JP2017173094A - 積層体およびそれを用いた包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷型酸素インジケーターを有する積層体であって、酸素インジケーターと比較色による色相の差異の比較判定が目視で正確かつ容易に可能な積層体、およびそれを用いた包装袋を提供すること。【解決手段】バリアフィルム上に少なくとも酸素インジケーター層を有する積層体であって、前記酸素インジケーター層に接してアンカーコート層が設けられていることを特徴とする。また、酸素インジケーター層の色相と比較するための比較色インキ層が、前記酸素インジケーター層の表示領域の少なくとも一部に隣接して設けられていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、医療・医薬品や食品、電子材料などの分野において、酸素の浸入により品質を劣化させるような内容物が充填された包装体に用いられる印刷型酸素インジケーターが付与された積層体およびそれを用いた包装袋に関する。
従来、医薬・医療や食品、化粧品、電子材料などの分野において、内容物の酸化による劣化を防止するために、酸素バリア性を有する合成樹脂フィルムを積層した積層体を用い、内容物の充填時に脱酸素剤を同封した脱酸素包装体が用いられている。
例えば医薬・医療分野で輸液バッグに用いられる一次容器としては、体内に直接薬剤を注入することから、酸化防止剤などの添加物を一切加えない無添加のプラスチック容器が用いられる。そのためこのような容器は酸素バリア性が殆どないが、充填される薬剤は酸化によって著しく変質しやすく、輸液バッグを放置すると、大気中の酸素が輸液バッグを透過して中身が変質してしまう。そこで、輸液バッグを酸素バリア性の高い包装材料で二次包装することが行われている。
そのような包装体においては、使用者が開封するまでの間、長期間にわたって脱酸素状態が維持できる保存性が必要になる。しかし、実際には内容物の充填時のヒートシール不良や、輸送・保管時に発生した包装体のピンホールなどによって、脱酸素状態が維持できず、内容物が酸化により劣化してしまうことがあった。
上記のような脱酸素状態を目視で判定する手段として、包装体の製造工程で酸素インジケーター機能を有するインキを用いて包装体に印刷する方法が提案されている(特許文献1)。
酸素インジケーターは、例えばインキの色素成分としてメチレンブルーを用いると、その印刷部が有酸素の環境であれば青色を呈し、脱酸素状態の環境のときは無色透明を呈することを利用するものである。
また、インキの色素成分として、メチレンブルーに酸化還元で変色しない赤色色素を添加することにより、有酸素環境では紫色を呈し、脱酸素環境では赤色を呈する酸素インジケーターとして利用することができる。
この酸素インジケーターの形態として従来広く用いられるているのは錠剤型であったが、錠剤型は包装体に個々に投入する工程が必要であり、省力化のために近年は印刷型の酸素インジケーターが用いられている。(例えば、特許文献1に記載の方法を参照)。
また、特許文献2に記載の方法によれば、酸素インジケータの印刷部分と近接して比較色表示部が設けられている。この比較色表示部は、例えば脱酸素状態の酸素インジケーターが呈する色と同じ色とし、かつ酸化還元反応を起こさないインキ組成物を用いる。そうして酸素インジケーターが酸化により色が変化したときに、比較色表示部と見比べることにより、色の違いをより認識しやすくするという効果を有する。
印刷型酸素インジケーターの場合、酸素インジケーターがアンカーコート層と接していないと密着強度が弱く、容器の輸送時の振動等によって層の部分的剥離による間隙の発生、いわゆる「浮き」現象が発生してしまうことがあった。
そのため、印刷型酸素インジケーターを用いた包装体を製造する場合、アンカーコート層を形成した後に、酸素インジケーターを積層して形成することが必要になる。比較色表示部を形成する場合には、まず比較色表示部を印刷により形成した後、比較色表示と離れた部分にアンカーコート層を形成し、その上に酸素インジケーターを印刷するという工程を経る必要があった。
すなわち、比較色表示部を酸素インジケーターの絵柄内に設置することができず、距離を離して設置されている。そのため、比較色と酸素インジケーターとの間に包装体の地色もしくは別の背景色を挟むことになり、離れた場所の色を目視比較することは正確さを欠くため、誤認を生じやすいという問題があった。
特開2008−185961号公報 特開2014−228395号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、印刷型酸素インジケーターを有する積層体であって、酸素インジケーターと比較色による色相の差異の比較判定が目視で正確かつ容易に可能な積層体、およびそれを用いた包装袋を提供することにある。
上記課題点を解決するためになされた本発明の請求項1に係る発明は、
バリアフィルム上に少なくとも酸素インジケーター層を有する積層体であって、
前記酸素インジケーター層に接してアンカーコート層が設けられていることを特徴とする積層体である。
本発明の請求項2に係る発明は、
酸素インジケーター層の色相と比較するための比較色インキ層が、前記酸素インジケーター層の表示領域の少なくとも一部に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層体である。
本発明の請求項3に係る発明は、
前記比較色インキ層の呈する色相が、前記酸素インジケーター層が呈する酸素濃度許容限界の色相と同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体である。
本発明の請求項4に係る発明は、
前記バリアフィルムと前記酸素インジケーター層の間に、着色層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の積層体である。
本発明の請求項5に係る発明は、
前記着色層が、色素を含有するアンカーコート層であることを特徴とする請求項4に記載の積層体である。
本発明の請求項6に係る発明は、
前記酸素インジケーター層の、アンカーコート層と反対側の面に、オーバーコート層
が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の積層体である。
本発明の請求項7に係る発明は、
請求項1〜6のいずれか1つに記載の積層体を用い、周囲がヒートシールされている包装袋であって、その内部に脱酸素剤が封入されて脱酸素状態となることを特徴とする包装袋である。
本発明の請求項1に係る積層体によれば、酸素インジケーター層がアンカーコート層と直接接していることでその密着強度が向上し、例えば包装体の輸送時の振動などで層の浮きが発生して不良が生じるようなことがない。
また本発明の請求項2に係る積層体によれば、酸素インジーケーター層が呈する色相と比較色インキ層が呈する色相が隣接して設けられていることにより、わずかな色相の差異も目視で正確かつ容易に判定できるという効果が得られる。
また本発明の請求項3に係る積層体によれば、比較色インキ層の呈する色相が酸素インジケーター層が呈する酸素濃度許容限界の色相と同一であることにより、内容物の酸素濃度が許容限界を超えた場合には色相に差異が生じるので、このことが直ちに判定可能となるという効果がある。
さらに本発明の請求項4に係る積層体によれば、バリアフィルムと酸素インジケーター層の間に着色層が設けられていることで、酸素インジケーター自体が光によって劣化することを防ぐ効果が得られる。
また本発明の請求項5に係る積層体によれば、アンカーコート層自体が色素を含有することで着色されているので、特に着色層を挟む工程を追加することなく、酸素インジケーター自体が光によって劣化することを防ぐ効果が得られる。
また本発明の請求項6に係る積層体によれば、酸素インジケーター層の上にオーバーコート層が積層されているので、酸素インジケーター中の色素のサーモクロミズムを防ぎ、シーラント層側に色素が染み出すことを防止することができる。
また本発明の請求項7に係る包装体によれば、本発明の請求項1〜6に係る積層体を用いて包装袋とすることにより、内容物が脱酸素状態から変化があった際に目視で容易にそのことが判定できるという効果が得られる。
本発明に係る積層体の実施形態の一例を示す断面概略図。 本発明に係る積層体の酸素インジケーターの外形を示す平面図。 本発明に係る積層体の酸素インジケーターの呈色変化を説明するための平面図。 本発明に係る積層体の比較例の一例を示す断面概略図。 本発明に係る積層体の比較例における酸素インジケーターの外形を示す平面図。 本発明に係る積層体の比較例の他の一例を示す断面概略図。 本発明に係る積層体の比較例における酸素インジケーターの外形を示す平面図。
以下、本発明の実施の形態を図を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の積層体の一実施例を表す断面図である。
図1は本発明の積層体1の層構成を表しており、基材フィルムとしてガスバリア性を有
するバリアフィルム2の一方の面にアンカーコート層3が積層され、さらにアンカーコート層3の上に、比較色インキ層5、酸素インジケーター層4がこの順に印刷法により設けられる。酸素インジケーター層4と比較色インキ層5とは互いに隣接している。
そして酸素インジケーター層4と比較色インキ層5の上に、接着剤層6とシーラント7がこの順に積層されている。
酸素インジケーター層4は、印刷する際にその絵柄面積全体を印刷するのではなく、その前に印刷された比較色インキ層5の絵柄部分を型抜きするようにして印刷される。これにより、酸素インジケーター層4の絵柄と比較色インキ層5の絵柄とが重ならずに隣接して印刷できる。
本発明の積層体は本実施例に限定されるものではない。上記の層構成に限らず他の機能を有する層を付加することもでき、例えば酸素吸収層、あるいはオーバーコート層などを付加してもよい。
(バリアフィルム)
ここで、バリアフィルム2は基材フィルムとして設けるもので、構成はガスバリア性フィルム単独でもよく、あるいはガスバリア性フィルムとプラスチックフィルムを貼り合せたものを用いてもよい。
バリアフィルム2の材料としてはガスバリア性を有していれば特に制限はないが、例えば、無機化合物を蒸着などの方法でコーティングした高分子フィルムを用いることができる。
高分子フィルムは高分子樹脂組成物からなり、例えばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリイミドなどが使用でき、その用途に応じて適宜選択してよい。
特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを高分子フィルムとして用いる場合は、フィルム強度特性やコストの点において、より好ましい。
高分子フィルム上に無機化合物層を形成する方法としては、SiOやAlOなどの無機化合物を蒸着法により形成する方法がある。または、水溶性高分子と一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、またはその両者、あるいは塩化錫、の少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥することで、コーティング法による無機化合物層が形成できる。
無機化合物層は蒸着法による製膜のみでもバリア性を有するが、前記のようなコーティング法による無機化合物層を、前記の蒸着法による無機化合物層に重ねて形成して、バリア層とすることもできる。
バリアフィルム2において、ガスバリア性フィルムと貼り合わせるプラスチックフィルムは、用途に応じて必要とされる物性を有したものを選択的に用いることができる。たとえば、耐衝撃強度や耐突き刺し性を付与するために、延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ナイロンフィルムなどを用いることができる。これらのフィルムの積層には、ドライラミネーションなどの接着剤によるラミネートを用いることができる。
また、バリアフィルム2の側から酸素インジケーター層4および比較色インキ層5の色の変化を確認するために、バリアフィルム2は目視で透明性の高い材料を用いることが好
ましい。
(酸素インジケーター)
酸素インジケーター層4は、酸化還元色素を利用してインキ化されたものであればよく、組成としてはバインダー樹脂に酸化還元色素、還元剤その他の成分を混合してなる。バインダー樹脂としては、例えばポリビニルアセタール樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、親水基を導入したポリエステル樹脂などが好ましく、特にポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
その他の成分としては、水分保持のための保湿剤、吸収粉末、濡れ性向上のためのレベリング剤、消泡剤などが用いられる。
また本発明においては、酸素インジケーター層4の形成には、印刷法を用いる。印刷法には公知の方法を適宜選択して用いてよいが、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷法を用いることができる。
酸素インジケーター層4の形成に用いる印刷用インキの組成としては、酸化還元色素として例えばメチレンブルーを用い、還元剤として例えばLアスコルビン酸を用い、その他にバインダー樹脂、グリセリン、合成シリカ、水、メタノール、などの成分を混合して用いることができる。
(比較色インキ層)
酸素インジケーターの呈する色と比較するための比較色インキ層5に用いるインキは、印刷用インキであれば特に制限はないが、酸素インジケーター層4が酸化により酸素濃度の許容値限界に達したときの色と同一であればより好ましい。
例えば酸素インジケーター層4が酸化により青色を呈する場合には、青色インキを主としたインキ組成を用いればよい。
(シーラント)
シーラント7は、前記酸素インジケーター層4及び比較色インキ層5の上に、接着剤層6を介して積層される。シーラント層7は例えばポリプロピレンまたはポリエチレンなどの樹脂を用い、押し出し機により積層して形成することができる。
(アンカーコート層)
アンカーコート層3は、樹脂成分を溶剤に溶かしたものを印刷用インキとして、印刷により設ける。例えば、ウレタン樹脂や水溶性樹脂などを用いることができる。
また、アンカーコート層3は酸素インジケーター自体の光劣化を抑制するために、着色剤を加えて着色してもよい。ただし、酸素インジケーターの呈する色とは異なる色の着色剤を用いる。
(オーバーコート層)
オーバーコート層(図示せず)を酸素インジケーター層4の上に積層してもよい。この場合オーバーコート層は酸素インジケーター層4を覆うようにして保護層としてはたらくもので、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどの結合剤に溶剤を混合したものを用いて、印刷により形成する。
(接着剤層)
接着剤層としては、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤などが使用できる。また貼り合わせ方法は、これらの接着剤を用いてドライラミネート法が適用できる。または、ポリエチレン等の樹脂の溶融押し出し
によるサンドポリラミネーション法も適用できる。
(シーラント)
シーラントとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸メチル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンープロピレン共重合体などの樹脂からなり熱によって溶融し相互に融着し得るものが挙げられる。これらは単体または2種以上使用しても良く、樹脂およびこれらをフィルム化したシートを使用しても良い。
図2は、本発明において酸素インジケーター表示部分の外形を示す平面図である。図1で示したように、断面では酸素インジケーター層4の内側に隣接して比較色インキ層5が設けられており、図2では平面視で酸素インジケーター層4及び比較色インキ層5の外形がそれぞれ円形となっている。
ここで、本発明の積層体1を用いてその四方をシールしてなる包装袋を作製し、この包装袋に脱酸素剤を充填して封入し、内部を無酸素状態とした場合について説明する。
図3は、酸素インジケーター表示部41の外形を円形とし、比較色インキ表示部51は「正常」と表記された文字パターンを用いている。
当初の包装袋の内部が無酸素状態のときは、図3(a)に示すように、酸素インジケーター表示部41は無色透明であり、比較色インキ表示部51は青色である。
次にこの包装袋の内部に酸素が少しずつ取り込まれていったとき、図3(b)に示すように、有酸素状態であって酸素濃度が許容値未満の場合には、酸素インジケーター表示部41の呈する色がやや青みがかるようになり、比較色インキ表示部51との色の差異がすこし小さくなる。
さらに包装袋の内部に酸素が取り込まれていったとき、図3(c)に示すように、有酸素状態かつ酸素濃度が許容限界値に達した状態となった場合には、酸素インジケーター表示部41の呈する色と比較色インキ表示部51の色とがほぼ同一となって、「正常」という文字パターンが視認できなくなってしまう。
このようにして、包装袋の内部の酸素状態に変化があった際には、酸素インジケーター表示部の色と比較インキ表示部の色の比較によって容易に目視判定が可能になる。
以下、実施例により本発明を具体的に詳述する。
<実施例1>
図1に示したように、バリアフィルム2上に印刷によりアンカーコート層3を積層した後、印刷により比較色インキ層5を形成した。さらに酸素インジケーター層4を、先に形成した比較色インキ層5の印刷領域と重ならないようにして印刷により形成した。
次にこの上に、接着剤層6をドライラミネート法によって塗布した後、その上にシーラント7を積層して、図1に示した構造の積層体1を得た。このとき、平面視では図2のように酸素インジケーター層4と比較色インキ層5が互いに境界を接して観察された。
各層で使用した材料等を以下に示す。
(バリアフィルム)
バリアフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムにシリカを真空蒸着した
フィルムを用い、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを包装体外側に向かってこの順にラミネートして作製した。
(アンカーコート層)
ポリウレタン系樹脂、希釈溶剤、水溶性樹脂、黄色インキを用いて組成物を作製した。
(比較色インキ層)
ウレタン系油性グラビアインキを用いた。インキ組成は、比較色インキ層の呈する色相が、酸素インジケーターの呈する酸素濃度の許容限界時の色相と同じになるように設定した。
(酸素インジケーター層)
メチレンブルー、Lアスコルビン酸、バインダー樹脂、グリセリン、合成シリカ、水、メタノールを用いてインキ組成物を作製した。
(接着剤層)
二液硬化型ウレタン系接着剤を用いた。
(シーラント)
二軸延伸ポリプロピレンを用いた。
<比較例1>
図4に示したように、バリアフィルム2上に印刷によりアンカーコート層3を積層した後、印刷により比較色インキ層52を形成した。次に酸素インジケーター層42を、先に形成した比較色インキ層52の印刷領域を覆うように重ねて印刷により形成した。次に前記実施例1と同様の手順で接着剤層6及びシーラント7をこの順に積層し、図4に示した構造の積層体10を得た。このとき、比較色インキ層52は酸素インジケーター層42と印刷領域が重なっているため、平面視では図5に示すように酸素インジケーター層42だけのように見えた。なお、用いた材料は前記実施例1と同様のものを用いた。
<比較例2>
図6に示したように、バリアフィルム2上に印刷により比較色インキ層53を形成し、酸素インジケーター層43を、比較色インキ層53の印刷領域と離して印刷により形成した。次に前記実施例1と同様の手順で、接着剤層6及びシーラント7をこの順に積層し、図6に示した構造の積層体20を得た。このとき、平面視では図7に示すように比較色インキ層53は酸素インジケーター層43と印刷領域が離れて見えた。
なお、用いた材料は前記実施例1と同様のものを用いた。
次に、前記実施例1及び比較例1、2で作製した積層体を用いて、以下の実験を行い評価した。
<実験1>
実施例1と比較例1で作製した積層体を用いて、外形寸法400mm×200mmの四方シール袋を作製した。このとき、内容物としてポリエチレンバッグ(容量500ml)と共に、脱酸素剤エージレスを封入した。
次に、振動加速度が0.75G、振動数が5〜50Hz、加振時間が垂直方向に30min、水平方向(X方向)に15min、水平方向(Y方向)に15minの条件にて、振動試験を実施し、酸素インジケーター部の浮きを確認した。
その結果を表1に示す。
<実験2>
実施例1と比較例2で作製した積層体を用いて、外形寸法200mm×200mmの四方シール袋を作製した。このとき、内容物として蒸留水入りアンプルと共に、脱酸素剤エージレスを封入した。
次に、密封した四方シール袋にゴム栓を取り付け、酸素濃度がそれぞれ0%、1%、3%、5%の空気をシリンジを用いて四方シール袋に注入し、室温40℃の環境下で12時間放置した後に、酸素インジケーターの色の変化を確認した。
その結果を表2に示す。
次に、比較色インキ部と酸素インジケーター部を目視で比較観察し、どちらが青色が濃いかを確認した。ここで、比較色インキ部より酸素インジケーター部の方が濃いときは不可とし、薄いときは可と判定した。
その結果を表3に示す。
まず実験1では、表1のように酸素インジケーター部の積層部分の浮きが比較例1のみで発生しており、この原因は酸素インジケーターの一部分が比較色インキ層の上に重なってアンカーコート層と直接密着していないことにあると推察される。一方、実施例1ではアンカーコート層と直接密着しているため浮きが発生しなかった。
また実験2では、表2に示すように実施例1及び比較例2の両方とも酸素濃度が高まるにつれて青色に変化しており、酸素インジケーターとしての性能はどちらも同等であることがわかる。しかし、表3に示すように比較色インキ部と酸素インジケーター部の色の比較を行った場合、比較例2のようにそれらの表示位置が離れているときには、酸素濃度の変化による色の違いを判定できたのが遅かった。即ち、比較色インキ部と酸素インジケーター部の位置が離れていると色の違いの判定がしづらくなり、逆にそれらが隣接していると酸素濃度がより低濃度な場合でも判定しやすいことがわかった。
以上の実験の結果、本発明によれば、酸素インジケーターの浮き不良が発生し難く、かつ内容物の酸素濃度変化を検知しやすい積層体及び包装袋が得られることがわかった。
1、10、20・・・積層体
2・・・バリアフィルム
3・・・アンカーコート層
4・・・酸素インジケーター層
41・・・酸素インジケーター表示部
42、43・・・酸素インジケーター層
5・・・比較色インキ層
51・・・比較色インキ表示部
52、53・・・比較色インキ層
6・・・接着剤層
7・・・シーラント

Claims (7)

  1. バリアフィルム上に少なくとも酸素インジケーター層を有する積層体であって、
    前記酸素インジケーター層に接してアンカーコート層が設けられていることを特徴とする積層体。
  2. 酸素インジケーター層の色相と比較するための比較色インキ層が、前記酸素インジケーター層の表示領域の少なくとも一部に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記比較色インキ層の呈する色相が、前記酸素インジケーター層が呈する酸素濃度許容限界の色相と同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記バリアフィルムと前記酸素インジケーター層の間に、着色層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の積層体。
  5. 前記着色層が、色素を含有するアンカーコート層であることを特徴とする請求項4に記載の積層体。
  6. 前記酸素インジケーター層の、アンカーコート層と反対側の面に、オーバーコート層
    が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の積層体を用いて周囲がヒートシールされてなる包装袋であり、その内部に脱酸素剤が封入されて脱酸素状態となることを特徴とする包装袋。
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