JP2017095161A - 酸素検知機能付き包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素ガスを検知する酸素インジケーターインキ層を備える包装材料において、酸素インジケーターインキの応答速度を速めて、包装体内部に酸素ガスが侵入した場合には、その旨を速やかに検知できる包装材料を提供すること。【解決手段】酸素インジケーターインキ層12の存在する領域(酸素インジケーター領域)において、シーラントフィルム13に微細な孔13aを設ける。また、接着剤14をこの領域の外部に配置する。酸素ガスはこの孔13aを通り、しかも、接着剤14に阻害されることなく、速やかに酸素インジケーターインキ層12に到達する。【選択図】図1

Description

本発明は酸素ガスを検知する酸素インジケーターインキ層を備える包装材料に関する。この包装材料を使用して包装体を製造すると、外部から包装体内部に侵入した酸素ガスを酸素インジケーターインキ層が検知して、その旨を表示する。
酸素ガスはその反応性の高さから食品や医薬品を酸化し、劣化を起こす事が知られている。多くの食品、医薬品は、脱酸素剤を外装材により包装した包装体内に共存させたり、脱気包装したり、あるいは、包装体内部の空気を窒素ガスや二酸化炭素ガスで置換して包装することにより劣化を防止しているが、その際、脱酸素剤の能力やピンホール、シール不良などによる酸素ガスの侵入を検知するために酸素インジケーターが包装体内に同時に投入されている。
現在、酸化還元色素、還元剤、バインダー等の組み合わせを変えた何種類かの酸素インジケーターが上市されている。多くの酸素インジケーターは酸化還元指示薬が還元型と酸化型とで異なる色調を呈する性質を利用したものであり、メチレンブルーは無酸素下では還元剤の働きによって還元型、すなわち無色を呈し、有酸素下では酸素により酸化され、青色を呈する。
また、市販されている多くの酸素インジケーターは、赤色系着色剤を添加する事により無酸素時はピンク色、有酸素時は紫色となり、酸素の有無をより識別しやすいように着色されている。
酸素インジケーターとしては、錠剤型酸素インジケーター又はペーパータイプ型酸素インジケーター等が知られているが、酸素インジケーターをインキ化し、この酸素インジケーターインキを印刷した包装材料も知られている。この包装材料は、基材フィルムに酸素インジケーターインキを印刷し、この酸素インジケーターインキを被覆してシーラントフィルムを接着したものである。そして、このシーラントフィルムを内層として包装袋を製造し、内容物を密封包装することによって包装体を製造することができる。この際、脱酸素剤を同封したり、あるいは、脱気包装したり、ガス置換包装することにより、包装体内部の酸素ガスを低減させる。そして、この包装体に対して外部から酸素ガスが侵入した場合には、酸素インジケーターインキが変色するから、その侵入の事実を検知することができる。
ところで、シーラントフィルムは接着剤によって基材フィルムに接着されるが、この接着剤層は酸素ガスの透過を阻害するから、酸素インジケーターインキの応答速度が遅くなることがある。
そこで、特許文献1は、接着剤層を部分的に配置して、酸素インジケーターインキの存在する領域にはこの接着剤層を配置しないようにした包装材料を提案している。この包装材料によれば、内部に侵入した酸素ガスが接着剤層に阻害されることなく酸素インジケーターインキに到達するから、その応答速度を改善することができる。
特開2003−307513号公報
ところで、酸素ガスの透過は、接着剤層によって阻害されるばかりではなく、シーラントフィルムによっても阻害される。このため、特許文献1の包装材料では、十分な応答速度が得られないのである。
そこで、本発明は、酸素インジケーターインキの応答速度を速めて、包装体内部に酸素ガスが侵入した場合には、その旨を速やかに検知できる包装材料を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基材シートの片面に酸素インジケーターインキ層とシーラントフィルムとを積層して成り、酸素インジケーターインキ層が基材シートの一部の領域に配置されていると共に、この酸素インジケーターインキ層を被覆してシーラントフィルムが積層されている包装材料であって、
酸素インジケーターインキ層の存在する領域(酸素インジケーター領域)において、シーラントフィルムに微細な孔が設けられていることを特徴とする酸素検知機能付き包装材料である。
次に、請求項2に記載の発明は、前記基材シートとシーラントフィルムとが接着剤で積層されており、かつ、前記接着剤が酸素インジケーター領域の外部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の酸素検知機能付き包装材料である。
本発明によれば、酸素インジケーター領域において、シーラントフィルムに微細な孔が設けられているから、酸素ガスはこの孔13aを通って速やかに酸素インジケーターインキ層12に到達し、その応答速度を改善することが可能となる。
本発明の具体例に係る断面図である。 包装体の例を示す斜視図である。
本発明の包装材料は、基材シート、酸素インジケーターインキ層、シーラントフィルムを必須の構成要素とするものである。図1に示すように、酸素インジケーターインキ層12は、基材シート11の一部の領域に配置されている必要がある。また、シーラントフィルム13は、この酸素インジケーターインキ層12を被覆して積層されている必要がある。
そして、シーラントフィルム13には微細な孔13aが設けられていることが重要である。この孔13aがないと、シーラントフィルム13は酸素ガスの透過を阻害する。これに対し、孔13aが設けられている場合には、酸素ガスはこの孔13aを通って速やかに酸素インジケーターインキ層12に到達する。この孔13aはシーラントフィルム13を貫通していてもよいし、貫通しない孔であってもよい。この孔13aは、例えば、金属ロール上でミシン刃を当て、続いて表面から別の潰しロールを当てることによって形成することができる。また、レーザー照射によってこの孔13aを形成してもよい。
次に、基材シート11とシーラントフィルム13とは、図1に示すように、接着剤14で積層することができる。なお、接着剤14は、酸素インジケーターインキ層12の存在する領域(酸素インジケーター領域)の外部領域に配置されていることが望ましい。接着
剤14が酸素インジケーター領域に配置されている場合には、この接着剤14が酸素ガスの透過を阻害する。これに対し、酸素インジケーター領域の外部領域に配置されている場合には、接着剤14がその透過を阻害することがなく、しかも、この領域のシーラントフィルム13には微細な孔13aが設けられているため、酸素ガスは極めて速やかに酸素インジケーターインキ層12に到達して、酸素インジケーターインキ層12を変色させる。
本発明に係る包装材料1は、酸素ガスを嫌う内容物の包装体に利用することができる。すなわち、この包装材料1を一部に使用すると共に、シーラントフィルム13が包装袋内部に露出するように包装袋を製袋し、内容物と脱酸素剤とを収容した後、密封して包装体とすることができる。こうして得られた包装体100の例を図2に示す。図2は、包装袋を構成する2枚の包装材料のうち、一方を本発明の包装材料1で構成し、他方を別の包装材料2で構成した例である。
本発明の包装材料1は、このように内容物と共に脱酸素剤を同封した包装体に限らず、内部の酸素ガス濃度を低下させた包装体に使用することができる。例えば、脱気包装した包装体、あるいは、ガス置換包装した包装体等である。そして、これら包装体の内部に酸素ガスが侵入した場合には、酸素インジケーターインキ層12が速やかに変色して、酸素ガス侵入の事実を検知することができる。
なお、本発明の包装材料は、図2に示すような包装袋に限らず、例えば、剛性容器の蓋材として使用することも可能である。
次に、本発明に係る基材シート11としては酸素バリア性の高いシートを好適に使用することができる。例えば、ポリエステルフィルムやポリアミドフィルムに酸素バリア性の薄膜を積層したフィルムである。酸素バリア性薄膜としては、金属蒸着膜に加えて、酸化ケイ素蒸着膜や酸化アルミニウム蒸着膜等が例示できる。
また、酸素インジケーターインキ層12は、酸化還元色素と還元剤とを含むインキを印刷して形成することができる。また、これに加えて、酸素インジケーターインキ層12の色味を変えるため、赤色色素等の他の色素を配合することもできる。これらをバインダー樹脂と共に溶剤中に溶解又は分散させることによりインキを製造することが可能である。
酸化還元色素としては、メチレンブルー、ニューメチレンブルー、ニュートラルレッド、インジゴカルミン、アシッドレッド、サフラニンT、フェノサフラニン、カプリブルー、ナイルブルー、ジフェニルアミン、キシレンシアノール、ニトロジフェニルアミン、フェロイン、N−フェニルアントラニル酸などを使用できる。
また、還元剤としては、アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩、D−アラビノース、D−エリスロース、D−ガラクトース、D−キシロース、D−グルコース、D−マンノース、D−フラクトース、D−ラクトース等の還元糖、第一スズ塩、第一鉄塩等を使用できる。
次に、シーラントフィルム13としては、ポリオレフィン系樹脂フィルムを使用することができる。例えば、低密度ポリエチレン樹脂フィルム、中密度ポリエチレン樹脂フィルム、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム、ホモポリプロピレン樹脂フィルム、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂フィルム、プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂フィルム、プロピレン−αオレフィン共重合体樹脂フィルム等である。
また、接着剤14としては、市販のドライラミネート用接着剤を使用することが可能で
ある。
そして、この包装材料1は、巻取り状のシーラントフィルム13を巻き出し、走行させながら、孔13aを形成し、一方、基材フィルム11を走行させながら、酸素インジケーターインキ層12と接着剤14とを任意の順序で形成した後、両者を張り合わせることによって製造することができる。
1:包装材料 11:基材フィルム 12:酸素インジケーターインキ層 13:シーラントフィルム 13a:孔 14:接着剤

Claims (2)

  1. 基材シートの片面に酸素インジケーターインキ層とシーラントフィルムとを積層して成り、酸素インジケーターインキ層が基材シートの一部の領域に配置されていると共に、この酸素インジケーターインキ層を被覆してシーラントフィルムが積層されている包装材料であって、
    酸素インジケーターインキ層の存在する領域(酸素インジケーター領域)において、シーラントフィルムに微細な孔が設けられていることを特徴とする酸素検知機能付き包装材料。
  2. 前記基材シートとシーラントフィルムとが接着剤で積層されており、かつ、前記接着剤が酸素インジケーター領域の外部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の酸素検知機能付き包装材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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