JP2017149667A - 多孔性錯体複合体およびその製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であって、ここで、該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子である、該複合体に関する。本発明は更に、該複合体の製造方法および機能性材料としてのその使用方法に関する。
【選択図】なし
Description
従って、錯体形成のための反応溶媒として有機溶媒を用いない水系の溶液法であり、大過剰量のイミダゾール系配位子の反応基質を必要とせず、且つ連続合成および大量生産に適した製法(例えば、連続フロー式製法)が望まれている。
[1]ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であって、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
[2]ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であって、
該金属酸化物が該複合粒子の外側表面部にあり、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
[3]該金属が亜鉛であって、該ゼオライト様イミダゾレート構造体がZIF−8である、項[1]または[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
[3−1]該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の該金属と該イミダゾレート配位子の含有(構成)モル比が1:2である、項[1]または[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
[4]ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体であって、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該非晶質状錯体複合体。
[5]項[1]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を製造するための中間体としての、項[4]記載の非晶質状錯体複合体。
[6]ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体であって、
該金属酸化物が該複合粒子の中心部にあり、そして該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体が該複合粒子の外殻部にあり、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は適宜置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該非晶質状錯体複合体。
[7]項[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を製造するための中間体としての、項[6]記載の非晶質状錯体複合体。
[8]該金属酸化物が酸化亜鉛である、項[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体または項[6]記載の非晶質状錯体複合体。
[9]前記複合粒子中の該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体および該金属酸化物の含有重量比が1:9〜9:1である、項[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体または項[6]記載の非晶質状錯体複合体。
[9−1]前記複合粒子中の該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体および該金属酸化物の含有重量比が4:1である、項[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体または項[6]記載の非晶質状錯体複合体。
[10]以下の工程を含む、項[1]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の製造方法;
1)金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体とを水中で混合して反応させる;
2)反応混合物を噴霧乾燥して、項[4]記載の非晶質状錯体複合体を得る;
3)前記で得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理する、
該製造方法。
[11]項[10]における工程1)における金属塩の代わりに金属酸化物を用いて、工程2)において項[6]記載の非晶質状錯体複合体を得る、ことを含む、項[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の製造方法。
[12]該金属塩または金属酸化物とイミダゾールまたはその誘導体とをモル比が1:2の割合で反応させる、項[10]または[11]記載の製造方法。
[13]工程3)における有機溶媒が、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、または非プロトン性溶媒から選ばれる、項[10]または[11]記載の製造方法。
[14]連続フロー式である、項[10]または[11]記載の製造方法。
[15]項[1]または[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を含有する、吸着剤。
[15−1]気体、染料、または有機溶媒に対する、[15]記載の吸着剤。
[16]ガス貯蔵、ガス分離、ガスセンサーデバイス、または不均一反応触媒のための、項[1]または[2]のいずれか記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の使用。
[17−1]
以下の工程:
1)金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体とを混合して反応させる;
2)反応混合物を噴霧乾燥して、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体(ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)
を得る;および、
3)前記で得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理する、
ことによって得られる、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体(ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)。
[17−2]
以下の工程:
1)金属酸化物と、イミダゾールまたはその誘導体とを混合して反応させる;
2)反応混合物を噴霧乾燥して、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体(ここで、
該金属酸化物が該複合粒子の中心部にあり、そして該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体が該複合粒子の外殻部にあり、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は適宜置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)を得る;および、
3)前記で得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理する、
ことによって得られる、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体(ここで、
該金属酸化物が該複合粒子の外側表面部にあり、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)。
[18−1]
以下の工程:
1)金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体とを混合して反応させる;および、
2)反応混合物を噴霧乾燥する、
によって得られる、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体(ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)。
[18−2]
以下の工程:
1)金属酸化物と、イミダゾールまたはその誘導体とを混合して反応させる;および、
2)反応混合物を噴霧乾燥する、
によって得られる、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体(ここで、
該金属酸化物が該複合粒子の中心部にあり、そして該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体が該複合粒子の外殻部にあり、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は適宜置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)。
(定義)
以下に、本明細書および特許請求の範囲中で使用する用語の定義を示す。特に断らなければ、本明細書中の基または用語について示す最初の定義を、個別にまたは別の基の一部として本明細書中の基または用語に適用する。
本発明の錯体複合体の生成メカニズムを説明する。
金属供給源が金属塩である場合は以下の通りである。
水中で金属塩由来の金属とイミダゾールまたはその誘導体との反応が起こり、ゼオライト様イミダゾレート構造体(ZIF)の錯体の粒子(一次粒子)が形成され、続いて該ZIF錯体の粒子が自己組織化により凝結して、ZIF錯体の凝集体(集合体)を形成する。
次に、得られたZIF錯体の凝集体を含む水溶液の液滴を噴霧乾燥処理することで、ZIF錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体の粒子(二次粒子)が生成する。
更に、得られた該非晶質状錯体複合体の粒子を有機溶媒中で分散処理することによって、非晶質状錯体複合体の粒子と有機溶媒相との固液界面で反応が起こって、非晶質状錯体複合体から多結晶型の多孔性錯体複合体に変換され、その際、非晶質状錯体複合体の供給に伴い、生成する多結晶型の多孔性錯体複合体粒子の中心部(いわゆるコア)は中空状になり、一方で該変換により形成される多孔性ZIF錯体結晶は外殻部(いわゆるシェル)に存在し、その結果、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体が生成する。
水中で金属酸化物由来の金属とイミダゾールまたはその誘導体との反応が起こり、ゼオライト様イミダゾレート構造体(ZIF)の錯体の粒子(一次粒子)が形成され、続いて該ZIF錯体の粒子が自己組織化により凝結して、ZIF錯体の凝集体(集合体)を形成する。このとき、反応基質の金属酸化物は全て消費されずに、未反応の金属酸化物が残存する。そのため、該金属酸化物が中心部(いわゆるコア)に存在し、そして該ZIF錯体が外殻部(いわゆるシェル)に存在する、ZIF錯体の粒子と金属酸化物の粒子を含む複合体が形成する。
次に、前記の金属塩の場合と同様に、得られたZIF錯体の粒子と金属酸化物の粒子を含む複合体を含む水溶液の液滴を噴霧乾燥処理することで、当該複合体粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体の粒子(二次粒子)が生成する。
更に、得られた該非晶質状錯体複合体の粒子を有機溶媒中で分散処理することによって、非晶質状錯体複合体の粒子と有機溶媒相との固液界面で反応が起こって、非晶質状錯体複合体から多結晶型の多孔性錯体複合体に変換され、その際、非晶質状錯体複合体の供給に伴い、生成する多結晶型の多孔性錯体複合体粒子の中心部(いわゆるコア)は中空状になり、一方で該変換により形成される多孔性ZIF錯体結晶は外殻部(いわゆるシェル)に存在し、その結果、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体が生成する。ここで、有機溶媒での処理前には複合粒子の中心部に存在していた金属酸化物粒子は露出されて、生成する多孔性錯体複合体の外側表面部に存在する。
また、該中空の大きさは、典型的に平均直径約500nm〜約10μmであり、好ましくは約1μm〜約3μmである。一方で、該外殻部(いわゆるシェル)の厚さは、典型的には平均的なサイズが約10nm〜約1μmであり、好ましくは約20nm〜約400nmである。
ここで、該複合粒子中のゼオライト様イミダゾレート構造体錯体の粒子および金属酸化物の粒子の含有重量比は、典型的には約1:9〜約9:1であり、好ましくは約1:1〜約4:1である。該含有重量比は、粉末X線回析スペクトル(XRD)測定による該ZIF構造体および金属酸化物に特有のピークおよびその強度、ならびに熱重量分析(TG)測定による重量減少率によって決定することができる。
ここで、該複合粒子中のゼオライト様イミダゾレート構造体錯体の粒子および金属酸化物の粒子の含有モル比は、前述の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体について記載の通りである。
本発明の複合体の製造法を以下に説明する。
本発明の複合体は、水系中での溶液法を用いて製造することができる。具体的な操作を下記に示すが、これに限定されるものではない。
1)金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体とを水中で混合して反応させる;
2)反応混合物を噴霧乾燥して、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体を得る;
3)前記で得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理する、
ことを含む。
また、工程1において金属塩の代わりに金属酸化物を用いて、工程2および3の操作を行って、本発明の多孔性錯体複合体を製造することもできる。
工程1においては、金属塩または金属酸化物と、イミダゾールまたはその誘導体とを適当な反応容器中で配合、混合する。このとき、金属塩または金属酸化物とイミダゾールまたはその誘導体との配合のモル比は、1:2の化学量論比は好ましいが、そのいずれかの反応基質を過剰量で使用することもできる。例えば、金属塩または金属酸化物とイミダゾールまたはその誘導体のモル比は、約1:0.1〜約1:5.0の割合が挙げられ、約1:0.5〜約1:2.0の割合が挙げられる。
工程2においては、工程1で調製した反応混合物の噴霧乾燥(スプレードライ)の操作を行う。本願発明の製法における噴霧乾燥の操作は、噴霧乾燥において一般に使用される機器であれば特に制限されるものではなく、例えば市販の機器(例えば、東京理化器機製のSD−100型)を用いて行ってもよい。噴霧乾燥機とは、一般的に微粒化した液状試料(つまり、液滴)に熱風を接触させ、該液状試料を乾燥し、粉体を得る装置をいう。よって、噴霧乾燥の操作工程は、液状試料の微粒化、乾燥、および粉体製品の回収から構成される。噴霧乾燥の機器の使用条件(例えば、送液速度、注入速度、出口速度、サイクロン送風量、噴霧圧)は、使用する機器の仕様に準じて特に制限されるものではない。
噴霧乾燥機においては、液体試料を噴霧・微粒子化して蒸発面積を増大させ、瞬間的に水分を蒸発させる。まず、送液圧力センサ(6)で送液量を計測しながら送液ポンプ(7)によって液体試料を試料撹拌機(8)から噴霧用ノズル(5)に送液する。一方、噴霧空気ラインバルブ(1)、三方電磁弁(2)、レギュレーター(3)によって圧力を調節した加圧空気を噴霧用ノズル(5)に供給し、送液された液体試料を噴霧用ノズル(5)から蒸発管(13)内に噴霧する。その際、圧力センサ(4)で加圧空気圧を計測する。蒸発管(13)に噴霧・微粒子化された液体試料(液滴)は、サクションフィルター(9)を通してヒータ(11)で加熱された温風で瞬時に加熱・乾燥される。その際、温風の風速をセンサ(風速)(10)で、温風温度をそれぞれセンサ(入口温度)(12)、センサ(出口温度)(16)で計測する。蒸気と乾燥された粉体試料を吸引ブロア(20)で吸引し、サイクロン(17)で分離する。噴霧乾燥で微粒子化されない場合に対応するよう分離器(15)を備える。蒸気はエアフィルター(出口)(19)を通って排気され、粉体試料は粉体回収容器(18)に回収される。
送液速度:150〜1700mL/時間(例えば、300mL/時間)
注入速度:40〜200℃(例えば、150℃)
出口温度:100℃以下(例えば、75℃)
サイクロン送風量:0.2〜0.75m3/分(例えば、0.6m3/分)
噴霧圧:20〜245kPa(例えば、70kPa)。
金属供給源として金属塩を用いる場合には、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体の粒子の粉体が得られる。また、金属供給源として金属酸化物を用いる場合には、金属酸化物が該複合粒子の中心部にあり、そして該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体が該複合粒子の外殻部にある、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体の粒子の粉体が得られる。得られた非晶質状錯体複合体は、粉末X線回析スペクトル(XRD)測定または走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡を用いる測定によって同定することができる。また、原料物質である金属塩または金属酸化物から非晶質状錯体複合体への転化率(これは、生成物の収率を意味する)は、例えば熱重量分析(TG)によって測定することができる。
工程3においては、工程2において得られた非晶質状錯体複合体の粒子の粉体をそのまま有機溶媒中に添加して処理することによって、結晶に転換した中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を得ることができる。
使用可能な有機溶媒としては、例えばアルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン)、アルデヒド系溶媒(例えば、ホルムアルデヒド)、ハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルム)、炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、非プロトン性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)等を挙げられるが、これらに限定されない。アルコール系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。また、前記の生成する非晶質状錯体複合体または中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体における、構成するゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体結晶の粒子(一次粒子)の粒径の大きさは、処理に使用する有機溶媒によって変わり、また使用するアルコール系溶媒の炭素鎖長によっても制御することが可能であった。
連続フロー式の1態様としては、上記噴霧乾燥機を用いる噴霧乾燥の操作手順に準じて、試料撹拌機(8)に常時連続的に液体試料を供給し、次いで蒸発管(13)内に連続的に送液し、噴霧乾燥後に生成する粉体試料を粉体回収器(18)から常時連続的に粉体試料を回収することによって連続的に製造することができる。具体的な連続的なフロー式の噴霧乾燥の操作手順は以下の通りである。まず、送液圧力センサ(6)で送液量を計測しながら送液ポンプ(7)によって液体試料を試料撹拌機(8)から噴霧用ノズル(5)に送液する。試料撹拌機(8)に常時液体試料を供給することで連続的な製造ができる。一方、噴霧空気ラインバルブ(1)、三方電磁弁(2)、レギュレーター(3)によって圧力を調節した加圧空気を噴霧用ノズル(5)に供給し、送液された液体試料を噴霧用ノズル(5)から蒸発管(13)内に噴霧する。その際、圧力センサ(4)で加圧空気圧を計測する。蒸発管(13)に噴霧・微粒子化された液体試料(液滴)は、サクションフィルター(9)を通してヒータ(11)で加熱された温風で瞬時に加熱・乾燥される。その際、温風の風速をセンサ(風速)(10)で、温風温度をそれぞれセンサ(入口温度)(12)、センサ(出口温度)(16)で計測する。蒸気と乾燥された粉体試料を吸引ブロア(20)で吸引し、サイクロン(17)で分離する。噴霧乾燥で微粒子化されない場合に対応するよう分離器(15)を備える。蒸気はエアフィルター(出口)(19)を通って排気され、粉体試料は粉体回収容器(18)に回収される。粉体回収容器(18)から常時粉体試料を回収することで連続フローな製造ができる。
次に、上記製造法で得られた本発明の複合体の機能性材料としての使用方法を示す。
まず、本発明の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体は、その構成要素としてゼオライト様イミダゾレート構造体(ZIF)の錯体結晶粒子を含むことから、ZIFそのものが元来有する機能を供することができる。例えば、ZIF−8結晶粒子を含む場合には、ZIF−8そのものが元来有する機能、例えば多孔性に由来する機能(例えば、種々の基質に対する吸着剤として)を供することができる。基質としては例えば、ガス(例えば、窒素ガス、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン)、染料(例えば、ローダミンB、オーラミン、マラカイトグリーン、メチレンブルーなどの塩基性染料))、ペプチド、タンパク質および有機溶剤(例えば、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;ポリエチレングリコールなどの多価アルコール)が挙げられる。
また、金属供給源として金属酸化物を使用する場合には、本発明の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体は、その構成要素として金属酸化物粒子とZIFの錯体結晶粒子を含むことから、前記ZIF錯体結晶そのものが元来有する機能に加えて、金属酸化物粒子そのものが元来有する機能を同時複合的に発揮することが期待できる。例えば、金属酸化物としての亜鉛酸化物は光触媒として機能することが知られることから(例えば、H. Zhangら著、J. Mater. Chem. 19, 5089 (2009);H. A. D. Mariaら著、Energy Environ. Sci. 2, 1231 (2009);K. Rajeshwarら著、J. Photochem. Photobiol. C: PHOTOCHEM. REV. 9, 171 (2008)を参照)、本発明の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体には、上記ZIF−8そのものが元来有する機能に加えて光触媒としての機能を同時複合的に奏することが期待できる。
本発明の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体は、粒子の中心部に中空部を形成することから、前記のZIF錯体結晶そのものが元来有する機能、および金属酸化物を使用する場合には金属酸化物粒子の機能とZIFの錯体結晶粒子の機能との複合機能に加えて、中空部に由来する新たな機能を発揮することも期待できる。例えば、中空部にその大きさに適合した反応基質を取り込む(または、包接する)ことにより、基質選択的および/または特異的に吸着機能、あるいは触媒機能を発揮することも期待できる。
酢酸亜鉛二水和物1.65gを蒸留水30mLに溶解した酢酸亜鉛水溶液と、2−メチルイミダゾール1.23gを蒸留水270mLに溶解した2−メチルイミダゾール水溶液を混合し、30分間攪拌した。30分間の攪拌後、上述の水溶液を噴霧乾燥機(東京理化器械SD−1000)で噴霧乾燥し、粉末状の生成物を得た。噴霧乾燥条件は、溶液送液流量300ml/時間、噴霧圧力70kPa、溶液入口温度150℃、出口温度75℃、乾燥熱風量0.6m3/分とした。
また、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクS−5000)を用いて、生成物の電子顕微鏡観察を行った。噴霧乾燥後の生成物は球状の形状を示し、多面体状を特徴とするゼオライト様イミダゾレート構造体の結晶粒子が含まれないことが確認できた(図4:as made)。
噴霧乾燥後の生成物0.2gを有機溶媒(具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、トルエン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド)40mLに分散させた後、遠心分離にて生成物を回収した。
ただし、トルエンを用いた場合、非晶質粒子のSOD型ゼオライト様イミダゾレート構造体への結晶転換効果は低かった。
透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−2010)を用いて、噴霧乾燥後および有機溶媒処理後の生成物の電子顕微鏡観察を行った。噴霧乾燥後の生成物は中実の粒子であることが確認できた。一方、有機溶媒処理を行った粒子は中空状の粒子であることが確認できた。また、中空状粒子のシェル部分は多結晶構造であることが確認できた(図5)。ただし、N,N−ジメチルホルムアミドを用いた場合、中空状粒子は得られにくかった(図4)。
酸化亜鉛0.61gを蒸留水150mLに分散した酸化亜鉛懸濁水と、2−メチルイミダゾール1.23gを蒸留水150mLに溶解した2−メチルイミダゾール水溶液を混合し、30分間攪拌した。30分間の攪拌後、上述の懸濁水溶液を噴霧乾燥機で噴霧乾燥し、粉末状の生成物を得た。噴霧乾燥条件は、溶液送液流量300mL/時間、噴霧圧力70kPa、溶液入口温度150℃、出口温度75℃、乾燥熱風量0.6m3/分とした。
噴霧乾燥後の生成物0.2gを有機溶媒(メタノール)40mLに分散させた後、遠心分離にて生成物を回収した。
透過型電子顕微鏡を用いて、噴霧乾燥後および有機溶媒処理後の生成物の電子顕微鏡観察を行った。噴霧乾燥後の生成物は非晶質状の球状粒子のコア部に酸化亜鉛が分散した中実の複合体であることが確認できた(図8)。一方、有機溶媒処理を行った粒子は酸化亜鉛が露出し、ゼオライト様イミダゾレート構造体とナノレベルで高分散に複合化した粒子であることが確認できた。
吸着測定装置(日本ベルBELSORP−max)を用いて、実施例2で得られた中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体生成物の窒素吸着量の測定を行った。相対圧(P/P0)0.05付近までの窒素吸着量は、SOD型ゼオライト様イミダゾレート構造体の結晶内のミクロ細孔への窒素の充填によるものであり、相対圧(P/P0)0.9以上の窒素吸着量は結晶粒子間の粒子間隙での窒素の凝縮によるものである(図9)。メタノールで処理した生成物は、結晶粒界の小さい多結晶構造を有することから相対圧(P/P0)0.9以上で窒素吸着量が大きく増加した。一方、1−ブタノールで処理した生成物の結晶粒界が大きく、結晶間隙が大きいため、相対圧(P/P0)1以内で窒素の毛管凝縮が観測されなかった。メタノールおよび1-ブタノールで処理した生成物はそれぞれおよそ1230m2/g、1180m2/gのBET比表面積を有した。
2 三方電磁弁
3 レギュレータ
4 圧力センサ(噴霧空気)
5 噴霧用ノズル
6 送液圧力センサ
7 送液ポンプ
8 試料撹拌機(マグネチックスターラー)
9 吸引フィルター(入口)
10 風速センサ
11 ヒーター
12 センサ(入口温度)
13 蒸発管
14 噴霧ノズル洗浄口
15 分離器
16 センサ(出口温度)
17 サイクロン
18 粉体回収容器
19 排気フィルター(出口)
20 吸引ブロア
Claims (16)
- ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であって、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。 - ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であって、
該金属酸化物が該複合粒子の外側表面部にあり、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。 - 該金属が亜鉛であって、該ゼオライト様イミダゾレート構造体がZIF−8である、請求項1または2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
- ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体であって、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該非晶質状錯体複合体。 - 請求項1記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を製造するための中間体としての、請求項4記載の非晶質状錯体複合体。
- ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体であって、
該金属酸化物が該複合粒子の中心部にあり、そして該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体が該複合粒子の外殻部にあり、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は適宜置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該非晶質状錯体複合体。 - 請求項2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を製造するための中間体としての、請求項6記載の非晶質状錯体複合体。
- 該金属酸化物が酸化亜鉛である、請求項2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体または請求項6記載の非晶質状錯体複合体。
- 前記複合粒子中の該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体および該金属酸化物の含有重量比が1:9〜9:1である、請求項2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体または請求項6記載の非晶質状錯体複合体。
- 以下の工程を含む、請求項1記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の製造方法;
1)金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体とを水中で混合して反応させる;
2)反応混合物を噴霧乾燥して、請求項4記載の非晶質状錯体複合体を得る;
3)前記で得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理する、
該製造方法。 - 請求項10における工程1)における金属塩の代わりに金属酸化物を用いて、工程2)において請求項6記載の非晶質状錯体複合体を得る、ことを含む、請求項2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の製造方法。
- 該金属塩または金属酸化物と、イミダゾールまたはその誘導体とをモル比が1:2の割合で反応させる、請求項10または11記載の製造方法。
- 工程3)における有機溶媒が、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、または非プロトン性溶媒から選ばれる、請求項10または11記載の製造方法。
- 連続フロー式である、請求項10または11記載の製造方法。
- 請求項1または2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を含有する、吸着剤。
- ガス貯蔵、ガス分離、ガスセンサーデバイス、または不均一反応触媒のための、請求項1または2のいずれか記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の使用。
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