JP4439580B2 - プロセスマネジメント支援システム、及びシミュレーション方法 - Google Patents

プロセスマネジメント支援システム、及びシミュレーション方法 Download PDF

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Description

本発明は、企業のビジネスプロセスを設計してシミュレートすることにより、ビジネスパフォーマンスの予測や評価を行うプロセスマネジメント支援システム、及び該システムにおけるシミュレーション方法に関する。
企業を取り巻く環境に適応したビジネスプロセス、更にはその経営戦略を探索するために、様々なビジネスプロセスモデリングツール及びそのシミュレーション・解析ツールが開発されている。一般的に、ビジネスのタイプには、プロジェクト型とプロセス型が存在する。プロジェクト型のビジネスでは、1つの注文を処理するのに比較的長期間を要し且つその受注頻度は小さく、その仕事の仕方はそれぞれの注文によって異なる。よってこれらビジネスでは、1つ1つの注文ごとに、その注文に応じた仕事の仕方をプロジェクトとして計画する。これに対して、プロセス型のビジネスでは、1つの注文を処理するのに比較的短期間を要し且つその受注頻度は大きく、その処理の仕方は特定の処理プロセス(サービス)によって分類できる。よってこれらビジネスでは、サービスごとに多数の注文を処理する仕方をデザインする。既存の技術に基づくビジネスプロセスモデリングツールは、これら2つの異なるビジネスタイプに対してそれぞれ提供されている。以下、プロジェクト型のビジネスに対するツールをプロジェクトデザインツールといい、プロセス型のビジネスに対するツールをプロセスデザインツールという。
まずプロジェクトデザインツールとして、ネットワーク図及びアローダイアグラムによって、特定の注文について必要な仕事を定義し、その順序及び投入される人的資源の配置について計画することができるものが知られている(例えば、非特許文献1〜非特許文献4参照。)。これらのツールでは、配置された要員とその仕事量に基づいた山積み・山崩しのような簡単な計算によって、1つの注文を処理する際の各要員の負荷及び論理的な最短工期をシミュレーションすることができる。しかし、このシミュレーションは単純な計算であり、仕事の処理を通して発生する様々な不確定要素による遅延など、確率的分散は結果に反映されていない。
これに対して、産業用プロセスなどのモデル及びその評価を行うプロセスデザインツールの一部では、断続的に発生する複数の注文ついて、それぞれの注文のタイプに応じた処理作業を定義し、その順序及び投入される人的資源及びその他資源の配置について計画及びその評価をすることができる(例えば、非特許文献5及び非特許文献6参照。)。これらツールでは、イベントの発生、イベントの保持、イベントの待ち行列、条件分岐、イベントの分割・結合、及びイベントの消去など、様々な機能を有するオブジェクトを組み合わせてそのプロセスを詳細にモデルし、モンテカルロシミュレーションを実行することで、不確定要素による確率的な分散を結果に反映することができる。これらツールでは、その多彩なオブジェクトの機能によって、様々なプロセスを自由に且つ詳細にモデルすることができる反面、その自由度が故に複雑且つ煩雑なモデルとなってしまい、モデル化の重要な目的である可視性及び共有性を損なってしまう。また、シミュレーションによって得られる結果も、イベントのインターバル、待ち行列数、及びレートなど、イベントドリブンシミュレーションにとって基本的なものである。ユーザ自身がそれぞれ独自の評価指標を設定できるが、ビジネスプロセスにとって共通かつ重要な評価指標というものは定義されていない。
近年では、UMLなどオブジェクト指向に基づいたルールによってビジネスプロセスを記述し、モデルの可視性と共有性を高める方法も提案されている。この動向にあわせて、現実のビジネスプロセスを概念化するモデルを定義し、これらモデルで定義されたオブジェクトによってデザイン及びモンテカルロシミュレーションを実行し、且つその結果を得ることができるツールが登場してきている。この種のツールのうちプロセスデザインツールとして提供されているものの中には、ビジネスプロセスの一部をプロセスの開始と終了、条件によるプロセスの分岐、プロセスを構成する各作業(オペレーション)、及びそれら作業を実行する人的資源、などによってモデルするものがある(例えば、非特許文献7参照。)。シミュレーションにおいては、プロセスの開始オブジェクトでイベントを発生することで、処理するべき仕事を注文として発生する。この発生した仕事は、定義されたプロセスによって処理され、プロセスの終了において消去される。このとき、その処理時間に確率的な分散をもたせるなどすることにより、シミュレーション結果に不確定要素を反映することができる。更に、これらツールでは、1つの仕事が処理されるのに費やされる時間及びコストなどを、モデルしたビジネスプロセスを評価するための尺度として提供している。
更に、プロジェクトデザインツールの中には、プロジェクトの構造及びそのオブジェクトの関係を明確に定義したプロジェクトモデル、シミュレーション結果に反映される不確定要素及びその動作を明確に定義したBehaivorモデル、及びこのシミュレーション結果を評価するために定義された評価指標を提供しているツール(例えば、非特許文献8〜非特許文献10参照。)がある。プロジェクトモデルでは、プロジェクトをプロジェクトの開始、終了、その完了に必要な仕事、その仕事に従事する要員、及びマイルストーンなどのオブジェクトとその関係によって定義している。Behaviorモデルでは、仕事アイテム、例外アイテム、及び情報交換アイテムなどシミュレーション中に発生しかつ要員によって処理されるこれらイベントの、発生及び処理に関わる動作及び特性について定義することで、工期、コスト、品質などプロジェクトパフォーマンスに影響を与える不確定要素をモデルしている。
仕事アイテムは、仕事オブジェクトからそのスケジュールに従って定期的に発生し、配置された要員によって処理される。この処理にかかる時間は仕事オブジェクトの特性(仕事の難易度、必要なスキル)及び配置された要員の特性(経験、スキルレベル)によって決定される。例外アイテムは、予測される例外の発生確率、仕事オブジェクトの特性(難易度、必要なスキル)、配置された要員の特性(経験、スキルレベル)、及び情報交換のあり方などによって決定される確率に従って発生する。要員は、発生した例外アイテムに対して、完全な手戻り、半分手戻り、全く無視のいずれかの処理を実行する。どの処理を実施するかは、組織の特性(権利集中性)に従って確率的に決定される。情報交換アイテムは、予測される情報交換確率、仕事オブジェクトの特性(不確実性)及び配置された要員の特性(経験)によって決定される確率に従って発生する。要員は発生した情報交換アイテムを、組織の特性(形式性)によって決定される確率に従って対処する。形式重視の組織では、横の風通しが悪いということで、これら情報交換アイテムが処理される確率は低くなる。
プロジェクトデザインの評価尺度としては、工期、コスト、及び品質を定義している。工期及びコストは、全ての仕事が完了するまでに要した時間、及びその間に投入された人員とその単価の積の総和でそれぞれ定義されている。品質は、不確定要素である例外及び情報交換への対処によって計量している。具体的には、処理された例外及び情報交換アイテムと発生したこれらアイテムのそれぞれの比によって定義している。この品質の計量は、Behaviorモデルが存在することによって可能となっている。更に、デザインされたプロジェクトの分析手法として、各仕事の作業期間、その内訳(直接作業、手戻り、上場交換、指示待ち)、及び遅れ作業量の変化などの指標を用意している。
ひと目でわかるMicrosoft Project Version 2002(マクロソフト公式解説書)、岡野智加、Microsoft Press(日経BPソフトプレス)、2002 Microsoft Office Project 2003 オフィシャルマニュアル クライアント編(マイクロソフト公式解説書)、E-Trainer.jp, Microsoft Press(日経BPソフトプレス)、2004 Microsoft Project 2000 ユーザーズガイド、Microsoft Co., 2000 KELLEY, JAMES E., JR., AND MORGAN R. WALKER. Critical path planning and scheduling. Proc. Eastern Joint Computer Conference (1959), 160-173 Business Process Modeling, Simulation, and Design, Manuel Laguna, Johan Marklund, Prentice Hall, 2005 Simulation Modelling for Business, Andrew Greasley, Ashgate Publising, February 2004 Business Process Management: Modeling through Monitoring Using WebSphere V6.0.2 Products, 2007 The Virtual Design Team: An Information Processing Model of the Design Team Management, Cohen, G. P., Unpublished Ph.D Thesis, Stanford University, 1992 The Virtual Design Team: A Computational Model of Project Organizations, Jin, Y. and R. E. Levitt, Computational and Mathematical Organization Theory, 2(3), 171-196 The Virtual Design Team: A Computational Simulation Model of Project Organizations, JOHN C. KUNZ2, RAYMOND E. LEVITT, YAN JIN, Communications of the Association for Computing Machinery, 41(11), pp84-92, 1998
上述したように、プロジェクト型のビジネスで利用されるプロジェクトデザインツールでは、プロジェクトモデル及びその評価尺度を明確に定義し、Behaivorモデルのような不確定要素についても明確に定義したツールが存在する。しかし、プロセス型のビジネスで利用されるプロセスデザインツールでは、UMLにより可視性及び共有性を高めたツールしか存在しない。即ち、注文の処理に際してその品質、コスト、及び実現納期に影響を与える様々な不確定要素、及び評価指標について明確に定義されたプロセスデザインツールはない。そして、プロジェクト型のビジネスプロセスでの定義をそのままプロセス型のビジネスプロセスに適応することはできない。
また、何れのツールも、注文の処理プロセスという企業内部の要素についてのみ考慮しており、ビジネスプロセスの継続的な改善という本来の目的を鑑みた場合、その改善の動機である企業を取り巻く環境(マーケット)という企業の外部環境について考慮したツールはまだない。言い換えれば、特定の問題に対して適切なプロセスを探索することはできても、企業戦略・経営戦略として企業を取り巻く様々な外部環境に対して適切なビジネスプロセスをデザインすることはできない。即ち、ビジネスプロセスにとってその処理する注文の源である顧客のような外部環境を含めて、ビジネスプロセスを定義したモデルを有するツールはない。以上のように、プロセス型ビジネスについては、企業戦略及び経営戦略のために「その取り巻く環境の変化に対して適応したビジネスプロセスを継続的に探索する」という重要な命題に対して対応するツールはない。
そこで、本発明は、プロセス型ビジネスに関する企業戦略及び経営戦略のために、外部環境の変化に対して適応したビジネスプロセスを継続的に探索することを支援するプロセスマネジメント支援システム及び該システムにおけるシミュレーション方法を提供することを目的とする。
本発明のプロセスマネジメント支援システムは、少なくとも1つのクライアントへサービス提供者がサービスを提供するためのビジネスプロセスをシミュレートすることにより、前記ビジネスプロセスを評価するプロセスマネジメント支援システムであって、前記各クライアントの活動内容を定義するクライアント定義部と、前記サービス提供者が提供するサービスに関して定義するサービス定義部と、所定期間において、前記各クライアントの活動によってサービスの要求が発生し、前記サービス提供者による前記サービスが提供される工程をシミュレートするシミュレーション部とを有し、前記クライアント定義部は、前記各クライアントが行う複数の活動を複数のクライアントオペレーション(COP)のそれぞれに対応させ、前記クライアント毎に前記シミュレート時における前記複数のCOPの進行態様を定義するCOP定義手段と、前記複数のCOPのそれぞれと、前記各COPに対して前記サービス提供者によって提供されるサービスとを対応付けるCOP対応付け手段と、前記各COPからサービスの要求を発生させるための条件を定義する発生条件定義手段とを有し、前記サービス定義部は、前記サービス提供者が前記COPに対応付けられたサービスを提供するための手順を、前記サービス提供者の人的資源又は物的資源を対応付ける処理単位である複数のサービスオペレーション(SOP)のそれぞれが処理される順序によって定義するSOP定義手段を有し、前記シミュレーション部は、前記各クライアントについて、前記進行態様に基づいて実行すべきCOPを特定するクライアント処理進行手段と、前記クライアント処理進行手段によって特定されたCOPに対応付けられたサービスの要求を、前記条件に基づいて発生させる要求発生手段と、前記要求が発生する毎に、前記特定されたCOPに対応付けられたサービスに関して前記SOP定義手段にて定義された手順として、前記各SOPの処理を、対応付けられた前記人的資源又は前記物的資源を使用して、前記定義された順序にて処理することにより、前記サービスを提供するための処理を行うサービス提供手段と、を有することにより、上記の課題を解決する。
本発明のプロセスマネジメント支援システムによれば、クライアント定義部を有し、サービスを要求する各クライアントの活動を明確に定義する。クライアントの各活動に対応する各クライアントオペレーション(COP)のシミュレーションにおける進行態様を、COP定義手段によって実際の活動の進行態様と同じように定義すれば、クライアント処理進行手段によってクライアントの実際の活動のようすをシミュレートすることができる。また、各COPにサービスの要求を発生させる条件を、実際の活動においてサービスが要求される条件と同じように定義すれば、要求発生手段によってシミュレーションにおいてもクライアントからその条件にてサービスの要求が発生させることができる。サービス提供部は、要求発生手段における要求の発生に応じてクライアントへサービスを提供する。従って、本発明によれば、各クライアントの活動と通じてサービスの要求を発生させ、当該要求に応じてサービスを提供するプロセス型ビジネスの態様をシミュレーションすることができる。これにより、各クライアントによって異なる要求のタイミングや要求回数等に基づいたシミュレーション結果を得ることができ、更には、市況、社会的ニーズ、法制度、及び技術進歩など、企業を取り巻く外部環境を、クライアントオペレーションの動作として定義すれば、企業が適応すべき様々なマーケットの変化をモデルすることができる。この結果、様々なマーケットに対して、最適なビジネスプロセスの探索が可能となる。
COPの進行態様には、例えば、COPがシミュレーション上で実行状態となる順序、期間、優先度、実行状態となるための条件等がある。サービスの要求を発生させる条件には、例えば、所定の期間や、過去の実績に基づいた要求発生率、所定の項目の状態の他、乱数で発生させる場合も含む。なお、サービス定義部による各サービスの定義は、従来のビジネスプロセスモデリングツールにおける方法を、ビジネスプロセスの評価は、現実のビジネスプロセスの評価手法として一般的な方法を採用すればよい。
前記COP対応付け手段は、前記各COPから発生する各要求に対してその要求の属性を定義してもよい。1回の要求についての作業量、複雑性、配達予定時間、対価等はクライアントによって異なるが、本発明のCOP対応付け手段によれば、これらクライアントによって異なる要求内容をクライアントから発生する要求の属性として設定することができる。
前記COP対応付け手段は、前記各COPと前記各COPに対して提供されるサービスに関して前記サービス定義部にて定義されるデータとを対応付け、前記シミュレーション部は、前記サービス定義部にて定義されるデータに基づいてシミュレーションを行い、前記シミュレーション部によるシミュレーションによって得られるデータを前記サービスに対応付けて管理し、前記得られるデータに基づいて前記サービスを提供するサービス提供者の活動を評価するための評価指標を求める評価処理手段が更に備えられてもよい。本発明によれば、サービス定義部によってサービスの範囲、例えばSOP、人的資源、資源の集合とそれらの相互関係を定義できる。従って、サービス提供者によるサービス活動の各サービスの範囲を明確化することができる。しかも、本発明のサービスは、クライアントの活動であるCOPに対応するものであるため、サービス提供者が提供するサービス事業をCOPを単位にしたサービスに分割して評価を得ることができる。「得られるデータに基づいて」とは、得られるデータのみの場合と他のデータも参照する場合とを含む。評価指標には、人的コスト、作業コスト、サービスリードタイム、例外発生の際のやり直し作業量等がある。これら評価指標は従来のプロジェクトデザインツールにおけるシミュレーションにおいても得られるが、当該ツールは工期でパフォーマンスを評価する。しかし、プロセス型ビジネスにおいては、例えば、処理待ち時間などの影響により、同じサービスによって処理される要求であっても、その処理に要する期間は異なるため、工期によってそのパフォーマンスを評価することは難しい。しかし、本発明によれば、工期ではなくサービス単位で評価指標を集計することができる。
前記評価処理手段は、前記要求を単位にした評価指標からその統計をして求めてもよい。本発明においては、クライアントからの要求に応じてサービスが提供されるため、シミュレーション中に複数の要求が発生した場合は、各要求に対してサービスが提供される。従って、要求を単位にデータを管理することにより、要求毎にパフォーマンスを評価することができる。各要求の評価指標を求めて分散値や標準偏差等の統計を得ることができる。クライアントの活動に基づいて要求が発生するので、その要求の処理に関わる待ち時間、サービスリードタイム、コストなどに、ある分散を持った統計が得られる。この分散は、従来技術のように処理速度あるいは処理時間に適当なばらつきを与えるものとは異なり、外部環境という根拠に基づいた意味あるばらつきであり、結果的に外部環境に対する感応度及びリスクを正確に評価することができる。
前記サービス定義部は、前記各サービス提供者を構成する複数のグループに関して定義するグループ定義手段と、前記各グループを、いずれかの前記SOPにそのSOPを処理するグループとして対応付けるグループ配置手段と、を有し、前記サービス提供手段は、前記所定の順序に従って処理すべき前記SOPを特定する処理SOP特定手段と、前記特定されたSOPを、そのSOPに対応付けられたグループの待ち行列に登録する行列登録手段と、前記待ち行列に登録された処理のうち、前記対応付けられたグループが実行すべき処理を決定し、前記対応付けられたグループによって前記実行すべき処理を実行させる処理実行手段と、を有していてもよい。
これにより、グループ定義手段により、サービスを提供するためにサービスに関する処理を実際に行う主体として複数のグループを設定でき、グループ配置手段によって各グループに処理するSOPを対応付けることができる。そして、処理実行手段により、待ち行列に登録された処理から実行すべき処理が決定され、当該処理が対応付けられたグループによって実行されるシミュレーションが行われる。従って、誰がどの処理を実行するのかを明確に定義できる。また、複数の要求が連続的に発生した場合は、同時に複数のサービスを提供するための処理が実行され、サービスを提供するための処理全体としては、先行後続関係にある処理が同時に実行されることもあれば、同じ処理が繰り返し行われることもある。また、ある要求において先行する全てのSOPが完了したとしても、後続するSOPに処理待ちの先の要求がある場合、処理待ちの時間が発生する。各グループに待ち行列を設けることにより、複数の要求が連続して発生した場合に発生するこのような状態もシミュレーションすることができる。SOPに配置される要員は、たとえ処理する要求がなくても(処理する仕事がなくても)次の要求に備えて常時雇用されているので、時間に比例してコストが発生する。なお、待ち行列から実行すべき処理を決定する方法は、例えば、先入先出法(FIFO法)、後入先出法(LIFO法)、優先順位等の従来既知の方法でよい。
前記処理実行手段は、前記実行すべき処理が他のグループにも処理させる場合に、前記他の要員の待ち行列に前記実行すべき処理を登録し、前記対応付けられたグループの待ち行列に登録された処理から次に実行すべき処理を決定し、前記対応付けられたグループに前記次に実行すべき処理を実行させてもよい。サービスの処理中に例えば、上司の指示を得る場合や他の部署の者から情報を得る場合等、他のグループにも処理させる場合が発生すると、実行すべき処理は他のグループが処理し、対応付けられたグループは他のグループの処理待ち状態になる。しかし、本発明の処理実行手段によれば、待ち行列に次の処理が登録されている場合は、当該処理を実行すべき処理として決定し、対応付けられたグループに実行させることができる。
前記サービス定義部は、前記サービス提供者に含まれる複数のメンバーを定義するメンバー定義手段と、前記各SOPに対して、前記SOPを処理するグループを対応付けるグループ配置手段と、前記複数のメンバーのうち少なくとも1人を、前記複数のグループのうち少なくとも1つのグループに対応付けるメンバー配置手段と、を有し、前記メンバー配置手段は、前記各メンバーに関して、対応付けられた前記少なくとも1つのグループに前記メンバーが提供する労働力を設定する労働力設定手段と、前記メンバーが対応付けられた前記少なくとも1つのグループに対して、前記メンバーが提供する前記労働力の合計が、所定の上限を超えないように前記労働力設定手段を制御する労働力制御手段とを有し、前記サービス提供手段は、前記設定された労働力の総和を前記グループの労働力として前記グループによって処理される前記SOPの処理速度に影響させてもよい。
グループは、例えばSOPを処理する主体を示す概念であり、例えば係、チーム、役職等が対応し、メンバーは具体的な個人に対応する概念である。これにより、SOPを処理する主体である各グループに、サービス提供者に含まれる具体的な複数のメンバーを割り当てることができる。従って、メンバーが複数のSOPの処理を行う場合であっても、メンバーとグループとの対応付けを修正するだけで、メンバーの変化に対応することができる。各メンバーについて、対応付けられた各SOPに提供する労働力の総和が上限を超えないように各労働力が設定されるため、限られた労働力を備えた一人のメンバーを複数のSOPに割り当てる状態を提供することができる。労働力を処理速度に影響させる態様には、例えば、労働力そのものが処理速度として利用される場合と、労働力が処理速度に影響する係数として利用される場合とがある。
前記サービス定義部は、前記各サービス提供者が利用可能な複数の道具を定義する道具定義手段と、前記各SOPに対して、前記SOPを処理するために利用される道具グループを対応付ける道具グループ配置手段と、前記複数の道具のうち少なくとも1つの道具を、前記複数の道具グループのうち少なくとも1つの道具グループに対応付ける道具配置手段と、を有し、前記道具配置手段は、前記各道具に関して、対応付けられた前記少なくとも1つの道具グループに前記道具が提供する処理能力を設定する処理能力設定手段と、前記道具が対応付けられた前記少なくとも1つの道具グループに対して、前記道具が提供する前記処理能力の合計が、所定の上限を超えないように前記処理能力設定手段を制御する処理能力制御手段とを有し、前記サービス提供手段は、前記設定された処理能力の総和を前記道具グループの処理能力として前記グループによって処理される前記SOPの処理速度に影響させてもよい。
「道具グループ」は、例えばプリンター、ファックス、パーソナルコンピュータ等の道具の種類を示す概念であり、「道具」はサービス提供者が実際に利用できる機械や備品等に対応する概念である。これにより、SOPの処理に利用される各道具グループに、サービス提供者が利用できる具体的な道具を割り当てることができる。各道具について、対応付けられた各SOPに提供する処理能力の総和が上限を超えないように各処理能力が設定されるため、限られた処理能力を備えた一つの道具を複数のSOPに割り当てる状態を提供することができる。処理能力を処理速度に影響させる態様には、例えば、処理能力そのものが処理速度として利用される場合と、処理能力が処理速度に影響する係数として利用される場合とがある。
本発明のシミュレーション方法は、少なくとも1つのクライアントへサービス提供者がサービスを提供するためのビジネスプロセスをシミュレートすることにより、前記ビジネスプロセスを評価するプロセスマネジメント支援におけるシミュレーション方法であって、前記各クライアントの活動内容を定義するクライアント定義段階と、前記サービス提供者が提供するサービスに関して定義するサービス定義段階と、所定期間において、前記各クライアントの活動によってサービスの要求が発生し、前記サービス提供者による前記サービスが提供される工程をシミュレートするシミュレーション段階とを有し、前記クライアント定義段階は、前記各クライアントが行う複数の活動を複数のクライアントオペレーション(COP)のそれぞれに対応させ、前記クライアント毎に前記シミュレート時における前記複数のCOPの進行態様を定義するCOP定義段階と、前記複数のCOPのそれぞれと、前記各COPに対して前記サービス提供者によって提供されるサービスとを対応付けるCOP対応付け段階と、前記各COPからサービスの要求を発生させるための条件を定義する発生条件定義段階とを有し、前記サービス定義段階は、前記サービス提供者が前記COPに対応付けられたサービスを提供するための手順を、前記サービス提供者の人的資源又は物的資源を対応付ける処理単位である複数のサービスオペレーション(SOP)のそれぞれが処理される順序によって定義するSOP定義段階を有し、前記シミュレーション段階は、前記各クライアントについて、前記進行態様に基づいて実行すべきCOPを特定するクライアント処理進行段階と、前記クライアント処理進行手段によって特定されたCOPに対応付けられたサービスの要求を、前記条件に基づいて発生させる要求発生段階と、前記要求が発生する毎に、前記特定されたCOPに対応付けられたサービスに関して前記SOP定義手段にて定義された手順として、前記各SOPの処理を、対応付けられた前記人的資源又は前記物的資源を使用して、前記定義された順序にて処理することにより、前記サービスを提供するための処理を行うサービス提供段階とを有することにより、上記の課題を解決する。本発明のシミュレーション方法は、本発明のプロセスマネジメントシステムのシミュレーション方法として実現される。
また、前記COP対応付け段階において、前記各COPから発生する各要求についてその要求の属性を定義してもよい。
上述したように、本発明によれば、クライアント定義部によって、クライアント103の活動を複数のCOPの進行態様が定義され、各COPとサービス提供者101のサービス104とが対応付けられ、シミュレーション部において、定義したCOPの進行態様に基づいて実行すべきCOPが特定され、特定されたCOPからサービス104の要求(SRI)を所定の条件に基づいて発生させ、SRIが発生する毎に、特定されたCOPに対応付けられたサービス104を、SRIを発生させたクライアント103に提供させるようにビジネスプロセスのシミュレーションが行えるように構成したことにより、以上のように、外部環境の変化に対して適応したビジネスプロセスを継続的に探索することを支援するプロセスマネジメント支援システム等を提供することができる。
本発明のシステムにおいて定義されたSBPMを示す図。 クライアントのCOPとサービスとの関係を示す図。 本発明のシミュレーションにおけるCOPの動作を示す図。 複数のCOPの実行順序の一態様を示す図。 複数のCOPの実行順序の一態様を示す図。 複数のCOPの実行順序の一態様を示す図。 サービスがモデル化された例を示す図。 シミュレーション結果として収益率を示すグラフ。 シミュレーション結果として作業効率を示すグラフ。 SRIを単位とするサービスリードタイムを示すグラフ。 SRIを単位とするサービス品質を示すグラフ。 サービスに関する仕掛量をSRIを単位に示すグラフ。 SOPに関する仕掛量をSRIを単位に示すグラフ。 2つのSOPについての作業内訳を示す表。 ケースを単位に比較されている作業内訳を示すグラフ。 サービス全体についてのコミュニケーション品質を示すグラフ。 ポジションについてのコミュニケーション品質を示すグラフ。 サービス全体についての管理品質を示すグラフ。 ポジションについての管理品質を示すグラフ。 本発明のエンタープライズ及びクライアントの一形態を示す図。 モデルエディタにてクライアントとサービスとが対応付けられたようすを示す図。 モデルエディタにて各COPと各サービスとが対応付けられたようすを示す図。 図15に示す1つのCOPについてのプロセスが、モデルエディタ上でモデル化されたようすを示す図。 クライアントベースデシジョンに対応付けられるべき情報の一例を示す図。 確率ベースデシジョンに対応付けられるべき情報の一例を示す図。 予定作業量の一例を示す図。 ケース2としてのプロセスが定義されたようすを示す図。 ポジションがSOPの実行に要求されるスキルを有する場合の、ポジションのスキルレベルとSOPの複雑性とを処理速度に影響させる影響係数のテーブル。 ポジションがSOPの実行に要求される以外のスキルを有する場合の、ポジションのスキルレベルとSOPの複雑性とを処理速度に影響させる影響係数のテーブル。 リソースの効果を処理速度に影響させる係数のテーブル。 ポジションがSOPの実行に要求されるスキルを有する場合の、ポジションのスキルレベルとSOPの複雑性とを例外の発生率に影響させる影響係数のテーブル。 ポジションがSOPの実行に要求される以外のスキルを有する場合の、ポジションのスキルレベルとSOPの複雑性をと例外の発生率に影響させる影響係数のテーブル。 ケース1及びケース2のそれぞれについての作業効率を示すグラフ。 ケース1について、SRIを単位にしてサービスリードタイムを示すグラフ。 ケース2について、SRIを単位にしてサービスリードタイムを示すグラフ。 ケース1における各SOPの作業効率をクライアント別に示すグラフ。 ケース2における各SOPの作業効率をクライアント別に示すグラフ。 プロセスマネジメント支援システムのハードウェア構成を示す図。 プロセスマネジメント支援システムを実行するための全体の流れを示すフローチャート。 クライアント定義処理における処理の手順を示すフローチャート。 サービス定義処理における処理の手順を示すフローチャート。 クライアント処理における処理の手順を示すフローチャート。 サービス提供進行処理における処理の手順を示すフローチャート。 スタッフ及びマネージャーのそれぞれにおいてSRIが処理されるようすを示す図。 複数のSRIが処理のそれぞれに関して、スタッフ及びマネージャーのそれぞれにおいて行われる処理の時間的関係を示すシーケンス図。 スタッフ処理における処理の手順を示すフローチャート。 例外発生処理における処理の手順を示すフローチャート。 上司処理における処理の手順を示すフローチャート。 情報交換処理における処理の手順を示すフローチャート。 評価処理における処理の手順を示すフローチャート。 メンバーリスト作成画面を示す図。 本発明におけるサービスのプロセスの一例を示す図。 メンバー配置処理における処理の手順を示すフローチャート。 メンバー配置画面の一例を示す図。
1.本発明のモデル構造
(1)SBPM
本発明のプロセスマネジメント支援ツールにおいては、プロセス型のビジネスを継続的に発生するサービスの要求及び提供として捉え、当該ビジネスの基本モデルを、図1に示すSBPM(Servis Business Process Model)として、明確に定義した。このSBPMに従って個々のビジネスプロセスをモデルすることにより、ビジネスプロセスに含まれる情報を失うことなくこれを可視化し、理解可能で且つ共有可能な情報とすることができる。SBPMでは、ビジネスプロセスの主要な要素及びそれらの関係を明確に定義し、それら要素を全てのビジネスプロセスに共通な部品として提供している。これら共通な部品の属性や組合せを変更することで、様々なビジネスプロセスケースを自由に設計することができる。
また、SBPMでは、ビジネスプロセスをモデルする際に、複数のサービスに対する要員の配置割合、ツール使用による処理速度への効果、スキルレベルの効果、及び条件分岐など、これまで曖昧にされていた部分についても数値によって明確に定義される。この結果、従来は経験と勘による曖昧な判断に頼っていた部分が、数値に裏打ちされた合理的な判断によって行うことが可能となる。以下、SBPMを構成する各オブジェクトについて説明する。
SBPMでは、概観から詳細へ向けてビジネスプロセスが階層的に構成されている。これにより、複雑なプロセス型ビジネスのビジネスプロセスの構造を直感的に理解可能なモデルとして表現することを可能としている。ビジネスプロセスの主体である企業101(以下「エンタープライズ101」という。)の概観は、カスタマーリンク102によって対応付けられた1つ以上のクライアント103及びサービス104で表現される。カスタマーリンク102は、提供されるサービス104とこれを要求するクライアント103との需給関係を定義する。エンタープライズ101に対応付けられるべき属性には、例外発生確率、権利集中性、公式性、経験等がある。
クライアント103は、後続リンク105(以下「サクセサーリンク105」という。)によってその実行順序を定義されたCOP(Client Operation)によって構成される。COPは、クライアント103自身の活動(オペレーション)であり、これらオペレーションにとって必要なサービス104の提供をエンタープライズ101に対して「要求」する。COPとCOPが提供を受けるサービス104との関係は、リクエストリンク107によって定義される。
サービス104の構成について説明する。サービス104は、クライアント103からの要求を処理するための方法であるプロセス108に対して、企業組織109(以下「オーガニゼーション109」という。)の要員110(以下「ポジション110」という。)及び資源111(以下「リソース111」という。)がどのように対応付けられるかを定義することで記述される。当該対応付けの定義は、アロケーションリンク112によって記述される。
プロセス108は、サービス104を提供するために必要なオペレーションであるSOP(Service Operation)によって構成される。複数のSOPはサクセサーリンク118によって手順が定義され、かつコミュニケーションリンク119によって情報依存性が定義される。情報依存性とは、SOPに対応付けられたポジション110が他のポジション110から情報を得る必要性である。
オーガニゼーション109は、複数のポジション110で構成される。各ポジション110を結ぶレポートライン120によって、報告・指示系統が定義される。ポジション110は、サービスを提供する主体として機能するチーム、係、役職等の所定のグループに対応する概念であり、例えば、部下であるスタッフと上司であるマネージャーとがある。リソース111は、SOPが実行される際に利用される道具121(以下「ツール121」という。)などの集合である。
サービス104にて行われる処理を総称して仕事といい、プロセス108、オーガニゼーション109、及びリソース111によって行われる。本発明では、仕事の作業内容を3つの作業アイテム(Work Item、以下「WI」という。)で区別する。本形態のWIには、クライアント103からの要求に対応する仕事であるSRI(Service Request Item)、SRIの処理過程で発生した例外に対応する仕事であるEI(Exception Item)、及び他のポジション110とのミーティング、会議等、情報交換に対応する仕事であるCI(Communication Item)がある。
WIは、クライアント103やサービス104、ポジション110、SOPなど、シミュレーション期間中存在し続けるオブジェクトと異なり、所定の条件に基づいて発生し、シミュレーション期間中に次々に発生及び消滅するイベントオブジェクトである。WIの各アイテムの詳細については後述する。
(2)クライアント
クライアント103は1つ以上のCOPの集合である。上述したように、COPはクライアント自身の活動であり、COPの実行順序はサクセサーリンク105によって定義される。例えば、図2に示すクライアント103は、自己の活動として4種のCOP1〜COP4を有し、サクセサーリンク105によってCOP1、COP2、及びCOP3は順に実行されるように定義され、COP4は独立して実行されるように定義されている。各COP1〜COP4は、リクエストリンク107によってサービス1〜サービス4に対応付けられている。クライアント103は、自身のCOP1〜COP4の実行に必要なサービスの提供要求としてSRIを、リクエストリンク107によって対応付けられたサービス1〜サービス4に対して発生させる。
(3)COP
図2に示すCOP1〜COP3の動作について図3を用いて説明する。COPは、活動が行われている「活動中」、又は活動が行われていない「待機中」の2つの状態を持つ。例えば、COP1〜COP3の場合、「待機中」のCOP2は、先行するCOP1の活動の終了によって「活動中」となり、この活動に必要なサービスの提供要求をSRIとして発生する。SRIは、企業の過去の需給状況などを参考にして、所定の分散を持った確率によって発生する。そして、COP2の活動時間として予め設定された時間が経過すると、COP2はその活動を終了して「待機中」に戻り、後続のCOP3が「活動中」となる。
COPには、その属性として、COPの状態、SRI発生条件としてのSRI発生分布、COPの活動時間等の情報が対応付けられている。更に、活動の開始時刻及び終了時刻が設定されていてもよい。本形態におけるSRI発生分布は、COPのサービス要求に関する確率の分散特性を示すものである。SRIには、その属性として、要求するサービスを実行するのに必要な技術の分野(以下、「スキル分野」という。)、優先度、コスト、提供されるサービスの対価、発生日時、実作業量、完了期限等の情報が対応付けられる。コストには時間当たりのコストの場合とSRI当たりのコストの場合がある。実作業量はシミュレーションにおいて実際に投入された作業量である。以下「実」と付く時は「シミュレーション結果としての」という意味である。
複数のCOPの実行順序の態様の例を図4A〜図4Cに示す。図4AはCOPが直列状態に実行される場合を示し、図4BはCOPが巡回するように実行される場合を示す。また、COPが並列状態にかつ、一部のCOPが繰り返し実行されてもよい。図4Cの例では、COP1、COP2、及びCOP3は120日周期で繰り返され、当該繰り返しに並行して、COP1の終了後にCOPA及びCOPBが14日周期でN回繰り返される。
(4)サービス
サービス104は、COPから発生したSRIを、プロセス108に通して、対応付けられたポジション110及びリソース111によって処理する仕組みである。サービス104が定義された例を図5に示す。図5の例では、オーガニゼーション109はポジション110a〜ポジション110dで構成され、ポジション110aはマネージャー、ポジション110b〜110dはマネージャーの部下であるスタッフである。また、リソース111はツール121a及びツール121bで構成されている。
プロセス108には、SRIによって要求されたサービスを提供するため処理であるオペレーション130a…130cの手順が記述されている。オペレーション130a…130cは、後述するようにSOPの一種である。以下、オペレーション130a…130cを区別する必要のない時はオペレーション130、又はSOP130という時がある。各オペレーション130は、対応付けられたツール121を利用して対応付けられたポジション110によって実行される。図5に示すプロセス108においては、オペレーション130aにポジション110b及びツール121aが対応付けられ、オペレーション130bにポジション110c及びツール121bが対応付けられ、オペレーション130cにポジション110d及びツール121bが対応付けられている。以下、ツール121又はポジション110がオペレーション130に「対応付けられた」ことを「配置された」という場合がある。クライアント103にて発生したSRIがサービス104に受け付けられると、各オペレーション130a…130cが対応付けられたポジション110によって処理される。サービス104におけるSRIに対応する処理は、プロセス108の最後のオペレーション130による処理を完了した時に終了し、クライアント103の要求に対してサービスが提供されたことになる。
(5)SOP
SOPはSRIを処理するための最小単位であり、サービスの入口131(以下「エントリー131」という。)、エグジット132(以下「エグジット132」という。)、分岐133(以下「デシジョン133」という。)、及びオペレーション130の4つに分類される。
エグジット132及びエントリー131は、それぞれSRIに対応するプロセス108の出入り口である。エントリー131は、COPにて発生したSRIを受け取り、エグジット132は処理が完了したSRIを、当該SRIを発生したCOPへ提供する。デシジョン133は、クライアント103によって異なる注文、チェックなどによる合否判断、又は処理における状況などにより、同一サービス内で異なるSOP及び手順によってSRIが処理される場合、その分岐の条件を定義する。デシジョン133には、例えば、クライアントの種類を条件に分岐するクライアントベース分岐、確率に応じて分岐する確率ベース分岐がある。いずれの種類のデシジョン133にも、その属性として分岐条件と分岐先SOPとが定義される。
オペレーション130は、クライアント103にて発生したSRIに対応するための処理である。SRIはオペレーション130の処理の進行に従って、後続するオペレーション130へ移動する。各オペレーション130には、その属性として、要求されるスキルレベル(以下、「要求スキルレベル」という。)、不確定性、複雑性、予定作業量、例外発生率、情報交換頻度等の情報が対応付けられる。各オペレーション130には、そのオペレーション130を実行するポジション110と利用されるリソース111が対応付けられる。
(6)ワークアイテム
エンタープライズ101のサービス104では、クライアント103によって発生するSRIを処理する際には、上述したように、その処理の過程で派生的に発生する例外及びコミュニケーションも処理される。発生したWIは、その処理を完了するか若しくは完了予定時間を経過するまで存在する。例えば、コミュニケーション及び例外に対する対処の指示に関する要請などは、あまりにもその返答に時間がかかった場合、要請側はそれらを待たずに自分の判断で仕事を先に進めてしまう場合もある。WIが処理される場合、そのWIの作業量に応じた時間が消費される。
(i)SRI
SRIは、クライアントの活動であるCOPの実行に必要なサービスの要求としてCOPにて発生するWIである。本形態のSRIの発生は、所定の分散を持った確率に基づいて決定される。属性項目は上述した通りである。
(ii)EI
EIは、SRIが処理される際に発生する失敗又は予期しない事態(以下、総称して「例外」とう。)に対応するために発生するWIである。EIの発生は、エンタープライズ101の例外発生率、処理対象のオペレーション130の難易度、ポジション110のスキルレベル等に基づいて決定される。属性項目として、作業量、優先度、EI発生日時、処理完了日時等が対応付けられる。
(iii)CI
CIは、SRIが処理される際に発生する他のポジションとの情報交換に対応するために発生するWIである。CIの発生は、エンタープライズ101の公式性、経験値、処理対象のオペレーション130の特徴(不確定性など)等に基づいて決定される。属性項目として、作業量、優先度、CI発生日時、処理完了日時等が対応付けられる。
(7)ポジション
ポジション110は、他のポジション110との報告・指示の関係を定義するレポートライン120と共にオーガニゼーション109を構成する。例えば、オペレーション130の処理において例外が発生した場合に、処理を担当するポジション110は、レポートライン120で対応付けられた上司としてのポジション110に指示を要求する場合がある。ポジション110には、その属性として、役割、スキル分野、スキルレベル(以下、スキル分野及びスキルレベルを総称して「スキル」という。)、経験レベル、人数、労働力、時間当たりコスト、サラリー等の情報が対応付けられる。労働力とは、オペレーション130を処理するためにポジション110が提供する単位時間当たりの人的量(人数)である。ポジション110は、対応付けられた各オペレーション130に関係するSRI、EI及びCIなどのWIを処理する。ポジション110は、WIの処理を通じて次の5種類の状態となる。
(i)ダイレクトワーク(Direct Work)
ダイレクトワークは、プロセス108が受け付けたSRIに対応している状態である。
(ii)リワーク(Rework)
処理したオペレーション130に対して発生した例外に関する仕事(EI)に対応している状態である。本発明では、例外の対応措置として、例外が発生したオペレーションを再度やり直す場合がある。当該場合において、オペレーション130をやり直している状態である。
(iii)コミュニケーション(Communication)
オペレーション130が実行された場合、派生的にある確率で発生する他のポジション110との情報交換の必要性が発生する。コミュニケーションは情報交換に関する仕事(CI)に対応している状態である。
(iv)デシジョンウェイト(Decision Wait)
ポジション110は、SRIを処理する際に発生した例外について、上司に報告し、その指示を要求する場合がある。この時、ポジション110は上司の指示を受け取るまでの間、そのSRIの処理を中断し、かつ次に実行すべきSRIが無い場合、指示待ち状態(デシジョンウェイト)となり、指示待ちのために労働力を消費する。
(v)アイドル(Idle)
ポジション110が対応付けられた全てのオペレーション130で処理すべきSRI、CI、及びEIが存在しないなど、ポジション110が処理すべきWIが全くない場合、ポジション110は待機状態(アイドル)となり、待機のために労働力を消費する。
(8)リソース
リソース111には、オペレーション130を実行するために利用される計算機、ソフトウェア、システム、機械、作業標準などの道具であるツール121が含まれる。ツール121は、使用されるオペレーション130に対応付けられ、オペレーション130で処理されるSRIの処理速度に対して影響を与える。各ツール121には、その属性として利用容易性、処理能力、操作の要求スキル等の情報が定義されている。
上記のようにSBPMの各オブジェクトが定義された1つのビジネスプロセスを本発明における「ケース」という。SBPMにおけるいずれかの定義を変えることにより、複数のケースを作成することができる。例えば、プロセス108の定義内容が異なる複数のケースを定義すれば、複数のビジネスプロセスについてシミュレーション結果を比較検討することができる。また、クライアント103に関する定義を変更すれば、異なるクライアントに関するケースを作成することができる。
2.企業パフォーマンスの計量化
シミュレーションする期間及びシミュレーション実施回数などを設定することにより、上記のようにSBPMとして定義されたビジネスプロセスのシミュレーションが実行される。全てのシミュレーション期間を通して、企業活動のパフォーマンス(以下「企業パフォーマンス」という。)に係るデータが記録される。これら記録されたデータは、全てのシミュレーションが終了した後に、企業パフォーマンスを計量するのに利用される。
企業パフォーマンスを計量化するために使用されるパラメータの1つである本形態の処理時間について説明する。本形態では、労働力×処理時間=作業量(人時間)と定義する。従って、処理時間は作業量÷労働力によって求められる。例えば、予定作業量がオペレーション130に設定されている場合、対応付けられているポジション110の労働力から、予定処理時間を算出できる。労働力は、上述したように単位時間当りの人数で示され、本形態における予定処理速度として機能する。従って、労働力を予定処理速度というときがある。予定処理速度に仕事のスキル分野、ポジション110のスキルレベル等が影響して実際の処理速度が求められる。当該影響については後述する。
以下、シミュレーションによって得られるデータに基づいて得られる評価指標について説明する。本発明の評価指標によって、企業パフォーマンスを計量化された状態で評価することができる。シミュレーション期間中に発生した全てのSRI、EI、及びCIに対応する処理にて発生した各種データは、COP即ちサービス毎に管理され、SOP、ポジション、SRI又はサービスといった所定の単位毎に求められる。複数のケースが存在する場合の評価指標はケース毎に求められる。
(1)収益性
収益性は、エンタープライズ101がサービスの対価として受け取った収入と、そのサービスを実行するために実際に投入したコストとの関係によって求められる。シミュレーションにおいて、SRIはCOPから発生し、そのSRIを処理することがサービスを提供することであるので、サービスのコストは、SRIを処理するシステムであるサービスに対するコストである。従って、サービスのコストはSRIとCOPとの関係ごとに定義され、所定期間中にサービスを実行する際に発生するオペレーション130に関わるコストと、ポジション110を配置することで発生する人件費に関わるコストとの総和である。
各コストはSRIを単位にして次のように求められる。オペレーション130に関わるコストは、時間当り又はSRI当りのコストと処理時間又は処理件数の積により求められる。ポジション110のコストは、時間当りコスト、オペレーション130に配置された期間、及び労働力の積で求められる。シミュレーション期間中に複数の同じCOP1が実行され複数の同じSRIが発生した場合は、各SRIについての収入及びコストを算出して集計する。なお、複数のSRIが発生した場合の対価は、対価×処理件数によって求める。実際に投入したコストの収入に対する比が収益率である。収益率を示すグラフの例を図6Aに示す。
また、本発明では、予定作業量と実作業量の関係によって各SRIについての作業効率を計量することもできる。まず、発生した各SRIに対応するプロセス108に含まれるSOP130の予定作業量の総和により、各SRIについての予定作業量を見積ることができる。これに対して、実作業量は、シミュレーション期間において各SOP130に対して投入された実際の作業量の総和である。作業効率は、式1に示すように、各SRIについての予定作業量(RWV)と実作業量(IWV)との比によって求められる。作業効率を示すグラフの例を図6Bに示す。なお、SOP130の予定作業量とSOP130の実作業量との比を算出することにより、SOP130についての作業効率を得ることもできる。
作業効率=RWV/IWV ・・・・式1
(2)顧客満足度
顧客満足度はサービスのリードタイム(以下「サービスリードタイム」という。)及びサービス品質の2つの評価指標によって評価される。サービスリードタイムは、個々のSRIについて、COPにおける発生から対応するサービスに関する処理が完了するまでに要した時間である。本発明では、図7Aに示すように、シミュレーション期間中に処理された全SRIのサービスリードタイムとその個数との関係をヒストグラムで表示すると同時に、平均、分散及び標準偏差(σ)等も計算して表示する。これら分散は、サービス品質のばらつきという品質に関するリスクを表す。
サービス品質は、サービスがクライアント103の注文であるSRIをどれだけ正確に完了することができたかを示す。サービス品質(SQ)は、式2に示すように、SRIを完了するために必要な処理において予定される作業量(SOPの予定作業量)の総和である予定作業量(RWV)のうち正確に完了することができた作業量(FRWV)の比で求められる。
サービス品質=FRWV/RWV ・・・・式2
FRWVは、プロセス108の処理に関して、例外によるやり直しも含め最終的な処理完成度に対応する作業量として算出される。SRIに対応するプロセス108が、SOP1、SOP2及びSOP3で構成される場合について説明する。例えば、SOP1、SOP2及びSOP3のそれぞれの予定作業量が1人時間、2人時間、3時間であり、SOP2とSOP3に例外が発生し、SOP2は半分やり直し(50%)、SOP3は全部やり直し(100%)となった場合、SOP1及びSOP3の処理完成度は100%であり、SOP2の処理完成度は50%である。従って、FRWVは、1×100%+2×50%+3×100%=5人時間である。RWVは、1+2+3=6人時間であるから、サービス品質は、5/6=0.8333となる。
例外の発生が増加し、かつこれを無視する回数が増加するほどサービス品質は低下する。本発明では、図7Bに示すように、シミュレーション期間中に処理された全SRIのサービス品質とその個数の関係をヒストグラムで表示すると同時に、平均、分散及び標準偏差(σ)等も計算して表示する。これら分散は、サービス品質のばらつきという品質に関するリスクを表す。
(3)仕掛量
仕掛量は、サービス104又はSOP130において処理の完了を待っているSRIの数量である。サービス104の仕掛量は、各SOP130において処理中及び処理待ちにあるSRIの合計であり、SOP130の仕掛量は、SOP130において処理待ちにあるSRIの数量である。本発明では、シミュレーション期間中を通して、処理待ちにあるSRIの数量(後述するイントレイに登録されているSRIの数)とその状態の継続時間の合計とをヒストグラムで表示すると同時に、その平均及び分散を計算して表示する。サービス104又はSOP130に対するSRIの入力数量がその処理能力より過大であれば、ヒストグラムのピークは右にシフトする。図8Aはサービス104の仕掛量を示すグラフの例であり、図8BはSOP130の仕掛量を示すグラフの例である。
(4)作業内訳
作業内訳は、ポジション110がシミュレーション期間中に行った各作業の作業量の内訳を、エンタープライズ101、サービス104、及びSOP130毎に集計したものである。作業の内訳は、上述した5つの作業(ダイレクトワーク、リワーク、コミュニケーション、デシジョンウェイト、アイドル)で示される。この作業内訳を通して、実行された作業の質を分析することが可能となる。
SOP130a及びSOP130bのそれぞれについての作業内訳について図9に示す。SOP130aに配置されたポジション110は10人で構成され、そのうち労働力は50%の5人である。SOP130bに配置されたポジション110は8人で、そのうち労働力は25%の2人である。作業内訳表では、各作業にかけられた作業量が全体の作業量に占める割合を示す。これにより、各作業の作業量のバランスを認識することができる。
また、複数のケースについてシミュレーションが行われた場合、ケース毎に各作業の作業量を集計することにより、作業内訳をケース間で比較することもできる。例えば、ケース1とケース2のそれぞれの作業内訳を図10に示すグラフのように表示することができる。
(5)コミュニケーション品質
更に、コミュニケーションの品質を評価するためのコミュニケーション品質も提供する。コミュニケーション品質は、提供されたサービス又はポジション110に対してのCIに関する評価指標である。本発明のコミュニケーション品質は、CIが発生してからこの問い合わせに対して応答するポジション110がその処理を完了するまでに要した時間(以下「CI処理時間」という。)とCIの個数との対応関係として、図11A及び図11Bのように示される。各グラフとも、縦軸は発生したCIの個数であり、横軸はCI処理時間を示す。図11Aはサービス104単位で集計された結果を示し、図11Bは、応答するポジション単位で集計された結果を示す。ピークが右にあるほど、必要な情報を得るのに時間がかかることを表し、コミュニケーションの品質が悪くなることを示す。
(6)管理品質
また、例外が発生した場合の例外処理の品質を評価するための管理品質も提供可能である。管理品質は、提供されたサービス又はポジション110に対してのEIに関する評価指標である。本発明の管理品質は、EIが発生してから、例外について対応措置を決定するポジション110がその処理を完了するまでに要した時間(以下「EX処理時間」という。)とEIの個数との対応関係として、図12A及び図12Bのように示される。各グラフとも、縦軸は発生したEIの個数であり、横軸はEI処理時間を示す。図12Aはサービス104単位で集計された結果を示し、図12Bは、応答するポジション単位で集計された結果を示す。ピークが右にあるほど、例外に対する対応措置の決定に時間がかかることを表し、マネージメントの視点ではサービス管理状態が悪くなることを示す。
3.実施例
(1)ケースの定義
本発明におけるエンタープライズとして、電力会社、銀行、旅行会社、航空会社、空港管理会社等の様々な形態のサービスをクライアントに対して提供する組織が適用可能である。以下、図13に示すようにエンタープライズ101としての船舶管理会社が2つのクライアント103a、103bとしての船舶にサービス104a…104cを提供するビジネスを、本発明に適用する場合について説明する。2つのクライアントは新造船103aと高船齢船103bである。船舶管理会社101は、クライアント103a、103bが日常的に行うオペレーションである出航(Departure)、航海(Navigation)、及び入港(Arrival)のそれぞれに対して、供給物資チェック104a、安全航行補助104b、及び荷降ろしチェック104cをサービス104として提供する。エンタープライズ101のポジション110は、経験年数が比較的短いジュニアスタッフ、経験年数が比較的長いシニアスタッフ、及びスタッフの上司であるマネージャーで構成される。
まず、ケース1を定義する。ケース1には、ベストプラティクスの探索及びボトルネックの解析のベースとなるベースケースをモデリングすることが好ましい。
まず、ビジネスプロセスの概念において、最も外側の概観である、エンタープライズ101の提供するサービス104a…104cとそのクライアント103a、103bとの関係を定義する。当該定義を設定する手順について図14を用いて説明する。本形態の場合、クライアント103及びサービス104は、モデルエディタ300の右にあるパレット301からそれぞれに対応するシェープ302、303を選択し、これをモデルエディタ300にマウスクリックによりドロップすることで作成できる。
クライアント103とサービス104とを結ぶカスタマーリンク102は、パレット301よりコネクター・シェープ304を選択し、関連付けるクライアント103及びサービス104のシェープをクリックすることにより作成することができる。以上の手順により、クライアント103として新造船103a及び高船齢船103b、サービス104として供給物資チェック104a、安全航行補助104b、及び荷降ろしチェック104cが設定され、各クライアント103a、103bと各サービス104a、104b、104cとを対応付けるカスタマーリンク102が設定される。サービス104にカスタマーリンク102によって対応付けられたクライアント103は、サービス104の提供先のクライアントとしてシステム上定義される。
次に、クライアント103をモデル化する方法について図15を用いて説明する。クライアント103は、自身の活動であるCOPを定義することによってモデル化される。例えば、新造船103aをモデル化する場合、まず所定の方法によって新造船103aをモデル化する対象として選択する。これにより、新造船103aに関するモデルエディタ400が表示される。このモデルエディタ400上には、選択されたクライアント103と対応付けられたサービス104a…104cが表示されるので、新造船103aのCOPを作成して、各COPとCOPが要求する各サービス104a…104cとをリクエストリンク107によって対応付ける。
モデルエディタ400の右側のパレット401より、COPのシェープ402をクリックし、これをモデルエディタ400上にドロップすることにより、COPを設定することができる。リクエストリンク107及びCOPの実行順序を設定するサクセサーリンク105は、パレット401よりコネクター・シェープ403を選択し、対応付ける各シェープをモデルエディタ400上にてクリックすることで設定することができる。上記手順により、本形態では、COPとして、出航106a、航海106b、及び入港106cが設定され、各COPはサクセサーリンク105によって処理順序が定義され、各COPとそのCOP106に必要なサービス104とがリクエストリンク107によって対応付けられる。サービス104に関して設定された全てのデータ及び発生する全てのデータは、サービス104に関連付けられる。
更に、各COPのシェープをクリックすることにより各COP106の属性を設定し、各リクエストリンク107をクリックすることにより各SRIの属性を設定する。COP106の属性及びSRIの属性は上述した通りである。他のクライアント103bのCOPについても同様に定義すればよい。
続いて、サービス104をモデル化する手順について図16を用いて説明する。サービス104は、クライアント103からの注文であるSRIを処理するために定義されたプロセス108に対して、これを実行するためにオーガニゼーション109に含まれるポジション110を配置することによって定義される。
例えば、サービス104として安全航行補助104bをモデル化する場合について説明する。まず、安全航行補助104bをモデル化対象のサービスとして所定の方法で選択する。選択されたサービス104bを定義できるモデルエディタ500がモニタに表示される。モデルエディタ500上にて、まず、プロセス108を設定する。設定方法は、COPの設定方法と同様に、パレットに用意されているSOP、クライアントベースデシジョン133、デシジョン133、エグジット132、サクセサーリンク118等のシェープを使い所望のプロセス108をモデルエディタ500上で形成する。
次に、オーガニゼーション109を定義する。パレットに用意されているスタッフ、マネージャー、及びレポートライン120等のシェープを使いエンタープライズ101のオーガニゼーション109の構成をモデルエディタ500上で形成する。最後に、各SOP130に対して、モデルエディタ500上で形成された各ポジション110を配置する。パレットに用意されているアロケーションリンク112のシェープによって、エディタモニタ500上でポジション110とSOP130とを対応付けることができる。
図16は、新造船103aと高船齢船103bのそれぞれについて、定期的に状態の分析処理を行い、異常があれば修理等の対応処理を実行する安全航行補助サービス104bのプロセス108が定義されたようすを示す。言い換えれば、クライアント103である船舶103a、103bが航海COPを実行中に、定期的にエンタープライズ101に対して船舶103a、103bの状態をチェックすることを要求し、異常が発見された場合は対策が講じられるというプロセス108がモデル化されている。なお、ツール121の配置も、SOP130とSOP130の処理に使用されるツール121とを、ポジション110と同様に、アロケーションリンク112のシェープを使って対応付ければよい。
本形態において定義されたプロセス108の詳細について説明する。まず、ポジション110のうちジュニアスタッフ110bが新造船103aに関する処理に対応付けられ、シニアスタッフ110cが高船齢船103bに関する処理に対応付けられている。高船齢船103bからの注文の処理は新造船103aに比べて難しく、かつ異常が発生する比率が高いので、2つの異なるプロセスによって処理する。クライアントベース分岐であるデシジョン133aは、クライアント103が新造船103aである場合と高船齢船103bである場合によってその後の処理プロセスを分岐させる。デシジョン133aの定義画面にて、図17Aに示すように、各船舶103a、103bに対して分岐先であるSOP130との対応付けを定義する。この定義により、新造船103aからのSRIは上に分岐したプロセスで、高船齢船103bからのSRIは下に分岐したプロセスでそれぞれ処理される。
それぞれのプロセスでは、クライアント103が新造船103aの場合は、「分析処理(新)」において船舶の状態を分析し、異常があれば更に「対応処理(新)」が行われ、クライアント103が高船齢船103bの場合は、「分析処理(旧)」において船舶の状態を分析し、異常があれば更に「対応処理(旧)」において対策を講じることを記述している。この時「異常があれば」という確率的な条件は、確率ベース分岐であるデシジョン133b、デシジョン133cにおいて設定される。この確率条件によってSRIがどちらの後続処理へ進むのかが決定される。デシジョン1及びデシジョン2のそれぞれにおける確率が設定されたようすを図17Bに示す。図17Bでは、分析処理(新)及び分析処理(旧)による分析の結果、それぞれ20%及び40%の確率で「異常」な状態と判断され、各対応処理へ進むことを示している。言い換えると、新造船103aは分析した結果20%の確率で修理等対策が必要なのに対して、高船齢船103bでは40%であることを示す。
本形態のプロセス108には、スキルレベルが高いシニアスタッフ110cとスキルレベルが低いジュニアスタッフ110bという2組のポジション110が設定されている。ジュニアスタッフ110bは難易度の小さい新造船103aに関する処理に、シニアスタッフ110cは難易度の高い高船齢船103bに関する処理に対してそれぞれ配置されている。これら、2組のポジション110はマネージャー110aによって管理されており、その関係がレポートライン120によって関連付けられることでオーガニゼーション109を形成する。
各SOP130、各ポジション110の属性は、例えば、モデルエディタ500の下方に表示されるプロパティウィンドウにおいて設定される。当該設定方法は従来技術に基づいて行えばよい。各オブジェクトの属性は上述した通りである。例えば、各SOP130の処理に必要な予定作業量は、図17Cに示すように設定される。予定作業量はポジションのスキルレベルに関係なく平均的な作業量である。従って、各SOP130を処理するポジション110を「ケース1」と異なるように定義する後述の「ケース2」においても、各SOP130の予定作業量は「ケース1」と同じである。
更に、いずれかのSOP130にコミュニケーションリンク119を設定する場合は、例えば、パレットからコミュニケーションリンク119を示すシェープを選択して、設定するSOP130と他のSOP130とを対応付ければよい。以上の手順により「ケース1」について定義されたことになる。
続いて、他のケースとして「ケース2」についても定義する。本形態のケース2は、図18に示すように、ポジション110の配置の定義のみがケース1と異なる。ケース2では、船の種類に拘わらずジュニアスタッフ110bが分析処理を行い、シニアスタッフ110cが対応処理を行うように定義する。ケース2における各定義はケース1と同様の方法によって定義すればよい。
(2)テーブルの設定
本発明では、SRIの処理を通して、その処理速度、例外の発生、及び情報交換の発生などの処理時間に関わる要素を明確に定義している。そこで、シミュレーションの実行に当っては、処理時間に関わる要素と処理時間の影響との関係を示すに各種テーブルを、事前に設定する。本形態では、SOP130に予め対応付けられた予定作業量及び労働力から、予定作業量/労働力によって予定される処理時間(以下「予定処理時間」という。)を求めることができる。また、エンタープライズ101に対して予め定義された例外発生率を予定例外発生率という。
設定されるべきテーブルの例を図19A〜図20Bに示す。図19A及び図19Bは、ポジション110のスキルレベルとSOP130の複雑性との関係が予定処理速度に与える影響を示すテーブルである。図19Aはポジション110のスキル分野とSOP130が求めるスキル分野とが一致する場合であり、図19Aは一致しない場合を示す。図19Cは、ツール121の処理能力がSOP130の予定処理速度に与える効果を示すテーブルである。図20A及び図20Bは、ポジション110のスキルレベルとSOP130の複雑性との関係が予定例外発生率に与える影響を示すテーブルである。各テーブルの各数値は係数(以下「影響係数」という。)として予定処理速度又は予定発生確率を変化させる。なお、各テーブルの値は予めデフォルト値が設定されていてもよい。
例えば、ジュニアスタッフ110bのスキルレベルは「低」、シニアスタッフ110cのスキルレベルは「高」に設定し、新造船103aに関するSOP130の複雑性を「中」、高船齢船103bに関するSOP130の複雑性を「高」に設定した場合、スキル分野は一致するとすれば、ジュニアスタッフ110bが新造船103aに関するSOP130を実行する処理速度は予定処理速度の0.9倍であり、例外発生確率は予定例外発生率の1.2倍になる。更に、当該SOP130に対応付けられているツール121の処理能力がR2の場合の処理速度は、(予定処理速度×0.9)の1.2倍になる。また、シニアスタッフ110cが高船齢船に関するSOP130を実行する場合は処理速度及び例外発生確率は予定処理速度及び例外発生確率と同じである。
(3)シミュレーションの実行
シミュレーションを実行する際には、定義したビジネスプロセスを実行させる期間を、シミュレーション期間として設定する。例えば、月別カレンダーがモニタに表示され、シミュレーション開始日と終了日が、カレンダー上の日付をクリックすることにより設定されるように構成することが望ましい。
シミュレーション期間が設定されると、作成した全てのケースについてシミュレーションが実行される。これにより、各ケースのシミュレーション結果が得られるので、各ケースのシミュレーション結果を比較することができる。本形態では、上述した2つのケースについてシミュレーションが実行され、シミュレーション結果を比較することができる。
(4)シミュレーション結果の評価及び分析
シミュレーションが終了すると、シミュレーション中に発生したデータに基づいて、上述したように、収益、コスト、収益率、予定作業量、実作業量、作業効率、及びサービス品質、処理時間等の評価指標が算出される。これら評価指標により、収益性及び顧客満足度などビジネスプロセスのパフォーマンスを計量化し、客観的に評価することができる。例えば、図21は、ケース1及びケース2について、サービスに関するパフォーマンスを、予定作業量、実作業量及び作業効率によって示したものである。この結果から、ケース1の方がケース2よりも作業効率が良いことが分かる。
図22A及び図22Bは、顧客満足度に関するパフォーマンスを、ケース1及びケース2のそれぞれについて、サービスリードタイムに関するヒストグラムによって示したものである。横軸はサービスリードタイムを、縦軸は各時間内にサービスの提供を完了することができたSRIの個数を示している。
この結果から、ケース1はケース2に対して、大きな差ではないもののサービスリードタイムが短いことがわかる。この理由としては、上述したようにケース1の方が作業効率が高いことが関係していると考えられる。そこで、より詳細な分析をすることで、プロセス108のボトルネックを特定する。
図23A及び図23Bは、プロセス108中の2つのSOP(分析処理及び対応処理)の作業効率を、ケース1及びケース2についてそれぞれ示したものである。ケース1では、新造船103aに関しては、連続する2つのSOP、即ち、分析処理(新)及び対応処理(新)の作業効率は同じである。高船齢船103bに関しても同様である。これに対して、ケース2では、新造船103aと高船齢船103bとで連続するSOPの作業効率が大きく異なる。これは、先行するSOP(分析処理)は、スキルレベルの低いジュニアが担当し、後続のSOP(対応処理)は、スキルレベルの高いシニアが担当することが原因である。結果的に、このポジション配置では、ジュニアが配置されたSOPがボトルネックとなり、サービスリードタイムに影響を及ぼすことが判明する。
本発明のプロセスマネジメント支援ツールのハードウェア構成について説明する。図24に示すように、本ツール200はデータの入力を受け付ける入力部210と各種データが出力される出力部220と本ツールによる各種機能を制御する制御ユニット230とを備える。入力部210には、例えばユーザの入力を受け付けるキーボードやマウスの他、他システムからのデータを受け付けるインターフェースも含まれる。出力部220には、データやメッセージが表示されるモニタの他、他システムへデータを出力するインターフェースも含まれる。制御ユニット230は、CPUとその動作に必要なRAM、ROM等の各種記憶域を備え、コンピュータとして構成される。ROMには、制御ユニット230を機能させるためのプログラムが記憶されている。
プログラムが実行されることによって制御ユニット230は、定義部231、シミュレーション部232及び評価処理部233として機能する。定義部231はシミュレーションを行うためにSBPMの各オブジェクトを定義するための定義処理を制御する。定義部231は、主に、クライアント103に関する定義処理を制御するクライアント定義部231aとサービス104に関する定義処理を制御するサービス定義部231bとで構成される。シミュレーション部232は定義が完成されたSBPMに基づいてシミュレーション処理を制御する。
シミュレーション部232は、主に、クライアント103の動作をシミュレーションするクライアント処理部232aと、サービス104の提供に関する処理の進行を制御するサービス提供進行部232bと、ポジション110によって各SRIに対応する処理が実行される工程を制御するポジション処理部232cと、シミュレーション部232によって行われるシミュレーションにおける各種処理の処理時間や処理回数を主にオブジェクト毎に記録する処理ログ記録部232dとで構成される。ポジション処理部232cにおいては、各ポジション110に、処理すべき仕事が追加されるイントレイと処理が完了した仕事が追加されるアウトトレイが対応付けられている。評価処理部233は、シミュレーションにより得られたデータに基づいて、企業パフォーマンスを評価するための評価指標を求め、グラフや表等にビジュアル化してモニタに表示する。
本発明のプロセスマネジメント支援システムを実行するための手順の概略を図25に示す。まず、SBPMを構成する各オブジェクトの定義処理を行う。次に、シミュレーション期間を設定し、シミュレーションを実行する。シミュレーションでは、クライアント103の活動のシミュレーションであるクライアント活動処理が行われ、活動中のCOPからSRIが発生すると、SRIに対応するサービス提供処理が行われる。なお、サービス提供処理には後述するサービス提供進行処理とポジション処理とが含まれる。
クライアント103が複数の場合は、各クライアントについてクライアント活動処理が行われ、各クライアントの活動からサービスの要求であるSRIが発生する。このように各クライアント103の活動を通して、各クライアント103の要求に応じたサービスを提供するための処理が発生する。シミュレーション期間が終了すると、シミュレーションの実行は終了し、シミュレーションによって得られたデータに基づいて評価処理が行われる。評価処理では、シミュレーション中に発生した各SRIに関する各種評価指標が求められ、グラフや表のようにビジュアル化してモニタに表示される。
以下、制御ユニット230の各部にて行われる処理について説明する。定義部231における定義処理について説明する。ます、クライアント定義部231aによって制御されるクライアント定義処理について、図26に示すフローチャートに従って説明する。まず、ステップS301にてクライアント103とサービス104との対応付けが行われる。次にステップ302へ進んで複数のCOPの処理順序が設定され、ステップS303にて各COPとサービスとの対応付けが設定される。最後にステップS304にて、SRI発生条件等のCOPの属性、及び対価や要求スキル分野等のSRIの属性が設定される。具体的な設定方法や設定項目は実施例にて上述した通りである。なお、COPに定義されるクライアント103の活動はエンタープライズ101に要求が必要な活動である。
次に、サービス定義部231bによって制御されるサービス定義処理について、図27に示すフローチャートに従って説明する。まず、ステップS311にてプロセス108、オーガニゼーション109、ポジション110及びリソース111の各オブジェクトの定義が行われる。これにより、サービスの範囲が決定される。次に、ステップS312に進み、プロセス108を構成するSOP130、ツール121及びポジション110との対応付けを設定する。ステップS313では、EI及びCIに対応付けるべき属性を定義し、ステップS314ではEI及びCIに対する対応及び処理速度等、ポジション110の振る舞いに関して影響を与える影響係数等シミュレーションに必要な事項を設定する。具体的な手順や設定項目は実施例にて上述した通りである。
シミュレーション部232にて行われるシミュレーションに関する処理について説明する。なお、シミュレーションは、実時間より高速に進行するシミュレーション用の時間に基づいて処理が行われる。従って、シミュレーションにおける時間の計時は、シミュレーション用に設定された時間の計時であり、実時間での処理が必要な場合には、シミュレーション用の時間が実時間に換算されて処理される。
まず、クライアント処理部232aによって制御されるクライアント処理について、図28に示すフローチャートに従って説明する。クライアント処理は複数のクライアント103が存在する時は、各クライアント103について実行される。まず、ステップS401にてシミュレーション期間が設定される。当該設定はユーザによって行われてもよいし、他のシステムの所定のデータに基づいて自動的に設定されてもよい。続いてステップS402にて当該期間が終了か否かが判断され、終了の場合はクライアント処理を終了する。シミュレーション期間が終了でない場合は、ステップS403に進んでクライアント活動処理が行われる。クライアント活動処理では、上述したように複数のCOPを所定の順番で活動中の状態にし、活動中のCOPにおいてSRIが発生するタイミングを決定する。活動中のCOPは、サクセサーリンク105によって定義された活動順序、及びCOPに定義された活動時間等によって決定される。
SRIの発生タイミングは、SRIの属性に基づいて例えば所定の分散を持った確率に基づいて決定する。ステップS404にて、SRIが発生するタイミングであると判断された場合、ステップS405へ進んでSRIが活動中のCOPより発生し、ステップS402へ戻る。
サービス提供進行部232bによって制御されるサービス提供進行処理について図29に示すフローチャートに従って説明する。なお、以下の説明において、複数のSRIのそれぞれを識別する必要がある場合は、各SRIを「SRI−n」のように枝番を付記して示す。サービス提供進行処理はいずれかのCOPにてSRIが発生する毎に行われる。まず、ステップS501にてCOPにてSRIが発生したか否かを判断し、発生していない場合はサービス提供進行処理を終了する。SRIが発生した場合はステップS502へ進み、SRIが要求するサービスを特定する。本形態ではCOPに対応付けられたリクエストリンク107により要求されたサービス104を特定する。次に、ステップS503にて、特定されたサービス104のプロセス108を構成する最初のSOPを処理対象として特定する。続いてステップS504にて特定されたSOPがデシジョン133か否かを判断し、デシジョン133の場合は、ステップS505へ進んでデシジョン処理が行われる。
ステップS505のデシジョン処理では、当該デシジョン133に対応付けられた分岐条件と分岐先に応じて、分岐先を決定する。分岐先が決定されると、ステップS511へ進む。ステップS511では発生したSRIが要求するサービス104の提供が完了したか否かが判断される。分岐先がエグジット132の場合サービス104が完了したと判断され、ステップS513へ進む。分岐先がSOPの場合サービスが完了ではないと判断され、ステップS503へ戻り、分岐先のSOPに関する処理を行う。
ステップS504にて、特定されたSOPがデシジョン133ではないと判断された場合、ステップS506へ進み、特定されたSOPはオペレーション130か否かを判断する。オペレーション130でない場合は、ステップS511に進む。ステップS511では、例えば、特定されたSOPがエグジット132の場合、サービスが完了したと判断され、ステップS513へ進む。サービスが完了ではないと判断された場合は、次のSOPを特定するためにステップS503へ戻る。
ステップS506にて、特定されたSOPはオペレーション130であると判断された場合は、ステップS507へ進み、特定されたSOPを実行するポジション110(以下「担当スタッフ」という。)を特定する。オペレーション130の定義時にオペレーション130に対応付けられたポジション110を特定すればよい。続いてステップS508に進み、特定された担当スタッフのイントレイに特定されたSOP130のSRI(例えば、SRI−1とする。)を仕事として登録する。SRI−1がイントレイに登録された後のSOP130の処理はポジション処理部232cによって制御されるポジション処理にて行われる。ポジション処理の詳細については後述する。
ステップS509にて、特定されたSOP130(SRI−1に対応するSOP130)に関する仕事が完了したか否かが判断される。例えば、担当スタッフのアウトトレイにSRI−1に関する処理が完了したことを示す処理完了通知をポジション処理部232cから受けることによって、当該特定されたSOP130に関する仕事が完了したと判断する。SOP130に関する仕事が完了した場合は、ステップS511へ進み、SRIが要求するサービスが完了した否か判断される。SRIに対応するプロセス108内の処理が全て終了している場合、即ち、次のSOPがエグジット132にある場合、サービス完了と判断される。サービス完了の場合は、ステップS513へ進んで評価算出処理が行われる。ステップS513の評価算出処理では、処理が完了したSRIに関して、処理ログ記録部232dが記録するデータに基づいて、当該SRIに関する評価指標が算出される。算出される評価指標は上述したように、収益性、作業効率、サービスリードタイム、サービス品質、作業内訳等である。評価算出処理終了後、サービス提供進行処理を終了する。ステップS511にて、サービス完了でないと判断された場合は、ステップS503へ戻り次のSOPを特定する。
以下、ポジション処理部232cによって制御されるポジション処理について説明する。ポジション処理は、各ポジション110(担当スタッフ又はマネージャー)によってSOP130に関する処理が具体的に実行される手順をシミュレーションするための処理である。本形態のポジション処理の概略について図30を用いて説明する。図30に示す例では、SOP130aに、SOP130aを実行する担当スタッフとしてスタッフ110bが対応付けられ、スタッフ110bには上司としてマネージャー110aが対応付けられている。スタッフ110bにはイントレイ140及びアウトトレイ141が、マネージャー110aにはイントレイ150及びアウトトレイ151がそれぞれ対応付けられている。
各ポジション110においてイントレイ140、150に登録された仕事を処理する手順は基本的に同じである。まず、イントレイ140、150に登録された複数の仕事のうち、所定の条件に基づいていずれか1つの仕事を実行すべき仕事(以下「処理仕事」という。)として選択し、選択された処理仕事を実行する。シミュレーションにおける「処理仕事の実行」は、例えば、予定処理時間を上述した労働力及び予定作業量から求め当該時間を消費する。また、決定すべき事項がある場合は所定の条件に基づいて決定する。当該処理仕事が終了すると、終了した処理仕事を「処理済み仕事」としてアウトトレイ141、151に登録する。仕事の種類に応じて「処理済みSRI」「処理済みEI」又は「処理済みCI」という時がある。
図30では、既にイントレイ140に2つのSRI(SRI−1及びSRI−2)が仕事として登録されている状態において、SOP130aの処理を要求するSRI(SRI−3)がイントレイ140に追加されるようすを示す。スタッフ110bはイントレイ140に登録された仕事を実行する。図30のように複数の仕事がイントレイ140に存在する場合は、各仕事に対応付けられた優先度、或いはイントレイ140に登録された順等に基づいて実行すべき仕事を決定する。処理済み仕事はアウトトレイ141に登録され、サービス提供進行部232bに対して対応するSOP130の処理が完了したことが通知される。
なお、本形態では、SOP130の処理に関して例外が発生した場合に例外に対応するための例外処理が行われる。例外処理は、スタッフ110bのみによって行われる場合と、マネージャー110aから対応処置を示す指示を得ることによって行われる場合とがある。以下、マネージャー110aから指示を得る場合の手順について説明する。例外の発生の有無は、処理済み仕事としての処理済みSRIがアウトトレイ141に登録された段階で、所定の例外発生条件に基づいて判断される。処理済みSRIが例外に対応するための仕事(EI)となってマネージャー110aのイントレイ150に登録される。マネージャー110aは、イントレイ150に登録されたEIを、例えば登録された順に実行する。
マネージャー110aにおける処理によって、EIに関する指示が決定される。マネージャー110aによる処理が終了した処理済み仕事はアウトトレイ151に登録され、指示を伴うEI(以下、「指示EI」又は「意志決定済みEI」という。)としてスタッフ110bのイントレイ140に登録される。イントレイ140に登録された指示EIが処理仕事として選択されると、マネージャー110aの指示に基づいて、例えばやり直し処理が実行される。当該やり直し処理が終了すると、処理済みEIがアウトトレイ141に登録され、処理済みEIに対応するSRIに関する処理が完了したことがサービス提供進行部232bに対して通知される。
なお、本形態では、上述した例外処理と同様に、他のスタッフ110cでの処理を必要とする情報交換処理も実行される。情報交換処理の場合はSRIは情報交換に対応する仕事(CI)となり、情報交換の相手となる他のスタッフ110cにおいて例外処理におけるマネージャー110aと同様の処理が行われる。
時間の経過に伴ってSRIがスタッフ110aのイントレイ140に次々登録される場合の、スタッフ110b及びマネージャー110aそれぞれにおける処理の時間的関係について、図31に示すシーケンス図を用いて説明する。例えば、SRI−0に関して例外が発生し、マネージャー110aから指示を得ることによってSRI−0の処理を完了するまでについて説明する。本形態では、イントレイ140、150に登録された仕事は登録順に処理される。なお、イントレイ140には、登録されているSRIの枝番のみが示されている。スタッフ110bがSRI−0を処理中(ステップS160)にSRI−1がイントレイ140に登録される(ステップS161)。SRI−0はその処理が終了するとアウトトレイ141に処理済みSRI−0として登録され、例外発生の有無が判断される(ステップS162)。
本形態では例外が発生したと判断され、かつ、更にマネージャー110aの判断を求めるので、処理済みSRI−0はEI−0としてマネージャー110aのイントレイ150に登録される(ステップS163)。スタッフ110bはEI−0に関して、マネージャー110aの指示待ち状態となるが、その際、イントレイ140に別の仕事が登録されている場合は、当該仕事を処理する。本形態では、SRI−1が登録されているので、処理仕事としてSRI−1が選択され(ステップS164)、スタッフ110bはSRI−1に対応するSOPを実行する(ステップS165)。
マネージャー110aは、EX−0がイントレイ150に登録された際には、他のスタッフからのEI−X0に関する処理を実行している(ステップS166)。EI−X0に関する処理が終了すると、アウトトレイ151に登録され、指示付きの指示EI−X0が他のスタッフのイントレイに登録される(ステップS167)。EI−X0がアウトトレイ151に登録されると、処理待ち状態であったEI−0が処理仕事として選択され(ステップS168)、EI−0が実行される(ステップS169)。EI−0が終了すると、即ち、例外に対する指示が決定すると、アウトトレイ151に指示EI−0が登録され(ステップS170)、続いて、指示EI−0はスタッフ110bのイントレイ140にも登録される(ステップS171)。
本形態では、イントレイ140には指示EI−0が登録される前にSRI−2が登録されている(ステップS172)。指示EI−0がイントレイ140に登録された時に実行中であったSRI−1が実行されると、処理済みSRI−1がアウトトレイ141に登録される(ステップS173)。アウトトレイ141に処理済みSRI−1が登録されると、例外が発生したか否かが判断され、本形態では、例外は発生しないと判断されるので、SRI−1に対応する処理が完了したことがサービス提供進行部232bへ通知される(ステップS174)。
処理済みSRI−1がアウトトレイ141に登録されると、イントレイ141に登録された仕事から次の処理仕事が選択される。イントレイ141には、SRI−2及び指示EI−0が登録されている状態であり、SRI−2が先に登録されたので、SRI−2が処理仕事として選択される(ステップS175)。SRI−2が終了すると、例外発生の有無が判断され、本形態では例外が発生したと判断される(ステップS176)。例外の発生からマネージャー110aから指示を得るまでの手順は上述の場合と同様である。一方、SRI−2が終了する前に、SRI−3がイントレイ141に登録される(ステップS177)。
SRI−2が終了して処理済みSRI−2がアウトトレイ141に登録されると、スタッフ110bに対してイントレイ141に登録されている仕事から次の処理仕事が選択される。イントレイ140には、SRI−3及び指示EI−0が登録されているが、指示EI−0が先に登録されたので、指示EI−0が処理仕事として選択される。スタッフ110bによるマネージャー110aの指示に基づいて指示EI−0が行われ(ステップS179)、処理が終了すると処理済みEI−0がアウトトレイ141に登録される(ステップS180)。例外処理を経た処理済みEI−0に対しては、例外の有無は判断されずに、対応するSRI−0に関する処理が完了したことがサービス提供進行部232bへ通知される(ステップS181)。通知を受けたサービス提供進行部232bは、SRI−0に関して次に実行すべきSOPを特定する。
なお、図31に示すスタッフ110b、マネージャー110a、スタッフ110bのイントレイ140及びアウトトレイ141、マネージャー110aのイントレイ150及びアウトトレイ151のそれぞれは、処理ログ記録部232dによって各WI(SRI、CI、EI)に関する処理時間や処理回数等が記録されるオブジェクトである。例えば、各SOPについて各SRIの処理にかかった処理時間を記録する。イントレイ140、150については、イントレイ140、150に登録されているSRIの固数とその個数の継続時間を記録する。また、シミュレーション中に処理されたSRI、EI及びCIの回数もカウントする。
更に、処理ログ記録部232dは、各WIの発生時刻及び処理完了時刻を記録し、更に、SOP毎に各ポジション110aの状態とその継続時間も計時する。シミュレーション中に処理ログ記録部232dによって記録されるデータは、提供されるサービス104に関連付けられる。処理ログ記録部232dによってシミュレーション中に記録される処理時間、待ち時間、個数等は、従来のイベントドリブン型のシミュレーションツールで一般的なものである。これらのデータから、評価算出処理や後述する評価処理にて様々な角度からビジネスプロセスの実世界で利用される評価指標が得られる。
ポジション処理にはスタッフ110bの動作をシミュレートするスタッフ処理とマネージャー110aの動作をシミュレートするマネージャー処理とが含まれる。まず、スタッフ処理について、図32に示すフローチャートに従って説明する。スタッフ処理は、シミュレーション実行中に担当スタッフとしての各ポジション110について繰り返し実行される。
まず、ステップS601にてスタッフ110bに対応付けられたイントレイ140を参照し、イントレイ140に仕事が存在するか否かを判断する。イントレイ140に仕事が存在する場合はステップS602に進み、イントレイ140に存在する仕事から、例えばイントレイ140に登録された順に処理仕事を特定する。仕事には、SRI、EI、及びCIがあるが、まず、SRIが処理仕事として特定された場合について説明する。処理仕事としてEI及びCIが特定された場合については後述する。
処理仕事が特定されるとステップS603へ進み、仕事処理としてSRIに対応するSOP130(以下「処理SOP」という。)に関する処理を開始する。処理SOPに関する処理では、例えば、処理SOPが処理されることにより得られる処理時間が算出される。処理時間は、予定処理時間(予定作業量/処理速度)によって求められる。ステップS603において処理SOPに関する処理が終了するとステップS604へ進み、処理SOPについての処理済みSRIをアウトトレイ141に登録する。
続いて、ステップS605に進み、アウトトレイ141に登録された仕事に関する処理が完了したか否かが判断される。登録されている仕事が処理済みEI又は処理済みCIである場合、仕事は完了と判断され、ステップS606へ進んで対応するSRIに関する処理完了通知がサービス提供進行部232bへ発行される。処理完了を通知後、次の仕事を処理するためにステップS601へ戻る、ステップS605にて仕事に関する処理が完了したと判断されない場合は、ステップS607へ進んで例外発生処理及び情報交換処理が行われる。例外発生処理及び情報交換処理については後述する。例外発生処理等の終了後、イントレイ140に登録されている次の仕事を処理するためにステップS601へ戻る。なお、スタッフ処理はシミュレーション期間が終了した時点で強制的に終了される。
例外発生処理について、図33に示すフローチャートに従って説明する。まず、ステップS610にて例外が発生したか否かが判断される。例外の発生は上述したように、エンタープライズ101の予定例外発生率と影響係数に基づいて決定される。例外が発生しない場合は、ステップS617へ進んで対応するSRIに関する処理完了通知をサービス提供進行部232bへ発行して例外発生処理を終了する。例外が発生した場合はステップS612へ進む。ステップS612では、意志決定者を決定する。本形態では、エンタープライズ101の権利集中性に基づいて、上司であるマネージャー110aが対応するか、担当スタッフ110bが対応するかを決定する。例えば、権利集中性が高いほど、例外処理は上司によって対応されるように設定する。
マネージャー110aが対応する場合は、ステップS614へ進み、アウトトレイ141の処理済みSRIをマネージャー110aのイントレイ150にEIとして登録して例外発生処理を終了する。マネージャー110aにおいて行われる上司処理については後述する。一方、ステップS612にて、担当スタッフ110b自身が対応すると決定された場合は、ステップS616にて担当スタッフ110bによるスタッフ対応処理が行われる。スタッフ対応処理では、当該例外に対応するための意志が決定され、当該処理が終了すると、ステップS618へ進み、意志決定済みEIを自身のイントレイ140に登録して例外発生処理を終了する。意志決定の処理時間は、EIの作業量及び処理速度によって決定され、処理速度はSRIの処理速度と同様にスタッフ110bのスキルによって影響を受ける。本形態における例外処理の意志決定は、処理SOPを完全にやり直す「リワーク」、半分やり直す「ハーフワーク」、「無視」のいずれかである。決定内容は所定の確率によって決定される。
マネージャー110aにおける処理である上司処理について図34のフローチャートに従って説明する。まず、ステップS621にて、イントレイ150に仕事が登録あるか否かが判断される。マネージャー110aのイントレイ150に登録される仕事は各担当スタッフからのEIである。イントレイ150に仕事がある場合は、ステップS622にて実行する仕事(処理仕事)を決定する。スタッフ処理と同様に、登録順に処理仕事を特定する。処理仕事が特定されるとステップS623にて仕事処理として意志決定処理が行われる。意志決定処理においては、上述したスタッフ対応処理と同様の要領で例外に対するマネージャー110aの意志を決定する。意志決定処理によって意志が決定されると、ステップS624へ進んで意志決定済みEIをアウトトレイ151へ登録し、担当スタッフのイントレイ140へ登録する。
スタッフ処理のステップS602において特定された仕事が意志決定済みEIの場合は、続くステップS603にて仕事処理としてEI処理が行われる。EI処理とは、EIに対応付けられた意志決定に基づいて行われる処理である。例えば、作業量が10人時間のSOPに対するEIの場合、意志決定がハーフワークである時は、作業量は5人時間となる。ポジション処理部232cは、作業量だけ変更して通常のSRIの処理と同様の処理を実行する。EI処理終了後、EI処理が終了したことを示す処理済みEIがアウトトレイ141に登録される。
情報交換処理について図35に示すフローチャートに従って説明する。まず、ステップS631にて、処理SOPに関して、情報交換に対応する仕事であるCIが発生するか否かが判断される。CIの発生は上述したように、処理SOPの不確定性、エンタープライズ101の公式性等に基づいて決定される。例えば、公式性が高いほどミーティングや会議等の公式な情報交換を行う確率が高くなる。CIが発生しない場合は、ステップS634にて対応するSRIに関する処理完了通知を発行後、情報交換処理を終了する。CIが発生した場合は、ステップS632に進み、処理SOPの情報依存先としてコミュニケーションリンク119によってリンクされているSOP130を特定する。情報依存先であるSOP130が特定されると、ステップS633へ進み、情報依存先のSOPの担当スタッフ(以下、「依存先スタッフ」という。)のイントレイに、処理SOPに関するCIを登録して、情報交換処理を終了する。
依存先スタッフとしてのスタッフ処理について説明する。依存先スタッフにおけるスタッフ処理のステップS602にてCIが処理仕事として特定されると、ステップS603では仕事処理としてCI処理が行われる。CI処理では、CIに対応付けられた作業量に応じた処理時間が算出され、当該時間が消費される。CI処理が終了すると、処理SOPに関する処理済みSRIが依存先スタッフのアウトトレイを経て担当スタッフ110bのアウトトレイ141に登録される。
最後に、評価処理部233によって制御される評価処理について図36に示すフローチャートに従って説明する。まず、ステップS901にて、ユーザによって特定の評価指標が所定のメニューから選択されることにより、表示すべき評価指標が特定される。次にスップS902にて、選択された評価指標を算出するための全てのSRIに関してステップS513にて算出された評価に関するデータを収集する。ステップS903にて、収集したデータに基づいて選択された評価指標を求め、上述したようなグラフや表としてモニタに表示する。その後、ステップS904へ進み、評価処理を終了するか否かが判断され、終了する場合は評価処理を終了し、終了しない場合は、ステップS901へ戻る。例えば、ユーザによって所定の終了操作がされた場合に、評価処理は終了すると判断される。
クライアント定義部231aとしての制御ユニット230は、ステップS302によりCOP定義手段として機能し、ステップS303によりCOP対応付け手段として機能し、ステップS304により発生条件定義手段として機能する。サービス定義部231bとしての制御ユニット230はステップS311及びステップS312によりSOP定義手段として機能する。シミュレーション部232としての制御ユニット230は、ステップS403によりクライアント処理進行手段として機能し、ステップS404により要求発生手段として機能し、サービス提供進行処理及びスタッフ処理によりサービス提供手段として機能する。
更に、制御ユニット230は、評価処理により評価処理手段として機能する。また、サービス定義部231bとしての制御ユニット230は、ステップS311によりグループ定義手段として機能し、ステップS312によりグループ配置手段として機能する。シミュレーション部232としての制御ユニット230は、ステップS503により処理SOP特定手段として機能し、ステップS508により行列登録手段として機能し、スタッフ処理によって処理実行手段として機能する。
本発明は上記形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。例えば、上記形態では、各ポジション110について人数、及び労働力等を設定し、当該設定内容に基づいて処理を行ったが、各ポジション110に対して、オーガニゼーション109に所属する個々のメンバーを対応付けることも可能である。以下、各メンバーをポジション110に対応付ける手順について説明する。
まず、メンバーリストを作成する。メンバーリストは、図37に示すようなメンバーリスト作成画面1000にて行えばよい。メンバーリスト作成画面1000では、各メンバーの氏名及び属性が登録可能である。メンバーの属性としては、例えば、スキルレベル、スキル分野、経験レベル、及びサラリー等がある。リスト部1000aには、メンバーリストに登録されているメンバーが表示される。図37では、メンバーAAA〜メンバーEEEの5人がリスト部1000aに表示されている状態である。例えば、所定のスクロール操作によって全てのメンバーを表示させることができる。
以下、図38に示すプロセス108におけるポジション110に対してメンバーを配置するためのメンバー配置処理について、図39に示すフローチャートに従って説明する。メンバー配置処理はサービス定義部231b制御ユニット230によって制御される。図38におけるプロセス108では、各ポジション110が各SOPに対応付けられた状態である。以下、スタッフAが処理対象のポジション110である場合について説明する。まず、ステップS950にて、処理対象のポジション110であるスタッフAに関してメンバーを対応付けるためのメンバー配置画面1100がモニタに表示される。
例えば、モニタに表示されたプロセス108において、処理対象のスタッフAが所定の選択方法によって選択されることにより、図40に示すようなメンバー配置画面1100がモニタに表示される。メンバー配置画面1100が表示されると、メンバーの選択待ち状態となり、ステップS952にてスタッフAに対応付けるメンバーが選択されたか否かが判断される。メンバー選択部1100aにおいて、メンバーリストに登録されているメンバーをプルダウンメニューによって表示させ、追加ボタンがクリックされると、「表示されたメンバーをスタッフAを構成するメンバーとして選択」したと判断される。
このメンバーの選択の際に、選択されたメンバーに関して、スタッフAへ提供する労働力の割合が設定される。ポジション110へ提供する労働力は、メンバー1人の労働力の最大値を1とした場合の割合で示す。スタッフAに対応付けられたメンバーは配置メンバー表示部1100bに表示される。図40の例では、メンバーAAAとメンバーBBBがそれぞれ0.5の労働力でスタッフAに対応付けられていることを示す。メンバー選択部1100aにて、メンバーCCCが選択され、提供する労働力の割合が設定され、追加ボタンがクリックされることにより、メンバーCCCが選択されたと判断される。続いて、ステップS954にて、選択されたメンバーCCCの労働力の総和が1を超えているか否かが判断される。
このように、本形態では、各メンバーは複数のポジションに配置されることが可能であるが、各ポジションへ提供する労働力の総和が1を超えないように構成されている。例えば、各メンバーに対して、ポジション110に提供している労働力の累積値を提供労働力として対応付けておけばよい。メンバーCCCの提供労働力が1を超える場合は、ステップS956に進み、エラーメッセージを表示してステップS952へ戻る。提供労働力が1を超えない場合は、ステップS958へ進み、メンバーCCCの提供労働力を更新し、メンバーCCCをスタッフAの構成メンバーとして登録する。これにより、メンバーCCCはポジション(スタッフA)に配置される。
次に、ステップS960にて、メンバー配置処理を終了するか否かが判断され、終了すると判断された場合はメンバー配置処理を終了する。終了すると判断されない場合は、メンバーを更に追加するためにステップS952に戻る。例えば、メンバー配置画面1100が閉じられることにより、メンバー配置処理を終了すると判断する。以上の方法によってスタッフAにメンバーが配置された場合、スタッフAの労働力は、各メンバーのスタッフAに関する提供労働力の総和になり、スタッフAのコストは、各メンバーのサラリーの総和となる。また、スタッフAとしてのスキルレベルが必要となる処理においては、例えばスタッフAに配置されたメンバーのレベルの平均、最低レベルまたは最多レベル等を、スタッフAのスキルレベルとして扱えばよい。
更に、ツール121をエンタープライズ101が利用可能な道具のグループという概念とすれば、ポジション110と同様に設定することが可能である。まず、エンタープライズ101が利用可能な道具のリストを作成する。次に、当該リストに登録されている各道具をいずれかのツール121を構成する道具として配置する。当該配置の際に、各道具が配置されるツール121に提供するその道具の処理能力の割合が0〜1の範囲で設定される。ツール121の処理能力は配置された道具の処理能力の割合の合計である。各道具に関して、その道具が配置された少なくとも1つのツール121に対して提供する処理能力の割合の合計が1を超えないように制御される。
更に、定義部231、シミュレーション部232、及び評価処理部233は、それぞれ物理的に異なる制御ユニット230に設けられ、必要なデータはデータ通信によって得られるように構成されてもよい。また、サービスを要求するクライアント及びサービスを提供するサービス提供者は様々な態様が考えられる。例えば、飛行機(クライアント)と飛行機管理会社(サービス提供者)の場合、空港(クライアント)と空港管理会社の場合、ビル(クライアント)とビル管理会社(サービス提供者)の場合等である。
また、クライアントの活動時間およびサービス提供者の活動時間を考慮してシミュレーションできるように構成してもよい。例えば、COP及の定義にクライアントの活動開始時刻および活動終了時刻を設定し、SOPの定義にサービス提供者の活動開始時刻及び活動終了時刻を設定し、シミュレーションにおいて、各活動時間にのみに活動されるように設定してもよい。これにより、クライアントとサービス提供者とが遠隔地にある場合、より正確なシミュレーションを提供することができる。なお、本形態にて示された各フローチャートにおける処理順序は、本発明を実現する限り変更可能である。

Claims (10)

  1. 少なくとも1つのクライアントへサービス提供者がサービスを提供するためのビジネスプロセスをシミュレートすることにより、前記ビジネスプロセスを評価するプロセスマネジメント支援システムであって、
    前記各クライアントの活動内容を定義するクライアント定義部と、
    前記サービス提供者が提供するサービスに関して定義するサービス定義部と、
    所定期間において、前記各クライアントの活動によってサービスの要求が発生し、前記サービス提供者による前記サービスが提供される工程をシミュレートするシミュレーション部とを有し、
    前記クライアント定義部は、
    前記各クライアントが行う複数の活動を複数のクライアントオペレーション(COP)のそれぞれに対応させ、前記クライアント毎に前記シミュレート時における前記複数のCOPの進行態様を定義するCOP定義手段と、
    前記複数のCOPのそれぞれと、前記各COPに対して前記サービス提供者によって提供されるサービスとを対応付けるCOP対応付け手段と、
    前記各COPからサービスの要求を発生させるための条件を定義する発生条件定義手段とを有し、
    前記サービス定義部は、
    前記サービス提供者が前記COPに対応付けられたサービスを提供するための手順を、前記サービス提供者の人的資源又は物的資源を対応付ける処理単位である複数のサービスオペレーション(SOP)のそれぞれが処理される順序によって定義するSOP定義手段を有し、
    前記シミュレーション部は、
    前記各クライアントについて、前記進行態様に基づいて実行すべきCOPを特定するクライアント処理進行手段と、
    前記クライアント処理進行手段によって特定されたCOPに対応付けられたサービスの要求を、前記条件に基づいて発生させる要求発生手段と、
    前記要求が発生する毎に、前記特定されたCOPに対応付けられたサービスに関して前記SOP定義手段にて定義された手順として、前記各SOPの処理を、対応付けられた前記人的資源又は前記物的資源を使用して、前記定義された順序にて処理することにより、前記サービスを提供するための処理を行うサービス提供手段と、
    を有するプロセスマネジメント支援システム。
  2. 前記COP対応付け手段は、
    前記各COPから発生する各要求についてその要求の属性を定義する、請求の範囲第1項に記載のプロセスマネジメント支援システム。
  3. 前記COP対応付け手段は、前記各COPと前記各COPに対して提供されるサービスに関して前記サービス定義部にて定義されるデータとを対応付け、
    前記シミュレーション部は、前記サービス定義部にて定義されるデータに基づいてシミュレーションを行い、
    前記シミュレーション部によるシミュレーションによって得られるデータを前記サービスに対応付けて管理し、前記得られるデータに基づいて前記サービスを提供するサービス提供者の活動を評価するための評価指標を求める評価処理手段が更に備えられた請求の範囲第1項又は第2項に記載のプロセスマネジメント支援システム。
  4. 前記評価処理手段は、前記要求を単位にした前記評価指標からその統計を求める、請求項3に記載のプロセスマネジメント支援システム。
  5. 前記サービス定義部は、
    前記サービス提供者を構成する複数のグループに関して定義するグループ定義手段と、
    前記各グループを、いずれかの前記SOPにそのSOPを処理するグループとして対応付けるグループ配置手段と、を有し、
    前記サービス提供手段は、
    前記所定の順序に従って処理すべき前記SOPを特定する処理SOP特定手段と、
    前記特定されたSOPを、そのSOPに対応付けられたグループの待ち行列に登録する行列登録手段と、
    前記待ち行列に登録された処理のうち、前記対応付けられたグループが実行すべき処理を決定し、前記対応付けられたグループによって前記実行すべき処理を実行させる処理実行手段と、を有する請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載のプロセスマネジメント支援システム。
  6. 前記処理実行手段は、前記実行すべき処理が他のグループにも処理させる必要がある場合に、前記他の要員の待ち行列に前記実行すべき処理を登録し、前記対応付けられたグループの待ち行列に登録された処理から次に実行すべき処理を決定し、前記対応付けられたグループを前記次に実行すべき処理を実行させる、請求項の範囲第5項に記載のプロセスマネジメント支援システム。
  7. 前記サービス定義部は、
    前記サービス提供者に含まれる複数のメンバーを定義するメンバー定義手段と、
    前記各SOPに対して、前記SOPを処理するグループを対応付けるグループ配置手段と、
    前記複数のメンバーのうち少なくとも1人を、前記複数のグループのうち少なくとも1つのグループに対応付けるメンバー配置手段と、を有し、
    前記メンバー配置手段は、
    前記各メンバーに関して、対応付けられた前記少なくとも1つのグループに前記メンバーが提供する労働力を設定する労働力設定手段と、
    前記メンバーが対応付けられた前記少なくとも1つのグループに対して、前記メンバーが提供する前記労働力の合計が、所定の上限を超えないように前記労働力設定手段を制御する労働力制御手段とを有し、
    前記サービス提供手段は、前記設定された労働力の総和を前記グループの労働力として前記グループによって処理される前記SOPの処理速度に影響させる、請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載のプロセスマネジメント支援システム。
  8. 前記サービス定義部は、
    前記各サービス提供者が利用可能な複数の道具を定義する道具定義手段と、
    前記各SOPに対して、前記SOPを処理するために利用される道具グループを対応付ける道具グループ配置手段と、
    前記複数の道具のうち少なくとも1つの道具を、前記複数の道具グループのうち少なくとも1つの道具グループに対応付ける道具配置手段と、を有し、
    前記道具配置手段は、
    前記各道具に関して、対応付けられた前記少なくとも1つの道具グループに前記道具が提供する処理能力を設定する処理能力設定手段と、
    前記道具が対応付けられた前記少なくとも1つの道具グループに対して、前記道具が提供する前記処理能力の合計が、所定の上限を超えないように前記処理能力設定手段を制御する処理能力制御手段とを有し、
    前記サービス提供手段は、前記設定された処理能力の総和を前記道具グループの労働力として前記グループによって処理される前記SOPの処理速度に影響させる、
    ことを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載のプロセスマネジメント支援システム。
  9. 少なくとも1つのクライアントへサービス提供者がサービスを提供するためのビジネスプロセスをシミュレートすることにより、前記ビジネスプロセスを評価するプロセスマネジメント支援におけるシミュレーション方法であって、
    前記各クライアントの活動内容を定義するクライアント定義段階と、
    前記サービス提供者が提供するサービスに関して定義するサービス定義段階と、
    所定期間において、前記各クライアントの活動によってサービスの要求が発生し、前記サービス提供者による前記サービスが提供される工程をシミュレートするシミュレーション段階とを有し、
    前記クライアント定義段階は、
    前記各クライアントが行う複数の活動を複数のクライアントオペレーション(COP)のそれぞれに対応させ、前記クライアント毎に前記シミュレート時における前記複数のCOPの進行態様を定義するCOP定義段階と、
    前記複数のCOPのそれぞれと、前記各COPに対して前記サービス提供者によって提供されるサービスとを対応付けるCOP対応付け段階と、
    前記各COPからサービスの要求を発生させるための条件を定義する発生条件定義段階とを有し、
    前記サービス定義段階は、
    前記サービス提供者が前記COPに対応付けられたサービスを提供するための手順を、前記サービス提供者の人的資源又は物的資源を対応付ける処理単位である複数のサービスオペレーション(SOP)のそれぞれが処理される順序によって定義するSOP定義段階を有し、
    前記シミュレーション段階は、
    前記各クライアントについて、前記進行態様に基づいて実行すべきCOPを特定するクライアント処理進行段階と、
    前記クライアント処理進行手段によって特定されたCOPに対応付けられたサービスの要求を、前記条件に基づいて発生させる要求発生段階と、
    前記要求が発生する毎に、前記特定されたCOPに対応付けられたサービスに関して前記SOP定義手段にて定義された手順として、前記各SOPの処理を、対応付けられた前記人的資源又は前記物的資源を使用して、前記定義された順序にて処理することにより、前記サービスを提供するための処理を行うサービス提供段階と、
    を有するシミュレーション方法。
  10. 前記COP対応付け段階において、前記各COPから発生する各要求についてその要求の属性を定義する請求の範囲第9項に記載のシミュレーション方法。
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