JP6576825B2 - 木造柱の柱脚部接合構造 - Google Patents

木造柱の柱脚部接合構造 Download PDF

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本発明は、木造柱を基礎に高い接合耐力で接合することが可能であると同時に、構造が簡単で、高精度かつ低コストで構成することが可能で、設置施工性も良好な木造柱の柱脚部接合構造に関する。
木造柱の柱脚部を基礎に接合するための木造柱の柱脚部接合構造として、特許文献1が知られている。特許文献1の「木質部材の接合金具アセンブリ」は、2通りの構造を開示している。
前者の接合金具アセンブリは、柱の脚部と基礎との間に配設される柱脚金物と、柱脚部の柱背方向両端に埋め込まれるラグスクリューと、基礎に固定されるアンカーボルトとを備えている。前記柱脚金物は、柱脚部木口に当接する上部ベースプレートと、基礎に当接する下部ベースプレートと、前記上部ベースプレートと下部ベースプレートとの間に設けられる壁状の複数のリブプレートとを有している。前記ラグスクリューは、前記上部ベースプレートを介して柱背方向両端にそれぞれ4本ずつ埋め込まれており、一方、前記アンカーボルトは、同じく柱背方向両端における前記ラグスクリューと対向する部位において、2本ずつ基礎に埋設されている。また、前記上部ベースプレートの上面には、柱脚部木口に穿設された凹部内に嵌入される突起が2個形成されている。前記ラグスクリューの頭部には、メネジ部が形成されており、ボルトを螺入することで当該ラグスクリューを上部ベースプレートに固定している。この上部ベースプレートに形成された、ボルト用のボルト孔は、当該ボルトの外径よりも5〜10mm程度大きくされており、柱にせん断力が作用したときに、ラグスクリュー及びボルトに当該せん断力が伝達されるのを遮断できるようになっている(段落[0037]−段落[0039]参照)。
後者の接合金具アセンブリでは、上下のプレートと、この上下のプレート間に配設されるリブプレートとからなる柱脚金物に代えて一枚の鋼板からなる柱脚金物を採用している。この柱脚金物は、柱脚部木口から柱背方向両端に延びる延設部を有しており、この延設部を介してアンカーボルトが基礎に固定される。また、柱脚金物の上面には、柱脚部木口に穿設された凹部内に嵌入される突起が形成されている。かかる接合金具アセンブリにおいても、前記接合金具アセンブリと同じく、鋼板の上面に形成された突起によりせん断力に抵抗することができ、同様の作用効果を奏することができる。また、接合金具アセンブリでは、柱脚金物を一枚の鋼板で構成しており、リブプレートなどを省略しているので、前記接合金具アセンブリに比べて構造を簡略化することができ、コストダウンを図ることができる(段落[0046]参照)。
特開2008−255627号公報
背景技術の後者の構造では、柱に、これを傾かせる水平方向の横方向外力が作用すると、横方向外力が入力される側で、柱の柱脚部に引き抜き引張力が発生し、アンカーボルトに最も近い位置のラグスクリューは、他の位置のラグスクリューよりも極端に大きな負荷を負担することとなって、他の位置のラグスクリューよりも先行して引き抜けてしまったり、あるいは柱脚部に亀裂が入って柱が破壊されてしまい、結果的に、柱脚部の接合構造としては十分に余裕があるにも拘わらず、アンカーボルトに最も近い位置のラグスクリューによって接合箇所の耐力が決まってしまうという課題があった。
他方、背景技術の前者の構造では、柱脚金物に関し、部品点数が多く構造が複雑であると共に、溶接接合で組み立てられるので、溶接熱による歪みなどのため、精度よく製作することが困難であり、また、鋼材使用量が多く、組立作業も煩雑で、高コストであるという課題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、木造柱を基礎に高い接合耐力で接合することが可能であると同時に、構造が簡単で、高精度かつ低コストで構成することが可能で、設置施工性も良好な木造柱の柱脚部接合構造を提供することを目的とする。
本発明にかかる木造柱の柱脚部接合構造は、木造柱の柱脚部を基礎に接合するための木造柱の柱脚部接合構造であって、上記基礎に設置される1枚のベース板と、上記基礎にそれぞれ定着されると共に上記ベース板の縁辺に近接する位置で該ベース板にそれぞれ接合され、該基礎に該ベース板を接合する複数のアンカーボルトと、該各アンカーボルト個々に対し、当該アンカーボルトを上記ベース板の上記縁辺との間で包囲する配列で一群を成して、上記木造柱の上記柱脚部に一端側が定着されかつ他端側が該ベース板に接合され、該ベース板に該木造柱の該柱脚部を接合する複数群の接合具とを備え、上記木造柱に横方向外力が作用して生じる引き抜き力に対し、上記ベース板が上記アンカーボルト及び上記接合具の降伏前に降伏するように、該ベース板の降伏強度は、該アンカーボルト及び該接合具それぞれの降伏強度よりも小さく設定されると共に、上記各アンカーボルトとこれを包囲する一群の上記接合具それぞれとの距離が等距離に設定されることを特徴とする。
前記ベース板が前記アンカーボルト及び前記接合具の降伏前に降伏するように、該ベース板の板厚が設定されることを特徴とする。
前記一群の接合具が奇数本である場合、いずれか一本の該接合具は、前記ベース板の板面の中心と前記アンカーボルトとを結ぶ線分上に配置され、他の該接合具は、該線分に関して線対称の位置に配設されることを特徴とする。
前記一群の接合具が偶数本である場合、該接合具は、前記ベース板の板面の中心と前記アンカーボルトとを結ぶ線分に関して線対称の位置に配設されることを特徴とする。
前記アンカーボルトは、前記木造柱の前記柱脚部の平断面外形輪郭よりも内方に配設され、上記柱脚部には、上記アンカーボルトを設けるための切り欠き部が形成されていることを特徴とする。
本発明にかかる木造柱の柱脚部接合構造にあっては、木造柱を基礎に高い接合耐力で接合することができると同時に、構造が簡単で、高精度かつ低コストで構成することができ、優れた設置施工性も発揮することができる。
本発明に係る木造柱の柱脚部接合構造の好適な一実施形態を示す側面図である。 図1中、A−A線矢視断面図である。 図1中、B部拡大斜視図である。 本発明に係る木造柱の柱脚部接合構造の第1変形例を示す一部破断側面図である。 図4中、C−C線矢視断面図である。 第1変形例の変形形態を示す図5に対応する断面図である。 本発明に係る木造柱の柱脚部接合構造の第2変形例を示す一部破断側面図である。 図7中、D−D線矢視断面図である。
以下に、本発明にかかる木造柱の柱脚部接合構造の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る木造柱の柱脚部接合構造の側面図、図2は、図1中、A−A線矢視断面図、図3は、図1中、B部拡大斜視図である。
本実施形態に係る木造柱の柱脚部接合構造は、図1〜図3に示すように、木造柱1の柱脚部1aをコンクリート製等の基礎2に接合する構造であって、基礎2側に設けられる鋼製等の金属製の1枚のベース板3と、ベース板3を基礎2に固定するための金属製の複数本のアンカーボルト4と、ベース板3と木造柱1の柱脚部1aとを連結するための金属製の複数本の接合具5とから構成される。
ベース板3は、レベリング機能などのあるグラウト材6を介して基礎2上に設置される。ベース板3の外形形状は、図示例にあっては正方形状であるが、円形状や多角形状であってもよい。木造柱1の柱脚部1aの平断面形状(木口形状)も、図示例にあっては基本的に、ベース板3と相似形状の正方形状であるが、円形状や多角形状であってもよい。ベース板3の外形形状と木造柱1の柱脚部1aの平断面形状とは、相似形状でなくてもよい。ベース板3の板面の中心と、木造柱の平断面形状の中心(図中、共にZで示す。)とが一致される。
アンカーボルト4は、ベース板3に形成されたボルト孔に挿通され、下方部分が基礎2中に埋設されて定着されると共に、ボルト孔から突出される上端部にダブルナット7が螺合され、ダブルナット7がアンカーボルト4に対して締め付けられることによって、ベース板3は基礎2に接合される。ボルト孔は、ベース板3の縁辺3aに近接する位置に形成され、従って、アンカーボルト4は、ベース板3にその縁辺3aに近接する位置で、ダブルナット7によりベース板3に接合される。
図示例にあっては、アンカーボルト4は、正方形状のベース板3の隣り合う一対の縁辺3aで挟まれる4つの隅角部それぞれに配置されて、4本設けられている。アンカーボルト4はもちろん、隅角部に限らず、ベース板3の縁辺3a、すなわち正方形状の各辺に近接する位置に配置されていてもよい。ベース板3の外形形状が円形状の場合には、アンカーボルト4は弧状の縁辺近くに当該縁辺に沿って間隔を隔てて複数配置される。
本実施形態では、アンカーボルト4は、木造柱1の柱脚部1aの平断面領域(木口領域)の内側に配設される。このために、柱脚部1aには、アンカーボルト4をこれが柱脚部1aに納まるように設けるための切り欠き部8が形成される。
図示例では、アンカーボルト4、言い換えればダブルナット7全体が柱脚部1aの平断面形状の内側に納められる場合が示されているが、これに限らず、アンカーボルト4及びダブルナット7が部分的に納まる態様であってもよいことはもちろんである。
接合具5は、異形鉄筋やラグスクリュー等で、ロッド状に形成され、例えば異形鉄筋の場合には、木造柱1に対し、当該木造柱1の柱脚部1aに穿設された孔部に上端側が挿入され、孔部に充填される接着材で柱脚部1aに対し強固に定着される。ラグスクリューの場合には、これが柱脚部に螺入される。接合具5の下端側は、ベース板3に溶接接合される。溶接接合に代えて、ネジ接合を採用してもよい。ベース板3に接合された接合具5が木造柱1の柱脚部1aに定着されることにより、ベース板3に柱脚部1aが接合される。
接合具5は、各アンカーボルト4個々に対して、複数本が一群を成して、言い換えれば、1本のアンカーボルト4と複数本の接合具5とが一組のグループを構成するように設けられる。図示例では、3本の接合具5と1本のアンカーボルト4とで一組のグループとされて、3本の接合具5が一群を成している。3本の接合具5は、1本のアンカーボルト4を、ベース板3の縁辺3aとの間で包囲する配列で設けられる。
すなわち、各1本のアンカーボルト4は、ベース板3の縁辺3aと複数本の接合具5で挟まれる配置で設けられる。1本のアンカーボルト4と複数本の接合具5で構成される一組のグループは、他の組のグループと位置的に干渉し合わないように、すなわち、ベース板3上でグループ同士が互いに隣り合うように、領域を分けて配置される。
図1及び図2に示すように、木造柱1に例えば左側から横方向外力Fが作用すると、木造柱1は右側へ倒れるように傾き、これにより、木造柱1の左側部分で浮き上がりによる引き抜き力が生じる。
同様に、木造柱1に正面側から(図2中、下側から)横方向外力Fxが作用すると、木造柱1は背面側(図2中、上側)へ倒れるように傾き、これにより、木造柱1の正面側部分(図2中、下側部分)で浮き上がりによる引き抜き力が生じる。また、木造柱1に左斜め正面側から(図2中、左斜め下方側から)横方向外力Fxが作用すると、木造柱1は右斜め背面側(図2中、右斜め上方側)へ倒れるように傾き、これにより、木造柱1の左斜め正面側部分(図2中、左斜め下方側部分)で浮き上がりによる引き抜き力が生じる。
以下、左側から横方向外力Fが作用した場合について説明すると、木造柱1の左側部分が浮き上がる引き抜き力が生じることで、ベース板3の左側縁辺3aに最も近接する第1接合具5a位置で最も浮き上がり変位が大きくなり、左側縁辺から離れている第2及び第3接合具5b,5c位置では浮き上がり変位が小さい。従って、第2及び第3接合具5b,5c位置に比べて、第1接合具5a位置における荷重負担は極端に大きい。
引き抜き力に対する抵抗作用は、基礎2に定着されているアンカーボルト4の引張降伏強度、アンカーボルト4で基礎2に接合されているベース板3の面外変形による降伏強度、ベース板3と木造柱1の柱脚部1aとを接合している接合具5の引張降伏強度によって発揮される。これらのうち、接合具5の引張降伏強度が最も小さい場合、接合具5の引張変位が顕著となり、特に、第1接合具5aに大きな引張変位が発生し、第2及び第3接合具5b,5cを設けているにも拘わらず、これら接合具5b,5cにはさほどの引張変位は生じず、第1接合具5aが降伏するか否かで木造柱1の柱脚部1aの接合耐力が左右されてしまう。
本実施形態にあっては、ベース板3がアンカーボルト4及び接合具5の降伏前に面外変形して降伏するように、ベース板3の面外変形の降伏強度は、アンカーボルト4及び接合具5それぞれの引張降伏強度よりも小さく設定される。具体的には、ベース板3はその板厚が、アンカーボルト4及び接合具5の降伏前に降伏するように設定され、具体的には薄い板厚で形成される。
このように設定すると、木造柱1の傾きに対し引張力で抵抗する接合具5が接合されたベース板3は、ベース板3の左側縁辺3aに最も近接する第1接合具5a位置で、最も大きく浮き上がるように面外変形され、これにより、第1接合具5aの荷重負担を小さくすることができる。左側縁辺3aから離れている第2及び第3接合具5b,5c位置では、これら接合具5b,5cの荷重負担は小さく、ベース板3の面外変形も小さい。
すなわち、ベース板3の面外変形の降伏強度を、接合具5及びアンカーボルト4の引張降伏強度よりも小さく設定することにより、一部の接合具5、例えば第1接合具5aだけに大きな荷重負担が生じないようにし、また、ベース板3に生じる面外変形の荷重負担分が他の接合具5、例えば第2及び第3接合具5b,5cに分散されて、これら他の接合具5b,5cで負担されるようになっている。
このような荷重負担の分散は、木造柱1の正面側部分あるいは左斜め正面側部分で浮き上がりによる引き抜き力が生じた場合であっても、同様に発揮される。
また、本実施形態では、各アンカーボルト4とこれを包囲する一群の接合具5それぞれとの距離dが等距離に設定される。詳細には、アンカーボルト4の軸芯と接合具5の軸芯との距離dがすべて等距離に設定される。引き抜き力をベース板3で荷重負担する際、ベース板3は、基礎2に定着されたアンカーボルト4の位置で規制を受けて、面外変形される。
アンカーボルト4から、当該アンカーボルト4を包囲する配列の各接合具5までの距離dがまちまちで異なっていると、例えば第1接合具5aによるベース板3の面外変形作用と、ベース板3の面外変形による第2及び第3接合具5b,5cへの荷重分散とがスムーズに行われないおそれがある。
各アンカーボルト4とこれを包囲する接合具5それぞれとの距離dを等しくすることにより、言い換えれば、アンカーボルト4周りに描き得る円弧上に接合具5を配列することにより、アンカーボルト4で規制を受けつつ面外変形されるベース板3を介して、すべての接合具5にほぼ均等にかつ安定的に負担荷重を分散することができる。
さらに、図示例のように、一群の接合具5が3本など、奇数本である場合、いずれか一本の接合具5(第2接合具5b)が、ベース板3の板面の中心Z(複数のアンカーボルト4をベース板3周りに沿ってつなぐことで描かれる図形の図心)とアンカーボルト4とを結ぶ線分k上に配置され、他の接合具5(第1及び第3接合具5a,5c)が、当該線分kに関して線対称の位置に配設されるようにすると、どのような方向から木造柱1に横方向外力が作用しても、本実施形態に係る木造柱の柱脚部接合構造を等方的に作用させることができる。
以上説明した本実施形態に係る木造柱の柱脚部接合構造にあっては、基礎2に設置される1枚のベース板3と、基礎2にそれぞれ定着されると共にベース板3の縁辺3aに近接する位置でベース板3にそれぞれ接合され、基礎2にベース板3を接合する複数のアンカーボルト4と、各アンカーボルト4個々に対し、当該アンカーボルト4をベース板3の縁辺3aとの間で包囲する配列で一群を成して、木造柱1の柱脚部1aに一端側が定着されかつ他端側がベース板3に接合され、ベース板3に木造柱1の柱脚部1aを接合する複数群の接合具5とを備え、木造柱1に横方向外力が作用して生じる引き抜き力に対し、ベース板3がアンカーボルト4及び接合具5の降伏前に降伏するように、ベース板3の降伏強度は、アンカーボルト4及び接合具5それぞれの引張降伏強度よりも小さく設定されると共に、各アンカーボルト4とこれを包囲する一群の接合具5それぞれとの距離dが等距離に設定されるので、ベース板3の面外変形を利用して、各接合具5にほぼ均等にかつ安定的に負担荷重を分散することができ、すべての接合具5によって木造柱1の柱脚部1aを基礎2に高い接合耐力で接合することができる。
ベース板3を1枚のシングルで構成でき、また、このベース板3の降伏強度の設定及びアンカーボルト4と接合具5との距離dの設定を行うだけでよいので、構造が簡単であり、また、背景技術のように溶接を多用しないので高精度であってかつ部品増加が無く低コストで構成することができると共に、基礎2にアンカーボルト4で接合したベース板3上の接合具5に、木造柱1の柱脚部1aを接合するだけでよくて、優れた設置施工性を発揮することができる。
ベース板3がアンカーボルト4及び接合具5の降伏前に降伏するように、ベース板3の板厚が設定されるので、容易にかつ確実に設計することができる。
一群の接合具5が奇数本である場合、いずれか一本の接合具5は、ベース板3の板面の中心Zとアンカーボルト4とを結ぶ線分k上に配置され、他の接合具5は、線分kに関して線対称の位置に配設されるので、どのような横方向外力が作用しても、ほぼ均等にかつ確実に接合耐力を確保することができる。
アンカーボルト4は、木造柱1の柱脚部1aの平断面外形輪郭よりも内方に配設され、柱脚部1aには、アンカーボルト4を設けるための切り欠き部8が形成されているので、アンカーボルト4を柱脚部1a直下に設置することができ、ベース板3や基礎2の平面外形寸法を小さくすることができて、木造柱の柱脚部接合構造を基礎2上にコンパクトに、省スペースで納まりよく設置できると共に、柱脚部接合構造の剛性を高めることができる。
本実施形態にあっては、1本のアンカーボルト4と複数本の接合具5で構成される一組のグループが、他の組のグループと位置的に干渉し合わないように、すなわち、ベース板3上でグループ同士が互いに隣り合うように、領域を分けて配置されるので、簡便かつシンプルに構成することができる。
図4及び図5には、上記実施形態に係る木造柱の柱脚部接合構造の第1変形例が示されている。図4は、第1変形例の木造柱の柱脚部接合構造の一部破断側面図、図5は、図4中、C−C線矢視断面図である。
第1変形例は、木造柱1及びベース板3が長方形状である場合である。アンカーボルト4は、長方形状のベース板3の長辺方向両端の短辺3bを縁辺として、これに近接する位置に設けられている。ベース板3の板面の中心Zとアンカーボルト4とを結ぶ線分k上及びこの線分kの両側に当該線分kに関して線対称に接合具5が配列されている。その他の構成は、上記実施形態と同様である。このような第1変形例にあっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
図6には、第1変形例の変形形態が示されている。図6は、図5に対応する断面図である。この変形形態は、一群の接合具5が偶数本、例えば2本である場合であって、接合具5は、ベース板3の板面の中心Zとアンカーボルト4とを結ぶ線分kに関して線対称の位置に配設される。このように接合具5を配列することで、接合具5が偶数本であっても、あらゆる方向から木造柱1に作用する横方向外力に対し、本実施形態に係る木造柱の柱脚部接合構造を等方的に作用させることができる。
図7及び図8には、上記実施形態に係る木造柱の柱脚部接合構造の第2変形例が示されている。図7は、第2変形例の木造柱の柱脚部接合構造の一部破断側面図、図8は、図7中、D−D線矢視断面図である。
上記実施形態では、アンカーボルト4を木造柱1の平断面領域の内側に納めるための切り欠き部8を柱脚部1aに形成した場合について説明したが、第2変形例は、切り欠き部8の形成を省略した場合である。このように、木造柱1の柱脚部1aの平断面外形外方に張り出す大きさのベース板3を用い、アンカーボルト4を、柱脚部1a外側でベース板3に設置するようにしてもよい。このようにすれば、切り欠き部8を形成する手間を省くことができる。このような第2変形例であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
1 木造柱
1a 柱脚部
2 基礎
3 ベース板
3a ベース板の縁辺
3b ベース板の短辺
4 アンカーボルト
5,5a,5b,5c 接合具
8 切り欠き部
d アンカーボルトと接合具との距離
k ベース板の板面の中心とアンカーボルトとを結ぶ線分
Z ベース板の板面の中心

Claims (5)

  1. 木造柱の柱脚部を基礎に接合するための木造柱の柱脚部接合構造であって、
    上記基礎に設置される1枚のベース板と、上記基礎にそれぞれ定着されると共に上記ベース板の縁辺に近接する位置で該ベース板にそれぞれ接合され、該基礎に該ベース板を接合する複数のアンカーボルトと、該各アンカーボルト個々に対し、当該アンカーボルトを上記ベース板の上記縁辺との間で包囲する配列で一群を成して、上記木造柱の上記柱脚部に一端側が定着されかつ他端側が該ベース板に接合され、該ベース板に該木造柱の該柱脚部を接合する複数群の接合具とを備え、
    上記木造柱に横方向外力が作用して生じる引き抜き力に対し、上記ベース板が上記アンカーボルト及び上記接合具の降伏前に降伏するように、該ベース板の降伏強度は、該アンカーボルト及び該接合具それぞれの降伏強度よりも小さく設定されると共に、
    上記各アンカーボルトとこれを包囲する一群の上記接合具それぞれとの距離が等距離に設定されることを特徴とする木造柱の柱脚部接合構造。
  2. 前記ベース板が前記アンカーボルト及び前記接合具の降伏前に降伏するように、該ベース板の板厚が設定されることを特徴とする請求項1に記載の木造柱の柱脚部接合構造。
  3. 前記一群の接合具が奇数本である場合、いずれか一本の該接合具は、前記ベース板の板面の中心と前記アンカーボルトとを結ぶ線分上に配置され、他の該接合具は、該線分に関して線対称の位置に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の木造柱の柱脚部接合構造。
  4. 前記一群の接合具が偶数本である場合、該接合具は、前記ベース板の板面の中心と前記アンカーボルトとを結ぶ線分に関して線対称の位置に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の木造柱の柱脚部接合構造。
  5. 前記アンカーボルトは、前記木造柱の前記柱脚部の平断面外形輪郭よりも内方に配設され、上記柱脚部には、上記アンカーボルトを設けるための切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかの項に記載の木造柱の柱脚部接合構造。
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