JP6492747B2 - オーステナイト系耐熱合金管の製造方法およびその製造方法によって製造されたオーステナイト系耐熱合金管 - Google Patents

オーステナイト系耐熱合金管の製造方法およびその製造方法によって製造されたオーステナイト系耐熱合金管 Download PDF

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Description

本発明は、オーステナイト系耐熱合金管の製造方法およびその製造方法によって製造されたオーステナイト系耐熱合金管に関する。詳しくは、本発明は、発電用ボイラ、化学工業用プラント等において管材として用いられるオーステナイト系耐熱合金管の製造方法およびその製造方法によって製造されたオーステナイト系耐熱合金管に関する。
現在、石炭火力発電は、国内における電力供給において非常に重要な位置を占めている。石炭は、石油などのエネルギー源とは異なり、偏在せずに世界中で産出し、価格も比較的安定していることから、今後も世界的に基幹エネルギーとして広く活用されていくことが見込まれている。しかし、石炭火力発電は、単位発電量あたりのCOガス排出量が他の発電システムに比べて多い。このため、より発電効率を高めて、エネルギーの無駄をなくし、CO排出量の抑制を行っていくことが重要となる。発電効率の向上には、発電に用いられる蒸気の温度・圧力を高温・高圧化する必要がある。たとえば、蒸気温度:約600℃、圧力:約25MPaの条件で行われるのが一般的であるが、その発電効率は約42%にとどまる。最近では、この蒸気温度を約700℃まで高め、発電効率を約46〜48%まで高めた超高効率な石炭火力発電プラントの開発が進められている。
蒸気条件の高温化に伴い、石炭火力発電プラントにおける過熱器管、蒸気配管といった高温部で用いられる材料の使用環境は非常に厳しくなる。このため、特に温度の高くなる過熱器管においては、SUS304H、SUS316H、SUS347Hなどの通常のオーステナイト系耐熱合金では高温強度が不足する。出願人は、特許文献1において、α―Cr相、炭化物を強化相とするNi基合金を開示している。この合金は、高温におけるクリープ強度に優れ、また加工性にも優れる。出願人はまた、特許文献2において、高温強度と耐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を開示している。
国際公開第2009/154161号 特開2004−3000号公報
ボイラ過熱器管に用いられる小径管については、曲げ加工や拡管加工など施工の際に熱間加工または冷間加工が施される。特許文献1および2にはこのような施工の際の加工について言及されていない。しかし、このような加工量がある程度以上となると、再度の溶体化処理(以下、「後熱処理」という。)が必要となる。後熱処理は、冷間曲げ加工時に結晶粒が変形して転位密度が高くなったミクロ組織を再結晶化し、製品熱処理後とほぼ同様のミクロ組織へと回復させる。後熱処理をしない場合には、合金管の使用環境において、以下のような問題が生じる。
・結晶粒内の転位上に微細な析出物が析出し、応力緩和過程において結晶粒内変形が生じにくくなり、粒界で割れが生じる。
・転位密度が高いため、クリープ変形中の回復・再結晶が著しく促進され、高温強度が低下し、早期に破断する。
後熱処理は、加熱処理装置の制約上、製品熱処理温度よりも低い温度にて行われることが多い。このため、母材中より炭化物または金属間化合物が析出する場合がある。このような温度域にて析出する炭化物および金属間化合物は、実際の使用温度(例えば、700℃)において析出する炭化物および金属間化合物に比べて粗大であり、また、析出密度も低い。このため、高温における析出強化に寄与しない。また、母相への強化元素の固溶量を減少させ、700℃において析出する炭化物、金属間化合物量も減少するため、析出強化能が低下する。
したがって、製品熱処理後の曲げや拡管などの施工における熱間加工または冷間加工をした場合には、加工部は非加工部と異なりひずみが導入されている。この加工部に溶体化時と同様の熱処理温度範囲、時間範囲にて後熱処理をした場合には、ひずみが残存する、或いは粒界・粒内に多量に炭化物、金属間化合物が析出するので、実機使用温度における強度低下を招く場合が生じる。このため、溶体化材に比べて高い温度で後熱処理を行うか、同じ温度で長時間の後熱処理を行う必要がある。なお、後熱処理温度は、合金元素の含有量によっても変化する。これは合金元素の含有により拡散速度および析出物の析出速度が変化するためであると推察される。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、製品熱処理後の熱間加工または冷間加工によって形成した加工部(以下、「当該加工部」という)を有するオーステナイト系耐熱合金管に後熱処理を実施したときに、当該加工部において優れたクリープ強度を有するオーステナイト系耐熱合金管およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、当該加工部を有する合金管に後熱処理を行い、そのミクロ組織観察およびクリープ試験を行ったところ、以下の知見を得た。
(a)後熱処理温度が製品熱処理温度と同一である場合には、ミクロ組織中に溶体化材と同様に粗大な炭化物、金属間化合物がわずかに認められる。また、クリープ強度もほぼ製品熱処理材と同程度となる。
(b)後熱処理温度が製品熱処理温度以下であっても、比較的高温の場合には、ミクロ組織、クリープ強度が溶体化まま材とほぼ同等となるが、後熱処理温度が比較的低くなると、炭化物、金属間化合物が結晶粒内に多量に析出するか、結晶粒界上に析出する。これら析出物は合金管を使用する際の温度(おおよそ700℃以下)において析出する炭化物、金属間化合物に比べて粗大であるため、クリープ強度への寄与は小さい。このためクリープ強度は低下する。
本発明者らは、後熱処理温度が比較的低い場合について更に研究を行い、下記の知見を得た。
(c)製品熱処理後の熱間加工または冷間加工によって導入された転位は、組織中に残存しており、すべり線上において列状に並んだ粗大な析出物が認められる。
(d)粒界にも析出物が析出するものの、非常に粗大であり、強化には寄与しない。なお、粒界被覆率ρは、SEMによって観察された各析出物の長さをl、l、l・・・、粒界長さをLとするとき、以下の式で定義される。
ρ=(l+l+l+・・・)/L
(e)析出物を構成する析出強化元素は、後熱処理時に析出した粗大な炭化物または金属間化合物中に含まれるため、母相中の固溶量が低下し、使用温度において析出する炭化物および金属間化合物の体積率が減少する。
(f)使用温度において析出する微細な析出物の体積率が減少すること、および、結晶粒界への析出物の析出量が減少し、粒界被覆率が上昇しないことから、粒界近傍における局所的な変形が加速され、クリープ強度は低下する。
(g)後熱処理温度が十分に高ければ、後熱処理中に生じる炭化物、金属間化合物の析出を抑制し、使用温度におけるクリープ強度低下を抑制することが可能となる。上記の現象は、非加工部では生じず、ひずみが導入されている当該加工部に特有のものである。よって、溶体化の温度および時間の条件に比較して、後熱処理の条件をより厳密に制御する必要がある。析出する炭化物および金属間化合物の体積率は、合金組成によって決定されるため、強度低下を抑制するために必要な温度および時間の条件は、合金中に含まれるCと金属間化合物形成元素により決定される。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、下記のオーステナイト系耐熱合金管の製造方法およびその方法により製造されたオーステナイト系耐熱合金管を要旨する。
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.02〜0.13%、
Si:1%以下、
Mn:2%以下、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
Cr:25〜36%、
Ni:40〜60%、
Al:0.3%以下、
W:2.0〜10.0%、
Ti:0.05〜1.5%、
Zr:0.002〜0.3%、
N:0.05%以下、
O:0.01%以下
Mo:0〜3%、
Nb:0〜1.5%、
Co:0〜15%、
Ca:0〜0.05%、
Mg:0〜0.05%、
希土類元素:0〜0.2%、
Hf:0〜0.2%、
B:0〜0.02%、
V:0〜1.5%、
Ta:0〜2.0%、
Re:0〜3.0%、
残部:Feおよび不純物
である合金管に製品熱処理後の熱間加工または冷間加工を行って加工部を形成した後、当該加工部の金属組織中の結晶粒界の炭化物および金属間化合物による被覆率が50%以下となる条件で後熱処理を行う、オーステナイト系耐熱合金管の製造方法。
(2)前記後熱処理を、前記加工部の金属組織中に析出する炭化物および金属間化合物の金属組織全体に占める面積率が13%以下となる条件で行う、上記(1)のオーステナイト系耐熱合金管の製造方法。
(3)前記の化学組成が、質量%で、(A)から(E)までに記載される元素から選択される1種以上を含有する、上記(1)または(2)のオーステナイト系耐熱合金の製造方法。
(A)Mo:0.5〜3%およびNb:0.1〜1.5%、
(B)Co:0.5〜15%、
(C)Ca:0.01〜0.05%、Mg:0.0005〜0.05%および希土類元素:0.0005〜0.2%、
(D)Hf:0.0005〜0.2%およびB:0.0005〜0.02%、
(E)V:0.02〜1.5%、Ta:0.1〜2.0%およびRe:0.1〜3.0%。
(4)前記の後熱処理を、下記(1)式を満たす条件で行う、上記(1)〜(3)のいずれかのオーステナイト系耐熱合金管の製造方法。
810+130×log(100×C)+25×(5/4W+1/2Mo+1/2Nb+Ti)≦T≦1260 (1)
ただし、(1)式中のTは後熱処理温度(℃)を、各元素記号は各元素の質量%での含有量をそれぞれ意味する。
(5)前記の後熱処理を、下記(2)式を満たす条件で行う、上記(4)のオーステナイト系耐熱合金管の製造方法。
30−0.02×T≦t≦350−0.2×T (2)
ただし、(2)式中のTは後熱処理温度(℃)を、tは後熱処理時間(分)をそれぞれ意味する。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの方法により製造された加工部を有するオーステナイト系耐熱合金管。
本発明によれば、製品熱処理後の熱間加工または冷間加工によって形成した加工部を有するオーステナイト系耐熱合金管に後熱処理を実施しても、当該加工部において優れたクリープ強度を有するものとすることが可能である。このため、発電用ボイラ、化学工業用プラント等において管材として用いられるオーステナイト系耐熱合金管などの加工部を有するオーステナイト系耐熱合金管の製造に最適である。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
1.オーステナイト系耐熱合金管の化学組成
以下の説明における各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
C:0.02〜0.13%
Cは、高温で使用されるオーステナイト系ステンレス合金および耐熱合金において、炭化物を形成してクリープ強度を確保するために有効かつ重要な元素である。このような効果を得るためには、0.02%以上のC含有量が必要である。しかしながら、C含有量が過剰になりすぎると、炭化物が粗大化し、また多量に析出して、却ってクリープ強度の低下を招く。したがって、C含有量の上限は0.13%とする。C含有量の好ましい下限は0.03%であり、より好ましい下限は0.04%である。また、C含有量の好ましい上限は0.12%であり、より好ましい上限は0.11%である。
Si:1%以下
Siは、合金の溶製時の脱酸ならびに合金の耐酸化性および耐水蒸気酸化性を高めるために必要な元素である。しかし、その含有量が過剰になると合金の熱間加工性が低下する。そのため、上限を設けて、Siの含有量を1%以下とした。Siの含有量は、好ましくは0.8%以下である。他の元素で脱酸作用が十分確保されている場合、特にSiの含有量について下限を設ける必要はない。なお、脱酸作用、耐酸化性および耐水蒸気酸化性等の効果を安定して得るためには、Si含有量は0.03%以上とするのが好ましく、0.05%以上とすればさらに好ましい。
Mn:2%以下
Mnは、合金中に含まれる不純物のSと結合してMnSを形成し、熱間加工性を向上させる。一方、その含有量が過剰になると、合金が硬くなって脆くなり、かえって熱間加工性および溶接性を損なう。そのため、上限を設けて、Mnの含有量を2%以下とした。Mnの含有量は、好ましくは1.2%以下である。なお、熱間加工性を改善する作用を安定して得るためには、Mn含有量は、0.02%以上とすることが好ましく、0.05%以上とすればさらに好ましい。
P:0.03%以下
Pは、不純物として合金中に不可避的に混入するが、過剰なPは、溶接性および熱間加工性を害する。そのため、上限を設けて、Pの含有量を0.03%以下とした。Pの含有量は、0.025%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは0.02%以下である。なお、Pの含有量は、可能な限り低減することが望ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、P含有量の好ましい下限は0.0005%以上、さらに好ましくは0.0007%以上である。
S:0.01%以下
Sも上記のPと同様に不純物として合金中に不可避的に混入するが、過剰なSは、溶接性および熱間加工性を害する。そのため、上限を設けて、Sの含有量を0.01%以下とした。Sの含有量は、0.008%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは0.007%以下である。なおSの含有量は可能な限り低減することが望ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、P含有量の好ましい下限は0.0001%以上、さらに好ましくは0.0002%以上である。
Cr:25〜36%
Crは、耐酸化性、耐水蒸気酸化性および耐食性を確保するために重要な元素である。700℃以上の高温環境下での有効な耐酸化特性、耐水蒸気酸化特性および耐高温腐食特性を得るためには25%以上含有させる必要がある。前記の耐食性はCr含有量が多いほど向上するが、36%を超えると、組織安定性が低下してクリープ強度を損なう。また、オーステナイト組織を安定にするために高価なNiの含有量増加を余儀なくされるだけでなく、溶接性も低下する。Cr含有量の好ましい下限は27%であり、より好ましい下限は28%である。更に好ましい下限は28.5%である。Cr含有量の好ましい上限は35%であり、より好ましい上限は33%である。
Ni:40〜60%
Niは、オーステナイト組織を安定にする元素であり、耐食性の確保にも重要な元素である。これらの効果を得るためにNi含有量は40%以上とする。一方、過剰なNiはコスト上昇を招くだけでなく、クリープ強度の低下を招く。そのため、Niの含有量の上限は60%とする。Ni含有量の好ましい下限は44%であり、より好ましい下限は46%である。Ni含有量の好ましい上限は56%以下であり、より好ましい上限は54%である。
Al:0.3%以下
Alは、脱酸作用を有するが、多量に含まれると、組織安定性が低下する。そのため、上限を設けてAlの含有量を0.3%以下とした。なお、Alの含有量は、0.005%以上とすることが好ましい。また、Alの含有量は、0.25%以下とすることが好ましく、0.20%以下とすればさらに好ましい。
W:2.0〜10.0%
Wは、母相オーステナイト中に固溶し、固溶強化によるクリープ強度の向上に寄与し、また金属間化合物の析出を促進させる元素である。その効果を十分に発揮させるためにはWは2.0%以上含有させる必要がある。しかしながら,Wを過剰に含有させても、粗大な金属間化合物が過剰に析出し、かえってクリープ強度を低下させる場合もある。さらに、Wは高価な元素であるため、過剰のW含有はコストの増大を招く。そのため、Wの含有量は10%以下とする。W含有量の好ましい下限は2.5%であり、より好ましい下限は4.0%である。W含有量の好ましい上限は9.0%であり、より好ましい上限は7.0%である。
Ti:0.05〜1.5%
Tiは、金属間化合物の形成を促進し、粒界・粒内の析出強化に寄与し、クリープ強度の向上に有用な元素である。これらの効果を十分に発揮させるためには0.05%以上の含有量が必要となる。一方、Tiの含有量が多量となると、金属間化合物の体積率が過剰となり、析出物が粗大となり、クリープ強度の低下が生じる。このため、Ti含有量は1.5%以下とする。Ti含有量の好ましい下限は、0.1%であり、より好ましい下限は0.2%である。更に好ましい下限は0.4%である。Ti含有量の好ましい上限は1.3%であり、より好ましい上限は1.1%である。
Zr:0.002〜0.3%
Zrは、主として粒界強化に寄与し、クリープ強度を向上させる作用を有する。この効果を十分発揮させるためには0.002%以上含有させる必要がある。しかしながら、Zrの含有量が0.3%を超えると、溶接性および熱間加工性を損なう。したがって、Zrの含有量は0.3%以下とする。Zrの好ましい下限は0.005%であり、より好ましい下限は0.01%である。Zrの好ましい上限は0.1%であり、より好ましい上限は0.08%である。
N:0.05%以下
Nは、オーステナイト組織を安定化する作用を有し、通常の溶解法では不可避的に含まれる元素である。しかし、多量のNは、CとともにTiなどと未固溶で残る炭窒化物を形成して靱性を損なう。したがって、上限を設けて、Nの含有量を0.05%以下とした。なお、Nの含有量は、0.03%以下とすることが好ましく、0.02%以下とすると更に好ましい。Nの含有量については、特に下限を設ける必要は無いが、極端な低減は製造コストを大幅に上昇させるため、Nの好ましい下限は0.0005%であり、さらに好ましい下限は0.0008%である。
O:0.01%以下
O(酸素)は、不純物として合金中に含まれ,その含有量が過剰になると熱間加工性が低下し,さらに靱性および延性の劣化を招く。このため、Oの含有量に上限を設けて0.01%以下とする。Oの含有量は0.008%以下とするのが好ましく、0.005%以下とするのがより好ましい。Oの含有量については、特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は製造コストの上昇を招くので、O含有量の好ましい下限は0.0005%であり、より好ましい下限は0.0008%である。
Mo:0〜3%
Moは、母相オーステナイト中に固溶し、固溶強化によるクリープ強度の向上に寄与し、また金属間化合物の析出を促進する元素であり、Wと類似した性質を有する。このため、上記したWの一部に代えてMoを含有してもよい。しかし、Moの含有量が多量になると、クリープ強度を低下させるσ相の析出が促進し、特に3.0%を超えると、クリープ強度の低下が著しくなる。このため、Moを含有させる場合には、その含有量を3.0%以下とする。Mo含有量は、2.5%以下とすることが好ましく、2.2%以下とすることがより好ましい。上記の効果を十分に得るためには、その含有量を0.5%以上とすることが好ましく、1.0%以上とすることがより好ましい。
Nb:0〜1.5%
Nbは、金属間化合物の形成を促進し、粒界・粒内の析出強化に寄与し、クリープ強度の向上に有用な元素である。一方、Nbの含有量が多量となると、金属間化合物の体積率が過剰となり、析出物が粗大となり、クリープ強度の低下が生じる。また融点の低下による溶接性の低下が生じる。このため、Nbを含有させる場合には、その含有量を1.5%以下とする。Nb含有量は1.3%以下とするのが好ましく、1.0%以下とするのがより好ましい。上記の効果を十分に得るには、Nb含有量を0.1%以上とするのが好ましく、0.3%以上とするのがより好ましい。
Co:0〜15%
Coは、Niと同様オーステナイト組織を安定化させる元素で、オーステナイト組織の安定性を高めてクリープ強度の向上に寄与する。このため、必要に応じてCoを含有させてもよい。しかしながら、Coの含有量が15%を超えると、コストの増加を招く。したがって、Coを含有させる場合にはその含有量を15%以下とする。上記のCoの効果を十分に得るためにはCoの含有量を0.5%以上とすることが好ましく、1.0%以上とすることがより好ましい。
Ca:0〜0.05%
Caは、Sを硫化物として固定し、熱間加工性を向上させる作用を有する。このため、必要に応じてCaを含有させてもよい。しかしながら、Caの含有量が0.05%を超えると、靱性、延性および清浄性を損なう。したがって、Caを含有させる場合にはその含有量を0.05%以下とする。Caの含有量は0.01%以下とするのが好ましい。上記の効果を十分に得るためにはCaの含有量を0.0005%以上とするのが好ましい。
Mg:0〜0.05%
Mgは、Sを硫化物として固定し、熱間加工性を向上させる作用を有する。このため、必要に応じてMgを含有させてもよい。しかしながら、Mgの含有量が0.05%を超えると、靱性、延性および清浄性を損なう。したがって、Mgを含有させる場合にはその含有量を0.05%以下とする。Mgの含有量は0.01%以下とすることが好ましい。上記の効果を十分に得るためにはMgの含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。
希土類元素:0〜0.2%
希土類元素は、Sを硫化物として固定し、熱間加工性を向上させる作用を有する。また、希土類元素は、無害で安定な酸化物を形成して、O(酸素)の好ましくない影響を小さくし、耐食性、クリープ強度およびクリープ延性を向上させる作用も有する。このため、必要に応じて希土類元素を含有させてもよい。しかしながら、希土類元素の含有量が0.2%を超えると、酸化物等の介在物が多くなり、熱間加工性および溶接性を損なうだけでなく、コストの上昇を招く。したがって、希土類元素を含有させる場合にはその含有量を0.2%以下とする。希土類元素の含有量は0.1%以下とすることが好ましい。上記の効果を十分に得るためには希土類元素の含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。
なお、「希土類元素」とは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素の総称であり、希土類元素の含有量は、上記希土類元素のうちの1種以上の元素の合計含有量を指す。希土類元素は、一般的にミッシュメタルに含有されるので、例えば、ミッシュメタルの形で添加して、希土類元素の量が上記の範囲となるように含有させてもよい。
Hf:0〜0.2%
Hfは、主として粒界強化に寄与し、クリープ強度を向上させる作用を有する。このため、必要に応じてHfを含有させてもよい。しかしながら、Hfの含有量が0.2%を超えると、溶接性および熱間加工性を損なう。したがって、Hfを含有させる場合にはその含有量を0.2%以下とする。Hfの含有量は0.06%以下とするのが好ましく、0.04%以下とするのがさらに好ましい。上記の効果を十分に得るためにはHfの含有量を0.0005%以上とするのが好ましく、0.001%以上とするのがより好ましい。
B:0〜0.02%
Bは、粒界強化元素としてクリープ強度を向上させる作用を有する。このため、必要に応じてBを含有させてもよい。しかしながら、Bの含有量が0.02%を超えると、溶接性を損なう。したがって、Bを含有させる場合にはその含有量を0.02%以下とする。Bの含有量は0.008%以下とすることが好ましく、0.006%以下とすることがより好ましい。上記の効果を十分に得るためにはBの含有量を0.0005%以上とすることが好ましく、0.001%以上とすることがより好ましい。
V:0〜1.5%
Vは、炭窒化物を形成して、高温強度およびクリープ強度を向上させる。このため、必要に応じてVを含有させてもよい。しかしながら、Vの含有量が1.5%を超えると、高温耐食性が低下し、さらに脆化相であるσ相の析出を促進する。したがって、Vを含有させる場合にはその含有量を1.5%以下とする。Vの含有量は1.0%以下とすることが好ましく、0.8%以下とすることがより好ましい。上記の効果を十分に得るためには、Vの含有量を0.02%以上とすることが好ましく、0.04%以上とすることがより好ましい。
Ta:0〜2.0%
Taは、Tiと同様に金属間化合物を形成する元素であり、高温強度およびクリープ強度を向上させる。このため、必要に応じてTaを含有させてもよい。しかしながら、Taの含有量が2.0%を超えると、金属間化合物の析出量が過剰となり、クリープ強度が低下する。したがって、Taを含有させる場合にはその含有量を2%以下とする。Taの含有量は1.5%以下とすることが好ましく、1.3%以下とすることがより好ましい上記の効果を十分に得るためにはTaの含有量を0.1%以上とすることが好ましく、0.3%以上とするのがより好ましい。
Re:0〜3.0%
Reは、主として固溶強化元素として高温強度およびクリープ強度を向上させる。このため、必要に応じてReを含有させてもよい。しかしながら、Reの含有量が3.0%を超えると、熱間加工性および靱性を損なう。したがって、Reを含有させる場合にはその含有量を3.0%以下とする。Reの含有量は2%以下とすることが好ましく、1.5%以下とすることがより好ましい。上記の効果を十分に得るためにはReの含有量を0.1%以上とすることが好ましく、0.3%以上とするのがより好ましい。
本発明に係る製造方法の対象であるオーステナイト系耐熱合金管の化学組成は、上記の各元素を上記それぞれに規定される範囲で含み、残部はFeおよび不純物からなるものである。不純物とは、合金材を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料その他の要因により混入する成分を意味する。
2.加工後熱処理(後熱処理)
上記の化学組成を有するオーステナイト耐熱合金管を製品熱処理後に熱間加工または冷間加工すると、当該加工部は、結晶粒内に転位が導入されており、加工を受けていない部位に比べて結晶粒内における炭化物および金属間化合物の析出が促進される。その結果、実際の使用環境において、当該加工部で炭化物および金属間化合物が粗大に、かつ多量に析出して、応力緩和時の割れ、非加工部と比較したときのクリープ強度の相対的な低下が生じる。これらを抑制するためには、後熱処理によりひずみを除去し、炭化物および金属間化合物の析出を抑制することが有効である。よって、本発明においては、必ず後熱処理を実施する。
ここで、炭化物および金属間化合物は、粒界で析出しやすい。後熱処理中に当該加工部の粒界で析出した炭化物および金属間化合物は、実際の使用環境において析出する炭化物および金属間化合物に比べて粗大である。また、後熱処理によってC、W、Mo、TiおよびNbのオーステナイト母相中への固溶量が減少しすぎると、実際の使用環境における炭化物および金属間化合物の析出量が減少する。その結果、クリープ強度の低下を招く。
一般に、溶体化熱処理まま材の金属組織中の結晶粒界の炭化物および金属間化合物による被覆率(以下、単に「粒界被覆率」ともいう。)は5%以下であるが、オーステナイト耐熱合金管の当該加工部における粒界被覆率が後熱処理によって過剰に増加すると、クリープ強度が低下する。したがって、後熱処理は、当該加工部の粒界被覆率が50%以下となる条件で行う必要がある。これにより、当該加工部においても、実際の使用温度にて十分な炭化物および金属間化合物を析出することができるので、非加工部と比較した相対的な強度低下を抑制することが可能となる。後熱処理は、粒界被覆率が40%以下となる条件で行うのが好ましく、37%以下となる条件で行うのがより好ましい。
当該加工部は、結晶粒内で転位が導入されており、当該加工部の金属組織中に析出する炭化物および金属間化合物の金属組織全体に占める面積率が過剰となる条件で後熱処理を実施すると、実際の使用環境において、炭化物および金属間化合物が粗大に、かつ多量に析出し、応力緩和時の割れおよびクリープ強度の局部的な低下を生じさせることがある。よって、後熱処理は、前記加工部の金属組織中に析出する炭化物および金属間化合物の金属組織全体に占める面積率が13%以下となる条件で行うことが好ましい。後熱処理は、上記の面積率が10%以下となる条件で行うのが好ましく、8%以下となる条件で行うのがより好ましい。
後熱処理の適切な温度範囲については、合金管の化学組成によって変動するが、下記の下記(1)式を満たす条件で行うことが好ましい。
810+130×log(100×C)+25×(5/4W+1/2Mo+1/2Nb+Ti)≦T≦1260 (1)
ただし、(1)式中のTは後熱処理温度(℃)を、各元素記号は各元素の質量%での含有量をそれぞれ意味する。
実際の使用環境において、当該加工部における応力緩和時の割れおよびクリープ強度の低下を抑制するためには、後熱処理の温度は高い方が好ましい。しかし、後熱処理温度が高すぎると、粒界における溶融割れが生じやすい。よって、後熱処理の上限は1260℃とするのが好ましい。一方、後熱処理温度の下限は、合金管に含まれるC含有量と、W、Mo、NbおよびTiの含有量との関係によって決定する必要がある。すなわち、相対的にC含有量が多いほど炭化物の析出量が増加し、相対的にW、Mo、NbおよびTiの含有量が多いほど、金属間化合物の析出量が増加する。よって、後熱処理温度は、「810+130×log(100×C)+25×(5/4W+1/2Mo+1/2Nb+Ti)」(℃)以上とするのが好ましい。
後熱処理は、下記(2)式を満たす条件で行うことが好ましい。
30−0.02×T≦t≦350−0.2×T (2)
ただし、(2)式中のTは後熱処理温度(℃)を、tは後熱処理時間(分)をそれぞれ意味する。
後熱処理によりひずみを除去し、炭化物および金属間化合物の析出を抑制するためには、後熱処理の時間を長くするのが有効である。このため、後熱処理の効果を十分に得るためには、後熱処理時間を「30−0.02×T」(分)以上とするのが好ましい。一方、後熱処理時間が長すぎる場合には、結晶粒径が非常に粗大となり、クリープ延性が低下するおそれがある。このため、後熱処理時間を「350−0.2×T」(分)以下とすることが好ましい。
本発明に係る製造方法に供給されるオーステナイト系耐熱合金管は、通常のオーステナイト系耐熱合金と同様の方法で溶製および鋳造すればよい。以下、オーステナイト系耐熱合金管を得るための好ましい製造方法について説明する。
熱間または冷間による最終の塑性加工に先立って、加工中に析出した合金中の析出物を十分に固溶させるために熱処理を行う。この熱処理における加熱温度が1050℃未満の場合には、加熱後の合金中に安定なTiやBを含む未固溶炭窒化物および酸化物が存在するようになる。一方、1250℃を超える温度に加熱すると、高温粒界割れおよび延性低下を引き起こすことがある。したがって、熱間または冷間による最終の塑性加工前には、少なくとも1回、1050〜1250℃に加熱するのがよい。好ましい下限は1150℃であり、好ましい上限は1230℃である。
熱間または冷間による最終の塑性加工において、十分なひずみを付与すれば、最終熱処理において再結晶を促進させることが可能となる。再結晶に必要な歪みを十分に付与するため、最終の塑性加工は断面減少率10%以上で行う。断面減少率は20%以上とするのが好ましい。断面減少率は、大きいほどよいので上限は規定しないが、通常の加工での最大値は90%である。また、この加工工程は製品の寸法を決定する工程でもある。
最終の塑性加工を熱間で行う場合、その終了温度は、炭化物析出温度域での不均一な変形を避けるため、1000℃以上とするのが好ましい。また、熱間による塑性加工後の冷却条件には特別な制約はないが、極力速い冷却速度で冷却することが好ましい。特に、粗大な炭窒化物の析出を抑えるために、熱間加工終了温度から500℃までの温度域を平均冷却速度で0.25℃/秒以上で冷却するのが好ましい。
最終の塑性加工を冷間で行う場合、冷間加工は、一回でもよいし、熱処理工程を挟んで、複数回行ってもよい。冷間加工を複数回行う場合、少なくとも最終の冷間加工の断面減少率が上記の条件を満たせばよく、少なくとも最終の冷間加工直前の熱処理工程の加熱温度が上記の条件を満たせばよい。
最終の塑性加工の後は、1050〜1250℃の温度域に加熱保持した後、冷却する製品熱処理を行うのがよい。加熱温度が1050℃未満では、十分な再結晶が起こらず、結晶粒が扁平な加工組織となり、クリープ強度が低くなり、1250℃を超える温度に加熱すると、高温粒界割れまたは延性低下を引き起こすことがあるからである。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有するオーステナイト系合金1〜15を高周波真空溶解炉によって溶製して外径100mmの17kgインゴットとした。なお、表1中の合金1〜および13〜15は、化学組成が本発明で規定される範囲内にあり、合金〜12は、化学組成が本発明で規定される範囲外である。
Figure 0006492747
上記インゴットを、1180℃に加熱した後、仕上げ温度が1050℃となるように熱間鍛造して、厚さ15mmの熱間鍛造板材とした。なお、熱間鍛造終了後は、空冷した。この熱間鍛造板材を1100℃で軟化熱処理を施した後、厚さ10mmまで冷間圧延し、さらに、1200℃で30分加熱保持し、25℃まで水冷した。
この厚さ10mmの各板材に小径管の曲げを模擬した、板厚の減少率が20%の冷間圧延を施し、その後に、表2に示す条件で後熱処理を施した。後熱処理を施した板材の厚さ方向中心部から、長手方向に平行に直径が6mmで標点距離が30mmの丸棒引張試験片を機械加工により作製し、クリープ破断試験を実施した。クリープ破断試験は、上記の試験片を用いて、700℃、750℃および800℃の大気中においてクリープ破断試験を実施し、得られた破断強度をLarson−Millerパラメータ法で回帰して、700℃、15000時間での破断強度を求めた。表2に後熱処理条件およびクリープ試験結果を示す。
Figure 0006492747
表2に示すように、試験No1〜8は、化学組成および後熱処理条件が本発明で規定される範囲内にあり、クリープ破断強度が良好であり、加工部におけるクリープ強度と非加工部のクリープ強度との乖離が小さい。これに対して、本発明で規定する条件から外れた試験No.9〜15は、クリープ破断強度特性が劣っている。
すなわち、試験No.9、10、11および12は、それぞれW、Mo、NbおよびTiの含有量が高すぎるため、クリープ破断強度が低い。また、試験No.13〜15はいずれも、化学組成は本発明で規定される範囲内であるが、後熱処理温度および後熱処理時間の少なくとも一方の条件が本発明で規定される範囲を外れるため、クリープ破断強度が低い。
本発明によれば、曲げ、拡管などの熱間加工または冷間加工によって形成した加工部を有するオーステナイト系耐熱合金管に後熱処理を実施しても、該加工部において優れたクリープ強度を有するものとすることが可能である。このため、発電用ボイラ、化学工業用プラント等において管材として用いられるオーステナイト系耐熱合金管などの加工部を有するオーステナイト系耐熱合金管の製造に最適である。

Claims (6)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.02〜0.13%、
    Si:1%以下、
    Mn:2%以下、
    P:0.03%以下、
    S:0.01%以下、
    Cr:25〜36%、
    Ni:40〜60%、
    Al:0.3%以下、
    W:2.0〜10.0%、
    Ti:0.05〜1.5%、
    Zr:0.002〜0.3%、
    Mo:0〜3%、
    Nb:0〜1.5%、
    Co:0〜15%、
    Ca:0〜0.05%、
    Mg:0〜0.05%、
    希土類元素:0〜0.2%、
    Hf:0〜0.2%、
    B:0〜0.02%、
    V:0〜1.5%、
    Ta:0〜2.0%、
    Re:0〜3.0%、
    残部:Feおよび不純物
    である合金管に製品熱処理後の熱間加工または冷間加工を行って加工部を形成した後、当該加工部の金属組織中の結晶粒界の炭化物および金属間化合物による被覆率が50%以下となる条件で後熱処理を行う、
    オーステナイト系耐熱合金管の製造方法。
  2. 前記後熱処理を、前記加工部の金属組織中に析出する炭化物および金属間化合物の金属組織全体に占める面積率が13%以下となる条件で行う、請求項1に記載のオーステナイト系耐熱合金管の製造方法。
  3. 前記の化学組成が、質量%で、
    (A)から(E)までに記載される元素から選択される1種以上を含有する、請求項1または2に記載のオーステナイト系耐熱合金の製造方法。
    (A)Mo:0.5〜3%およびNb:0.1〜1.5%、
    (B)Co:0.5〜15%、
    (C)Ca:0.01〜0.05%、Mg:0.0005〜0.05%および希土類元素:0.0005〜0.2%、
    (D)Hf:0.0005〜0.2%およびB:0.0005〜0.02%、
    (E)V:0.02〜1.5%、Ta:0.1〜2.0%およびRe:0.1〜3.0%。
  4. 前記後熱処理を、下記(1)式を満たす条件で行う、請求項1から3までのいずれかに記載のオーステナイト系耐熱合金管の製造方法。
    810+130×log(100×C)+25×(5/4W+1/2Mo+1/2Nb+Ti)≦T≦1260 (1)
    ただし、(1)式中のTは後熱処理温度(℃)を、各元素記号は各元素の質量%での含有量をそれぞれ意味する。
  5. 前記後熱処理を、下記(2)式を満たす条件で行う、請求項4に記載のオーステナイト系耐熱合金管の製造方法。
    30−0.02×T≦t≦350−0.2×T (2)
    ただし、(2)式中のTは後熱処理温度(℃)を、tは後熱処理時間(分)をそれぞれ意味する。
  6. 請求項1から5までのいずれかに記載の方法により製造された製品熱処理後の熱間加工または冷間加工による加工部を有するオーステナイト系耐熱合金管。
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