JP2018043680A - タイヤ用充填材及びそれを備えたタイヤ - Google Patents

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高野 雅之
Masayuki Takano
雅之 高野
裕一 権藤
Yuichi Gondo
裕一 権藤
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Abstract

【課題】所定の強度、硬度を保持した上で、軽量性に優れるノーパンクタイヤ用の充填材を提供することを課題とする。【解決手段】複数の発泡粒子の融着体からなるタイヤ用充填材であって、前記発泡粒子が、熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含み、前記タイヤ用充填材が、(i)40〜70のアスカーC硬度、(ii)0.03〜0.3g/cm3の密度、(iii)0.8MPa以上の引張り強度、(iv)50%以上の反発係数を有することを特徴とするタイヤ用充填材により課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用充填材及びそれを備えたタイヤに関する。更に詳しくは、本発明は、タイヤ外皮とリムとで形作られる空間に、空気の代わりに充填材を詰めた所謂ノーパンクタイヤと称されるタイヤ及び、このタイヤ用の充填材に関する。
例えば、自転車の一般的なタイヤは、リムと、タイヤ外皮と、リムとタイヤ外皮とで形作られる空間を満たす空気を充填したチューブとを備えている。この一般的なタイヤは、釘のような突起物が刺されば、空気がチューブから抜けるため、容易にパンクするという課題があった。パンクの修理には、タイヤからチューブを取り出し、突起物が刺さったチューブの穴を塞ぎ、チューブをタイヤに戻す、という煩雑な工程が必要であるという課題もあった。
上記課題の解決策として、空気を充填したチューブの代わりに、チューブ状の発泡体を使用することが提案されている。発泡体は、樹脂壁によって区画された複数の気泡から構成されているため、突起物が刺さっても、チューブの空気が全て抜けることがない。チューブ状の発泡体を使用したタイヤは、ノーパンクタイヤと称されている。
ノーパンクタイヤとして、例えば、特許第4392055号公報(特許文献1)、特開2016−120879号公報(特許文献2)に記載されたものが知られている。特許文献1では、タイヤ外皮(タイヤ殻)とリムとで形成される環状空間部に、エラストマーから成形されて両端面が長手方向に対して垂直に形成された直状のチューブ状の充填材を押し込んで、充填材の両端面を互いに反対方向に押し合うように突き合わせたタイヤが提案されている。また、特許文献2では、発泡ウレタン粒子を型内成形することで端部に勘合構造を有するチューブ状の充填材を得、それを押し込んで得られたタイヤが提案されている。
特許第4392055号公報 特開2016−120879号公報
しかし、特許文献1のノーパンクタイヤでは、充填材の弾性及び耐久性の低下を防止する観点から、充填材の発泡倍率が3倍以下が望ましいと規定されている。そのため、タイヤの軽量性に課題があった。
特許文献2のノーパンクタイヤでは、充填材の明確な重量の記載は無い。しかし、充填材に、シューズに用いられている発泡ウレタン粒子の型内成形により得られた充填材を使用することが記載されている。発泡ウレタン粒子から得られた充填材は、所定の強度を保ったまま、密度下げることが困難であり、タイヤの軽量性に課題があった。
本発明の発明者等は、熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含む複数の発泡粒子の融着体からな充填材であれば、所定の強度、硬度を保持した上で、軽量性に優れるノーパンクタイヤ用の充填材を提供できることを見い出し、本発明に至った。
かくして本発明によれば、複数の発泡粒子の融着体からなるタイヤ用充填材であって、
前記発泡粒子が、熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含み、
前記タイヤ用充填材が、
(i)40〜70のアスカーC硬度、
(ii)0.03〜0.3g/cmの密度、
(iii)0.8MPa以上の引張り強度、
(iv)50%以上の反発係数
を有することを特徴とするタイヤ用充填材が提供される。
また、本発明によれば、リムと、タイヤ外皮と、前記リムとタイヤ外皮とから形作られる空間を満たす上記タイヤ用充填材とを備えることを特徴とするタイヤが提供される。
本発明によれば、所定の強度、硬度を保持した上で、軽量性に優れるノーパンクタイヤ用の充填材及びノーパンクタイヤを提供できる。
熱可塑性エラストマーが、アミド系エラストマー、エステル系エラストマー及びオレフィン系エラストマーから選択される場合、所定の強度、硬度を保持した上で、より軽量性に優れるノーパンクタイヤ用の充填材及びノーパンクタイヤを提供できる。
(タイヤ用充填材)
タイヤ用充填材(単に、充填材ともいう)は、複数の発泡粒子の融着体からなる。融着体を構成する発泡粒子の数は、特に限定されず、形成を所望する充填材の形状及び大きさに合わせて適宜設定できる。
(1)タイヤ用充填材の物性
(i)アスカーC硬度
充填材は、40〜70のアスカーC硬度を有する。この範囲のアスカーC硬度を有することで、充填材に適度な耐衝撃性を付与できる。アスカーC硬度が40未満の場合、柔らかすぎて自転車の乗車時に変形してしまうことがある。70より大きい場合、乗り心地が悪くなることがある。アスカーC硬度は、45〜65であることが好ましい。
(ii)密度
充填材は、0.03〜0.3g/cmの密度を有する。この範囲の密度を有することで、耐衝撃性及び回復性と軽量性のバランスの取れた充填材を提供できる。密度が0.03g/cm未満の場合、強度が不足し、走行時の衝撃により破壊することがある。0.3g/cmより大きい場合、軽量性が損なわれることがある。密度は、0.04〜0.15g/cmであることが好ましく、0.05〜0.12g/cmであることがより好ましい。
(iii)引張り強度
充填材は、0.8MPa以上の引張り強度を有する。この範囲の引張り強度を有することで、走行時のリム打ちでも破断しない充填材を提供できる。
(iv)反発係数
充填材は、50%以上の反発係数を有し得る。反発係数が50%よりも低い場合、反発が求められる用途での使用が難しくなる。反発係数は、50〜100%の範囲であってもよい。
(v)圧縮永久歪み
充填材は、20%以下の圧縮永久歪みを有することが好ましい。この範囲の圧縮永久歪を有することで、ノーパンクタイヤに適度な回復性を付与できる。圧縮永久歪が20%より大きい場合、繰り返しの使用により充填材が変形してしまうことがある。圧縮永久歪は、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
(2)基材樹脂
融着体を構成する発泡粒子は、熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含む。熱可塑性エラストマーを含むことで、充填材に適度な耐衝撃性と回復性を付与できる。
熱可塑性エラストマーは、例えば、アミド系エラストマー、エステル系エラストマー及びオレフィン系エラストマーから選択できる。基材樹脂は、アミド系エラストマー、エステル系エラストマー又はオレフィン系エラストマーのみからなっていてもよく、これらエラストマーの混合物であってもよい。
(i)アミド系エラストマー
アミド系エラストマーは、架橋していてもよく、非架橋であってもよい。本明細書において、非架橋とは、発泡体のアルコール系溶媒への不溶なゲル分率が3.0質量%以下のものを意味する。また、架橋とはこのゲル分率が3.0質量%より多いものを意味する。
ここで、アミド系エラストマーのゲル分率は下記の要領で測定される。
発泡体の質量W1を測定する。次に、融点と同温度のトルエン100ミリリットル中に発泡性粒子を24時間に亘って浸漬する。
次に、トルエン中の残渣を80メッシュの金網を用いて濾過し、金網上に残った残渣を130℃にて1時間に亘って乾燥させて、金網上に残った残渣の質量W2を測定し、下記式に基づいて発泡体のゲル分率を算出できる。
ゲル分率(質量%)=W2/W1×100
基材樹脂としては、非架橋のアミド系エラストマーが含まれていることが好ましい。
アミド系エラストマーはビカット軟化温度が55〜170℃であることが好ましい。ビカット軟化温度が55℃を下回ると発泡後に常温に晒された時点で収縮することがある。170℃を超えると所望の発泡倍数への発泡が困難となることがある。ビカット軟化温度は60〜165℃であることがより好ましい。
非架橋のアミド系エラストマーには、ポリアミドブロック(ハードセグメント)とポリエーテルブロック(ソフトセグメント)とを有するコポリマーを使用できる。
ポリアミドブロックとしては、例えば、ポリεカプラミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウラミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリナノメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)等のポリアミド構造が挙げられる。ポリアミドブロックは、これらポリアミド構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリエーテルブロックとしては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリテトラヒドロフラン(PTHF)等のポリエーテル構造が挙げられる。ポリエーテルブロックは、これらポリエーテル構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリアミドブロックとポリエーテルブロックはランダムに分散していてもよい。
ポリアミドブロックの数平均分子量Mnは300〜15000であることが好ましく、600〜5000であることがより好ましい。ポリエーテルブロックの数平均分子量Mnは100〜6000であることが好ましく、200〜3000であることがより好ましい。
アミド系エラストマーには、米国特許第4,331,786号明細書、米国特許第4,115,475号明細書、米国特許第4,195,015号明細書、米国特許第4,839,441号明細書、米国特許第4,864,014号明細書、米国特許第4,230,838号明細書及び米国特許第4,332,920号明細書に記載されたアミド系エラストマーも使用できる。
アミド系エラストマーは、反応性末端を有するポリアミドブロックと反応性末端を有するポリエーテルブロックとの共重縮合で得られるものが好ましい。この共重縮合としては特に下記のものを挙げることができる:
(a)ジアミン鎖端を有するポリアミドブロックとジカルボン酸鎖端を有するポリオキシアルキレンブロックとの共重縮合、
(b)ポリエーテルジオールとよばれる脂肪族ジヒドロキシ化α,ω−ポリオキシアルキレン単位のシアノエチル化及び水素化で得られるジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とジアミン鎖端を有するポリオキシアルキレン単位との共重縮合、
(c)ジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とポリエーテルジオールとの共重縮合(この場合に得られるものを特にポリエーテルエステルアミドとよんでいる)。
ジカルボン酸鎖端を有するポリアミドブロックを与える化合物としては、例えば、α,ω−アミノカルボン酸、ラクタム又はジカルボン酸の連鎖調節剤の存在下でのジカルボン酸とジアミンの縮合で得られる化合物が挙げられる。
(a)の共重縮合の場合、非架橋のアミド系エラストマーは、例えば、ポリエーテルジオールと、ラクタム(又はα,ω−アミノ酸)と、連鎖制限剤のジアシッドとを少量の水の存在下で反応させて得ることができる。非架橋のアミド系エラストマーは、種々の長さのポリエーテルブロックとポリアミドブロックとを有していてもよく、更に各成分がランダムに反応することでポリマー鎖中に分散していてもよい。
上記共重縮合時において、ポリエーテルジオールのブロックはそのまま用いてもよく、その水酸基とカルボキシ末端基を有するポリアミドブロックとを共重合して用いてもよく、その水酸基をアミノ化してポリエーテルジアミンに変換した後にカルボキシ末端基を有するポリアミドブロックと縮合して用いてもよい。また、ポリエーテルジオールのブロックをポリアミド前駆体及び連鎖制限剤と混合して共重縮合させることで、ランダムに分散させたポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを含むポリマーを得ることも可能である。
(ii)エステル系エラストマー
エステル系エラストマーは、所定の強度、硬度を保持した上で、軽量な充填材を与えさえすれば特に限定されない。例えば、ハードセグメントとソフトセグメントとを含むエステル系エラストマーが挙げられる。
ハードセグメントは、例えば、ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分から構成される。
ジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその誘導体に由来する成分が挙げられる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール(例えば、1,4−ブタンジオール)等のC2−10アルキレングリコール、(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール、C5−12シクロアルカンジオール、ビスフェノール類又はこれらのアルキレンオキサイド付加体等が挙げられる。ハードセグメントは、結晶性を有していてもよい。
ソフトセグメントは、ポリエステルタイプ及び/又はポリエーテルタイプのセグメントを使用できる。
ポリエステルタイプのソフトセグメントとしては、ジカルボン酸類(アジピン酸のような脂肪族C4−12ジカルボン酸)とジオール類(1,4−ブタンジオールのようなC2−10アルキレングリコール、エチレングリコールのような(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール)との重縮合体、オキシカルボン酸の重縮合体やラクトン(ε−カプロラクトンのようなC3−12ラクトン)の開環重合体等の脂肪族ポリエステルが挙げられる。ポリエステルタイプのソフトセグメントは、非晶性であってもよい。ソフトセグメントとしてのポリエステルの具体例としては、カプロラクトン重合体、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート等のC2−6アルキレングリコールとC6−12アルカンジカルボン酸とのポリエステルが挙げられる。このポリエステルの数平均分子量は、200〜15000の範囲であってもよく、200〜10000の範囲であってもよく、300〜8000の範囲であってもよい。
ポリエーテルタイプのソフトセグメントとしては、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール)のような脂肪族ポリエーテルに由来するセグメントが挙げられる。ポリエーテルの数平均分子量は、200〜10000の範囲であってもよく、200〜6000の範囲であってもよく、300〜5000の範囲であってもよい。
ソフトセグメントは、脂肪族のポリエステルとポリエーテルとの共重合体(ポリエーテル−ポリエステル)のようなポリエーテル単位を有するポリエステル、ポリオキシアルキレングリコール(例えば、ポリオキシテトラメチレングリコール)のようなポリエーテルと脂肪族ジカルボン酸とのポリエステルに由来するセグメントであってもよい。
ハードセグメントとソフトセグメントとの質量割合は、20:80〜90:10であってもよく、30:70〜85:15であってもよく、40:60〜80:20であってもよく、45:55〜70:30であってもよい。
エステル系エラストマーには、東洋紡社製ペルプレン(PELPLENE)シリーズやバイロン(VYLON)シリーズが好適に使用できる。特に、ペルプレンシリーズを使用することが好ましい。
(iii)オレフィン系エラストマー
オレフィン系エラストマーは、架橋していてもよく、非架橋であってもよい。非架橋とは、発泡体のキシレンへの不溶なゲル分率が3.0質量%以下のものを意味する。また、架橋とはこのゲル分率が3.0質量%より多いものを意味する。
ここで、オレフィン系エラストマーのゲル分率は下記の要領で測定される。
発泡体の質量W1を測定する。次に沸騰キシレン80ミリリットル中に発泡体を3時間還流加熱する。次にキシレン中の残渣を80メッシュの金網を用いてろ過し、金網上に残った残渣を130℃にて1時間に亘って乾燥させて、金網上に残った残渣の質量W2を測定し、下記式に基づいて発泡体のゲル分率を算出できる。
ゲル分率(質量%)=100×W2/W1
基材樹脂としては、非架橋のオレフィン系エラストマーが含まれていることが好ましい。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、鉱物性油非含有下で、発泡体に所定の密度と圧縮永久ひずみを与え得る限り特に限定されない。非架橋のオレフィン系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントとソフトセグメントを組み合わせた構造を有するものが挙げられる。このような構造は、常温でゴム弾性を示し、高温では可塑化され成形可能となるという性質を与える。
例えば、ハードセグメントがポリプロピレン系樹脂であり、ソフトセグメントがポリエチレン系樹脂である非架橋のオレフィン系エラストマーが挙げられる。
前者のポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレンを主成分とする樹脂が使用できる。ポリプロピレンとしては、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック等から選択される立体規則性を有していてもよい。
後者のポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレンを主成分とする樹脂が使用できる。ポリエチレン以外の成分としてはポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンが挙げられる。
非架橋のオレフィン系エラストマーには、軟化剤が含まれていてもよい。軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、トール油、密ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸又はその金属塩、ナフテン酸又はその金属石鹸、パイン油、ロジン又はその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤、ジイソドデシルカーボネート等の炭酸エステル系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油等が挙げられる。中でも石油系軟化剤と炭化水素系合成潤滑油が好ましい。
非架橋のオレフィン系エラストマーとしては、ハードセグメントとなるモノマーとソフトセグメントとなるモノマーの重合を行い、重合反応容器内において直接製造される重合タイプのエラストマー;バンバリーミキサーや二軸押出機等の混練機を用いてハードセグメントとなるポリプロピレン系樹脂と、ソフトセグメントとなるポリエチレン系樹脂とを物理的に分散させて製造されたブレンドタイプのエラストマーが挙げられる。
なお、非架橋のオレフィン系エラストマーは、製造された発泡体のリサイクル性を向上できるという効果も奏する。また、通常のポリオレフィン系樹脂を発泡成形する場合と同様の発泡機での製造が容易である。従って、発泡体をリサイクルし再び発泡機へ供給して発泡成形をする場合でも、ゴム成分の発生による発泡不良を抑制できる。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、フーリエ変換赤外分光(FT−IR)測定において得られた2920±20cm−1の範囲の最大ピーク(A2920cm−1)と1376±20cm−1の範囲の最大ピーク(A1376cm−1)の吸光度比(A2920cm−1/A1376cm−1)が1.20〜10の範囲にあるエラストマーが好適に使用できる。吸光度比が1.20未満の場合、発泡体の硬度が高くなり、柔軟性の低下を招くことがある。10より大きい場合、発泡時の形状保持が困難となり、収縮を招くことがある。より好ましい吸光度比は0.20〜5である。
また、非架橋のオレフィン系エラストマーは、FT−IR測定において得られた2920±20cm−1の範囲の最大ピーク(A2920cm−1)と720±20cm−1の範囲の最大ピーク(A720cm−1)の吸光度比(A2920cm−1/A720cm−1)が0.02〜0.5の範囲にあるエラストマーが好適に使用できる。吸光度比が0.02未満の場合、発泡体の硬度が高くなり、柔軟性の低下を招くことがある。0.5より大きい場合、発泡時の形状保持が困難となり、収縮を招くことがある。より好ましい吸光度比は0.05〜0.4である。
なお、赤外吸収スペクトルから得られる2920cm−1での吸光度A2920cm−1は、オレフィン系エラストマー中のポリメチレン鎖に含まれるメチレン基のC−H伸縮振動に由来する吸収スペクトルに由来する吸収スペクトルに対応しており、1376cm−1での吸光度A1376cm−1は、オレフィン系エラストマー中に含まれる−C−CH部位のC−H対称変角振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度をそれぞれ意味している。従って、この吸光度比を測定すれば、非架橋のオレフィン系エラストマー中のハードセグメントとソフトセグメントとの構成成分とその割合をおおよそ推測できる。また720cm−1での吸光度A720cm−1は、オレフィン系エラストマー中のポリメチレン鎖の骨格振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度である。前記の2920±20cm−1の範囲の最大ピークとの吸光度比を測定することでも、非架橋のオレフィン系エラストマー中のハードセグメントとソフトセグメントとの構成成分とその割合をおおよそ推測できる。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、ショアA硬度が30〜100であることが好ましく、40〜90であることがより好ましい。ショアA硬度は50〜100や60〜90であってもよい。非架橋のポリオレフィン系エラストマーの硬度は、デュロメータ硬さ試験(JIS K6253:97)に準拠して測定される。
また非架橋のオレフィン系エラストマーは、ショアD硬度が10〜70であることが好ましく、20〜60であることがより好ましい。非架橋のポリオレフィン系エラストマーの硬度は、デュロメータ硬さ試験(ASTM D2240:95)に準拠して測定される。
非架橋のポリオレフィン系エラストマーは、融点が80〜180℃であることが好ましく、90〜170℃であることがより好ましい。融点は、例えば、JIS K7121:2012の記載に準拠して測定する。
(iv)他の樹脂
基材樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂は、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってもよい。
(3)製造方法
発泡体は、発泡粒子が型内に複数充填された一対の金型を加熱媒体により加熱成形することで製造できる。例えば、多数の小孔を有する金型により構成された型内に発泡粒子を充填し、加圧水蒸気で発泡粒子を加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させ、一体化させることにより得ることができる。
更に、発泡粒子に不活性ガス又は空気(以下、不活性ガス等と称する)を含浸させて、発泡粒子の発泡力を向上させてもよい。発泡力を向上させることにより、加熱発泡時に発泡粒子同士の融着性が向上し、発泡体は更に優れた発泡性を有する。なお、不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
発泡粒子に不活性ガス等を含浸させる方法としては、例えば、常圧以上の圧力を有する不活性ガス等の雰囲気下に発泡粒子を置くことによって、発泡粒子中に不活性ガス等を含浸させる方法が挙げられる。発泡粒子は、金型内に充填する前に不活性ガス等が含浸されてもよいが、発泡粒子を金型内に充填した後に金型ごと不活性ガス等の雰囲気下に置くことで含浸されてもよい。なお、不活性ガスが窒素である場合、0.1〜2.0MPaの窒素雰囲気中に発泡粒子を20分〜24時間に亘って放置することが好ましい。
発泡粒子に不活性ガスを含浸させた場合、発泡粒子をこのまま、金型内にて加熱、発泡させてもよいが、発泡粒子を金型内に充填する前に加熱、発泡させて、高発泡倍率の発泡粒子とした上で金型内に充填して加熱、発泡させてもよい。このような高発泡倍率の発泡粒子を用いることによって、高発泡倍率の発泡体を得ることができる。
金型に充填される発泡粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程(含浸工程)、発泡性粒子を発泡させる発泡工程を経て得ることができる。
(i)含浸工程
(a)樹脂粒子
樹脂粒子は、公知の製造方法及び製造設備を使用して得ることができる。
例えば、押出機から押し出された樹脂の溶融混練物を、水中カット、ストランドカット等により造粒することによって、樹脂粒子を製造できる。溶融混練時の温度、時間、圧力等は、使用原料及び製造設備に合わせて適宜設定できる。
溶融混練時の押出機内の溶融混練温度は、樹脂が十分に軟化する温度である、170〜250℃が好ましく、200〜230℃がより好ましい。溶融混練温度とは、押出機ヘッド付近の溶融混練物流路の中心部温度を熱伝対式温度計で測定した押出機内部の溶融混練物の温度を意味する。
樹脂粒子の形状は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状である。
樹脂粒子は、その長さをL、平均径をDとした場合のL/Dが0.8〜3であることが好ましい。樹脂粒子のL/Dが0.8未満や3を超えている場合、金型内への充填性が低下することがある。なお、樹脂粒子の長さLは、押出方向の長さをいい、平均径Dは長さLの方向に実質的に直交する樹脂粒子の切断面の直径をいう。
樹脂粒子は、0.5〜3.5mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持力が低下して発泡性が低下することがある。3.5mmより大きい場合、成形型内への充填性が低下することがある。
樹脂粒子には、気泡調整剤が含まれていてもよい。
気泡調整剤としては、重曹クエン酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸塩、無機気泡核剤等が挙げられる。これら気泡調整剤は、複数種組み合わせてもよい。
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸ビスアミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸カルシウムが挙げられる。
無機気泡核剤としては、タルク、珪酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素等が挙げられる。
樹脂粒子は、他に、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等の難燃剤、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等の着色剤等を含んでいてもよい。
(b)発泡性粒子
樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を製造する。なお、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる要領としては、公知の要領を用い得る。例えば、オートクレーブ内に、樹脂粒子、分散剤及び水を供給して撹拌することによって、樹脂粒子を水中に分散させて分散液を製造し、この分散液中に発泡剤を圧入し、樹脂粒子中に発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト等の難水溶性無機物や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような界面活性剤が挙げられる。
発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、空気、窒素、二酸化炭素(炭酸ガス)等の無機ガス;プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素;ハロゲン化炭化水素が挙げられ、無機ガスが好ましい。なお、発泡剤は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
樹脂粒子に含浸させる発泡剤の量は、発泡剤種にもよるが樹脂粒子100質量部に対して、1〜12質量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が1質量部未満であると、発泡力が低くなり、高い発泡倍率では、良好に発泡させ難いことがある。12質量部を超えると、可塑化効果が大きくなりすぎて、発泡時の粘度が低下し、気泡膜の破れが生じやすくなり、収縮が起こりやすくなることがある。より好ましい発泡剤の量は1〜10質量部である。この範囲内であれば、発泡力を十分に高めることができ、高い発泡倍率であっても、より一層良好に発泡させることができる。
樹脂粒子100質量部に対して含浸された発泡剤の含有量(含浸量)は、以下のようにして測定される。
樹脂粒子を圧力容器に入れる前の質量Xgを測定する。圧力容器内で、樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、圧力容器から含浸物を取り出した後の質量Ygを測定する。下記式により、樹脂粒子100質量部に対して含浸された発泡剤の含有量(含浸量)が求められる。
発泡剤の含有量(質量部)=((Y−X)/X)×100
樹脂粒子への発泡剤の含浸温度は、低いと、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがある。また、高いと、樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。含浸温度は、−20〜120℃が好ましく、0〜110℃がより好ましい。発泡助剤(可塑剤)を、発泡剤と併用してもよい。発泡助剤(可塑剤)としては、アジピン酸ジイソブチル、トルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
発泡性粒子の形状は、特に限定されず、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状等が挙げられる。
発泡性粒子は、0.5〜3.5mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持力が低下して発泡性が低下することがある。3.5mmより大きい場合、成形型内への充填性が低下することがある。より好ましくは0.5〜1.5mmである。
(ii)発泡工程
発泡工程では、発泡性粒子を発泡させて、発泡粒子を得ることができれば発泡温度、加熱媒体は特に限定されない。
なお、発泡前に、発泡性粒子の表面に、ポリアミドパウダーや界面活性剤等の合着防止剤、帯電防止剤を塗布してもよい。帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
発泡粒子は、0.01〜0.3g/cmの範囲の嵩密度を有する。嵩密度が0.01g/cmより小さい場合、得られる発泡体に収縮が発生して外観が良好とならずかつ発泡体の機械的強度が低下することがある。0.3g/cmより大きい場合、発泡体の軽量性が低下することがある。
発泡粒子は、20〜320μmの平均気泡径を有することが好ましい。平均気泡径が20μm未満の場合、発泡体が収縮することがある。320μmより大きい場合、成形体の外観の悪化や融着の不良を招くことがある。平均気泡径は20〜200μmであることがより好ましく、40〜150μmであることが更に好ましい。
発泡粒子は、1.5〜10mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が1.5mm未満の場合、成形時の2次発泡性が低下することがある。10mmより大きい場合、加熱発泡により発泡体を作製する際に金型への充填性が低下することがある。平均粒子径は、2〜5mmであることがより好ましい。
(タイヤ)
タイヤは、リムと、タイヤ外皮と、従来空気チューブが位置するリムとタイヤ外皮とから形作られる空間を有している。この空間が上記タイヤ用充填材で満たされる。タイヤは、自転車用、自動車用、自走二輪用、車いす用、ベビーカー用等のタイヤに好適に使用できる。タイヤを構成するリム及びタイヤ外皮には、タイヤの用途に応じた素材、形状等を採用できる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<発泡粒子の平均粒子径>
発泡粒子約50gをロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目開き16.00mm、13.20mm、11.20mm、9.50mm、8.00mm、6.70mm、5.60mm、4.75mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.50mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mmのJIS標準篩で5分間分級する。篩網上の試料質量を測定し、その結果から得られた累積質量分布曲線を元にして累積質量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
<発泡粒子の嵩密度>
まず、発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後、メスシリンダーの底をたたいて試料の見掛け体積(V)cmを一定にし、その質量と体積を測定し、次式に基づいて発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<発泡体の密度>
発泡体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から直径30mm×高さ25mmの円柱形に切り出した試験片をJIS K7100:1999の記号23/50、2級環境下で16時間状態調節したのちに同条件で測定を行なう。試験片の質量は最小目盛り小数点以下3桁まで測定可能な電子天秤にて測定し、試験片の体積は空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社製)を用いて、1−1/2−1気圧法により測定する。試験片の質量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡体の密度(g/cm)を求める。
<アスカーC硬度>
アスカーC硬度はJIS K 7312:1996の試験方法に準拠して測定する。具体的には発泡体を長手方向に厚み10mmになるように切断した試料に対し、アスカーゴム硬度計C型を発泡粒子の融着部に近い領域は避け、垂直に押し当て、1秒後の数値を計測する。その際、測定位置は試料外端より10mm以上内側で計測し、一つの試料に対し5回計測し平均値をアスカーC硬度とする。
<圧縮永久歪>
圧縮永久ひずみ試験(JIS K6767:1999)に準拠して測定する。具体的には発泡体を長手方向に厚み25mmになるように切断した試験片を、圧縮永久歪測定板(高分子計器社製)を用いてJIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で22時間25%圧縮した状態に保ち、圧縮解放後24時間後の試験片厚みを測定し、次式により圧縮永久歪(CS(%))を測定する。
圧縮永久歪率CS(%)={(t0−t1)/t0×100}
t0;試験片の原厚み(mm)
t1;試験片を圧縮装置から取り出し24時間経過した後の厚さ(mm)
<引張り強度>
具体的には発泡体から切り出した縦50mm×横14mm×厚み10mmの試験片を、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間以上かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下にて測定を行なう。測定にはテンシロン万能試験機 UCT−10T(オリエンテック社製)と万能試験機データ処理ソフトUTPS−458X(ソフトブレーン社製)を用いてチャック間距離20mm、試験速度500mm/minの条件で測定を行い、最大点応力を引張り強度とする。
最大点応力は以下の式にて算出される。
T=F/(W・t)
T:最大点応力(MPa)
F:切断にいたるまでの最大荷重(N)
W:試験片の幅(mm)
t:試験片の厚さ(mm)
<反発係数>
JIS K 6400−3:2011に準拠して測定する。反発弾性試験機(高分子計器社製、FR−2)に、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で72時間以上状態調節した、同一の発泡体から切り出した厚み50mmの試料をセットし、500mmの高さ(a)から銅球(φ5/8インチ、16.3g)を自由落下させて、その反発最高到達時の高さ(b)読み取り、式(b)/(a)×100により反発弾性(%)を算出する。ただし、同一試験片を用いて3回測定を行い、これらの中央値を反発弾性とする。
(実施例1)
<樹脂粒子の製造>
まず、結晶性のポリアミド系エラストマー(商品名「Pebax5533」、アルケマ社製)100質量部と気泡調整剤としてエチレンビスステアリン酸アミド(商品名「カオーワックスEB−FF」、花王社製)0.2質量部を口径が65mmの単軸押出機に供給して溶融混練した。なお、単軸押出機内において、ポリアミド系エラストマーを始めは180℃にて溶融混練した後に220℃まで昇温させながら溶融混練した。
続いて、溶融状態のポリアミド系エラストマーを冷却した後、単軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型の各ノズルからポリアミド系エラストマーを押出した。なお、マルチノズル金型は、出口部の直径が0.7mmのノズルを40個有しており、ノズルの出口部は全て、マルチノズル金型の前端面に想定した、直径が139.5mmの仮想円上に等間隔毎に配設されていた。マルチノズル金型は220℃に保持されていた。
そして、回転軸の後端部外周面には、4枚の回転刃が回転軸の周方向に等間隔毎に一体的に設けられており、各回転刃はマルチノズル金型の前端面に常時、接触した状態で仮想円上を移動するように構成されていた。
更に、冷却部材は、正面円形状の前部と、この前部の外周縁から後方に向かって延設されかつ内径が315mmの円筒状の周壁部とからなる冷却ドラムを備えていた。そして、供給管およびドラムの供給口を通じて冷却ドラム内に冷却水が供給されており、周壁部の内面全面には、この内面に沿って20℃の冷却水が前方に向かって螺旋状に流れていた。
そして、マルチノズル金型の前端面に配設した回転刃を3440rpmの回転数で回転させてあり、マルチノズル金型の各ノズルの出口部から押出されたポリアミド系エラストマー押出物を回転刃によって切断して略球状の樹脂粒子を製造した。
なお、樹脂粒子の製造にあたっては、まず、マルチノズル金型に回転軸を取り付けずかつ冷却部材をマルチノズル金型から退避させておいた。この状態で、押出機から樹脂粒子を押出した。次に、マルチノズル金型に回転軸を取り付けかつ冷却部材を所定位置に配設した後、回転軸を回転させ、樹脂粒子をノズルの出口部の開口端において回転刃で切断して樹脂粒子を製造した。
この樹脂粒子は、回転刃による切断応力によって外方あるいは前方に向かって飛ばされ、冷却部材の冷却ドラムの内面に沿って流れている冷却水に衝突して直ちに冷却された。
冷却された樹脂粒子は、冷却ドラムの排出口を通じて冷却水と共に排出された後、脱水機にて冷却水と分離された。得られた樹脂粒子は、粒子の長さが1.2〜1.7mmで、粒子の径が0.8〜0.9mmであった。
<発泡性粒子の作製>
内容積50リットルの耐圧で密閉可能なV型ブレンダーに、得られた樹脂粒子を100質量部、水を3質量部、合着防止剤として炭酸カルシウム0.25質量部を投入、密閉し撹拌させた。撹拌させながらブタンを12質量部圧入した。ブタンを圧入後、器内を60℃に2時間保持した後、30度まで冷却し発泡性粒子を取出した。
<発泡粒子の作製>
発泡性粒子を容積量が50リットルである円筒型バッチ式加圧予備発泡機に投入し、蒸気により加熱することにより発泡粒子を得た。発泡粒子の嵩密度は0.1g/cmであった。
<充填材の作製>
発泡粒子を密閉容器内に入れ、この密閉容器内に窒素を0.5MPaGの圧力で圧入して常温にて16時間に亘って放置して発泡粒子に窒素を含浸した。
発泡粒子を密閉容器から取り出し、直径30mm、高さ400mmの円柱型のキャビティを有する成形型の該キャビティ内に充填し、0.25MPaの水蒸気で35秒間加熱し成形を行い、充填材を得た。
(実施例2)
基材樹脂をPEBAX4533に変更し、発泡成形体の作製における水蒸気圧力を0.14MPaに変更したこと以外は実施例1と同様にして充填材を得た。発泡粒子の嵩密度は0.15g/cmであった。
(実施例3)
基材樹脂をポリブチレンテレフタレート(PBT)をハードセグメント、脂肪族ポリエーテルをソフトセグメントとするエステル系エラストマー(商品名:「ペルプレンGP475」)に変更し、発泡成形体の作製における水蒸気圧力を0.21MPaに変更したこと以外は実施例1と同様にして充填材を得た。
(比較例1)
充填材として市販の型善社製e−コア(スチレン系エラストマー発泡体)を用いた。
Figure 2018043680
表1から、充填材が熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含む発泡粒子の融着体から構成されることで、所定の強度、硬度を保持した上で、軽量性に優れるノーパンクタイヤ用の充填材が得られることが分かる。

Claims (3)

  1. 複数の発泡粒子の融着体からなるタイヤ用充填材であって、
    前記発泡粒子が、熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含み、
    前記タイヤ用充填材が、
    (i)40〜70のアスカーC硬度、
    (ii)0.03〜0.3g/cmの密度、
    (iii)0.8MPa以上の引張り強度、
    (iv)50%以上の反発係数
    を有することを特徴とするタイヤ用充填材。
  2. 前記熱可塑性エラストマーが、アミド系エラストマー、エステル系エラストマー及びオレフィン系エラストマーから選択される請求項1に記載のタイヤ用充填材。
  3. リムと、タイヤ外皮と、前記リムとタイヤ外皮とから形作られる空間を満たす請求項1又は2に記載のタイヤ用充填材とを備えることを特徴とするタイヤ。
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