JP2017173516A - 光ファイバテープ心線の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記せん断機構は、前記複数の光ファイバ心線の一本ごとに、前記光ファイバ心線が並べられた方向及び走行方向に直交する方向の両側から前記光ファイバ心線を挟むように設けられた一対のローラーをそれぞれ有し、前記一対のローラーの一部は、前記光ファイバ心線を挟み込みつつ、半径が周方向に変動する形状をしており、
前記せん断工程は、それぞれの前記一対のローラーが回転することにより、挟まれた光ファイバ心線の一部が前記直交する方向に変位して、隣接する光ファイバ心線との間に変位差が生じることによって働くせん断力により、前記隣接する光ファイバ心線間の一部を分離させて非接着部とし、前記隣接する光ファイバ心線間を分離させない接着部と、前記非接着部とを、前記光ファイバテープ心線の長手方向に沿って交互に形成する。
パスラインを走行する前記光ファイバテープ心線を挟むように設けられたせん断機構を備え、
前記せん断機構は、
前記複数の光ファイバ心線の一本ごとに、前記光ファイバ心線が並べられた方向及び走行方向に直交する方向の両側から挟むように設けられた一対のローラーをそれぞれ有し、
前記一対のローラーの一部は、前記光ファイバ心線を挟み込みつつ、半径が周方向に変動する形状をしている。
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。
本発明の実施形態に係る光ファイバテープ心線の製造方法は、
(1) 複数の光ファイバ心線が並行に並べられ、長手方向に連続的に一括被覆が施されて接着された光ファイバテープ心線を、パスラインの途中に設けられたせん断機構で挟んだ状態で走行させてせん断するせん断工程を含む光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記せん断機構は、前記複数の光ファイバ心線の一本ごとに、前記光ファイバ心線が並べられた方向及び走行方向に直交する方向の両側から前記光ファイバ心線を挟むように設けられた一対のローラーをそれぞれ有し、前記一対のローラーの一部は、前記光ファイバ心線を挟み込みつつ、半径が周方向に変動する形状をしており、
前記せん断工程は、それぞれの前記一対のローラーが回転することにより、挟まれた光ファイバ心線の一部が前記直交する方向に変位して、隣接する光ファイバ心線との間に変位差が生じることによって働くせん断力により、前記隣接する光ファイバ心線間の一部を分離させて非接着部とし、前記隣接する光ファイバ心線間を分離させない接着部と、前記非接着部とを、前記光ファイバテープ心線の長手方向に沿って交互に形成する。
これにより、光ファイバテープ心線に非接着部を形成させる際に、従来のように刃物を使用する必要がない。このため、光ファイバテープ心線に接着部と非接着部とを交互に形成させるように間欠的に分離する際に、高いコストをかけずに、且つ光ファイバを傷つけることなく、光ファイバの信頼性を維持できる。
なお、せん断力とは、光ファイバテープ心線を、光ファイバ心線の配列方向及び長手方向に対し直交する方向にずらす力であり、(1)の光ファイバテープ心線の製造方法では、隣接する光ファイバ心線の位置を強制的にずらすことにより、せん断力を生じさせている。
せん断機構のローラーを動力で駆動し、一対のローラー及び前記一対のローラー同士の回転が同期していることにより、光ファイバテープ心線に接着部と非接着部とを交互に形成させる間欠分離のピッチを制御することができる。
前記センサにより検出された前記走行速度の情報を用いて、前記せん断機構のローラーの回転速度を制御する。
光ファイバテープ心線の走行速度の変動に応じて、せん断機構のローラーの回転速度を制御することができるので、光ファイバテープ心線に接着部と非接着部とを交互に形成させる間欠分離のピッチを安定させることができる。
せん断機構のローラーは、動力により駆動されずに光ファイバテープ心線との摩擦により回転するので、各ローラーと光ファイバテープ心線間の滑りが最小になり、被覆樹脂のはがれが抑えられる。また、光ファイバテープ心線の走行速度が変動しても、各ローラーの回転速度も追随して変わるため、光ファイバテープ心線に接着部と非接着部とを交互に形成させる間欠分離のピッチが安定する。
(5) 複数の光ファイバ心線が並行に並べられ、長手方向に連続的に一括被覆が施されて接着された光ファイバテープ心線における隣接する光ファイバ心線間に、接着部と非接着部とを長手方向に沿って交互に形成させる光ファイバテープ心線の製造装置であって、
パスラインを走行する前記光ファイバテープ心線を挟むように設けられたせん断機構を備え、
前記せん断機構は、
前記複数の光ファイバ心線の一本ごとに、前記光ファイバ心線が並べられた方向及び走行方向に直交する方向の両側から挟むように設けられた一対のローラーをそれぞれ有し、
前記一対のローラーの一部は、前記光ファイバ心線を挟み込みつつ、半径が周方向に変動する形状をしている。
これにより、光ファイバテープ心線に非接着部を形成させる際に、従来のように刃物を使用する必要がない。このため、光ファイバテープ心線に接着部と非接着部とを交互に形成させるように間欠的に分離する際に、高いコストをかけずに、光ファイバを傷つけることなく光ファイバの信頼性を維持できる。
前記駆動部は、前記光ファイバ心線を挟む前記一対のローラー及び前記一対のローラー同士の回転を同期させる。
せん断機構のローラーを回転させる駆動部を備え、光ファイバ心線を挟む一対のローラー及び前記一対のローラー同士の回転を同期させるので、光ファイバテープ心線に接着部と非接着部とを交互に形成させる間欠分離のピッチを制御することができる。
前記センサにより検出された前記走行速度の情報を用いて、前記駆動部を制御する制御部と、
を備える。
センサにより検出された光ファイバテープ心線の走行速度の情報を用いて、駆動部を制御するので、光ファイバテープ心線の走行速度の変動に応じて、せん断機構のローラーの回転速度を制御することができ、光ファイバテープ心線に接着部と非接着部とを交互に形成させる間欠分離のピッチを安定させることができる。
せん断機構のローラーは、光ファイバテープ心線との摩擦により回転するように設置されているので、動力によって駆動せずとも回転し、各ローラーと光ファイバテープ心線間の滑りが最小になり、被覆樹脂のはがれが抑えられる。また、光ファイバテープ心線の走行速度が変動しても、各ローラーの回転速度も追随して変わるため、光ファイバテープ心線に接着部と非接着部とを交互に形成させる間欠分離のピッチが安定する。
本発明の実施形態に係る光ファイバテープ心線の製造方法および製造装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上流側パスライン矯正ローラー5を通過した後の光ファイバテープ心線10aは、図2に示すように構成されている。図2の光ファイバテープ心線10aは、せん断機構6によってせん断される前の状態であり、4本の光ファイバ心線11〜14(例えば、φ=0.25mmの光ファイバ心線)が並行に並べられ長手方向に連続的に一括被覆15が施されて接着されている。
図2で示した光ファイバテープ心線10aがせん断機構6を通過する際に、図4に示すようにして、光ファイバテープ心線10aの光ファイバ心線11〜14が上下対になった各ローラーに挟み込まれる。
各ローラーの周Aに光ファイバ心線11〜14が挟み込まれる場合は、以下のようになる。
ローラー6a1(半径r10)と6b1(半径r20)とに挟まれた光ファイバ心線11と、ローラー6a2(半径r10)と6b2(半径r20)とに挟まれた光ファイバ心線12との間には上下への変位差は生じない。また、ローラー6a3(半径r20)と6b3(半径r10)とに挟まれた光ファイバ心線13と、ローラー6a4(半径r20)と6b4(半径r10)とに挟まれた光ファイバ心線14との間には上下への変位差は生じない。ところが、光ファイバ心線12と、これに隣り合う光ファイバ心線13との間には上下への変位差が生じる。このため、光ファイバ心線12と13との間に、上下方向に変位差が生じることによってせん断力が作用する。
各ローラーの周Bに光ファイバ心線11〜14が挟み込まれる場合は、以下のようになる。
ローラー6a1(半径r10)と6b1(半径r20)とに挟まれた光ファイバ心線11と、ローラー6a2(半径r11)と6b2(半径r21)とに挟まれた光ファイバ心線12との間に上下への変位差(例えば、d1=0.4mm)が生じる。また、光ファイバ心線12と、ローラー6a3(半径r21)と6b3(半径r11)とに挟まれた光ファイバ心線13との間に上下への変位差(d1)が生じる。また、光ファイバ心線13と、ローラー6a4(半径r20)と6b4(半径r10)とに挟まれた光ファイバ心線14との間に上下への変位差(d1)が生じる。
各ローラーの周Cに光ファイバ心線11〜14が挟み込まれる場合は、以下のようになる。
ローラー6a1(半径r10)と6b1(半径r20)とに挟まれた光ファイバ心線11と、ローラー6a2(半径r12)と6b2(半径r22)とに挟まれた光ファイバ心線12との間に上下への変位差(例えば、d2=0.6mm)が生じる。また、前述のように、半径r12と半径r22は、同じ値(15.4mm)とされているので、光ファイバ心線12と、ローラー6a3(半径r22)と6b3(半径r12)とに挟まれた光ファイバ心線13との間には、上下への変位差は生じない。また、光ファイバ心線13と、ローラー6a4(半径r20)と6b4(半径r10)とに挟まれた光ファイバ心線14との間には上下への変位差(d2)が生じる。
各ローラーの周Dに光ファイバ心線11〜14が挟み込まれる場合は、以下のようになる。
周Dの部分の各ローラーの半径は、周Bの部分と同様である。
したがって、前述の周Bの部分と同様に、光ファイバテープ心線10aがせん断機構6を通過した後、図5に示す光ファイバテープ心線10bのDの範囲において、光ファイバ心線11〜14が全て分離する。
すなわち、光ファイバテープ心線10aが周Dに挟み込まれる場合は、光ファイバ心線11〜14の全てが分離した状態となる。その断面は、Bの範囲の断面(図6の(b))と同様である。
このようにして、複数の光ファイバ心線11〜14の一部を分離させた非接着部15bと、隣接する光ファイバ心線間が分離していない接着部15aとが、せん断機構6を通過した後の光ファイバテープ心線10bの長手方向に沿って交互に形成される。
2 サプライボビン
3 速度センサ(センサ)
4 制御部
5 上流側パスライン矯正ローラー
6 せん断機構
6a、6b ローラー群
6a1〜6a4、6b1〜6b4 ローラー
7 下流側パスライン矯正ローラー
8 巻取ボビン
9 駆動部
10、10a、10b、10c 光ファイバテープ心線
11〜14 光ファイバ心線
15 一括被覆
15a 接着部
20 パスライン
Claims (8)
- 複数の光ファイバ心線が並行に並べられ、長手方向に連続的に一括被覆が施されて接着された光ファイバテープ心線を、パスラインの途中に設けられたせん断機構で挟んだ状態で走行させてせん断するせん断工程を含む光ファイバテープ心線の製造方法であって、
前記せん断機構は、前記複数の光ファイバ心線の一本ごとに、前記光ファイバ心線が並べられた方向及び走行方向に直交する方向の両側から前記光ファイバ心線を挟むように設けられた一対のローラーをそれぞれ有し、前記一対のローラーの一部は、前記光ファイバ心線を挟み込みつつ、半径が周方向に変動する形状をしており、
前記せん断工程は、それぞれの前記一対のローラーが回転することにより、挟まれた光ファイバ心線の一部が前記直交する方向に変位して、隣接する光ファイバ心線との間に変位差が生じることによって働くせん断力により、前記隣接する光ファイバ心線間の一部を分離させて非接着部とし、前記隣接する光ファイバ心線間を分離させない接着部と、前記非接着部とを、前記光ファイバテープ心線の長手方向に沿って交互に形成する、光ファイバテープ心線の製造方法。 - 前記せん断機構のローラーが動力で駆動されて回転し、かつ前記光ファイバ心線を挟む前記一対のローラー及び前記一対のローラー同士の回転が同期している、請求項1に記載の光ファイバテープ心線の製造方法。
- 前記せん断機構よりも前記パスラインの上流側に前記光ファイバテープ心線の走行速度を検出するセンサが配置され、
前記センサにより検出された前記走行速度の情報を用いて、前記せん断機構のローラーの回転速度を制御する、請求項2に記載の光ファイバテープ心線の製造方法。 - 前記せん断機構のローラーは、動力により駆動されずに前記光ファイバテープ心線との摩擦により回転し、前記光ファイバ心線を挟む前記一対のローラー及び前記一対のローラー同士の回転が同期している、請求項1に記載の光ファイバテープ心線の製造方法。
- 複数の光ファイバ心線が並行に並べられ、長手方向に連続的に一括被覆が施されて接着された光ファイバテープ心線における隣接する光ファイバ心線間に、接着部と非接着部とを長手方向に沿って交互に形成させる光ファイバテープ心線の製造装置であって、
パスラインを走行する前記光ファイバテープ心線を挟むように設けられたせん断機構を備え、
前記せん断機構は、
前記複数の光ファイバ心線の一本ごとに、前記光ファイバ心線が並べられた方向及び走行方向に直交する方向の両側から挟むように設けられた一対のローラーをそれぞれ有し、
前記一対のローラーの一部は、前記光ファイバ心線を挟み込みつつ、半径が周方向に変動する形状をしている、光ファイバテープ心線の製造装置。 - 前記せん断機構のローラーを回転させる駆動部を備え、
前記駆動部は、前記光ファイバ心線を挟む前記一対のローラー及び前記一対のローラー同士の回転を同期させる、請求項5に記載の光ファイバテープ心線の製造装置。 - 前記せん断機構よりも前記パスラインの上流側に配置され前記光ファイバテープ心線の走行速度を検出するセンサと、
前記センサにより検出された前記走行速度の情報を用いて、前記駆動部を制御する制御部と、
を備える、請求項6に記載の光ファイバテープ心線の製造装置。 - 前記せん断機構のローラーは、前記光ファイバテープ心線との摩擦により回転するように設置され、前記光ファイバ心線を挟む前記一対のローラー及び前記一対のローラー同士の回転が同期するように前記せん断機構のローラーの回転軸が連結されている、請求項5に記載の光ファイバテープ心線の製造装置。
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