皮膜成分を高濃度に含有しながらも油脂感とざらつきが少なく、また、口腔内で崩れやすく飲み込み易い、風味及び食感の良好なグミキャンディを提供することができる。
本発明のグミキャンディは、(A)ゼラチンを用いて作ったゼリー菓子の一種である。
(A)ゼラチンは、例えば、牛、豚、鶏、魚等の皮、骨、腱等を原料としたゼラチンが挙げられる。ゼラチンは、特に限定されず、酸又はアルカリで処理して得られるものを使用できる。
ゼラチンのゼリー強度は、50〜300gが好ましい。ゼリー強度は、JIS K−6503(2001)に準拠して測定することができる。
ゼラチンは主にタンパク質で構成され、そのタンパク質量は85質量%(以下、単に「%」とする)以上、89%以下であることが好ましい。
本発明のグミキャンディ中、(A)ゼラチンの含有量は、乳脂肪球皮膜成分特有の油脂感を低減する点から、2%以上であることが好ましく、2.1%以上がより好ましく、2.8%以上が更に好ましい。また、製造性の点から、26%以下であることが好ましく、21%以下であることがより好ましく、17%以下であることが更に好ましい。
本発明のグミキャンディは(B)乳脂肪球皮膜成分を含有する。
乳脂肪球皮膜成分は、乳脂肪球を被覆している膜、及び膜を構成する成分の混合物と定義されている。乳脂肪球皮膜は、一般的に、乾燥重量の約半分が脂質で構成され、当該脂質としては、トリグリセライドやリン脂質、スフィンゴ糖脂質が含まれることが知られている(三浦晋、FOOD STYLE21、2009及びKeenan TW、Applied Science Publishers、1983、pp89−pp130)。リン脂質としては、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれることが知られている。
また、脂質以外の成分としては、ミルクムチンと呼ばれる糖タンパク質が含まれることが知られている(Mather、Biochim Biophys Acta、1978)。
本発明で用いられる(B)乳脂肪球皮膜成分は、生理効果の点、食感の点から、乳脂肪球皮膜成分中の脂質の含有量が、10%以上、更に20%以上、更に30%以上であるのが好ましく、また、風味・製造時のゼラチンとの混合の容易さの点から、100%以下、更に90%以下、更に60%以下であるのが好ましい。
また、同様の観点から、(B)乳脂肪球皮膜成分中のリン脂質の含有量は、5%以上、更に8%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、風味・製造時のゼラチンとの混合の容易さの点から、100%以下、更に85%以下、更に70%以下、更に60%以下であるのが好ましい。
更に、乳脂肪球皮膜成分は、生理効果の点、食感の点から、リン脂質としてスフィンゴミエリンを含むのが好ましく、乳脂肪球皮膜成分中のスフィンゴミエリンの含有量が、1%以上、更に2%以上、更に3%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、50%以下、更に30%以下、更に25%以下、更に20%以下、更に5%以下であるのが好ましい。
同様の点から、乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、3%以上、更に5%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、50%以下、更に40%以下、更に35%以下、更に30%以下であるのが好ましい。
更に、(B)乳脂肪球皮膜成分は、食感の点、油脂感が少ない点から、タンパク質の含有量が22%以上、更に30%以上、更に40%以上であるのが好ましく、また、生理効果の点から、60%以下であるのが好ましい。
尚、本明細書において、乳脂肪球皮膜成分中の脂質、リン脂質、スフィンゴミエリン及びタンパク質の含有量、並びに乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、乳脂肪球皮膜成分の乾燥物に対する質量割合とする。
上記の(B)乳脂肪球皮膜成分は、原料乳から遠心分離法や有機溶剤抽出法等の公知の方法により得ることができる。例えば、特開平3−47192号公報に記載の乳脂肪球皮膜成分の調製方法を用いることができる。また、特許第3103218号公報、特開2007−89535号公報に記載の方法等を用いることができる。さらに、透析、硫安分画、ゲルろ過、等電点沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたものを用いてもよい。
乳脂肪球皮膜成分の形態は、特に限定されず、室温(15〜25℃)で液状、半固体状(ペースト等)、固体状(粉末、固形、顆粒等)等のいずれでもよく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよいが、取扱い性の点から好ましくは固体状(粉末)である。
(B)乳脂肪球皮膜成分の原料乳としては、牛乳やヤギ乳等が挙げられる。なかでも、食経験が豊富であり、安価な点から、牛乳が好ましい。また、原料乳には、生乳、全粉乳や加工乳等の乳の他、乳製品も含まれ、乳製品としては、バターミルク、バターオイル、バターセーラム、ホエータンパク質濃縮物(WPC)等が挙げられる。
バターミルクは、牛乳等を遠心分離して得られるクリームからバター粒を製造する際に得られ、当該バターミルク中に乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターミルクをそのまま使用してもよい。同様に、バターオイルを製造する際に生じるバターセーラム中にも乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターセーラムをそのまま使用してもよい。
(B)乳脂肪球皮膜成分は、市販品を用いることもできる。斯かる市販品としては、メグレジャパン(株)「BSCP」、雪印乳業(株)「ミルクセラミドMC−5」、(株)ニュージーランドミルクプロダクツ「Phospholipid Concentrate シリーズ(500,700)」等が挙げられる。
本発明のグミキャンディ中、(B)乳脂肪球皮膜成分の含有量は3〜15%である。特に、生理効果を有効に発現する点、摂取形態として一度に少量の摂取で可能であるという点、及び口腔内での崩れやすさの点から、4%以上、更に4.5%以上が好ましい。また、乳脂肪球皮膜成分の量が増えるとゲル化剤を溶かし難くなり製造が難しくなる点、及びざらつきを感じ易くなる点から、14%以下、更に11%以下が好ましい。
また、本発明のグミキャンディ中、リン脂質の含有量は、効果を有効に発現する点から、0.5%以上、更に0.7%以上であるのが好ましく、また、風味の点から、2.5%以下が好ましく、更に2.2%以下が好ましい。
更に、本発明のグミキャンディ中、スフィンゴミエリンの含有量は、効果を有効に発現する点から、0.1%以上、更に0.15%以上であるのが好ましく、また、風味の点から、0.55%以下が好ましく、0.48%以下がより好ましい。
乳脂肪球皮膜成分中又はグミキャンディ中の脂質及びリン脂質の含有量は、酸分解法、比色法又は薄層クロマトグラフ法により測定することができる。
尚、本発明のグミキャンディおける乳脂肪球皮膜成分の含有量、リン脂質の含有量及びスフィンゴミエリンの含有量には、乳脂肪球皮膜成分として配合されたもの以外にも他のグミキャンディ原料由来のものが含まれる。但し、牛乳に含まれる乳脂肪球皮膜成分は0.2%程度と僅かなため影響は小さい。
本発明のグミキャンディは、タンパク質量が6〜25%である。タンパク質量が6%以上であると乳脂肪球皮膜成分に由来する油脂感を低減でき、また、25%以下であると乳脂肪球皮膜成分が分散しやすく製造上の問題が少ない。
グミキャンディ中のタンパク質量は、乳脂肪球皮膜成分の油脂感を低減する点から、6.3%以上であるのが好ましく、8%以上がより好ましい。また、製造性の点から、22%以下が好ましく、18%以下がより好ましい。
本明細書においてタンパク質の含有量は、後掲の実施例に記載の方法にしたがって測定できるタンパク質量とする。
グミキャンディ中のタンパク質は、グミキャンディに配合した(A)ゼラチンに由来するタンパク質と、(B)乳脂肪球皮膜成分に由来するタンパク質が主であるが、その他別途配合した原料成分に由来するタンパク質も含む。また、本発明の効果を奏する範囲で、タンパク質として添加することもできる。本発明において、グミキャンディのタンパク質は、(A)ゼラチンに由来するタンパク質と(B)乳脂肪球皮膜成分に由来するタンパク質であることが好ましい。
本発明のグミキャンディは、水分量が5〜70%である。このグミキャンディの水分量には、グミキャンディに配合した原料成分に含まれる水と、別途配合した水とを含む。水を配合する場合、水はイオン交換水、水道水、天然水等を使用することができる。 グミキャンディ中の水分量は、口腔内での崩れやすさ、唾液との混ざりやすさの点から、更に30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。また、保存性の点から、69%以下、更に67%以下、更に60%以下であることが好ましい。
グミキャンディ等の水分量は、後掲の実施例に記載の方法にしたがって測定することができる。
本発明のグミキャンディは、水分活性を低下させて保存性を向上させる点、風味の点から、糖類を含有することが好ましい。糖類としては、ブドウ糖、果糖、ガラクトース等の単糖類、ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース等のニ糖類が挙げられる。糖類は無水物又は水和物であってもよい。また、果糖ブドウ糖液糖、還元麦芽糖水あめ等を使用することもできる。なかでも、風味の点から、ショ糖、ブドウ糖、果糖が好ましく、ショ糖がより好ましい。ショ糖は、清浄精製した白色の砂糖である白糖が好ましい。
糖類は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のグミキャンディ中、糖類の含有量は、風味の点から、11%以上35%以下であることが好ましい。
また、本発明のグミキャンディは、上記成分の他に本発明の効果を損なわない範囲において、グミキャンディに配合し得る他の原料成分を含有してもよい。当該原料成分としては、例えば、上記糖類以外の甘味料(例えば、オリゴ類、糖アルコール、非糖質天然甘味料、合成甘味料等)、酸味料(例えば、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸及びこれらのアルカリ金属塩)、成分(A)以外のゲル化剤(例えば、寒天、ペクチン、ジェランガム、カラギーナン等)、成分(B)以外の乳成分、安定剤、野菜汁・果汁、香料、着色料、酸化防止剤、保存料等が挙げられる。
本発明のグミキャンディは、(A)ゼラチン、(B)乳脂肪球皮膜成分、必要に応じて添加される水やその他原料成分を混合、加熱し、次いで冷却、固形化する工程等を経て製造することができる。好ましくは、(B)乳脂肪球皮膜成分の分散溶液を調製する工程、当該分散溶液への(A)ゼラチンの混合工程、その他の原料成分の調合工程等を経て製造する。
冷却、固形化前のグミキャンディ原液のpH(20℃)は、ゲルの安定性の点、風味の点から、3〜7、更に3〜6が好ましい。このようなpHに調整するために、上記酸味料の他、有機・無機可食酸又はその金属塩、果汁等を用いることができる。
グミキャンディ1個当りの質量は0.3〜10g、更に0.5〜2gとするのが摂食性及び有効性の点で好ましい。本発明のグミキャンディは、乳脂肪球皮膜成分を高濃度で含むことから、乳脂肪球皮膜成分摂取用のグミキャンディとして好適である。
〔ゼラチン〕
市販のゼラチン(森永製菓(株)製)を使用した。ゼラチンの含水量は11.3%、タンパク質量は87.6%であった。
〔乳脂肪球皮膜成分〕
乳脂肪球皮膜成分は牛乳から調製したものを使用した。
乳脂肪球皮膜成分の含水量は3.6%であった。乳脂肪球皮膜成分の組成は、乾燥物換算で、脂質:25.6%、タンパク質:54.1%であった。また、乳脂肪球皮膜成分中、リン脂質量は乾燥物換算で16.6%であり、スフィンゴミエリン量は3.6%であった。
〔その他の原料成分〕
グラニュー糖(三井製糖(株)製、含水量0%)および脱脂粉乳(明治乳業(株)製、タンパク質35.7%、含水量3.6%)を使用した。
上記の原料成分の分析及びグミキャンディの分析は次のとおり行った。
(1)タンパク質の分析
タンパク質量はケルダール法を用いて、窒素・タンパク質換算係数6.38として求めた。
(2)脂質の分析
脂質量は酸分解法で求めた。試料を1g量りとり、塩酸を加え分解した後、ジエチルエーテル及び石油エーテルを加え、攪拌混和した。エーテル混合液層を取り出し、水洗した。溶媒を留去させ、乾燥させた後、重量を秤量することで脂質量を求めた、
(3)水分量の分析
水分量は常圧加熱乾燥法 (105℃4時間乾燥させ重量測定)により求めた。
(4)リン脂質の分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88質量%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち2mLを分取し、溶媒留去後、550℃16時間加熱処理により灰化した。灰分を6M塩酸水溶液5mLに溶解後、蒸留水を添加し、総量を50mLとした。3mLを分取し、モリブデンブルー発色試薬5mL、5質量%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をリン脂質量とした。
(5)スフィンゴミエリンの分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88質量%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち10mLを分取し、シリカカートリッジカラムに添加した。カラムをクロロホルム20mLで洗浄後、メタノール30mLでリン脂質を溶出し、溶媒留去後クロロホルム1.88mLに溶解した。シリカゲル薄層プレートに20μLを負荷し、1次元展開溶媒としてテトラヒドロフラン:アセトン:メタノール:水=50:20:40:8(V/V)、2次元展開溶媒としてクロロホルム:アセトン:メタノール:酢酸:水=50:20:10:15:5(V/V)を用いて2次元展開を行った。展開後の薄層プレートにディトマー試薬を噴霧し、スフィンゴミエリンのスポットをかきとり、3質量%(V/V)硝酸含有過塩素酸溶液2mL添加後、170℃3時間の加熱処理を行った。蒸留水5mL添加後モリブデンブルー発色試薬5mL、5質量%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をスフィンゴミエリン量とした。
試験例1〜15
〔グミキャンディの調製〕
表1の処方表に従い、60℃に加温した水とグラニュー糖を混合し、60℃で加熱しながら目視でグラニュー糖の溶解確認後、更に3分間混合した。次いで、乳脂肪球皮膜成分をままこにならないよう少しずつ加えながらディスパーサーで混合した(溶液1)。乳脂肪球皮膜成分の分散状態を目視で確認後、撹拌しながら混合溶液を80℃に昇温した。次いで、この混合溶液にゼラチンをままこにならないよう少しずつ加え、ディスパーサーで混合してグミキャンディ原液を調製した(溶液2)。試験例10は、タンパク質源として脱脂粉乳を使用したものであり、乳脂肪球皮膜成分と脱脂粉乳を粉体の状態で予め混合して混合粉体とした以外は同じ方法で調整した。なお、溶液2の水分量は、グミキャンディ調製中に水分が蒸散するため、表1の投入量から減少する。
更に、得られたグミキャンディ原液を4gずつ直径4cmの型(スチロール樹脂製プラスチックカップ)に流し入れ室温で放冷してグミキャンディを得た。
得られたグミキャンディの組成を表2に示す。また、グミキャンディのタンパク質量、水分量、リン脂質量、スフィンゴミエリン量の実測値を合わせて表2に示す。
溶液1および溶液2の分散状態評価と、得られたグミキャンディの官能評価の結果を表2に記載した。
〔溶液1と2の分散状態評価〕
乳脂肪球皮膜成分を分散させた溶液1とゼラチンを分散させた溶液2の分散状態を、評価者2名で目視にて下記4段階で評価を行った。2名の協議をもって評点とした。
(評価基準)
4:乳脂肪球皮膜成分が均一に分散した溶液1が得られ、かつ溶液1にゼラチンが分散した溶液2が得られる
3:時間をかければ乳脂肪球皮膜成分が均一に分散した溶液1が得られ、かつ溶液1にゼラチンが分散した溶液2が得られる
2:乳脂肪球皮膜成分が均一に分散した溶液1が得られるが、溶液2のゼラチンは分散していない
1:乳脂肪球皮膜成分が均一に分散した溶液1は得られず、溶液2のゼラチンも分散していない
〔官能評価〕
本発明品及び比較品の官能評価は、製造日の翌日に専門パネル3名でグミキャンディ1gを食し、乳脂肪球皮膜成分由来の油脂感とざらつき、口腔内の崩れやすさについて下記の評価基準で4段階尺度による相対的位置づけを行った。3名の協議をもって評点とした。
(油脂感)
4:油脂感を感じない
3:油脂感を殆ど感じない
2:油脂感を感じる
1:油脂感を強く感じる
(ざらつき)
4:滑らかでざらざらしていない
3:ほぼ滑らかで殆どざらざらしていない
2:ややざらつきやや粉っぽい
1:ざらざらして粉っぽい
(口腔内の崩れやすさ)
4:口腔内で容易に崩れて飲み込みやすい
3:口腔内で崩れて飲み込める
2:口腔内で崩れ難く飲み込み難い
1:口腔内で崩れず飲み込めない
Figure 2017176133
Figure 2017176133
表2から明らかなように、本発明品を製造する上で問題は見られなかった。また、本発明品は、比較品と比べて乳脂肪球皮膜成分由来の油脂感とざらつきが少なく、かつ容易に口腔内で崩れて、飲み込み易いものであった。

Claims (6)

  1. (A)ゼラチン、及び(B)乳脂肪球皮膜成分を3〜15質量%含有し、タンパク質量が6〜25質量%であり、水分量が5〜70質量%であるグミキャンディ。
  2. グミキャンディのタンパク質が(A)ゼラチンと(B)乳脂肪球皮膜成分に由来するものである請求項1記載のグミキャンディ。
  3. (B)乳脂肪球皮膜成分がタンパク質を22質量%以上含有するものである請求項1又は2記載のグミキャンディ。
  4. グミキャンディ中のリン脂質の含有量が0.5質量%以上2.5質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項記載のグミキャンディ。
  5. グミキャンディ中のスフィンゴミエリンの含有量が0.1質量%以上0.55質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項記載のグミキャンディ。
  6. 更に糖類を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載のグミキャンディ。
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