JP2019044123A - 熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法及び発泡成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法及び発泡成形体の製造方法 Download PDF

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Yuichi Gondo
裕一 権藤
近藤 広隆
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広隆 近藤
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雅之 高野
洵史 山下
Junshi Yamashita
洵史 山下
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Abstract

【課題】内部融着の向上した発泡成形体を得ることができる熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】熱可塑性エラストマー樹脂粒子に容器内で発泡剤を含浸させることで熱可塑性エラストマー発泡性粒子を製造する方法であって、前記含浸が、含浸時の温度に対応する前記発泡剤の飽和蒸気圧を下限とし、前記容器の耐圧を上限とする圧力下で行われることを特徴とする熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法により課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法及び発泡成形体の製造方法に関する。本発明の発泡成形体は、反発性に優れているため、各種建築資材、靴の部材(例えば、インソール部材、ミッドソール部材)、スポーツ用品、緩衝材、シートクッション、自動車部材等の幅広い用途で使用できる。
従来、緩衝材や梱包材として、ポリスチレンを基材樹脂とするポリスチレン発泡成形体が汎用されている。ここで、発泡成形体は、発泡性ポリスチレン粒子のような発泡性粒子を加熱して発泡(予備発泡)させて発泡粒子(予備発泡粒子)を得、得られた発泡粒子を金型のキャビティ内に充填した後、二次発泡させて発泡粒子同士を熱融着により一体化させることで得ることができる。
ポリスチレン発泡成形体は、原料となる単量体がスチレンであるため、剛性は高いものの、反発性が低いことが知られている。そのため、繰り返し圧縮される用途や柔軟性が求められる用途(例えば、スポーツ用品、介護用品)では使用し難いという課題があった。
特開2014−62213号公報(特許文献1)では、基材樹脂としてポリスチレンに代えて熱可塑性ポリウレタンを使用した発泡成形体が提案されている。
特開2014−62213号公報
熱可塑性ポリウレタンは、ポリスチレンよりも高い弾性を有しているため、発泡成形体の反発性を向上できると考えられる。しかし、より反発性を向上させるために、熱可塑性エラストマーを基材樹脂とすることを発明者等は考えた。その発泡成形体を製造するには、一般的に、発泡剤を含浸させる工程、予備発泡させる工程、成形する工程がある。ところが、熱可塑性エラストマーを基材樹脂とする発泡成形体は、高い内部融着を実現することが困難であった。そこで、内部融着の良好な熱可塑性エラストマーを基材樹脂とする発泡成形体の提供が望まれていた。
本発明の発明者等は、内部融着を良好にする方法を種々検討した。その結果、発泡剤の含浸圧力を調整することで得られた気泡微細な構造を有する発泡粒子であれば、内部融着が良好な発泡成形体が得られることを見い出すことで、本発明に至った。
かくして本発明によれば、熱可塑性エラストマー樹脂粒子に容器内で発泡剤を含浸させることで熱可塑性エラストマー発泡性粒子を製造する方法であって、前記含浸が、含浸時の温度に対応する前記発泡剤の飽和蒸気圧を下限とし、前記容器の耐圧を上限とする圧力下で行われることを特徴とする熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記熱可塑性エラストマー発泡性粒子を得る工程と、前記熱可塑性エラストマー発泡性粒子を発泡させて発泡粒子を得る工程と、前記発泡粒子を型内発泡させて発泡成形体を得る工程とを含むことを特徴とする発泡成形体の製造方法が提供される。
本発明によれば、発泡成形体の内部融着を向上し得る気泡微細な発泡粒子を提供できる。また、内部融着の良好な発泡成形体を提供できる。
以下のいずれかの場合、発泡成形体の内部融着をより向上し得る気泡微細な発泡粒子を提供できる。
(1)下限が、発泡剤の蒸気圧曲線における含浸時の温度に対応する圧力より0.02MPa高い圧力である。
(2)発泡剤が、有機発泡剤である。
(3)含浸が、乾式含浸である。
(4)発泡剤が、記熱可塑性エラストマー発泡性粒子100質量部に対して、3〜10質量部含まれる。
(5)熱可塑性エラストマー発泡性粒子が、熱可塑性エラストマー発泡性粒子を水蒸気を用いて発泡させた場合、100μm以下の平均気泡径を有する発泡粒子を与え得る。
発泡剤の蒸気圧曲線である。 実施例1の発泡粒子の断面写真である。 比較例1の発泡粒子の断面写真である。 比較例3の発泡粒子の断面写真である。
(熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法)
熱可塑性エラストマー発泡性粒子(以下、発泡性粒子と称する)は、熱可塑性エラストマー樹脂粒子(以下、樹脂粒子と称する)に容器内で発泡剤を含浸させることで製造できる。この際、発泡性粒子は、含浸が、含浸時の温度に対応する前記発泡剤の飽和蒸気圧を下限とし、容器の耐圧を上限とする圧力下で行われることで製造できる。ここで発泡剤は、縦軸を蒸気圧とし、横軸を含浸時の温度とする蒸気圧曲線で表される性質を有する。
含浸時における容器内の圧力が蒸気圧曲線における含浸時の温度に対応する圧力よりも低い場合、余剰空間分における発泡剤が不足し、効率よく樹脂粒子中へ発泡剤を含浸できないものと発明者等は推測している。そのため、内部に、発泡剤が微分散した発泡性粒子を得ることができず、発泡性粒子から得られた発泡粒子の気泡が大きくなり、その結果、発泡成形体の内部融着が低下するのではないかと推測している。
(1)熱可塑性エラストマー樹脂粒子
樹脂粒子は、熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含む。
(A)基材樹脂
基材樹脂としての熱可塑性エラストマーは、例えば、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、ウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマーから選択できる。基材樹脂は、各種エラストマーのみからなっていてもよく、各エラストマーの混合物であってもよい。
(i)エステル系エラストマー
エステル系エラストマーは、高反発弾性及び低密度を示す発泡成形体を与えさえすれば特に限定されない。例えば、ハードセグメントとソフトセグメントとを含むエステル系エラストマーが挙げられる。
ハードセグメントは、例えば、ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分から構成される。ジカルボン酸成分と、ジカルボン酸成分及びジオール成分との2成分から構成されていてもよい。
ジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその誘導体に由来する成分が挙げられる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール(例えば、1,4−ブタンジオール)等のC2−10アルキレングリコール、(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール、C5−12シクロアルカンジオール、ビスフェノール類又はこれらのアルキレンオキサイド付加体等が挙げられる。ハードセグメントは、結晶性を有していてもよい。
ソフトセグメントは、ポリエステルタイプ及び/又はポリエーテルタイプのセグメントを使用できる。
ポリエステルタイプのソフトセグメントとしては、ジカルボン酸類(アジピン酸のような脂肪族C4−12ジカルボン酸)とジオール類(1,4−ブタンジオールのようなC2−10アルキレングリコール、エチレングリコールのような(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール)との重縮合体、オキシカルボン酸の重縮合体やラクトン(ε−カプロラクトンのようなC3−12ラクトン)の開環重合体等の脂肪族ポリエステルが挙げられる。ポリエステルタイプのソフトセグメントは、非晶性であってもよい。ソフトセグメントとしてのポリエステルの具体例としては、カプロラクトン重合体、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート等のC2−6アルキレングリコールとC6−12アルカンジカルボン酸とのポリエステルが挙げられる。このポリエステルの数平均分子量は、200〜15000の範囲であってもよく、200〜10000の範囲であってもよく、300〜8000の範囲であってもよい。
ポリエーテルタイプのソフトセグメントとしては、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール)のような脂肪族ポリエーテルに由来するセグメントが挙げられる。
ポリエーテルの数平均分子量は、200〜10000の範囲であってもよく、200〜6000の範囲であってもよく、300〜5000の範囲であってもよい。
ソフトセグメントは、脂肪族のポリエステルとポリエーテルとの共重合体(ポリエーテル−ポリエステル)のようなポリエーテル単位を有するポリエステル、ポリオキシアルキレングリコール(例えば、ポリオキシテトラメチレングリコール)のようなポリエーテルと脂肪族ジカルボン酸とのポリエステルに由来するセグメントであってもよい。
ハードセグメントとソフトセグメントとの質量割合は、20:80〜90:10であってもよく、30:70〜90:10であってもよく、30:70〜80:20であってもよく、40:60〜80:20であってもよく、40:60〜75:25であってもよい。
また、ジカルボン酸成分が、テレフタル酸成分とそれ以外のジカルボン酸成分である場合、エステル系エラストマーが、ハードセグメントを30〜80質量%の割合で含み、かつテレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分を5〜30質量%の割合で含んでいてもよい。テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分の割合は5〜25質量%であってもよく、5〜20質量%でもよく、10〜20質量%でもよい。なお、ジカルボン酸成分の割合は、樹脂のNMRスペクトルを定量評価することにより入手できる。
テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分が、イソフタル酸成分であることが好ましい。イソフタル酸成分を含むことで、エラストマーの結晶化度が下がる傾向があり、発泡成形性が向上してより低密度の発泡成形体を得ることができる。
エステル系エラストマーには、東洋紡社製ペルプレン(PELPRENE)シリーズ、バイロン(VYLON)シリーズが好適に使用できる。特に、ペルプレンシリーズを使用することが好ましい。
(ii)アミド系エラストマー
アミド系エラストマーは、架橋していてもよく、非架橋であってもよい。本明細書において、非架橋とは、発泡粒子のアルコール系溶剤への不溶なゲル分率が3.0質量%以下のものを意味する。また、架橋とはこのゲル分率が3.0質量%より多いものを意味する。
ここで、アミド系エラストマー(発泡成形体)のゲル分率は下記の要領で測定される。
発泡成形体の質量W1を測定する。次に、130℃のアルコール系溶剤(例えば、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール)100mL中に発泡成形体を24時間に亘って浸漬する。
次に、アルコール系溶剤の残渣を80メッシュの金網を用いて濾過し、金網上に残った残渣を130℃にて1時間に亘って乾燥させて、金網上に残った残渣の質量W2を測定し、下記式に基づいて発泡成形体のゲル分率を算出できる。
ゲル分率(質量%)=W2/W1×100
基材樹脂としては、非架橋のアミド系エラストマーが含まれていることが好ましい。
アミド系エラストマーはビカット軟化温度が55〜170℃であることが好ましい。ビカット軟化温度が55℃を下回ると発泡後に常温に晒された時点で収縮することがある。170℃を超えると所望の密度への発泡が困難となることがある。ビカット軟化温度は60〜165℃であることがより好ましい。
非架橋のアミド系エラストマーには、ポリアミドブロック(ハードセグメント)とポリエーテルブロック(ソフトセグメント)とを有するコポリマーを使用できる。
ポリアミドブロックとしては、例えば、ポリεカプラミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウラミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリナノメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)等のポリアミド構造が挙げられる。ポリアミドブロックは、これらポリアミド構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリエーテルブロックとしては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリテトラヒドロフラン(PTHF)等のポリエーテル構造が挙げられる。ポリエーテルブロックは、これらポリエーテル構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリアミドブロックとポリエーテルブロックはランダムに分散していてもよい。
ポリアミドブロックの数平均分子量は300〜15000であることが好ましく、600〜5000であることがより好ましい。ポリエーテルブロックの数平均分子量Mnは100〜6000であることが好ましく、200〜3000であることがより好ましい。
非架橋のアミド系エラストマーには、米国特許第4,331,786号明細書、米国特許第4,115,475号明細書、米国特許第4,195,015号明細書、米国特許第4,839,441号明細書、米国特許第4,864,014号明細書、米国特許第4,230,838号明細書及び米国特許第4,332,920号明細書に記載されたアミド系エラストマーも使用できる。
非架橋のアミド系エラストマーは、反応性末端を有するポリアミドブロックと反応性末端を有するポリエーテルブロックとの共重縮合で得られるものが好ましい。この共重縮合としては特に下記のものを挙げることができる:
(a)ジアミン鎖端を有するポリアミドブロックとジカルボン酸鎖端を有するポリオキシアルキレンブロックとの共重縮合、
(b)ポリエーテルジオールとよばれる脂肪族ジヒドロキシ化α,ω−ポリオキシアルキレン単位のシアノエチル化及び水素化で得られるジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とジアミン鎖端を有するポリオキシアルキレン単位との共重縮合、
(c)ジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とポリエーテルジオールとの共重縮合(この場合に得られるものを特にポリエーテルエステルアミドとよんでいる)。
ジカルボン酸鎖端を有するポリアミドブロックを与える化合物としては、例えば、α,ω−アミノカルボン酸、ラクタム又はジカルボン酸の連鎖調節剤の存在下でのジカルボン酸とジアミンの縮合で得られる化合物が挙げられる。
(a)の共重縮合の場合、非架橋のアミド系エラストマーは、例えば、ポリエーテルジオールと、ラクタム(又はα,ω−アミノ酸)と、連鎖制限剤のジアシッドとを少量の水の存在下で反応させて得ることができる。非架橋のアミド系エラストマーは、種々の長さのポリエーテルブロックとポリアミドブロックとを有していてもよく、更に各成分がランダムに反応することでポリマー鎖中に分散していてもよい。
上記共重縮合時において、ポリエーテルジオールのブロックはそのまま用いてもよく、その水酸基とカルボキシ末端基を有するポリアミドブロックとを共重合して用いてもよく、その水酸基をアミノ化してポリエーテルジアミンに変換した後にカルボキシ末端基を有するポリアミドブロックと縮合して用いてもよい。また、ポリエーテルジオールのブロックをポリアミド前駆体及び連鎖制限剤と混合して共重縮合させることで、ランダムに分散させたポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを含むポリマーを得ることも可能である。
(iii)ウレタン系エラストマー
ポリウレタン系エラストマーとしては、例えば、長鎖ポリオール、短鎖グリコール、ジイソシアナート等を原料として、重付加反応により、分子内にウレタン結合を介して得られるエラストマーを使用できる
長鎖ポリオールとしては、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペート)、ポリラクトンジオール、ポリカプロラトンジオール、ポリエナントラクトンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(プロピレングリコール/エチレングリコール)、ポリ(1,6−ヘキサメチレングリコールカーボネート)等が挙げられる。長鎖ポリオールの分子量は100〜10000であってもよく、500〜5000であってもよい。
短鎖グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−キシリレングリコール、ビスフェノールA、ハイドロキノンジエチロールエーテル、フェニレンビス−(β−ヒドロキシエチルエーテル)等が挙げられる。
ジイソシアナートとしては、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、フェニレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナート、o−キシレンジイソシアナート、m−キシレンジイソシアナート、p−キシレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等が挙げられる。
ポリウレタン系エラストマーは、長鎖ポリオールとジイソシアナートでソフトセグメントを、短鎖グリコールとジイソシアナートでハードセグメントを構成していてもよい。
ポリウレタン系エラストマーは、必要に応じて、マレイン化、カルボキシル化、水酸化、エポキシ化、ハロゲン化、スルホン化等の変性処理や、イオウ架橋、過酸化物架橋、金属イオン架橋、電子線架橋、シラン架橋等の架橋処理に付されていてもよい。
ポリウレタン系エラストマーは、成型体としての強靱性や屈曲性の点から、5000〜300000の、10000〜100000の粘度分子量を有していてもよい。
ポリウレタン系エラストマーは、3000〜200000の、5000〜180000の、8000〜150000の数平均分子量を有していてもよい。
(iv)オレフィン系エラストマー
オレフィン系エラストマーは、架橋していてもよく、非架橋であってもよい。非架橋とは、発泡成形体のキシレンへの不溶なゲル分率が3.0質量%以下のものを意味する。また、架橋とはこのゲル分率が3.0質量%より多いものを意味する。
ここで、オレフィン系エラストマー(発泡成形体)のゲル分率は下記の要領で測定される。
発泡成形体の質量W1を測定する。次に沸騰キシレン80ミリリットル中に発泡成形体を3時間還流加熱する。次にキシレン中の残渣を80メッシュの金網を用いてろ過し、金網上に残った残渣を130℃にて1時間に亘って乾燥させて、金網上に残った残渣の質量W2を測定し、下記式に基づいて発泡成形体のゲル分率を算出できる。
ゲル分率(質量%)=W2/W1×100
基材樹脂としては、非架橋のオレフィン系エラストマーが含まれていることが好ましい。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、鉱物性油非含有下で、発泡成形体に所定の密度と圧縮永久ひずみを与え得るものが好ましい。非架橋のオレフィン系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントとソフトセグメントを組み合わせた構造を有するものが挙げられる。このような構造は、常温でゴム弾性を示し、高温では可塑化され成形可能となるという性質を与える。
例えば、ハードセグメントがポリプロピレン系樹脂であり、ソフトセグメントがポリエチレン系樹脂である非架橋のオレフィン系エラストマーが挙げられる。
前者のポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレンを主成分とする樹脂が使用できる。ポリプロピレンとしては、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック等から選択される立体規則性を有していてもよい。
後者のポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレンを主成分とする樹脂が使用できる。ポリエチレン以外の成分としてはポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンが挙げられる。
非架橋のオレフィン系エラストマーには、潤滑油、パラフィン、ヤシ油、ステアリン酸、脂肪酸等の軟化剤が含まれていてもよい。
非架橋のオレフィン系エラストマーとしては、ハードセグメントとなるモノマーとソフトセグメントとなるモノマーの重合を行い、重合反応容器内において直接製造される重合タイプのエラストマー;バンバリーミキサーや二軸押出機等の混練機を用いてハードセグメントとなるポリプロピレン系樹脂と、ソフトセグメントとなるポリエチレン系樹脂とを物理的に分散させて製造されたブレンドタイプのエラストマーが挙げられる。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、ショアA硬度が30〜100であることが好ましく、40〜90であることがより好ましい。非架橋のオレフィン系エラストマーの硬度は、デュロメータ硬さ試験(JIS K6253:97)に準拠して測定される。
また非架橋のオレフィン系エラストマーは、ショアD硬度が10〜70であることが好ましく、20〜60であることがより好ましい。非架橋のオレフィン系エラストマーの硬度は、デュロメータ硬さ試験(ASTM D2240:95)に準拠して測定される。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、融点が80〜180℃であることが好ましく、90〜170℃であることがより好ましい。融点は、例えば、JIS K7121:2012の記載に準拠して測定される。
(B)他の成分
基材樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、アミド系樹脂(エラストマーを除く)、オレフィン系樹脂(エラストマーを除く)、エステル系樹脂(エラストマーを除く)、ウレタン系樹脂(エラストマーを除く)、ポリエーテル樹脂等の他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂は、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってもよい。
基材樹脂には、気泡調整剤が含まれていてもよい。
気泡調整剤としては、重曹クエン酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸塩、無機気泡核剤等が挙げられる。これら気泡調整剤は、複数種組み合わせてもよい。
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸ビスアミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸カルシウムが挙げられる。
無機気泡核剤としては、タルク、珪酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素等が挙げられる。
基材樹脂は、他に、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等の難燃剤、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等の着色剤等を含んでいてもよい。
(C)樹脂粒子の形状
樹脂粒子の形状は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状である。
樹脂粒子は、0.5〜3.5mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持力が低下して発泡性が低下することがある。3.5mmより大きい場合、成形型内への充填性が低下することがある。
樹脂粒子は、その長さをL、平均径をDとした場合のL/Dが0.5〜3であることが好ましい。樹脂粒子のL/Dが0.5未満や3を超えている場合、金型内への充填性が低下することがある。なお、樹脂粒子の長さLは、押出方向の長さをいい、平均径Dは長さLの方向に実質的に直交する樹脂粒子の切断面の直径をいう。
樹脂粒子の平均径Dは0.5〜3.5mmが好ましい。平均径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持性が低下して発泡性粒子の発泡性が低下することがある。3.5mmより大きいと、金型内への発泡粒子の充填性が低下すると共に、板状の発泡成形体を製造する場合に発泡成形体の厚みを薄くできないことがある。
(D)樹脂粒子の製造方法
樹脂粒子は、公知の製造方法及び製造設備を使用して得ることができる。
例えば、押出機から押し出された樹脂の溶融混練物を、水中カット、ストランドカット等により造粒することによって、樹脂粒子を製造できる。溶融混練時の温度、時間、圧力等は、使用原料及び製造設備に合わせて適宜設定できる。
溶融混練時の押出機内の溶融混練温度は、樹脂が十分に軟化する温度である、170〜300℃が好ましく、180〜280℃がより好ましい。溶融混練温度とは、押出機ヘッド付近の溶融混練物流路の中心部温度を熱電対式温度計で測定した押出機内部の溶融混練物の温度を意味する。
(2)発泡剤の含浸工程
樹脂粒子は容器内で発泡剤が含浸されて発泡性粒子となる。
容器は、特に限定されず、例えば、密閉可能なオートクレーブが挙げられる。
発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、空気、窒素、二酸化炭素(炭酸ガス)等の無機発泡剤;プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素;ハロゲン化炭化水素等の有機発泡剤が挙げられ、脂肪族炭化水素、無機発泡剤が好ましい。なお、発泡剤は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
発泡剤の含浸は、気相中で行ってもよく、水性媒体中で行ってもよい。後者の場合、分散剤を用いて水性媒体中に樹脂粒子を分散させてもよい。分散剤としては、特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト等の難水溶性無機物や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような界面活性剤が挙げられる。含浸は、水性媒体が実質的に存在しない気相中で行うことが好ましい。
発泡剤の含浸は、発泡剤の蒸気圧曲線における含浸時の温度に対応する圧力を下限とし、容器の耐圧を上限とする圧力下で行われる。つまり、含浸圧力の下限は、使用する発泡剤の種類に応じて変動し、上限は、使用する容器の種類に応じて変動する。含浸が前記下限である圧力未満で行われた場合、気泡微細な発泡粒子を得ることが困難である。その結果、内部融着の良好な発泡成形体を得ることも困難となる。含浸を前記上限である容器の耐圧より高い圧力下で行うことは安全上不可能である。圧力の下限は、発泡剤の蒸気圧曲線における含浸時の温度に対応する圧力より0.02MPa高い圧力であることがより好ましく、0.03MPa高い圧力であることが更に好ましい。
含浸時の温度は、使用する発泡剤の種類によっても異なるが、通常、有機発泡剤の場合、常温(25℃)〜140℃、無機発泡剤の場合、0〜140℃である。含浸時間は、例えば、0.5〜12時間である。
脂肪族炭化水素を発泡剤として用いる場合、樹脂粒子への発泡剤の含浸時の温度は、低いと樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがある。また、高いと、樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。含浸時の温度は、常温(25℃)〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。発泡助剤(可塑剤)を、発泡剤と併用してもよい。発泡助剤(可塑剤)としては、アジピン酸ジイソブチル、トルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
樹脂粒子に含浸させる発泡剤の量は、樹脂粒子100質量部に対して、1〜12質量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が1質量部未満であると、発泡力が低くなり、高い発泡倍率では、良好に発泡させ難いことがある。12質量部を超えると、気泡膜の破れが生じやすくなり、可塑化効果が大きくなりすぎて、発泡時の粘度が低下しやすくなり、かつ収縮が起こりやすくなる。脂肪族炭化水素を発泡剤として用いる場合、より好ましい発泡剤の量は6〜8質量部である。この範囲内であれば、発泡力を十分に高めることができ、高い発泡倍率であっても、より一層良好に発泡できる。発泡剤の含有量が8質量部以下であると、気泡膜の破れが抑えられ、可塑化効果が大きくなりすぎないために、発泡時の粘度の過度の低下が抑えられ、かつ収縮が抑えられる。
樹脂粒子100質量部に対して含浸された発泡剤の含有量(含浸量)は、以下のようにして測定される。
樹脂粒子を圧力容器に入れる前の質量Xgを測定する。圧力容器内で、樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、圧力容器から含浸物を取り出した後の質量Ygを測定する。下記式により、樹脂粒子100質量部に対して含浸された発泡剤の含有量(含浸量)が求められる。
発泡剤の含有量(質量部)=((Y−X)/X)×100
発泡性粒子は、その発泡性粒子を水蒸気を用いて発泡させた場合、100μm以下の平均気泡径を有する発泡粒子を与え得ることが好ましい。このような平均気泡径を有する発泡粒子は、内部融着の良好な発泡成形体を与え得る。
(発泡成形体の製造方法)
発泡成形体の製造方法は、熱可塑性エラストマー発泡性粒子を得る工程と、熱可塑性エラストマー発泡性粒子を発泡させて発泡粒子を得る工程と、発泡粒子を型内発泡させて発泡成形体を得る工程とを含む。
(1)発泡粒子の製造工程
この工程では、発泡性粒子を発泡させて、発泡粒子を得ることができれば発泡温度、加熱媒体は特に限定されない。
なお、発泡前に、発泡性粒子の表面に、ポリアミドパウダーや界面活性剤等の合着防止剤、帯電防止剤を塗布してもよい。帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
発泡粒子は、0.01〜0.25g/cmの範囲の嵩密度を有することが好ましい。嵩密度が0.01g/cmより小さい場合、得られる発泡成形体に収縮が発生して外観が良好とならずかつ発泡成形体の機械的強度が低下することがある。0.25g/cmより大きい場合、発泡成形体の軽量性が低下することがある。
発泡粒子は、1.5〜15mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が1.5mm未満の場合、成形時の2次発泡性が低下することがある。15mmより大きい場合、加熱発泡により発泡成形体を作製する際に金型への充填性が低下することがある。平均粒子径は、2〜10mmであることがより好ましい。
発泡粒子は、内部融着の良好な発泡成形体を得るために、100μm以下の平均気泡径を有することが好ましい。平均気泡径は、20〜80μmであることがより好ましい。
(2)発泡成形体の製造工程
発泡成形体は、発泡粒子が型内に複数充填された一対の金型を加熱媒体により加熱成形することで製造できる。例えば、多数の小孔を有する金型により構成された型内に発泡粒子を充填し、加圧水蒸気で発泡粒子を加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させ、一体化させることにより得ることができる。
発泡粒子に不活性ガス又は空気(以下、不活性ガス等と称する)を含浸させて、発泡粒子の発泡力を向上させてもよい。発泡力を向上させることにより、加熱発泡時に発泡粒子同士の融着性が向上し、発泡成形体は更に優れた発泡性を有する。なお、不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
発泡粒子に不活性ガス等を含浸させる方法としては、例えば、常圧以上の圧力を有する不活性ガス等の雰囲気下に発泡粒子を置くことによって、発泡粒子中に不活性ガス等を含浸させる方法が挙げられる。発泡粒子は、金型内に充填する前に不活性ガス等が含浸されてもよいが、発泡粒子を金型内に充填した後に金型ごと不活性ガス等の雰囲気下に置くことで含浸されてもよい。なお、不活性ガスが窒素である場合、0.1〜2.0MPa(ゲージ圧)の窒素雰囲気中に発泡粒子を20分〜24時間に亘って放置することが好ましい。
(発泡成形体の用途)
発泡成型体は、各種建築資材、靴の部材(例えば、インソール部材、ミッドソール部材)、スポーツ用品、緩衝材、シートクッション、自動車部材等の幅広い用途で使用できる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<樹脂粒子の長さL及び平均径D>
ノギスを用いて樹脂粒子の長さLと平均径Dを測った。樹脂粒子を製造する際の押出方向の長さをL、押出方向に対して垂直方向の長さを平均径Dとした。
<発泡粒子の嵩密度>
まず、発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後、メスシリンダーの底をたたいて試料の見掛け体積(V)cmを一定にし、その質量と体積を測定し、次式に基づいて発泡粒子の嵩密度を算出した。
嵩密度(g/cm)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<発泡成形体の密度>
発泡成形体の密度はJIS K 7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の求め方」記載の方法で測定した。即ち、100cm以上の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(cm
測定用の試験片は、成形後72時間以上経過した試料から100mm×100mm×元の発泡成形体厚みに切り取り、温度23±2℃、湿度50±5%又は、温度27±2℃、湿度65±5%の雰囲気条件に16時問以上放置したものを使用した。
<蒸気圧曲線>
該当する発泡剤の飽和蒸気圧は各種文献から確認することができる。例えば、ブタンの温度に対する飽和蒸気圧(蒸気圧曲線)は、LPガス技術総論(編者日本LPガス協会 LPガス技術総覧編集委員会、発行者 大沼 正吉、発行所 株式会社 技報堂)から参照できる。更に、該当する温度の飽和蒸気圧が不明な場合は、前後の温度の近似曲線からも大凡で推察することが可能である。
なお、実施例1〜5で使用した発泡剤の蒸気圧曲線、n−ブタン100%の蒸気圧曲線、i−ブタン100%の蒸気圧曲線を図1に示した。
<気泡状態>
発泡性粒子を発泡させた発泡粒子の気泡状態は以下の方法で確認した。
発泡粒子の中心部で略二分割した断面の中心部を日立ハイテクノロジーズ社製「S-3400N」もしくは「SU1510」、走査電子顕微鏡を用いて、20〜150倍に拡大して撮影した。
このとき、顕微鏡画像は、A4用紙に印刷した。
発泡粒子断面の画像のそれぞれに、タテ方向及びヨコ方向に平行な3本の任意の直線(長さ60mm)を描き、任意の直線を各方向6本ずつ描いた。なお、任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにし。接してしまう場合には、この気泡も数に加えた。タテ方向、ヨコ方向の各方向の6本の任意の直線について数えた気泡数Dを算術平均し、各方向の気泡数とした。タテ方向の気泡数をD1、横方向の気泡数をD2とした。気泡数を数えた画像倍率とこの気泡数から気泡の平均弦長tを次式により算出した。
平均弦長t(mm)=60/(気泡数×画像倍率)
画像倍率は画像上のスケールバーを株式会社ミツトヨ製「デジマチックキャリパ」にて1/100mmまで計測し、次式により求めた。
画像倍率=スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)
そして次式により各方向における気泡径を算出した。
気泡径D(mm)=t/0.616
更にそれらの積の2乗根を平均気泡径とした。
平均気泡径(mm)=(D1×D2)1/2
平均気泡径が100μm以下であれば、良好な気泡径(○)とし、101μm以上で不良(△または×)とした。また、不良のなかでも101μm以上150μm以下であれば△とした。
<融着性の評価>
得られた発泡成形体の長辺の約半分付近に、5mm程度の切れ込みを入れて引きちぎった際の破断断面において、粒子界面で破断している割合を算出して、(粒子界面で破断していない粒子)/(全破断粒子)×100の式にて融着率を算出した。
○(良好):40%以上
△(軽微の不良):40%未満20%以上
×(不良):20%未満
とした。
実施例1
エステル系エラストマー(商品名:「ペルプレンGP−475」、東洋紡社製、ハードセグメント:ポリブチレンテレフタレート及びポリブチレンイソフタレート、ソフトセグメント:脂肪族ポリエーテル)100質量部と有機系気泡調整剤(エチレンビスステアリン酸アミド、商品名:「花王ワックスEBFF」、花王社製)0.3質量部を単軸押出機に供給し、180〜280℃で溶融混練した。次に、溶融状態のエステル系エラストマーを冷却して粘度を調整した後、単軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型(直径1.0mmのノズルを8穴有する)の各ノズルから樹脂を押し出し、30〜50℃の水中でカットした。得られた樹脂粒子(ペレット1)は、粒子の長さLが1.1〜1.5mm、粒子の平均径Dが1.1〜1.5mmであった。
内容積150Lの耐圧密閉可能な回転混合機に、樹脂粒子50kg(100重量部)、ポリエチレングリコール(日油社製PEG#300)0.1重量部、水0.25重量部、発泡剤として、ブタン(イソ:ノルマル=3:7)を20重量部投入して回転させた。回転させながら器内を100℃まで昇温させ2時間保持した。2時間経過後、25℃以下まで機内を冷却させ、取り出した後、密閉化の中から、少量ずつ抜き出しただちに発泡させて、発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の断面写真を図2に示す。
100℃まで昇温させた際の、機内の圧力は1.55MPaを示しており、発泡粒子の気泡状態は良好なもの(平均気泡径は42μm)が得られた。なお、発泡剤の100℃での蒸気圧(含浸圧力の下限)は1.50MPaであり、回転混合器の耐圧(含浸圧力の上限)は3.0MPaであった。
得られた発泡粒子を耐圧密閉可能な釜に投入して、空気を釜内の圧力がゲージ圧0.4MPaになるように圧入した後、18時間常温で放置することにより発泡粒子内部に内圧を付与させた。
内圧を付与させた発泡粒子を抜き出した後、水蒸気孔(ベント)を有する300×50×25mm(厚み)の大きさの成形用キャビティ内に充填し、ゲージ圧0.24MPaになるようにキャビティ内に40秒間水蒸気を導入して加熱成形を実施し、冷却した後発泡成形体を取り出した。
得られた発泡粒子の気泡状態は良好であり、発泡成形体の融着性は良好であった。
実施例2
マルチノズル金型(直径1.0mmのノズル)を1.3mmとし、得られた樹脂粒子は、粒子の長さLが1.3〜1.8mm、粒子の平均径Dが1.3〜1.8mmであったこと以外は実施例1と同様に樹脂粒子(ペレット2)を得た。ペレット2を使用し、100℃まで昇温させた際の機内の圧力が1.62MPaであったこと以外は実施例1と同様にして、発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡粒子の気泡状態は良好であり、発泡成形体の融着性は良好であった。
実施例3
ペレット2を使用し、回転混合器への投入量を、樹脂粒子について60kg(100質量部)、発泡剤について15質量部に変更し、100℃まで昇温させた際の機内の圧力が1.54MPaであったこと以外は実施例1と同様にして、発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡粒子の気泡状態は良好であり、発泡成形体の融着性は良好であった。
実施例4
ペレット2を使用し、回転混合器への投入量を、樹脂粒子について60kg(100質量部)、発泡剤について15質量部に変更し、器内温度の昇温を85℃までとし、85℃まで昇温させた際の機内の圧力が1.26MPaであったこと以外は実施例1と同様にして、発泡粒子及び発泡成形体を得た。なお、発泡剤の85℃での蒸気圧(含浸圧力の下限)は1.15MPaであった。
得られた発泡粒子の気泡状態は良好であり、発泡成形体の融着性は良好であった。
実施例5
ペレット2を使用し、器内温度の昇温を85℃までとし、85℃まで昇温させた際の機内の圧力が1.26MPaであったこと以外は実施例1と同様にして、発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡粒子の気泡状態は良好であり、発泡成形体の融着性は良好であった。
比較例1
ペレット1を使用し、回転混合器への発泡剤の投入量を15質量部に変更し、器内温度の昇温を85℃までとし、80℃まで昇温させた際の機内の圧力が1.06MPaであったこと以外は実施例1と同様にして、発泡粒子及び発泡成形体を得た。なお、発泡剤の80℃での蒸気圧(含浸圧力の下限)は1.15MPaであった。得られた発泡粒子の断面写真を図3(平均気泡径は347μm)に示す。
得られた発泡粒子の気泡状態は不良であり、発泡成形体の融着性は不良であった。
比較例2
ペレット1を使用し、回転混合器への発泡剤の投入量を15質量部に変更し、100℃まで昇温させた際の機内の圧力が1.23MPaであったこと以外は実施例1と同様にして、発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡粒子の気泡状態は不良であり、発泡成形体の融着性は不良であった。
比較例3
ペレット2を使用し、回転混合器への発泡剤の投入量を15質量部に変更し、100℃まで昇温させた際の機内の圧力が1.39MPaであったこと以外は実施例1と同様にして、発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡粒子の気泡状態は不良(平均気泡径は121μm)であり、発泡成形体の融着性は軽微の不良であった。得られた発泡粒子の断面写真を図4に示す。
比較例4
ペレット2を使用し、回転混合器への発泡剤の投入量を13質量部に変更し、100℃まで昇温させた際の機内の圧力が1.41MPaであったこと以外は実施例1と同様にして、発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡粒子の気泡状態は不良であり、発泡成形体の融着性は軽微の不良であった。
比較例5
ペレット2を使用し、回転混合器への発泡剤の投入量を10質量部に変更し、100℃まで昇温させた際の機内の圧力が0.93MPaであったこと以外は実施例1と同様にして、発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡粒子の気泡状態は不良であり、発泡成形体の融着性は不良であった。
実施例及び比較例の製造条件及び結果を表1に示す。
実施例1〜5より、含浸を、発泡剤の蒸気圧曲線における含浸時の温度に対応する圧力を下限とし、前記容器の耐圧を上限とする圧力下で行うことで、内部融着の向上した発泡成形体が得られることが分かった。

Claims (8)

  1. 熱可塑性エラストマー樹脂粒子に容器内で発泡剤を含浸させることで熱可塑性エラストマー発泡性粒子を製造する方法であって、前記含浸が、含浸時の温度に対応する前記発泡剤の飽和蒸気圧を下限とし、前記容器の耐圧を上限とする圧力下で行われることを特徴とする熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法。
  2. 前記下限が、前記発泡剤の蒸気圧曲線における含浸時の温度に対応する圧力より0.02MPa高い圧力である請求項1に記載の熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法。
  3. 前記発泡剤が、有機発泡剤である請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法。
  4. 前記含浸が、乾式含浸である請求項1〜3のいずれか1つに記載の熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法。
  5. 前記発泡剤が、前記熱可塑性エラストマー発泡性粒子100質量部に対して、3〜10質量部含まれる請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法。
  6. 前記熱可塑性エラストマー発泡性粒子が、該熱可塑性エラストマー発泡性粒子を水蒸気を用いて発泡させた場合、100μm以下の平均気泡径を有する発泡粒子を与え得る請求項1〜5のいずれか1つに記載の熱可塑性エラストマー発泡性粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の製造方法により熱可塑性エラストマー発泡性粒子を得る工程と、前記熱可塑性エラストマー発泡性粒子を発泡させて発泡粒子を得る工程と、前記発泡粒子を型内発泡させて発泡成形体を得る工程とを含むことを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  8. 前記発泡成形体が、建築資材、靴の部材、スポーツ用品、緩衝材、シートクッション又は自動車部材として用いられる請求項1〜7のいずれか1つに記載の発泡成形体の製造方法。
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