JP2017165593A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法において、結晶くねりや融液からの切り離れによる単結晶化率の低下を防止しつつ、エピタキシャルシリコンウェーハの基板材料として用いた場合にエピ欠陥の発生を抑制する。
【解決手段】結晶直径が一定に維持されたボディー部3cを育成するボディー部育成工程と、結晶直径が徐々に小さくなったテール部3dを育成するテール部育成工程とを含み、石英ルツボ11の上方に配置された熱遮蔽体17の下端17bよりも上方であって熱遮蔽体17の内側に配置された水冷体18を用いてシリコン融液2から引き上げられたシリコン単結晶3を冷却する。テール部育成工程ではテール部3dの育成開始時から終了時までボディー部育成終了時における引き上げ速度と同じ引き上げ速度でシリコン単結晶3を引き上げる。
【選択図】図4

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法という)によるシリコン単結晶の製造方法に関し、特に、シリコン単結晶インゴットのテール部を育成する方法に関するものである。
半導体デバイスの基板材料としてエピタキシャルシリコンウェーハが広く使用されている。エピタキシャルシリコンウェーハはバルクシリコン基板の表面にエピタキシャル層を形成したものであり、結晶の完全性が高いため、高品質で信頼性が高い半導体デバイスを製造することが可能である。
エピタキシャルシリコンウェーハの基板材料となるシリコン単結晶の多くはCZ法により製造される。CZ法では、石英ルツボ内に多結晶シリコンなどの原料を充填し、チャンバー内でシリコン原料を加熱して融解する。次に、引き上げ軸の下端に取り付けられた種結晶を石英ルツボの上方から降下させてシリコン融液に接触させ、種結晶および石英ルツボを回転させながら種結晶を徐々に上昇させることにより、種結晶の下方に大きな直径の単結晶を成長させる。
エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法として、例えば特許文献1には、シリコン単結晶インゴットを引き上げるに際し、引き上げ途中の1030〜920℃の温度領域を1.0℃/分以上の冷却速度で、続いて920〜720℃の温度領域を0.5℃/分以下の冷却速度で成長させたシリコン単結晶を育成した後、当該単結晶から切り出したウェーハの表面にエピタキシャル層を形成することが記載されている。OSF(Oxygen induced Stacking Fault:酸素誘起積層欠陥)の核が成長しやすい温度領域(1030〜920℃)を速く通過させてOSF核サイズを非常に小さくすることにより、OSFに起因するエピタキシャル欠陥(以下、エピ欠陥という)の発生を抑制することが可能である。
単結晶の引き上げ工程では、単結晶を無転位化するためダッシュネック法により結晶直径を細く絞るネッキング工程、結晶直径を徐々に増加させるショルダー部育成工程、結晶直径を一定に維持しながら結晶成長を進めるボディー部育成工程、結晶直径を徐々に縮小して円錐状のテール部を形成するテール部育成工程が順次行われる。このうち、テール部育成工程は、結晶成長界面に存在した融液と単結晶との間の熱均衡が崩れて結晶に急激な熱衝撃が加わり、スリップ転位や酸素析出異常等の品質異常が発生することを防止しながら単結晶を融液から切り離すために必要な工程である。
テール部育成工程に関し、例えば特許文献2には、インゴットの端末コーン部(テール部)の引き上げ速度を、インゴットの本体部(ボディー部)の第2半分に関する引き上げ速度と同等の比較的一定な速度に維持し、さらに必要であれば、ヒーターに供給する電力(熱量)を増大させるか、あるいは結晶回転速度やルツボ回転速度を減少させることで、均一な熱履歴を持つ単結晶シリコンインゴットを製造することが記載されている。
特開2010−30856号公報 特開平10−95698号公報
特許文献1では、水冷体を備えた単結晶引き上げ装置が使用され、単結晶育成時の引き上げ速度および結晶化直後の単結晶の引き上げ軸方向の温度勾配を制御している。しかし、エピタキシャルシリコンウェーハの基板材料として使用される部分は、結晶直径が一定に維持されたボディー部(直胴部)であり、テール部はウェーハ製品として使用されない部位である。そのため、特許文献1にはボディー部の冷却条件が記載されているが、テール部における引き上げ速度、ヒーターパワー、単結晶の回転速度等の具体的な引き上げ条件は記載されていない。
テール部の育成では、単結晶の引き上げ速度を速くして結晶直径を徐々に絞る制御が一般的である。単結晶の引き上げ速度を速くすることでテール絞りを容易に行うことができ、しかもテール部育成期間が短くなることで製造コストの低減につながるからである。また上記のようにテール部はウェーハ製品とならない部位であり、引き上げ速度を速くすることでテール部自体の結晶品質が低下しても問題にならない。このような理由から、従来の一般的なテール部育成工程では、単結晶の引き上げ速度を速くする制御が行われており、特許文献1においてもテール絞りしやすい条件が採用されているものと考えられる。
しかしながら、テール部育成工程において単結晶の引き上げ速度を速くする場合には結晶くねりや単結晶がシリコン融液から突然切り離されることによって単結晶が有転位化するリスクがある。
特許文献2には、テール部の引き上げ速度を、ボディー部の後半の引き上げ速度と同等の比較的一定な速度に維持にすることが記載されている。このようにテール部の引き上げ速度を一定にする制御は、一見したところ単結晶のボディー部全体に亘って比較的一定な冷却速度および滞留時間を持つように思われる。
しかしながら、テール部の引き上げ速度をボディー部と同じ速度にした場合には、従来のテール部育成工程よりも単結晶の引き上げ速度を遅くしていることになるので、シリコン融液から引き上げられたシリコン単結晶がOSF核形成温度領域に滞在する時間が実際には長くなり、エピ欠陥が増大するおそれがある。
またテール部育成工程では結晶直径が徐々に減少することで図8に示すように熱遮蔽体17とシリコン単結晶3との間隔Dが広がり、シリコン融液2等からの熱が白抜き矢印で示すように上方に拡散して結晶化直後のシリコン単結晶3の周囲が高温化する。このような環境下でシリコン単結晶3のテール部3dをボディー部3cと同じ引き上げ速度でゆっくり引き上げた場合には、シリコン単結晶3の周囲の高温化の影響がさらに大きくなる。すなわち、シリコン融液2から引き上げられたシリコン単結晶3がOSF核形成温度領域に滞在する時間がさらに長くなり、エピ欠陥が増大することになる。
さらに、ボディー部3cを引き上げる場合と異なり、テール部3dは結晶直径が減少して結晶を引き上げる状態が刻々と変化するため有転位化しやすい。さらに、テール部育成工程ではルツボ内の融液量が少なくルツボ底部で融液を保持するため、テール部3dの引き上げ進行に伴ってルツボ内の融液の状態も刻々と変化し、有転位化しやすい。そのため、テール部3dをボディー部3cと同じ速度で引き上げた場合にはテール部3dの引き上げ完了までに要する時間が非常に長くなり、テール部3dでの有転位化のリスクが増大するという問題がある。
したがって、本発明の目的は、結晶くねりや融液からの切り離れによる単結晶化率の低下を防止しつつ、エピタキシャルシリコンウェーハの基板材料として用いた場合にエピ欠陥の発生を抑制することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるシリコン単結晶の製造方法は、石英ルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、結晶直径が一定に維持されたボディー部を育成するボディー部育成工程と、結晶直径が徐々に減少したテール部を育成するテール部育成工程とを含み、前記石英ルツボの上方に配置された熱遮蔽体の下端よりも上方であって前記熱遮蔽体の内側に配置された水冷体を用いて前記シリコン融液から引き上げられた前記シリコン単結晶を冷却し、前記テール部育成工程では前記テール部の育成開始時から終了時まで前記ボディー部育成終了時における引き上げ速度と同じ引き上げ速度で前記シリコン単結晶を引き上げることを特徴とする。
テール部育成工程では結晶直径が徐々に小さくなることにより熱遮蔽体と単結晶との間の横方向の隙間が徐々に広くなり、熱遮蔽体によって遮蔽されていた熱が上方に拡散し、シリコン単結晶が冷却されにくくなる。また、テール部育成工程において熱遮蔽体とルツボとの接触を避けるために石英ルツボの上昇を停止する場合には、融液面の低下によって熱遮蔽体と融液面との間隔が徐々に広くなり、石英ルツボからの輻射熱が上方にさらに拡散しやすくなる。そのため、テール部近くのボディー部の結晶品質は熱の影響を受けてトップ側の結晶品質と異なったものとなる。つまり、1020〜980℃の温度領域の滞在時間が長くなって徐冷状態となり、エピ欠陥が発生しやすい大きなOSF核を含む結晶となる。
しかし、本発明によれば、熱遮蔽体の上方の引き上げ経路の周囲に水冷体が設けられているので、単結晶の引き上げ速度を速めることなく、結晶化直後のシリコン単結晶がOSF核形成温度領域に滞在する期間を短くすることができる。したがって、結晶のくねりや結晶が融液から切り離されることによる単結晶化率の低下が防止され、エピタキシャル層形成時にエピ欠陥の発生を抑制することが可能なシリコン単結晶を製造することができる。
前記テール部育成工程では、前記シリコン単結晶の前記ボディー部の1020℃から980℃までの温度領域を15分以内で通過することが好ましい。このように、シリコン融液から引き上げられたシリコン単結晶がOSF核形成温度領域を素早く通過することにより、シリコン単結晶中のOSF核サイズを小さくすることができる。したがって、単結晶インゴットから切り出されたシリコンウェーハの表面にエピタキシャル層を形成したときにOSFに起因するエピ欠陥の発生を抑えることができる。
本発明によるシリコン単結晶の製造方法は、前記テール部の育成開始時から終了時まで前記シリコン融液を加熱するヒーターのパワーを漸増させると共に、前記テール部の育成終了時における前記ヒーターのパワーを前記テール部の育成開始時における前記ヒーターのパワーの1.1倍以上1.5倍以下に設定することが好ましい。これによれば、結晶くねりやシリコン融液からの単結晶の切り離れを防止しながらテール絞りを実現することができる。
前記テール部育成工程では前記熱遮蔽体と前記シリコン融液との間隔が一定となるように前記石英ルツボを上昇させることが好ましい。テール部育成工程終了まで石英ルツボを上昇させて融液面の高さ位置を一定に保つことにより、石英ルツボからの輻射熱の影響を抑えることができ、OSF核形成温度領域の広がりを抑えることができる。
前記テール部育成工程では前記石英ルツボあるいは前記シリコン単結晶の回転速度を一定に維持することが好ましく、前記シリコン融液に磁場を印加することもまた好ましい。前記テール部育成工程では石英ルツボ内の融液量が少なく、かつ、ルツボ底部で融液を保持するため、石英ルツボの回転速度の変化の影響を融液が受けやすく、融液の状態が不安定であるため、回転速度を一定に維持することにより融液状態の安定化を図り、シリコン単結晶の有転位化のリスクを低減することができる。同様に、シリコン単結晶の回転速度を一定にすることにより、あるいは、シリコン融液に磁場を印加することにより、テール部育成工程における融液状態の安定化が図られ、シリコン単結晶の有転位化のリスクを低減することができる。なお石英ルツボおよびシリコン単結晶の回転速度は実質的に一定であればよく、±2rpm以内の変動は許容範囲である。
本発明によれば、結晶くねりや融液からの切り離れによる単結晶化率の低下を防止しつつ、エピタキシャルシリコンウェーハの基板材料として用いた場合にエピ欠陥の発生を抑制することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による単結晶製造装置の構成を概略的に示す側面断面図である。 図2は、本発明の実施の形態によるシリコン単結晶の製造方法を説明するフローチャートである。 図3は、シリコン単結晶インゴットの形状を示す略断面図である。 図4は、テール部育成工程中の単結晶の引き上げ状況を示す略断面図である。 図5は、単結晶の引き上げ速度およびヒーターパワーの変化を示すシーケンス図である。 図6は、本発明の第2の実施の形態による単結晶製造装置の構成を概略的に示す側面断面図である。 図7は、単結晶の引き上げ位置と単結晶のOSF核形成温度領域(1020〜980℃の領域)の通過時間との関係を示すグラフである。 図8は、テール部育成工程における従来の問題点を説明するための模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による単結晶製造装置の構成を概略的に示す側面断面図である。
図1に示すように、単結晶製造装置1Aは、チャンバー10と、チャンバー10内においてシリコン融液2を保持する石英ルツボ11と、石英ルツボ11を保持するグラファイト製のサセプタ12と、サセプタ12を支持する回転シャフト13と、回転シャフト13を回転および昇降駆動するシャフト駆動機構14と、サセプタ12の周囲に配置されたヒーター15と、ヒーター15の外側であってチャンバー10の内面に沿って配置された断熱材16と、石英ルツボ11の上方に配置された熱遮蔽体17と、熱遮蔽体17の内側であって熱遮蔽体17の下端よりも上方に設けられた水冷体18と、石英ルツボ11の上方であって回転シャフト13と同軸上に配置された単結晶引き上げ用のワイヤー19と、チャンバー10の上方に配置されたワイヤー巻き取り機構20とを備えている。
また単結晶製造装置1Aは、チャンバー10の外側に配置された磁場発生装置21と、チャンバー10内を撮影するCCDカメラ22と、CCDカメラ22で撮影された画像を処理する画像処理部23と、画像処理部23の出力に基づいてシャフト駆動機構14、ヒーター15およびワイヤー巻き取り機構20を制御する制御部24とを備えている。
チャンバー10は、メインチャンバー10aと、メインチャンバー10aの上部開口に連結された細長い円筒状のプルチャンバー10bとで構成されており、石英ルツボ11、サセプタ12、ヒーター15および熱遮蔽体17はメインチャンバー10a内に設けられている。プルチャンバー10bにはチャンバー10内にアルゴンガス等の不活性ガス(パージガス)を導入するためのガス導入口10cが設けられており、メインチャンバー10aの下部には不活性ガスを排出するためのガス排出口10dが設けられている。また、メインチャンバー10aの上部には覗き窓10eが設けられており、シリコン単結晶3の育成状況(固液界面)を覗き窓10eから観察可能である。
石英ルツボ11は、円筒状の側壁部と湾曲した底部とを有する石英ガラス製の容器である。サセプタ12は、加熱によって軟化した石英ルツボ11の形状を維持するため、石英ルツボ11の外表面に密着して石英ルツボ11を包むように保持する。石英ルツボ11およびサセプタ12はチャンバー10内においてシリコン融液を支持する二重構造のルツボを構成している。
サセプタ12は鉛直方向に延びる回転シャフト13の上端部に固定されている。また回転シャフト13の下端部はチャンバー10の底部中央を貫通してチャンバー10の外側に設けられたシャフト駆動機構14に接続されている。サセプタ12、回転シャフト13およびシャフト駆動機構14は石英ルツボ11の回転機構および昇降機構を構成している。
ヒーター15は、石英ルツボ11内に充填されたシリコン原料を溶融してシリコン融液2を生成するために用いられる。ヒーター15はカーボン製の抵抗加熱式ヒーターであり、サセプタ12内の石英ルツボ11を取り囲むように設けられている。さらにヒーター15の外側は断熱材16に取り囲まれており、これによりチャンバー10内の保温性が高められている。
熱遮蔽体17は、シリコン融液2の温度変動を抑制して固液界面付近に適切なホットゾーンを形成するとともに、ヒーター15および石英ルツボ11からの輻射熱によるシリコン単結晶3の加熱を防止するために設けられている。熱遮蔽体17は、シリコン単結晶3の引き上げ経路を除いたシリコン融液2の上方の領域を覆うグラファイト製の部材であり、上方から下方に向かって直径が縮小した逆円錐台形状を有している。
熱遮蔽体17の下端中央にはシリコン単結晶3の直径よりも大きな円形の開口17aが形成されており、シリコン単結晶3の引き上げ経路が確保されている。図示のように、シリコン単結晶3は開口17aを通過して上方に引き上げられる。熱遮蔽体17の開口17aの直径は石英ルツボ11の口径よりも小さく、熱遮蔽体17の下端部は石英ルツボ11の内側に位置するので、石英ルツボ11のリム上端を熱遮蔽体17の下端よりも上方まで上昇させても熱遮蔽体17が石英ルツボ11と干渉することはない。
シリコン単結晶3の成長と共に石英ルツボ11内の融液量は減少するが、融液面と熱遮蔽体17との間隔(ギャップΔG)が一定になるように石英ルツボ11を上昇させることにより、シリコン融液2の温度変動を抑制すると共に、融液面近傍(パージガス誘導路)を流れるガスの流速を一定にしてシリコン融液2からのドーパントの蒸発量を制御することができる。したがって、単結晶の引き上げ軸方向の結晶欠陥分布、酸素濃度分布、抵抗率分布等の安定性を向上させることができる。
熱遮蔽体17の下端17bよりも上方であって熱遮蔽体17の内側には水冷体18が配置されている。熱遮蔽体17等と同様、水冷体18はシリコン単結晶3の引き上げ経路を取り囲むように設けられている。水冷体18は、銅、鉄、ステンレス鋼(SUS)、モリブデンなどの熱伝導のよい金属からなり、その内部に冷却水を通流させて表面温度を常温から200℃程度にわたって維持できることが好ましい。詳細は後述するが、この水冷体18があることにより、結晶化直後のシリコン単結晶3の冷却を促進させることができる。
石英ルツボ11の上方には、シリコン単結晶3の引き上げ軸であるワイヤー19と、ワイヤー19を巻き取るワイヤー巻き取り機構20が設けられている。ワイヤー巻き取り機構20はワイヤー19と共に単結晶を回転させる機能を有している。ワイヤー巻き取り機構20はプルチャンバー10bの上方に配置されており、ワイヤー19はワイヤー巻き取り機構20からプルチャンバー10b内を通って下方に延びており、ワイヤー19の先端部はメインチャンバー10aの内部空間まで達している。図1には、育成途中のシリコン単結晶3がワイヤー19に吊設された状態が示されている。単結晶の引き上げ時には種結晶をシリコン融液2に浸漬し、石英ルツボ11と種結晶をそれぞれ回転させながらワイヤー19を徐々に引き上げることにより単結晶を成長させる。
プルチャンバー10bの上部にはチャンバー10内に不活性ガスを導入するためのガス導入口10cが設けられており、メインチャンバー10aの底部にはチャンバー10内の不活性ガスを排気するためのガス排出口10dが設けられている。不活性ガスはガス導入口10cからチャンバー10内に導入され、その導入量はバルブにより制御される。また密閉されたチャンバー10内の不活性ガスはガス排出口10dからチャンバー10の外部へ排気されるので、チャンバー10内で発生するSiOガスやCOガスを回収してチャンバー10内を清浄に保つことが可能となる。図示していないが、ガス排出口10dには配管を介して真空ポンプが接続されており、真空ポンプでチャンバー10内の不活性ガスを吸引しながらバルブでその流量を制御することでチャンバー10内は一定の減圧状態に保たれている。
磁場発生装置21はシリコン融液2に水平磁場または垂直磁場を印加する。シリコン融液2に磁場を印加ことで磁力線に直交する方向の融液対流を抑制することができる。したがって、石英ルツボ11からの酸素の溶出を抑えることができ、シリコン単結晶中の酸素濃度を低減することができる。
メインチャンバー10aの上部には内部を観察するための覗き窓10eが設けられており、CCDカメラ22は覗き窓10eの外側に設置されている。単結晶引き上げ工程中、CCDカメラ22は覗き窓10eから熱遮蔽体17の開口17aを通して見えるシリコン単結晶3とシリコン融液2との境界部の画像を撮影する。CCDカメラ22は画像処理部23に接続されており、撮影画像は画像処理部23で処理され、処理結果は制御部24において引き上げ条件の制御に用いられる。
図2は、本発明の実施の形態によるシリコン単結晶の製造方法を説明するフローチャートである。また、図3は、シリコン単結晶インゴットの形状を示す略断面図である。
図2および図3示すように、シリコン単結晶3の製造では、石英ルツボ11内のシリコン原料を加熱してシリコン融液2を生成する(ステップS11)。その後、ワイヤー19の先端部に取り付けられた種結晶を降下させてシリコン融液2に着液させる(ステップS12)。
次に、シリコン融液2との接触状態を維持しながら種結晶を徐々に引き上げて単結晶を育成する単結晶の引き上げ工程を実施する。単結晶の引き上げ工程では、無転位化のために結晶直径が細く絞られたネック部3aを形成するネッキング工程(ステップS13)と、規定の直径を得るために結晶直径が徐々に増加したショルダー部3bを形成するショルダー部育成工程(ステップS14)と、結晶直径が一定に維持されたボディー部3cを形成するボディー部育成工程(ステップS15)と、結晶直径が徐々に減少したテール部3dを形成するテール部育成工程(ステップS16)が順に実施され、単結晶が融液面から最終的に切り離されることによりテール部育成工程が終了する。以上により、単結晶の上端(トップ)から下端(ボトム)に向かって順に、ネック部3a、ショルダー部3b、ボディー部3c、およびテール部3dを有するシリコン単結晶インゴット3が完成する。
単結晶の引き上げ工程中は、シリコン単結晶3の直径およびシリコン融液2の液面位置を制御するため、CCDカメラ22でシリコン単結晶3とシリコン融液2との境界部の画像を撮影し、撮影画像から固液界面における単結晶の直径および融液面と熱遮蔽体17との間隔(ギャップΔG)を算出する。制御部24は、シリコン単結晶3の直径が目標直径となるようにワイヤー19の引き上げ速度、ヒーター15のパワー等の引き上げ条件を制御する。また制御部24は、融液面と熱遮蔽体17との間隔が一定となるように石英ルツボ11の高さ位置を制御する。
図4は、テール部育成工程中の単結晶の引き上げ状況を示す略断面図である。
図4に示すように、シリコン単結晶3をシリコン融液2から無転位の状態で切り離すため、テール部育成工程では引き上げの進行とともに結晶直径が徐々に小さくなるため、熱遮蔽体17とシリコン単結晶3との間の間隔Dが徐々に広くなる。そのため、シリコン融液2から上方に向かう放熱経路の幅が広くなり、熱遮蔽体17の下端17bよりも上方に熱が拡散しやすくなるため、熱遮蔽体17の下端17bよりも上方の空間の温度が高くなる。これにより、熱遮蔽体17の上部が加熱されて熱遮蔽体17自体が熱源となり、結晶化直後のシリコン単結晶3が加熱される。このような状態では単結晶中にOSF核が形成されやすい1020〜980℃の温度領域(OSF核形成温度領域)をシリコン単結晶3が素早く通過することができなくなり、シリコン単結晶3の引き上げ速度を遅くする場合にはさらに難しくなる。
しかし、本実施形態においては、熱遮蔽体17の下端17bよりも上方であって熱遮蔽体17の内側17iに水冷体18が設けられているので、熱遮蔽体17の下端17bの開口を通過した後の高温領域の温度を下げることができ、1020〜980℃の温度領域の結晶成長方向の幅を狭くすることができる。したがって、シリコン単結晶3の引き上げ速度を従来よりも遅くする場合でもシリコン単結晶3が1020〜980℃の温度領域に滞在する時間を短くすることができ、OSF核形成温度領域を素早く通過させて単結晶中のOSF核サイズを非常に小さくすることができる。
図5は、シリコン単結晶3の引き上げ速度およびヒーター15のパワーの変化を示すシーケンス図である。
図5に示すように、シリコン単結晶3の引き上げ速度は、ボディー部3cからテール部3dにかけて一定に制御される。なおテール部育成工程中における一定の引き上げ速度とは、テール部育成工程開始時の引き上げ速度に対する変動率が±3%以内のことをいう。
従来の一般的なテール部育成工程では、ボディー部育成工程よりもその引き上げ速度を速くすると共にヒーター15のパワーを補助的に強くすることで結晶直径を細く絞っている。しかし、本実施形態では引き上げ速度を変えることなくヒーター15のパワーのみを変えることでテール絞りを実現している。このようにテール部3dの育成開始時から終了時までその引き上げ速度を一定に維持することにより、結晶くねりや融液からの切り離れによる単結晶の有転位化の発生を防止することができる。
テール部3dの引き上げ速度をボディー部3cの引き上げ速度と等速にした場合にはテール絞りの制御が難しくなるが、ヒーター15のパワーをより強くしてシリコン融液2が固化しにくい状況を作り出すことでテール絞りしやすくすることができる。ヒーター15のパワーを強くした場合にはその輻射熱の影響がさらに強くなり、水冷体18がなければ上述のように1020〜980℃のOSF核形成温度領域がさらに広がる。しかし、上述のように水冷体18を設けることでOSF核形成温度領域を狭くすることができ、シリコン単結晶3のOSF核形成温度領域の通過時間(滞在時間)を短くすることができる。
上記のように、テール部育成工程中のヒーター15のパワーは、ボディー部育成工程終了時のヒーター15のパワーよりも大きい。特に、ヒーター15のパワーはテール部育成開始時から漸増し、テール部育成終了時におけるヒーター15のパワーはテール部育成開始時の1.1〜1.5倍であることが好ましい。このように、テール部育成工程におけるヒーター15のパワーを徐々に大きくすると共に、テール部育成終了時のヒーター15のパワーを育成開始時の1.1〜1.5倍の範囲内に収めることにより、テール部3dの引き上げ速度をボディー部3cと等速にした場合でもテール絞りを実現することができ、さらに結晶くねりや有転位化を防止することができる。
テール部育成工程においても石英ルツボ11を徐々に上昇させてシリコン融液2の液面位置を一定に維持することが好ましい。従来は単結晶化率を高めるため石英ルツボ11内のシリコン融液2の残量をできるだけ少なくしてからテール部育成工程に移行していたため、テール部育成開始時には石英ルツボ11が十分高い位置にあり、石英ルツボ11をさらに上昇させると石英ルツボ11が熱遮蔽体17と干渉してしまう状況となっていた。そのため、テール部育成工程の開始時や途中で石英ルツボ11の上昇を停止しなければならず、融液面の低下によって融液面と熱遮蔽体17との間隔が広がり、シリコン単結晶3が石英ルツボ11からの輻射熱の影響を受けやすくなり、OSF核形成温度領域が広がってしまうという問題があった。
しかしながら、本実施形態においては、シリコン融液2が十分に消費される前にテール部育成工程を開始し、テール部育成工程終了まで石英ルツボ11を上昇させて融液面の高さ位置を一定に保つことにより、石英ルツボ11からの輻射熱の影響を抑えることができ、OSF核形成温度領域の広がりを抑えることができる。
テール部育成中は結晶直径が徐々に減少し、結晶引き上げ状態が刻々と変化するため、シリコン単結晶3が有転位化しやすい。そしてテール部育成中の引き上げ速度を従来よりも遅くした場合にはテール部育成工程時間が長くなり、有転位化のリスクがさらに増加する。このような条件下で有転位化のリスクをできるだけ低減するためには、テール部育成工程においてシリコン単結晶3および石英ルツボ11の回転速度を一定に維持することが好ましい。これらの回転速度は、ボディー部育成工程での回転速度と同じであってもよく、異なっていてもよい。これにより、石英ルツボ11内のシリコン融液2の対流を安定にして融液温度を安定化させることができる。
テール部育成工程においても磁場発生装置21を動作させてシリコン融液2に水平磁場または垂直磁場を印加することが好ましい。このようにすることで、石英ルツボ11内のシリコン融液2の対流をさらに安定化させることができる。シリコン単結晶3のテール部3dは製品として使用されない部位であり、製品化領域はボディー部3cであるため、テール部育成工程S16において磁場を印加して酸素濃度レベルやその面内分布等の結晶品質を制御する必要はない。テール部育成工程S16ではこれまで育成してきたシリコン単結晶3のボディー部3cの品質が低下しないようにシリコン融液2から速やかに切り離すことが重要である。しかしテール部育成中に磁場を印加した場合には石英ルツボ11内のシリコン融液2の対流を安定にして融液温度を安定化させることができ、これにより結晶くねりや有転位化を防止することができる。
図6は、本発明の第2の実施の形態による単結晶製造装置の構成を概略的に示す側面断面図である。
図6に示すように、単結晶製造装置1Bの特徴は、水冷体18が第1の実施の形態のものに比べて十分に長い円筒状の部材からなり、メインチャンバーの上端(プルチャンバーの下端)の位置から下方に延びて図中一点鎖線で囲まれた熱遮蔽体17の内側17iまで達している。すなわち、水冷体18はシリコン単結晶3の引き上げ経路をできるだけ長くカバーするように設けられている。
本実施形態においても、熱遮蔽体17の下端17bよりも上方であって熱遮蔽体17の内側17iに水冷体18が存在しているので、熱遮蔽体17の下端17bの開口を通過した後の高温領域の温度を下げることができ、1020〜980℃の温度領域の結晶成長方向の幅を狭くすることができる。したがって、シリコン単結晶3の引き上げ速度を従来よりも遅くする場合でもシリコン単結晶3が1020〜980℃の温度領域に滞在する時間を短くすることができ、OSF核形成温度領域を素早く通過させて単結晶中のOSF核サイズを非常に小さくすることができる。
以上説明したように、本実施形態によるシリコン単結晶の製造方法は、熱遮蔽体17の下端17bよりも上方であって熱遮蔽体17の内側に水冷体18を配置し、テール部育成工程において結晶化直後のシリコン単結晶3を水冷体18で冷却すると共に、テール部3dをボディー部3cと等速で引き上げるので、テール部育成工程S16において結晶くねりや融液からの切り離れを防止しながらエピ欠陥の原因となるOSF核が極めて少ない高品質なシリコン単結晶を製造することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
テール部育成工程における単結晶の引き上げ速度と水冷体18の有無の違いによる単結晶化率とエピ欠陥の発生状況を評価した。この評価試験では、図1に示した単結晶製造装置1Aを用いて、直径300mmのシリコン単結晶インゴットのサンプル1〜6を引き上げた。その際、ボディー部の引き上げ速度を1.0mm/minとし、ボディー部育成中だけでなくテール部育成中も融液面と熱遮蔽体の下端との間隔が一定となるように石英ルツボを上昇させながら単結晶の引き上げを行った。
サンプル1、2では、テール部3dの引き上げ速度をボディー部3cよりも高速(1.1倍)にした。またサンプル3、4ではテール部3dの引き上げ速度をボディー部3cと等速にし、サンプル5、6ではテール部3dの引き上げ速度をボディー部3cよりも低速(0.9倍)にした。またサンプル1、3、5では水冷体18を取り外した単結晶製造装置1Aを用いて引き上げを行い、サンプル2、4、6では水冷体18が接地された単結晶製造装置1Aを用いて引き上げを行った。
次に、こうして得られたシリコン単結晶インゴットのサンプル1〜6を加工して厚さ775μmのシリコンウェーハ(ポリッシュドウェーハ)を作製し、シリコンウェーハの表面に厚さ4μmのエピタキシャル層を形成してサンプル1〜6に対応するエピタキシャルシリコンウェーハを作製した。そして各エピタキシャルシリコンウェーハのエピ欠陥の個数をパーティクルカウンターで測定した。
表1は、サンプル1〜6の単結晶化率およびエピ欠陥の評価試験の結果を示す表である。
表1に示すように、水冷体18を用いずにテール部3dの引き上げ速度をボディー部3cよりも高速にして製造したサンプル1ではテール部3dのシリコン融液からの切り離れが発生し、単結晶化率が悪化した。また水冷体18を用いると共にテール部3dの引き上げ速度をボディー部3cよりも高速にして製造したサンプル2でもテール部3dのシリコン融液からの切り離れが発生し、単結晶率が悪化した。そのため、これらのサンプル1、2のエピ欠陥発生状況を評価することはできなかった。
水冷体18を用いずにテール部3dの引き上げ速度をボディー部3cと等速にしたサンプル3では、単結晶化率が75%以上となり、またエピ欠陥の個数は5〜10個/wfなった。水冷体18を用いると共にテール部3dの引き上げ速度をボディー部3cと等速にしたサンプル4では、単結晶化率が75%以上となり、またエピ欠陥の個数は5個/wf未満と非常に少なく、エピ欠陥の品質基準を満たすことが確認できた。
テール部3dの引き上げ速度をボディー部3cよりも低速にして製造したサンプル5および6では、水冷体18の使用の有無によらず75%以上の高い単結晶化率となったが、エピ欠陥が10個/wf超と多かった。
以上の結果から、水冷体18を用いると共にテール部3dの引き上げ速度をボディー部3cと等速にしたサンプル4では、単結晶化率とのエピ欠陥の両方の品質を満足させることができることを確認できた。
次に、上記サンプル4の条件下において、融液面と熱遮蔽体17との間隔が単結晶の結晶成長方向の温度勾配にどのような影響を与えるかについてシミュレーションを行った。
図7は、単結晶の引き上げ位置と単結晶のOSF核形成温度領域(1020〜980℃の領域)の通過時間との関係を示すグラフである。図7のグラフの横軸は単結晶のボトム(テール部3dの下端)からの距離、縦軸はOSF核形成温度領域の通過時間をそれぞれ示している。
図7に示すように、融液面と熱遮蔽体17との間隔(ギャップΔG)が拡大する条件、つまり融液面の低下に対して石英ルツボ11を上昇させて融液面と熱遮蔽体17との間隔を一定にする制御を行わない場合には、引き上げ位置がボトムに近づくほど単結晶のOSF核形成温度領域の通過時間が長くなることが分かる。テール部3dの引き上げ速度は一定であることから、OSF核形成温度領域の通過時間が長くなるということは、引き上げ位置がボトムに近づくほどOSF核形成温度領域が引き上げ軸方向に拡大していることを意味する。
これに対し、融液面と熱遮蔽体17との間隔を一定にする条件では、引き上げ位置がテール部3dの下端に近いても単結晶のOSF核形成温度領域の通過時間がそれほど長くならないことが分かる。以上の結果から、テール部育成工程においても融液面と熱遮蔽体17との間隔を一定にするにより、OSF核形成温度領域の広がりを抑えることができることを確認できた。
次に、テール部育成工程中のヒーター15の出力の違いが単結晶の品質に与える影響を評価した。テール部育成開始時および終了時のヒーター15のパワーをそれぞれCkWおよびDkWとするとき、評価試験ではヒーターパワー比D/Cを0.9から1.8までの範囲内で変化させた。その他の引き上げ条件は上述の単結晶化率およびエピ欠陥の評価試験と同一条件とした。
表2は、ヒーターパワー比の違いによる結晶育成状況の評価試験の結果を示す表である。
表2に示すように、ヒーターパワー比D/Cが1.1を下回るとテール絞りが出来なかった。また、ヒーターパワー比D/Cが1.5を超えると結晶くねりが発生し、テール部3dをきれいなコーン形状に整えることができなかった。一方、ヒーターパワー比D/Cが1.1から1.5までの範囲ではテール絞りを行うことができ、テール部3dを育成することができた。
以上の結果から、テール部育成開始時に対するテール部育成終了時のヒーターパワー比D/Cが1.1〜1.5を満たし、かつテール部育成中のヒーターパワーをテール部育成開始時よりも常に大きい条件下でシリコン単結晶を育成した場合には、きれいな形状のテール部を育成することができ、結晶くねりやシリコン融液からの単結晶の切り離れは生じなかった。
1A,1B 単結晶製造装置
2 シリコン融液
3 シリコン単結晶(インゴット)
3a ネック部
3b ショルダー部
3c ボディー部
3d テール部
10 チャンバー
10a メインチャンバー
10b プルチャンバー
10c ガス導入口
10d ガス排出口
10e 覗き窓
11 石英ルツボ
12 サセプタ
13 回転シャフト
14 シャフト駆動機構
15 ヒーター
16 断熱材
17 熱遮蔽体
17a 熱遮蔽体の開口
17b 熱遮蔽体の下端
17i 熱遮蔽体の内側
18 水冷体
19 ワイヤー
20 ワイヤー巻き取り機構
21 磁場発生装置
22 CCDカメラ
23 画像処理部
24 制御部

Claims (7)

  1. 石英ルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、
    結晶直径が一定に維持されたボディー部を育成するボディー部育成工程と、
    結晶直径が徐々に減少したテール部を育成するテール部育成工程とを含み、
    前記石英ルツボの上方に配置された熱遮蔽体の下端よりも上方であって前記熱遮蔽体の内側に配置された水冷体を用いて前記シリコン融液から引き上げられた前記シリコン単結晶を冷却し、
    前記テール部育成工程では前記テール部の育成開始時から終了時まで前記ボディー部育成終了時における引き上げ速度と同じ引き上げ速度で前記シリコン単結晶を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記テール部育成工程では前記シリコン単結晶の前記ボディー部の1020℃から980℃までの温度領域を15分以内で通過させる、請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記テール部の育成開始時から終了時まで前記シリコン融液を加熱するヒーターのパワーを漸増させると共に、前記テール部の育成終了時における前記ヒーターのパワーを前記テール部の育成開始時における前記ヒーターのパワーの1.1倍以上1.5倍以下に設定する、請求項1または2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記テール部育成工程では前記熱遮蔽体と前記シリコン融液との間隔が一定となるように前記石英ルツボを上昇させる、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  5. 前記テール部育成工程では前記石英ルツボの回転速度を一定に維持する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  6. 前記テール部育成工程では前記シリコン単結晶の回転速度を一定に維持する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  7. 前記テール部育成工程では前記シリコン融液に磁場を印加する、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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