JP6540540B2 - パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents
パワーモジュール用基板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6540540B2 JP6540540B2 JP2016033159A JP2016033159A JP6540540B2 JP 6540540 B2 JP6540540 B2 JP 6540540B2 JP 2016033159 A JP2016033159 A JP 2016033159A JP 2016033159 A JP2016033159 A JP 2016033159A JP 6540540 B2 JP6540540 B2 JP 6540540B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- aluminum
- circuit
- copper
- circuit layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
Description
なお、エッチング液のアルミニウム濃度が5g/L未満の場合、アルミニウムの溶出を低く抑える効果を奏することができない。また、エッチング液のアルミニウム濃度が10g/Lを超えた場合、回路層に銅層が外方に突出した鋭角形状が形成されることを抑制できるが、スラッジ等が堆積し、部分放電の発生電圧が低くなり、耐電圧特性が悪化する。
図1は、本発明に係る実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法により製造されるパワーモジュール用基板を示している。この図1に示すパワーモジュール基板101は、セラミックス基板11(絶縁層)と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に接合された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に接合された金属層13とを備える。そして、このパワーモジュール用基板101の回路層12の表面に半導体素子61がはんだ付けされ、金属層13の表面にヒートシンク51が接合されることにより、パワーモジュールが製造される。
以下、これらの回路層12と金属層13とを区別するために、回路層12を構成するアルミニウム層21を回路層用アルミニウム層、銅層22を回路層用銅層とし、金属層13を構成するアルミニウム層31を金属層用アルミニウム層、銅層32を金属層用銅層とする。
また、回路層用銅層22は、回路層用アルミニウム層21のセラミックス基板11とは反対の面(図1において上面)に、純銅又は銅合金からなる銅板が接合されることにより形成されており、本実施形態においては、回路層用銅層22は、無酸素銅の圧延板からなる銅板が回路層用アルミニウム層21に固相拡散接合されることにより形成されている。
そして、回路層用アルミニウム層21の厚さは0.1mm以上1mm以下、回路層用銅層22の厚さは0.05mm以上0.5mm以下の範囲に設けられる。
また、金属層用銅層32は、純銅又は銅合金からなる銅板が、金属層用アルミニウム層31の他方の面(図1において下面)に接合されることにより形成されており、本実施形態においては、金属層用銅層32は、無酸素銅からなる銅板が金属層用アルミニウム層31に固相拡散接合されることにより形成されている。
そして、金属層用アルミニウム層31の厚さは0.1mm以上1mm以下、金属層用銅層32に厚さは0.05mm以上0.5mm以下の範囲に設けられる。
図2(a)に示すように、セラミックス基板11の一方の面に、回路層12のうちの回路層用アルミニウム層21となるアルミニウム板21aをろう材41を介して積層し、他方の面に金属層13のうちの金属層用アルミニウム層31となるアルミニウム板31aをろう材41を介して積層する。ろう材41は、Al‐Si系合金等のろう材を箔の形態で用いるとよい。そして、これらの積層体を積層方向に加圧した状態で加熱することにより接合して、セラミックス基板11の一方の面(上面)に回路層用アルミニウム層21を形成するとともに、セラミックス基板11の他方の面(下面)に金属層用アルミニウム層31を形成して、図2(b)に示すように、セラミックス基板11と回路層用アルミニウム層21と金属層用アルミニウム層31とを一体に形成する。
なお、この場合の加圧力としては例えば0.3MPa、加熱温度としては例えば640℃とされる。
次に、図2(b)に示すように、回路層用アルミニウム層21のセラミックス基板11とは反対の面(上面)に、回路層用銅層22となる銅板22aを積層し、金属層アルミニウム層31のセラミックス基板11とは反対の面(下面)に、金属層用銅層32となる銅板32aを積層する。そして、これらの積層体をその積層方向に加圧した状態で加熱することにより固相拡散接合して、回路層用アルミニウム層21の上面に回路層用銅層22を形成することにより回路層12が形成されるとともに、金属層用アルミニウム層31の下面に金属層用銅層32を形成することにより金属層13が形成され、図2(c)に示すように、セラミックス基板11に回路層12と金属層13とが接合された積層基板10が得られる。
なお、この場合の加圧力としては例えば0.8MPa、加熱温度としては例えば540℃とされる。
図2(c)に示すように、積層基板10の回路層12の表面に、所望形状のレジスト被膜51を形成するとともに、金属層13の表面に、所望形状のレジスト被膜51を形成する。具体的には、エッチングレジストインキを回路層12と金属層13との各表面に塗布し、紫外線を照射してレジスト被膜51を形成する。この際、回路パターン形成領域を除く部分を残してエッチングレジストインキを塗布してレジスト被膜51を形成することにより、回路パターン形成領域を除く部分にエッチング液を回路層12に接触させるための溝52を形成してパターニングを行う。
エッチング工程では、レジスト被膜51が形成されていない回路層12のレジスト被膜51から露出した部分(溝52により露出した部分)にエッチング液を接触させることにより、図2(d)に示すように、レジスト被膜51に形成された溝52に沿って回路層用銅層22と回路層用アルミニウム層21とをエッチング(除去)して、回路層12に回路パターンを形成する。エッチング液は、塩化鉄(III)とアルミニウムとが含有された酸性溶液であり、このように、塩化鉄(III)以外にアルミニウムが5g/L以上10g/L以下の濃度で含有された酸性溶液のエッチング液を用いて回路層12のエッチングをすることで、アルミニウムに対して高い腐食性を有する塩化鉄(III)を含有する酸性溶液を使用した場合と比べて、アルミニウムの溶出を低く抑えることができる。つまり、銅よりもイオン化傾向の大きいアルミニウムは、銅よりもエッチングされやすいが、予めエッチング液中にアルミニウムを溶出させておくことで、アルミニウムの溶出を抑制して、アルミニウムのエッチングレートを銅のエッチングレートと同程度にすることができる。したがって、回路層銅層22のエッチングレートと回路層用アルミニウム層21のエッチングレートとを揃えることができ、回路層用銅層22のエッチング溝24の溝幅と回路層用アルミニウム層21のエッチング溝23の溝幅との差が小さく抑えられる。
塩化鉄(III)の濃度とpHとが上記範囲で含有されたエッチング液を用いてエッチング工程を行うことで、回路層用銅層22と回路層用アルミニウム層21とのエッチングレートを揃えることができ、所望の回路パターンを良好に形成できる。具体的には、エッチング液は、例えば塩酸を添加することで酸性に調整でき、塩酸を使用する場合は、pHが2.0以下となるようエッチング液に添加するとよい。
最後に、図2(e)に示すように、回路層12と金属層13の表面からレジスト被膜51を水酸化ナトリウム溶液で剥離して除去する。これにより、回路層12に回路パターンが形成されたパワーモジュール用基板101が得られる。
厚さ1mmのAlNからなるセラミックス基板と、厚さ0.4mmの4N‐Alからなる回路層用アルミニウム層と、厚さ0.2mmの無酸素銅からなる回路層用銅層と、厚さ0.4mmの4N‐Alからなる金属層用アルミニウム層と、厚さ0.2mmの無酸素銅からなる金属層用銅層とが積層された積層基板を用意し、発明例1〜7と比較例1,2のパワーモジュール用基板を作製した。なお、各部材の平面サイズは、セラミックス基板が50mm×60mm、回路層用アルミニウム層及び回路層用銅層が46mm×56mm、金属層用アルミニウム層及び金属層用銅層が46mm×56mmとした。また、セラミックス基板と回路層用アルミニウム層及び金属層用アルミニウム層とは、Al‐Si系合金のろう材を用いて接合し(アルミニウム層形成工程)、回路層用アルミニウム層と回路層用銅層及び、金属層用アルミニウム層と金属層用銅層とは、固相拡散接合により接合した(銅層形成工程)。
表1に結果を示す。
なお、アルミニウムの濃度が10g/L以上であるエッチング液を用いた比較例2では、銅の突出量は小さくできるものの、スラッジ等が堆積し、部分放電開始電圧が低くなり、耐電圧特性が悪化した。
11 セラミックス基板
12 回路層
13 金属層
21 回路層用アルミニウム層
21a,31a アルミニウム板
22 回路層用銅層
22a,32a 銅板
23,24 エッチング溝
31 金属層用アルミニウム層
32 金属層用銅層
41 ろう材
51 レジスト被膜
52 溝
61 半導体素子
71 ヒートシンク
101 パワーモジュール用基板
Claims (2)
- 絶縁層の一方の面に接合されたアルミニウム層と該アルミニウム層の前記絶縁層とは反対の面に接合された銅層とを有する回路層にエッチングを施して、前記回路層に回路パターンが形成されたパワーモジュール用基板を製造する方法であって、
前記回路層の回路パターン形成領域にレジスト被膜を形成するマスキング工程と、
前記レジスト被膜が形成された前記回路層の前記レジスト被膜が形成されていない部分にエッチング液を接触させることにより前記回路層に前記回路パターンを形成するエッチング工程とを有し、
前記エッチング液は、塩化鉄(III)とアルミニウムとが含有された酸性溶液であり、前記アルミニウムの濃度が5g/L以上10g/L以下であることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。 - 前記エッチング液に含有される前記塩化鉄(III)の濃度が1.4mol/L以上1.7mol/L以下、pHが2.0以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016033159A JP6540540B2 (ja) | 2016-02-24 | 2016-02-24 | パワーモジュール用基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016033159A JP6540540B2 (ja) | 2016-02-24 | 2016-02-24 | パワーモジュール用基板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017152527A JP2017152527A (ja) | 2017-08-31 |
JP6540540B2 true JP6540540B2 (ja) | 2019-07-10 |
Family
ID=59742084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016033159A Active JP6540540B2 (ja) | 2016-02-24 | 2016-02-24 | パワーモジュール用基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6540540B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03240290A (ja) * | 1990-02-19 | 1991-10-25 | Fujikura Ltd | ファイン回路製作用材料 |
JPH06120631A (ja) * | 1992-10-07 | 1994-04-28 | Mitsubishi Materials Corp | 回路基板の積層構造および回路パターンの形成方法 |
CN101952484B (zh) * | 2008-02-12 | 2014-05-07 | 三菱制纸株式会社 | 蚀刻方法 |
JP2009235438A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Toagosei Co Ltd | エッチング液、該エッチング液を用いたエッチング方法および被エッチング基板 |
JP2011253856A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-15 | Jx Nippon Mining & Metals Corp | プリント配線板用回路基板の形成方法 |
JP2012209392A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Fujifilm Corp | パターン状金属膜を有する積層体の製造方法、被めっき層形成用組成物 |
JP6149654B2 (ja) * | 2013-09-27 | 2017-06-21 | 三菱マテリアル株式会社 | パワーモジュール用基板の製造方法 |
-
2016
- 2016-02-24 JP JP2016033159A patent/JP6540540B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017152527A (ja) | 2017-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102387227B1 (ko) | 금속/세라믹 회로 기판 제조 방법 | |
US10937715B2 (en) | Substrate for power module, collective substrate for power modules, and method for manufacturing substrate for power module | |
TWI713746B (zh) | 功率模組用基板 | |
JP2011139008A (ja) | 熱と電気の伝導経路を分離させたチップオンボード用金属基板構造 | |
JP2010093225A (ja) | ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びその製造方法、並びに、ヒートシンク付パワーモジュール、パワーモジュール用基板 | |
JP5183294B2 (ja) | 焼結されたパワー半導体基板並びにそのための製造方法 | |
KR101939864B1 (ko) | 캐리어 장치, 캐리어 장치를 포함하는 전기 장치 및 이들의 제조 방법 | |
CN109561585A (zh) | 陶瓷基线路板制备工艺 | |
WO2016056203A1 (ja) | 金属-セラミックス回路基板およびその製造方法 | |
JP6146242B2 (ja) | パワーモジュール用基板の製造方法 | |
US9231167B2 (en) | Insulation structure for high temperature conditions and manufacturing method thereof | |
JP2012234857A (ja) | セラミックス回路基板及びそれを用いたモジュール | |
JP6540540B2 (ja) | パワーモジュール用基板の製造方法 | |
JP6904094B2 (ja) | 絶縁回路基板の製造方法 | |
KR101118846B1 (ko) | 방열 기판 및 이의 제조 방법 | |
WO2016013651A1 (ja) | ろう材及びこれを用いたセラミック基板 | |
WO2023047765A1 (ja) | 金属-セラミックス接合基板およびその製造方法 | |
JP6578987B2 (ja) | パワーモジュール用基板の製造方法 | |
JP6067135B1 (ja) | プリント基板とその製造方法 | |
JP2006286754A (ja) | 金属−セラミックス接合基板 | |
JP6264129B2 (ja) | パワーモジュール用基板及びその製造方法 | |
JP2007281219A (ja) | セラミックス回路基板およびその製造方法 | |
US20110232950A1 (en) | Substrate and method for manufacturing the same | |
JP2020155639A (ja) | モジュールおよびその製造方法 | |
JP2010278172A (ja) | 多数個取り回路基板、回路基板、及びそれを用いたモジュール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180926 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190426 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190514 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190527 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6540540 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |