JP2017162044A - 生産計画装置、生産計画方法および生産計画プログラム - Google Patents

生産計画装置、生産計画方法および生産計画プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】生産の実態に即した標準時間を含むマスタ値を設定できる。
【解決手段】生産計画装置100は、製造に関する指標である複数の製造KPIを定めている。生産計画装置100は、製造に関する各工程の標準時間と実際の作業時間の乖離度を算出するアラート部140と、算出した乖離度が複数の製造KPIの変動に及ぼす影響度を分析する影響度分析部150と、製造に関する各工程の標準時間と実際の作業時間の分布に基づいて、複数の製造KPIを同時に最適化するマスタデータの設定値の推奨値を計算する推奨値計算部160と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、製品の生産計画装置、生産計画方法および生産計画プログラムに関する。
生産計画や製造計画を立案する上で、立案された計画の精度向上のためには、できる限り現実の生産活動の実績をフィードバックして計画を作成することが重要である。生産スケジューリングには、各工程の生産能力、リードタイム、歩留りといったマスタデータの精度向上が求められる。
特許文献1には、製造ラインから収集される要素作業単位の実績データと設定パラメータを構成する要素作業毎の値が異なっている場合に、実績データから算出されているパラメータに基づき生産計画や製造計画を立案し、設定パラメータに基づき立案された生産計画や製造計画と比較し、あらかじめ設定してある生産量の許容範囲からはずれていると判断されている場合に、設定値を実績データに補正し、さらにそれに基づく精度の高い予測マスタデータを設定することを特徴とする生産製造計画立案システムが記載されている。
特許文献2には、複数工程からなる工場で、評価指標を最適化するスケジューリング結果を求める生産計画装置において、各工程の処理時間のばらつきの確率分布を求める手段と、前記各工程の処理の標準時間に変更可能な余裕時間を設定する手段と、前記確率分布に従うばらつきをも持たせた各工程の処理時間を有する対象の再スケジューリングを行う手段と、前記余裕時間を変更した後のスケジューリングで得られる複数の再スケジューリング結果のうち、評価指標を最適化するスケジューリング結果を求める手段とを有する生産計画装置が記載されている。
特開2005−157819号公報 特開2007−188306号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、実績データの最頻値や平均値などの代表値を用いてST(Standard Time:標準時間)を設定している。統計的に合理的であるが納期遵守率や設備稼働率などの製造KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の向上という観点から見ると適切と限らない。例えば、作業時間を正規分布に従うものとすると、予定より早く完了する確率も予定より遅く完了する確率もそれぞれ50%である。こうした標準時間を基に納期を回答すると納期遵守率が50%になってしまう。また、各工程がクリティカル・パスにあるかどうかによって納期遵守率などに対する影響が異なり、それぞれの影響度を考慮した上でSTを設定することができていない。
また、特許文献2に記載の装置は、モンテカルロ法を用いて生産能力最大化又は生産コスト最小化を目的とし最適なSTを求めている。しかし、上記再スケジューリングでは、上記スケジューリングで計画された開始時間に対する制約を考慮していたものの、上記スケジューリングで指定された担当設備を変更しないという制約および,上記スケジューリングで同一設備に割り付けられた作業間の順序を変更しないという制約への考慮がなかった。そのため、生産現場の実態からかけ離れる再スケジューリング(あるいはシミュレーション)になりやすく、求められたSTが最適になると限らない。また、全品目の全工程を適正化対象としているため、膨大な計算資源が必要とされている。
そこで、本発明は、前記した問題を解決するために、納期遵守率や設備稼働率などの製造KPIの向上の観点から標準時間を含むマスタ値を生産の実態に即した適正な設定値に設定できることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明による生産計画装置は、事前に設定した品目および工程、設備を含むマスタ情報を基に、生産スケジューリングを計画する生産計画装置であって、製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPIを定める製造KPI設定手段と、製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成する候補値設定手段と、前記生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行う生産シミュレーション手段と、前記生産シミュレーションの結果を集計してKPI値を求め、当該KPI値の作業時間分布の最小値から最大値までの所定のステップ幅あたりの平均または最大値の変化率を影響度として算出して、前記マスタデータの設定値が複数の前記製造KPIの変動に及ぼす影響度を分析することを支援する影響度分析手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明による生産計画装置は、事前に設定した品目および工程、設備を含むマスタ情報を基に、生産スケジューリングを計画する生産計画装置であって、製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPI(Key Performance Indicator)を定める製造KPI設定手段と、製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成する候補値設定手段と、前記生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行う生産シミュレーション手段と、前記生産シミュレーションの結果を集計して各製造KPIの評価値を計算し、当該各製造KPIの評価値に基づき適正化対象工程の適正値として、各製造KPIを最適化する前記マスタデータの設定値の推奨値を計算する推奨値計算手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、約束納期遵守率や設備稼働率などの製造KPIの向上の観点から標準時間を含むマスタ値を生産の実態に即した適正な設定値に設定できる。
本発明の実施形態に係る生産計画装置の構成を示すブロック図である。 上記実施形態に係る生産計画装置のデータベースの品目テーブルを表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置のデータベースのBOMテーブル(部品表)を表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置のデータベースの工程テーブルを表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置のデータベースの工程毎の利用可能設備テーブルを表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置のデータベースの製造オーダテーブルを表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置のデータベースのロットテーブル(製造オーダの部品表による展開)を表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置のデータベースの作業計画テーブルを表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置のデータベースの作業実績テーブルを表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置のデータベースの設定テーブルを表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置の工程状況画面を示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置の各工程の作業時間実績(秒)を表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置の影響度分析画面を示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置の対象工程のST候補値を表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置の生産指標を表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置の計算実行部がある工程で実行する計算処理のフローチャートである。 上記実施形態に係る生産計画装置の各工程の生産指標値(約束納期遵守率%)を表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置の各工程の影響度を表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置の推奨値計算画面を示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置の対象工程のST候補値を表にして示す図である。 上記実施形態に係る生産計画装置の生産指標を表にして示す図である 上記実施形態に係る生産計画装置のPRC組立工程の生産指標値を表にして示す図である。
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」という)を、図などを参照しながら詳細に説明する。また、本実施形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(原理説明)
まず、本発明の前提となる基本的な考え方について説明する。
多品種少量・受注生産では、正確な納期回答やリソースの効率的活用を実現する高精度な生産スケジューリングが求められる。すなわち、多品種少量・受注生産では、激しい環境の中で競争力を強化するため、機会損失や納期遅れ等を防ぐ高精度な生産スケジューリングが求められる。
生産スケジューリングは事前に設定した設備や工程、品目などのマスタデータに基づき立案される。しかし、実際の工程の作業時間や段取り替え時間などはそのときの状況により変動する。このため、上記の変動を踏まえた生産の実態を最も明確に代表するマスタデータの設定値(以下、マスタ値という)を設定することが高精度スケジューリングにとって重要である。
本発明は、工程の標準時間や段取時間、歩留率、習熟率などのマスタ値に対して、作業時間等の実データの分布を基に適正なマスタ値の設定を支援する。
特に、納期に影響するSTに着目し、各工程のSTと実際の作業時間との差異を基に、STの適正値を求める手法を提供する。
STとは、その仕事に適性をもち熟練した作業者が所定の作業条件のもとで、必要な余裕をもち正常な作業ペースによって仕事を遂行するために必要な時間である。既存の設定方法としては、ストップウォッチ法やPTS(Predetemined Time Standard:既定時間標準)法などの代表的な手法とモンテカルロ法をもちいた適正化手法がある。しかし、いずれの手法も、納期遵守の視点からの考慮が十分でなかった。
STが生産実態よりも過大に設定されると、お客様の要求納期に応えられず販売の機会を失い、逸失利益を拡大させかねない。STが生産実態よりも過小に設定されると、約束した納期を守れず顧客満足度の低下に繋がる。機会損失の低減と顧客満足度の向上を両立させるようなSTの設定値を求めることが必要である。
本発明は、製造に関する指標である複数の新規な製造KPIを定める。
具体的には、多品種少量・受注生産を行う工場が小日程計画の立案時に用いる各工程の標準時間のマスタ値について、製造現場の実態に即して事前に定めた製造KPIを定める。ここで、マスタ値は、工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率など計画作業時間に影響を与える設定値である。
複数の製造KPIは、標準時間が変わった際にトレードオフの関係を持つ。
複数の製造KPIは、標準時間の設定値の増大に伴って増大していく第1製造KPIと、標準時間の設定値の増大に伴って減少していく第2製造KPIとを含む。
複数の製造KPIは、約束納期遵守率、要求納期対応率、および設備稼働率からなる指標から選択される少なくとも1つである。この複数の製造KPIは、要求納期対応率、約束納期遵守率、設備稼働率等の評価指標を生産管理レベルの指標として持つKPIである。
ここで、上記第1製造KPIは、例えば約束納期遵守率が挙げられる。また、上記第2製造KPIは、要求納期対応率、設備稼働率が挙げられる。
[機能]
本システムは、事前に設定した閾値、またはシステムが動的に決定した閾値に基づいて、各工程の標準時間と実際の作業時間の乖離度を評価し、閾値を超えた場合に警告を出すアラート機能と、各工程の標準時間と実際の作業時間の分布に基づいて、両者の乖離度合が製造KPIの変動にどの程度影響するのかを、生産シミュレーションで求める影響度分析機能と、各工程の標準時間と実際の作業時間の分布に基づいて、生産シミュレーションによって複数の製造KPIを同時に最適化する標準時間を求める推奨値計算機能と、を有する。
<アラート機能>
アラート機能は、事前に設定した、またはシステムが動的に決定した閾値に基づいて、工程の標準時間と実際の作業時間の乖離度を評価し、閾値を超えた場合に警告する。
アラート機能の特徴は、下記である。
・工程のSTと閾値を設定する。
・STに基づく小日程計画を立案(スケジューリング)する。
・当該工程の実際作業時間を日々蓄積する。
・作業時間の平均値(最頻値、中央値、最大(小)値などでもよい)が閾値を超えるか否かを判断する。超えている場合は画面上あるいはメールで警告通知する。
<影響度分析機能>
影響度分析機能は、アラート機能で警告対象となった工程(1つまたは複数)に対して、工程毎の標準時間と実際の作業時間の乖離度合が製造KPIの変動にどの程度影響するのかを、スケジューリングとシミュレーションで求める。影響度分析機能の特徴は、下記である。
・アラート機能で警告対象となった工程(1または複数)から分析対象工程を1つずつ選択する。
・分析対象工程とSTステップ幅、製造KPIを設定する。
・工程の作業時間分布の最小値xから最大値xまで、指定のステップ幅の分増加させたST候補値を選択する。
・選択したST候補値でスケジューリングを行う。スケジューリングはディスパッチング法などで前(後)方向に割り付けるロジックを使用する。
・スケジューリングの結果に基づき生産シミュレーションを行う。シミュレーションによる作業の割付は対象設備、作業順序、開始時間に制約を付加する。
・複数回のシミュレーションの結果を集計し、KPI値を計算する。
・KPI値のステップ幅あたりの平均変化率(最大変化率でもよい)を影響度として算出する。
<推奨値計算機能>
推奨値計算機能は、複数工程の標準時間と作業時間の分布に基づいて、生産スケジューリングと生産シミュレーションによって複数の製造KPIを同時に最適化する標準時間を求める。推奨値計算機能の特徴は、下記である。
・影響度分析機能で適正化対象となった工程(1または複数)と工程毎のSTステップ幅を設定する。
・適正化対象工程の標準時間の適正値を推奨するための評価指標である製造KPI(1または複数)を設定する。
・工程毎の作業時間分布の最小値xから最大値xまで、指定のステップ幅の分増加させたST候補値を選択する。
・選択したST候補値の組合せでスケジューリングを行う。スケジューリングはディスパッチング法などで前(後)方向に割り付けるロジックを使用する。
・スケジューリングの結果に基づき生産シミュレーションを行う。シミュレーションによる作業の割付は対象設備、作業順序、開始時間に制約を付加する。
・複数回の生産シミュレーションの結果を集計し、各製造KPIの評価値を計算する。
・各製造KPIの評価結果に基づき適正化対象工程の適正値を推奨する。
アラート機能は、影響度分析機能を起動させるためのトリガとなる。
すなわち、アラート機能は、工程の標準時間と実際の作業時間の乖離度を評価し、閾値を超えた場合に、影響度分析機能に対して工程の標準時間と実際の作業時間の乖離度が閾値を超えたことを通知する。また、影響度分析機能は、推奨値計算機能を起動させるためのトリガとなる。すなわち、影響度分析機能は、工程の標準時間と実際の作業時間で乖離が発生している工程に対して、それぞれの工程が製造KPIに対する影響度を求め、推奨値計算機能に対してその工程が適正化対象工程になるのか、また精度の高い推奨値を求める(STステップ幅の設定基準となる)のかを通知する。これにより、影響度分析機能と推奨値計算機能が必要以上に動作することを抑制でき、計算資源を減らすことができる。
[製造KPI]
<製造KPIの選定>
本システムは、標準時間などのマスタ値を適正化するために製造KPIとして要求納期対応率、約束納期遵守率、設備稼働率等を用いる。
要求納期対応率は、顧客のオーダを受け入れる度合いを表す製造KPIであり、要求納期より早い納期を回答できたオーダの割合を用いて次式(1)で算出する。
要求納期対応率=要求納期より早い納期を回答できたオーダ数/総オーダ数 …(1)
約束納期遵守率は、顧客に約束した納期を守れる度合いを表す製造KPIであり、約束納期より早く完了したオーダの割合を用いて次式(2)で算出する。
約束納期対応率=約束納期より早く完了したオーダ数/総オーダ数 …(2)
設備稼働率は、生産計画(生産スケジューリング)時に立案した操業計画時間の利用率を表す製造KPIであり、設備の計画した総操業時間(負荷時間)に対して実際に稼働した時間の割合を用いて次式(3)で算出する。
設備稼働率=(模擬した)実稼働時間/総計画操業時間 …(3)
<製造KPIの分類>
製造KPIは、下記の2つに分類できる。
まず、標準時間などの設定値の増大に伴って増大していく製造KPIである。例えば、約束納期遵守率が挙げられる。
次に、標準時間などの設定値の増大に伴って減少していく製造KPIである。例えば、要求納期対応率、設備稼働率が挙げられる。
<トレードオフの関係を持つ製造KPIのペア>
生産,販売,在庫(PSI)は、製造業の最も重要な機能であるが、各機能を管掌する部門間の調整が必要である。一般にKPIが各部門で互いにトレードオフの関係にあり、ある部門のKPIを増加させると他の部門のKPIが低下してしまうという状況が発生するためである。製造KPIについても例外ではない。
トレードオフの関係を持つ製造KPIのペアでは、下記(1),(2)により適正化を図る。
(1)要求納期対応率と約束納期遵守率を利用して標準時間などを適正化する。これにより、機会損失の低減と顧客満足度の向上を両立させるようなSTの設定値を求めることが可能となる。
(2)設備稼働率と約束納期遵守率を利用して標準時間などを適正化する。これにより、生産コストの低減と顧客満足度の向上を両立させるようなSTの設定値を求めることが可能となる。
[作用効果]
アラート機能によって、設定された標準時間と実際の作業時間が乖離している工程等を特定することが可能となる。
また、影響度分析機能によって、当該工程の乖離が製造KPIに及ぼす影響を定量的に評価した上で標準時間を見直すべきか否かを判断することが可能になる。
また、推奨値計算機能によって、製造KPIの観点から最も適切な設定値を把握することが可能になる。
以上により、計画担当者は、生産の実態に即した標準時間、段取時間、歩留率、習熟率などのマスタ値をタイムリーに設定できるようになる。その結果、より正確な納期回答が可能な高精度スケジューリングが実現される。
なお、本システムは、生産スケジューリングが必要とされる業種全般に適用できる。例えば、適用業種として、下記がある。
(1)ディスクリート系製造業:金属加工業種や、自動車・電子製品などの組立型業種
(2)プロセス系製造業:化学プラントや製油所などの反応・合成型業種
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る生産計画装置の構成を示すブロック図である。
生産計画装置100は、事前に設定した品目や工程、設備を含むマスタ情報を基に、生産スケジューリングを計画する。
図1に示すように、生産計画装置100は、データ入力部110と、生産スケジューリング部120と、生産シミュレーション部130(生産シミュレーション手段)と、アラート部140(製造KPI設定手段,乖離度算出手段)と、影響度分析部150(影響度分析手段)と、推奨値計算部160(推奨値計算手段)と、データベース170と、を備える。
生産シミュレーション部130は、生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行う。
アラート部140は、製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPIを定める製造KPI設定手段としての機能を有する。
アラート部140は、工程の標準時間と実際の作業時間で乖離が発生していることを検知し、警告対象工程を通知する。アラート部140は、乖離度評価部141を備え、乖離度評価部141は、製造に関する工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率等のマスタデータの設定値と実際の作業時間の作業実績との乖離度を算出する。
影響度分析部150は、算出した乖離度が複数の製造KPIの変動に及ぼす影響度を分析する。影響度分析部150は、工程選択部151と、ST(標準時間)候補値設定部152(候補値設定手段)と、生産指標選択部153と、計算実行部154と、を備え、計算実行部154は、スケジューリング部155と、シミュレーション部156と、生産指標計算部157と、影響度計算部158と、を有する。
ST候補値設定部152は、製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成する。
推奨値計算部160は、製造に関する各工程の標準時間と実際の作業時間の分布に基づいて、複数の製造KPIを同時に最適化するマスタデータの設定値の推奨値を計算する。推奨値計算部160は、工程選択部161と、ST候補値設定部162と、生産指標選択部163と、計算実行部164と、を備え、計算実行部164は、スケジューリング部165と、シミュレーション部166と、生産指標計算部167と、推奨値計算部168と、を有する。
データベース170は、品目テーブル171、BOM(Bill of Materials:部品表/部品構成表)テーブル172、工程テーブル173、設備テーブル174、製造オーダテーブル175、ロットテーブル176、作業計画テーブル177、作業実績テーブル178、および設定テーブル179を備える。
本実施形態に係る生産計画装置100は、入力部、出力部、制御部および記憶部といったハードウェアを含むコンピュータである。入力部(図1のデータ入力部110)は、例えば、入力インタフェースから構成されており、ポインティングデバイスなどのユーザが操作する手段を含む。データ入力部110は、GUI(Graphical User Interface)操作として実現できる。
出力部は、例えば、出力インタフェースから構成されており、ディスプレイなどの表示部、プリンタ、記憶媒体への書き出し、ネットワークなどへの通信を含む。
制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用回路から構成される。記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュ(登録商標)メモリの記憶媒体から構成される。前記制御部がCPUから構成される場合、その制御部を含むコンピュータによる情報処理は、CPUによるプログラム実行処理で実現する。また、そのコンピュータが含む記憶部は、CPUが指令し、そのコンピュータの機能を実現するためのプログラム(生産計画用のプログラムを含む)を記憶する。これによりソフトウェアとハードウェアの協働が実現される。
本実施形態は、前記情報処理を実行させるプログラムによって実現することができ、そのプログラムをコンピュータによる読み取り可能な記録媒体(例:CD−ROM)に記憶して提供することができる。また、そのプログラムを、インターネットなどのネットワークを通して提供することもできる。
[データベース]
<マスタデータ>
データベース170は、品目テーブル171(図2)、BOMテーブル172(部品表)(図3)、工程テーブル173(図4)、工程毎の利用可能設備テーブル174(図5)などのマスタデータを格納する。
図2は、データベース170の品目テーブル171を表にして示す図である。
図2に示すように、品目テーブル171は、品目コード(例えば、Child001,Child002, Parent001…)毎に品目名(例えば、部品△△,部品□□,製品○○…)を格納する。
図3は、データベース170のBOMテーブル172(部品表)を表にして示す図である。
図3に示すように、BOMテーブル172(部品表)は、親品目コード(例えば、Parent001…)毎に子品目コード(例えば、Child001,Child002…)と員数(例えば、1,2…)を格納する。なお、員数とは、1つの部品をつくるためにいくつの部品が必要であるかをいう。例えば、品目「イスの脚」の場合、員数は4である。
図4は、データベース170の工程テーブル173を表にして示す図である。
図4に示すように、工程テーブル173は、品目コード毎に工程コードと処理順と標準時間(ST,秒/個)とを格納する。品目コードは、例えば、Child001,Child002, Parent001…である。
工程コードは、品目コードChild001,Child002, Parent001…に対応するPRC(process)準備A,PRC成形A,PRC準備B,PRC成形B,PRC組立である。PRC処理順は、各工程の処理の順番を示し、標準時間(ST,秒/個)は、各工程が完了するまでの標準時間(例えば、60秒,300秒)を示す。
図4に示す工程テーブル173の場合、図3のBOMテーブル172(部品表)の親品目コードと子品目コードの対応を基に、親品目コード「Parent001」には子品目コード「Child001」と「Child002」が対応していることが分かる。そして、図4の品目コード「Child001」は、工程コード「PRC準備A」(処理順「1」、標準時間(ST,秒/個)「60」)と、工程コード「PRC成形A」(処理順「2」、標準時間(ST,秒/個)「300」)との2つの工程を有する。同様に、図4の品目コード「Child002」は、工程コード「PRC準備B」(処理順「1」、標準時間(ST,秒/個)「60」)と、工程コード「PRC成形B」(処理順「2」、標準時間(ST,秒/個)「300」)との2つの工程を有する。図4の品目コード「Parent001」は、子品目コード「Child001」のPRC成形Aと、子品目コード「Child002」のPRC成形BとのPRC組立工程であり、標準時間(ST,秒/個)「300」であることが分かる。
図5は、データベース170の工程毎の利用可能な設備テーブル174を表にして示す図である。
図5に示すように、設備テーブル174は、品目コード、工程コード、設備コード、設備名、および優先順位という項目を有するデータ構造である。例えば、品目コード「Child001」は、工程コード「PRC準備A」で設備コード「Res001」の設備名「準備ラインA」を使って優先順位「1」で行う工程と、工程コード「PRC準備A」で設備コード「Res002」の設備名「準備ラインA」を使って優先順位「2」で行う工程と、工程コード「PRC成形A」で設備コード「Res003」の設備名「成形ラインA」を使って優先順位「1」で行う工程と、工程コード「PRC成形A」で設備コード「Res004」の設備名「成形ラインA」を使って優先順位「2」で行う工程と、を有する。品目コード「Child002」についても同様である。図5の品目コード「Parent001」は、工程コード「PRC組立」で設備コード「Res009」の設備名「組立ライン」を使って優先順位「1」で行う工程と、工程コード「PRC組立」で設備コード「Res010」の設備名「組立ライン」を使って優先順位「2」で行う工程と、を有する。
設備テーブル174を参照すると、どのような品目を、どのような工程をどのような設備を使ってどの優先順位で行うかが分かる。
<トランザクションデータ>
トランザクションデータには、例えば製造オーダテーブル175(図6)、ロットテーブル176(図7)、作業計画テーブル177(図8)がある。なお、ロットとは、オーダをBOMに従って各品目に展開したものをいう。
図6は、データベース170の製造オーダテーブル175を表にして示す図である。
図6に示すように、製造オーダテーブル175は、オーダコード、品目コード、数量、および要求納期という項目を有するデータ構造である。オーダコード(例えば、Order001, Order002…)毎に品目コード(例えば、Parent 001…)と数量(例えば、30,20…)と、要求納期(20151105,20151106…)を格納する。
図7は、データベース170のロットテーブル176(製造オーダの部品表による展開)を表にして示す図である。
図7に示すように、ロットテーブル176(部品表)は、ロットコード、オーダコード、品目コード、数量、EST(earliest start time)、およびLFT(latest finish time)いう項目を有するデータ構造である。ロットテーブル176(部品表)は、ロットコード(例えば、Lot001, Lot002…)毎にオーダコード(例えば、Order001, Order002…)と品目コード(例えば、Child001…)と数量(例えば、30,20…)と、EST(20151102…)と、LST(20151104…)と、を格納する。
図8は、データベース170の作業計画テーブル177を表にして示す図である。
図8に示すように、作業計画テーブル177は、ロットコード、作業コード、設備コード、数量、開始時間、および終了時間いう項目を有するデータ構造である。作業計画テーブル177は、ロットコード(例えば、Lot001, Lot002…)毎に作業コード(例えば、PRC準備A, PRC成形A…)と設備コード(例えば、Rsc001, Rsc003…)と数量(例えば、30,30…)と、開始時刻(20151102 09:00:00…)と、終了時刻(20151102 09:30:00…)と、を格納する。
作業計画テーブル177にある各データは、各マスタデータとロットデータに基づき生産計画装置100(図1)の生産スケジューリング部120がメモリ上に生成する。各作業の開始時刻と終了時刻は、生産スケジューリング部120に実装されたディスパッチング法などのロジックによって決められる。作業計画テーブル177は、生産計画装置100のメモリ上にあるデータがそのままの構造でテーブルに出力されたものである。
なお、本実施形態では、生産計画装置100がスケジューリング機能を有する形で記述されているが、外部の生産スケジューラを利用する形としても問題はない。
実績データには作業実績テーブル178(図9)がある。
図9は、データベース170の作業実績テーブル178を表にして示す図である。
図9に示すように、作業実績テーブル178は、作業計画テーブル177と同じ項目であるが、数量および開始・終了時刻は、実績値である。
図9に示すように、作業実績テーブル178は、ロットコード、作業コード、設備コード、数量、開始時間、および終了時間いう項目を有するデータ構造である。作業計画テーブル177は、ロットコード(例えば、Lot001, Lot002…)毎に作業コード(例えば、PRC準備A, PRC成形A…)と設備コード(例えば、Rsc001, Rsc003…)と数量(例えば、30,30…)と、開始時刻(20151102 09:00:00…)と、終了時刻(20151102 09:35:20…)と、を格納する。
<設定テーブル>
図10は、データベース170の設定テーブル179を表にして示す図である。
設定テーブル179は、生産計画装置100(図1)が利用する各種パラメータを設定する。
図10に示すように、設定テーブル179は、各種パラメータの項目とその設定値を格納する。
例えば、設定値として、立案基点日、ディスパッチングルール(例えば、(1)納期優先、(2)最小処理時間優先)、設備選択ルール(例えば、(1)着手可能時間優先、(2)優先度)、割付方向、シミュレーション制約(例えば、順序制約、設備制約、開始時間制約)、シミュレーション回数(例えば、100回)、PRC組立 作業時間許容範囲、PRC成形A 作業時間許容範囲、PRC準備A 作業時間許容範囲、PRC成形B 作業時間許容範囲、PRC準備B 作業時間許容範囲を格納する。
工場の生産計画担当者が、生産計画装置100を用いて2015年11月の小日程計画に対する作業結果を基に工程の標準作業時間を見直す業務を想定する。担当者は2015年10月末にデータベース170の品目テーブル171〜ロットテーブル176、および設定テーブル179のデータを基に生産スケジューリング部120を用いて11月の小日程計画作業計画テーブル177(図8)を立案したものとする。立案した計画はMES(製造実行システム)に指図情報として渡され、製造現場での作業指示となる。製造現場で入力された実績情報はMESを経由して(必要であればデータの加工等がなされて)作業実績作業実績テーブル178に蓄積されたものとする。
担当者は、生産計画装置100(図1)のデータ入力部110を用いてデータベース170にある各品目テーブル171〜設定テーブル179を生産計画装置100のメモリ上に読み込む。メモリ上でのデータの構造は各テーブルと同一としてよい。
[アラート部(アラート機能)]
<工程状況画面>
図11は、生産計画装置100の表示部の表示画面200を示す図であり、表示画面200に表示される工程状況画面を示す。
図11に示すように、生産計画装置100の表示部(図示省略)が表示する表示画面200は、アラートタブ211,影響度分析タブ212,推奨値計算タブ213を有するメイン画面210と、メイン画面210の右側に配置されたデータ読込ボタン221,乖離度評価ボタン222,影響度分析ボタン223,推奨値計算ボタン224と、を有する。上記アラートタブ211,影響度分析タブ212,推奨値計算タブ213,データ読込ボタン221,乖離度評価ボタン222,影響度分析ボタン223,推奨値計算ボタン224は、ソフトウェアボタンであり、マウス等のポインティングデバイスで選択(例えば、クリック)・実行(例えば、ダブルクリック)が可能である。
図11に示す表示画面200は、「工程状況画面」を表示している。図11の場合、アラートタブ211の選択により、「工程状況画面」が選択され、メイン画面210に工程一覧(PRC組立,PRC成形A,PRC成形B,PRC準備A,PRC準備B)とその警告対象となる工程が表示される。PRC組立,PRC成形A,PRC成形Bは、警告対象となる(図11の○印のハッチング参照)。
<作業時間の乖離度>
担当者は、生産計画装置100の「工程状況画面」(図11)を参照して各工程のST(標準時間)と実際の作業時間の乖離度を把握する。
生産計画装置100は、アラート部140の乖離度評価部141(図1)が、各工程のSTと実際の作業時間との乖離度を評価し、評価結果を可視化する。
まず、乖離度評価部141は、作業実績テーブル178(図9)にある各レコードから工程の作業時間実績を次式(4)で求める。各工程の作業時間実績(秒)は、後記図12で示される。
(平均)作業時間実績=(終了時刻−開始時刻)/数量 …(4)
ここで、作業実績テーブル178(図9)の構造でデータを保持する場合には、品目1個当たりの作業時間は上記式(4)のように平均値を用いる。センサ等を用いて品目1個当たりの作業時間を実際に計測し蓄積しているような場合には、作業時間実績として実際の計測値を用いてもよい。
図12は、各工程の作業時間実績(秒)を表にして示す図である。
図12に示すように、工程コード(PRC準備A,PRC成形A,PRC準備B,PRC成形B,PRC組立)毎に作業時間実績(秒)をN個計測し、各工程毎の平均を算出する。
次に、乖離度評価部141は、各工程の作業時間実績(秒)(図12)に示す各工程の作業時間実績平均と設定テーブル179にある各工程の作業時間上限値とを比較し、作業時間実績平均が上限値を超えている場合に限り乖離度が高いと判断する。この例では、PRC組立、PRC成形AおよびPRC成形Bの3工程に対し、標準時間と実際の作業時間の乖離度が高いと判定される。なお、作業時間実績の平均ではなく、中央値や最大値、最小値、パーセンタイル値などを用いて上限値と比較してもよい。
乖離度評価部141による乖離度評価の結果、「工程状況画面」(図11)上で乖離度の高い工程が強調して表示される(図11の網掛け参照)。
[影響度分析部(影響度分析機能)]
<影響度分析画面>
図13は、生産計画装置100の影響度分析画面を示す図である。
図13に示す、表示画面200は、「影響度分析画面」を表示している。図13の場合、影響度分析タブ212の選択により、「影響度分析画面」が選択され、メイン画面210に影響度分析項目と分析結果(ヒストグラフ)が表示される。影響度分析項目は、対象工程(例えば、PRC組立,PRC成形A,PRC成形B)と、作業時間の最小、最大、幅と指標(例えば、約束納期)が表示される。
担当者は、生産計画装置100の影響度分析画面(図13)を参照して、ある工程のSTと実際の作業時間の乖離度合いが事前に選択した生産指標に対してどの程度影響するのかを把握する。
まず、影響度分析部150の工程選択部151(図1)は、分析対象工程を選択する。本実施形態では、アラート機能で警告対象となった3つの工程(PRC組立、PRC成形A、PRC成形B)を対象とする。
次に、影響度分析部150のST候補値設定部152(図1)は、工程ごとにSTの最小値、最大値、ステップ幅を設定して候補値集合を生成する。これにより、図14に示す対象工程のST候補値が生成される。
図14は、対象工程のST候補値を表にして示す図である。
図14に示すように、工程コード(PRC組立,PRC成形A,PRC成形B)毎に作業時間の最小(290,290…)、最大(370,370…)、ステップ幅(10,10…)、候補値集合({290,300,310,・・・,370}…)を格納する。
なお、適切な最小(大)値の設定として、図12に示す各工程の作業時間実績の最小(大)値を使用することもできる。
次に、影響度分析部150の生産指標選択部153(図1)は、生産指標を1つ選択する(図15)。
図15は、生産指標を表にして示す図である。
図15に示すように、生産指標は、各工程の生産指標で示される。各工程の生産指標は、具体的には、各工程(PRC組立,PRC成形A,PRC成形B)の約束納期遵守率である。
本実施形態では、約束納期遵守率を選択した。約束納期遵守率とは、対象工程の作業時間がSTから乖離した結果、最終工程に該当するロットの作業終了時刻が当初のスケジューリング結果をもとに回答した約束納期に間に合うかどうかを示す割合である。約束納期遵守率以外にも要求納期対応率や設備稼働率、納期遅れロット数など様々な指標が使用可能である。
<生産指標影響度算出>
次に、影響度分析部150の計算実行部154(図1)は、工程ごとにSTと実際の作業時間との乖離度合に伴う生産指標への影響度を算出する。詳細には、計算実行部154は、後記図16のフローに示す処理を工程ごとに実行して生産指標への影響度を算出する。
図16は、計算実行部154または計算実行部164(後記)が、ある工程で実行する計算処理のフローチャートである。図中、Sはフローの各ステップを示す。ここでは、図16のフローは、計算実行部154の生産指標への影響度の算出処理の例である。なお、ステップS14,S15の()内は、後記する計算実行部164によっても実行される。
まず、本フローがスタートすると、ステップS11で変数iを1とする(i=1)。
ステップS12では、iが集合の要素数より大きいか否かを判別し、iが集合の要素数より大きい場合(S12のYes)は本フローを終了する。
iが集合の要素数より大きくない場合(S12のNo)、ステップS13でST候補値集合のi番目の要素STを選択する。
ステップS14では、候補値をSTとしてスケジューリングを行う。
ステップS15では、実際の作業時間分布に基づくシミュレーションを行う。
ステップS16では、生産指標KPI(ST)を計算する。KPI(ST)については、後記する。
ステップS17では、iをインクリメント(i=i+1)してステップS12に戻る。
計算実行部154は、図16に示す処理を工程ごとに実行し、ST候補値に対する生産指標値(後記図17)を計算する。
ステップS14の「候補値をSTとしたスケジューリング」では、対象工程の標準時間マスタを候補値で更新した後、設定テーブル179(図10)で設定されたルールに基づくディスパッチング法により作業割付が実行される。また、図16のステップS15の「実際の作業時間分布に基づくシミュレーション」では、対象工程の作業時間を当該工程の実作業時間の分布に基づいて確率的に定め、スケジューリングと同様にディスパッチング法による作業割付が実行される。作業の割付に際しては、設定テーブル179に設定したシミュレーション制約を別途課すことで、工程の作業遅延や前倒しが起きた場合に生じる製造現場での後続作業の流れをシミュレートできるようにしている。
ここで、シミュレーション制約は設備制約、順序制約および時間制約に大別できる。
設備制約は、生産可能設備が複数あっても生産スケジューリング時に指定された生産設備を変更しない制約である。
順序制約は、生産スケジューリング時に同じ設備に割り付けられた作業間の順序関係を遵守し、同じ設備に属するすべての先行作業が完了しない限りに作業が開始できない制約である。
時間制約は、作業毎の計画された開始時間に対して、(1)前工程の作業が遅れた場合、後工程の作業開始を遅らせる、(2)同じ設備に属する先行作業が遅れた場合、後継作業の開始を遅らせる、(3)前工程の作業と先行作業が共に早く完了した場合、後継作業は予定通りに開始させる制約である。
<STからの作業時間の乖離>
図17は、各工程の生産指標値(約束納期遵守率%)を表にして示す図である。
図17に示すように、各工程の生産指標値(約束納期遵守率%)は、工程コード(PRC組立,PRC成形A,PRC成形B)のSTからの作業時間の乖離STである。
次に、影響度計算部158は、計算実行部154が計算した各工程の生産指標値(約束納期遵守率%)(図17)のデータをもとに、各工程の生産指標への影響度を算出する。本実施形態では、ステップ幅当たりの生産指標の最大変化率を影響度として定める。最大変化率の大きな工程ほどSTからの作業時間の乖離が生産指標の変化に大きく影響すると考えられる。最大変化率は、次式(5)で求める。
Figure 2017162044
ここで、KPI(ST)は、標準時間の設定値がSTの時の生産指標値である。(STi+1−ST)と(KPI(STi+1)−KPI(ST))がそれぞれステップ幅と生産指標の変化を表す。
図18は、各工程の影響度を表にして示す図である。
図18に示すように、各工程の影響度は、工程コード(PRC組立,PRC成形A,PRC成形B)の影響度である。この影響度は、工程の標準時間と実際の作業時間の乖離度が製造KPIの変動に及ぼす影響度である。
本実施形態では、生産指標の最大変化率は、どの工程でもST=300〜310のときに与えられる。なお、生産指標の最大変化率ではなく平均変化率などを影響度として求めてもよい。
計算実行部154の結果、影響度分析画面(図13)上では生産指標への影響度の高い順に工程が並べられて表示される。
[推奨値計算部(推奨値計算機能)]
<推奨値計算画面>
図19は、生産計画装置100の推奨値計算画面を示す図である。
図19に示す、表示画面200は、「推奨値計算画面」を表示している。図19の場合、影響度分析タブ212の選択により、「推奨値計算画面」が選択され、メイン画面210に推奨値計算項目と、作業時間分布(ヒストグラフ)と約束納期遵守率(図19の実線に示す単調増加曲線)と要求納期対応率(図19の破線に示す単調減少曲線)とが表示される。推奨値計算項目は、対象工程(例えば、PRC組立)と、作業時間の最小、最大、ステップ幅と、指標1(例えば、約束納期)とその重み、指標2(例えば、オーダ納期)とその重みが表示される。
図19の製造KPIシミュレーション結果は、所定時間(秒)刻みに、生産指標(例えば、出現頻度)と約束納期遵守率(%)(図19の実線)と要求納期対応率(%)(図19の破線)とを表している。STは、図19の矢印(→)に示す「現在」の位置である。図19の製造KPIシミュレーション結果をみると、上記式(1)において標準時間の設定値を増加させることによって約束納期遵守率が単調増加する一方、要求納期対応率が単調減少することが確認できる。上述したように、約束納期遵守率と要求納期対応率とは、標準時間が変わった際にトレードオフの関係を持つものであり、いずれか一方を優先させると他方の要求を損なう関係にある。図19の場合、現在のSTは、生産指標(例えば、出現頻度)の最頻値の最小値x側に設定されている。このため、要求納期対応率が満たされていることで機会損失の低減は図れるものの、約束納期遵守率は比較的不十分であることで顧客満足度の向上が図れない。
これに対して、生産計画装置100は、推奨値計算によって、STの設定値として、図19の矢印(→)に示す「推奨」の位置を推奨する。推奨値計算によるSTの設定値は、約束納期遵守率と要求納期対応率との交点におけるSTの設定値である。STの設定値は、要求納期対応率がやや低減するが、約束納期遵守率が大きく改善されるので、機会損失の低減と顧客満足度の向上を両立させることができる。
担当者は、生産計画装置100の推奨値計算画面(図19)を参照して、工程の標準時間をどの値に設定すれば事前に選択した生産指標の観点から最も良いのかを把握する。
まず、推奨値計算部160の工程選択部161(図1)は、分析対象工程を選択する。本実施形態では、影響度分析部150で影響度を分析し、影響度分析結果を基に、STと実績の乖離が生産指標に最も影響するPRC組立工程を対象とする。
次に、推奨値計算部160のST候補値設定部162(図1)は、当該工程のSTの最小値、最大値、ステップ幅を設定して候補値集合を生成する。これにより、図20に示す対象工程のST候補値が生成される。
図20は、対象工程のST候補値を表にして示す図である。
図20に示すように、工程コード(例えば、PRC組立)に対応して作業時間の最小(270)、最大(370)、ステップ幅(10)、候補値集合({270,280,290,・・・,370})を格納する。
なお、適切な最小(大)値の設定として、図12に示す各工程の作業時間実績の最小(大)値を使用することもできる。
適切なステップ幅の設定として、影響度の大きさによって設定する。例えば、影響度が大きい対象工程に対して精度の高いST設定値を推奨するのにはステップ幅を小さめに設定することが望ましい。ただし、ステップ幅が小さく設定すると多くの計算資源が必要となる。
また、ST候補値の選択はステップ幅による設定方法以外に平均値(最頻値、中央値、最大(小)値などの代表値)を用いてよい。例えば、影響度が一番高いPRC組立工程に対してステップ幅によるST候補値を、影響度が相対的に低いPRC成形AとPRC成形Bに対して平均値などの代表値を用いてST候補値を設定してよい。
<生産指標>
次に、推奨値計算部160の生産指標選択部163(図1)は、互いに相反する生産指標を2つ選択する(図21)。また、生産指標選択部163は、必要に応じて各指標の重要度を示す係数である重み付けも行う。
図21は、生産指標を表にして示す図である。
図21に示すように、生産指標は、各工程の生産指標とその重みで示される。各工程の生産指標は、具体的には、各工程(PRC組立,PRC組立)の生産指標(約束納期遵守率,要求納期対応率)と重み(0.5,0.5)である。
本実施形態では、約束納期遵守率と要求納期対応率(オーダ納期対応率ともいう)を選択し、均等の重み付けを設定した。
ここで、要求納期対応率とは、対象工程の作業時間がSTから乖離した結果、最終工程に該当するロットの作業終了時刻がオーダ納期に間に合うかどうかを示す割合である。なお、他の指標と相反する関係があれば生産指標は2つ以上選択してもよい。
次に、推奨値計算部160の計算実行部164は、2つの生産指標を同時に最適化するPRC組立工程の推奨STを求める。詳細には、計算実行部164は、前記図16のフローに示す処理を実行してST候補値に対する2つの生産指標値を計算する。これにより、図22に示すPRC組立工程の生産指標値が生成される。
図22は、PRC組立工程の生産指標値を表にして示す図である。
図22に示すように、PRC組立工程の生産指標値は、PRC組立ST(270,280…)における約束納期遵守率(79.6,82.1…)および要求納期対応率(100,100…)である。
前記図16のステップS14の「候補値をSTとしてスケジューリング」では、対象工程の標準時間マスタを候補値で更新した後、設定テーブル179で設定されたルールに基づくディスパッチング法により作業割付が実行される。また、ステップS15の「実際の作業時間分布に基づくシミュレーション」では、対象工程の作業時間を当該工程の実作業時間の分布に基づいて確率的に定め、スケジューリングと同様にディスパッチング法による作業割付が実行される。作業の割付に際しては、設定テーブル179に設定したシミュレーション制約を別途課すことで、工程の作業遅延や前倒しが起きた場合に生じる製造現場での後続作業の流れをシミュレートできるようにしている。
次に、推奨値計算部160の推奨値計算部168(図1)は、計算実行部164(図1)が計算したPRC組立工程の生産指標値(図22)のデータと生産指標(図21)の重み付けをもとに推奨値を求める。
本実施形態では、次式(6)を最大化するST候補値を求め、最大化するST候補値を推奨値とした。
Figure 2017162044
ここで、SはST候補値集合、f(s)はi番目の生産指標値、wは指標fの重みである。また、*は乗算記号である。例えば、s=310が2つの生産指標を同時に最適化する推奨値として求まる。計算実行部164の結果、推奨値計算画面(前記図19)上で「PRC組立」工程のST推奨値が表示される。
担当者は、工程テーブル173(図4)にある「PRC組立」工程のST=300を、生産計画装置100で計算した推奨値ST=310に更新し、新たなマスタデータをもとに次回の生産スケジューリングをすることが可能となる。
更新後のマスタデータによるスケジューリング結果は、従来よりも納期遵守率や設備稼働率など複数の生産指標を同時に最適化することが期待される。結果として、高精度(納期遵守率や生産効率の高い)の計画が得られる。
以上説明したように、本実施形態に係る生産計画装置100は、製造に関する指標である複数の製造KPIを定めている。複数の製造KPIは、標準時間が変わった際にトレードオフの関係を持つものであり、標準時間の設定値の増大に伴って増大していく第1製造KPI(例えば、約束納期遵守率)と、標準時間の設定値の増大に伴って減少していく第2製造KPI(例えば、要求納期対応率、設備稼働率)とを含む。生産計画装置100は、生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行う生産シミュレーション部130と、製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPIを定める製造KPI設定手段としての機能を有するアラート部140と、製造に関する工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率等のマスタデータの設定値と実際の作業時間の作業実績との乖離度を算出する乖離度評価部141と、算出した乖離度が複数の製造KPIの変動に及ぼす影響度を分析する影響度分析部150と、製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成するST候補値設定部152と、製造に関する各工程の標準時間と実際の作業時間の分布に基づいて、複数の製造KPIを同時に最適化するマスタデータの設定値の推奨値を計算する推奨値計算部160と、を備える。
これにより、アラート部140のアラート機能によって、設定された標準時間と実際の作業時間が乖離している工程等が特定可能になる。また、影響度分析部150の影響度分析機能によって、当該工程の乖離が製造KPIに及ぼす影響を定量的に評価した上で標準時間を見直すべきか否かを判断することが可能になる。また、推奨値計算部160の推奨値計算機能によって、製造KPIの観点から最も適切なマスタデータの設定値を把握することが可能になる。
以上により、生産の実態に即した標準時間、段取時間、歩留率、習熟率などのマスタ値をタイムリーに設定できるようになる。その結果、より正確な納期回答が可能な高精度スケジューリングが実現される。
本実施形態では、トレードオフの関係を持つ複数の製造KPIのうち、要求納期対応率と約束納期遵守率を利用して標準時間などを適正化する場合を説明した。これにより、図19に示すように、機会損失の低減と顧客満足度の向上を両立させるようなSTの設定値を求めることが可能となる。トレードオフの関係を持つ複数の製造KPIのうち、設備稼働率と約束納期遵守率を利用して、同様の方法により標準時間などを適正化するようにしてもよい。これにより、生産コストの低減と顧客満足度の向上を両立させるようなSTの設定値を求めることが可能となる。
本発明は上記の実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
なお、本実施形態において、ハードウェアで実現した構成要素をソフトウェアで実現することができ、ソフトウェアで実現した構成要素をハードウェアで実現することができる。
また、本実施形態に記載した技術的事項を適宜組み合わせて新たな技術を実現することができる。その他ハードウェア、ソフトウェア、データベース等の具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
100 生産計画装置
110 データ入力部
120 生産スケジューリング部
130 生産シミュレーション部
140 アラート部(製造KPI設定手段,乖離度算出手段)
141 乖離度評価部
150 影響度分析部(影響度分析手段)
151 工程選択部
152 ST候補値設定部(候補値設定手段)
153 生産指標選択部
154 計算実行部
155 スケジューリング部
156 シミュレーション部(生産シミュレーション手段)
157 生産指標計算部
158 影響度計算部
160 推奨値計算部(推奨値計算手段)
161 工程選択部
162 ST候補値設定部(候補値設定手段)
163 生産指標選択部
164 計算実行部
165 スケジューリング部
166 シミュレーション部(生産シミュレーション手段)
167 生産指標計算部
168 影響度計算部
170 データベース
171 品目テーブル
172 BOMテーブル
173 工程テーブル
174 設備テーブル
175 製造オーダテーブル
176 ロットテーブル
177 作業計画テーブル
178 作業実績テーブル
179 設定テーブル

Claims (8)

  1. 事前に設定した品目および工程、設備を含むマスタ情報を基に、生産スケジューリングを計画する生産計画装置であって、
    製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPI(Key Performance Indicator)を定める製造KPI設定手段と、
    製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成する候補値設定手段と、
    前記生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行う生産シミュレーション手段と、
    前記生産シミュレーションの結果を集計してKPI値を求め、当該KPI値の作業時間分布の最小値から最大値までの所定のステップ幅あたりの平均または最大値の変化率を影響度として算出して、前記マスタデータの設定値が複数の前記製造KPIの変動に及ぼす影響度を分析することを支援する影響度分析手段と、を備える
    ことを特徴とする生産計画装置。
  2. 事前に設定した品目および工程、設備を含むマスタ情報を基に、生産スケジューリングを計画する生産計画装置であって、
    製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPI(Key Performance Indicator)を定める製造KPI設定手段と、
    製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成する候補値設定手段と、
    前記生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行う生産シミュレーション手段と、
    前記生産シミュレーションの結果を集計して各製造KPIの評価値を計算し、当該各製造KPIの評価値に基づき適正化対象工程の適正値として、各製造KPIを最適化する前記マスタデータの設定値の推奨値を計算する推奨値計算手段と、を備える
    ことを特徴とする生産計画装置。
  3. 事前に設定した品目および工程、設備を含むマスタ情報を基に、生産スケジューリングを計画する生産計画装置であって、
    製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPI(Key Performance Indicator)を定める製造KPI設定手段と、
    製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成する候補値設定手段と、
    前記生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行う生産シミュレーション手段と、
    前記生産シミュレーションの結果を集計してKPI値を求め、当該KPI値の作業時間分布の最小値から最大値までの所定のステップ幅あたりの平均または最大値の変化率を影響度として算出して、前記マスタデータの設定値が複数の前記製造KPIの変動に及ぼす影響度を分析することを支援する影響度分析手段と、
    前記生産シミュレーションの結果を集計して各製造KPIの評価値を計算し、当該各製造KPIの評価値に基づき適正化対象工程の適正値として、各製造KPIを最適化する前記マスタデータの設定値の推奨値を計算する推奨値計算手段と、を備える
    ことを特徴とする生産計画装置。
  4. 製造に関する工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率等のマスタデータの設定値と実際の作業時間の作業実績との乖離度を算出する乖離度算出手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の生産計画装置。
  5. 事前に設定した品目および工程、設備を含むマスタ情報を基に、生産スケジューリングを計画する生産計画装置における生産計画方法であって、
    前記生産計画装置の制御部は、
    製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPI(Key Performance Indicator)を定めるステップと、
    製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成するステップと、
    前記生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行うステップと、
    前記生産シミュレーションの結果を集計してKPI値を求め、当該KPI値の作業時間分布の最小値から最大値までの所定のステップ幅あたりの平均または最大値の変化率を影響度として算出して、前記マスタデータの設定値が複数の前記製造KPIの変動に及ぼす影響度を分析することを支援するステップと、を実行する
    ことを特徴とする生産計画方法。
  6. 事前に設定した品目および工程、設備を含むマスタ情報を基に、生産スケジューリングを計画する生産計画装置における生産計画方法であって、
    前記生産計画装置の制御部は、
    製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPI(Key Performance Indicator)を定めるステップと、
    製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成するステップと、
    前記生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行うステップと、
    前記生産シミュレーションの結果を集計して各製造KPIの評価値を計算し、当該各製造KPIの評価値に基づき適正化対象工程の適正値として、各製造KPIを最適化する前記マスタデータの設定値の推奨値を計算するステップと、を実行する
    ことを特徴とする生産計画方法。
  7. 制御部を備えるコンピュータを、事前に設定した品目および工程、設備を含むマスタ情報を基に、生産スケジューリングを計画する生産計画装置として機能させる生産計画プログラムであって、
    製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPI(Key Performance Indicator)を定める処理と、
    製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成する処理と、
    前記生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行う処理と、
    前記生産シミュレーションの結果を集計してKPI値を求め、当該KPI値の作業時間分布の最小値から最大値までの所定のステップ幅あたりの平均または最大値の変化率を影響度として算出して、前記マスタデータの設定値が複数の前記製造KPIの変動に及ぼす影響度を分析することを支援する処理と、を実行させる
    ことを特徴とする生産計画プログラム。
  8. 制御部を備えるコンピュータを、事前に設定した品目および工程、設備を含むマスタ情報を基に、生産スケジューリングを計画する生産計画装置として機能させる生産計画プログラムであって、
    製造に関する指標である約束納期遵守率、要求納期対応率、または設備稼働率を少なくとも1つ含む複数の製造KPI(Key Performance Indicator)を定める処理と、
    製造に関する各工程の標準時間、段取時間、歩留率、または習熟率のマスタデータの設定候補値を生成する処理と、
    前記生産スケジューリングで生成した生産スケジュールと実際の作業時間の分布に基づいて、設備制約、順序制約および時間制約のシミュレーション制約に従ってシミュレーションを行う処理と、
    前記生産シミュレーションの結果を集計して各製造KPIの評価値を計算し、当該各製造KPIの評価値に基づき適正化対象工程の適正値として、各製造KPIを最適化する前記マスタデータの設定値の推奨値を計算する処理と、を実行させる
    ことを特徴とする生産計画プログラム。
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