JP2017160705A - 柱脚構造 - Google Patents

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【課題】規模が大きな基礎構造体が必要となることを防止すると共に、そのコスト増を招くことを防止することができる柱脚構造を提供する。【解決手段】建築構造物100の柱本体3と、前記柱本体3の下端部に接合されるベースプレート5と、前記ベースプレート5に形成されたボルト孔5cに挿通されて前記ベースプレート5を基礎構造体7に接合するアンカーボルト9を備え、前記ベースプレート5は、前記アンカーボルト9が挿通するボルト孔5cの周囲の第1領域5eと、前記柱本体3との接合部を含む第2領域5fを有し、前記建築構造物100に所定値以上の大きな外力Xが加わったときに、前記第1領域5eと前記第2領域5fが互いに鉛直方向に相対角度で傾くよう前記ベースプレート5が変形できるためのスリット5a、5bを、前記第1領域5eと前記第2領域5fの間に形成した。【選択図】図2

Description

本発明は、建築構造物の柱の下端部を基礎コンクリート上に立設するために用いる柱脚構造に関するものである。
図5に示すように、一般的に建築構造物100は、柱本体101、梁105等から構成され、柱本体101の下端部は基礎構造体103(基礎コンクリート)に接合される。このような建築構造物100に対して、同図に示すように、側方から外力Xが加えられると、柱本体101には曲げモーメントMが発生する。
このような柱本体101の下端部における基礎構造体103との接合構造(柱脚構造)としては、柱本体101の下端部に溶接により接合されたベースプレートを、基礎構造体103に対してアンカーボルトを締め付けることにより固定する方法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
この一般的な柱脚構造においては、建築構造物100に対して側方から外力Xが加えられると、柱本体101の下端部と基礎構造体103との接合部において最も大きな曲げモーメントMが発生する。このため、この大きな曲げモーメントMに耐え得る柱本体101及び基礎構造体103の剛性が要求される。
ところが、中低層構造物においては、鉄鋼材料を用いた柱本体101や梁105の剛性は十分であるが、コンクリートを用いた基礎構造体103の剛性が不足することが考えられる。
例えば、柱本体101に用いられる鉄鋼材料は、JIS(日本工業規格)等により強度が定められた規格品であるため、最も安価な鉄鋼材料を柱本体101に採用しても、中低層構造物に要求される剛性に対しては十分余裕があることが考えられる。
これに対して、柱本体101の下端部と基礎構造体103との接合部における柱脚構造は、曲げモーメントに耐え得る十分な剛性を確保する必要があるという考え方があった。この考え方によると、より頑丈な基礎構造体103を得るためには、より大きく深く形成されたコンクリートを用いた、規模が大きな基礎構造体103が必要となることになる。そしてこのことが、柱脚構造のコスト増の原因となっていた。
特開2013−064244号公報
これに対して、柱本体101の下端部と基礎構造体103との接合部をピン構造とする考え方がある。ピン構造とは、柱本体101側に接合されたブラケット状の部材と、基礎構造体103側に接合されたブラケット状の部材の間に、文字通り円柱状の部材(ピン)を介して連結された構造が、最も典型的なものである。
このようなピン構造やそれに近似する構造を用いることにより、柱本体101の下端部と基礎構造体103との接合部がそこに生じる大きな曲げモーメントに耐える代わりに、その接合部に大きな曲げモーメントが生じないようにすることができる。したがって、上述したような規模が大きな基礎構造体103が必要となることを防止することができる。
このようにピン構造やそれに近似する構造を用いた場合には、外力Xによって建築構造物100の各部に生じる曲げモーメントに対しては、互いに連結された複数の柱本体101及び梁105がそれらの剛性によって抵抗することになる。
このため、ピン構造やそれに近似する構造によれば、建築構造物100の柱本体101及び梁105が負担する曲げモーメントが増加しても、上記のような規格品の鉄鋼材料を用いた柱本体101及び梁105は十分な剛性を有するため、柱本体101の下端部と基礎構造体103との接合部が負担する曲げモーメントが小さくなっても、建築構造物100全体の強度上において問題はない。
しかしながら、上記のような典型的なピン構造は、その構造が複雑であり、部品数も多くなると共に、精密な加工が必要となるので、ベースプレートを用いた一般的な柱脚構造よりも著しく高価となり、やはり柱脚構造のコスト増を招くという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、規模が大きな基礎構造体が必要となることを防止すると共に、コスト増を招くことを防止することができる柱脚構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明による柱脚構造は、
建築構造物の柱本体と、
前記柱本体の下端部に接合されるベースプレートと、
前記ベースプレートに形成されたボルト孔に挿通されて前記ベースプレートを基礎構造体に接合するアンカーボルトを備え、
前記ベースプレートは、前記アンカーボルトが挿通するボルト孔の周囲の第1領域と、前記柱本体との接合部を含む第2領域を有し、
前記建築構造物に所定値以上の大きな外力が加わったときに、前記第1領域と前記第2領域が互いに鉛直方向に相対角度で傾くよう前記ベースプレートが変形できるためのスリットを、前記第1領域と前記第2領域の間に形成したことを特徴とするものである。
また、本発明による柱脚構造は、
前記ベースプレートに複数の方向に伸びる複数の前記スリットが形成され、
前記アンカーボルトが挿通するボルト孔が、前記複数のスリットと、前記ベースプレートの外側面によって複数方向から囲まれる位置に形成されたことを特徴とするものである。
また、本発明による柱脚構造は、
前記ベースプレートの外側面の長さ方向と直角方向に伸びて、一端部が前記柱本体寄りの位置に配置され、他端部が前記ベースプレートの外側面にその断面を開口する第1スリットと、
前記ベースプレートの外側面の長さ方向と平行方向に伸びて、一端部が前記第1スリットの一端部に接続するように配置された第2スリットが形成されたことを特徴とするものである。
また、本発明による柱脚構造は、
前記柱本体が、筒状の肉厚を有する鉄鋼材料により形成され、
前記柱本体の下端部の筒状の周りを囲む周方向の全体にわたって肉厚が前記ベースプレートに溶接されたことを特徴とするものである。
また、本発明による柱脚構造は、
前記ベースプレートの外側面の長さ方向と直角方向に、前記柱本体の肉厚と交叉して伸び、一端部が前記ベースプレートの外側面にその断面を開口し、互いに平行方向に伸びる少なくとも一対の前記スリットが形成され、
前記アンカーボルトが挿通するボルト孔が、前記一対のスリットと、前記ベースプレートの外側面によって、複数方向から囲まれる位置に形成されたことを特徴とするものである。
また、本発明による柱脚構造は、
前記柱本体が、筒状の肉厚を有する鉄鋼材料により形成され、
前記柱本体の下端部の筒状の周りを囲む周方向において、前記一対のスリットの両方と対応する位置の肉厚が前記ベースプレートから離隔する切欠き部が形成され、前記切欠き部以外の肉厚が前記ベースプレートに溶接されたことを特徴とするものである。
このような本発明の柱脚構造によれば、
建築構造物の柱本体と、
前記柱本体の下端部に接合されるベースプレートと、
前記ベースプレートに形成されたボルト孔に挿通されて前記ベースプレートを基礎構造体に接合するアンカーボルトを備え、
前記ベースプレートは、前記アンカーボルトが挿通するボルト孔の周囲の第1領域と、前記柱本体との接合部を含む第2領域を有し、
前記建築構造物に所定値以上の大きな外力が加わったときに、前記第1領域と前記第2領域が互いに鉛直方向に相対角度で傾くよう前記ベースプレートが変形できるためのスリットを、前記第1領域と前記第2領域の間に形成したことにより、
規模が大きな基礎構造体が必要となることを防止すると共に、柱脚構造のコスト増を招くことを防止することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る柱脚構造1を示す側面図である。 図1における柱脚構造1のA−A線矢視断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る柱脚構造30を示す図であり、図4における柱脚構造30のB−B線矢視断面図である。 図3における柱脚構造30の側面図である。 従来の建築構造物100における外力により発生する曲げモーメントMを示す概念図である。
以下、本発明に係る柱脚構造を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係る柱脚構造1について説明するために参照する図である。
本実施の形態に係る柱脚構造1は、柱本体3、ベースプレート5、基礎構造体7、アンカーボルト9等から構成されている。
柱本体3は、図2に示すように、口の字状の断面を有する四角筒状の鉄鋼材料を用いて形成されている。図1に示すように、柱本体3の下端部には、やはり鉄鋼材料で板状に形成されているベースプレート5が、溶接により接合されている。
図2に示すように、ベースプレート5にはボルト孔5cが、ベースプレート5の縦横それぞれの中心線上で、柱本体3の外周面3aより外側の、計4カ所の位置に形成されており、このボルト孔5cにはアンカーボルト9の棒状のネジ形成部が挿通するようになっている。
アンカーボルト9は、図1に示すように、基礎構造体7内に鉛直方向に挿し込まれて、そのコンクリート内に埋め込まれて固定される。また、アンカーボルト9は、ベースプレート5の上下から、ナット15a、15bによって挟み込まれて、上下両側から締め付けられることによりベースプレート5に固定されている。
図2においては、ベースプレート5のボルト孔5cを分かり易く表示するために、実際には見える筈のアンカーボルト9と、ナット15aは省略されている。
図1に示すように、ベースプレート5と基礎構造体7との間にはモルタル11が設けられている。このモルタル11は、柱本体3の外周面3aより水平方向内側の、ベースプレート5の中央部の下の位置に設けられている。
このため、モルタル11の上から見た外周形状より水平方向外側における、ベースプレート5と基礎構造体7との間には、少なくとも下方のナット15bの高さ寸法より大きい高さ寸法の空間が形成されている。
図2に示すように、ベースプレート5には、異なる複数の方向に伸びる複数のスリット5a、5bが形成されている。そして、ベースプレート5の、アンカーボルト9が挿通するボルト孔5cが、複数のスリット5a、5bと、ベースプレート5の外側面5dによって、複数の方向(3方向)から囲まれる位置に配置されている。
すなわち、ベースプレート5の、柱本体3の外周面3aより外側で、図2中柱本体3の上下左右の各位置には、スリット5a、5bが1組ずつ、合計4組形成されている。
スリット5a(第1スリット)は、ベースプレート5の外側面5dの長さ方向に対して直角方向に伸びて形成されている。スリット5aの一方の端部は、柱本体3の外周面3aのすぐ近くまで伸びていて、他方の端部はベースプレート5の外側面5dにその断面が開口するように形成されている。
スリット5b(第2スリット)は、その一方の端部が、柱本体3のすぐ近くの(外側面5dより奥側の)、スリット5aの一方の端部に接続し、スリット5bの他方の端部は、このスリット5bに最も近いベースプレート5の外側面5dの、長さ方向と平行方向に伸びるように形成されている。
またベースプレート5には、アンカーボルト9が挿通するボルト孔5cの周囲の第1領域5eと、柱本体3との接合部を含む第2領域5fとの間に、スリット5a、5bが形成されていると言うことができる。
すなわち、ベースプレート5の、アンカーボルト9が挿通するボルト孔5cが、複数のスリット5a、5bと、ベースプレート5の外側面5dによって、複数の方向から囲まれる領域が第1領域5eであり、これ以外の領域が、柱本体3との接合部を含む第2領域5fであると言うことができる。
このように、ベースプレート5に、アンカーボルト9が挿通するボルト孔5cの周囲の第1領域5eと、柱本体3との接合部を含む第2領域5fとの間に、スリット5a、5bが形成されていることにより、建築構造物100に所定値以上の大きな外力Xが加わったときには、ベースプレート5の第1領域5eと第2領域5fが、加わった外力Xの方向によって、図2中の4カ所の点線部Cのいずれかの位置で折れ曲がって、両方の領域が互いに鉛直方向に相対角度で傾くように、容易に変形できるようになっている。
このため、建築構造物100に対して側方から所定値以上の外力Xが加えられて、柱本体3の下端部に大きな曲げモーメントMが発生しようとしても、ベースプレート5の変形によりその曲げモーメントMを小さくすることができるので、大きな曲げモーメントMが基礎構造体7に伝達することを防止することができる。
本実施の形態に係る柱脚構造1は前記ピン構造に近似するもので、前記典型的なピン構造に比べるとその構造が簡単で、精密な加工が不要なので、柱脚構造がコスト増を招くことを防止することができる。
このため本実施の形態に係る柱脚構造1は、建築構造物100に加わった所定値以上の外力Xにより、柱本体3の下端部に発生しようとした大きな曲げモーメントMに耐えるための、規模が大きな基礎構造体7が必要となることはないので、基礎構造体7の規模を大きくすることにより柱脚構造1がコスト増を招くことを防止することができる。
このように、本実施の形態に係る柱脚構造1によれば、規模が大きな基礎構造体が必要となることを防止すると共に、柱脚構造のコスト増を招くことを防止することができる。
次に、図3及び図4は、本発明の第2の実施の形態に係る柱脚構造30について説明するために参照する図である。前記第1の実施の形態に係る柱脚構造1と同様の部分には同じ符号を用いて説明し、同様の構成についての重複する説明はその一部を省略するものとする。
この第2の実施の形態に係る柱脚構造30は、前記第1の実施の形態に係る柱脚構造1のベースプレート5に形成されていたスリット5a,5bとは異なるスリット25a,25aが、そのベースプレート25に形成されている。
すなわち、図3に示すように、ベースプレート25の図中上下両端部のそれぞれには、ベースプレート25の図中左右方向の中央部を挟んで、ベースプレート25の外側面25dの長さ方向に対して直角方向に、柱本体23の肉厚と交叉して所定の長さに伸びる、互いに平行で、互いに対向する一対のスリット25a,25aが形成されている。
このため、これら一対のスリット25a,25aそれぞれの一方の端部は、ベースプレート25の外側面25dに接して、その外側面25dにスリットの断面を開口するように形成されている。
一対のスリット25a,25aと、外側面25dにより囲まれた領域内に、アンカーボルト9は配置されている。すなわち、図3中上下2か所のアンカーボルト9はそれぞれ、同じ方向(図中上下方向)に伸びて形成される一対のスリット25a,25aと、外側面25dにより、複数方向(3方向)から囲まれた位置に配置されている。
もちろん、アンカーボルト9の棒状のネジ形成部が挿通するベースプレート25のボルト孔は、図3中には現れていないが、アンカーボルト9の同心円上でネジ形成部の外側に緩く嵌合して、配置されていることは言うまでもない。
このような本実施の形態に係る柱脚構造30においては、ベースプレート25に、アンカーボルト9のネジ形成部が挿通するボルト孔の周囲(図3中のナット15aの周囲)の第1領域25eと、柱本体23との接合部を含む第2領域25fとの間に、一対のスリット25a,25aが形成されていることにより、建築構造物100に所定値以上の大きな外力Xが加わったときには、ベースプレート25の第1領域25eと第2領域25fが、図3中の2箇所の点線部Dのいずれかの位置で折れ曲がって、両方の領域が互いに鉛直方向に相対角度で傾くように、容易に変形できるようになっている。
このような本実施の形態に係る柱脚構造30によれば、建築構造物100に対して側方から所定値以上の外力Xが加えられて、柱本体23の下端部に大きな曲げモーメントMが発生しようとしても、ベースプレート25の変形によりその曲げモーメントMを小さくすることができるので、大きな曲げモーメントMが基礎構造体7に伝達することを防止することができる。
このため、建築構造物100に加わった所定値以上の外力Xにより、柱本体23の下端部に発生しようとした大きな曲げモーメントMに耐えるための、規模が大きな基礎構造体7が必要となることはないので、基礎構造体7の規模を大きくすることにより柱脚構造30がコスト増を招くことを防止することができる。
このように、本実施の形態に係る柱脚構造30によれば、規模が大きな基礎構造体が必要となることを防止すると共に、柱脚構造30のコスト増を招くことを防止することができる。
また、本実施の形態に係る柱脚構造30においては、図3、図4に示すように、柱本体23の肉厚の真下に、一対のスリット25a,25aと第1領域25eが形成されている。
このため、これらのスリット25a,25aと第1領域25eの真上の位置の、柱本体23の下端部に、柱本体23の肉厚がベースプレートから離隔する切欠き部33を形成することにより、ベースプレート25の第1領域25eと第2領域25fが互いに鉛直方向に相対角度で傾くように、容易に変形できるようになっている。
ところで、柱本体23の下端部はベースプレート25に溶接により接合されていて、この溶接は、ベースプレート25に接触する柱本体23の下端面における、筒状の周りを囲む周方向全体にわたって自動的に溶接するような、自動溶接装置を用いて溶接が行われるようになっている場合が多い。
しかしながら、本実施の形態に係る柱脚構造30の柱本体23のように、その下端部に切欠き部33が形成されていると、上記のような自動溶接装置を用いて、柱本体23の下端部をその周方向全体にわたってベースプレート25に溶接することができない。
柱本体23の切欠き部33は、その肉厚がベースプレートから離隔しているので、その切欠き部33以外の肉厚しか溶接することができないからである。
したがって、本実施の形態に係る柱脚構造30を実施する場合は、柱本体23の下端部をベースプレート25に作業者が手で溶接するか、切欠き部33を避けて溶接することができるような別の溶接装置を新たに作って、それを使って溶接を行わなければならないという不都合がある。
本実施の形態に係る柱脚構造30にはそのような不都合があるとはいえ、もちろんその長所を発揮できる場合もあるが、前記第1の実施の形態に係る柱脚構造1においては、本実施の形態に係る柱脚構造30の切欠き部33のような切欠き部は形成されていないため、上記のような不都合が全く無いことは言うまでもない。
なお、本発明は、前記第1及び第2の実施の形態に係る柱脚構造1,30に限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができるものであれば、柱脚構造は他の種々の実施の形態に変更することができる。
例えば、前記第1の実施の形態に係る柱脚構造1においては、スリット5a,5bがベースプレート5の上下、左右の端部に、合計4組形成されていたが、ベースプレート5の上下、又は左右の端部に1組ずつ、合計2組形成されたものであってもよい。
また、前記第2の実施の形態に係る柱脚構造30においては、ベースプレート25の図3中上下の端部に一対のスリット25a,25aが1組ずつ設けられていたが、ベースプレート25の図3中上下左右の各端部に一対のスリット25a,25aが1組ずつ設けられて、一対のスリット25a,25aが合計4組形成されたものであってもよい。
また、上下2つのナット15a、15bのうち、下方のナット15bは必ずしも必要ではなく、ベースプレート5の下面を基礎構造体7の上面に直接々触させてもよい。この場合にはモルタル11は不要である。
また、前記第1,第2の実施の形態に係る柱脚構造1,30においては、柱本体3,23は口の字状の断面を有する四角筒状に形成されていたが、柱本体は四角筒状のものに限定する必要はなく、H、I又はLの字状、円形中空状又は円形中実状等、どのような形状の断面を有するものを用いてもよい。
また、前記第1,第2の実施の形態に係る柱脚構造1,30においては、スリット5a,5bや25a,25aがベースプレートの周部の2箇所又は4箇所に1組ずつ形成されていたが、ベースプレート周部の1箇所、3箇所、又は5箇所以上に1組ずつ形成されていてもよい。
また、前記第1,第2の実施の形態に係る柱脚構造1,30における、スリット5a,5bやスリット25a,25aのそれぞれの形態を、混在させて形成したものであってもよい。
また、前記第1,第2の実施の形態に係る柱脚構造1,30における、スリット5a,5bやスリット25a,25aのいずれでもないスリット、例えば、円弧状、曲線状、又は螺旋状のスリットを形成したものであってもよい。
また、前記第1,第2の実施の形態に係る柱脚構造1,30においては、ベースプレートが単なる板状に、工作機械の切削加工等により製作されたと思われるものを用いていたが、ベースプレートが単なる板状以外の形状に、鋳造や鍛造等により製作されたものを用いてもよい。但しこの場合は、スリットは工作機械の切削加工等により形成したものであってもよい。
1 柱脚構造
3 柱本体
3a 外周面
5 ベースプレート
5a,5b スリット
5c ボルト孔
5d 外側面
5e 第1領域
5f 第2領域
7 基礎構造体
9 アンカーボルト
11 モルタル
15a,15b ナット
23 柱本体
25 ベースプレート
25a スリット
25d 外側面
25e 第1領域
25f 第2領域
30 柱脚構造
33 切欠き部

Claims (6)

  1. 建築構造物の柱本体と、
    前記柱本体の下端部に接合されるベースプレートと、
    前記ベースプレートに形成されたボルト孔に挿通されて前記ベースプレートを基礎構造体に接合するアンカーボルトを備え、
    前記ベースプレートは、前記アンカーボルトが挿通するボルト孔の周囲の第1領域と、前記柱本体との接合部を含む第2領域を有し、
    前記建築構造物に所定値以上の大きな外力が加わったときに、前記第1領域と前記第2領域が互いに鉛直方向に相対角度で傾くよう前記ベースプレートが変形できるためのスリットを、前記第1領域と前記第2領域の間に形成した
    ことを特徴とする柱脚構造。
  2. 前記ベースプレートに複数の方向に伸びる複数の前記スリットが形成され、
    前記アンカーボルトが挿通するボルト孔が、前記複数のスリットと、前記ベースプレートの外側面によって複数方向から囲まれる位置に形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の柱脚構造。
  3. 前記ベースプレートの外側面の長さ方向と直角方向に伸びて、一端部が前記柱本体寄りの位置に配置され、他端部が前記ベースプレートの外側面にその断面を開口する第1スリットと、
    前記ベースプレートの外側面の長さ方向と平行方向に伸びて、一端部が前記第1スリットの一端部に接続するように配置された第2スリットが形成された
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の柱脚構造。
  4. 前記柱本体が、筒状の肉厚を有する鉄鋼材料により形成され、
    前記柱本体の下端部の筒状の周りを囲む周方向の全体にわたって肉厚が前記ベースプレートに溶接された
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の柱脚構造。
  5. 前記ベースプレートの外側面の長さ方向と直角方向に、前記柱本体の肉厚と交叉して伸び、一端部が前記ベースプレートの外側面にその断面を開口し、互いに平行方向に伸びる少なくとも一対の前記スリットが形成され、
    前記アンカーボルトが挿通するボルト孔が、前記一対のスリットと、前記ベースプレートの外側面によって、複数方向から囲まれる位置に形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の柱脚構造。
  6. 前記柱本体が、筒状の肉厚を有する鉄鋼材料により形成され、
    前記柱本体の下端部の筒状の周りを囲む周方向において、前記一対のスリットの両方と対応する位置の肉厚が前記ベースプレートから離隔する切欠き部が形成され、前記切欠き部以外の肉厚が前記ベースプレートに溶接された
    ことを特徴とする請求項5に記載の柱脚構造。

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JP2019218860A (ja) * 2019-10-08 2019-12-26 センクシア株式会社 構造物の柱脚構造およびベースプレート

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