JP2017157750A - ウェーハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ウェーハの元厚にばらつきがあっても円形凹部の深さを一定に形成できるウェーハの加工方法を提供することである。【解決手段】 互いに交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスが形成されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを表面に有するウェーハの加工方法であって、加工するウェーハよりも小径の研削ホイールで、該デバイス領域に対応したウェーハの裏面を研削して円形凹部を形成し、該デバイス領域の厚みを第1所定値に形成すると共に該円形凹部の外周に該外周余剰領域に対応した環状凸部を形成するデバイス領域研削ステップと、該デバイス領域研削ステップを実施する前又は実施した後に、該外周余剰領域を含むウェーハの裏面を研削して該円形凹部の深さを第2所定値に形成する外周余剰領域研削ステップと、を含む。【選択図】図2
Description
本発明は、複数のデバイスが形成されたデバイス領域と該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを表面に有するウェーハの加工方法に関する。
半導体デバイス製造プロセスにおいては、略円板形状である半導体ウェーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウェーハ(以下、単にウェーハと略称することがある)をストリートに沿って切削装置で切削することにより、ウェーハが個々のデバイスチップに分割される。
分割されるウェーハは、ストリートに沿って切削する前に裏面を研削や研磨によって所望の厚さに形成される。近年、電気機器の軽量化、小型化を達成するために、ウェーハの厚さをより薄く、例えば50μm程度にすることが要求されている。
このように薄く形成されたウェーハは取扱いが困難になり、搬送等において破損する恐れがある。そこで、ウェーハのデバイス領域に対応する裏面のみを研削して円形凹部を形成し、デバイス領域を囲繞する外周余剰領域に対応するウェーハの裏面に環状凸部(環状補強部)を形成する研削方法が特開2007−19461号公報で提案されている。
このように裏面に円形凹部が形成されたウェーハは、段差を有するチャックテーブルでウェーハの裏面側が保持され、外周の環状凸部が除去された後、個々のチップへとダイシングされる(例えば、特開2012−156344号公報参照)。
しかし、一般的にウェーハの元厚にはばらつきがあり、デバイス領域を所定厚みへと薄化すると環状凸部上面と円形凹部底面との段差はウェーハの元厚に応じてばらつく。このように環状凸部の上面と円形凹部の底面との段差が異なるウェーハの環状凸部を除去するためには、ウェーハを保持するチャックテーブルを複数種類準備しなくてはならず、設備費用が掛かる上、ウェーハに応じてチャックテーブルを交換せねばならず、作業が煩雑化するという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウェーハの元厚にばらつきがあっても円形凹部の深さを一定に形成できるウェーハの加工方法を提供することである。
本発明によると、互いに交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスが形成されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを表面に有するウェーハの加工方法であって、加工するウェーハよりも小径の研削ホイールで、該デバイス領域に対応したウェーハの裏面を研削して円形凹部を形成し、該デバイス領域の厚みを第1所定値に形成すると共に該円形凹部の外周に該外周余剰領域に対応した環状凸部を形成するデバイス領域研削ステップと、該デバイス領域研削ステップを実施する前又は実施した後に、該外周余剰領域を含むウェーハの裏面を研削して該円形凹部の深さを第2所定値に形成する外周余剰領域研削ステップと、を備えたことを特徴とするウェーハの加工方法が提供される。
好ましくは、外周余剰領域研削ステップでは、デバイス領域研削ステップと同一の研削ホイールを使用して外周余剰領域を含むウェーハの裏面を研削する。好ましくは、外周余剰領域研削ステップは、デバイス領域研削ステップを実施する前に実施する。
本発明のウェーハの加工方法は、デバイス領域研削ステップを実施する前又は実施した後に、外周余剰領域を含むウェーハの裏面を研削する外周余剰領域研削ステップを備えるため、ウェーハの元厚にばらつきがあっても円形凹部の深さを一定に形成できる。よって、環状凸部を除去するためのチャックテーブルを複数種類準備する必要がなく、従来の問題点を解決できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、半導体ウェーハ(以下、単にウェーハと略称することがある)11の表面11aに表面保護テープ23を貼着する様子を示す斜視図が示されている。
図1に示したウェーハ11は、例えば厚さが700μmのシリコンウェーハからなっており、表面11aに複数の分割予定ライン(ストリート)13が格子状に形成されていると共に、複数の分割予定ライン13によって区画された各領域にそれぞれIC、LSI等のデバイス15が形成されている。
このように構成されたウェーハ11は、複数のデバイス15が形成されているデバイス領域17と、デバイス領域17を囲繞する外周余剰領域19をその表面11aに備えている。また、ウェーハ11の外周にはシリコンウェーハの結晶方位を示すマークとしてのノッチ21が形成されている。
本発明のウェーハの加工方法の第1実施形態によると、まず図2に示すように、外周余剰領域を含むウェーハの裏面を研削する外周余剰領域研削ステップを実施する。この外周余剰領域研削ステップでは、研削装置2のチャックテーブル4でウェーハ11の表面11aに貼着された表面保護テープ23側を吸引保持して、ウェーハ11の裏面11bを上方に露出させる。
研削装置2の研削ユニット6は、モータにより回転駆動されるスピンドル8と、スピンドル8の下端に固定されたホイールマウント10と、ホイールマウント10に着脱可能に装着された研削ホイール12とを含んでいる。研削ホイール12は、環状のホイール基台14と、ホイール基台14の下端部外周に貼着された複数の研削砥石16とから構成される。
外周余剰領域研削ステップでは、チャックテーブル4を矢印aで示す方向に例えば300rpmで回転しつつ、研削ホイール12を矢印bで示す方向に例えば6000rpmで回転させると共に、図示しない研削ユニット送り機構を駆動して研削ホイール12の研削砥石16をウェーハ11の裏面11bに接触させる。そして、研削ホイール12を所定の研削送り速度で下方に研削送りしながらウェーハ11の裏面11bの研削を実施する。
この外周余剰領域研削ステップでは、外周余剰領域研削ステップに引き続いて実施するデバイス領域研削ステップで研削した円形凹部の底面を破線で示すように33aとすると、デバイス領域研削ステップ後に円形凹部の深さが第2所定値(t2)となるように外周余剰領域研削ステップでの研削量を設定する。
よって、外周余剰領域研削ステップでは、接触式又は非接触式の厚み測定ゲージでウェーハ11の厚みを測定しながら、ウェーハ11の厚みがt1(第1所定値)+t2(第2所定値)になるように外周余剰領域19を含むウェーハ11の裏面を研削して、ウェーハ11の裏面中央部に円形凸部25を形成する。外周余剰領域研削ステップでは、外周余剰領域19に対応するウェーハ11の裏面11bのみ研削するようにしてもよい。
外周余剰領域研削ステップを実施した後、図4に示すように、ウェーハ11のデバイス領域17に対応するウェーハ11の裏面11bを研削して円形凹部27を形成するデバイス領域研削ステップを実施する。本実施形態では、デバイス領域形成ステップは、砥粒の比較的粗い粗研削砥石で研削する粗研削ステップと、砥粒の比較的細かい仕上げ研削砥石で研削する仕上げ研削ステップの2段階で実施する。
デバイス領域研削ステップの粗研削ステップでは、まず、外周余剰領域研削ステップで形成される中央の円形凸部25のみを研削し、次いで、デバイス領域17に対応するウェーハ11の裏面11bを研削して円形凹部27を形成する。
デバイス領域研削ステップの粗研削ステップでは、図5に示すように、チャックテーブル4の回転中心P1と環状に配設された研削砥石16の回転軌跡16aの中心P2は偏心しており、研削砥石16の回転軌跡16aの外径がウェーハ11のデバイス領域17と外周余剰領域19との境界線31より小さく境界線31の半径より大きい寸法に設定され、研削砥石16の回転軌跡16aがチャックテーブル4の回転中心P1を通過するように設定される。図6を参照すると、デバイス領域研削ステップの粗研削ステップを実施した状態のウェーハ11の断面図が示されている。
仕上げ研削ステップで使用する研削ホイールは、図4に示した研削ホイール12に類似しており、研削砥石16に含有される砥粒の平均粒径が粗研削ステップで使用した研削砥石16に含有される砥粒の平均粒径よりも細かいものとなっている。その他の構成は、図4に示した研削ユニット6と同様である。
図7を参照すると、仕上げ研削ステップを説明する模式的平面図が示されている。仕上げ研削ステップでは、仕上げ研削砥石の回転軌跡16bが図5に示した粗研削砥石の回転軌跡16aよりも中央寄りのP3に位置付け、且つ、ウェーハ中心(チャックテーブル4の回転中心P1)を回転軌跡16bが通過するように設定して研削する。
図8を参照すると、デバイス領域研削ステップの仕上げ研削ステップ実施後のウェーハ11の断面図が示されている。仕上げ研削ステップでは、粗研削ステップで実施した円形凹部27の底部に円形凹部33が形成される。
33aは円形凹部33の底面であり、ウェーハ11のデバイス領域17の厚さは第1所定値t1(例えば50μm)に形成され、円形凹部33の深さ(環状凸部29の上面と円形凹部33の底面33aとの段差)t2は一定となるため、環状凸部29を除去するためにウェーハ11を吸引保持する際、一定の段差t2を有するチャックテーブルを用意すればよいことになる。
次に図9及び図10を参照して、本発明第2実施形態のウェーハの加工方法について説明する。この第2実施形態で、図9(A)に示すように、まず、ウェーハ11のデバイス領域17に対応するウェーハ11の裏面11bを研削して、ウェーハ11の裏面11bに円形凹部27を形成すると共に、ウェーハ11の外周余剰領域19に対応する領域は研削せずに残存させて環状凸部29を形成する。図9(B)はデバイス領域研削ステップ実施後のウェーハ11の断面図であり、デバイス領域17の厚みを所定厚み、例えば50μmに研削する。
次いで、図10(A)に示すように、研削ホイール12で環状凸部29を研削する外周余剰領域研削ステップを実施する。この外周余剰領域研削ステップは、デバイス領域研削ステップで外周余剰領域研削に対応するウェーハ11の裏面11bに形成された環状凸部29を研削する。
図10(A)で、研削装置のチャックテーブル4は、金属から形成された枠体5と、枠体5に囲繞されたポーラスセラミックス等から形成された吸引保持部7とを有している。枠体5には吸引路9が形成されており、吸引路9は図示しない吸引源に選択的に接続される。
外周余剰領域研削ステップでは、研削ホイール12で円形凹部27の底面27aと環状凸部29の上面との差である円形凹部27の深さが第2所定値t2になるまで研削する。
尚、本実施形態では、デバイス領域研削ステップを粗研削ステップのみで実施している例について説明したが、デバイス領域研削ステップを粗研削ステップと仕上げ研削ステップの2つのステップから構成するようにしてもよい。この場合にも、凹部の深さが第2所定値t2になるように環状凸部29を研削する。
デバイス領域研削ステップと外周余剰領域研削ステップは異なる研削ホイールで実施しても良いが、上述した各実施形態のように同一研削ホイールで実施することで、装置や工具の変更が不要となり、作業性が向上するため好ましい。
また、第1実施形態のように外周余剰領域研削ステップをデバイス領域研削ステップの前に実施することで、外周余剰領域の研削に伴って発生する研削屑(切粉)で仕上げ厚みに薄化されたデバイス領域の裏面(凹部底面)を傷つけたり汚してしまう恐れがないので好ましい。
2 研削装置
4 チャックテーブル
6 研削ユニット
11 半導体ウェーハ
12 研削ホイール
16 研削砥石
16a,16b 研削砥石の回転軌跡
17 デバイス領域
19 外周余剰領域
25 円形凸部
27,33 円形凹部
29 環状凸部
4 チャックテーブル
6 研削ユニット
11 半導体ウェーハ
12 研削ホイール
16 研削砥石
16a,16b 研削砥石の回転軌跡
17 デバイス領域
19 外周余剰領域
25 円形凸部
27,33 円形凹部
29 環状凸部
Claims (3)
- 互いに交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスが形成されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを表面に有するウェーハの加工方法であって、
加工するウェーハよりも小径の研削ホイールで、該デバイス領域に対応したウェーハの裏面を研削して円形凹部を形成し、該デバイス領域の厚みを第1所定値に形成すると共に該円形凹部の外周に該外周余剰領域に対応した環状凸部を形成するデバイス領域研削ステップと、
該デバイス領域研削ステップを実施する前又は実施した後に、該外周余剰領域を含むウェーハの裏面を研削して該円形凹部の深さを第2所定値に形成する外周余剰領域研削ステップと、
を備えたことを特徴とするウェーハの加工方法。 - 該外周余剰領域研削ステップでは、該デバイス領域研削ステップと同一の研削ホイールを使用して該外周余剰領域を含むウェーハの裏面を研削する請求項1記載のウェーハの加工方法。
- 該外周余剰領域研削ステップは、該デバイス領域研削ステップの前に実施する請求項1又は2記載のウェーハの加工方法。
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