JP2017171846A - 熱可塑性エラストマー発泡体及び熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー発泡体及び熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クッション性に優れている熱可塑性エラストマー発泡体の提供。
【解決手段】熱可塑性エラストマーと、ポリテトラフルオロエチレンとを含む樹脂組成物の発泡体であり、前記熱可塑性エラストマーの連続相中に、前記ポリテトラフルオロエチレンが繊維状に含まれる構造を有し、2〜20倍の発泡倍率を有し、中心部に平均気泡径が10〜200μmの気泡を有する熱可塑性エラストマー発泡体。前記ポリテトラフルオロエチレンの平均短径が5μm以下であり、全ての短径が10μm以下であることが好ましい熱可塑性エラストマー発泡体。熱可塑性エラストマーとポリテトラフルオロエチレンとの含有量の比が9〜999である熱可塑性エラストマー発泡体。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性エラストマーを含む樹脂組成物を発泡させることにより得られる熱可塑性エラストマー発泡体に関する。また、本発明は、上記熱可塑性エラストマー発泡体を得る熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法に関する。
従来、熱可塑性樹脂を発泡成形することにより得られる熱可塑性樹脂発泡体が、様々な用途に用いられている。上記熱可塑性樹脂発泡体は、例えば、緩衝材及び自動車用構造部材等に多く用いられている。
下記の特許文献1には、ポリテトラフルオロエチレンと、ポリテトラフルオロエチレン以外の樹脂とを含有する樹脂組成物を、射出発泡成形機を用いて発泡成形することにより得られる樹脂発泡体が開示されている。
下記の特許文献2には、熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、かつ発泡剤として二酸化炭素(炭酸ガス)を用いて、円環状ダイにより押出発泡成形を行うことにより得られるポリオレフィン系樹脂発泡体が開示されている。上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、(a)ポリオレフィン系樹脂と、(b)(b1)エラストマー及び(b2)プラストマーとを含む。上記(a)と(b)との配合割合は、重量比で90/10〜10/90の範囲である。上記(b1)と(b2)との配合割合は、重量比で90/10〜10/90の範囲である。
特開2015−224266号公報 特開2014−084341号公報
特許文献1,2に記載のような従来の発泡体では、クッション性が十分に高くならないことがある。また、特許文献1に記載のように、ポリテトラフルオロエチレンを単に用いただけでは、クッション性が十分に高くならないことがある。
また、特許文献1では、ポリテトラフルオロエチレンと、ポリテトラフルオロエチレン以外の樹脂とを含有する樹脂組成物を、射出発泡成形しているので、発泡体を小さくすることが困難である。
本発明の目的は、クッション性に優れている熱可塑性エラストマー発泡体を提供することである。また、本発明は、クッション性に優れている熱可塑性エラストマー発泡体を得ることができる熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法を提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、熱可塑性エラストマーと、ポリテトラフルオロエチレンとを含む樹脂組成物の発泡体であり、前記熱可塑性エラストマーの連続相中に、前記ポリテトラフルオロエチレンが繊維状に含まれる構造を有し、2倍以上、20倍以下の発泡倍率を有し、中心部に平均気泡径が10μm以上、200μm以下である気泡を有する、熱可塑性エラストマー発泡体(発泡体と略記することがある)が提供される。
本発明に係る発泡体のある特定の局面では、前記発泡体中の前記ポリテトラフルオロエチレンの平均短径が5μm以下であり、他の特定の局面では、前記発泡体中の前記ポリテトラフルオロエチレン全ての短径が10μm以下である。
本発明に係る発泡体のある特定の局面では、前記発泡体は、表面部に気泡を有し、前記発泡体の中心部における平均気泡径と、前記発泡体の表面部における平均気泡径との差の絶対値が、100μm以下である。
本発明に係る発泡体のある特定の局面では、前記発泡体中の前記熱可塑性エラストマーの含有量の前記発泡体中の前記ポリテトラフルオロエチレンの含有量に対する比が、9以上、999以下である。
本発明に係る発泡体のある特定の局面では、前記発泡体は、50%以上、95%以下の連続気泡率を有する。
本発明に係る発泡体のある特定の局面では、前記発泡体は、アスペクト比が10以下である粒子である。
本発明に係る発泡体のある特定の局面では、前記熱可塑性エラストマーが、アミド系エラストマー又はオレフィン系エラストマーである。
本発明に係る発泡体のある特定の局面では、前記発泡体は、非架橋の発泡体である。
本発明に係る発泡体のある特定の局面では、前記樹脂組成物のメルトフローレイトが、0.5g/10分以上、4.0g/10分以下である。
本発明に係る発泡体のある特定の局面では、前記樹脂組成物がポリオレフィン系樹脂を含む。
本発明に係る発泡体のある特定の局面では、前記発泡体中の前記熱可塑性エラストマーの含有量の前記発泡体中の前記ポリオレフィン系樹脂の含有量に対する比が、1.5以上、19以下である。
本発明の広い局面によれば、上述した熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法であって、前記樹脂組成物を溶融させる溶融工程と、溶融した前記樹脂組成物を発泡させて、熱可塑性エラストマー発泡体を得る発泡工程とを備える、熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法が提供される。
本発明に係る発泡体の製造方法のある特定の局面では、前記溶融工程において、溶融している前記樹脂組成物中の前記ポリテトラフルオロエチレンをせん断する。
本発明に係る熱可塑性エラストマー発泡体は、熱可塑性エラストマーと、ポリテトラフルオロエチレンとを含む樹脂組成物の発泡体であり、上記熱可塑性エラストマーの連続相中に、上記ポリテトラフルオロエチレンが繊維状に含まれる構造を有し、2倍以上、20倍以下の発泡倍率を有し、中心部に平均気泡径が10μm以上、200μm以下である気泡を有するので、クッション性に優れている。
図1は、本発明の一実施形態に係る熱可塑性エラストマー発泡体を示す断面SEM画像である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る熱可塑性エラストマー発泡体(発泡体と略記することがある)は、樹脂組成物を発泡させることにより得られる。本発明に係る発泡体は、樹脂組成物の発泡体である。本発明に係る発泡体は、複数の気泡を有する。樹脂組成物は、熱可塑性エラストマーと、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEと記載することがある)とを含む。
本発明に係る発泡体では、熱可塑性エラストマーが連続相を構成している。本発明に係る発泡体は、熱可塑性エラストマーの連続相中に、PTFEが繊維状に含まれる構造を有する。本発明に係る発泡体は、2倍以上、20倍以下の発泡倍率を有する。本発明に係る発泡体は中心部に、平均気泡径が10μm以上、200μm以下である気泡を有する。
本発明に係る発泡体では、上記の構成が備えられているので、クッション性に優れている。従って、高いクッション性が求められる用途に、本発明に係る発泡体を用いることができる。本発明に係る発泡体は、例えば、緩衝材として用いることができる。
発泡体中で、PTFEは繊維状である。クッション性を効果的に高める観点からは、繊維状のPTFEの平均短径は、好ましくは5μm以下、より好ましくは4.5μm以下、更に好ましくは4μm以下である。クッション性を効果的に高める観点からは、繊維状のPTFEの平均短径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.02μm以上である。短径は、1つの繊維状のPTFEにおける径方向の最も小さい寸法である。平均短径は、複数の繊維状のPTFEの短径を平均することにより求められる。
発泡体は、2倍以上、20倍以下の発泡倍率を有する。クッション性を効果的に高める観点からは、発泡体の発泡倍率は、好ましくは3倍以上である。発泡体の強度を効果的に高める観点からは、発泡体の発泡倍率は、好ましくは15倍以下である。
発泡体は中心部に、平均気泡径が10μm以上、200μm以下である気泡を有する。発泡体は中心部に複数の気泡を有することが好ましい。クッション性を効果的に高める観点からは、発泡体の中心部における平均気泡径は好ましくは20μm以上、より好ましくは25μm以上、更に好ましくは30μm以上、好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下である。
中心部における平均気泡径は、発泡体の中心を中心位置とする100μm×100μm(正方形)の領域の断面観察により評価することができる。
発泡体は表面部に、気泡を有することが好ましい。発泡体は表面部に、複数の気泡を有することが好ましい。クッション性を効果的に高める観点からは、発泡体の表面部における平均気泡径は好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、好ましくは200μm以下、より好ましくは180μm以下、更に好ましくは160μm以下である。
表面部における平均気泡径は、中心部から最も離れた位置で100μm×100μm(正方形)の領域の断面観察ができる部分での断面観察により評価することができる。
クッション性を均一にかつ効果的に高める観点からは、発泡体の中心部における平均気泡径と、発泡体の表面部における平均気泡径との差の絶対値は好ましくは0μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、更に好ましくは85μm以下である。
クッション性を効果的に高める観点からは、発泡体の連続気泡率は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは85%以下である。連続気泡率の具体的な測定方法は、実施例等の評価欄に記載する。
発泡体の形状は特に限定されない。発泡体は、シートであってもよく、粒子であってもよい。発泡体は、例えば押出発泡成形により得ることができる。このため、発泡体を粒子状にすることができる。
粒子の形状としては、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状及びグラニューラ状等が挙げられる。
クッション性を効果的に高める観点からは、粒子のアスペクト比は、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である。粒子のアスペクト比は、好ましくは1以上である。アスペクト比は長径/短径を示す。
小さくてもクッション性を十分に高めることができるので、粒子の長径は、好ましくは10mm以下、より好ましくは9.5mm以下、更に好ましくは9mm以下である。クッション性を効果的に高める観点からは、粒子の長径は、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2mm以上である。粒子が真球状である場合には、粒子の長径は直径を意味する。
クッション性の低下を抑える観点からは、非架橋の発泡体が好ましい。但し、強度も高める観点からは、架橋した発泡体であることが好ましい。
クッション性を効果的に高める観点からは、樹脂組成物のメルトフローレイト(MFR)は、試験温度230℃及び荷重21.18Nの条件で、好ましくは0.5g/10分以上、より好ましくは0.8g/10分以上、好ましくは10g/10分以下、より好ましくは8g/10分以下、更に好ましくは6g/10分以下、特に好ましくは4g/10分以下である。
クッション性を効果的に高める観点からは、樹脂組成物の溶融張力は、好ましくは0.3cN以上、より好ましくは0.5cN以上、更に好ましくは1cN以上、特に好ましくは5cN以上、好ましくは40cN以下、より好ましくは35cN以下、更に好ましくは30cN以下である。また、溶融張力が上記下限以上及び上記上限以下であると、気泡をより一層微細にすることができる。
なお、本発明において十分なクッション性を有するか否かの判断については、実施例にて後述する反発性の測定において、反発性が好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下、更に好ましくは70%以下であることにより判断することができる。
以下、本発明の他の詳細を説明する。
(樹脂組成物)
樹脂組成物は、熱可塑性エラストマーと、PTFEとを含む。発泡特性(高倍率化、発泡適正温度など)を効果的に高める観点からは、樹脂組成物及び発泡体は、ポリオレフィン系樹脂を含むことが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、熱可塑性エラストマーではない。
熱可塑性エラストマー:
熱可塑性エラストマーは、常温(25℃)でゴム弾性を示し、高温では熱可塑性樹脂と同様に可塑化されて成形できるという性質を有する。
熱可塑性エラストマーとしては、アミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー及びポリウレタン系エラストマー等が挙げられる。
クッション性を効果的に高める観点からは、熱可塑性エラストマーは、アミド系エラストマー又はオレフィン系エラストマーであることが好ましい。この場合に、熱可塑性エラストマーは、アミド系エラストマーとオレフィン系エラストマーとの内の一方であってもよく、双方であってもよい。熱可塑性エラストマーは、アミド系エラストマーであることが好ましく、オレフィン系エラストマーであることも好ましい。
オレフィン系エラストマーは、一般的には、ハードセグメントがポリプロピレン又はポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂であり、ソフトセグメントがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体又はエチレン−プロピレン共重合体などのゴム成分又は非結晶性ポリエチレンである。
オレフィン系エラストマーとしては、ハードセグメントとなるモノマーとソフトセグメントとなるモノマーとの重合を多段階で行い、重合反応容器内において直接製造される重合タイプのエラストマー;バンバリーミキサー又は二軸押出機などの混練機を用いて、ハードセグメントとなるポリオレフィン系樹脂と、ソフトセグメントとなるゴム成分とを物理的に分散させて製造されたブレンドタイプのエラストマー;バンバリーミキサー又は二軸押出機などの混練機を用いて、ハードセグメントとなるポリオレフィン系樹脂と、ソフトセグメントとなるゴム成分とを物理的に分散させる際に、架橋剤を加えることによって、ポリオレフィン系樹脂マトリックス中に、ゴム成分を完全架橋又は部分架橋させて、ミクロ分散させて得られる動的架橋されたエラストマー等が挙げられる。
熱可塑性系エラストマーとして、非架橋エラストマー及び架橋エラストマーのいずれも用いることが可能である。クッション性を効果的に高める観点からは、非架橋エラストマーが好ましい。
発泡体のリサイクル性を高める観点からは、オレフィン系エラストマーは、ハードセグメントとなるポリオレフィン系樹脂と、ソフトセグメントとなるゴム成分とを物理的に分散させて製造された非架橋エラストマーであることが好ましい。また、このような非架橋エラストマーは、円環状ダイでの押出発泡成形に好適に用いることができる。また更に、このような非架橋エラストマーの使用により、発泡体をリサイクルし、再び押出機へ供給して押出発泡成形をする場合でも、架橋ゴムによる発泡不良などが抑えられる。
オレフィン系エラストマーの具体例としては、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、及び塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン系エラストマー;ポリエステル系エラストマー;ポリウレタン系エラストマー等が挙げられる。
オレフィン系エラストマーがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーである場合に、ジエン成分としては、例えばエチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、及びジシクロペンタジエン等が挙げられる。このようなエチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーは、円環状ダイでの押出発泡成形に好適に用いることができる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
アミド系エラストマーは、非架橋のアミド系エラストマーであってもよい。アミド系エラストマーとしては、ポリアミドブロック(ハードセグメント)とポリエーテルブロック(ソフトセグメント)とを有するコポリマー等が挙げられる。
ポリアミドブロックとしては、例えば、ポリεカプラミド(ナイロン6)、ポリテトラチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウラミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリナノメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)等に由来するポリアミド構造が挙げられる。ポリアミドブロックは、これらポリアミド構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリエーテルブロックとしては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリテトラヒドロフラン(PTHF)等に由来するポリエーテル構造が挙げられる。ポリエーテルブロックは、これらポリエーテル構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとはランダムに分散していてもよい。
ポリアミドブロックの数平均分子量Mnは好ましくは300以上、より好ましくは600以上、好ましくは15000以下、より好ましくは5000以下である。ポリエーテルブロックの数平均分子量Mnは好ましくは100以上、より好ましくは200以上、好ましくは6000以下、より好ましくは3000以下である。
非架橋のアミド系エラストマーの融点は、好ましくは120℃以上、より好ましくは125℃以上、好ましくは180℃以下、より好ましくは175℃以下である。融点が上記下限以上であると、発泡後に常温に晒されたときの発泡体に収縮がより一層生じ難くなる。融点が上記上限以下であると、所望の発泡倍率での発泡がより一層容易になる。
非架橋のアミド系エラストマーの融点は、JIS K7121に準拠して、示差熱分析計(DSC)で測定される。なお、融点は、再昇温過程での吸熱ピーク値温度である。
非架橋のアミド系エラストマーの結晶化温度は、好ましく90℃以上、より好ましくは100℃以上、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下である。上記結晶化温度が上記下限以上であると、発泡後に常温に晒されたときの発泡体に収縮がより一層生じ難くなる。上記結晶化温度が上記上限以下であると、所望の発泡倍率での発泡がより一層容易になる。
非架橋のアミド系エラストマーの結晶化温度は、JIS K7121に準拠して、示差熱分析計(DSC)で測定される。なお、結晶化温度は、降温速度2℃/分の降温過程での発熱ピーク値温度である。
非架橋のアミド系エラストマーとして、米国特許第4,331,786号明細書、米国特許第4,115,475号明細書、米国特許第4,195,015号明細書、米国特許第4,839,441号明細書、米国特許第4,864,014号明細書、米国特許第4,230,838号明細書及び米国特許第4,332,920号明細書に記載されたアミド系エラストマーも使用できる。
非架橋のアミド系エラストマーは、反応性末端を有するポリアミドブロックと反応性末端を有するポリエーテルブロックとの共重縮合物であるこがと好ましい。この共重縮合物の具体例としては、下記の共重縮合物が挙げられる。
1)ジアミン鎖端を有するポリアミドブロックと、ジカルボン酸鎖端を有するポリオキシアルキレンブロックとの共重縮合物
2)ポリエーテルジオールとよばれる脂肪族ジヒドロキシ化α,ω−ポリオキシアルキレン単位のシアノエチル化及び水素化で得られるジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位と、ジアミン鎖端を有するポリオキシアルキレン単位との共重縮合物
3)ジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とポリエーテルジオールとの共重縮合物(この場合に得られる共重縮合物を特にポリエーテルエステルアミドと呼ぶ)
ジカルボン酸鎖端を有するポリアミドブロックを与える化合物としては、例えば、α,ω−アミノカルボン酸、ラクタム又はジカルボン酸の連鎖調節剤の存在下でのジカルボン酸とジアミンの縮合で得られる化合物が挙げられる。
1)の共重縮合物の場合、非架橋のアミド系エラストマーは、例えば、ポリエーテルジオールと、ラクタム(又はα,ω−アミノ酸)と、連鎖制限剤のジアシッドとを少量の水の存在下で反応させて得ることができる。非架橋のアミド系エラストマーは、種々の長さのポリエーテルブロックとポリアミドブロックとを有していてもよく、更に各成分がランダムに反応することでポリマー鎖中に分散していてもよい。
上記共重縮合時において、ポリエーテルジオールのブロックは、そのまま用いてもよく、ポリエーテルジオールのブロックの水酸基とカルボキシ末端基を有するポリアミドブロックとを共重合して用いてもよく、ポリエーテルジオールのブロックの水酸基をアミノ化してポリエーテルジアミンに変換した後にカルボキシ末端基を有するポリアミドブロックと縮合して用いてもよい。また、ポリエーテルジオールのブロックをポリアミド前駆体及び連鎖制限剤と混合して共重縮合させることで、ランダムに分散させたポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを含むポリマーを得ることも可能である。
基材樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、非架橋のアミド系エラストマー以外に、アミド系樹脂、ポリエーテル樹脂、架橋アミド系エラストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー等の他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂は、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってもよい。
PTFE:
樹脂組成物に配合するPTFEは、繊維状であることが好ましい。但し、PTFEでは、繊維同士が互いに密接した状態である。発泡体では、樹脂組成物に配合する前のPTFEの繊維間距離が広げられた状態であることが好ましい。
発泡体中で、PTFEは塊状に含まれないことが好ましい。塊状のPTFEの含有量が少ないほど、発泡体全体で高いクッション性を均一に発揮することができる。クッション性を効果的に高める観点からは、繊維状のPTFE全ての短径(発泡体に含まれる全てのPTFEのうち最も短径が大きいPTFEの短径)は好ましくは10μm以下、より好ましくは9μm以下、更に好ましくは8μm以下である。
樹脂組成物中の熱可塑性エラストマー及びPTFEの含有量は、発泡体中での熱可塑性エラストマー及びPTFEの含有量とほぼ等しくなる。クッション性を効果的に高める観点からは、樹脂組成物中の熱可塑性エラストマーの含有量の樹脂組成物中のPTFEの含有量に対する比(熱可塑性エラストマーの含有量/PTFEの含有量)は、好ましくは9以上、より好ましくは15以上、好ましくは999以下、より好ましくは500以下である。クッション性を効果的に高める観点からは、発泡体中の熱可塑性エラストマーの含有量の発泡体中のPTFEの含有量に対する比(熱可塑性エラストマーの含有量/PTFEの含有量)は、好ましくは9以上、より好ましくは15以上、好ましくは999以下、より好ましくは500以下である。
ポリオレフィン系樹脂:
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。破断防止性及び柔軟性を効果的に高くする観点からは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂又はポリスチレン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーを重合させることにより得られる。(A)ポリプロピレン系樹脂は重合体である。重合体には共重合体が含まれる。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンモノマーの単独重合体、並びにプロピレンモノマーを主成分とする重合成分の共重合体が挙げられる。プロピレンモノマーを主成分とする重合成分の共重合体では、重合可能な重合成分100重量%中、プロピレンモノマーの含有量は50重量%以上であり、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。また、共重合の形態は、ランダムであってもよく、ブロックであってもよい。
ポリプロピレン系樹脂としては、具体的には、プロピレンホモポリマー、プロピレンランダムポリマー及びプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーの単独重合体であることが好ましく、プロピレンホモポリマーであることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂は、エチレンモノマーを重合させることにより得られる。ポリエチレン系樹脂は重合体である。重合体には共重合体が含まれる。ポリエチレン系樹脂としては、エチレンモノマーの単独重合体、並びにエチレンモノマーを主成分とする重合成分の共重合体が挙げられる。エチレンモノマーを主成分とする重合成分の共重合体では、重合可能な重合成分100重量%中、エチレンモノマーの含有量は50重量%以上であり、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。また、共重合の形態は、ランダムであってもよく、ブロックであってもよい。
ポリエチレン系樹脂としては、具体的には、エチレンホモポリマー、エチレンランダムポリマー及びエチレンブロックポリマー等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂は、エチレンモノマーの単独重合体であることが好ましく、エチレンホモポリマーであることが好ましい。
クッション性を効果的に高める観点からは、発泡体中でのポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、試験温度230℃及び荷重21.18Nの条件で、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.2g/10分以上、好ましくは7g/10分以下、より好ましくは5g/10分以下である。
樹脂組成物中の熱可塑性エラストマー及びポリオレフィン系樹脂の含有量は、発泡体中での熱可塑性エラストマー及びポリオレフィン系樹脂の含有量とほぼ等しくなる。クッション性を効果的に高める観点からは、樹脂組成物中の熱可塑性エラストマーの含有量の樹脂組成物中のポリオレフィン系樹脂の含有量に対する比(熱可塑性エラストマーの含有量/ポリオレフィン系樹脂の含有量)は、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、好ましくは19以下、より好ましくは15以下である。クッション性を効果的に高める観点からは、発泡体中の熱可塑性エラストマーの含有量の発泡体中のポリオレフィン系樹脂の含有量に対する比(熱可塑性エラストマーの含有量/ポリオレフィン系樹脂の含有量)は、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、好ましくは19以下、より好ましくは15以下である。
他の成分:
本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、各種の添加剤を用いてもよい。添加剤としては、界面活性剤、分散剤、耐候性安定剤、光安定剤、顔料、染料、難燃剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、補強剤及び帯電防止剤等が挙げられる。界面活性剤の使用により、滑性及びアンチブロッキング性がより一層高くなる。分散剤の使用により、各配合成分の分散性が高くなる。分散剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル及び高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
(発泡体の製造方法)
本発明に係る熱可塑性エラストマー発泡体(発泡体)の製造方法は、樹脂組成物を溶融させる溶融工程と、溶融した樹脂組成物を発泡させて、熱可塑性エラストマー発泡体を得る発泡工程とを備える。なお、溶融している樹脂組成物中で、PTFEは溶融していなくてもよい。溶融している樹脂組成物中で、マトリクスとなる樹脂が溶融していればよい。
樹脂組成物中にPTFEを分散させる方法として、二軸押出機又は単軸押出機(押出機が2つ連結されたタンデム型押出機を含む)を用いることができる。また、樹脂組成物中にPTFEを分散させる方法としては、樹脂組成物とPTFEを二軸押出機又は単軸押出機で溶融混練し、コンパウンドを作製した後、押出機に入れ、ガスを注入することで発泡体を得る方法、及び樹脂組成物とPTFEを押出機で溶融混連しながらガスを注入し、発泡体を得る方法等が挙げられる。これらの発泡体を得る方法のいずれの方法を採用してもよい。
(発泡体の用途)
発泡体は、クッション性が求められる様々な用途に用いることができる。また、発泡体が粒子である場合に、成形して成形体として用いることができる。
以下に実施例を掲げて、本発明を更に詳しく説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
以下の材料を用意した。
熱可塑性エラストマー(アルケマ社製アミド系エラストマー、「Pebax5533」、MFR:7g/10分(235℃))
熱可塑性エラストマー(アルケマ社製アミド系エラストマー、「Pebax7233」、MFR:4g/10分(235℃))
熱可塑性エラストマー(東レ・デュポン社製「ハイトレル5577」、MFR:1.8g/10分(230℃))
熱可塑性エラストマー(プライムポリマー社製「R110E」、MFR:1.5g/10分(230℃))
ポリオレフィン系樹脂(ボレアリス社製「WB140」、MFR:2.1g/10分(230℃))
(実施例1)
熱可塑性エラストマー(アルケマ社製アミド系エラストマー「Pebax5533」、MFR:7g/10分)95重量部に、ポリテトラフルオロエチレン粉末5重量部を加えて、混合樹脂を作製した。
プラスチック工学研究所社製の口径が30mmの二軸押出機に、混合樹脂を供給して溶融混練した。押出機の温度は200℃に設定し、スクリュー回転数70rpm、吐出量2kg/h、溶融樹脂温度200℃の条件で、二軸押出機先端からストランドで押出した。
押出したストランドを水温30℃の水層に通し、十分冷却した後、ペレタイザーにて裁断し、ペレットを作製した。得られたペレットでは、カット不良はなく、良好であった。
次に、口径が50mmの第一押出機の先端に、口径が65mmの第二押出機を接続したタンデム型押出機を用意した。得られたミニペレを、タンデム型押出機の第一押出機に供給して溶融混練した。第一押出機の途中から発泡剤としてブタンガスを3.0重量部圧入して、溶融状態のペレットとブタンガスを均一に混合混練した上で、発泡剤を含む溶融樹脂組成物を第二押出機に連続的に供給した。
その後、第二押出機の先端に取り付けた金型(φ1.0mm×20孔、ランド長さ3mm)から、吐出量30kg/時間、溶融樹脂温度200℃、第二押出機先端圧力12MPaの条件で樹脂を押出し、押出された直後の発泡樹脂を、水温50℃、カッター回転数3000rpm、カッター押圧3barの水中下で裁断し、発泡粒子(熱可塑性エラストマー発泡体)を得た。
得られた発泡粒子では、カット不良、含着や収縮はなく、良好であった。
(実施例2〜10及び比較例1〜5)
熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の種類及び配合量、並びに、発泡倍率を下記の表1に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、発泡粒子(熱可塑性エラストマー発泡体)を得た。
実施例2〜10で得られた発泡粒子では、カット不良はなく、良好であった。
比較例4及び5では、ポリテトラフルオロエチレン(PTEF)の添加量が多く、溶融混練した際に塊状になり、均一に分散させることができず、樹脂張力の改質ができなかった。さらにポリテトラフルオロエチレンが均一に分散していないため、ペレット間でMFRや溶融張力にバラツキが生じた。ペレットによって、ポリテトラフルオロエチレン量が多い生成物と少ない生成物とができた。そのため、押出機中で樹脂特性が安定せず、発泡体を得ることができなかった。
(評価)
(1)発泡体(発泡粒子)における平均気泡径
発泡粒子の平均気泡径は、次の試験方法にて測定した。発泡粒子を略二等分となるように切断し、切断面を走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製S−3400N又はSU1510)にて20〜100倍に拡大して撮影する。拡大する倍率は、気泡の大きさに応じて適宜調整した。
撮影した画像をA4用紙に印刷し、縦・横方向に任意の一直線上(長さ60mm)にある気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出した。60mm長さ分の気泡数を数えられない場合は、30mm又は20mm分の気泡数を数えて60mm分の気泡数に換算した。ただし任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにした(接してしまう場合は気泡数に含める)。計測は縦・横それぞれ6ヶ所ずつとした。
平均弦長 t(mm)=60/(気泡数×写真の倍率)
そして次式により各方向における気泡径を算出した。
D(mm)=t/0.616
さらにそれらの積の2乗根を平均気泡径とした。
平均気泡径(μm)=1000×(D縦×D横)1/2
(2)発泡体(粒子)におけるPTFEの平均短径
上記発泡体における平均気泡径と同様にして、切断面を走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製S−3400N又はSU1510)を用いて500〜5000倍に拡大して撮影した。撮影した画像をパソコン上に映し、付属のソフトを用いて測長した。
(3)発泡体(発泡粒子)における連続気泡率
発泡粒子の連続気泡率を、以下の方法で測定した。
空気比較式比重計(東京サイエンス社製「空気比較式比重計1000型」)の試料カップを準備した。この試料カップの80%程度を満たす量の発泡粒子の全重量A(g)を測定した。上記発泡粒子全体の体積B(cm)を、空気比較式比重計を用いて1−1/2−1気圧法により測定した。空気比較式比重計は、標準球(大28.9cc 小8.5cc)にて補正を行った。続いて、蓋を閉じた状態で入れた発泡粒子がこぼれることのない金網製の容器を準備した。この金網製の容器を水中に浸漬し、水中に浸漬した状態における金網製の容器の重量C(g)を測定した。次に、この金網製の容器内に上記発泡粒子を全量入れた上で、この金網製の容器を水中に浸漬し、容器を数回振って、容器と発泡粒子とに付着した気泡を除去した。その後、水中に浸漬した状態における金網製の容器とこの金網製の容器に入れた発泡粒子の全量とを併せた重量D(g)を測定した。なお、水中の重量測定に用いる電子天びんは、大和製衡株式会社製「電子天びんHB3000」を用いた。そして、下記式により発泡粒子の見掛け体積E(cm)を算出した。この見掛け体積Eと上記発泡粒子全体の体積B(cm)に基づいて下記式により発泡粒子の連続気泡率を算出することができる。なお、水1gの体積を1cmとし、試験数は5とした。試料は、JIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で16時間状態を調節した後、JIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で測定を行った。
E=A+(C−D)
連続気泡率(%)=100×(E−B)/E
(4)発泡体のクッション性(反発性)
得られた発泡粒子を1日間室温(23℃)に放置した後、圧力容器中に密閉し、圧力容器内を窒素ガスで置換した後、窒素ガスを、含浸圧(ゲージ圧)1.0MPaまで圧入し
た。20℃の環境下に静置し、加圧養生を8時間実施した。得られた発泡粒子を、23mm×300mm×400mmの成形用金型に充填し、0.27MPaの水蒸気にて40秒間加熱を行い、次いで、発泡成形体の最高面圧が0.01MPaに低下するまで冷却することで、発泡成形体を得た。
クッション性を、JIS K6400−3:2011の試験方法に準拠して測定した。具体的には、高分子計器社製のフォーム用反発弾性試験機FR−2型を用い、発泡成形体に対して、500mmの高さより直径5/8インチ、質量16.3gの鋼玉を落下させ、反発最高到達時の高さを読み取った。計5回同様の操作を繰り返し、平均値を採用し、下記式より反発性を算出した。
反発性(%)=100×反発最高到達時の高さ(mm)/500(mm)
(5)樹脂組成物のメルトフローレイト(MFR)
メルトマスフローレイト(MFR)は、東洋精機製作所社製のセミオートメルトインデクサー2Aを用い、JIS K7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載のb)ピストンが所定の距離を移動する時間を測定する方法により測定した。測定条件は試料3〜8g、予熱270秒、ロードホールド30秒、試験温度180℃、試験荷重21.18N、ピストン移動距離(インターバル)4mm又は25mmの条件で測定を行った。試料の試験回数は3回とし、3回の平均をメルトマスフローレイト(g/10min)の値とした。
(6)樹脂組成物の溶融張力(MT)
樹脂組成物の溶融張力は、イタリア チアスト社製のツインボアキャピラリ−レオメ−タ−Rheologic5000Tを用いて測定した。試験温度200℃に加熱された径15mmのバレルに測定試料樹脂を充填後、5分間予熱した。その後、上記測定装置のキャピラリーダイ(口径2.095mm、長さ8mm、流入角度90度(コニカル))からピストン降下速度(0.07730mm/s)を一定に保持して紐状に押出しながら、押出された紐状物を上記キャピラリーダイの下方27cmに位置する張力検出のプーリーに通過させた後、巻取りロールを用いて、その巻取り速度を初速3.94388mm/s、加速度12mm/sで徐々に増加させつつ巻き取っていき、紐状物が切断した点の直前の張力の極大値と極小値の平均を樹脂組成物の溶融張力とした。
詳細及び結果を下記の表1に示す。
また、図1に、本発明の一実施形態に係る熱可塑性エラストマー発泡体の断面SEM(走査型電子顕微鏡)画像を示した。

Claims (14)

  1. 熱可塑性エラストマーと、ポリテトラフルオロエチレンとを含む樹脂組成物の発泡体であり、
    前記熱可塑性エラストマーの連続相中に、前記ポリテトラフルオロエチレンが繊維状に含まれる構造を有し、
    2倍以上、20倍以下の発泡倍率を有し、
    中心部に平均気泡径が10μm以上、200μm以下である気泡を有する、熱可塑性エラストマー発泡体。
  2. 前記発泡体中の前記ポリテトラフルオロエチレンの平均短径が5μm以下である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  3. 前記発泡体中の前記ポリテトラフルオロエチレン全ての短径が10μm以下である、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  4. 表面部に気泡を有し、
    前記発泡体の中心部における平均気泡径と、前記発泡体の表面部における平均気泡径との差の絶対値が、100μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  5. 前記発泡体中の前記熱可塑性エラストマーの含有量の前記発泡体中の前記ポリテトラフルオロエチレンの含有量に対する比が、9以上、999以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  6. 50%以上、95%以下の連続気泡率を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  7. アスペクト比が10以下である粒子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  8. 前記熱可塑性エラストマーが、アミド系エラストマー又はオレフィン系エラストマーである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  9. 非架橋の発泡体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  10. 前記樹脂組成物のメルトフローレイトが、0.5g/10分以上、4.0g/10分以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  11. 前記樹脂組成物がポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  12. 前記発泡体中の前記熱可塑性エラストマーの含有量の前記発泡体中の前記ポリオレフィン系樹脂の含有量に対する比が、1.5以上、19以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法であって、
    前記樹脂組成物を溶融させる溶融工程と、
    溶融した前記樹脂組成物を発泡させて、熱可塑性エラストマー発泡体を得る発泡工程とを備える、熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法。
  14. 前記溶融工程において、溶融している前記樹脂組成物において、前記樹脂組成物中の前記ポリテトラフルオロエチレンをせん断する、請求項13に記載の熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法。
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