JP6430374B2 - 油井及びガス井の仕上げ及び掘削用途用の高強度耐食チュービング、並びにその製造方法 - Google Patents

油井及びガス井の仕上げ及び掘削用途用の高強度耐食チュービング、並びにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は広くは、耐食金属チュービング(tubing)、更に詳細には、高強度、耐食性、及び妥当な費用が所望の特質である油井及びガス井の腐食環境で特に有用であるニッケル鉄クロム合金に関する。
古くて浅く、腐食性の低い油井及びガス井が枯渇すると、更に厳しい腐食環境に曝される深井戸化を可能にするために、強度と耐食性の更に高い材料が必要とされる。
現在、産油用途では、耐食性と強度を向上させた合金を必要としている。これらの向上要求は、更に高い温度と更に高い圧力を伴う深井戸、蒸気又は炭酸ガス(CO)の注入といった増進回収方法、特に海洋での管応力の増大、並びに、硫化水素(HS)、CO、及び塩化物を含む腐食性の井戸部品を含む要因に起因する。
サワーガス井(HSを含有するサワーガス井)では、材料の選択は特に重大である。サワー井戸環境は、毒性が高く、従来の油井及びガス井用炭素鋼に対する腐食性が非常に高い。一部のサワー環境では、腐食は、炭素鋼管とともに抑制剤を用いることによって制御できる。しかしながら、この抑制剤は、継続的に高い費用を必要とし、高温における信頼性が低いことが多い。チュービング壁に腐食代を加えると、重量が増え、管の内寸が縮小する。多くの場合、ライフサイクルエコノミーと安全性の観点から好ましい代替策は、管及びその他の井戸部品用に、耐食合金を使用することである。これらの耐食合金は、抑制剤を排除し、重量を軽減し、安全性を高め、改修を排除又は最小限にし、ダウンタイムを軽減する。
13%クロム合金のようなマルテンサイト系ステンレス鋼は、やや腐食性の産油用途における耐食性及び強度要件を満たす。しかしながら、13%合金には、サワーガスレベルの低い井戸に求められる適度な耐食性と強度がない。Cayardらは、「Serviceability of 13Cr Tubulars in Oil and Gas Production Environments」において、サワーガス環境と非サワーガス環境との遷移領域で操業する井戸では、13Cr合金の耐食性が不十分であることを示す硫化物応力腐食データを公表した。更なる背景技術は、Smith,Jr.らの米国特許第4,358,511号、及びHibnerらの米国特許第5,945,067号に見出すことができる。
軽度に腐食性の井戸は、各種の13Cr鋼によって対処されている一方で、更に厳しい腐食環境用に、Ni基合金が必要とされている。中でも、より一般的に用いられている産油用途用Ni基合金は、例えば合金718、725、825、925、G−3、及びC−276のように、腐食性のサワーガス環境に対する耐性を向上させるオーステナイト系高Ni基合金である。しかしながら、これらの上記の合金は、非常に高価か、高い強度と高い耐食性という必要な組み合わせを有さないかのいずれかである。
Mannanらの米国特許第7,416,618号は、焼きなましと時効硬化によって形成されるニッケル鉄クロム合金を開示している。しかしながら、このプロセスに従って製造したチュービングは、石油及びガスの探査及び掘削用途における現在の目的を満たすチュービングを製造するための材料要件をすべて満たしている訳ではない。
石油及びガスの探査及び掘削用の合金718製部品のいくつかの顕著な破損により、油田サービスにおける析出硬化合金の靱性とミクロ組織に関して、当然の懸念が生じていることをHuizingaらは「Offshore Nickel Tubing Hanger and Duplex Stainless Steel Piping Failure Investigations」において開示している。合金718のケースでは、割れの原因となるミクロ組織的特徴が、デルタ相(NiCb)と同定された。水素脆化が、化学組成にかかわらず、いずれの粒界第2相によっても促進されることをCassagneらは「Understanding Field Failures of Alloy 718 Forging Materials in HP/HT wells」において提示している。いずれかの第2相が相当量存在すると、SSR(低ひずみ速度引張)試験における破損までの時間、伸び率、及び断面減少率が低下することをMannanらは「Physical Metallurgy of Alloys 718, 725, 725HS, 925 for Service in Aggressive Corrosive Environments」において示している。更に、いずれかの第2相が相当量存在すると、引張絞りと衝撃強度も低下させる。これらの観察結果により、このような合金のうち、油田及びガス田用途用として保証される合金では、任意の所定の用途で必要とされる通常の要求特性に加えて、清浄なミクロ組織と最低限の衝撃強度を有さなければならないことが要件となっている。The American Petroleum Institute (API)のSpecification of Nickel Base Alloy 718(UNS N07718)には、金属組織試験におけるニッケル基合金718の有害相の合格基準が定められている。
本発明は、油井及びガス井の仕上げ及び掘削用途で用いる際の現在の業界要求を満たすチュービングと、そのチュービングを製造するプロセスを提供することによって、先行技術で見られる問題を解決する。
本発明の高強度耐食チュービング(管材)は重量%で、約35〜約55%のNiと、約12〜約25%のCrと、約0.5〜約5%のMoと、最大で約3%のCuと、約2.1〜約4.5%のNbと、約0.5〜約3%のTiと、約0.05〜約1.0%のAlと、約0.005〜約0.04%のCと、残部Feに加えて、不可避不純物と脱酸剤を含む。このチュービングの組成は、下記の等式を満たす。
Figure 0006430374
時効硬化状態の本発明のチュービングは、その粒界に沿って、第2相の連続的なネットワークを含まないミクロ組織を有することができる。
本発明のチュービングは、最小の0.2%耐力が室温において125ksiであることができる。
本発明のチュービングは、衝撃強度がマイナス75°Fにおいて少なくとも40ft lbsであることができる。衝撃強度は少なくとも50ft lbsであることができる。
時効硬化状態の本発明のチュービングは、伸び率が室温において少なくとも18%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%であることができる。
時効硬化状態の本発明のチュービングは、最大ロックウェル硬さ(Rc)が室温において47であることができる。
本発明のチュービングは、0.2%耐力が室温において少なくとも125ksi、伸び率が室温において少なくとも18%、衝撃強度が少なくとも50ft lbs、最大硬さがRc42であることができる。
本発明のチュービングは、0.2%耐力が室温において少なくとも140ksi、伸び率が室温において少なくとも18%、衝撃強度が少なくとも40ft lbs、最大硬さがRc42であることができる。
本発明のチュービングは、0.2%耐力が室温において少なくとも160ksi、伸び率が室温において少なくとも18%、衝撃強度が少なくとも40ft lbs、最大硬さがRc47であることができる。
本発明の高強度耐食チュービングの製造方法は、合金を押し出してチュービングを形成する工程と、押し出したチュービングを冷間加工する工程と、冷間加工したチュービングを焼きなます工程と、焼きなましたチュービングに、少なくとも1回の時効硬化工程を行う工程とを含む。
冷間加工工程は、ピルガリング(pilgering)、引抜、又はロールフォーミング(roll forming)を含んでよい。
冷間加工工程は、チュービング断面積を少なくとも約5%減少させることを含んでよい。
冷間加工工程は、チュービング断面積を少なくとも約30%減少させることを含んでよい。
冷間加工工程は、チュービング断面積を少なくとも約50%減少させることを含んでよい。
焼きなまし工程は、約1750°F〜約2050°Fで行う。
本発明の製造方法は、2回の時効硬化工程を含んでもよい。1回目の時効硬化工程は、約1275°F〜約1400°Fで行ってよく、2回目の時効硬化工程は、約1050°F〜約1250°Fで行ってよい。焼きなまし工程の後には、急速な空気焼き入れ又は水焼き入れのいずれかを行ってよく、1回目の時効工程の後に、2回目の時効の温度まで炉冷してから、空冷を行ってよい。
本発明の高強度耐食チュービングの別の製造方法は、合金を押し出してチュービングを形成する工程であって、その押出工程を約2050°F以下の温度で行う工程と、押し出したチュービングを焼きなます工程と、焼きなましたチュービングに、少なくとも1回の時効硬化工程を行う工程とを含む。
図1は、比較例によるミクロ組織を示しており、このミクロ組織は、その粒界に沿って、第2相の連続的なネットワークを有する。 図2は、本発明の実施形態によるミクロ組織を示しており、このミクロ組織は、その粒界に沿って、第2相の連続的なネットワークを有さない。
(発明の詳細な説明)
特に別段の明記のない限り、本明細書では、すべての組成を重量%で記載する。
本発明は、油井及びガス井の仕上げ及び掘削用途で用いる際の現在の業界要求を満たすように、清浄なミクロ組織と最低限の衝撃強度をもたらすNi−Fe−Crチュービングと、そのチュービングの製造方法とに関する。本発明のチュービングは、材料選択に関して強度、耐食性、及びコストが重要な要因である船舶用途のような他の用途においても有用である。
簡潔に述べると、本発明のチュービングは、特定のミクロ組織を出現させるために、少量のMo及びCuを含有するとともに、Nb、Ti、Al、及びCの量が制御かつ相関付けられている合金から形成する。広くは、本発明の合金は、重量%で約35〜約55%のNiと、約12〜約25%のCrと、約0.5〜約5%のMoと、最大で約3%のCuと、約2.1〜約4.5%のNbと、約0.5〜約3%のTiと、約0.05%〜約1.0%のAlと、約0.005〜約0.04%のCと、残部Feに加えて、不可避不純物と脱酸剤を含有し、(Nb−7.75C)/(Al+Ti)の比が、約0.5〜約9の範囲である。前述の計算では、7.75×炭素の重量%は概して、炭素(原子量12.01)とNb(原子量92.91)との原子量の差を表す。換言すると、Nbの重量%から7.75×Cの重量%を減じた値は、NbCとしてのマトリックスからCを取り除いた場合のNbの量であって、析出硬化相の形成に利用できない量を表すように意図されている。ThermoCalcによって求めた場合に、利用可能なNbの重量%の、AlとTiとの総重量%に対する比の値が約0.5〜約9のときには、本開示に従って加工した後の合金は、強化相として存在する、γ”(ガンマダブルプライム)相とγ’(ガンマプライム)相との組み合わせを有することになり、この際、最低約1重量%のγ”相が存在し、γ’+γ”の重量%の範囲が約10〜約30となり、上記の比が約0.5〜約8のとき、更に狭いことに、上記の比が約0.5〜約6のときには、好ましくはγ’+γ”の重量%は約12〜約25の範囲となる。
ニッケル(Ni)は、主元素の1つである。Niは、Fe基マトリックスを変更して、良好な熱安定性と成形性に不可欠である安定なオーステナイト組織をもたらす。Niは、高強度に不可欠であるNiAl型のγ’相を形成する。更に、良好な耐水応力腐食性を有するように、最低約35%のNiが必要とされる。Niの含有率がかなり高いと、金属コストが増大する。Niの範囲は広くは、約35〜約55%と定義される。Ni含有率の下限は約38%であるのが好ましく、Ni含有率の上限は約53%であるのが好ましい。
クロム(Cr)は、耐食性に不可欠である。厳しい腐食環境では、最低約12%のCrが必要とされるが、Crが約25%を超えると、機械的特性にとって有害なα−Cr相とσ相が形成される傾向がある。Crの範囲は広くは、約12〜約25%と定義される。Cr含有率の下限は約16%であるのが好ましく、Cr含有率の上限は約23%であるのが好ましい。
本発明の合金には、モリブデン(Mo)が存在する。Moの添加により、耐孔食性が増大することが知られている。Moを添加すると、置換型固溶強化により、Ni−Fe合金の強度も増大する。Moの原子半径はNiとFeよりもかなり大きいからである。しかしながら、約8%を超えるMoは、望ましくないMo(Ni,Fe,Cr)型のμ相、又はNi、Fe、及びCrを有する三元系σ相(シグマ)を形成させる傾向がある。これらの相は、加工性を低下させる。また、高価なMoの含有率が高いと、無用に合金のコストが増大する。Moの範囲は広くは、約0.5〜約5%と定義される。Mo含有率の下限は約1.0%であるのが好ましく、Mo含有率の上限は約4.8%であるのが好ましい。
銅(Cu)は、非酸化腐食環境における耐食性を向上させる。CuとMoの相乗効果は、高レベルの塩化物を含有する還元性酸性環境が存在する典型的な産油用途において、腐食に対抗するものとして認められている。Cuの範囲は広くは、約0〜約3%として定義され、Cu含有率は約0.2〜約3%であるのが、より好ましい。
アルミニウム(Al)の添加により、高強度に寄与するNi(Al)型のγ’相が形成される。γ’の形成を促すために、一定の最低含有率のAlが必要とされる。更に、合金の強度は、γ’の体積率に比例する。しかしながら、γ’の体積率がかなり高いと、熱間加工性が低下する。アルミニウムの範囲は広くは、約0.05%〜約1.0%として定義され、Al含有率の下限は約0.1%であるのが好ましく、上限は約0.7%であるのが、より好ましい。
チタン(Ti)をNi(Al)に組み入れて、Ni(AlTi)型のγ’相を形成させる(この相は、γ’相の体積率、すなわち合金の強度を増大させる)。γ’の強化能は、γ’とマトリックスとの格子不整合によっても高まる。チタンは、γ’の格子面間隔を増大させる傾向がある。相乗的なTiの増大とAlの減少は、格子不整合の増大によって、強度を高めることが知られている。本発明では、TiとAlの含有率を最適化して、格子不整合を最大にしている。Tiの別の重要な利点は、TiNとして存在するNを固定する点である。マトリックスにおけるN含有率の低下により、合金の熱間加工性が向上する。Tiの量が多すぎると、望ましくないNTi−型のη相の析出を招き、この相が、熱間加工性と延性を低下させる。チタンの範囲は広くは約0.5〜約3%である。Ti含有率の下限は約0.6%であるのが好ましく、Ti含有率の上限は約2.8%であるのが好ましい。
ニオブ(Nb)は、Ni(AlTi)と反応してNi(AlTiNb)型のγ’相を形成させ、この相は、γ’相の体積率、すなわち強度を増大させる。Nb、Ti、Al、及びCの特定の組み合わせにより、強度を劇的に増大させるγ’相とγ”相が形成されることを発見した。所望の高強度を得るには、(Nb−7.75C)/(Al+Ti)の比は、約0.5〜約9の範囲である。更に、本発明の合金は、最低約1重量%のγ”を強化相として有する必要がある。この強化効果に加えて、Nbは、NbCとしてCを固定するので、マトリックスにおけるCの含有率が低下する。Nbの炭化物形成能は、MoとCrのものよりも高い。そのため、MoとCrは、マトリックスにおいて元素形態で保持され、これは、耐食性に不可欠な状態である。更に、MoとCrの炭化物は、粒界で形成される傾向を有するが、NbCは、組織全体で形成される。MoとCrの炭化物を排除/最小化することにより、延性が向上する。Nbの含有率が高すぎると、望ましくないσ相と、過剰量のNbC及びγ”が形成される傾向があり、これは、加工性と延性にとって有害である。ニオブの範囲は広くは約2.1〜約4.5%である。Nb含有率の下限は約2.2%であるのが好ましく、Nb含有率の上限は約4.3%であるのが好ましい。
鉄(Fe)は、本開示の合金において、主たる残部を構成する元素である。本発明の系において、Fe含有率がかなり高いと、熱安定性と耐食性が低下する傾向がある。Feは、約35%以下、より好ましくは約32%以下であるのが好ましい。Fe含有率の下限は好ましくは約14%、より好ましくは約16%、更に好ましくは約18%、更により好ましくは約20%である。加えて、本発明の合金は、微量のCo、Mn、Si、Ca、Mg、Ta、S、P、及びWを、好ましくは5重量%の最大量で含有してもよい。以下では、本開示は、本発明を更に例示するための合金例を含む。
本発明の合金組成は、下記の等式を満たすのが好ましい。
Figure 0006430374
上記の式の計算値が、約0.5〜約9という所望の範囲にあるときには、本発明に従って加工した後、合金マトリックスには、最低約1重量%のγ”相が、γ’相とともに存在し、γ’相+γ”相が総重量%で約10%〜約30%存在し、このことが、約125ksiを超える高度な耐力の原因であると考えられる。本発明の合金は、約1〜約10重量%のγ”相を含有するのが好ましい。γ’+γ”の総重量%は好ましくは約10%〜約30%、より好ましくは約12%〜約25%である。
上記の組成による合金は、合金を押し出してチュービングを形成し、押し出したチュービングを焼きなまし、焼きなましたチュービングに、少なくとも1回の時効硬化工程を行うことによって製造した。
表1は、評価した種々の合金の化学組成を示している。
Figure 0006430374
具体的には、まず、合金を下記の手順に従ってチュービングに加工した。1149℃(2100°F)での押出工程を用いて、合金をチュービングに形成した。穿孔した外径(OD)347mm(13.65インチ)のビレットを押し出してから、その押出成形体(シェル)を1038℃(1900°F)で1時間焼きなましてから、水焼き入れ(WQ)を実施し、続いて、704℃(1300°F)で8時間の時効処理後、炉冷(FC)を行い、621℃(1150°F)まで8時間時効処理後、空冷(AC)を行って2段時効硬化を施した。次に、得られたチュービングのミクロ組織、引張特性、及び衝撃強度を評価した。表2の比較例CE1によって下に示されているように、その材料は、清浄度要件を満たさなかったとともに、衝撃強度が十分ではなかった。焼きなまし温度を上昇させ[1066℃(1950°F)、1079℃(1975°F)、及び1093℃(2000°F)][表2、2〜4行]、また、時効条件を690℃(1275°F)/8.5h/FCと、621℃(1150°F)/8.5h/ACに下げることによって、清浄要件を満たす試みを行ったが、ミクロ組織を清浄化できなかったとともに、衝撃強度を最低限の40ft lbs、又は、より好ましい衝撃強度の50ft lbs以上に上昇させることができなかった。不十分なミクロ組織の例が図1に示されており、この図は、粒界に沿って、第2相の連続的なネットワークを有するミクロ組織を示しており、その第2相のネットワークは、交差する線からなる連続的なネットワークを形成している。更に、図1は、代表的な結晶粒、すなわち、第2相によって完全に覆われている、ミクロ組織のバルクを代表する結晶粒を示している。
Figure 0006430374
そして、検討を行ったところ、清浄なミクロ組織と衝撃強度の向上に関する現在の業界要求を満たすチュービングの作製法を発見した。清浄なミクロ組織については、時効硬化状態のチュービングは、その粒界に沿って、第2相の連続的なネットワークを含まないミクロ組織を有するが、個々の分離した結晶粒は、その粒界に沿って、第2相を有し得る。図1に示されているような、第2相によって完全に覆われている典型的結晶粒が存在しないのが好ましい。ミクロ組織は、API's Specification of Nickel Base Alloy 718(参照により、その全体が本明細書に組み込まれる)の4.2.2.3項に定められている合格基準を満たすのが、より好ましい。チュービングが、清浄なミクロ組織の特徴を満たしているか判断する際には、金属組織サンプルの断面を調べるための通常の基準に従って、光学顕微鏡を用いて、100倍及び500倍でサンプルを観察する。API's Specification of Nickel Base Alloy 718のAnnex A(この文書も、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる)には、許容可能なミクロ組織と許容不可能なミクロ組織の例が掲載されている。申し分のないミクロ組織の例が図2に示されており、この図は、その粒界に沿って、第2相の連続的なネットワークを含まないが、個々の分離した結晶粒が、その粒界に沿って第2相を有するミクロ組織を示している。図2に示されているように、代表的な結晶粒、すなわち、ミクロ組織のバルクを代表する結晶粒には、第2相によって完全に覆われているものはない。
衝撃強度の向上については、時効硬化状態のチュービングの衝撃強度は、マイナス75°Fにおいて少なくとも40ft lbs、好ましくは、マイナス75°Fにおいて少なくとも50ft lbsである。衝撃強度を測定する際には、ASTM A 370に従ってVノッチシャルピー衝撃試験を行う。寸法又は形状によって、横方向の試験片の使用が妨げられる場合を除き、鍛流線の一次方向に対して横方向に向けた試験片を用いる(断面が3インチ未満の材料)。上記の理由で横方向の試験片を使用できないときには、長手方向の試験片を用いる。試験片は、側面から中央の位置、かつ端面から少なくとも1.25インチを取り除く。
また、チュービングの最小の0.2%耐力は、室温において125ksiであり(好ましくは少なくとも140ksi、より好ましくは少なくとも160ksi)、伸び率は、室温において少なくとも18%であり(好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%)、最大ロックウェル硬さは、室温において42であるのが好ましい。
驚くべきことに、上記の要件は、合金を押し出してチュービングを形成させる工程と、押し出したチュービングを(ピルガリング、引抜、又はロールフォーミングなどによって)冷間加工する工程と、冷間加工したチュービングを焼きなます工程と、焼きなましたチュービングに、少なくとも1回の時効硬化工程を行う工程とを含む本発明の方法によって実現できることが分かった。この冷間加工工程は、例えば、チュービング断面積を少なくとも約5%減少させること、チュービング断面積を少なくとも約30%減少させること、又はチュービング断面積を少なくとも約50%減少させることを含んでよい。
また、驚くべきことに、上記の要件は、ある温度で合金を押し出す工程と、押し出したチュービングを焼きなます工程と、焼きなましたチュービングに、少なくとも1回の時効硬化工程を行う工程とを含む本発明の別の方法によっても実現できることが分かった。より低い温度に関しては、約2050°F以下の温度で十分であり得ると考えられる。
本発明の合金に関して用いる焼きなまし及び時効硬化の条件は、以下のようなものであるのが好ましい。焼きなましは、約1750°F〜約2050°F(約954℃〜約1121℃)の温度範囲で行う。時効処理は、2段階の手順で行うのが好ましい。上限温度は約1275°F〜約1400°F(約690℃〜約760℃)の範囲であり、下限温度は約1050°F〜約1250°F(約565℃〜約677℃)の範囲である。いずれかの温度範囲での1段温度時効も可能であるが、時効時間が著しく長くなり、強度及び/又は延性がやや低下し得るとともに、概して熱処理コストが増大し得る。
大気溶解でも十分であるが、本発明の合金は、インゴットの清浄度を確保するために、VIM法、又はVIM+VAR溶解法を用いて作製するのが好ましい。次に、本発明のチュービングを製造するプロセスは、作製した合金を押し出してチュービングを形成させてから、押し出したチュービングを冷間加工し、冷間加工したチュービングを焼きなますことを含む。この焼きなましは、約1750°F(約954℃)〜約2050°F(約1121℃)で、約0.5〜約4.5時間、好ましくは約1時間加熱することによって、最初に溶体化焼きなましを行ってから、水焼き入れ又は空冷を施すことを含むのが好ましい。続いて、その生成物を、好ましくは少なくとも約1275°F(約691℃)の温度まで加熱し、その温度で約6〜約10時間保持することによってγ’相とγ”相を析出させ、所望により、約1050°F(約565℃)〜約1250°F(約677℃)で2回目の時効熱処理を行い、その温度を保持して2回目の時効工程を約4〜約12時間、好ましくは約8時間行うことによって時効処理してよい。時効後の材料を周囲温度まで空冷して、所望のミクロ組織をもたらし、γ’及びγ”の強化を最大化する。この方法による加工後、所望のミクロ組織は、マトリックスと、γ’と、最低1%のγ”とからなる。広くは、γ’+γ”の総重量%は約10〜約30であり、好ましくは約12〜約25である。
上で説明したように、清浄なミクロ組織と、マイナス75°Fにおける衝撃強度の向上をもたらすために、冷間加工工程(ピルガリング、引抜、又はロールフォーミングなどによる加工)を、押出工程(押出工程と冷間加工工程との間の焼きなまし工程の有無にはかかわらない)と、最後の焼きなまし工程及び時効工程との間に挟み込む。驚くべきことに、冷間加工工程により、清浄なミクロ組織と、目標とする靱性に即した高い衝撃強度の両方が得られた。これは、引張特性を低下させることなく実現された。再結晶温度以下[約1093℃(約2000°F)以下、ただし好ましくは室温前後]での変形後、焼きなましを組み合わせると、時効中、実質的な粒界析出が起こらないことが分かった。これらのプロセスについては、下記の実施例を参照しつつ説明する。
実施例1
実施例1によれば、チュービングは、0.2%耐力が室温において少なくとも125ksi、伸び率が室温において少なくとも18%、衝撃強度が少なくとも50ft lbs、最大硬さがRc42であり、清浄なミクロ組織要件を満たすように製造できる。
このプロセスは、以下のように行った。上記の実験での押出条件を変えずに、すなわち、直径367mm(13.65インチ)の穿孔したビレットを1149℃(2100°F)で押し出し、ヒートHW1260の押出によって得た3つのシェルを6.5%、6.5%、及び7%冷間伸線してから、従来の焼きなましを1038℃(1900°F)/lh/WQで施し、704℃(1300°F)/8h/FCと、621℃(1150°F)/8h/ACで時効処理した。完成したチュービングの調査結果は表3に示されており、そのミクロ組織のうちの1つの「清浄な」ミクロ組織が図2に示されている。
Figure 0006430374
実施例2
実施例2によれば、チュービングは、0.2%耐力が室温において少なくとも140ksi、伸び率が室温において少なくとも18%、衝撃強度が少なくとも40ft lbs、最大硬さがRc42であり、清浄なミクロ組織要件を満たすように製造できる。
このプロセスは、以下のように行った。冷間加工の程度を変更することによって、規格要件の順守に及ぶ効果を割り出すために、ヒート(XX4058)をVIM+VAR溶解して、ODが10.65”の穿孔したビレットに熱間加工し、これを1149℃(2100°F)で押し出し、2つのシェル[OD133mm(5.25インチ)×壁厚15.88mm(0.625インチ)]を作製した。続いて、この2つのシェルを1066℃(1950°F)/30min/WQで連続的に焼きなました。次いで、第1のシェルを2つの工程で35%冷間ピルガリングして、OD89mm(3.5インチ)×壁厚11.51mm(0.453インチ)にし、上記の条件を用いて、中間に連続的な焼きなましを行った。中間合金は、OD114mm(4.5インチ)×壁厚13.72mm(0.540インチ)まで26%減少させた後に用いた。第2のシェルを1回の工程で52%冷間ピルガリングして、OD89mm(3.5インチ)×壁厚11.51mm(0.453インチ)にした。ピルガリングした各管から、短い試験片を切り出した。各プロセス経路から得た試験部を1038℃(1900°F)/lh/ACで焼きなまし、704℃(1300°F)/8h/FCと621℃(1150°F)/8h/ACで時効処理した。得られた引張特性は表4に示されている。
Figure 0006430374
実施例3
実施例3によれば、チュービングは、0.2%耐力が室温において少なくとも160ksi、伸び率が室温において少なくとも18%、衝撃強度が少なくとも40ft lbs、最大硬さがRc47であり、清浄なミクロ組織要件を満たすように製造できる。
ヒートXX4058からなる、ピルガリングした2つの管の引張特性を向上させるために、焼きなまし温度を低下させ((1825°F)/lh/AC)、2段時効の第1工程の温度をやや上昇させ((1325°F)/8h/FC)、その一方で、第2工程は(1150°F)/8h/ACに維持した。この焼きなましに時効を加えた結果は表5に示されており、目標要件を満たす衝撃強度と清浄なミクロ組織を保持しながら、引張特性の向上を示している。
Figure 0006430374
実施例4
直径が大きく、壁が厚く、仕上げ用機器として有用なパイプの製造方法の利用可能性を実証するために、VIM+VARヒートHW1420を610mm(24”)のインゴットとして鋳造し、1121℃(2050°F)で熱間加工して、470mm(18.5インチ)の穿孔したビレットにし、1038℃(1900°F)で押し出して、OD318mm(12.5インチ)×壁厚54mm(2.125インチ)のパイプにした。低温の押出温度が効果的に、室温冷間加工(変形)であったものの代用となることを期待して、1900°Fという低温の押出温度を選択した。続いて、押し出した状態のパイプを1038℃(1900°F)/1h/WQで焼きなまし、704℃(1300°F)/8h/FCから621℃(1150°F)/8h/ACで時効処理した。結果は表6に示されている。この結果は、目標要件を満たす衝撃強度の向上と清浄なミクロ組織を示している。押出温度については、約2050°F以下の温度で十分であり、約1850°F〜約2050°Fの温度が好ましいと考えられる。
Figure 0006430374
本発明の具体的な実施形態について詳細に説明してきたが、本開示の教示全体を鑑みれば、それらの詳細に対する様々な修正形態及び代替形態を生み出せることは当業者には明らかであろう。本明細書に記載されている本発明の好ましい実施形態は、実例目的にすぎず、本発明の範囲に関して限定することを意図したものではなく、本発明の範囲は、添付の請求項の全範囲と、そのあらゆる均等物によって示される。

Claims (16)

  1. 高強度耐食管の製造方法であって、
    合金を押し出して管を形成する工程であって、前記合金が、質量%で35〜55%のNiと、12〜25%のCrと、0.5〜5%のMoと、最大で3%のCuと、2.1〜4.5%のNbと、0.5〜3%のTiと、0.05〜1.0%のAlと、0.005〜0.04%のCと、残部Fe及び不可避不純物からなり
    前記合金の組成が (Nb − 7.75 C)/(Al + Ti)=0.5〜9
    という等式を満たす工程と、
    前記押し出した管を冷間加工する工程と、
    前記冷間加工した管を、冷間加工後に最終的に焼きなます工程と、
    前記焼きなました管に、最終時効硬化を行う工程と、
    を含んでなり、
    時効硬化状態の前記高強度耐食管が、その粒界に沿って、第2相の連続的なネットワークを含まないミクロ組織を有し、かつ加工後の合金は、強化相として存在する、γ”(ガンマダブルプライム)相とγ’(ガンマプライム)相との組み合わせを有しており、最低1質量%のγ”相が存在し、γ’+γ”の質量%の範囲が10〜30であることを特徴とする、製造方法。
  2. 前記冷間加工工程がピルガー圧延、引抜、又はロールフォーミングである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記冷間加工工程が、前記管の断面積を少なくとも5%減少させることである、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記冷間加工工程が、前記管の断面積を少なくとも30%減少させることである、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記冷間加工工程が、前記管の断面積を少なくとも50%減少させることである、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記焼きなまし工程を1750°F(954℃)〜2050°F(1121℃)で行う、請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記最終時効硬化工程の前に追加の時効硬化工程を行う、請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記追加の時効硬化工程を1275°F(691℃)〜1400°F(760℃)で行い、前記最終時効硬化工程を1050°F(566℃)〜1250°F(677℃)で行う、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記最終焼きなまし工程の後に、急速な空気焼き入れ又は水焼き入れのいずれかを行い、前記1回目の時効工程の後に、2回目の時効の温度まで炉冷を行ってから空冷を行う、請求項8に記載の製造方法。
  10. 高強度耐食管の製造方法であって、
    合金を押し出して管を形成する工程であって、前記合金が、質量%で35〜55%のNiと、12〜25%のCrと、0.5〜5%のMoと、最大で3%のCuと、2.1〜4.5%のNbと、0.5〜3%のTiと、0.05〜1.0%のAlと、0.005〜0.04%のCと、残部Fe及び不可避不純物からなり
    前記合金の組成が (Nb − 7.75 C)/(Al + Ti)=0.5〜9
    という等式を満たす工程と、
    前記押出工程を2050°F(1121℃)以下の温度で行う工程と、
    前記押し出した管を冷間加工する工程と、
    前記冷間加工された管を焼きなます工程と、
    前記焼きなました管に、最終時効硬化を行う工程と、
    を含んでなり、
    時効硬化状態の前記高強度耐食管が、その粒界に沿って、第2相の連続的なネットワークを含まないミクロ組織を有し、かつ加工後の合金は、強化相として存在する、γ”(ガンマダブルプライム)相とγ’(ガンマプライム)相との組み合わせを有しており、最低1質量%のγ”相が存在し、γ’+γ”の質量%の範囲が10〜30であることを特徴とする、製造方法。
  11. 前記押出工程を1850°F(1010℃)〜2050°F(1121℃)の温度で行う、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記最終焼きなまし工程を1750°F(954℃)〜2050°F(1121℃)で行う、請求項10に記載の製造方法。
  13. 前記最終の時効硬化工程の前に、追加の時効硬化工程を含む、請求項10に記載の製造方法。
  14. 前記追加の時効硬化工程を1275°F(691℃)〜1400°F(760℃)で行い、前記最終の時効硬化工程を1050°F(566℃)〜1250°F(677℃)で行う、請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記最終の焼きなまし工程の後に、急速な空気焼き入れ又は水焼き入れのいずれかを行い、前記追加の時効工程の後に、前記最終の時効硬化工程の温度まで炉冷を行ってから空冷を行う、請求項13に記載の製造方法。
  16. 前記押し出した管を冷間加工する前に、第1回目の焼きなましを行うことを更に含む、請求項1に記載の製造方法。
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