JP2017150026A - 熱間鍛造性に優れた高強度高耐食性Ni基合金 - Google Patents

熱間鍛造性に優れた高強度高耐食性Ni基合金 Download PDF

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Abstract

【課題】熱間鍛造性に優れた高強度高耐食性Ni基合金であって、石油掘削用部材として好適なNi基合金を提供すること。【解決手段】質量%で、Cr:42.1〜45.5%、Nb:0.5〜2.5%、Ti: 1.2〜2.0%、Mg:0.0001〜0.0090%、N:0.001〜0.040%、Mn:0.01〜0.50%、Si:0.001〜0.050%、Fe:0.01〜1.00%、Co:0.01%〜2.50%、Cu:0.001%以上0.500%未満、Al:0.001〜0.050%、V:0.005%以上0.100%未満、B:0.0001〜0.0100%、Zr:0.001〜0.050%を含有し、残りがNiおよび不可避不純物からなり、好ましくは、Mo:0.1〜1.5%、W:0.1〜1.5%、Ca:0.001%以上0.050%未満、Ta:0.001%以上0.050%未満のうちのいずれかをさらに含有する、石油掘削用部材として好適な熱間鍛造性に優れた高強度高耐食性Ni基合金。【選択図】 なし

Description

この発明は、石油や天然ガスを掘削するための部材、特に、地下数千メートルにおける大深度において、非常に高い圧力となり、また、硫化水素や塩化物を含む200℃付近となる高温腐食環境で、高強度および高耐食性が要求される部材であって、比較的大型形状を形成するに適した熱間鍛造性に優れた高強度高耐食性Ni基合金に関する。
従来、石油や天然ガスを掘削するための材料では、主に高強度(特に、0.2%耐力)が求められている。こうしたニーズに応えるための材料としては、UNS N07718(インコネル718(登録商標)に相当)と呼ばれるNi合金(特許文献1参照:Age−hardenable nickel alloy))が最も多く用いられている。
ここで、「UNS」は、SAE HS−1086とASTM DS−566に規定された「Unified Numbering System」のことであり、N07718はこれに登録された合金固有の番号である。なお、以下で「UNS」で示す合金についても同様である。
この合金の公称組成は、質量%で、Ni−19Cr−3Mo−5(Nb+Ta)−0.9Ti−0.5Al−19Feであって、時効熱処理による析出強化合金であり、時効熱処理による析出強化によって、100φ程度の丸棒は最大1,140MPa(但し、0.2%耐力)を得ることができる。
一方、前記UNS N07718は耐食性が劣るため、耐食性を向上させた合金がUNS N07725(インコネル725(登録商標)に相当)と呼ばれるNi合金(特許文献2参照:Corrosion resistant high−strength nickel−base alloy)である。
この合金の公称組成は、質量%で、Ni−21Cr−9Mo−3.3Nb−1.5Tiであって、時効熱処理による析出強化合金である。
前記UNS N07725の耐食性は、UNS N07718のそれよりも優れるが、その一方、0.2%耐力が965MPaであり、UNS N07718よりも劣る。
そこで、0.2%耐力を更に向上させるために、熱処理によってこの合金の0.2%耐力を向上させる研究もなれており、例えば、特許文献3により提案されている方法では、冷間加工をしない熱処理のみで、UNS N07718と同等といえる最大1,186MPaまで強度(但し、0.2%耐力)を向上させることに成功している。
また、近年、UNS N07022(ハステロイC−22HS(登録商標)に相当)と呼ばれる高強度耐食性合金(特許文献4参照)が開発されている。この合金の公称組成は、質量%でNi−21Cr−17Moであり、時効熱処理による析出強化合金である。
この合金は、耐食性が著しく向上しており、UNS N07725よりも優れる。また、冷間加工に加え時効熱処理を施すことによって、0.2%耐力を格段に向上させることができる。この効果を利用した合金が、UNS N07022で、時効熱処理のみでは、0.2%耐力は742MPa程度であるが、冷間加工に加え時効熱処理することにより、1,370MPaにまで0.2%耐力が強化される。
なお、耐食性に優れたNi基合金として、質量%で、Cr:40超〜50%、Ti:0.8超〜4%、Cu:0.5〜4%、N:0.001〜0.04%、Mn:0.05〜0.5%、Mg:0.001〜0.05%、Fe:0.1超〜1.0%、Si:0.01〜2.0%未満、Al:0.01〜1.5%未満を含有し、さらに必要に応じて(a)Nb:0.5〜3%およびTa:0.5〜3%の内の1種または2種、(b)Mo:0.1〜1%、W:0.1〜1%の内の1種または2種、上記(a)〜(b)の内の1種または2種以上を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなり、不可避不純物として含まれるC量を0.05%以下に調整した成分組成を有するNi−Cr−Ti−Cu系のNi基合金が提案されており、従来のNi基合金とほぼ同等の硬さを有すること、フッ化水素や硫黄化合物を含むガスに対する耐食性が優れているため、このNi基合金を、フッ素樹脂やPPS樹脂の金型成形材料として使用した場合、フッ化水素や硫黄化合物を含むガスに対するすぐれた耐食性を備えるため、金型の消耗を低く抑えることができるとされている。
米国特許第3,046,108号明細書 米国特許第4,788,036号明細書 米国特許第6,315,846号明細書 特開2005−82892号公報 特許第5234329号公報
近年、原油や天然ガスの枯渇が進む中、新しい油井を深海かつ大深度地下に求めた資源開発が進められている。こうした状況下では、掘削部材には耐食性に加え、更なる高強度、特に0.2%耐力の高い合金が求められている。
耐食性については、UNS N07718を超えるレベルであれば問題ないとされ、必要以上の耐食性向上は求められていないが、特に、塩化物に対する耐孔食性が求められている。
また、掘削部材内部に組み込まれた部品とのクリアランスを維持するために、部材本体は0.2%耐力が高い合金が必要とされる。単純に冷間加工を加えるだけでも、加工硬化により0.2%耐力は向上し、また、加工硬化に時効熱処理を組み合わせることで、0.2%耐力の大幅な向上は可能である。
しかし、掘削部材用の素材は、最大で300mmφ程度の大径の丸棒が求められているところ、大径丸棒を0.2%耐力向上に見合うほど冷間加工をすることは、工業的に現実的ではない。実際に、耐食性に優れるとされているUNS N07022の冷間加工+時効熱処理品は、肉厚の薄いパイプに限定されている。
掘削部材用の素材は、例えば300mmφ×3000mm程度の丸棒の内面を機械加工により、単純な穴をあけるのではなく、内側にねじ山を形成したり、更に、傾斜的に肉厚を変えるなどの複雑形状の付与が要求される。そのため、素材の機械加工は、時効によって硬化させる前に実施される。時効による0.2%耐力のアップは、同時に硬さアップをもたらし、時効した状態では硬すぎて機械加工が困難となるからである。時効前の状態では、ビッカース硬さは、ステンレス鋼程度の200HV前後が好ましい。
一旦、大深度の油井掘削に投入された掘削部材は、油井中での故障は許されない。故障の程度によっては、途中まで掘り進めた油井の放棄につながる損害をもたらすことがあるからである。そのため、部材外郭の素材の大径丸棒は鋳造ではなく、鍛造品でなければならない。大径丸棒の鋳造品では、引け巣などの鋳造欠陥を完全になくすことは難しく、かつ偏析などにより均一性に欠けることから、信頼性に欠けるからである。
以上述べたように、掘削用部材に適した材料としては、以下に述べるような要求に適う熱間鍛造性にすぐれ、かつ、高強度、高耐食性を備えるNi基合金が求められている。
耐食性は従来材であるUNS N07718を超え、UNS N07725に匹敵するものであること。
冷間加工を伴わず時効熱処理のみによって、UNS N07718を超える0.2%耐力を有すること。
機械加工に供するため、時効熱処理前は硬度がステンレス鋼並であること。
高温での熱間鍛造性が優れており、大型部材成形が可能であること。
しかし、前記特許文献1〜5に示した従来合金では上記の要求に対して、十分に満足できるものではなかった。
すなわち、特許文献1で提案されたUNS N07718は、耐食性が不足するとともに、0.2%耐力が十分ではなく、特許文献2、3で提案されたUNS N07725は、耐食性は問題ないものの、0.2%耐力が十分ではなく、特許文献4で提案されたUNS N07022は、耐食性は問題ないものの、時効熱処理のみでは0.2%耐力は不十分であり、特許文献5で提案されたNi−Cr−Ti−Cu系のNi基合金では、耐食性を備えるものの、0.2%耐力、熱間鍛造性が十分でなく、大型部材としての成形が困難である。
そこで、本発明者は、かかる課題を解決し、従来よりも一層優れた熱間鍛造性・高強度・耐食性を相兼ね備えるNi基合金を開発すべく研究を行った結果、質量%で、Cr:42.1〜45.5%、Nb:0.5〜2.5%、Ti:1.2〜2.0%、Mg:0.0001〜0.0090%、N:0.001〜0.040%、Mn:0.01〜0.50%、Si:0.001〜0.050%、Fe:0.01〜1.00%、Co:0.01〜2.50%、Cu:0.001%以上0.500%未満、Al:0.001〜0.050%、V:0.005%以上0.100%未満、B:0.0001〜0.0100%、Zr:0.001〜0.050%を含有し、さらに必要に応じて、(a)Mo: 0.1〜1.5%、W:0.1〜1.5%のうち少なくとも1種、(b)Ca:0.001%以上0.050%未満、(c)Ta:0.001%以上0.050%未満、前記(a)〜(c)の内の1種または2種以上を含み、残りがNiおよび不可避不純物からなるNi基合金は、熱間鍛造性及び耐食性がともに優れ、かつ、高強度を有するという知見を得たのである。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 質量%で、
Cr: 42.1〜45.5%、
Nb: 0.5〜2.5%、
Ti: 1.2〜2.0%、
Mg: 0.0001〜0.0090%、
N : 0.001〜0.040%、
Mn: 0.01〜0.50%、
Si: 0.001〜0.050%、
Fe: 0.01〜1.00%、
Co: 0.01〜2.50%、
Cu: 0.001%以上0.500%未満、
Al: 0.001〜0.05%、
V : 0.005%以上0.100%未満、
B : 0.0001〜0.0100%、
Zr: 0.001〜0.050%を含有し、
残りがNiおよび不可避不純物からなることを特徴とする熱間鍛造性に優れた高強度・高耐食性Ni基合金。
(2) 質量%で、
Mo: 0.1〜1.5%及び
W : 0.1〜1.5%の1種または2種、
をさらに含有することを特徴とする前記(1)に記載の熱間鍛造性に優れた高強度・高耐食性Ni基合金。
(3) 質量%で、
Ca: 0.001%以上0.050%未満、
をさらに含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の熱間鍛造性に優れた高強度・高耐食性Ni基合金。
(4) 質量%で、
Ta: 0.001%以上0.050%未満、
をさらに含有することを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の熱間鍛造性に優れた高強度・高耐食性Ni基合金。
(5) 前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の熱間鍛造性に優れた高強度・高耐食性Ni基合金により構成されたことを特徴とする石油掘削用部材。」
を特徴とするものである。
次に、この発明のNi基合金の各成分元素の組成範囲限定理由について詳述する。
Cr:
Crは、海水起源の塩化物を含有する油井環境における耐食性、特に耐孔食性を向上させる効果がある。耐孔食性を評価する指標として、PRE(孔食指数)が良く知られており、また、PREが高いほど、耐孔食性が優れることが知られている。
例えば、表12に示すように、従来Ni基合金1〜3のPREは、それぞれ、約31、39及び48である。
なお、従来Ni基合金1はUNS N07718に、従来Ni基合金2はUNS N07725に、また、従来Ni基合金3はUNS N07022に、それぞれ相当する成分組成を有するNi基合金である。
したがって、本発明のNi基合金では、UNS N07718(従来Ni基合金1)のPRE(孔食指数)である31を少なくとも超えることが求められる。また、Ni基合金の耐食性に関しては、UNS N07725(従来Ni基合金2)で十分に改善されているといえるから、UNS N07725(従来Ni基合金2)のPRE(孔食指数)である約39付近であれば十分な耐孔食性を有するといえる。
そして、PRE(孔食指数)を本発明合金の主成分であるCrだけで補うとすれば、40%含有されることが最低限必要となる。
一方、時効熱処理による0.2%耐力の向上をもたらすためには、本発明の合金系であるNi−Cr−Nb−Ti系において、α−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の役割が重要となる。
これら析出相の効果はそれぞれ等価ではなく、これら析出相が同時に所定の範囲で含有されていないと効果がないことを見いだしている。
これら析出相のうち、α−Cr相の構成する主成分となるのがCrである。
本発明のNi基合金の0.2%耐力については、UNS N07718(従来Ni基合金1)やUNS N07725(従来Ni基合金2)を超える1,200MPa以上が望まれる。
所望の0.2%耐力を得るためには、それに応じた必要量のα−Cr相を確保する必要があり、Crは42.1質量%(以下、「質量%」を、単に、「%」と記す。)以上含有することが必要となる。
しかし、45.5%を超えて含有するとNbやTiとの組み合わせにおいて、熱間鍛造性の低下を招くとともに、時効前の溶体化熱処理状態での硬度が高まり、機械加工性が劣化する。
したがって、Cr含有量を42.1%〜45.5%としたが、好ましいCrの上限は45.0%であり、さらに好ましくは、44.6%である。また、好ましいCrの下限は、43.1%であり、さらに好ましくは43.5%である。
なお、耐孔食性の指標である前記PRE(孔食指数)については、「A corrosion management and applications engineering magazinefrom Outokumpu|2−2012」の第9頁にも記載されているように幾つかの経験式が知られているが、本発明では、
PRE(孔食指数)=[%Cr]+1.5×([%Mo]+[%W]+[%Nb])+30×[%N])
で表される経験式を採用してPRE(孔食指数)を算出した。
Nb:
Nbは、本発明の合金系であるNi−Cr−Nb−Ti系において形成されるα−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相のうち、主にNiNb相の構成成分となる。
α−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の組み合わせによって、所望の高い0.2%耐力が得られるが、高い0.2%耐力を得るために必要とされるNiNb相を確保するために、Nbは0.5%以上含有することが必要である。
しかし、2.5%を超えて含有すると合金溶製時の著しい偏析をもたらし、著しい熱間鍛造性低下を招く。
したがって、Nb含有量を0.5%〜2.5%とした。
好ましいNbの上限は2.0%であり、さらに好ましくは、1.8%である。また、好ましいNbの下限は、0.8%であり、さらに好ましくは1.1%である。
なお、Nbは上述したPRE(孔食指数)の経験式もわかるとおり、耐孔食性を向上させる効果もある。
Ti:
Tiは、本発明の合金系であるNi−Cr−Nb−Ti系において形成されるα−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相のうち、主にNiTi相の構成成分となる。
α−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の組み合わせによって、所望の高い0.2%耐力が得られるが、その必要量のNiTi相を確保するために、Tiは1.2%以上含有することが必要である。
しかし、2%を超えて含有すると熱間鍛造性低下を招くとともに、時効前の溶体化熱処理状態での硬度が高まり、機械加工性が劣化する。
したがって、Ti含有量を1.2%〜2.0%とした。好ましいTiの上限は1.9%であり、さらに好ましくは、1.8%である。また、好ましいTiの下限は、1.3%であり、さらに好ましくは1.4%である。
N、MnおよびMg:
N、MnおよびMgを共存させることにより、1,100℃以下での熱間鍛造性を劣化させるα−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の生成を抑制することができる。
一方、上述した通り、本発明合金は、所望の0.2%耐力を得るためにα−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相を積極的に利用している。
しかし、これら析出相が熱間鍛造工程などの比較的短時間で一気に生成すると、製造中に割れが発生する原因となる。特に、そのインゴット形状が大きくなるに従いその影響は大きくなる。
したがって、熱間鍛造工程のような比較的短時間で、これらα−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相はできるだけ生成させないほうが良い。
N、MnおよびMgは母相であるγ−Ni相を安定化させ、CrおよびNb、Tiの固溶化を促進し、熱間鍛造工程のような比較的短時間にα−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の生成を抑制する効果がある。
その効果として、1,100℃を下回る温度領域でも変形抵抗の急激な増大や変形能の急激な低下をもたらすことなく、割れのない良好な熱間鍛造性を維持できる。
しかし、Nの含有量が0.001%未満では、α−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の生成を抑制する効果は無く、したがって1,100℃以下での熱間鍛造工程で過剰なこれら析出相の生成を許し、その結果として、熱間鍛造性の劣化がもたらされる。
一方、N含有量が0.040%を超えると、窒化物が短時間で形成し、高温加工性が劣化し部材への加工が困難となる。
したがって、Nの含有量を0.001%〜0.040%とした。好ましいNの上限は0.030%であり、さらに好ましくは、0.025%である。また、好ましいNの下限は、0.002%であり、さらに好ましくは0.004%である。
同様に、Mnの含有量が0.01%未満では、α−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の生成を抑制する効果は無く、したがって1,100℃以下での熱間鍛造性を劣化することとなり、一方、Mnの含有量が0.50%を超えると、α−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の生成を抑制する効果が過度になり、時効による0.2%耐力の向上を阻害する。
したがって、Mnの含有量は0.01%〜0.50%とした。好ましいMnの上限は0.30%であり、さらに好ましくは、0.25%である。また、好ましいMnの下限は、0.05%であり、さらに好ましくは0.08%である。
同様に、Mgの含有量が0.0001%未満では、α−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の生成を抑制する効果は無く、したがって、1,100℃以下での熱間鍛造性を劣化することとなる。
一方0.Mgの含有量が0.0090%を超えると、α−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の生成を抑制する効果が飽和する一方、粒界にMgが必要以上に濃縮し逆に熱間鍛造性が劣化する。
したがって、Mgの含有量は0.0001%〜0.0090%とした。好ましいMgの上限は0.0050%であり、さらに好ましくは、0.0045%である。また、好ましいMgの下限は、0.0002%であり、さらに好ましくは0.0004%である。
なお、これら3元素の効果はそれぞれ等価ではなく、3元素が同時に所定の範囲で含有されていないと効果がないことを見いだしている。
Si:
Siは、脱酸剤として添加することにより、酸化物を低減し、これにより、熱間鍛造性に関わる高温での変形能を向上させ、その結果、鍛造割れを抑制する効果がある。
その効果は、Siを0.001%以上含有することにより発揮されるが、0.050%を超えて含有すると、α−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の生成を促進し、熱間鍛造性における変形能を急激に低下させることで鍛造割れが発生し易くなるため、Si含有量を0.001〜0.050%とした。
好ましいSiの上限は0.040%であり、さらに好ましくは、0.030%である。また、好ましいSiの下限は、0.005%であり、さらに好ましくは0.008%である。
FeおよびCo:
FeおよびCoは、1,200℃以上の温度域での靭性を向上させることによって鍛造割れを防止する効果がある。
Feを0.01%以上含有することで、その効果を示すが、1%を超えて含有すると、逆に鍛造時の変形能を低下させるため、Fe含有量を0.01%〜1.00%とした。
好ましいFeの上限は0.90%であり、さらに好ましくは、0.80%である。また、好ましいFeの下限は、0.05%であり、さらに好ましくは0.10%である。
Feと同様に、Coを0.01%以上含有することで、その効果を示すが、2.50%を超えて含有すると時効熱処理前に溶体化熱処理状態での切削性が悪化するために好ましくない。 そこで、Co含有量を0.01%〜2.50%とした。
好ましいCoの上限は1.50%であり、さらに好ましくは、1.00%未満である。また、好ましいCoの下限は、0.08%であり、さらに好ましくは0.10%である。
Cu:
Cuは、α−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の生成を抑制する効果がある。
Cuを0.001%以上含有することで、その効果を示すが、0.500%以上含有すると、熱間鍛造性が劣化する傾向にあるため、Cu含有量を0.001%以上0.500%未満とした。
好ましいCuの上限は0.200%であり、さらに好ましくは、0.090%である。また、好ましいCuの下限は、0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。
Al:
Alは、NiTi相におけるTiをAlで置換することで、0.2%耐力が向上する効果がある。
Alを0.001%以上含有することで、その効果を示すが、0.050%を超えて含有すると、高温環境下での析出に関わる潜伏期間を短時間側にシフトさせることで、鍛造割れの可能性を高めるため好ましくない。そこで、Al含有量を0.001%〜0.050%とした。
好ましいAlの上限は0.040%であり、さらに好ましくは、0.035%である。また、好ましいAlの下限は、0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。
V:
Vは、高温領域において粗大α−Cr相の発生を抑制する効果がある。これによって、特に熱間鍛造性に関わる変形能を向上させ鍛造割れを抑止する。
Vを0.005%以上含有することで、その効果を示すが、0.100%以上含有すると、逆に高温での変形能低下をもたらし鍛造割れを抑止する効果がなくなるため、V含有量を0.005%以上0.100%未満とした。
好ましいVの上限は0.09%であり、さらに好ましくは、0.08%である。また、好ましいVの下限は、0.007%であり、さらに好ましくは0.010%である。
ZrおよびB:
ZrおよびBは、1,100℃以上の温度域での熱間鍛造性における変形能を向上させる効果がある。それによって、熱間鍛造における割れを抑制できる。
Bを0.0001%以上含有することで、その効果を示すが、0.0100%を超えて含有すると、逆に変形能を低下させ熱間鍛造における割れを誘発するため、B含有量を0.0001%〜0.0100%とした。
好ましいBの上限は0.0080%であり、さらに好ましくは、0.0050%である。また、好ましいBの下限は、0.0005%であり、さらに好ましくは0.0010%である。
Bと同様に、Zrを0.001%以上含有することで、その効果を示すが、0.050%を超えて含有すると、逆に変形能を低下させ熱間鍛造における割れを誘発するため、Zr含有量を0.001%〜0.050%とした。
好ましいZrの上限は0.040%であり、さらに好ましくは、0.030%である。また、好ましいZrの下限は、0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。
MoおよびW:
MoおよびWは、上述したPRE(孔食指数)の経験式もわかる通り、耐孔食性を向上させる効果があるので、必要に応じて添加する。
Moを0.1%以上含有することで、その効果を示すが、1.5%を超えて含有すると、熱間鍛造性が劣化する傾向にあるため、Mo含有量を0.1%〜1.5%とした。
好ましいMoの上限は1.2%であり、さらに好ましくは、1.0%未満である。また、好ましいMoの下限は、0.2%であり、さらに好ましくは0.3%である。
同様に、Wを0.1%以上含有することで、その効果を示すが、1.5%を超えて含有すると、熱間鍛造性が劣化する傾向にあるため、W含有量を0.1%〜1.5%とした。
好ましいWの上限は1.2%であり、さらに好ましくは、1.0%未満である。また、好ましいWの下限は、0.2%であり、さらに好ましくは0.3%である。
なお、MoとWを同時に添加する場合は、その合計が1.5%以下になるようにすることが好ましい。
Ca:
Caは、熱間鍛造性における変形能を向上させることにより鍛造割れを抑制する効果があるので、必要に応じて添加する。
Caを0.001%以上含有することで、その効果を示すが、0.050%以上含有すると、逆に変形能を低下させることにより鍛造割れを誘発するため、Ca含有量を0.001%以上0.050%未満とした。
好ましいCaの上限は0.020%であり、さらに好ましくは、0.010%である。また、好ましいCaの下限は、0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。
Ta:
Taは、900℃以下でα−Cr相、NiTi相およびNiNb相等の析出相の生成を抑制する効果があるので、大型形状で溶体化熱処理時の冷却過程が必ずしも急冷とならないような状態で、析出相の生成を抑制することにより、硬化を抑える。切削性を向上させたい場合に必要に応じて添加する。
Taを0.001%以上含有することで、効果を示すが、0.05%以上含有すると、逆に時効熱処理時に必要量の前記析出相が得られず、所望の0.2%耐力が得られないので、Ta含有量を0.001%以上0.05%未満とした。
好ましいTaの上限は0.030%であり、さらに好ましくは、0.010%である。また、好ましいTaの下限は、0.002%であり、さらに好ましくは0.003%である。
不可避不純物:
本発明のNi基合金の製造に際し、例えば、溶解原料から取り込まれる不可避不純物であるP,S,Sn,Zn,Pb,Cの含有は避けられない。
しかし、P:0.01%未満、S:0.01%未満、Sn:0.01%未満、Zn:0.01%未満、Pb:0.002%未満、C:0.01%未満であれば、本発明の合金特性をなんら損なうものではないから、前記不可避不純物成分元素の前記範囲内での含有は許容される。
上述のように、この発明のNi基合金は、特に0.2%耐力に優れ、耐食性は従来材と比較して同等以上であり、しかも、熱間鍛造性に優れることから、この発明のNi基合金を用いることによって、強度と耐食性を相併せ持った大型鍛造材の製造が可能となる。
したがって、この発明のNi基合金によれば、深海かつ大深度地下の掘削を可能とする強度と耐食性にすぐれた掘削用部材を提供することができ、産業上優れた効果を発揮するものである。
以下に、本発明の実施例について説明する。
通常の真空高周波溶解炉を用いて、所定の成分組成を有するNi基合金を溶解し、80mmφ×240mmの円筒状インゴットを約10kg溶製することによって、Ni基合金の溶製材を得た。
このインゴットを1,230℃で10時間均質化熱処理を施し、水冷することによって、表1〜3に示す本発明Ni基合金1〜46、また、表4、5に示す比較Ni基合金1〜26を作製した。
なお、鍛造試作に備え、端部は鋳造による引け巣があるため、引け巣部(上側から2kg程度)を切断除去した。
また、表面部の疵等の欠陥をグラインダー研磨によって除去した。
さらに、市販の時効熱処理品の丸棒を購入し、これを、表6に示す従来Ni基合金1〜3とした。なお、従来Ni基合金1は、UNS N07718に規定される合金に相当し、従来Ni基合金2は、UNS N07725に規定される合金に相当し、また、従来Ni基合金3は、UNS N07022に規定される合金に相当する。





1)熱間鍛造試作:
表1〜3に示す本発明Ni基合金1〜46、表4、5に示す比較Ni基合金1〜28については、前記工程で1,230℃×10時間の均質化熱処理を施し、これを水冷した後、引き続き、大気炉で1,230℃に加熱し、1時間保持後に炉から取り出し、900℃〜1,230℃の範囲にてタップで締めながらハンマーによる熱間鍛造を行った。
鍛造途中で所定の形状が得られる前に900℃を下回ってしまうので、その際には、1,230℃の炉にて再加熱し15分保持後に熱間鍛造に供した。
前記1,230℃の炉における再加熱+熱間鍛造を数回繰り返して、最終的にφ20mm×1,000mmの丸棒を3本成形した。
この間で著しい割れが生じた合金(以下、「鍛造割れ品」という)については、表10、表11中に、鍛造後の割れ「有」記録を残し、この先の評価には供しなかった。
熱間鍛造を支障なく行えた残りの合金については、1,230℃に30分間保持し、水冷することにより、それぞれ溶体化熱処理材とした。
2)溶体化処理材での硬さ比較:
表1〜3に示す本発明Ni基合金1〜46および表4、5に示す比較Ni基合金1〜28(鍛造割れ品は除く)のφ20mm丸棒(溶体化熱処理材)の端部から、凹凸の大きい最端部から10mmを除去し、そこからφ20mm×10mmLのサンプルを採取した。
両断面を耐水エメリー紙により、最終的に#1000まで研磨し、ビッカース硬度を10kg過重にて測定した。
表7〜表11に、測定結果を示す。
なお、1サンプルにつき、5点測定し、最大・最小に2点を除いた3点平均をもって、測定値とした。
なお、切削加工に適する硬さは、概ね200HV前後である。
3)熱間鍛造性評価:
表1〜3に示す本発明Ni基合金1〜46および表4,5に示す比較Ni基合金1〜28(鍛造割れ品は除く)のφ20mm丸棒(溶体化熱処理材)から、丸棒型引張試験片(全長68mm、平行部(φ6mm,長さ15mm))を作製した。
これら引張試験片は、鍛造条件を模擬した高温下での高速引張試験に供した。すなわち、直接通電により試験片のみを、1,230℃に加熱し、5分間保持後、通電電流を下げ、5℃/minにて冷却し1,100℃になった時点で、60秒保持後、30mm/secの高速で引張試験を実施した。
破断後、特に破断部の径を測定し、絞り(但し、絞りδ=100(d×d−d’×d’)/(d×d)(%) ここで、d:試験前の径、d’:試験後の径)を求めた。
表7〜表11に、測定結果を示す。
本試験における絞りは、高温環境における変形能の程度を見極める指標となる。一般に大型インゴットを想定した場合、60%以上の絞りを有することが必要となる。
4)時効熱処理材の引張試験による0.2%耐力:
表1〜3に示す本発明Ni基合金1〜46および表4、5に示す比較Ni基合金1〜28(鍛造割れ品は除く)のφ20mm丸棒(溶体化熱処理材)を、それぞれ700℃に30時間保持して、空冷することによる時効熱処理材とした。
前記本発明Ni基合金1〜46および比較Ni基合金1〜28(鍛造割れ品は除く)の時効熱処理品と、表6に示す従来Ni基合金1〜3(時効熱処理品)について、それぞれ引張試験片を作製(ASTM E8 Small Size: 全長90mm、平行部(φ6mm.35mm, 長さ36mm, GL:25.4 ))し、ASTMに準拠した条件で常温にて引張試験により0.2%耐力を測定した。
すなわち、試験片均一部のひずみ速度を0.005(mm/mm)/minとして、0.2%耐力を求めた。
表7〜表12に、測定結果を示す。
なお、本発明Ni基合金では、従来の高強度耐食合金を超える1,200MPa以上の0.2%耐力が必要である。
5)耐食性評価:
表1〜3に示す本発明Ni基合金1〜46、表4、5に示す比較Ni基合金1〜28(鍛造割れ品は除く)および表6に示す従来Ni基合金1〜3について、化学組成から計算されるPRE(孔食指数)について、それぞれ表7〜12に記載した。
本発明Ni基合金のPRE(孔食指数)は最小値でも45程度である。
一方、従来Ni基合金1のPREは31で、従来Ni基合金2のPREは39であるから、本発明Ni基合金のPREは、従来Ni基合金1、2のPREよりも高く、そして、従来Ni基合金3のPREは47であり、本発明Ni基合金のPREはこれにほぼ匹敵するものであるから、本発明の所期の狙い通りである。
本発明のNi基合金の耐食性が、実際に、従来Ni基合金であるUNS N07718を超える耐食性であることを確認するために、腐食試験を実施した。
試験片は、時効熱処理を施した丸棒より、φ20mm×3mm板を切り出し、耐水エメリー紙により全面#1000仕上げとした。
従来Ni基合金1〜3については、市販品丸棒(時効熱処理品)から同様のサイズの腐食試験片を切り出し、同様の表面仕上げとした。
腐食試験は、80℃に保持した6%FeCl+1%HCl 水溶液(ASTM G48 Method C液)中で72時間浸漬を行い、試験後、孔食発生の有無を確認した。
表7〜表12に、その結果を示す。





以上の試験結果から、本発明Ni基合金1〜46は、従来材料である従来Ni基合金1に比べ耐食性が優れ、従来Ni基合金2および従来Ni基合金3と同等レベルの耐食性を有することがわかる。さらに、0.2%耐力が格段に優れることが確認できる。
また、本発明で規定する範囲外の成分組成を有する比較Ni基合金1〜28は、本発明Ni基合金1〜46に比べ、耐食性に劣るか、または熱間鍛造工程で割れたり、1100℃での変形能(絞り)が小さいなどの熱間鍛造性に劣るか、常温での0.2%耐力に劣ることがわかる。
このように、本発明Ni基合金1〜46は、高強度でありながら、熱間鍛造性も優れ、かつ、耐食性にも優れることから、深海かつ大深度地下の掘削用部材の外郭部材に求められるNi基合金として最適であるといえる。
上述のように、この発明のNi基合金は、特に0.2%耐力に優れ、耐食性は従来材と比較して同等以上であり、しかも、熱間鍛造性に優れることから、この発明のNi基合金を用いることによって、大型鍛造部材の製造、例えば、大径でかつ長尺の素材の製造が可能となる。
したがって、この発明のNi基合金によれば、熱間鍛造性、高強度、高耐食性が求められる深海かつ大深度地下の掘削を可能とする掘削用部材を提供できる。
また、この発明のNi基合金は、熱間鍛造性に優れることから、形状付与後に高強度化を図ることができるため、高強度が必要とされる複雑形状品を容易に作製することができ、新たな分野へ適用される新材料としても期待される。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    Cr: 42.1〜45.5%、
    Nb: 0.5〜2.5%、
    Ti: 1.2〜2.0%、
    Mg: 0.0001〜0.0090%、
    N : 0.001〜0.040%、
    Mn: 0.01〜0.50%、
    Si: 0.001〜0.050%、
    Fe: 0.01〜1.00%、
    Co: 0.01%〜2.50%、
    Cu: 0.001%以上0.500%未満、
    Al: 0.001〜0.050%、
    V : 0.005%以上0.100%未満、
    B : 0.0001〜0.0100%、
    Zr: 0.001〜0.050%を含有し、
    残りがNiおよび不可避不純物からなることを特徴とする熱間鍛造性に優れた高強度高耐食性Ni基合金。
  2. 質量%で、
    Mo: 0.1〜1.5%及び
    W : 0.1〜1.5%の1種または2種、
    をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の熱間鍛造性に優れた高強度高耐食性Ni基合金。
  3. 質量%で、
    Ca: 0.001%以上0.050%未満、
    をさらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱間鍛造性に優れた高強度高耐食性Ni基合金。
  4. 質量%で、
    Ta: 0.001%以上0.050%未満、
    をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱間鍛造性に優れた高強度高耐食性Ni基合金。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱間鍛造性に優れた高強度高耐食性Ni基合金により構成されたことを特徴とする石油掘削用部材。
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