JP6472405B2 - オレフィン系エラストマー樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents

オレフィン系エラストマー樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン系エラストマー樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、柔軟性及び回復性に優れた発泡成形体の製造に使用され、高発泡が可能でガス含浸量が少ない状態でも発泡可能なオレフィン系エラストマー樹脂粒子、発泡性粒子、柔軟性及び回復性に優れた発泡成形体を与える発泡粒子、及び柔軟性及び回復性に優れた発泡成形体に関する。
従来、緩衝材や梱包材として、ポリスチレン、ポリプロピレン等からなる発泡成形体が汎用されている。ここで、発泡成形体は、発泡性粒子を加熱して発泡(予備発泡)させて発泡粒子(予備発泡粒子)を得、得られた発泡粒子を金型のキャビティ内に充填した後、二次発泡させて発泡粒子同士を熱融着により一体化させることで得ることができる。
ポリスチレン、ポリプロピレン等からなる発泡成形体は、繰り返し圧縮される用途や柔軟性が求められる用途(例えば、クッションやシート芯材)では使用し難いという課題があった。そのため、より軽量で、柔軟で、圧縮永久歪の小さな、回復性に優れる成形体が求められていた。
上記求めに応じて、特開2011−132356号公報(特許文献1)には、オレフィン系樹脂、熱可塑性エラストマー及び鉱物性油を含む発泡粒子を用いた発泡成形体が提案されている。
特開2011−132356号公報
熱可塑性エラストマーは、ガスの逸散性が高いため、含浸後の発泡可能な時間が短く、かつ高倍化が困難であるという課題が特許文献1にはあった。更に、優れた外観を有する発泡成形体を提供することも求められていた。
本発明の発明者等は、樹脂粒子が特定構成のボイドを含むことで、ボイドが発泡の起点となり、物理発泡剤含浸後の発泡性粒子の発泡可能な時間が長く、優れた外観の高発泡な発泡粒子及び発泡成形体を提供できることを見い出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする樹脂粒子であり、前記樹脂粒子が、その断面の70倍の拡大写真において、10μm以上の最大径を有するボイドを5〜90個備え
前記10μm以上の最大径を有するボイドが、前記樹脂粒子の断面の70倍の拡大写真において、前記樹脂粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に25個数%以上含まれることを特徴とするオレフィン系エラストマー樹脂粒子が提供される。
更に、本発明によれば、非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とし、物理発泡剤を含む発泡性粒子であり、前記発泡性粒子が、その断面の70倍の拡大写真において、10μm以上の最大径を有するボイドを5〜90個備え
前記10μm以上の最大径を有するボイドが、前記樹脂粒子の断面の70倍の拡大写真において、前記樹脂粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に25個数%以上含まれることを特徴とする発泡性粒子が提供される。
また、本発明によれば、非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする発泡粒子であり、前記発泡粒子は、その断面の30倍の拡大写真において、
前記発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に位置する気泡の平均気泡径をV(core)とし、前記発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円の外から発泡粒子の壁面までの間に位置する気泡の平均気泡径をV(out)とすると、
V(core)>V(out)
の関係を満足する気泡構造を有することを特徴とする発泡粒子が提供される。
更に、本発明によれば、非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする融着発泡粒子から構成された発泡成形体であり、前記融着発泡粒子は、その断面の30倍の拡大写真において、
前記融着発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に位置する気泡の平均気泡径をV(core)とし、前記融着発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円の外から発泡粒子の壁面までの間に位置する気泡の平均気泡径をV(out)とすると、
V(core)>V(out)
の関係を満足する気泡構造を有することを特徴とする発泡成形体が提供される。
本発明のオレフィン系エラストマー樹脂粒子は、特定のボイド数を有しているので、高発泡が可能である。また、物理発泡剤含浸後の発泡性粒子の発泡可能な時間が長いため、ガス含浸量が少ない発泡性粒子を用いた場合においても、高発泡な発泡粒子を提供することができる。更に、気泡径が揃った気泡から構成される高発泡な発泡粒子及び発泡成形体を提供できるため、発泡成形体の外観の美麗性を向上できる。
また、以下のいずれかの場合、より外観の美麗性が向上した高発泡な発泡成形体を製造可能な樹脂粒子を提供できる。
(1)樹脂粒子が、その断面の70倍の拡大写真において、10μm以上の最大径を有するボイドの合計面積が400〜450000μmの面積を示す
(2)10μm以上の最大径を有するボイドが、樹脂粒子の断面の70倍の拡大写真において、樹脂粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に25個数%以上含まれる。
(3)非架橋のオレフィン系エラストマーは、FT−IR測定において得られた2920±20cm−1の範囲の最大ピーク(A2920cm−1)と1376±20cm−1の範囲の最大ピーク(A1376cm−1)の吸光度比(A2920cm−1/A1376cm−1)が1.20〜10の範囲にある及び/又はFT−IR測定において得られた1376±20cm−1の範囲の最大ピーク(A1376cm−1)と720±20cm−1の範囲の最大ピーク(A720cm−1)の吸光度比(A720cm−1/A1376cm−1)が0.02〜0.5の範囲にあるエラストマーである。
実施例1で使用した非架橋のオレフィン系エラストマーのFT−IRスペクトルである。 粒子のボイドの合計面積及び個数の測定法を説明する図である。 発泡粒子の平均気泡径の測定法を説明する図である 比較例1の樹脂粒子の断面写真である。 比較例1の発泡粒子の断面写真である。 比較例1の発泡成形体の断面写真である。 比較例2の樹脂粒子の断面写真である。 比較例2の発泡粒子の断面写真である。 比較例2の発泡成形体の断面写真である。 実施例1の樹脂粒子の断面写真である。 実施例1の発泡粒子の断面写真である 実施例1の発泡成形体の断面写真である。 実施例2の樹脂粒子の断面写真である。 実施例2の発泡粒子の断面写真である。 実施例2の発泡成形体の断面写真である。 比較例3の樹脂粒子の断面写真である。 比較例5の樹脂粒子の断面写真である。 比較例5の発泡粒子の断面写真である。 比較例5の発泡成形体の断面写真である。 実施例3の樹脂粒子の断面写真である。 実施例3の発泡粒子の断面写真である。 実施例3の発泡成形体の断面写真である。 実施例5の発泡粒子の断面写真である。 実施例5の発泡成形体の断面写真である。
(オレフィン系エラストマー樹脂粒子)
オレフィン系エラストマー樹脂粒子(以下、樹脂粒子ともいう)は、非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする。本明細書において、非架橋とは、キシレンのような溶解可能な有機溶剤に不溶なゲル分率が3.0質量%以下であることを意味する。ゲル分率は以下のように測定した値である。
樹脂粒子の質量W1を測定する。次に沸騰キシレン80ミリリットル中に樹脂粒子を3時間還流加熱する。次にキシレン中の残渣を80メッシュの金網を用いてろ過し、金網上に残った残渣を130℃にて1時間に亘って乾燥させて、金網上に残った残渣の質量W2を測定し、下記式に基づいて樹脂粒子のゲル分率を算出することができる。
ゲル分率(質量%)=100×W2/W1
(1)非架橋のオレフィン系エラストマー
非架橋のオレフィン系エラストマーは、所定のボイドを与え得る限り特に限定されない。非架橋のオレフィン系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントとソフトセグメントを組み合わせた構造を有するものが挙げられる。このような構造は、常温でゴム弾性を示し、高温では可塑化され成形可能となるという性質を与える。
例えば、ハードセグメントがポリプロピレン系樹脂であり、ソフトセグメントがポリエチレン系樹脂である非架橋のオレフィン系エラストマーが挙げられる。
前者のポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレンを主成分とする樹脂が使用できる。ポリプロピレンとしては、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック等から選択される立体規則性を有していてもよい。
後者のポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレンを主成分とする樹脂が使用できる。ポリエチレン以外の成分としてはポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンが挙げられる。
非架橋のオレフィン系エラストマーには、軟化剤が含まれていてもよい。軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、トール油、密ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸又はその金属塩、ナフテン酸又はその金属石鹸、パイン油、ロジン又はその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤、ジイソドデシルカーボネート等の炭酸エステル系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油等が挙げられる。中でも石油系軟化剤と炭化水素系合成潤滑油が好ましい。
非架橋のオレフィン系エラストマーとしては、ハードセグメントとなるモノマーとソフトセグメントとなるモノマーの重合を行い、重合反応容器内において直接製造される重合タイプのエラストマー;バンバリーミキサーや二軸押出機等の混練機を用いてハードセグメントとなるポリプロピレン系樹脂と、ソフトセグメントとなるポリエチレン系樹脂とを物理的に分散させて製造されたブレンドタイプのエラストマーが挙げられる。
なお、非架橋のオレフィン系エラストマーは、製造された発泡成形体のリサイクル性を向上できるという効果も奏する。また、通常のポリオレフィン系樹脂を発泡成形する場合と同様の発泡機での製造が容易である。従って、発泡成形体をリサイクルし再び発泡機へ供給して発泡成形をする場合でも、ゴム成分の発生による発泡不良を抑制できる。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、フーリエ変換赤外分光(FT−IR)測定において得られた2920±20cm−1の範囲の最大ピーク(A2920cm−1)と1376±20cm−1の範囲の最大ピーク(A1376cm−1)の吸光度比(A2920cm−1/A1376cm−1)が1.20〜10の範囲にあるエラストマーが好適に使用できる。吸光度比が1.20未満の場合、発泡成形体の硬度が高くなり、柔軟性の低下を招くことがある。10より大きい場合、発泡時の形状保持が困難となり、収縮を招くことがある。より好ましい吸光度比は1.30〜5である。
また、非架橋のオレフィン系エラストマーは、FT−IR測定において得られた1376±20cm−1の範囲の最大ピーク(A1376cm−1)と720±20cm−1の範囲の最大ピーク(A720cm−1)の吸光度比(A720cm−1/A1376cm−1)が0.02〜0.5の範囲にあるエラストマーが好適に使用できる。吸光度比が0.02未満の場合、発泡成形体の硬度が高くなり、柔軟性の低下を招くことがある。0.5より大きい場合、発泡時の形状保持が困難となり、収縮を招くことがある。より好ましい吸光度比は0.05〜0.4である。
なお、赤外吸収スペクトルから得られる2920cm−1での吸光度A2920cm−1は、オレフィン系エラストマー中のポリメチレン鎖に含まれるメチレン基のC-H伸縮振動に由来する吸収スペクトルに由来する吸収スペクトルに対応しており、1376cm−1での吸光度A1376cm−1は、オレフィン系エラストマー中に含まれる−C-CH3部位のC-H3対称変角振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度をそれぞれ意味している。従って、この吸光度比を測定すれば、非架橋のオレフィン系エラストマー中のハードセグメントとソフトセグメントとの構成成分とその割合をおおよそ推測できる。また720cm−1での吸光度A720cm−1は、オレフィン系エラストマー中のポリメチレン鎖の骨格振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度である。前記の2920±20cm−1の範囲の最大ピークとの吸光度比を測定することでも、非架橋のオレフィン系エラストマー中のハードセグメントとソフトセグメントとの構成成分とその割合をおおよそ推測できる。
非架橋のポリオレフィン系エラストマーは、融点が80〜180℃であることが好ましく、90〜170℃であることがより好ましい。
非架橋のポリオレフィン系エラストマーには、プライムポリマー社製のTPOシリーズ(例えば、品番R110E、R110MP、T310E及びM142E)を使用できる。
上記TPOシリーズのエラストマーのGPCチャートは、単一のピークを示している。このことは、TPOシリーズのエラストマーが、複数のポリマーの混合物ではなく、実質的に単一のポリマーからなることを示唆していると推察できる。
なお、GPCチャートから各種平均分子量が得られる。R110Eの数平均分子量Mnは約14万、質量平均分子量Mwは約45万であり、R110MPのMnは約13万、Mwは約38万であり、T310EのMnは約13万、Mwは約44万であり、M142EのMnは約9万、Mwは約30万である。
基材樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲で、非架橋のオレフィン系エラストマー以外に、架橋オレフィン系エラストマーのような他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂は、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってもよい。
樹脂粒子の形状は、特に限定されず、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状等が挙げられる。
樹脂粒子は、0.5〜8.0mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が0.5mm未満の場合、発泡性粒子とした場合のガス保持性が低くなるため、発泡することが困難なことがある。8.0mmより大きい場合、発泡させた際、内部まで熱が伝わらないため、融着発泡粒子に有芯が生じてしまうことがある。より好ましい平均粒子径は、1.0〜6.0mmである。
本発明においては、非架橋のオレフィン系エラストマー樹脂からなる小粒子をマイクロペレットとも称する。また、必要に応じて、タルク等の気泡調整剤をマイクロペレットに添加することもできる。
(2)ボイド
樹脂粒子は、その断面の70倍の拡大写真において、10μm以上の最大径を有するボイド(以下、最大径ボイドと称する)を5〜90個備えている。なお、最大径とは、ボイドの最大の直径を示す。
最大径ボイドの数が5個未満の場合、発泡倍率を上げることができないことがある。90個より多い場合、発泡時に気泡が破泡し、発泡倍数が上がらないことがある。最大径ボイドの数は5〜90個であることが好ましい。
最大径ボイドの合計面積は、400〜450000μmであることが好ましい。最大径ボイドの合計面積が400μm未満の場合、発泡倍率を上げることができないことがある。450000μmより大きい場合、発泡時に気泡が破泡し、発泡倍数が上がらないことがある。
最大径ボイドは、樹脂粒子の断面の70倍の拡大写真において、樹脂粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に10個数%以上含まれることが好ましい(この個数%を偏在割合と称する)。つまり、最大径ボイドは、樹脂粒子の中心領域に偏在していることが好ましい。偏在することで、発泡成形体の機械強度が安定するという利点がある。偏在割合は10個数%以上であることがより好ましく、20個数%以上であることが更に好ましく、25個数%以上であることが特に好ましい。
(3)他の添加剤
樹脂粒子には、気泡調整剤が含まれていることが好ましい。特に、化学気泡剤としての役割も果たす気泡調整剤が上記ボイドの形成に有効に寄与するために好ましい。
化学気泡剤としての役割も果たす気泡調整剤としては、重曹クエン酸、炭酸水素ナトリウム、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾジカルボンアミド等が挙げられる。この気泡調整剤の含有量は、基材樹脂100重量部に対して、0.005〜1.8重量部であることが好ましく、0.01〜1.7重量部であることがより好ましい。
化学気泡剤としての役割を果たさない気泡調整剤としては、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸塩、無機気泡核剤等が挙げられる。これら気泡調整剤は、複数種組み合わせてもよい。
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸ビスアミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸カルシウムが挙げられる。
無機気泡核剤としては、タルク、珪酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素等が挙げられる。
樹脂粒子は、他に、難燃剤、着色剤、合着防止剤、帯電防止剤、展着剤、可塑剤、難燃助剤、架橋剤、充填剤、滑剤等を含んでいてもよい。
難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等が挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等が挙げられる。
合着防止剤としては、タルク、炭酸カルシウム、及び水酸化アルミニウム等が挙げられる。ジンクステアレートのような粉末状金属石鹸類も挙げられる。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、及びシリコンオイル等が挙げられる。
(4)樹脂粒子の製造方法
樹脂粒子は、公知の製造方法及び製造設備を使用して得ることができる。ここで、ボイドの数の調整は、例えば、樹脂への化学気泡剤等の添加量の調整により行うことができる。
例えば、押出機を使用して非架橋のオレフィン系エラストマー樹脂を溶融混練し、次いで押出、水中カット、ストランドカット等により造粒することによって、樹脂粒子を製造できる。溶融混練時の温度、時間、圧力等は、使用原料及び製造設備に合わせて適宜設定できる。
溶融混練時の押出機内の溶融混練温度は、非架橋のオレフィン系エラストマーが十分に軟化する温度である、170〜250℃が好ましく、200〜230℃がより好ましい。溶融混練温度とは、押出機ヘッド付近の溶融混練物流路の中心部温度を熱伝対式温度計で測定した押出機内部の溶融混練物の温度を意味する。
(発泡性粒子)
発泡性粒子は、非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とし、物理発泡剤を含む。また、発泡性粒子は、その断面の70倍の拡大写真において、10μm以上の最大径を有するボイドを5〜90個備えている。
発泡性粒子を構成する基材樹脂、発泡性粒子の形状、発泡性粒子に含みうる添加剤等は、樹脂粒子と同様である。発泡性粒子のボイド数等は、樹脂粒子のボイド数等とほぼ変化がないと発明者等は考えている。
(1)物理発泡剤
物理発泡剤は有機ガスであってもよく、無機ガスであってもよい。無機ガスとしては、空気、窒素及び二酸化炭素(炭酸ガス)等がある。有機ガスとしてはプロタン、ブタン、ペンタン等の炭化水素、フッ素系発泡剤が挙げられる。物理発泡剤は、炭酸ガスであることが好ましい。上記物理発泡剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
基材樹脂に含まれる物理発泡剤の量は、基材樹脂100質量部に対して、1.0〜9.0質量部であることが好ましい。1.0質量部未満であると、発泡力が低くなり、高い発泡倍率では、良好に発泡させることが困難である。物理発泡剤の含有量が9.0質量部を超えると、気泡膜の破れが生じやすくなり、可塑化効果が大きくなりすぎて、発泡時の粘度が低下しやすくなり、かつ収縮が起こりやすくなる。より好ましい物理発泡剤の量は1.2〜8.0質量部である。この範囲内であれば、発泡力を十分に高めることができ、高い発泡倍率であっても、より一層良好に発泡させることができる。
発泡性粒子100質量部に対して含浸された物理発泡剤の含有量(含浸量)は、以下のようにして測定される。
発泡性粒子製造用の樹脂粒子を圧力容器に入れる前の質量Xgを測定する。圧力容器内で、樹脂粒子に物理発泡剤を含浸させた後、圧力容器から含浸物を取り出した後の質量Ygを測定する。下記式により、樹脂粒子100質量部に対して含浸された物理発泡剤の含有量(含浸量)が求められる。
物理発泡剤の含有量(質量部)=((Y−X)/X)×100
(2)発泡性粒子の製造方法
発泡性粒子は、樹脂粒子に物理発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程(含浸工程)を経て得ることができる。
樹脂粒子に物理発泡剤を含浸させる方法としては、公知の方法を用い得る。例えば、オートクレーブ内に、樹脂粒子、分散剤及び水を供給して撹拌することによって、樹脂粒子を水中に分散させて分散液を製造し、この分散液中に物理発泡剤を圧入し、樹脂粒子中に物理発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、酸化マグネシウム等の難水溶性無機物や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような界面活性剤が挙げられる。
樹脂粒子への物理発泡剤の含浸温度は、低いと、樹脂粒子に物理発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがある。また、高いと、樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。含浸温度は、−20〜120℃が好ましく、−15〜110℃がより好ましい。発泡助剤(可塑剤)を、物理発泡剤と併用してもよい。発泡助剤(可塑剤)としては、アジピン酸ジイソブチル、トルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
(発泡粒子)
発泡粒子は、非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする。ここでの非架橋のオレフィン系エラストマーには、上記樹脂粒子の説明で挙げた非架橋のオレフィン系エラストマーを使用できる。
(a)形状
発泡粒子は、その断面の30倍の拡大写真において、
発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に位置する気泡の平均気泡径をV(core)とし、発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円の外から発泡粒子の壁面までの間に位置する気泡の平均気泡径をV(out)とすると、
V(core)>V(out)
の関係を満足する気泡構造を有している。
V(core)がV(out)と等しい又は小さい場合、発泡成形体の倍数が低下することがある。V(core)とV(out)は、0.9V(core)>V(out)の関係を満足することが好ましい。
発泡粒子は、0.015〜0.2g/cmの範囲の嵩密度を有することが好ましい。嵩密度が0.015g/cm未満の場合、得られる発泡成形体に収縮が発生して外観が良好とならずかつ発泡成形体の機械的強度が低下することがある。0.2g/cmより大きい場合、発泡成形体の軽量性が低下することがある。嵩密度は0.015〜0.2g/cmであることがより好ましく、0.03〜0.15g/cmであることが更に好ましく、0.03〜0.10g/cmであることが特に好ましい。
発泡粒子の形状は、特に限定されず、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状等が挙げられる。
発泡粒子は、1.0〜15mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が1.0mm未満の場合、発泡粒子の製造自体が困難でありかつ製造コストが増大することがある。15mmより大きい場合、型内成形により発泡成形体を作製する際に金型への充填性が低下することがある。
発泡粒子は、クッションの充填材ではそのまま使用でき、また型内発泡させるための発泡成形体の原料として使用できる。発泡成形体の原料として用いられる場合、通常、発泡粒子を「予備発泡粒子」と称し、それを得るための発泡を「予備発泡」と称する。
(b)製造方法
発泡粒子は、発泡性粒子を発泡させる工程(発泡工程)を経て得ることができる。
発泡工程では、発泡性粒子を発泡させて、発泡粒子を得ることができれば発泡温度、加熱媒体は特に限定されない。
発泡工程において、発泡性粒子に、無機系の合着防止剤を添加することが好ましい。無機成分としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物粒子が挙げられる。発泡性粒子100質量部に対して、無機系の合着防止剤の添加量は好ましくは0.03質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、好ましくは0.2質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
高圧蒸気下で発泡を行う場合には、有機系の合着防止剤を用いると、発泡時に溶融してしまい、十分な効果が得られ難い。一方、炭酸カルシウムのような無機系の合着防止剤は、高圧蒸気加熱下でも十分な合着防止効果を有する。
無機系の合着防止剤の粒子径は、好ましくは5μm以下である。無機系の合着防止剤の粒子径の最小値は、0.01μm程度である。無機系の合着防止剤の粒子径が上限以下であると、無機系の合着防止剤の添加量を少なくすることができ、無機系の合着防止剤が後の成形工程に悪影響(阻害)を与えにくくなる。
なお、発泡前に、樹脂粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛のような粉末状金属石鹸類、炭酸カルシウム及び水酸化アルミニウムを塗布してもよい。この塗布により、発泡工程における樹脂粒子同士の結合を減少できる。また、帯電防止剤、展着剤等の表面処理剤を塗布してもよい。
(発泡成形体)
発泡成形体は、非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする融着発泡粒子から構成される。ここでの非架橋のオレフィン系エラストマーには、上記樹脂粒子の説明で挙げた非架橋のオレフィン系エラストマーを使用できる。
(a)物性
融着発泡粒子は、その断面の30倍の拡大写真において、
融着発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に位置する気泡の平均気泡径をV(core)とし、融着発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円の外から発泡粒子の壁面までの間に位置する気泡の平均気泡径をV(out)とすると、
V(core)>V(out)
の関係を満足する気泡構造を有している。
V(core)がV(out)と等しい又は小さい場合、発泡成形体の倍数が低下することがある。V(core)とV(out)は、0.9V(core)>V(out)の関係を満足することが好ましい。
発泡成形体は、0.015〜0.5g/cmの密度を有するのが好ましい。この範囲であれば、柔軟性と回復性とを良好なバランスで両立できる。密度は0.03〜0.2g/cmでもよい。
(b)製造方法
発泡成形体は、発泡粒子を型内成形させて得られ、複数の発泡粒子の融着体から構成される。例えば、多数の小孔を有する閉鎖金型内に発泡粒子を充填し、加圧水蒸気で発泡粒子を加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させ、一体化させることにより得ることができる。その際、例えば、金型内への発泡粒子の充填量を調整する等して、発泡成形体の密度を調整できる。
更に、発泡粒子に不活性ガス又は空気(以下、不活性ガス等と称する)を含浸させて、発泡粒子の発泡力を向上させてもよい。発泡力を向上させることにより、型内成形時に発泡粒子同士の融着性が向上し、発泡成形体は更に優れた機械的強度を有する。なお、不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
発泡粒子に不活性ガス等を含浸させる方法としては、例えば、常圧以上の圧力を有する不活性ガス等雰囲気下に発泡粒子を置くことによって、発泡粒子中に不活性ガス等を含浸させる方法が挙げられる。発泡粒子は、金型内に充填する前に不活性ガスが含浸されてもよいが、発泡粒子を金型内に充填した後に金型ごと不活性ガス雰囲気下に置くことで含浸されてもよい。なお、不活性ガスが窒素である場合、ゲージ圧0.1〜2.0MPaの窒素雰囲気中に発泡粒子を20分〜24時間に亘って放置することが好ましい。
発泡粒子に不活性ガス等を含浸させた場合、発泡粒子をこのまま、金型内にて加熱、発泡させてもよいが、発泡粒子を金型内に充填する前に加熱、発泡させて、高発泡倍率の発泡粒子とした上で金型内に充填して加熱、発泡させてもよい。このような高発泡倍率の発泡粒子を用いることによって、高発泡倍率の発泡成形体を得ることができる。
また、発泡粒子の製造時に、合着防止剤を用いた場合、発泡成形体の製造時に、合着防止剤が発泡粒子に付着したまま成形を行ってもよい。また、発泡粒子相互の融着を促進するために、合着防止剤を成形工程前に洗浄して除去してもよく、除去するかせずして成形時に融着促進剤としてのステアリン酸を添加してもよい。ここで、合着防止剤は、成形時の発泡粒子の融着を促進する観点から除去しておくことが好ましい。
(3)発泡成形体の用途
発泡成形体は、例えば、鉄道車両、飛行機及び自動車用の座席シート芯材、ベッド、クッション等に用いることができる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<吸光度比>
樹脂粒子の吸光度比(A2920cm−1/A1376cm−1、A720cm−1/A1376cm−1)を次の要領で測定する。
無作為に選択した10個の各樹脂粒子について、赤外分光分析ATR測定法により表面分析を行って赤外吸収スペクトルを得る。
この分析では、試料表面から数μm(約2μm)までの深さの範囲の赤外吸収スペクトルが得られる。
各赤外吸収スペクトルから吸光度比(A2920cm−1/A1376cm−1、A720cm−1/A1376cm−1)を算出する。吸光度A2920cm−1、A1376cm−1及びA720cm−1は、Thermo SCIENTIFIC社から商品名「フーリエ変換赤外分光光度計 Nicolet iS10」で販売されている測定装置に、ATRアクセサリーとしてThermo SCIENTIFIC社製「Smart−iTR」を接続して測定する。以下の条件にてATR−FTIR測定を行う。
(測定条件)
・測定装置:フーリエ変換赤外分光光度計 Nicolet iS10(Thermo SCIENTIFIC社製)及び一回反射型水平状ATR Smart−iTR(Thermo SCIENTIFIC社製)
・ATRクリスタル:Diamond with ZnSe lens、角度=42°
・測定法:一回ATR法
・測定波数領域:4000cm−1〜650cm−1
・測定深度の波数依存性:補正せず
・検出器:重水素化硫酸トリグリシン(DTGS)検出器及びKBrビームスプリッター・分解能:4cm−1
・積算回数:16回(バックグランド測定時も同様)
ATR法では、試料と高屈折率結晶の密着度合によって測定で得られる赤外吸収スペクトルの強度が変化するため、ATRアクセサリーの「Smart−iTR」で掛けられる最大荷重を掛けて密着度合をほぼ均一にして測定を行なう。
以上の条件で得られた赤外線吸収スペクトルは、次のようにピーク処理をしてそれぞれのA2920cm−1、A1376cm−1及びA720cm−1を求めている。赤外吸収スペクトルから得られる2920cm−1での吸光度A2920cm−1は、オレフィン系エラストマー中のポリメチレン鎖に含まれるメチレン基のC-H伸縮振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度である。この吸光度の測定では、2920cm−1で他の吸収スペクトルが重なっている場合でもピーク分離は実施していない。吸光度A2920cm−1は、3080cm−1と2750cm−1を結ぶ直線をベースラインとして、3080cm−1と2750cm−1間の最大吸光度を意味する。
また、1376cm−1での吸光度A1376cm−1は、オレフィン系エラストマー中に含まれる−C-CH3部位のCH3対称変角振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度である。この吸光度の測定では、1376cm−1で他の吸収スペクトルが重なっている場合でもピーク分離は実施していない。吸光度A1376cm−1は、1405cm−1と1315cm−1を結ぶ直線をベースラインとして、1405cm−1と1315cm−1間の最大吸光度を意味する。また720cm−1での吸光度A720cm−1は、オレフィン系エラストマー中のポリメチレン鎖の骨格振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度である。この吸光度の測定では、720cm−1で他の吸収スペクトルが重なっている場合でもピーク分離は実施していない。吸光度A720cm−1は、777cm−1と680cm−1を結ぶ直線をベースラインとして、777cm−1と680cm−1間の最大吸光度を意味する。
<粒子の最大径ボイド個数、最大径ボイド合計面積>
任意に選択した10個の粒子を剃刀を用いて略二等分となるように切断し、切断面を日立ハイテクノロジーズ社製S−3400Nを用いて70倍に拡大して反射電子像を撮影する。撮影した画像をボイドを区別するために画像処理ソフト(ナノシステム社製、製品名「Nano Hunter NS2K−Pro」を用いて2値化する。なお、画像処理ソフトによりボイドの総面積及び個数を求めるための処理条件は下記に示す。
まず撮影した画像のスケールバーを基準にしてスケール設定を行い、次に領域設定の円形を選択し、粒子の外周に領域を指定する円が外周が4点接するように領域を設定する。NS処理法2値化による画像の2値化を行い、穴埋めを行う。なお、穴埋め処理によって埋められなかった箇所については、手動操作によって領域を追加する。また、このとき処理画像と観察画像を照らし合わし、明らかにボイドでない箇所が選択されているときは、該当する選択領域を削除する。次に特徴量(面積)による画像のみ選択(80.0〜∞μm、8近傍)を行うことで、80μm以下の面積を削除する。
上述した手順により2値化した図を用いて、面積計測(8近傍)により自動計算することでボイド部分の総面積と個数を算出する。
<粒子のボイド偏在割合>
撮影した画像をA4用紙に印刷し、印刷した画像から、図2に示すように粒子の半径1/2の点を通る曲線を作図する。上述した画像処理手順に従って、円内のボイドの個数を算出する。算出した円内のボイドの個数を上述する手法で算出した粒子に存在する総ボイド数で割り、100をかけることでボイドの偏在割合を算出する。
<発泡粒子の嵩密度>
先ず、発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後、メスシリンダーの底をたたいて試料の見掛け体積(V)cmを一定にし、その質量と体積を測定し、下記式に基づいて発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<発泡粒子の平均粒子径>
発泡粒子約50gをロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目開き26.5mm、22.4mm、19.0mm、16.00mm、13.20mm、11.20mm、9.50mm、8.00mm、6.70mm、5.60mm、4.75mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.50mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mmのJIS標準篩で5分間分級する。篩網上の試料質量を測定し、その結果から得られた累積質量分布曲線を元にして累積質量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
<発泡粒子及び発泡成形体の平均気泡径>
発泡粒子の平均気泡径は、次の試験方法にて測定する。剃刀を用いて発泡粒子を略二等分となるように切断し、切断面を走査電子顕微鏡 日立製作所社製S−3000N又は日立ハイテクノロジーズ社製S−3400Nにて20〜40倍に拡大して撮影する。
撮影した画像をA4用紙に印刷し、印刷した画像から、図3に示すように発泡粒子の半径1/2の点を通る曲線から発泡粒子中心までの領域Aと、半径1/2の点を通る曲線の外から発泡粒子の壁面までの領域Bのそれぞれの領域に長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式より算出する。ただし任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにする(接してしまう場合は気泡数に含める)。計測は撮影した画像を用いて任意の5箇所とする。なお、60mm長さ分の気泡数を数えられない場合は、30mm又は20mm分の気泡数を数えて60mm分の気泡数に換算する。
平均弦長 t(mm)=60/(気泡数×写真の倍率)
これらの平均弦長の相加平均値を発泡粒子の気泡の平均気泡径とする。
なお、このとき領域Aに位置する気泡の平均気泡径をV(core)とし、領域Bに位置する平均気泡径V(out)とする。
発泡成形体の平均気泡径は、次の試験方法にて測定する。具体的には、発泡成形体から剃刀を用いて試験片(厚み1mm)を切り出し、切断面を走査電子顕微鏡 日立製作所社製S−3000N又は日立ハイテクノロジーズ社製S−3400Nにて20〜40倍に拡大して撮影する。撮影した画像をA4用紙に印刷し、印刷した画像から、図3と同様に融着発泡粒子の半径1/2の点を通る曲線を作図する。なお、中心を通る直線の長さが異なる場合は、最小径の直線の長さの半径1/2の点を通る円を作図する。
半径1/2の点を通る曲線から融着発泡粒子中心までの領域Aと、半径1/2の点を通る曲線の外から融着発泡粒子の壁面までの領域Bのそれぞれの領域に長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式より算出する。ただし任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにする(接してしまう場合は気泡数に含める)。計測は撮影した画像を用いて任意の5箇所とする。なお、60mm長さ分の気泡数を数えられない場合は、30mm又は20mm分の気泡数を数えて60mm分の気泡数に換算する。
平均弦長 t(mm)=60/(気泡数×写真の倍率)
これらの平均弦長の相加平均値を発泡成形体の気泡の平均気泡径とする。
なお、このとき領域Aに位置する気泡の平均気泡径をV(core)とし、領域Bに位置する平均気泡径V(out)とする。
<圧縮応力>
JIS K7220:2006「硬質発泡プラスチック−圧縮特性の求め方」記載の方法により測定する。すなわちテンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)、万能試験機データ処理(UTPS−237ソフトブレーン社製)を用いて、試験体サイズは断面50mm×50mm×厚み25mmで圧縮速度を2.5mm/分、変位原点を圧縮弾性率の交点として圧縮強さ(圧縮弾性率、5%変形圧縮応力、10%変形圧縮応力、25%変形圧縮応力、50%変形圧縮応力)を測定する。試験片の数は最少5個とし、試験片をJIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定を行う。
(圧縮強度)
圧縮強度は次式により算出する。
σm=Fm/A0×10
σm :圧縮強度(kPa)
Fm :変形率10%以内に到達した最大の力(N)
A0 :試験片の初めの断面積(mm
(5%(10%,25%,50%)変形圧縮応力)
5%変形圧縮応力は次式により算出する。
σ5(10,25,50)=F5(10,25,50)/A0×10
σ5(10,25,50):5%(10%,25%,50%)変形圧縮応力(kPa)
F5(10,25,50):5%(10%,25%,50%)変形時の力(N)
・上記左式の()内は10%、25%、50%の条件である。
A0:試験片の初めの断面積(mm
<アスカーC硬度>
アスカーC硬度はJIS K 7312:1996の試験方法に準拠して測定する。具体的には100mm×100mm×厚み10mmに調整した試料に対し、アスカーゴム硬度計C型を発泡粒子の融着部に近い領域は避け、垂直に押し当て、1秒後の数値を計測する。その際、測定位置は試料外端より15mm以上内側で計測し、測定点同士は10mmの間隔を確保し、一つの試料に対し5点計測し平均値をアスカーC硬度とする。
<反発弾性>
JIS K 6400−3:2011に準拠して測定する。反発弾性試験機(高分子計器社製、FR−2)に、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で72時間以上状態調節した、同一の発泡体から切り出した100×100×厚み11mmの試料を5枚重ねてセットし、500mmの高さ(a)から銅球(φ5/8インチ、16.3g)を自由落下させて、その反発最高到達時の高さ(b)読み取り、式(b)/(a)×100により反発弾性(%)を算出する。ただし、同一試験片を用いて3回測定を行い、これらの中央値を反発弾性とする。
(オレフィン系エラストマーの樹脂粒子の製造例)
(1)水中カット法での樹脂粒子の製造例
オレフィン系エラストマー樹脂(商品名「TPO R110E」、プライムポリマー社製)100質量部を45kg/hのペースで、口径50mmの単軸押出機と口径65mmの単軸押出機とが連結されたタンデム型押出機に連続的に供給した。
押出機内における最高到達温度が260℃となるようにしてオレフィン系エラストマー樹脂を溶融混練した。この溶融オレフィン系エラストマー樹脂を下流側の押出機(口径65mmの押出機)を通過させつつ該押出機先端部における樹脂温度が230℃となるように冷却した。
この溶融オレフィン系エラストマー樹脂を押出機の先端部に装着したダイス(温度:320℃、入り口側樹脂圧:18MPa)のダイス孔(直径0.8mm、ランド長さ3.0mmのノズルが32個配置)から約70℃の冷却水を収容したチャンバー内に押出し、8枚の切断刃を有する回転刃の回転軸を3440rpmの回転数で回転させ、粒状に切断することで前記冷却水で冷却させてオレフィン系エラストマー樹脂粒子を作製した。
(2)ホットカット法での樹脂粒子の製造例
まず、オレフィン系エラストマー(商品名「TPO R110E」、プライムポリマー社製)を6kg/hのペースで口径が65mmの単軸押出機に供給して溶融混練した。なお、単軸押出機内において、オレフィン系エラストマーを始めは180℃にて溶融混練した後に220℃まで昇温させながら溶融混練した。
続いて、溶融状態のオレフィン系エラストマーを冷却した後、単軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型の各ノズルからオレフィン系エラストマーを押出した。なお、マルチノズル金型は、出口部の直径が1.0mmのノズルを20個有しており、ノズルの出口部は全て、マルチノズル金型の前端面に想定した、直径が139.5mmの仮想円上に等間隔毎に配設されていた。マルチノズル金型は220℃に保持されていた。
次いで、回転軸の後端部外周面には、4枚の回転刃が回転軸の周方向に等間隔毎に一体的に設けられており、各回転刃はマルチノズル金型の前端面に常時、接触した状態で仮想円上を移動するように構成されていた。
更に、冷却部材は、正面円形状の前部と、この前部の外周縁から後方に向かって延設されかつ内径が315mmの円筒状の周壁部とからなる冷却ドラムを備えていた。そして、供給管及びドラムの供給口を通じて冷却ドラム内に冷却水が供給されており、周壁部の内面全面には、この内面に沿って20℃の冷却水が前方に向かって螺旋状に流れていた。
そして、マルチノズル金型に回転軸を取り付けずかつ冷却部材をマルチノズル金型から退避させておいた。この状態で、押出機から樹脂粒子を押出した。次に、マルチノズル金型に回転軸を取り付けかつ冷却部材を所定位置に配設した後、回転軸を3440rpmの回転数で回転させ、樹脂粒子をノズルの出口部の開口端において回転刃で切断して略球状の樹脂粒子を製造した。
この樹脂粒子は、回転刃による切断応力によって外方あるいは前方に向かって飛ばされ、冷却部材の冷却ドラムの内面に沿って流れている冷却水に衝突して直ちに冷却された。
冷却された樹脂粒子は、冷却ドラムの排出口を通じて冷却水と共に排出された後、脱水機にて冷却水と分離された。得られた樹脂粒子は、粒子の長さが1.2〜1.8mmで、粒子の径が1.0〜1.5mmであった。
(比較例1)
(1)上記水中カット法で製造した樹脂粒子(平均粒子径:1.2mm)を容量5Lの圧力容器内で密閉し、炭酸ガスを、含浸圧4.0MPaまで圧入した。その後、温度20℃の環境下で24時間静置し、樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させることで発泡性粒子を得た。上述の方法により、樹脂粒子に含浸された炭酸ガスのガス量は3.8質量%であった。図4に樹脂粒子の断面写真を示す。
(2)発泡工程
上記の含浸工程における除圧の後、すぐに圧力容器から発泡性粒子を取り出し、炭酸カルシウム0.1質量部を添加し、混合した。その後、発泡性粒子を容積量が50リットルである円筒型バッチ式加圧予備発泡機に投入し、発泡温度105〜110℃で攪拌しながら15秒加熱することにより発泡粒子を得た。得られた発泡粒子を塩化水素水溶液で洗浄することで炭酸カルシウムを除去した後、乾燥を行った。上述の方法により得られた発泡粒子は収縮したため、収縮した発泡粒子を圧力容器内に密閉し、窒素ガスを圧力計が0.
5MPaを示すまで圧入した。その圧力容器を室温で24時間静置し、発泡粒子に窒素ガスを含浸した。圧力容器の圧力を除圧し、得られた発泡粒子の嵩密度を測定したところ、0.13g/cmであった。図5に発泡粒子の断面写真を示す。
(3)成形工程
発泡粒子を圧力容器内に密閉し、窒素ガスを圧力計が2.0MPaを示すまで圧入した。その圧力容器を室温で24時間静置し、発泡粒子に窒素ガスを含浸した。窒素ガスを含浸した発泡粒子を、30mm×300mm×400mmの成形金型内に充填し、0.10MPaの水蒸気で34秒間加熱を行うことで、発泡成形体を得た。次いで発泡成形体の面圧が0.01MPa以下になるまで冷却することで発泡成形体を取り出した。図6に発泡成形体の断面写真を示す。得られた発泡成形体の密度は0.19g/cmであった。
(実施例1)
上記水中カット法での樹脂粒子の製造工程において、オレフィン系エラストマー100質量部に対して気泡調整剤として重曹クエン酸系の化学発泡剤(商品名「ファインセルマスターPO410K」、大日精化社製)0.5質量部を供給したこと以外は比較例1と同様にして発泡性粒子(炭酸ガスのガス量は3.9質量%)、発泡粒子及び発泡成形体を得た。得られた発泡粒子の嵩密度は0.065g/cmであり、発泡成形体の密度は0.08g/cmであった。
図10に樹脂粒子、図11に発泡粒子、図12に発泡成形体の断面写真をそれぞれ示す。
(実施例2)
上記水中カット法での樹脂粒子の製造工程において、オレフィン系エラストマー100質量部に対して気泡調整剤として重曹クエン酸系の化学発泡剤(商品名「ファインセルマスターPO410K」、大日精化社製)1質量部を供給したこと以外は比較例1と同様にして発泡性粒子(炭酸ガスのガス量は3.7質量%)、発泡粒子及び発泡成形体を得た。得られた発泡粒子の嵩密度は0.082g/cmであり、発泡成形体の密度は0.10g/cmであった。
図13に樹脂粒子、図14に発泡粒子、図15に発泡成形体の断面写真をそれぞれ示す。
(実施例3)
上記ホットカット法での樹脂粒子の製造工程において、オレフィン系エラストマー100質量部に対して気泡調整剤として重曹クエン酸系の化学発泡剤(商品名「ファインセルマスターPO410K」、大日精化社製)0.5質量部を供給することで製造した樹脂粒子(平均粒子径:1.6mm)を使用した以外は、比較例1と同様にして発泡性粒子(炭酸ガスのガス量は4.1質量%)、発泡粒子及び発泡成形体を得た。得られた発泡粒子の嵩密度は0.058g/cmであった。
図20に樹脂粒子、図21に発泡粒子、図22に発泡成形体の断面写真をそれぞれ示す。
(実施例4)
上記水中カット法での樹脂粒子の製造工程において、オレフィン系エラストマー100質量部に対して気泡調整剤として重曹クエン酸系の化学発泡剤(商品名「ファインセルマスターPO410K」、大日精化社製)0.5質量部を供給することで作製した樹脂粒子(平均粒子径:1.2mm)を容量5Lの圧力容器内で密閉し、炭酸ガスを、含浸圧2.0MPaまで圧入した。その後、温度20℃の環境下で24時間静置し、樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させることで発泡性粒子を得た。上述の方法により、樹脂粒子に含浸された炭酸ガスのガス量は2.2質量%であった。得られた発泡性粒子を比較例1と同様に発泡を行った。得られた発泡粒子の嵩密度は0.11g/cmであり、発泡成形体の密度は0.13g/cmであった。
(実施例5)
上記水中カット法での樹脂粒子の製造工程において、オレフィン系エラストマー100質量部に対して気泡調整剤として重曹クエン酸系の化学発泡剤(商品名「ファインセルマスターPO410K」、大日精化社製)0.5質量部を供給することで作製した樹脂粒子(平均粒子径:1.2mm)1.2kg、蒸留水2.8kg、ピロリン酸マグネシウム10.5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.2gを、内容積5リットルの攪拌機付オートクレーブに入れ、320rpmの攪拌下で懸濁させた。その後、70℃まで昇温し、発泡剤であるブタン(イソブタン:ノルマルブタン=35:65(質量比))270cmを圧入して80℃で6時間保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥し、発泡性粒子を得た。発泡工程および成形工程は、比較例1と同様にして、発泡粒子および発泡成形体を得た。得られた発泡粒子の密度は0.065g/cmであり、発泡成形体の密度は0.08g/cmであった。
図23に発泡粒子、図24に発泡成形体の断面写真をそれぞれ示す。
(比較例2)
上記水中カット法での樹脂粒子の製造工程において、オレフィン系エラストマー100質量部に対して気泡調整剤として重曹クエン酸系の化学発泡剤(商品名「ファインセルマスターPO410K」、大日精化社製)0.1質量部を供給したこと以外は比較例1と同様にして発泡性粒子(炭酸ガスのガス量は3.9質量%)、発泡粒子及び発泡成形体を得た。得られた発泡粒子の密度は0.13g/cmであり、発泡成形体の密度は0.18g/cmであった。
図7に樹脂粒子、図8に発泡粒子、図9に発泡成形体の断面写真をそれぞれ示す。
(比較例3)
上記水中カット法での樹脂粒子製造工程において、オレフィン系エラストマー100質量部に対して気泡調整剤として重曹クエン酸系の化学発泡剤(商品名「ファインセルマスターPO410K」、大日精化社製)2質量部を供給したこと以外は比較例1と同様に発泡を行ったが、発泡することができなかった。なお、炭酸ガスのガス量は1.3質量%であった。
図16に樹脂粒子の断面写真を示す。
(比較例4)
ガスの含浸工程において、炭酸ガスを含浸圧2.0MPaまで圧入したこと以外は比較例1と同様に発泡を行った。発泡することはできたが、密度の高い発泡粒子しか得られなかった。なお、炭酸ガスのガス量は2.4質量%であった。
樹脂粒子の断面写真は、比較例1の図4の断面写真とほとんど同じであった。
(比較例5)
上記ホットカット法での樹脂粒子の製造工程において、オレフィン系エラストマー100質量部から製造した樹脂粒子(平均粒子径:1.6mm)を使用したこと以外は比較例1と同様にして発泡性粒子(炭酸ガスのガス量は4.2質量%)、発泡粒子及び発泡成形体を得た。得られた発泡粒子の密度は0.092g/cmであり、発泡成形体の密度は0.10g/cmであった。
図17に樹脂粒子、図18に発泡粒子、図19に発泡成形体の断面写真をそれぞれ示す。
(比較例6)
上記ホットカット法での樹脂粒子の製造工程において、オレフィン系エラストマー100質量部から製造した樹脂粒子(平均粒子径:1.6mm)を使用し、ガスの含浸工程において、炭酸ガスを含浸圧2.0MPaまで圧入したこと以外は比較例1と同様に発泡を行った。発泡することはできたが、密度の高い発泡粒子しか得られなかった。なお、炭酸ガスのガス量は2.4質量%であった。
実施例1〜2と比較例1〜3とから、樹脂粒子が、非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする樹脂粒子であり、樹脂粒子が、その断面の70倍の拡大写真において、10μm以上の最大径を有するボイドを5〜90個備える場合、嵩密度の低い発泡粒子と発泡成形体を提供できることが分かる。また、実施例4と比較例4とから、樹脂粒子が、非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする樹脂粒子であり、樹脂粒子が、その断面の70倍の拡大写真において、10μm以上の最大径を有するボイドを5〜90個備える場合、物理発泡剤の含浸量が少ない場合でも、発泡可能であり、嵩密度の低い発泡粒子と発泡成形体を提供できることが分かる。
(実施例で使用した樹脂の分析)
実施例で使用したR110EのFT−IRチャートを図1に示す。得られたチャートから算出したA2920cm−1/A1376cm−1とA720cm−1/A1376cm−1の値を表2に示す。表2には、本発明に使用できる非架橋のオレフィン系エラストマーであるプライムポリマー社製のR110MP、T310E及びM142Eも参考に示しておく。

Claims (6)

  1. 非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする樹脂粒子であり、前記樹脂粒子が、その断面の70倍の拡大写真において、10μm以上の最大径を有するボイドを5〜90個備え、
    前記10μm以上の最大径を有するボイドが、前記樹脂粒子の断面の70倍の拡大写真において、前記樹脂粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に25個数%以上含まれることを特徴とするオレフィン系エラストマー樹脂粒子。
  2. 脂粒子が、その断面の70倍の拡大写真において、10μm以上の最大径を有するボイドの合計面積が400〜450000μm2の面積を示すことを特徴とするオレフィン系エラストマー樹脂粒子。
  3. 前記非架橋のオレフィン系エラストマーは、FT−IR測定において得られた2920±20cm-1の範囲の最大ピーク(A2920cm-1)と1376±20cm-1の範囲の最大ピーク(A1376cm-1)の吸光度比(A2920cm-1/A1376cm-1)が1.20〜10の範囲にある及び/又はFT−IR測定において得られた1376±20cm-1の範囲の最大ピーク(A1376cm-1)と720±20cm-1の範囲の最大ピーク(A720cm-1)の吸光度比(A720cm-1/A1376cm-1)が0.02〜0.5の範囲にあるエラストマーである請求項1又は2に記載のオレフィン系エラストマー樹脂粒子。
  4. 非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とし、物理発泡剤を含む発泡性粒子であり、前記発泡性粒子が、その断面の70倍の拡大写真において、10μm以上の最大径を有するボイドを5〜90個備え、
    前記10μm以上の最大径を有するボイドが、前記樹脂粒子の断面の70倍の拡大写真において、前記樹脂粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に25個数%以上含まれることを特徴とする発泡性粒子。
  5. 非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする発泡粒子であり、前記発泡粒子は、その断面の30倍の拡大写真において、
    前記発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に位置する気泡の平均気泡径をV(core)とし、前記発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円の外から発泡粒子の壁面までの間に位置する気泡の平均気泡径をV(out)とすると、
    V(core)>V(out)
    の関係を満足する気泡構造を有することを特徴とする発泡粒子。
  6. 非架橋のオレフィン系エラストマーを基材樹脂とする融着発泡粒子から構成された発泡成形体であり、前記融着発泡粒子は、その断面の30倍の拡大写真において、
    前記融着発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円内に位置する気泡の平均気泡径をV(core)とし、前記融着発泡粒子の最小径の中心を基点とする1/2×最小径の直径の円の外から発泡粒子の壁面までの間に位置する気泡の平均気泡径をV(out)とすると、
    V(core)>V(out)
    の関係を満足する気泡構造を有することを特徴とする発泡成形体。
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