JP6790392B2 - 電子鍵盤楽器 - Google Patents

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Description

本発明は、音像の位置を制御する技術に関する。
電子鍵盤楽器においては、音色や音量など種々のパラメータを調整するためスイッチ等の操作子が筐体の一部に設けられている。演奏者は、操作子を操作する際には顔を操作子の方に向けるが、このとき、演奏者の顔の向きの変化により音像が移動してしまい演奏者に違和感を与えるという問題があった。これに対し特許文献1には、筐体にトーンエスケープを設け、筐体から音を出す(漏らす)技術が記載されている。特許文献2には、左右のスピーカに加えてセンタースピーカを設け、左チャンネルおよび右チャンネルをミックスした音をセンタースピーカから出力する技術が記載されている。
特開平1−321479号公報 特開2007−256620号公報
特許文献1および2の技術においては、ハードウェアの追加および改造が必要であり、コストが増加してしまうという問題、および楽器のデザインが制約されるという問題があった。
これに対し本発明は、より低コストで音像の位置を制御する技術を提供する。
本発明は、鍵盤と、前記鍵盤の操作に応じて第1チャンネルおよび第2チャンネルの音信号を出力する音源と、前記音源から入力された前記第1チャンネルおよび前記第2チャンネルの音信号のいずれか一方のチャンネルの音信号を遅延させ、当該遅延された一方のチャンネルの音信号と他方のチャンネルの音信号とをそれぞれ出力する処理部と、前記処理部から出力された前記第1チャンネルの音信号に従った音を出力する第1スピーカと、前記処理部から出力された前記第2チャンネルの音信号に従った音を出力する第2スピーカとを有する電子鍵盤楽器を提供する。
この電子鍵盤楽器は、演奏者の耳の位置を検知する検知部を有し、前記処理部は、前記第1チャンネルの音信号および前記第2チャンネルの音信号のうち、前記検知部により検知された耳の位置に応じて決定される一方のチャンネルの音信号を遅延させてもよい。
この電子鍵盤楽器は、演奏者により操作される操作子を有し、前記処理部は、前記操作子に近いスピーカから音が出力されるチャンネルの音信号を遅延させてもよい。
前記処理部は、前記第1チャンネルの音信号および前記第2チャンネルの音信号のうち一方のチャンネルの音信号から第1の周波数帯域の音信号を通過させる第1フィルタと、前記一方のチャンネルの音信号から前記第1の周波数帯域よりも低域の第2の周波数帯域の音信号を通過させる第2フィルタと、前記第1フィルタを通過した音信号を遅延させて出力する遅延回路と、前記遅延回路で遅延された音信号と前記第2フィルタを通過した音信号とを加算して出力する加算器とを有し、前記加算器から出力された音信号を前記一方のチャンネルの音信号として出力させてもよい。
本発明によれば、電子鍵盤楽器の筐体を改造したりスピーカを増やしたりする例と比較して低コストで音像の位置を制御することができる。
第1実施形態に係る電子鍵盤楽器1の外観を例示する図。 第1実施形態に係る電子鍵盤楽器1の構成を例示する図。 第2実施形態に係る電子鍵盤楽器2の構成を例示する図。 電子鍵盤楽器2の動作を示すフローチャート。 演奏者の顔の向きの分類を例示する図。 変形例1に係る電子鍵盤楽器1の構成を例示する図。
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る電子鍵盤楽器1の外観を例示する図である。電子鍵盤楽器1は、本体11、鍵盤12、スピーカ13、スピーカ14、および操作子19を有する。本体11は、鍵盤12、スピーカ13、スピーカ14、および操作子19を含む他の構成要素を収容するものであり、例えばアップライトピアノを模した形状の筐体を含む。鍵盤12は、演奏者(ユーザ)による演奏操作を受け付ける操作子の一例であり、複数の鍵を含む。鍵が操作されると、操作された鍵に応じた音信号を音源(図1では不図示)が生成する。音信号は音処理部(図1では不図示)で処理される。スピーカ13およびスピーカ14は、音処理部により処理された音信号に応じた音を出力する。操作子19は、スイッチ、ボタン、ダイヤル、レバー、またはタッチパッド等のユーザーインターフェースである。操作子19は音色や音量など電子鍵盤楽器から出力される音に関する種々のパラメータを調整するためのものであり、この例では、操作子19は鍵盤12の左側に設けられている。この例で、スピーカ13およびスピーカ14は、鍵盤12よりも下側に設けられている。なお、スピーカ13およびスピーカ14が鍵盤12よりも下側にあるとは、電子鍵盤楽器1を使用状態に置いたときにスピーカ13およびスピーカ14が鍵盤12よりも低い位置にあることをいう。
図2は、第1実施形態に係る電子鍵盤楽器1の構成を例示する図である。電子鍵盤楽器1は、押鍵センサ15、発音制御部16、音処理部17、および増幅器18を有する。押鍵センサ15は、鍵盤12の複数の鍵のうちどの鍵が押鍵されているか検知し、押鍵された鍵を示す信号を出力する。この信号は、各鍵の押鍵量(鍵がどのくらい押し込まれているか)を示す情報を含んでいてもよい。押鍵センサ15は、例えば、LEDおよびフォトダイオードを用いた光学式のセンサである。
発音制御部16は、鍵盤12の操作に応じて、すなわち押鍵センサ15から出力される信号に応じて音信号を生成する。発音制御部16は、音源161および音信号生成部162を有する。音源161は、各鍵に対応する音データを記憶している。ある鍵に対応する音データは、その鍵を押鍵したときに発生する音の立ち上がりから消え際までの音波形を示すデータである。各鍵に対応する音データは、右チャンネル(第1チャンネルの一例)のデータおよび左チャンネル(第2チャンネルの一例)のデータを含む。音信号生成部162は、押鍵センサ15から出力された信号に応じた音データを音源161から読み出し、読み出された音データに応じた音信号を出力する。すなわち音源161は、鍵盤の操作に応じて第1チャンネルおよび第2チャンネルの音信号を出力する音源の一例である。
音処理部17は、発音制御部16から出力された音信号を処理する。この例で、音処理部17は、発音制御部16から入力された右チャンネルと左チャンネルの音信号のうち一方のチャンネルの音信号の特定の周波数帯域の出力を遅延させる処理を行い、この処理により遅延された一方のチャンネルの音信号と他方のチャンネルの音信号とをそれぞれ出力する。音処理部17は、音源から出力された第1チャンネルの音信号および第2チャンネルの音信号のいずれか一方を遅延させて出力する処理部の一例である。より具体的には、音処理部17は、右チャンネルおよび左チャンネルの音信号のうち処理対象となるチャンネル(以下「対象チャンネル」という)の音信号について、特定の周波数帯域の音信号出力を遅延させる処理を行う。
ここで、「特定の周波数帯域」とは、例えば音色への影響が少ない周波数帯域をいい、具体的には鍵盤12の中心付近の鍵の基音を含まない帯域をいう。基音とは、鍵盤12の各鍵が押鍵されたときに発する音の音高を決定する周波数の音で、鍵毎に定まっている。基音は、押鍵に応じて音源161から読み出される音データのうち最も低い周波数の音である。倍音とは基音の周波数の整数倍の周波数の音をいう。楽器の音色は倍音成分によって特徴付けられる。音源161には鍵毎にそれぞれの基音と倍音を含む音データが記憶されている。一例として鍵盤12および音源161がアコースティックピアノに対応するものであり、音処理部17が鍵盤12の全鍵域に対して処理を行う場合、49番目の鍵盤の「ラ」の音が基音であり、その周波数は440Hzである。
本実施形態においては、ハース効果による音像制御が用いられる。ハース効果とは、複数の音源から音が出力された場合に、先に聞こえた方に音像を感じる効果をいう。ここでは、操作子19に近いスピーカから出力される左チャンネルの音信号を右チャンネルの音信号よりも遅延させることにより、音像を右チャンネルの方に移動させる。さらにこの例では、各チャンネルの音信号は低域(特定の周波数帯域以外の帯域)および高域(特定の周波数帯域)に分割され、このうち高域の成分のみ左チャンネルの音信号出力が右チャンネルの音信号出力よりも遅延させられる。特定の周波数帯域の音信号出力のみを遅延させることで、音色を維持しつつ、音像を移動させることができる。音処理部17は、人間の聴覚のこのような特性を利用して音像を移動させる。
音処理部17は、HPF(High Pass Filter、高域通過フィルタ)172、遅延回路173、乗算器174、LPF(Low Pass Filter、低域通過フィルタ)175、遅延回路176、乗算器177、および加算器178を有する。この例で、音処理部17は、右チャンネルの音信号および左チャンネルの音信号をそれぞれ処理する。右チャンネルの処理系と左チャンネルの処理系とを区別するときは添字RおよびLを用い、両者を区別しないときは添字を用いない。HPF172、遅延回路173、および乗算器174は高域の処理系であり、LPF175、遅延回路176、および乗算器177は低域の処理系である。遅延回路173は左チャンネルの処理系のみに設けられており、右チャンネルの処理系は遅延回路173を有さない。
発音制御部16から出力された音信号は2分割され、HPF172およびLPF175に入力される。HPF172の後段は第1の周波数帯域(高域)の処理系であり、LPF175の後段は第1の周波数帯域より低い第2の周波数帯域(低域の処理系)である。
まず高域の処理系について説明する。HPF172は、音信号のうち第1の周波数帯域の音信号を通過させる第1フィルタの一例であり、この例ではカットオフ周波数fH以下の周波数帯の信号を減衰させ、カットオフ周波数fH以上の周波数帯の信号を通過させるフィルタである。遅延回路173は、HPF172を通過した音信号(高域成分)を遅延させて出力する。遅延回路173は、第1フィルタを通過した音信号を遅延させて出力する遅延回路の一例である。すなわち、左チャンネルの高域成分は、右チャンネルの高域成分よりも相対的に遅延されている。右チャンネルの信号に対する左チャンネルの信号の相対的な遅延量は、ハース効果を生じさせる程度の遅延量、具体的には、例えば、1〜5msec以下である。乗算器174は、遅延回路173Lから出力された音信号に所定の係数を乗算して出力する。
次に低域の処理系について説明する。LPF175は、音信号のうち第2の周波数帯域の音信号を通過させる第2フィルタの一例であり、この例ではカットオフ周波数fL以上の周波数帯の信号を減衰させ、カットオフ周波数fL以下の周波数帯の信号を通過させるフィルタである。遅延回路176は、LPF175を通過した音信号(低域成分)を遅延させて出力するものであるが、通常は遅延時間がゼロに設定されている。すなわち、低域側においては右チャンネルの音信号も左チャンネルの音信号も遅延することなく出力される。乗算器177は、遅延回路176から出力された音信号に所定の係数を乗算して出力する。
ここで、乗算器174および乗算器177の係数は通常はいずれも同じ値(例えば1.0)に設定されている。ただし、左右方向の音像定位は楽器の設置条件(左右の壁面からの距離や壁の材質等)によっても影響を受ける。楽器の設置条件の影響を低減したり、ユーザの好みを反映したりするために、乗算器の係数や遅延回路の遅延時間を設定できる。すなわち、右側への定位感をより強調したい場合は乗算器174Rおよび乗算器177Rの係数を、乗算器174Lおよび乗算器177Lの係数よりも大きくする。また、左右のチャンネルの音が分離しない範囲で、遅延回路173Lおよび遅延回路176Lの遅延時間を大きくしてもよい。逆に、右方向への定位感を弱めたい場合は、乗算器174Lの係数の値を大きくしてもよいし、遅延回路173Lの遅延時間を短くしてもよい。この乗算器の係数や遅延回路の遅延時間はユーザが操作子19を操作して左右の音像定位を調節することで設定される。
また、遅延回路176の遅延時間を遅延回路173の遅延時間よりも大きく設定することで、低域成分の出力を高域成分の出力よりも遅延させ、音像の位置を実際のスピーカ位置よりも上方に知覚させることもできる。このときの高域側に対する低域側の遅延時間はハース効果を生じさせる範囲である。
加算器178は、乗算器174の出力および乗算器177の出力を加算して出力する。加算器178は、遅延回路で遅延された音信号と第2フィルタを通過した音信号とを加算して出力する加算器の一例である。音処理部17は、加算器178Rから出力された音信号を右チャンネルの音信号として、加算器178Lから出力された音信号を左チャンネルの音信号として、それぞれ出力する。
増幅器18は、加算器178すなわち音処理部17から出力された音信号を増幅する。スピーカ13およびスピーカ14は、増幅器18により増幅された音信号に応じた音を出力する。
この例によれば、スピーカ13およびスピーカ14から出力される音の音像は、右に移動する。操作子19は鍵盤12の左側に設けられているので、演奏者の顔は左側を向くことが多いと想定される。演奏者が左を向くと音像は左に移動しやすいが、音処理部17によって音像は右に移動される。したがって、音処理部17によって音像を右に移動させない例と比較して、音像位置の違和感を低減することができる。
さらに本実施形態においては、左右どちらのチャンネルにおいても、チャンネル内では、低域の音信号出力を高域の音信号出力に対して遅延させることができる。これにより音像が上に持ち上げられる。図1に示されるようにスピーカ13およびスピーカ14は鍵盤12の下方に設けられているが、音像が上に持ち上げられることにより、よりアコースティック楽器に近い音像位置を得ることができる。
2.第2実施形態
図3は、第2実施形態に係る電子鍵盤楽器2の構成を例示する図である。電子鍵盤楽器2において、電子鍵盤楽器1と共通する要素には共通の符号を用い、説明は省略する。電子鍵盤楽器2は、検知部21を有する点が電子鍵盤楽器1と異なっている。検知部21は、演奏者の耳の位置すなわち顔の位置を検知する。この例で、検知部21は、カメラ211およびプロセッサ212を有する。カメラ211は本体11に内蔵されており、演奏者のほぼ正面方向から演奏者の顔を撮影する。プロセッサ212は、カメラ211から出力される映像信号を解析して耳の位置を特定する。
音処理部17において、遅延回路173は左チャンネルの処理系だけでなく、右チャンネルの処理系にも設けられている。遅延回路173Lおよび遅延回路173Rは、それぞれ左チャンネルの特定帯域の音信号および右チャンネルの特定帯域の音信号を遅延させる。このとき、遅延回路173Lおよび遅延回路173Rにおける遅延量は、プロセッサ212により制御される。すなわちこの例では、音処理部17は、左チャンネルの特定帯域の音信号を右チャンネルの特定帯域の音信号より遅延させることもできるし、右チャンネルの特定帯域の音信号を左チャンネルの特定帯域の音信号より遅延させることもできる。第2実施形態に係る音処理部17は、第1チャンネルの音信号および第2チャンネルの音信号のうち、検知部21により検知された耳の位置に応じて決定される一方のチャンネルの音信号を遅延させる。
図4は、電子鍵盤楽器2の動作を示すフローチャートである。図4のフローは、例えば、電子鍵盤楽器2の電源が投入されたことを契機として開始される。
ステップS1において、プロセッサ212は、カメラ211から出力される映像信号を解析し、演奏者の耳の位置を特定する。ステップS2において、プロセッサ212は、演奏者の耳の位置から演奏者の顔の向きを特定する。この例では、演奏者の顔の向きは、「左」、「正面」、および「右」のいずれかに分類される。演奏者の顔が左を向いていると判断された場合、プロセッサ212は、処理をステップS3に移行する。演奏者の顔が正面を向いていると判断された場合、プロセッサ212は、処理をステップS4に移行する。演奏者の顔が右を向いていると判断された場合、プロセッサ212は、処理をステップS5に移行する。
図5は、演奏者の顔の向きの分類を例示する図である。図5は、カメラで撮影された画像Iに、演奏者の顔Fが含まれている。顔Fのうち耳Eの位置が特定されている。なお、画像において顔の輪郭および耳の位置の認識には周知の技術が用いられる。顔Fにおける耳Eの相対位置と顔の向きとの関係は、カメラ211と鍵盤12との位置関係に基づいてあらかじめ定義されている。顔の向きは、演奏者が鍵盤12に正対した状態を基準として定義される。このとき演奏者が真っ直ぐ前を向いた状態が「正面」を向いた状態であり、演奏者が自分の左を向いた状態が「左向き」であり、自分の右を向いた状態が「右向き」である。具体的には、耳Eが顔Fの右半分に位置する場合(例:図5(A))、プロセッサ212は、顔が右向きであると判断する。耳Eが顔Fの両側に位置する場合(例:図5(B))、プロセッサ212は、顔が正面を向いていると判断する。耳Eが顔Fの左半分に位置する場合(例:図5(C))、プロセッサ212は、顔が左向きであると判断する。
再び図4を参照する。ステップS3において、プロセッサ212は、左チャンネルの音信号が右チャンネルの音信号に対して遅延するように、遅延回路173Lおよび遅延回路173Rの遅延量を設定する。
ステップS4において、プロセッサ212は、右チャンネルの遅延量および左チャンネルの遅延量を同じに設定する。
ステップS5において、プロセッサ212は、右チャンネルの音信号が左チャンネルの音信号に対して遅延するように、遅延回路173Lおよび遅延回路173Rの遅延量を設定する。
プロセッサ212は、ステップS1〜S5の処理を所定の周期で繰り返す。本実施形態によれば、演奏者の耳が向いている方のチャンネルの音信号を遅延させることができる。すなわち、演奏者の顔の向きの変化による音像の移動と逆方向への音像の移動を発生させることにより、演奏者が感じる違和感を低減することができる。
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
3−1.変形例1
図6は、変形例1に係る電子鍵盤楽器1の構成を例示する図である。この例では、鍵盤12が、それぞれ連続する複数の鍵からなる複数の鍵域、具体的には鍵域12A(第1鍵域の一例。相対的に低域)および鍵域12B(第2鍵域の一例。相対的に高域)の2つの鍵域に分割されている。第1鍵域および第2鍵域はいずれも、連続した複数の鍵の集合である。第1鍵域および第2鍵域は、少なくとも一部の鍵が異なっている(すなわち、第2鍵域は第1鍵域と異なる鍵を含んでいる)。変形例1において、音処理部17は、第1鍵域の操作に応じて出力された音信号を処理する場合と第2鍵域の操作に応じて出力された音信号を処理する場合とで、遅延処理の程度を異ならせている。
具体的には、音処理部17は、鍵域12Aの操作に応じて生成された音信号に対しては左チャンネルの低域の音信号出力を右チャンネルの低域の音信号出力よりも遅延させる処理を行うが、鍵域12Bの操作に応じて生成された音信号に対しては左チャンネルの低域の音信号出力を右チャンネルの低域の音信号出力よりも遅延させる処理を行わない。鍵域12Bの操作に応じて生成される音信号における音像は元々相対的に右に定位されており、演奏者の顔の向きの変化による音像位置の違和感が少ないためである。
音処理部17Aおよび音処理部17Bにより処理された音信号は、加算器31によりチャンネル毎に加算され、対応するスピーカから音が出力される。例えば、音処理部17Aにより処理された(鍵域12Aに対応する)左チャンネルの音信号と音処理部17Bにより処理された(鍵域12Bに対応する)左チャンネルの音信号とが加算され、スピーカ13から音が出力される。
なお、鍵盤12は3つ以上の鍵域に分割されてもよい。また、各鍵域の遅延量は遅延有り/無しの2値に限られない。例えば鍵域が3つに分割される場合に、低域の鍵域から順に、1msec、0.5msec、および0.1msecというように、異なる遅延量が設定されてもよい。第2実施形態で説明した電子鍵盤楽器2に対してこの変形例が適用されてもよい。
3−2.変形例2
実施形態においては低域の音信号および高域の音信号が加算器178により加算され、単一のスピーカ(スピーカ13またはスピーカ14)から音が出力される例を説明した。しかし、加算器178は省略されてもよい。すなわち低域の音信号および高域の音信号は合成されず、それぞれ別のスピーカから音が出力されてもよい。
3−3.変形例3
実施形態においては音信号を2つの帯域に分割し、このうち相対的に高域の音信号についてのみ、一方のチャンネルの音信号を他方のチャンネルの音信号から遅延させた。しかし、帯域分割を行わず、例えば左チャンネルの音信号全体を、右チャンネルの音信号全体に対して遅延させてもよい。この例によれば帯域分割を行う例と比較して音処理部17を簡素化することができる。
3−4.変形例4
実施形態においては音信号を2つの帯域の音信号に分割する例を説明した。しかし、音信号は3つ以上の帯域に分割されてもよい。この場合、最も高域の音信号を含む少なくとも1つの音信号について、一方のチャンネルの音信号が他方のチャンネルの音信号から遅延される。
3−5.変形例5
第2実施形態において、演奏者の耳の向き(顔の向き)を検知する方法は実施形態で説明したものに限定されない。プロセッサ212は、演奏者の顔や目から口の位置を認識し、目と口の相対的な位置から耳の位置を推測してもよい。また、プロセッサ212は、カメラ211によらずに演奏者の顔の向きを判断してもよい。プロセッサ212は、例えば、操作子19に対する操作を検知し、操作子19が操作されているときに、演奏者の顔が操作子19側を向いていると判断してもよい。あるいは、プロセッサ212は、例えば鍵盤12のうち押鍵されている鍵を検知し、所定の位置より操作子19に近い鍵が押鍵されたときに演奏者の顔が操作子19側に向いていると判断してもよい。
3−6.他の変形例
音処理部17の構成は実施形態で例示したものに限定されない。音処理部17において、LPFおよびHPFに代えてBPF(Band Pass Filter、帯域通過フィルタ)が用いられてもよい。例えば、図2のHPF172に代えてBPFが用いられてもよい。この場合、BPFの中心周波数およびバンド幅は、高音鍵の倍音成分に応じて決められる。倍音成分がほとんど存在しない高域の音信号は通過しなくてもよい。あるいは、音信号が3帯域に分割して処理される場合において、低域を通過させるLPF、中域を通過させるBPF、および高域を通過させるHPFを用いて音信号を分割してもよい。
音処理部17は、電子鍵盤楽器に用いられるものに限定されない。音処理部17は、鍵盤楽器以外の電子楽器、または電子楽器以外の装置における音信号の処理に用いられてもよい。
1…電子鍵盤楽器、2…電子鍵盤楽器、11…本体、12…鍵盤、13…スピーカ、14…スピーカ、15…押鍵センサ、16…発音制御部、17…音処理部、18…増幅器、19…操作子、31…加算器、161…音源、162…音信号生成部、172…HPF、173…遅延回路、174…乗算器、175…LPF、176…遅延回路、177…乗算器、178…加算器

Claims (3)

  1. 鍵盤と、
    前記鍵盤の操作に応じて第1チャンネルおよび第2チャンネルの音信号を出力する音源と、
    前記音源から入力された前記第1チャンネルおよび前記第2チャンネルの音信号のいずれか一方のチャンネルの音信号を遅延させ、当該遅延された一方のチャンネルの音信号と他方のチャンネルの音信号とをそれぞれ出力する処理部と、
    前記処理部から出力された前記第1チャンネルの音信号に従った音を出力する第1スピーカと、
    前記処理部から出力された前記第2チャンネルの音信号に従った音を出力する第2スピーカと
    を有し、
    前記処理部は、
    前記第1チャンネルの音信号および前記第2チャンネルの音信号のうち一方のチャンネルの音信号から第1の周波数帯域の音信号を通過させる第1フィルタと、
    前記一方のチャンネルの音信号から前記第1の周波数帯域よりも低域の第2の周波数帯域の音信号を通過させる第2フィルタと、
    前記第1フィルタを通過した音信号を遅延させて出力する遅延回路と、
    前記遅延回路で遅延された音信号と前記第2フィルタを通過した音信号とを加算して出力する加算器と
    を有し、
    前記加算器から出力された音信号を前記一方のチャンネルの音信号として出力する
    電子鍵盤楽器。
  2. 演奏者の耳の位置を検知する検知部を有し、
    前記処理部は、前記第1チャンネルの音信号および前記第2チャンネルの音信号のうち、前記検知部により検知された耳の位置に応じて決定される一方のチャンネルの音信号を遅延させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器。
  3. 演奏者により操作される操作子を有し、
    前記処理部は、前記操作子に近いスピーカから音が出力されるチャンネルの音信号を遅延させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器。
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