JP2017152527A - パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路層を構成する銅層とアルミニウム層とのエッチングレートを揃えて、耐電圧特性に優れたパワーモジュール用基板を製造する。
【解決手段】セラミックス基板11(絶縁層)の一方の面に、セラミックス基板11に接合されたアルミニウム層21とアルミニウム層21のセラミックス基板11とは反対の面に接合された銅層22とを有する回路層12にエッチングを施して、回路層12に回路パターンが形成されたパワーモジュール用基板101を製造する方法であり、回路パターン形成領域にレジスト被膜51を形成するマスキング工程と、回路層12のレジスト被膜51が形成されていない部分にエッチング液を接触させることにより回路層12に回路パターンを形成するエッチング工程とを有し、エッチング液は、塩化鉄(III)とアルミニウムとが含有された酸性溶液であり、アルミニウムの濃度が5g/L以上10g/L以下とされる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板の製造方法に関する。
パワーモジュールに用いられるパワーモジュール用基板の回路層は、絶縁基板であるセラミックス基板の一方の面に金属板を接合することにより形成される。なお、この種のパワーモジュール用基板としては、セラミックス基板の他方の面にも熱伝導性に優れた金属板を接合することで金属層を設け、その金属層を介して放熱板を接合することも行われる。そして、パワーモジュール用基板の回路層の上面に、パワー素子等の半導体素子が搭載されることにより、パワーモジュールが製造される。
このようなパワーモジュール用基板において、回路層にはアルミニウム又は銅が用いられている。このうち銅は、熱的特性、電気的特性がアルミニウムより優れるが、変形抵抗が高い。このため、冷熱サイクルが負荷された際に、セラミックス基板と銅の回路層との間に大きな熱応力が生じ、セラミックス基板に割れを生じやすい。
そこで、特許文献1では、パワーモジュール用基板の絶縁層(セラミックス基板)の一方の面に形成された回路層を、絶縁層の一方の面に配設されたアルミニウム層と、このアルミニウム層の一方側(絶縁層とは接合されていない面側)に積層された銅層との二重構造とし、銅に比べて変形抵抗の小さいアルミニウム層を絶縁層との間に介在させて熱応力を緩和している。また、特許文献1には、回路層の銅層の上に半導体素子が搭載されることから、回路層を二重構造とすることで、半導体素子で発生する熱を伝熱する際に、銅層において面方向に拡げて効率的に放散できることが記載されている。
国際公開第2013/147144号
ところで、この種の回路層が銅層とアルミニウム層との二重構造とされるパワーモジュール用基板において、セラミックス基板上に回路層を形成するには、セラミックス基板上に銅層及びアルミニウム層を接合した後にエッチングする方法が考えられる。しかし、セラミックス基板に銅層とアルミニウム層とからなる回路層を形成した後にエッチングにより回路パターンを形成しようとする場合には、銅層よりもアルミニウム層の方がエッチングされやすいことから、銅層とアルミニウム層とのエッチングレートの違いにより、図4に示すように、銅層22の端面がアルミニウム層21の端面よりもせり出した鋭角形状となる。そして、このように回路層12に鋭角形状が形成された場合には、回路層12の鋭角形状に電界が集中しやすくなり、部分放電特性及び耐電圧特性の悪化を招く。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、回路層を構成する銅層とアルミニウム層とのエッチングレートを揃えることができ、耐電圧特性に優れたパワーモジュール用基板を製造できるパワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、絶縁層の一方の面に接合されたアルミニウム層と該アルミニウム層の前記絶縁層とは反対の面に接合された銅層とを有する回路層にエッチングを施して、前記回路層に回路パターンが形成されたパワーモジュール用基板を製造する方法であって、前記回路層の回路パターン形成領域にレジスト被膜を形成するマスキング工程と、前記レジスト被膜が形成された前記回路層の前記レジスト被膜が形成されていない部分にエッチング液を接触させることにより前記回路層に前記回路パターンを形成するエッチング工程とを有し、前記エッチング液は、塩化鉄(III)とアルミニウムとが含有された酸性溶液であり、前記アルミニウムの濃度が5g/L以上10g/L以下であることを特徴とする。
エッチング工程では、回路層のレジスト被膜が形成されていない部分、すなわちレジスト被膜から露出した部分をエッチング液にさらすことにより銅層とアルミニウム層とをエッチングする。この際、塩化鉄(III)とアルミニウムとが含有された酸性溶液のエッチング液を用いてエッチングをすることで、アルミニウムに対して高い腐食性を有する塩化鉄(III)を含有する酸性溶液を使用した場合と比べて、アルミニウムの溶出を低く抑えることができる。これにより、銅層のエッチングレートとアルミニウム層のエッチングレートを同等に揃えることができ、回路層に銅層が外方に突出した鋭角形状が形成されることを抑制できる。したがって、回路層の端部への電界集中を回避できるので、部分放電発生の開始電圧を高くでき、耐電圧特性に優れたパワーモジュール用基板を製造できる。
なお、エッチング液のアルミニウム濃度が5g/L未満の場合、アルミニウムの溶出を低く抑える効果を奏することができない。また、エッチング液のアルミニウム濃度が10g/Lを超えた場合、回路層に銅層が外方に突出した鋭角形状が形成されることを抑制できるが、スラッジ等が堆積し、部分放電の発生電圧が低くなり、耐電圧特性が悪化する。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法において、前記エッチング液に含有される前記塩化鉄(III)の濃度が1.4mol/L以上1.7mol/L以下、pHが2.0以下とされているとよい。
塩化鉄(III)の濃度、アルミニウムの濃度、pHが上記範囲で含有されたエッチング液を用いてエッチング工程を行うことで、銅層とアルミニウム層とのエッチングレートを揃えることができ、所望の回路パターンを良好に形成できる。
本発明によれば、回路層を構成する銅層とアルミニウム層とのエッチングレートを揃えることができ、耐電圧特性に優れたパワーモジュール用基板を製造できる。
本発明の実施形態に係るパワーモジュール用基板の製造方法により製造されるパワーモジュール用基板の縦断面図である。 本発明の実施形態に係るパワーモジュール用基板の製造方法を説明するフロー図である。 本発明の実施形態に係るパワーモジュール用基板の製造方法を説明する縦断面図である。 回路層用アルミニウム層よりも回路層用銅層が突出した回路層を説明する要部断面図である。
以下、本発明に係るパワーモジュール用基板の製造方法の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法により製造されるパワーモジュール用基板を示している。この図1に示すパワーモジュール基板101は、セラミックス基板11(絶縁層)と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に接合された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に接合された金属層13とを備える。そして、このパワーモジュール用基板101の回路層12の表面に半導体素子61がはんだ付けされ、金属層13の表面にヒートシンク51が接合されることにより、パワーモジュールが製造される。
そして、回路層12は、セラミックス基板11の一方の面に、そのセラミックス基板11に接合されたアルミニウム層21と、アルミニウム層21のセラミックス基板とは反対の面に接合された銅層22とを有し、アルミニウム層21と銅層22との積層構造とされている。また、金属層13は、セラミックス基板11の回路層12の反対の面に接合されたアルミニウム層31と、アルミニウム層31のセラミックス基板11とは反対の面に接合された銅層32とを有し、アルミニウム層31と銅層32との積層構造とされている。
以下、これらの回路層12と金属層13とを区別するために、回路層12を構成するアルミニウム層21を回路層用アルミニウム層、銅層22を回路層用銅層とし、金属層13を構成するアルミニウム層31を金属層用アルミニウム層、銅層32を金属層用銅層とする。
パワーモジュール用基板101を構成するセラミックス基板11は、例えばAlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化珪素)等の窒化物系セラミックス、もしくはAl(アルミナ)等の酸化物系セラミックスを用いることができる。また、セラミックス基板11の厚さは0.2mm以上1.5mm以下とされる。
回路層用アルミニウム層21は、純アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板が、セラミックス基板11の一方の面(図1では上面)に接合されることにより形成されており、本実施形態においては、回路層用アルミニウム層21は、純度が99.99質量%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム板をセラミックス基板11に接合することにより形成されている。
また、回路層用銅層22は、回路層用アルミニウム層21のセラミックス基板11とは反対の面(図1において上面)に、純銅又は銅合金からなる銅板が接合されることにより形成されており、本実施形態においては、回路層用銅層22は、無酸素銅の圧延板からなる銅板が回路層用アルミニウム層21に固相拡散接合されることにより形成されている。
そして、回路層用アルミニウム層21の厚さは0.1mm以上1mm以下、回路層用銅層22の厚さは0.05mm以上0.5mm以下の範囲に設けられる。
金属層用アルミニウム層31は、純アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板が、セラミックス基板11の他方の面に接合されることにより形成されており、本実施形態においては、金属層用アルミニウム層31は、純度99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4N‐Al)からなるアルミニウム板をセラミックス基板11にろう付けすることにより形成されている。
また、金属層用銅層32は、純銅又は銅合金からなる銅板が、金属層用アルミニウム層31の他方の面(図1において下面)に接合されることにより形成されており、本実施形態においては、金属層用銅層32は、無酸素銅からなる銅板が金属層用アルミニウム層31に固相拡散接合されることにより形成されている。
そして、金属層用アルミニウム層31の厚さは0.1mm以上1mm以下、金属層用銅層32に厚さは0.05mm以上0.5mm以下の範囲に設けられる。
このように構成されるパワーモジュール用基板101は、セラミックス基板11に回路層用アルミニウム層21と金属層用アルミニウム層31とを接合するアルミニウム層形成工程(S1)と、回路層用アルミニウム層21に回路層用銅層22を接合して回路層12を形成するとともに、金属層用アルミニウム層31に金属層用銅層31を接合して金属層13を形成して、セラミックス基板11に回路層12と金属層13とが接合された積層基板10(図2(c)参照)を形成する銅層形成工程(S2)と、回路層12と金属層13の表面に所望形状のレジスト被膜51を形成することにより、回路層12の回路パターン形成領域にレジスト被膜51形成するマスキング工程(S3)と、レジスト被膜51が形成された積層基板10の回路層12をエッチングすることにより回路層12に回路パターンを形成するエッチング工程(S4)と、レジスト被膜51を剥離するマスキング剥離工程(S5)とを行うことにより製造される。以下、パワーモジュール用基板101の製造方法を、この工程順に説明する。
(アルミニウム層形成工程(S1))
図2(a)に示すように、セラミックス基板11の一方の面に、回路層12のうちの回路層用アルミニウム層21となるアルミニウム板21aをろう材41を介して積層し、他方の面に金属層13のうちの金属層用アルミニウム層31となるアルミニウム板31aをろう材41を介して積層する。ろう材41は、Al‐Si系合金等のろう材を箔の形態で用いるとよい。そして、これらの積層体を積層方向に加圧した状態で加熱することにより接合して、セラミックス基板11の一方の面(上面)に回路層用アルミニウム層21を形成するとともに、セラミックス基板11の他方の面(下面)に金属層用アルミニウム層31を形成して、図2(b)に示すように、セラミックス基板11と回路層用アルミニウム層21と金属層用アルミニウム層31とを一体に形成する。
なお、この場合の加圧力としては例えば0.3MPa、加熱温度としては例えば640℃とされる。
(銅層形成工程(S2))
次に、図2(b)に示すように、回路層用アルミニウム層21のセラミックス基板11とは反対の面(上面)に、回路層用銅層22となる銅板22aを積層し、金属層アルミニウム層31のセラミックス基板11とは反対の面(下面)に、金属層用銅層32となる銅板32aを積層する。そして、これらの積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱することにより固相拡散接合して、回路層用アルミニウム層21の上面に回路層用銅層22を形成することにより回路層12が形成されるとともに、金属層用アルミニウム層31の下面に金属層用銅層32を形成することにより金属層13が形成され、図2(c)に示すように、セラミックス基板11に回路層12と金属層13とが接合された積層基板10が得られる。
なお、この場合の加圧力としては例えば0.8MPa、加熱温度としては例えば540℃とされる。
(マスキング工程(S3))
図2(c)に示すように、積層基板10の回路層12の表面に、所望形状のレジスト被膜51を形成するとともに、金属層13の表面に、所望形状のレジスト被膜51を形成する。具体的には、エッチングレジストインキを回路層12と金属層13との各表面に塗布し、紫外線を照射してレジスト被膜51を形成する。この際、回路パターン形成領域を除く部分を残してエッチングレジストインキを塗布してレジスト被膜51を形成することにより、回路パターン形成領域を除く部分にエッチング液を回路層12に接触させるための溝52を形成してパターニングを行う。
(エッチング工程(S4))
エッチング工程では、レジスト被膜51が形成されていない回路層12のレジスト被膜51から露出した部分(溝52により露出した部分)にエッチング液を接触させることにより、図2(d)に示すように、レジスト被膜51に形成された溝52に沿って回路層用銅層22と回路層用アルミニウム層21とをエッチング(除去)して、回路層12に回路パターンを形成する。エッチング液は、塩化鉄(III)とアルミニウムとが含有された酸性溶液であり、このように、塩化鉄(III)以外にアルミニウムが5g/L以上10g/L以下の濃度で含有された酸性溶液のエッチング液を用いて回路層12のエッチングをすることで、アルミニウムに対して高い腐食性を有する塩化鉄(III)を含有する酸性溶液を使用した場合と比べて、アルミニウムの溶出を低く抑えることができる。つまり、銅よりもイオン化傾向の大きいアルミニウムは、銅よりもエッチングされやすいが、予めエッチング液中にアルミニウムを溶出させておくことで、アルミニウムの溶出を抑制して、アルミニウムのエッチングレートを銅のエッチングレートと同程度にすることができる。したがって、回路層銅層22のエッチングレートと回路層用アルミニウム層21のエッチングレートとを揃えることができ、回路層用銅層22のエッチング溝24の溝幅と回路層用アルミニウム層21のエッチング溝23の溝幅との差が小さく抑えられる。
なお、エッチング液としては、エッチング液に含有される塩化鉄(III)の濃度が1.4mol/L以上1.7mol/L以下、pHが2.0以下とされるものを好適に用いることができる。なお、塩化鉄(III)の濃度は、アルミニウムを溶解させる前の濃度である。
塩化鉄(III)の濃度とpHとが上記範囲で含有されたエッチング液を用いてエッチング工程を行うことで、回路層用銅層22と回路層用アルミニウム層21とのエッチングレートを揃えることができ、所望の回路パターンを良好に形成できる。具体的には、エッチング液は、例えば塩酸を添加することで酸性に調整でき、塩酸を使用する場合は、pHが2.0以下となるようエッチング液に添加するとよい。
また、エッチング方法としては、エッチング液をスプレーする方法や、積層基板をエッチング液中に浸漬させる方法のいずれも使用できる。また、例えば、塩酸を含有するエッチング液をスプレーしてエッチングを行う場合は、エッチング液の温度を45℃以上60℃以下、スプレー圧を0.05MPa以上0.15MPa以下に保持して行うとよい。
(マスキング剥離工程(S5))
最後に、図2(e)に示すように、回路層12と金属層13の表面からレジスト被膜51を水酸化ナトリウム溶液で剥離して除去する。これにより、回路層12に回路パターンが形成されたパワーモジュール用基板101が得られる。
そして、このようにして製造されたパワーモジュール用基板101に、図1に示すように、金属層13の下面にヒートシンク71が接合され、回路層12の上面に半導体素子61がはんだ付けによって接合されて、パワーモジュールが製造される。
このようにして製造されるパワーモジュール用基板101では、回路層12の回路層用銅層22のエッチング溝24の溝幅と、回路層用アルミニウム層21のエッチング溝23の溝幅とが同程度に形成されている。このように、本実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法によれば、回路層12の端部に、回路層用銅層22が回路層用アルミニウム層21よりも外方に突出した鋭角形状が形成されることを抑制できる。したがって、回路層12の端部への電界集中を回避でき、部分放電発生の開始電圧を高くでき、耐電圧特性に優れたパワーモジュール用基板101を製造できる。
次に、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
厚さ1mmのAlNからなるセラミックス基板と、厚さ0.4mmの4N‐Alからなる回路層用アルミニウム層と、厚さ0.2mmの無酸素銅からなる回路層用銅層と、厚さ0.4mmの4N‐Alからなる金属層用アルミニウム層と、厚さ0.2mmの無酸素銅からなる金属層用銅層とが積層された積層基板を用意し、発明例1〜7と比較例1,2のパワーモジュール用基板を作製した。なお、各部材の平面サイズは、セラミックス基板が50mm×60mm、回路層用アルミニウム層及び回路層用銅層が46mm×56mm、金属層用アルミニウム層及び金属層用銅層が46mm×56mmとした。また、セラミックス基板と回路層用アルミニウム層及び金属層用アルミニウム層とは、Al‐Si系合金のろう材を用いて接合し(アルミニウム層形成工程)、回路層用アルミニウム層と回路層用銅層及び、金属層用アルミニウム層と金属層用銅層とは、固相拡散接合により接合した(銅層形成工程)。
各積層基板の回路層の表面を、エッチング液を回路層に接触させるための溝(溝幅1mm)を残してレジスト被膜で被覆してパターニングを行い(マスキング工程)、表1に示す条件のエッチング液をスプレーして、回路層用銅層のエッチング溝の溝幅が1mmに到達するまでエッチングを行った後(エッチング工程)、レジスト被膜を水酸化ナトリウム溶液で剥離して(マスキング剥離工程)、パワーモジュール用基板を作製した。
なお、エッチング液は、塩化鉄(III)濃度が37wt%と6.2wt%塩酸との混合液を、表1記載の塩化鉄(III)濃度となるよう、水で希釈し、アルミニウム板を溶解させ、表1記載のアルミニウム濃度となるように調製した。なお、アルミニウム濃度は、アルミニウム板の溶解前後の重量より算出した。また、エッチング液のpHは2.0以下とした。エッチング液の温度は55℃とし、スプレー圧は0.01MPaとした。
そして、耐電特性の評価として、得られた各パワーモジュール用基板を絶縁油(3M社製、フロリナートFC‐770)に浸漬して、5秒間で0.5kV昇圧し、その後、30秒保持するサイクルを繰り返し、保持中に放電電荷量が10pCを超した時の電圧を部分放電開始電圧とした。
表1に結果を示す。
表1の結果からわかるように、塩化鉄(III)とアルミニウムを5g/L以上10g/L以下の濃度で含有する酸性溶液のエッチング液を用いてエッチングを行うことにより、部分放電開始電圧を比較例1,2と比べて3kV以上高くでき、耐電圧特性に優れたパワーモジュール用基板を製造できる。
なお、アルミニウムの濃度が10g/L以上であるエッチング液を用いた比較例2では、銅の突出量は小さくできるものの、スラッジ等が堆積し、部分放電開始電圧が低くなり、耐電圧特性が悪化した。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
10 積層基板
11 セラミックス基板
12 回路層
13 金属層
21 回路層用アルミニウム層
21a,31a アルミニウム板
22 回路層用銅層
22a,32a 銅板
23,24 エッチング溝
31 金属層用アルミニウム層
32 金属層用銅層
41 ろう材
51 レジスト被膜
52 溝
61 半導体素子
71 ヒートシンク
101 パワーモジュール用基板

Claims (2)

  1. 絶縁層の一方の面に接合されたアルミニウム層と該アルミニウム層の前記絶縁層とは反対の面に接合された銅層とを有する回路層にエッチングを施して、前記回路層に回路パターンが形成されたパワーモジュール用基板を製造する方法であって、
    前記回路層の回路パターン形成領域にレジスト被膜を形成するマスキング工程と、
    前記レジスト被膜が形成された前記回路層の前記レジスト被膜が形成されていない部分にエッチング液を接触させることにより前記回路層に前記回路パターンを形成するエッチング工程とを有し、
    前記エッチング液は、塩化鉄(III)とアルミニウムとが含有された酸性溶液であり、前記アルミニウムの濃度が5g/L以上10g/L以下であることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  2. 前記エッチング液に含有される前記塩化鉄(III)の濃度が1.4mol/L以上1.7mol/L以下、pHが2.0以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
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