JP2017164849A - 切削インサート、切削インサート群、および刃先交換式切削工具 - Google Patents

切削インサート、切削インサート群、および刃先交換式切削工具 Download PDF

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由光 長島
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Abstract

【課題】切刃部とインサート着座部に位相のずれが設けられていても、逃げ面に幅の異なる部分が形成されるのを避ける。【解決手段】多角形板状のインサート本体1の一対の多角形面のうち一方にすくい面2を備え、他方にはすくい面2と相似状で面積の小さい着座面3を備え、インサート本体1の側面にはすくい面2側に逃げ面5が、着座面3側にはインサート拘束面6が形成され、すくい面2と逃げ面5により切刃部8が、着座面3とインサート拘束面6によってインサート着座部9が形成され、インサート本体1は一対の多角形面の中心を通るインサート中心線Cに関して回転対称形状で、逃げ面5とインサート拘束面6はインサート中心線Cに交差する方向に延びる段差面10を介して連なり、切刃部8とインサート着座部9にインサート中心線C回りにおいて位相のずれを設けた。【選択図】図1

Description

本発明は、金属等の被削材の切削加工に用いられる切削インサート、複数種のこのような切削インサートにより構成される切削インサート群、およびこのような切削インサートが着脱可能に取り付けられる刃先交換式切削工具に関するものである。
このような切削インサートとして、例えば特許文献1には、多角形の平板状をなし、この多角形をなす側面に、厚さ方向の一方の側に直線を基準とするチップ固定面を残す形態で、そのチップ固定面をベースとして厚さ方向の他方の側に切刃が凸曲面状に形成され、かつ、その凸曲面状の切刃の凸頂部の接線が、チップ固定面の上記直線に対し所定角度傾斜するように、凸曲面状の切刃がチップ固定面に対し位相ずれをもって形成されたものが記載されている。
特開平9−234619号公報
ところで、このような切削インサートにおいて通常は、上記チップ固定面と切刃のすくい面となる側面との間の側面は、その切刃側の部分が該切刃の逃げ面とされるとともに、チップ固定面側の部分は、切削インサートを刃先交換式切削工具のインサート取付座に取り付ける際にインサート取付座の壁面に当接させられる平面状のインサート拘束面とされる。しかしながら、特許文献1に記載された切削インサートでは、このインサート拘束面と逃げ面とが連続しており、凸曲する切刃に沿って同じく凸曲する逃げ面に幅の大きい部分と小さい部分が形成されてしまう。
このため、切刃の全長を切削に使用するような場合には、逃げ面の幅が小さい部分で強度不足が生じて切削インサートが損傷し易くなってしまう。また、強度を確保しようとして逃げ面の幅が小さい部分の幅を大きくすると、逃げ面の幅の大きな部分でインサート拘束面の幅が小さくなり、切削インサートの取付安定性が損なわれる結果となる。さらに、このような切削インサートを工具本体に取り付けた刃先交換式切削工具では、1つの工具本体によって1つの形態の切削加工を行うことしかできない。
本発明は、このような背景の下になされたもので、切刃の逃げ面が形成された切刃部とインサート拘束面が形成されたインサート着座部とに位相のずれが設けられていても、逃げ面に幅の異なる部分が形成されるのを避けることができて、切刃の全長を切削に使用する場合でも損傷が生じたり、切削インサートの取付安定性が損なわれたりするのを防ぐことが可能な切削インサート、およびこのような切削インサートが着脱可能に取り付けられる刃先交換式切削工具を提供することを第1の目的としている。また、本発明は、1つの工具本体でも異なる形態の切削が可能な複数種の上記切削インサートにより構成される切削インサート群を提供することを第2の目的としている。
上記課題を解決して、このような第1の目的を達成するために、本発明の切削インサートは、多角形板状のインサート本体の一対の多角形面のうち、一方の多角形面にすくい面を備えるとともに、他方の多角形面には上記すくい面と相似状で該すくい面よりも面積の小さい着座面を備え、上記一対の多角形面の周りに配置される上記インサート本体の側面には、上記すくい面側に逃げ面が形成されるとともに、上記着座面側にはインサート拘束面が形成され、上記すくい面と上記逃げ面とにより、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に切刃を有する切刃部が形成されるとともに、上記着座面と上記インサート拘束面とによってインサート着座部が形成されており、上記インサート本体は、上記一対の多角形面の中心を通るインサート中心線回りに回転対称形状に形成され、上記逃げ面と上記インサート拘束面とは、上記インサート中心線に交差する方向に延びる段差面を介して連なっているとともに、上記切刃部と上記インサート着座部とに、上記インサート中心線回りにおいて位相のずれを設けたことを特徴とする。
また、本発明の刃先交換式切削工具は、このように構成された切削インサートが、工具本体に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる刃先交換式切削工具であって、上記インサート取付座は、上記着座面が着座する取付座底面と、少なくとも2つの上記インサート拘束面が当接する取付座壁面とを備えていることを特徴とする。
上記構成の切削インサートにおいては、インサート本体の切刃が形成された切刃部の逃げ面と、インサート着座部のインサート拘束面とが、上記インサート中心線に交差する方向に延びる段差面を間に介して連なっているので、切刃部とインサート着座部とにインサート中心線回りにおいて位相のずれが設けられていても、逃げ面とインサート拘束面にそれぞれ独立して必要な所定の幅を確保することができる。このため、切削インサートの取付安定性を損なうことなく、切刃の全長を使用するような場合でも切刃部の損傷を防ぐことができて、安定的かつ効率的な切削加工を行うことが可能となる。
なお、このように切刃部とインサート着座部の位相がずらされた切削インサートは、上記インサート中心線方向に上記着座面に対向する方向から見たときに、上記段差面が、上記着座面の1つの角部から該角部に隣接する他の1つの角部に向けて幅広となるように形成されることになる。
また、インサート本体をクランプネジによりインサート取付座に取り付ける場合には、上記インサート本体に上記インサート中心線を中心とする取付孔が形成されることになるが、この取付孔に、上記インサート中心線に沿った断面において内周側に凸となる凸曲線状の凸曲部を形成するとともに、上記インサート拘束面は上記インサート中心線に沿った断面において上記凸曲部の法線に交差するように延びていれば、凸曲部をクランプネジの頭部によって押圧したときに、インサート拘束面をインサート取付座の上記取付座壁面に強く押圧してインサート本体を取り付けることができ、一層の取付安定性の向上を図ることができる。
さらに、上記切刃部は、それぞれ直線状に延びて互いに凸状に曲折する主切刃と副切刃とを上記切刃として有していてもよい。例えば、工具本体が軸線回りに回転させられる刃先交換式転削工具に上記構成の切削インサートを用いる場合に、工具先端側に向けられる切刃の副切刃を上記軸線に垂直な平面上に位置させて工具内周側に配置するとともに主切刃を工具外周側に配置したときに、この主切刃の切り込み角を大きくして高送り加工を行うことができる。これは、上記切刃が、それぞれ直線状に延びて互いに凸状に曲折する第1、第2主切刃と副切刃とを上記切刃として有している場合でも同様である。
また、上記切刃部は、凸曲線状に延びる主切刃を上記切刃として有していてもよい。このような切削インサートを、上記と同じように刃先交換式転削工具に用いた場合に、凸曲線状の主切刃を工具外周側に向けて上記軸線を中心とした円筒面上に位置させることにより、直角肩削り加工において優れた加工壁面精度を得ることができる。
さらにまた、上記切刃部は、一直線状に延びる主切刃を上記切刃として有していてもよい。この場合には、高い切刃強度を得ることができるので、上述のような刃先交換式転削工具に用いた場合に、工具本体を軸線方向先端側に送り出してプランジ加工を行う場合でも、切刃の欠損等を防止することができる。
一方、上記第2の目的を達成するために、本発明の切削インサート群は、上述のような構成を有する切削インサートの複数種により構成される切削インサート群であって、まず第1には、これら複数種の切削インサートが互いに、上記インサート本体における上記切刃部と上記インサート着座部の形状および寸法が同じで、上記位相のずれ量が異なる大きさとされていることを特徴とする。このような切削インサート群の切削インサート同士では、例えば上述のような刃先交換式転削工具に取り付けたときに切り込み角が異なるものとなるので、加工条件に応じた切り込み角による切削を1つの工具本体によって行うことができる。
また、本発明の切削インサート群は、第2に、上記複数種の上記切削インサートは互いに、上記インサート本体における上記切刃部と上記インサート着座部の形状および寸法が同じで、上記位相のずれの向きが異なる方向とされていることを特徴とする。このような切削インサート群の切削インサート同士では、やはり刃先交換式転削工具に取り付けたときに、1種の切削インサートに上述のような切り込み角を与えた場合、他の1種の切削インサートには工具先端側に向けられた切刃が工具内周側に向かうに従い工具後端側に延びるように、いわゆる中低角が与えられるので、工具本体を軸線に対して斜め先端側に送り出して切削を行うランピング加工に用いることができる。
さらに、本発明の切削インサート群は、第3に、上記複数種の上記切削インサートは互いに、上記インサート本体における上記インサート着座部の形状および寸法が同じで、上記切刃部における上記切刃の形状と該切刃部の寸法との少なくとも一方が異なっていることを特徴とする。従って、例えば上述のように切刃部が、それぞれ直線状に延びて互いに凸状に曲折する主切刃と副切刃とを上記切刃として有している切削インサートと、それぞれ直線状に延びて互いに凸状に曲折する第1、第2主切刃と副切刃とを上記切刃として有している切削インサートと、凸曲線状に延びる主切刃を上記切刃として有している切削インサートと、一直線状に延びる主切刃を上記切刃として有している切削インサートとによって、高送り加工、直角肩削り加工、およびプランジ加工を、切削インサートを交換することにより1つの工具本体で行うことができる。
なお、このような本発明の第3の切削インサート群においても、上記複数種の切削インサートは互いに、上記切刃部と上記インサート着座部の上記位相のずれ量が異なる大きさとされていてもよく、また上記切刃部と上記インサート着座部の上記位相のずれの向きが異なる方向とされていてもよい。
さらに、軸線回りに回転される工具本体の外周に形成されたインサート取付座に、上述のようにインサート本体における上記インサート着座部の形状および寸法が同じで、上記切刃部における上記切刃の形状と該切刃部の寸法との少なくとも一方や、位相のずれ量、ずれの向き等が異なる複数種の切削インサートにより構成される切削インサート群のうち、1種の切削インサートが選択的に着脱可能に取り付けられる刃先交換式切削工具においては、上記インサート取付座が、上記着座面が着座する取付座底面と、少なくとも2つの上記インサート拘束面が当接する取付座壁面とを備えているとともに、上記切削インサート群のうちの複数種の上記切削インサートが上記インサート取付座に取り付けられた状態で、これらの切削インサートの上記切刃の外周端の上記軸線回りの回転軌跡がなす円の直径が等しいことが、工具外径の管理の上で望ましい。
以上説明したように、本発明の切削インサートおよび刃先交換式転削工具によれば、切刃部の逃げ面とインサート着座部のインサート拘束面に必要な幅を与えることができ、切削インサートの取付安定性を確保しつつ切刃部の損傷を防いで、安定的で効率的な切削加工を行うことが可能となる。また、本発明の切削インサート群によれば、1つの工具本体で様々な形態の切削加工に対応することができ、効率的かつ経済的である。
本発明の切削インサートの第1の実施形態を示す(a)すくい面側から見た平面図、(b)着座面側から見た底面図、(c)側面図である。 本発明の切削インサートの第2の実施形態を示す(a)すくい面側から見た平面図、(b)着座面側から見た底面図、(c)側面図である。 本発明の切削インサートの第3の実施形態を示す(a)すくい面側から見た平面図、(b)着座面側から見た底面図、(c)側面図である。 本発明の切削インサートの第4の実施形態を示す(a)すくい面側から見た平面図、(b)着座面側から見た底面図、(c)側面図である。 図1に示す第1の実施形態の切削インサートに対して位相のずれの向きが逆方向となる本発明の切削インサートの第5の実施形態を示す(a)すくい面側から見た平面図、(b)着座面側から見た底面図、(c)側面図である。 図4に示す第4の実施形態の切削インサートに対して位相のずれの向きが逆方向となる本発明の切削インサートの第6の実施形態を示す(a)すくい面側から見た平面図、(b)着座面側から見た底面図、(c)側面図である。 本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態において、図1に示す第1の実施形態の切削インサートと図6に示す第6の実施形態の切削インサートを選択的に取り付ける状態を示す斜視図である。 図7に示す実施形態の刃先交換式切削工具に第1の実施形態の切削インサートを取り付けた状態を示す斜視図である。 図8に示す実施形態の側面図である。 図9におけるZZ拡大断面図である。 図7に示す実施形態の刃先交換式切削工具に図6に示す第6の実施形態の切削インサートを取り付けた状態を示す側面図である。 図7に示す実施形態の刃先交換式切削工具の1つのインサート取付座に図1に示す第1の実施形態の切削インサートを、他の1つのインサート取付座に図6に示す第6の実施形態の切削インサートを取り付けた状態を示す底面図である。
図1ないし図6は、それぞれ本発明の切削インサートの第1ないし第6の実施形態を示すものであり、互いに共通する要素には同一の符号を配してある。これらの実施形態の切削インサートにおいて、そのインサート本体1は、超硬合金等の硬質材料によって多角形板状、特に四角形板状で、概略的には正方形板状に形成されている。このインサート本体1は、その一対の多角形面(四角形面または正方形面)のうち、一方の多角形面にすくい面2を備えるとともに、他方の多角形面にはすくい面2と相似状ですくい面2よりも面積の小さい着座面3を備えている。
また、すくい面2と着座面3の中央には、これらすくい面2と着座面3がなす正方形の中心を通るインサート中心線Cを中心としてインサート本体1を貫通する取付孔4が開口しており、概略正方形板状の各実施形態のインサート本体1は上記インサート中心線C回りに90°ずつ回転対称な形状とされている。さらに、各実施形態において、すくい面2と着座面3とは、取付孔4の開口部を除いてインサート中心線Cに垂直な方向に延びる平坦面とされている。
さらに、これらすくい面2と着座面3の周りに配置されるインサート本体1の4つの側面には、すくい面2側に逃げ面5が形成されるとともに着座面3側にはインサート拘束面6が形成されている。そして、上記すくい面2と逃げ面5とにより、これらすくい面2と逃げ面5との交差稜線部である該すくい面の4つの辺稜部にそれぞれ切刃7を有する切刃部8が形成されるとともに、着座面3とインサート拘束面6とによってインサート着座部9が形成されている。なお、第1ないし第4の実施形態の切削インサートにおいては、インサート着座部9が互いに同じ寸法と形状を有している。
そして、インサート本体1の側面に形成される逃げ面5とインサート拘束面6とは、インサート中心線Cに交差する方向に延びる段差面10を介して連なっている。この段差面10は、図1ないし図4の各図(c)に示されるように、インサート拘束面6に滑らかに連なる凹曲面をなした後に、インサート本体1の外周に延びる傾斜面をなして逃げ面5に連なるように形成されており、この傾斜面がインサート中心線Cに交差する方向に延びている。
なお、逃げ面5とインサート拘束面6は、間に上記段差面10を介して互いに略等しい一定の傾斜角で着座面3側からすくい面2側に向かうに従いインサート中心線Cから離れるように傾斜している。従って、各実施形態の切削インサートはポジティブタイプの切削インサートとされている。さらに、上記切刃部8とインサート着座部9とには、図1ないし図4の各図(b)に示されるように、インサート中心線C回りにおいて位相のずれが設けられている。
ここで、図1に示す第1の実施形態の切削インサートでは、すくい面2の4つの辺稜部に形成される上記切刃7が、それぞれ直線状に延びて互いに鈍角に凸状に曲折する長い主切刃7Aと短い副切刃7Bとによって形成されている。また、すくい面2の4つの角部には、インサート中心線C方向にすくい面2に対向する方向から見て隣接する主切刃7Aと副切刃7Bに接する円弧状のコーナ刃7Cが形成されている。
この第1の実施形態において、切刃部8とインサート着座部9にインサート中心線C回りの位相のずれが設けられているとは、図1(b)に示すようにインサート中心線C方向に着座面3に対向する方向から見て、インサート中心線Cを通り着座面3がなす正方形の1つの辺稜部に直交する直線L1と、同じくインサート中心線Cを通り、着座面のこの1つの辺稜部の反対側に位置するすくい面2の1つの辺稜部に形成された切刃7の長手方向中心において切刃7に直交する直線L2とが、ずれ量θ1の角度をもってインサート中心線Cで交差していることをいう。本実施形態では、直線L2は、主切刃7A部分に交差するとともに、着座面3に対向する方向から見て直線L1に対して時計回り方向にずれている。
また、図2に示す第2の実施形態の切削インサートでは、第1の実施形態の主切刃7Aが、さらに互いに鈍角に凸状に曲折する長い第1主切刃7aと、この第1主切刃7aより短く、副切刃7Bよりは長い第2主切刃7bとによって形成されている。第1主切刃7aは1つの切刃7において副切刃7Bに凸曲折して連なるように配置されている。そして、この第2の実施形態において、直線L2は、図2(b)に示すように主切刃7Aの第1主切刃7aに直交するとともに、直線L1とインサート中心線Cにおいて時計回り方向にずれ量θ2の角度をもって交差しており、これにより切刃部8とインサート着座部9とに位相のずれが設けられる。
さらに、図3に示す第3の実施形態の切削インサートにおいては、切刃7が曲率半径の大きな円弧や楕円弧等の凸曲線状の主切刃7Dによって形成されており、この主切刃7Dはコーナ刃7Cに接している。そして、この第3の実施形態では、着座面3に対向する方向から見たときに、主切刃7Dがなす上記円弧や楕円弧等の凸曲線の中心Pとインサート中心線Cとを通る直線L3が、直線L1とインサート中心線Cにおいて時計回り方向にずれ量θ3の角度をもって交差することにより、切刃部8とインサート着座部9とに位相のずれが設けられる。なお、この場合の直線L3は、主切刃7Dとその両端部のコーナ刃7Cとの接点を結ぶ直線に直交する直線としてもよい。
さらにまた、図4に示す第4の実施形態では、切刃7は一直線状に延びる主切刃7Eとされており、直線L2は、着座面3に対向する方向から見てインサート中心線Cを通り、この一直線状の主切刃7Eに直交する直線である。そして、第4の実施形態でも、この直線L2が、該主切刃7Eとは反対側の着座面3の辺稜部に直交する直線L1と、インサート中心線Cにおいて時計回り方向にずれ量θ4の角度をもって交差することにより、切刃部8とインサート着座部9とに位相のずれが設けられる。
従って、これら第1ないし第4の実施形態において、段差面10は、インサート中心線C方向に着座面3に対向する方向から見たときに、図1ないし図4の各図(b)に示すように着座面3の1つの角部から該角部の反時計回り方向に隣接する他の1つの角部に向かうに従い幅広となるように形成されることになる。なお、ずれ量θ1〜θ4は、3°〜13°の範囲内とされるのが望ましい。
さらに、図5および図6に示すのは、それぞれ第1、第4の実施形態の切削インサートとともに後述する本発明の第2、第3の実施形態の切削インサート群を構成する本発明の第5、第6の実施形態の切削インサートである。これら、第5、第6の実施形態の切削インサートにおいては、切刃部8とインサート着座部9の形状および寸法が第1、第4の実施形態と同じで、位相のずれ量θ1、θ4も等しく、ただし位相のずれの向きが、第1、第4の実施形態では着座面3に対向する方向から見て直線L2が直線L1に対して時計回り方向にずれていたのに対し、反時計回り方向にずれていて、すなわち異なる反対向きとされている。
次に、図7ないし図11は、このような第1ないし第6の実施形態の切削インサートが着脱可能に取り付けられる本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態を示すものである。本実施形態の刃先交換式切削工具は、鋼材等により形成されて軸線Oを中心とした概略円盤状の工具本体11を備えており、この工具本体11が軸線O回りに工具回転方向Tに回転されつつ所定の方向に送り出されることにより被削材に切削加工を行う刃先交換式の転削工具である。
工具本体11の先端部外周には周方向に間隔をあけて複数のチップポケット12が形成されるとともに、このチップポケット12の工具回転方向Tを向く壁面のさらに先端部外周には、工具回転方向Tとは反対側に凹むインサート取付座13が形成されている。このインサート取付座13は、インサート本体1の着座面3と略等しい面積の正方形状をなして工具回転方向Tを向く取付座底面13aを備えており、この取付座底面13aの中央部にはネジ孔が形成されている。
また、この取付座底面13aの工具内周側と工具後端側の辺稜部からは、各実施形態の切削インサートのインサート着座部9におけるインサート中心線Cに対するインサート拘束面6の傾斜角と等しい傾斜角で工具回転方向Tに向かうに従い上記ネジ孔の中心線から離れるように傾斜する、工具外周側を向く取付座壁面13bと工具先端側を向く取付座壁面13cとが形成されている。ここで、インサート取付座13の取付座底面13aまでの深さは、インサート本体1のインサート着座部9のインサート中心線C方向の厚さよりも小さく設定されている。
このようなインサート取付座13に、上記各実施形態の切削インサートは、インサート着座部9の着座面3を取付座底面13aに密着させるとともに、周方向に隣接する2つのインサート拘束面6を取付座壁面13b、13cに当接させて着座させられる。そして、取付孔4に挿通されたクランプネジ14が上記ネジ孔にねじ込まれることにより、着座面3が取付座底面13aに、上記2つのインサート拘束面6を取付座壁面13b、13cに押し付けられて、切削インサートが工具本体11に取り付けられる。このように工具本体11に取り付けられた状態で、インサート本体1の工具外周側に向けられる切刃7には、正のアキシャルレーキ角が与えられる。
なお、取付孔4には、図10に示すように、インサート中心線Cに沿った断面において内周側に凸となる凸曲線状の凸曲部4aが形成されており、上記インサート拘束面6は同じくインサート中心線cに沿った断面において上記凸曲部4aの法線に交差するように延びている。切削インサートが取り付けられる際には、この図10に示すようにクランプネジ14の頭部14aの裏面がこの凸曲部4aを押圧してインサート本体1を押し付けることになる。
このようにして刃先交換式切削工具に取り付けられる上記構成の切削インサートでは、インサート本体1の切刃部8の逃げ面5とインサート着座部9のインサート拘束面6との間に、インサート中心線Cと交差する方向に延びる段差面10が介されており、切刃部8とインサート着座部9とにインサート中心線C回りにおいて位相のずれが設けられていても、図1ないし図6の各図(c)に示されるように逃げ面5とインサート拘束面6にインサート中心線C方向に必要な幅をそれぞれ確保することができる。このため、インサート着座部9においては切削インサートの取付安定性を確保することができる一方で、切刃部8においては切刃7の全長を用いる切削でも強度不足による損傷などを防ぐことができ、安定した効率的な切削加工を行うことができる。
また、上記第1の実施形態の切削インサートでは、図10に示したようにインサート本体1に形成された取付孔4に、インサート中心線Cに沿った断面において内周側に凸となる凸曲線状の凸曲部4aが形成されており、インサート着座部9のインサート拘束面6は同じくインサート中心線Cに沿った断面においてこの凸曲部4aの法線に交差するように延びている。このため、上述のように取付孔4に挿通したクランプネジ14の頭部14aの裏面がこの凸曲部4aを押圧するときの押圧力は、図10に矢線Fで示すように上記法線に沿ってインサート拘束面6をインサート取付座13の取付座壁面13cや取付座壁面13bに押し付ける方向に作用するので、一層安定してインサート本体1を固定することができる。
ところで、このように上記法線がインサート拘束面6に交差するように取付孔4に凸曲部4aを形成するには、インサート拘束面6のインサート中心線C方向における幅等にもよるが、凸曲部4aを着座面3よりに配置しなければならず、凸曲部4aよりもすくい面2側の取付孔4が内径一定の単なる円形孔であると、クランプネジ14の頭部とすくい面2との間の部分に切屑詰まりが生じるおそれがある。
そこで、このような場合には、すくい面2における取付孔4の開口部の周辺に、図10に示すように断面凹曲線状の底面を有してすくい面2に切れ上がる環状溝4bをインサート中心線C回りに形成して、クランプネジ14の頭部頂面が環状溝4bの溝底に位置するように配置し、切屑を逃がすようにすればよい。勿論、これら凸曲部4aや環状溝4bの構成は、他の第2ないし第6の実施形態の切削インサートにも適用可能である。
ここで、図1に示した第1の実施形態の切削インサートや図2に示した第2の実施形態の切削インサートが工具本体11に取り付けられるときには、図9に示すように工具先端側に向けられる切刃7の副切刃7Bが工具内周側に位置して工具本体11の軸線Oに垂直な平面S上に配置され、同じく工具先端側に向けられる主切刃7Aは工具外周側に向かうに従い工具後端側に向けて傾斜して切り込み角αが与えられるように、上記ずれ量θ1、θ2とインサート取付座13の取付座壁面13b、13cの工具回転方向T側から見たときの傾きが設定される。
さらに、第1の実施形態の切削インサートでは、切刃部8が、それぞれ直線状に延びて互いに凸状に曲折する主切刃7Aと副切刃7Bとを切刃7として有しており、また第2の実施形態の切削インサートでは、このうち主切刃7Aがさらに凸状に曲折する直線状の第1、第2主切刃7a、7bにより形成されている。そして、これら第1、第2の実施形態では、工具先端側に向けられる1つの切刃7において、上述のように副切刃7Bが工具本体11の軸線Oに垂直な平面S上に配置するとともに、主切刃7Aは工具外周側に向かうに従い工具後端側に向けて傾斜して切り込み角αが与えられるように、ずれ量θ1、θ2と取付座壁面13b、13cの傾きを設定することにより、工具本体11を軸線Oに垂直な方向に送り出すときの送り量を大きく設定した高送り加工を行うことができ、効率的な切削加工を行うことが可能となる。
また、図3に示した第3の実施形態の切削インサートが取り付けられるときでも、図9に示した通りインサート取付座13の取付座壁面13b、13cの工具回転方向T側から見たときの傾きは同じままで、工具先端側に向けられる主切刃7Dの両端部のコーナ刃7Cとの接点を結ぶ直線が工具外周側に向かうに従い工具後端側に向けて傾斜して軸線Oに垂直な平面Sに対する切り込み角αが与えられる。さらに、図4に示した第4の実施形態の切削インサートが取り付けられるときでも、やはりインサート取付座13の取付座壁面13b、13cの工具回転方向T側から見たときの傾きは同じまま、工具先端側に向けられる一直線状の主切刃7Eが工具外周側に向かうに従い工具後端側に向けて傾斜して軸線Oに垂直な平面Sに対する切り込み角αが与えられるので、これら第3、第4の実施形態の切削インサートでも高送り加工による効率的な切削加工を行うことができる。
ところで、これら第1ないし第4の実施形態の切削インサートによって上述のような高送り加工を行うときの切り込み角αは、切刃部8とインサート着座部9の形状および寸法が同じで、位相のずれ量θ1〜θ4が異なる大きさの複数種の切削インサートを用意しておいて、これら複数種の切削インサートのうちの1種を他の1種の切削インサートに交換することによって異なる大きさとすることができる。
そこで、本発明の第1の実施形態の切削インサート群として、このような複数種の切削インサートにより構成される切削インサート群において、これら複数種の切削インサートが互いに、インサート本体1における切刃部8とインサート着座部9の形状および寸法が同じで、位相のずれ量θ1〜θ4を異なる大きさとすることにより、こうして切り込み角αを異なる大きさとして、加工条件に応じた切り込み角αによる高送り加工を1つの工具本体11によって行うことが可能となる。
また、図5に示したように、切刃部8とインサート着座部9の形状および寸法が第1の実施形態の切削インサートと同じで位相のずれ量θ1も等しく、位相のずれの向きが反時計回り方向で異なる向きとされた第5の実施形態の切削インサートを、上記実施形態の刃先交換式切削工具における工具本体11のインサート取付座13に取り付けると、工具先端側に向けられる切刃7は、副切刃7Bが工具外周側に位置し、これに連なる主切刃7Aは、工具内周側に向かうに従い工具後端側に向けて延びることになって、この主切刃7Aにいわゆる中低角が与えられることになる。
このため、そのような第5の実施形態の切削インサートを、上記工具本体11に取り付けた本発明の一実施形態の刃先交換式切削工具によれば、例えば工具本体11を軸線Oに対して斜め先端側に送り出して切削を行うランピング加工の場合には、こうして中低角が与えられた主切刃7Aの工具外周側でも切削を行うことができ、効率的なランピング加工を行うことができる。従って、この第5の実施形態の切削インサートと上記第1の実施形態の切削インサートによって第2の実施形態の切削インサート群を構成することにより、切削インサートを交換することで、このようなランピング加工と第1の実施形態の切削インサートによる上記高送り加工とを、1つの工具本体11で行うことができる。
一方、図6に示した第6の実施形態の切削インサートでは、上述のように第4の実施形態の切削インサートと切刃部8とインサート着座部9の形状および寸法が同じで、位相のずれ量θ4も等しく、ただし位相のずれの向きが反時計回り方向にずれて異なる向きとされており、この第6の実施形態の切削インサートを上記インサート取付座13に取り付けたときに、図11に示すようにインサート取付座13の取付座壁面13b、13cの工具回転方向T側から見たときの傾きは同じまま、工具先端側に向けられる一直線状の主切刃7Eが工具本体11の軸線Oに垂直な平面S上に配置されるように設定されている。
このような第6の実施形態の切削インサートを工具本体11に取り付けた刃先交換式切削工具では、インサート本体1の切刃部8が一直線状に延びる主切刃7Eを切刃7として備えており、高い切刃強度を確保することができる。そして、このような主切刃7Eが工具本体11の先端側に向けられて軸線Oに垂直な平面S上に配置されているため、工具本体11を軸線Oに平行に突き出すように送り出すことにより、この主切刃7Eを用いて被削材にプランジ加工を行う場合でも、切刃7の欠損等を防いで安定した切削加工を行うことができる。従って、第4、第6の実施形態の切削インサートによって第3の実施形態の切削インサート群を構成すれば、第4の実施形態による高送り加工と第6の実施形態によるプランジ加工を1つの工具本体11によって行うことができる。
また、同様に、図3に示した第3の実施形態の切削インサートと切刃部8とインサート着座部9の形状および寸法が同じで、位相のずれ量θ3も等しく、ただし位相のずれの向きが反時計回り方向にずれて異なる向きとされた切削インサートを上記インサート取付座13に取り付けたときでも、工具先端側に向けられる主切刃7Dの両端部のコーナ刃7Cとの接点を結ぶ直線が工具本体11の軸線Oに垂直な平面S上に配置されるように設定することができ、この主切刃7Dを用いてプランジ加工を行うことができる。従って、そのような切削インサートを第7の実施形態の切削インサートとして、第3の実施形態の切削インサートとともに第4の実施形態の切削インサート群を構成しても、高送り加工とプランジ加工を1つの工具本体11によって行うことができる。
しかも、このような第7の実施形態の切削インサートにおいては、第3の実施形態の切削インサートと同様に切刃部8の切刃7が円弧や楕円弧等の凸曲線状に延びる主切刃7Dによって形成されており、工具先端側に向けられるこのような主切刃7Dのコーナ刃7Cとの接点を結ぶ直線が工具本体11の軸線Oに垂直な平面S上に位置するように設定した場合に、上述のようにインサート本体1の工具外周側に向けられる切刃7に正のアキシャルレーキ角が与えられることにより、工具外周側に向けられる主切刃7Dは、軸線O回りにおいては軸線Oを中心とした円筒面に近い回転軌跡を描くことになる。このため、第7の実施形態の切削インサートによれば、工具本体11を軸線Oに垂直に送り出して被削材に直角肩削り加工を行う場合において加工壁面の精度の向上を図ることができる。
さらに、本発明の切削インサート群の第5の実施形態として、図1ないし図6に示した第1ないし第6の実施形態の切削インサートや第7の実施形態の切削インサートの少なくとも2種を複数種の切削インサートとするなどして、これら複数種の切削インサートは互いに、インサート着座部9の形状および寸法が同じで、切刃部8の切刃7の形状が異なるように形成されていてもよい。
このような本発明の第5の実施形態の切削インサート群によれば、上述した高送り加工やプランジ加工や直角肩削り加工を、切削インサートを交換することにより、やはり1つの工具本体11によって行うことができる。なお、この本発明の第5の実施形態の切削インサート群においても、複数種の切削インサート同士は、切刃部8とインサート着座部9の位相のずれ量が異なる大きさとされていてもよく、また切刃部8とインサート着座部9の位相のずれの向きが異なる方向とされていてもよい。
さらに、このような本発明の第5の実施形態の切削インサート群においては、複数種の切削インサートの間で切刃部8の切刃7の形状を異なるようにするのに代えて、あるいはこれと併せて、インサート着座部9の形状および寸法は同じで、切刃部8の寸法が異なる大きさとされていてもよい。この場合の切刃部8の寸法とは、例えばすくい面2に内接する内接円の直径とされる。このような切削インサート群においては、上述のような刃先交換式転削工具において、1つの工具本体11によって異なる工具外径の切削加工を行うことが可能となる。
また、図12は、図7ないし図11に示した実施形態の刃先交換式切削工具において、その工具本体11の1つのインサート取付座13(図12において右側のインサート取付座13)に図1に示した第1の実施形態の切削インサートが取り付けられるとともに、他の1つのインサート取付座13(図12において左側のインサート取付座13)には図6に示した第6の実施形態の切削インサートが取り付けられた状態を示す、軸線O方向先端側から見た底面図である。なお、これらの切削インサート同士では、インサート着座部9の形状および寸法が同じで、切刃部8の上記寸法と、切刃部8とインサート着座部9の位相のずれ量およびずれの向きは異なるものとされている。
そして、さらにこの刃先交換式切削工具においては、これら第1の実施形態の切削インサートにおけるインサート本体1の上記切刃7の外周端Qが工具本体11の軸線O回りの回転軌跡がなす円Rの直径Dと、第6の実施形態の切削インサートにおけるインサート本体1の上記切刃7の外周端Qが工具本体11の軸線O回りの回転軌跡がなす円Rの直径Dとが、図12に二点差線で示すように互いに等しくなるように設定されている。
従って、このような刃先交換式切削工具(転削工具)においては、上述のようにインサート着座部9の形状および寸法が同じで、切刃部8の寸法と、切刃部8とインサート着座部9の位相のずれ量およびずれの向きとが異なる複数種の切削インサートよりなる切削インサート群を取り付けたときでも、工具外径が上記直径Dと等しく一定となるので、このような工具外径の管理を容易とすることができる。勿論、このような刃先交換式切削工具によって実際に切削加工を行うときには、各インサート取付座13に1種の切削インサートが取り付けられる。
なお、上記各実施形態では、概略正方形板状のインサート本体1を有する切削インサートに本発明を適用した場合について説明したが、同じ四角形板状でも長方形板状や平行四辺形板状、あるいは菱形板状のインサート本体を有する切削インサートに本発明を適用することも勿論可能である。また、四角形板状以外にも、三角形板状やその他の多角形板状のインサート本体を有する切削インサートに本発明を適用することも可能である。
1 インサート本体
2 すくい面
3 着座面
4 取付孔
4a 凸曲部
4b 環状溝
5 逃げ面
6 インサート拘束面
7 切刃
7A、7D、7E 主切刃
7a 第1主切刃
7b 第2主切刃
7B 副切刃
7C コーナ刃
8 切刃部
9 インサート着座部
10 段差面
11 工具本体
12 チップポケット
13 インサート取付座
13a インサート取付座13の取付座底面
13b、13c インサート取付座13の取付座壁面
14 クランプネジ
14a クランプネジ14の頭部
C インサート中心線
θ1〜θ4 切刃部8と着座部9とのずれ量
O 工具本体11の軸線
T 工具回転方向
S 軸線Oに垂直な平面
D 切刃7の外周端Qの軸線O回りの回転軌跡がなす円Rの直径
α 切り込み角

Claims (14)

  1. 多角形板状のインサート本体の一対の多角形面のうち、一方の多角形面にすくい面を備えるとともに、他方の多角形面には上記すくい面と相似状で該すくい面よりも面積の小さい着座面を備え、
    上記一対の多角形面の周りに配置される上記インサート本体の側面には、上記すくい面側に逃げ面が形成されるとともに、上記着座面側にはインサート拘束面が形成され、
    上記すくい面と上記逃げ面とにより、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に切刃を有する切刃部が形成されるとともに、上記着座面と上記インサート拘束面とによってインサート着座部が形成されており、
    上記インサート本体は、上記一対の多角形面の中心を通るインサート中心線回りに回転対称形状に形成され、
    上記逃げ面と上記インサート拘束面とは、上記インサート中心線に交差する方向に延びる段差面を介して連なっているとともに、
    上記切刃部と上記インサート着座部とに、上記インサート中心線回りにおいて位相のずれを設けたことを特徴とする切削インサート。
  2. 上記インサート中心線方向に上記着座面に対向する方向から見て、上記段差面は、上記着座面の1つの角部から該角部に隣接する他の1つの角部に向けて幅広となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 上記インサート本体には上記インサート中心線を中心とする取付孔が形成されており、この取付孔には上記インサート中心線に沿った断面において内周側に凸となる凸曲線状の凸曲部が形成されるとともに、上記インサート拘束面は上記インサート中心線に沿った断面において上記凸曲部の法線に交差するように延びていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削インサート。
  4. 上記切刃部は、それぞれ直線状に延びて互いに凸状に曲折する主切刃と副切刃とを上記切刃として有していることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
  5. 上記切刃は、それぞれ直線状に延びて互いに凸状に曲折する第1、第2主切刃と副切刃とを上記切刃として有していることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
  6. 上記切刃部は、凸曲線状に延びる主切刃を上記切刃として有していることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
  7. 上記切刃部は、一直線状に延びる主切刃を上記切刃として有していることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
  8. 請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の切削インサートの複数種により構成される切削インサート群であって、
    これら複数種の上記切削インサートは互いに、上記インサート本体における上記切刃部と上記インサート着座部の形状および寸法が同じで、上記位相のずれ量が異なる大きさとされていることを特徴とする切削インサート群。
  9. 請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の切削インサートの複数種により構成される切削インサート群であって、
    これら複数種の上記切削インサートは互いに、上記インサート本体における上記切刃部と上記インサート着座部の形状および寸法が同じで、上記位相のずれの向きが異なる方向とされていることを特徴とする切削インサート群。
  10. 請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の切削インサートの複数種により構成される切削インサート群であって、
    これら複数種の上記切削インサートは互いに、上記インサート本体における上記インサート着座部の形状および寸法が同じで、上記切刃部における上記切刃の形状と該切刃部の寸法との少なくとも一方が異なっていることを特徴とする切削インサート群。
  11. 請求項10に記載の切削インサート群であって、
    上記複数種の切削インサートは互いに、上記切刃部と上記インサート着座部の上記位相のずれ量が異なる大きさとされていることを特徴とする切削インサート群。
  12. 請求項10に記載の切削インサート群であって、
    上記複数種の切削インサートは互いに、上記切刃部と上記インサート着座部の上記位相のずれの向きが異なる方向とされていることを特徴とする切削インサート群。
  13. 請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の切削インサートが、工具本体に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる刃先交換式切削工具であって、
    上記インサート取付座は、上記着座面が着座する取付座底面と、少なくとも2つの上記インサート拘束面が当接する取付座壁面とを備えていることを特徴とする刃先交換式切削工具。
  14. 軸線回りに回転される工具本体の外周に形成されたインサート取付座に、請求項10から請求項12のうちいずれか一項に記載の切削インサート群のうち、1種の切削インサートが選択的に着脱可能に取り付けられる刃先交換式切削工具であって、
    上記インサート取付座は、上記着座面が着座する取付座底面と、少なくとも2つの上記インサート拘束面が当接する取付座壁面とを備えて、
    上記切削インサート群のうちの複数種の上記切削インサートが上記インサート取付座に取り付けられた状態で、これらの切削インサートの上記切刃の外周端の上記軸線回りの回転軌跡がなす円の直径が等しいことを特徴とする刃先交換式切削工具。
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