JP2017167324A - 電子鍵盤楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷の軽い処理で音像の広がりを得る。【解決手段】電子鍵盤楽器1は、鍵盤12と、鍵盤12の操作に応じて右チャンネルおよび左チャンネルの音信号を出力する音源161と、右チャンネルおよび左チャンネルのうち処理対象となる対象チャンネルの特定周波数帯域の音信号について、他方のチャンネルの当該特定周波数帯域の音信号との相関を下げる処理を行う音処理部17と、処理部17により処理された右チャンネルの音信号に応じた音を出力するスピーカ14と、処理部17により処理された左チャンネルの音信号に応じた音を出力するスピーカ13とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、音像の広がりを制御する技術に関する。
スピーカを有する電子鍵盤楽器が知られている。このような電子鍵盤楽器においては、設計の制約によりスピーカが鍵盤の下方に設けられていることがある。例えばアコースティックのグランドピアノでは弦およびハンマーは鍵盤のやや奥に、またアップライトピアノでは鍵盤のやや上に、それぞれ位置しており、打鍵に応じた音は弦から発せられる。これに対してスピーカが鍵盤の下方に設けられた電子鍵盤楽器では打鍵に応じた音が下から聞こえるため、演奏時の音像の位置や音の広がりがアコースティック楽器とは異なったものとなってしまう。
上記の問題に対して特許文献1には、ピアノの弦を模擬した共鳴音を生成する技術が記載されている。また、特許文献2〜4には、共鳴音が発生する位置に仮想スピーカを設定し、そこに仮想音源を定位させる技術が記載されている。特許文献5には、ピッチシフトにより音像の広がりを得る技術が記載されている。
特開2015−143764号公報 特開平7−219532号公報 特開平8−50479号公報 特開平8−190375号公報 特開平7−319483号公報
特許文献1によれば共鳴音を再現することができるが、音像の広がりが得られなかった。特許文献2〜4においては各鍵の音に対し畳み込み演算を行うため演算負荷が重いという問題があった。特許文献5においては、楽器音にとって重要であるアタック音を無相関化することができないという問題があった。
これに対し本発明は、より負荷の軽い処理で音像の広がりを得る技術を提供する。
本発明は、鍵盤と、前記鍵盤の操作に応じて第1チャンネルおよび第2チャンネルの音信号を出力する音源と、前記第1チャンネルおよび前記第2チャンネルのうち処理対象となる対象チャンネルの特定周波数帯域の音信号について、他方のチャンネルの当該特定周波数帯域の音信号との相関を下げる処理を行い、当該処理がされた前記第1チャンネルの音信号および前記第2チャンネルの音信号を出力する処理部と、前記処理部により処理された前記第1チャンネルの音信号に応じた音を出力する第1スピーカと、前記処理部により処理された前記第2チャンネルの音信号に応じた音を出力する第2スピーカとを有する電子鍵盤楽器を提供する。
この電子鍵盤楽器は、前記第1チャンネルの前記特定周波数帯域の音信号を通過させる第1フィルタと、前記第1フィルタの出力を遅延させる第1遅延回路と、前記第1遅延回路により遅延された前記特定周波数帯域の音信号を、前記第1チャンネルの他の周波数帯域の音信号と加算する第1加算部と、前記第2チャンネルの前記特定周波数帯域の音信号を通過させる第2フィルタと、前記第2フィルタの出力を遅延させる第2遅延回路と、前記第2遅延回路により遅延された前記特定周波数帯域の音信号を、前記第2チャンネルの他の周波数帯域の音信号と加算する第2加算部とを有し、前記第1スピーカは、前記第1加算部から出力された音信号に応じた音を出力し、前記第2スピーカは、前記第2加算部から出力された音信号に応じた音を出力してもよい。
前記鍵盤は、連続した複数の鍵を含む第1鍵域、および前記第1鍵域と異なる鍵を含む第2鍵域を有し、前記処理部は、前記第1鍵域の操作に応じて出力された音信号を処理対象とする第1処理部と、前記第2鍵域の操作に応じて出力された音信号を処理対象とする第2処理部とを有し、前記第1処理部と前記第2処理部は互いに異なる周波数帯域を前記特定周波数帯域として前記処理を行ってもよい。
前記特定周波数帯域は、前記鍵盤の処理対象となる鍵域にある鍵の基音の周波数を含まない周波数帯域であってもよい。
この電子鍵盤楽器は、前記処理部において前記音信号の周波数特性を補正する補正部を有してもよい。
前記処理部は、前記対象チャンネルの前記特定周波数帯域の音信号を位相反転する処理を行ってもよい。
前記処理部は、前記鍵盤のうち操作された鍵に応じて前記対象チャンネルを変えてもよい。
本発明によれば、より負荷の軽い処理で音像の広がりを得ることができる。
一実施形態に係る電子鍵盤楽器1の外観を例示する図。 一実施形態に係る電子鍵盤楽器1の構成を例示する図。 PEQ171による補正を例示する模式図。 位相反転処理を例示する図。 一実施形態に係る音像位置の概要を示す図。 変形例1に係る音処理部17の構成を例示する図。 変形例1に係る位相反転処理を例示する図。 変形例2に係る電子鍵盤楽器1の構成を例示する図。 変形例4に係る電子鍵盤楽器1の構成を例示する図。
1.構成
図1は、一実施形態に係る電子鍵盤楽器1の外観を例示する図である。電子鍵盤楽器1は、本体11、鍵盤12、スピーカ13、スピーカ14、および操作子19を有する電子鍵盤楽器である。本体11は、鍵盤12、スピーカ13、スピーカ14、および操作子19を含む他の構成要素を収容するものであり、例えばアップライトピアノを模した形状の筐体を含む。鍵盤12は、演奏者(ユーザ)による演奏操作を受け付ける操作子の一例であり、複数の鍵を含む。鍵が操作されると、操作された鍵に応じた音信号を音源(図1では不図示)が生成する。音信号は音処理部(図1では不図示)で処理される。スピーカ13およびスピーカ14は、音処理部により処理された音信号に応じた音を出力する。操作子19はスイッチ、ボタン、ダイヤル、レバー、またはタッチパッド等のユーザーインターフェースである。操作子19は音色や音量など電子鍵盤楽器から出力される音に関する種々のパラメータを調整するためのものである。この例で、スピーカ13およびスピーカ14は、鍵盤12よりも下側に設けられている。なお、スピーカ13およびスピーカ14が鍵盤12よりも下側にあるとは、電子鍵盤楽器1を使用状態に置いたときにスピーカ13およびスピーカ14が鍵盤12よりも低い位置にあることをいう。
図2は、一実施形態に係る電子鍵盤楽器1の構成を例示する図である。電子鍵盤楽器1は、押鍵センサ15、発音制御部16、音処理部17、および増幅器18を有する。押鍵センサ15は、鍵盤12の複数の鍵のうちどの鍵が押鍵されているか検知し、押鍵された鍵を示す信号を出力する。この信号は、各鍵の押鍵量(鍵がどのくらい押し込まれているか)を示す情報を含んでいてもよい。押鍵センサ15は、例えば、LEDおよびフォトダイオードを用いた光学式のセンサである。
発音制御部16は、鍵盤12の操作に応じて、すなわち押鍵センサ15から出力される信号に応じて音信号を生成する。発音制御部16は、音源161および音信号生成部162を有する。音源161は、各鍵に対応する音データを記憶している。ある鍵に対応する音データは、その鍵を押鍵したときに発生する音の立ち上がりから消え際までの音波形を示すデータである。各鍵に対応する音データは、左チャンネル(第1チャンネルの一例)のデータおよび右チャンネル(第2チャンネルの一例)のデータを含む。音信号生成部162は、押鍵センサ15から出力された信号に応じた音データを音源161から読み出し、読み出された音データに応じた音信号を出力する。各鍵に対応する音データは、基音および倍音を含んでいる。基音とは、鍵盤12の各鍵が押鍵されたときに発する音の音高を決定する周波数の音で、鍵毎に定まっている。基音は、押鍵に応じて音源161から読み出される音データのうち最も低い周波数の音である。倍音とは基音の周波数の整数倍の周波数の音をいう。楽器の音色は倍音の成分によって特徴付けられる。
音処理部17は、発音制御部16から出力された音信号を処理する。音処理部17は、第1チャンネル(左チャンネル)および第2チャンネル(右チャンネル)のうち処理対象となるチャンネル(以下「対象チャンネル」という。この例では右チャンネル)の特定周波数帯域の音信号について、他方のチャンネルの特定周波数帯域の音信号との相関を下げる処理を行う。音処理部17は、この処理がされた第1チャンネルの音信号および第2チャンネルの音信号を出力する。
ここで、「特定周波数帯域」とは、例えば音色への影響が少ない周波数帯域をいい、具体的には鍵盤12の特定の鍵(以下「特定鍵」という)、具体的には中心付近の鍵の基音を含まない周波数帯域をいう。一例として鍵盤12および音源161がアコースティックピアノに対応するものであり、音処理部17が鍵盤12の全鍵域に対して処理を行う場合、特定鍵は鍵盤12の49番目の「ラ(A4)」の鍵であり、特定周波数帯域は、この特定鍵の基音の周波数440Hzよりも高い周波数帯域に設定される。
本実施形態において、音処理部17は、さらに、音像の位置を上に持ち上げる処理すなわち音像をスピーカ位置より上方に定位させる処理を行う。ここでは、音像をスピーカ位置より上方に定位させるために、人間の聴覚特性を利用する。人間の聴覚には、音高が高い音は上から、音高が低い音は下から聞こえるように感じるという特徴がある。また、複数の音源から音が出力された場合に、先に聞こえた方に音像を感じるという特徴(ハース効果)もある。本実施形態においては、音信号を低域と高域に分割し、低域の信号を高域の信号よりも遅らせて出力することで、スピーカから出力される音がより高い位置から聞こえるように感じられる効果を奏する。音処理部17は、人間の聴覚のこのような特性を利用して音像をより上方に定位させる。
音処理部17は、PEQ(パラメトリックイコライザ)171、HPF(High Pass Filter、高域通過フィルタ)172、遅延回路173、乗算器174L、LPF(Low Pass Filter、低域通過フィルタ)175、遅延回路176、乗算器177、加算器178、および位相反転回路179Rを有する。この例で、音処理部17は、右チャンネルの音信号および左チャンネルの音信号をそれぞれ処理する。右チャンネルの処理系と左チャンネルの処理系とを区別するときは添字RおよびLを用い、両者を区別しないときは添字を用いない。HPF172、遅延回路173、乗算器174L、および位相反転回路179Rは高域の処理系であり、LPF175、遅延回路176、および乗算器177は低域の処理系である。
発音制御部16から出力された音信号は、まずPEQ171に入力される。PEQ171は、音処理部17から出力される音信号の周波数特性を補正して出力する補正部の一例である。音信号の周波数特性については後述する。PEQ171から出力された信号は2分割され、HPF172およびLPF175に入力される。
まず低域の処理系について説明する。LPF175は、カットオフ周波数fL以上の周波数帯域の信号を減衰させ、カットオフ周波数fL以下の周波数帯域の信号を通過させるフィルタである。遅延回路176は、LPF175を通過した音信号(低域成分)を遅延させて出力する。遅延回路176は、低域成分の音信号を高域成分の音信号よりも相対的に遅延させる。高域成分の音信号に対する低域成分の音信号の相対的な遅延量は、ハース効果を生じさせる程度の遅延量、具体的には、例えば、1〜5msec以下である。乗算器177は、遅延回路176から出力された音信号に所定の係数を乗算する。低域の処理系は、左チャンネルおよび右チャンネルで共通である。
次に高域の処理系について説明する。HPF172は、カットオフ周波数fH以下の周波数帯域の信号を減衰させ、カットオフ周波数fH以上の周波数帯域の信号を通過させるフィルタである。HPF172Lは第1チャンネルの特定周波数帯域の音信号を通過させる第1フィルタの一例であり、HPF172Rは第2チャンネルの特定周波数帯域の音信号を通過させる第2フィルタの一例である。すなわちこの例では、周波数fH以上の周波数帯域が「特定周波数帯域」である。遅延回路173は、HPF172を通過した音信号(高域成分)を遅延させて出力する。遅延回路173Lは、第1フィルタの出力を遅延させる第1遅延回路の一例であり、遅延回路173Rは、第2フィルタの出力を遅延させる第2遅延回路の一例である。以上の要素は左チャンネルの処理系と右チャンネルの処理系とで共通であるが、遅延回路173の後段の回路要素が、左チャンネルの処理系と右チャンネルの処理系とで異なっている。すなわち、左チャンネルの処理系において遅延回路173Lの後段には乗算器174が設けられており、右チャンネルの処理系において遅延回路173Rの後段には位相反転回路179Rが設けられている。
乗算器174Lは、遅延回路173Lから出力された音信号に所定の係数を乗算して出力する。位相反転回路179Rは係数が−1.0の乗算器である。ただし、位相反転回路179Rの係数は−1.0以外の負の値に設定してもよい。乗算器174Lと位相反転回路179Rの係数比を変えることで左右のチャンネル間の相関の程度を調節することができる。音像の拡がり感は音信号の同相成分と非同相成分の比率に関連があり、非同相成分が大きくなることで空間が拡がったように感じられる。したがって位相反転回路179Rの出力レベルを大きくすることで、より大きな拡がり感が得られる。なお、乗算器174と乗算器177の係数は通常は1.0であるが、共通のゲイン(1.0より大きな係数)を持たせてもよい。
HPF172のカットオフ周波数fHとLPFのカットオフ周波数fLは等しい値に設定されるが、フィルタの通過域外の周波数帯域であっても、各々のフィルタのロールオフ特性に応じたレベルの信号が通過する。HPF172が通過させる周波数帯域とLPF175が通過させる周波数帯域とが一部重なっていると、重なっている周波数帯域で信号強度が増大するピークや信号強度が減衰するディップが生じる可能性がある。これらのピークやディップの周波数や振幅は、遅延回路173および遅延回路176における遅延量にも依存する。PEQ171は、HPF172、遅延回路173、LPF175、および遅延回路176の特性に応じて生じるピークやディップを補正する。また、右チャンネルの音信号は高域側の位相が反転するため、その周波数特性が音信号生成部162から出力される音信号の周波数特性から変化する。PEQ171はこの周波数特性の変化を補償する機能も有する。
高域と低域との境界は、例えば、特定の音高の鍵に対応する基音の周波数に基づき、基音の周波数が低域側に含まれるように設定される。当該特定の音高の鍵とは、音処理部17が鍵盤12の全鍵域に対して共通の処理を行う場合は、全鍵域の中心となる49番目の鍵盤である。さらに、後述のように音処理部17が全鍵域の一部の範囲で複数の鍵を含む鍵域に対して共通の処理をする場合は、当該鍵域の中で最も音高の高い鍵に対応する基音に基づいて周波数帯域を分離すればよい。すなわち、当該鍵域の中で最も音高の高い鍵に対応する基音の周波数が低域側(LPFの通過帯域側)になるようにLPF、HPFのカットオフ周波数を設定する。
図3は、PEQ171による補正を例示する模式図である。この図において、横軸は周波数を、縦軸は信号強度を、それぞれ示している。曲線Coは、発音制御部16から出力される音信号の周波数特性を示している。曲線Ccは、比較例に係る周波数特性を示している。ここで比較例とは、音処理部17のうちPEQ171を用いない例をいう。曲線Ccにおいては、曲線Coと比較して周波数fD近傍に信号強度が減衰するディップが生じている。例えば人間の声のような特定の周波数帯域の音のみを出力する系では、このようなディップの発生は問題にならない場合も多い。しかし、電子楽器のように比較的広い周波数帯域に渡って平坦な周波数特性が要求される場合、このようなディップの発生は音質の劣化として認識されてしまう。一方、曲線Cpは、本実施形態に係る周波数特性を示している。PEQ171の補正により、曲線Ccと比較してディップは改善されている。すなわち、音質が改善されている。
再び図2を参照する。位相反転回路179Rは、遅延回路173Rから出力された音信号の位相を反転して出力する。位相を反転する処理は、右チャンネルの音信号と左チャンネルの音信号との相関を下げる処理の一例である。
図4は、位相反転処理を例示する図である。本実施形態においては、右チャンネルおよび左チャンネルそれぞれの音信号の、第1成分(高域の音信号)および第2成分(低域の音信号)のうち、右チャンネルの第1成分の音信号のみ位相が反転される(図中の「−」)。したがって、第1成分においては、位相反転が行われない場合と比較して右チャンネルと左チャンネルとの相関が低下している。音像の広がりは、2つのチャンネルの同相成分と非同相成分との比率に依存しており、具体的には非同相成分が多くなることで空間が広がったように感じられる。このように、右チャンネルと左チャンネルとの相関を低下させる処理は、音像の広がりを与える効果がある。
また、右チャンネルの音信号と左チャンネルの音信号との相関を下げる処理は、音信号のうち一部の周波数帯域の音信号(上記の例では第1成分すなわち高域成分)に対してのみ行われる。したがって、音信号の全周波数帯域に対して相関を下げる処理が行われる場合と比較して、音色を保持しつつ、音像の広がりを与えることができる。
再び図2を参照する。加算器178Lは、乗算器174Lから出力された音信号および乗算器177Lから出力された音信号を加算して出力する。加算器178Lは、第1遅延回路により遅延された特定周波数帯域の音信号を、第1チャンネルの他の周波数帯域の音信号と加算する第1加算部の一例である。加算器178Rは、位相反転回路179Rから出力された音信号および乗算器177Rから出力された音信号を加算する。加算器178Rは、第2遅延回路により遅延された特定周波数帯域の音信号を、第2チャンネルの他の周波数帯域の音信号と加算する第2加算部の一例である。
増幅器18は、加算器178すなわち音処理部17から出力された音信号を増幅して出力する。スピーカ13およびスピーカ14は、増幅器18により増幅された音信号に応じた音を出力する。スピーカ13およびスピーカ14は、それぞれ、音処理部により処理された第1チャンネルの音信号に応じた音を出力する第1スピーカおよび音処理部により処理された第2チャンネルの音信号に応じた音を出力する第2スピーカの一例である。
図5は、一実施形態に係る音像位置の概要を示す図である。音像Scは、比較例に係る音像位置を示している。ここで比較例とは、低域の音信号を高域の音信号に対して相対的に遅延させず、かつ右チャンネルの高域の音信号の位相を反転する処理を行わない例をいう。音像Spは、本実施形態に係る音像位置を示している。音像Spは、音像Scよりも相対的に広がっている。これにより、電子鍵盤楽器1は、演奏者に対しより広がった音像を与えることができる。また、音像Spは、音像Scよりも相対的に上に移動している。これにより、電子鍵盤楽器1は、演奏者に対しよりアコースティック楽器に近い位置に定位された音像を提供することができる。
2.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
2−1.変形例1
図6は、変形例1に係る音処理部17の構成を例示する図である。音信号の分割方法は、実施形態で説明した2つの周波数帯域に分割するものに限定されず、3つ以上の周波数帯域に分割されてもよい。ここでは、低域、中域、および高域の3つの周波数帯域に音信号を分割する例を示している。図面を簡単にするため、図6は右チャンネルの音信号の処理系のみを示している。変形例1に係る音処理部17は、PEQ1701、LPF1702、遅延回路1703、乗算器1704、HPF1705、PEQ1706、LPF1707、遅延回路1708、位相反転回路1709R、HPF1710、位相反転回路1711R、および加算器1712を有する。LPF1702、遅延回路1703、および乗算器1704は低域の処理系であり、HPF1705、PEQ1706、LPF1707、遅延回路1708、および位相反転回路1709Rは中域の処理系であり、HPF1710、および位相反転回路1711Rは高域の処理系である。
なお、図示は省略したが、左チャンネルの処理系においては、右チャンネルとの相関を下げるため、位相反転回路1709Rおよび位相反転回路1711Rに代わり、位相反転を伴わない乗算器が用いられる。
発音制御部16から出力された音信号は、まずPEQ1701に入力される。PEQ1701は、音処理部17から出力される音信号の周波数特性を補正するための補正部の一例である。PEQ1701から出力された信号は2分割され、LPF1702およびHPF1705に入力される。LPF1702は、カットオフ周波数fL1以上の周波数帯域の信号を減衰させ、カットオフ周波数fL1以下の周波数帯域の信号を通過させるフィルタである。遅延回路1703は、LPF1702を通過した音信号(低域成分)を遅延させる。乗算器1704は、遅延回路1703から出力された音信号に所定の係数を乗算する。
HPF1705は、カットオフ周波数fH1以下の周波数帯域の信号を減衰させ、カットオフ周波数fH1以上の周波数帯域の信号を通過させるフィルタである。PEQ1706は、音処理部17から出力される音信号の周波数特性を補正するための補正部の一例である。PEQ1706から出力された信号は2分割され、LPF1707およびHPF1710に入力される。LPF1707は、カットオフ周波数fL2以上の周波数帯域の信号を減衰させ、カットオフ周波数fL2以下の周波数帯域の信号を通過させるフィルタである。カットオフ周波数fL2は、fL2>fL1を満たす。遅延回路1708は、LPF1707を通過した音信号(中域成分)を遅延させる。位相反転回路1709Rは、遅延回路1708から出力された音信号の位相を反転する。
HPF1710は、カットオフ周波数fH2以下の周波数帯域の信号を減衰させ、カットオフ周波数fH2以上の周波数帯域の信号を通過させるフィルタである。カットオフ周波数fH2は、fH2>fH1を満たす。位相反転回路1711Rは、HPF1710から出力された音信号の位相を反転させる。
カットオフ周波数fL1、fL2、fH1、およびfH2は、それぞれ、相対的に低域、中域、および高域の音信号を分離できるように設計される。そのカットオフ周波数はfL1=fH1、fL2=fH2の関係となる。乗算器1704、位相反転回路1709R、位相反転回路1711Rの係数は上記の例と同様に、典型的にはそれぞれ1.0、−1.0、−1.0に設定されるが、音源の種類に応じて係数の値を変えてもよい。また、PEQ1701およびPEQ1706は、LPF1702、遅延回路1703、HPF1705、LPF1707、遅延回路1708、およびHPF1710の特性に応じて生じるピークやディップを補正する。
図7は、変形例1に係る位相反転処理を例示する図である。変形例1においては、右チャンネルおよび左チャンネルそれぞれの音信号の、第1成分(高域)、第2成分(中域)、および第3成分(低域)の音信号のうち、右チャンネルの第1成分の音信号および第2成分の音信号のみ位相が反転される(図中の「−」)。したがって、第1成分および第2成分においては、位相反転が行われない場合と比較して右チャンネルと左チャンネルとの相関が低下しており、音像の広がりが与えられる。また、右チャンネルの音信号と左チャンネルの音信号との相関を下げる処理は、音信号のうち一部の周波数帯域成分(上記の例では第3成分すなわち低域成分)に対しては行われないので、音色を保持することができる。
また、周波数帯域を詳細に分割することにより、音色を保持するための周波数帯域をより適切に選択することができる。なお、位相反転の対象となる周波数帯域は図7の例に限定されない。音信号が3つの周波数帯域に分割される場合において、例えば中域成分に対してのみ位相反転が行われてもよいし、高域成分に対してのみ位相反転が行われてもよい。
再び図6を参照する。遅延回路1703および遅延回路1708はそれぞれ、低域成分の音信号を中域成分の音信号に対して遅延させ、中域成分の音信号を高域成分の音信号に対して遅延させる。遅延回路1703および遅延回路1708における遅延量は、全体としてハース効果を生じさせる程度の遅延量、具体的には、例えば、高域成分の音信号に対する低域成分の音信号の遅延が1〜5msec以下となる遅延量である。加算部により加算された音信号は増幅器(図6では略)により増幅され、スピーカ(図6では略)から音として出力される。図6の音処理部17を用いた電子鍵盤楽器1は、図2の構成を有する電子鍵盤楽器1が提供する音像に対して、よりアコースティック楽器に近い位置に定位された音像を演奏者に提供することができる。
2−2.変形例2
図8は、変形例2に係る電子鍵盤楽器1の構成を例示する図である。この例では、鍵盤12が、それぞれ連続する複数の鍵からなる複数の鍵域、具体的には鍵域12A(第1鍵域の一例)および鍵域12B(第2鍵域の一例)の2つの鍵域に分割されている。第1鍵域および第2鍵域はいずれも、連続した複数の鍵の集合である。第1鍵域および第2鍵域は、少なくとも一部の鍵が異なっている(すなわち、第2鍵域は第1鍵域と異なる鍵を含んでいる)。この例では、第1鍵域は、基音の周波数がf0である鍵からf1である鍵までを含み、第2鍵域は、基音の周波数がf2である鍵からf3である鍵までを含んでいる。変形例2において、音処理部17は、第1鍵域の操作に応じて出力された音信号を処理する場合と第2鍵域の操作に応じて出力された音信号を処理する場合とで、異なる周波数帯域の音信号を特定周波数帯域の音信号として処理を行う。
この例で、発音制御部16および音処理部17は鍵域毎に設けられている。鍵域12Aおよび12Bに対応するものをそれぞれ、添字AおよびBを用いて表す。例えば、鍵域12Aに含まれる鍵の押鍵に応じて生成された音信号は、音処理部17Aに入力される。音処理部17Aおよび17Bの構成は例えば図2で説明したとおりであるが、位相反転処理が行われる周波数帯域が異なっている。音処理部17Aは第1鍵域の操作に応じて出力された音信号を処理対象とする第1処理部の一例であり、音処理部17Bは第2鍵域の操作に応じて出力された音信号を処理対象とする第2処理部の一例である。
具体的には、音処理部17Aは、鍵域12Aの操作に応じて出力された音信号を、鍵域12Aの特定鍵(以下「第1特定鍵」という)、具体的には鍵域12A中で最も音高の高い鍵の基音f1を含む低域側の周波数帯域と第1特定鍵の基音f1を含まない高域側の周波数帯域に分割する。音処理部17Aは、このうち基音f1を含まない周波数帯域について位相反転処理を行う。同様に、音処理部17Bは、鍵域12Bの操作に応じて出力された音信号を、鍵域12Bの特定鍵(以下「第2特定鍵」という)、具体的には鍵域12Bの中で最も音高の高い鍵の基音f3を含む低域側の周波数帯域と第2特定鍵の基音f3を含まない高域側の周波数帯域に分割し、基音f3を含まない周波数帯域について位相反転処理を行う。鍵域毎に処理された音信号は、加算器20により加算され、スピーカから音が出力される。なお図8では図面を簡単にするため、片方のチャンネル分のスピーカしか図示していない。
この例によれば、鍵域毎に音色を維持しつつ、音像の広がりを変えることができる。なお、鍵盤12は3つ以上の鍵域に分割されてもよい。
2−3.変形例3
鍵盤12が複数の鍵域に分割される場合、位相反転処理の有無を鍵域毎に異ならせてもよい。例えば図8の構成において、音処理部17は、鍵域12Aに対応する音信号に対しては位相反転処理を行わず、鍵域12Bに対応する音信号に対してのみ位相反転処理を行う。この例によれば、鍵域に応じて音像の広がりを変えることができる。
2−4.変形例4
図9は、変形例4に係る電子鍵盤楽器1の構成を例示する図である。この例では、複数の周波数帯域の中から選択された少なくとも一の周波数帯域の音信号の位相が反転される。音処理部17は、LPF1721、BPF(Band Pass Filter、帯域通過フィルタ)1722、BPF1723、HPF1724、選択回路1725、位相反転回路1726、および加算器1727を有する。
LPF1721、BPF1722、BPF1723、およびHPF1724は、発音制御部16から出力された音信号を4つの周波数帯域に分割する。これらを第1〜第4成分の音信号という。第1成分の音信号が最も高い周波数帯域に対応し、第4成分の音信号が最も低い周波数帯域に対応する。選択回路1725は、BPF1722、BPF1723、およびHPF1724の出力信号、すなわち、音信号の第1〜第3成分の音信号の中から少なくとも1つの成分の音信号を選択する。選択回路1725は、選択された信号を位相反転回路1726に出力し、選択されなかった信号を加算器1727に出力する。なお、選択回路1725は、選択された信号を個別に出力してもよいし、選択された信号を互いに加算した信号を出力してもよい。選択されなかった信号についても同様である。
加算器1727は、位相反転回路1726からの出力信号、選択回路1725により選択されなかった信号、およびLPF1721からの出力信号を加算する。すなわち、選択回路1725により選択された信号は位相が反転され、それ以外の信号は位相が反転されずに加算される。
選択回路1725は、例えば、位相反転する周波数帯域を音源の種類に応じて選択する。この場合、音源161は、複数の楽器(例えば、グランドピアノ、アップライトピアノ、およびチェンバロ)にそれぞれ対応する複数の音源すなわち複数セットの音データを有している。あるいは、選択回路1725は、位相反転する周波数帯域をユーザの指示に応じて選択してもよい。具体的には、ユーザが操作子19を介して楽器(音源)を選択する指示を入力すると、選択回路1725は、その楽器に対応付けられた帯域を位相反転する周波数帯域として選択する。この例によれば、音像の広がりを音源の種類等の要因に応じて変えることができる。
なお、図9の例では、第1〜第4成分の音信号のうち周波数が最も低い第4成分の音信号に対しては位相反転処理が行われない構成となっているが、これは、この例においては第4成分が最も音色に影響を与える周波数帯域の成分であるためである。しかし、位相反転処理が行われない帯域は、周波数が最も低い帯域に限定されない。周波数が最も低い周波数帯域以外の周波数帯域について位相反転処理が行われず、他の周波数帯域に対して位相反転処理が行われてもよい。
2−5.変形例5
右チャンネルおよび左チャンネルの音信号のうち位相反転処理が行われるチャンネルは、実施形態で説明した例に限定されない。位相反転処理が行われるチャンネルは、例えば、操作された鍵に応じて選択されてもよい。より具体的には、操作された鍵に近いスピーカから出力されるチャンネルの音信号に対して位相反転処理が行われてもよい。具体的には、図8のように鍵盤12が鍵域12Aおよび鍵域12Bに分割される場合、音処理部17は、鍵域12Aに属する鍵の操作に応じて出力される音信号においては左チャンネルの音信号に対して位相反転処理を行い、鍵域12Bに属する鍵の操作に応じて出力される音信号においては右チャンネルの音信号に対して位相反転処理を行う。例えば、音源161がアコースティックピアノの音データの場合、鍵域12Aのように相対的に左側に位置する鍵の音は右チャンネルよりも左チャンネルの方が大きく、鍵域12Bのように相対的に右側に位置する鍵の音は左チャンネルよりも右チャンネルの方が大きい。より音の大きいチャンネルの音信号に対して位相反転処理を行うことにより、より効果的に音像の広がりを与えることができる。
2−6.変形例6
特定鍵は実施形態で説明した例に限定されない。例えば、鍵盤12全体のうち最も音高の高い鍵が特定鍵であってもよい。この場合、音処理部17は、鍵盤12の操作に応じて出力された音信号を、鍵盤12中で最も音高の高い鍵の基音を含む低域側の帯域とこの基音を含まない高域側の周波数帯域に分割する。この例によれば、すべての鍵の基音が位相反転処理されずに出力されるので、より自然な演奏音が得られる。
2−7.変形例7
右チャンネルと左チャンネルの音信号の相関を下げる処理は、いずれか一方のチャンネルの音信号の位相を反転する処理に限定されない。例えば、右チャンネルおよび左チャンネルのそれぞれに対しパラメータの異なるピッチシフト処理を行うことにより、両者の相関を下げてもよい。ただし、異なるピッチシフト処理を2つ行うよりも一方のチャンネルの音信号に対して位相反転処理を行う方が処理の負荷が軽いという利点がある。
一例として、右チャンネルの音信号と左チャンネルの音信号との相関を下げる処理は、一方のチャンネルの音信号の特定周波数帯域の出力を他方のチャンネルのこの特定周波数帯域の出力より遅延させる処理であってもよい。この場合、同一の音が分離して聴こえる現象を避けるためには、遅延時間は1msec以下とするのが望ましい。また、特定周波数帯域におけるチャンネル間の遅延を保ったまま、同一チャンネルの帯域間(特定周波数帯域と特定周波数帯域以外の帯域間)でその音信号出力に時間差をつけてもよい。ハース効果による音像の上方への定位処理を伴わない場合は、特定周波数帯域の音信号出力を遅延させればよい。音信号を3帯域以上に分割し、特定周波数帯域を中域とすれば、ハース効果による上方への音像定位と特定周波数帯域の遅延処理の両方を行うことも可能である。また、位相反転処理と遅延処理の両方を行ってもよい。特定周波数帯域の音信号の位相反転を伴う場合は、両チャンネルの特定周波数帯域の音信号の遅延時間は同一でもよい。
2−8.他の変形例
音処理部17の機能および構成は実施形態で例示したものに限定されない。例えば、音処理部17は、音像の位置を上に持ち上げる機能およびそのための回路要素(例えば遅延回路173および遅延回路176)を有していなくてもよい。図9の例において音処理部17は音像の位置を上に持ち上げる機能を有していないが、この場合、位相反転処理が行われないチャンネル(左チャンネル)は帯域分割等の処理は行われずそのまま増幅器18Lに出力される。図2の例でも同様で、音像の位置を上に持ち上げる機能を省略する場合、音処理部17において左チャンネルの処理系は不要である。
また、音処理部17において、LPFおよびHPFに代えてBPFが用いられてもよい。例えば、図2のHPF172に代えてBPFが用いられてもよい。この場合、BPFの中心周波数およびバンド幅は、高音鍵の倍音成分に応じて決められる。倍音成分がほとんど存在しない高域の音信号は通過しなくてもよい。あるいは、音信号が3つの周波数帯域に分割して処理される場合において、低域を通過させるLPF、中域を通過させるBPF、および高域を通過させるHPFを用いて音信号を分割してもよい。
図2に例示した音処理部17において、遅延回路173は省略されてもよい。また、図2に例示した音処理部17において、PEQ171はHPF172およびLPF175の前段に配置されていたが、加算器178の後段に配置されていてもよいし、省略されてもよい。
音処理部17は、電子鍵盤楽器に用いられるものに限定されない。音処理部17は、鍵盤楽器以外の電子楽器、または電子楽器以外の装置における音信号の処理に用いられてもよい。
1…電子鍵盤楽器、11…本体、12…鍵盤、13…スピーカ、14…スピーカ、15…押鍵センサ、16…発音制御部、17…音処理部、18…増幅器、19…操作子、161…音源、162…音信号生成部、171…PEQ、172…HPF、173…遅延回路、174…乗算器、175…LPF、176…遅延回路、177…乗算器、178…加算器、179…位相反転回路、1701…PEQ、1702…LPF、1703…遅延回路、1704…乗算器、1705…HPF、1706…PEQ、1707…LPF、1708…遅延回路、1709…位相反転回路、1710…HPF、1711…位相反転回路、1712…加算器、1721…LPF、1722…BPF、1723…BPF、1724…HPF、1725…選択回路、1726…位相反転回路、1727…加算器

Claims (7)

  1. 鍵盤と、
    前記鍵盤の操作に応じて第1チャンネルおよび第2チャンネルの音信号を出力する音源と、
    前記第1チャンネルおよび前記第2チャンネルのうち処理対象となる対象チャンネルの特定周波数帯域の音信号について、他方のチャンネルの当該特定周波数帯域の音信号との相関を下げる処理を行い、当該処理がされた前記第1チャンネルの音信号および前記第2チャンネルの音信号を出力する処理部と、
    前記処理部により処理された前記第1チャンネルの音信号に応じた音を出力する第1スピーカと、
    前記処理部により処理された前記第2チャンネルの音信号に応じた音を出力する第2スピーカと
    を有する電子鍵盤楽器。
  2. 前記第1チャンネルの前記特定周波数帯域の音信号を通過させる第1フィルタと、
    前記第1フィルタの出力を遅延させて出力する第1遅延回路と、
    前記第1遅延回路により遅延された前記特定周波数帯域の音信号を、前記第1チャンネルの他の周波数帯域の音信号と加算して出力する第1加算部と、
    前記第2チャンネルの前記特定周波数帯域の音信号を通過させる第2フィルタと、
    前記第2フィルタの出力を遅延させて出力する第2遅延回路と、
    前記第2遅延回路により遅延された前記特定周波数帯域の音信号を、前記第2チャンネルの他の周波数帯域の音信号と加算して出力する第2加算部と
    を有し、
    前記第1スピーカは、前記第1加算部から出力された音信号に応じた音を出力し、
    前記第2スピーカは、前記第2加算部から出力された音信号に応じた音を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器。
  3. 前記鍵盤は、連続した複数の鍵を含む第1鍵域、および前記第1鍵域と異なる鍵を含む第2鍵域を有し、
    前記処理部は、前記第1鍵域の操作に応じて出力された音信号を処理対象とする第1処理部と、前記第2鍵域の操作に応じて出力された音信号を処理対象とする第2処理部とを有し、前記第1処理部および前記第2処理部は互いに異なる周波数帯域を前記特定周波数帯域として前記処理を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子鍵盤楽器。
  4. 前記特定周波数帯域は、前記鍵盤の処理対象となる鍵域にある鍵の基音の周波数を含まない周波数帯域である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電子鍵盤楽器。
  5. 前記処理部は、前記第1チャンネルおよび前記第2チャンネルの音信号の周波数特性を補正する補正部を有し、当該補正部により補正された前記第1チャンネルおよび前記第2チャンネルの音信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電子鍵盤楽器。
  6. 前記処理部は、前記対象チャンネルの前記特定周波数帯域の音信号を位相反転して前記相関を下げる処理を行う
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電子鍵盤楽器。
  7. 前記処理部は、前記鍵盤のうち操作された鍵に応じて前記対象チャンネルを選択する
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の電子鍵盤楽器。
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