JP2017149667A - 多孔性錯体複合体およびその製造法 - Google Patents

多孔性錯体複合体およびその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、錯体形成のための反応溶媒として有機溶媒を用いない水系の溶液法であり、過剰量のイミダゾール系配位子の反応基質を必要としない、連続合成および大量生産に適した、ゼオライト様イミダゾレート骨格材料を得る製法を提供することを目的とする。本発明はまた、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる新規な多孔性錯体複合体、並びにその製造方法および機能性材料としてのその使用方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であって、ここで、該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子である、該複合体に関する。本発明は更に、該複合体の製造方法および機能性材料としてのその使用方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、機能性金属有機骨格材料、特に新規な多孔性錯体複合体の機能性金属有機骨格材料に関する。具体的には、本発明は、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる新規な中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体、およびその製造方法並びに機能性材料としてのその使用方法に関する。本発明はまた、その新規な中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を製造するための中間体である、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる新規な非晶質状錯体複合体およびその製造法に関する。
多孔性錯体は、金属イオンと有機架橋配位子との配位結合の形成による錯体の生成、および続く該錯体の自己集合を経て形成される多孔性の三次元構造体である(特許文献1参照)。
金属有機構造体(Metal-Organic Framework:MOF)を骨格とする材料は、金属イオンと有機架橋配位子の配位結合・自己集合を経て合成される結晶性の3次元ミクロポーラス材料であり、機能性材料として期待されている。MOFは、有機架橋配位子と金属イオン種の組み合わせによって、幅広い構造設計が可能であり、均一なミクロ孔(〜0.4nm)および高い比表面積(〜6000m/g)を有するために、例えばガス貯蔵、ガス分離、不均一触媒、およびデバイスなどの機能性材料として期待されている(特許文献1乃至3、非特許文献1参照)。
MOFの1つとして、金属として亜鉛(Zn)またはコバルト(Co)からなり、また有機架橋配位子としてイミダゾールからなる、ゼオライト様トポロジーを有するイミダゾレート構造体(Zeolitic Imidazolate Framework:ZIF)を骨格とする材料が合成されている(非特許文献2参照)。ZIFの特性としては、ゼオライト様トポロジーを有しながら、一方でゼオライトと相違して、テンプレートフリーな自己組織化により形成されるため構造規定剤が不要であり、また、アルミニウム(Al)以外にはケイ素(Si)、酸素(O)からなる無機骨格のゼオライトと違ってイミダゾール有機配位子を有するため構造の柔軟性を有し、更にゼオライトではSi/Al比やカチオン種を変えることにより分子全体の親水性または疎水性の制御を図っているのに対し、ZIFではイミダゾール上の官能基を改変するだけで分子全体の親水性または疎水性の制御を図ることができるため、製造面および特性の面から大いに期待されている。
ZIFの例としては、金属として亜鉛、イミダゾレート配位子として2−メチルイミダゾレート配位子からなるZIF−8が知られ(上記非特許文献2、特許文献4および5参照)、これはバソライト(Basolite)(登録商標)Z1200(シグマ−アルドリッチ社製)として市販されている。かかるZIF−8の製造方法としては、一般的なZIFの製法方法と同様に、硝酸亜鉛などの金属塩を出発原料とする、ソルボサーマル法(非特許文献3、特許文献4および5参照)、溶液法(非特許文献4参照)、およびメカノケミカル法(特許文献6、並びに非特許文献5および6参照)が知られている。
ここで、ZIF−8などの錯体形成のための製造法として、溶液法としては、有機溶媒を用いる方法、及び水を用いる方法が挙げられる。有機溶媒を用いる方法は、有機液相で固体析出させるバッチ式の製法であり(上記特許文献1乃至5、及び非特許文献1及び3参照)、またその揮発性、可燃性、毒性による安全上の問題や環境への悪影響の問題があり、且つ反応速度が低いために生成物の収率が低いという課題がある。一方で、水を溶媒として用いる方法は、有機溶媒を用いないクリーンな製法であるが、イミダゾールの溶解度が極めて低いために、例えば金属供給源に対して例えば約30倍以上の大過剰量のイミダゾール系配位子の反応基質が必要となり(非特許文献7および8参照)、加えて、反応終了後に残存する未反応のイミダゾール系配位子を洗浄除去する必要がある。更に、メカノケミカル法は有機溶媒を使用せず、反応工程で生成する副生成物も水のみであることから、環境等への悪影響が少ない利点を有するが、バッチ式の合成法である(上記特許文献6、及び非特許文献9参照)。また、従来のソルボサーマル法、溶液法では未反応の亜鉛イオンが残存し、生成物を回収する際に水で洗浄すると水酸化物などの不純物が生成してしまう。そのため、質量比容積cc/g単位である材料の細孔容積は、比重が大きく、細孔を有さない材料が不純物として混入すると細孔容積が低下してしまう問題があり、有機溶媒を用いた洗浄が必要不可欠となる。
従って、錯体形成のための反応溶媒として有機溶媒を用いない水系の溶液法であり、大過剰量のイミダゾール系配位子の反応基質を必要とせず、且つ連続合成および大量生産に適した製法(例えば、連続フロー式製法)が望まれている。
特許第5083762号 特開2005−255651号 特許第4994398号 特表2009−528251号 特表2012−530722号 特開2014−156434号
北川進ら著、材料科学の基礎、第7号、シグマ−アルドリッチ社刊 O.M. Yaghiら著、Accounts of Chemical Research 43, 58 (2010) O.M. Yaghiら著、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103, 10186 (2006) Y. Panら著、Chem. Comm. 47, 2071 (2011) T. Friscicら著、Angew. Chem. Int. Ed. 49, 712 (2010) T. Friscicら著、Chem. Sci. 3, 2495 (2012) S. Tanakaら著、Chem. Lett., 41, 1337 (2012) S. Tanakaら著、CrystEngComm, 15, 1794 (2013) S. Tanakaら著、Chem Commun 49, 7884, 2013
本発明は、錯体形成のための反応溶媒として有機溶媒を用いない水系の溶液法であり、過剰量のイミダゾール系配位子の反応基質を必要としない、連続合成および大量生産に適した(例えば、連続フロー式)、ゼオライト様イミダゾレート骨格材料を得るための製造法を提供することを目的とする。本発明はまた、ゼオライト様イミダゾレート構造体(ZIF)の錯体を含んでなる新規な多孔性錯体複合体、並びにその製造方法およびその使用方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは上記目的を達成すべく、水系の溶液法によるゼオライト様イミダゾレート構造体を含んでなる多孔性錯体の簡便な製造法を鋭意研究した結果、出発原料として金属塩または金属酸化物を水中で反応させ、反応混合物の水溶液を噴霧処理し、更に得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理することにより、多孔性錯体複合体を簡便に効率よく(例えば、連続フロー式)製造することができることを見出した。また、本発明の製法においては、錯体形成反応が効率よく進行し、イミダゾール配位子の反応基質を過剰量に要することなく、定量的に反応が進行する利点を有する。また、予想外に該製法において、噴霧処理によって得られる中間体生成物が、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる新規な非晶質状錯体複合体であること、更に当該非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理することによって得られる生成物が、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる新規な中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であることをも見出した。すなわち、本発明は以下の通りである。
(中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体)
[1]ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であって、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
[2]ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であって、
該金属酸化物が該複合粒子の外側表面部にあり、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
[3]該金属が亜鉛であって、該ゼオライト様イミダゾレート構造体がZIF−8である、項[1]または[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
[3−1]該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の該金属と該イミダゾレート配位子の含有(構成)モル比が1:2である、項[1]または[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
(非晶質状錯体複合体)
[4]ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体であって、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該非晶質状錯体複合体。
[5]項[1]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を製造するための中間体としての、項[4]記載の非晶質状錯体複合体。
[6]ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体であって、
該金属酸化物が該複合粒子の中心部にあり、そして該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体が該複合粒子の外殻部にあり、ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は適宜置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
該非晶質状錯体複合体。
[7]項[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を製造するための中間体としての、項[6]記載の非晶質状錯体複合体。
[8]該金属酸化物が酸化亜鉛である、項[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体または項[6]記載の非晶質状錯体複合体。
[9]前記複合粒子中の該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体および該金属酸化物の含有重量比が1:9〜9:1である、項[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体または項[6]記載の非晶質状錯体複合体。
[9−1]前記複合粒子中の該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体および該金属酸化物の含有重量比が4:1である、項[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体または項[6]記載の非晶質状錯体複合体。
(製造方法)
[10]以下の工程を含む、項[1]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の製造方法;
1)金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体とを水中で混合して反応させる;
2)反応混合物を噴霧乾燥して、項[4]記載の非晶質状錯体複合体を得る;
3)前記で得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理する、
該製造方法。
[11]項[10]における工程1)における金属塩の代わりに金属酸化物を用いて、工程2)において項[6]記載の非晶質状錯体複合体を得る、ことを含む、項[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の製造方法。
[12]該金属塩または金属酸化物とイミダゾールまたはその誘導体とをモル比が1:2の割合で反応させる、項[10]または[11]記載の製造方法。
[13]工程3)における有機溶媒が、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、または非プロトン性溶媒から選ばれる、項[10]または[11]記載の製造方法。
[14]連続フロー式である、項[10]または[11]記載の製造方法。
(用途)
[15]項[1]または[2]記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を含有する、吸着剤。
[15−1]気体、染料、または有機溶媒に対する、[15]記載の吸着剤。
[16]ガス貯蔵、ガス分離、ガスセンサーデバイス、または不均一反応触媒のための、項[1]または[2]のいずれか記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の使用。
(プロダクト・バイ・プロセスクレーム)
[17−1]
以下の工程:
1)金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体とを混合して反応させる;
2)反応混合物を噴霧乾燥して、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体(ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)
を得る;および、
3)前記で得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理する、
ことによって得られる、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体(ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)。
[17−2]
以下の工程:
1)金属酸化物と、イミダゾールまたはその誘導体とを混合して反応させる;
2)反応混合物を噴霧乾燥して、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体(ここで、
該金属酸化物が該複合粒子の中心部にあり、そして該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体が該複合粒子の外殻部にあり、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は適宜置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)を得る;および、
3)前記で得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理する、
ことによって得られる、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体(ここで、
該金属酸化物が該複合粒子の外側表面部にあり、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)。
[18−1]
以下の工程:
1)金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体とを混合して反応させる;および、
2)反応混合物を噴霧乾燥する、
によって得られる、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体(ここで、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)。
[18−2]
以下の工程:
1)金属酸化物と、イミダゾールまたはその誘導体とを混合して反応させる;および、
2)反応混合物を噴霧乾燥する、
によって得られる、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体(ここで、
該金属酸化物が該複合粒子の中心部にあり、そして該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体が該複合粒子の外殻部にあり、
該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
該イミダゾレート配位子は適宜置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい)。
本発明の製法により、水系で錯体形成反応を行うことができ、また過剰量のイミダゾール配位子を要することなく、多孔性錯体を簡便に効率よく製造することができる。また、噴霧処理時の噴霧される液滴径を変えることにより、容易に粒子サイズを制御することができる。更に、得られる本発明の多孔性錯体複合体は、400℃を超える高い耐熱性を有し、また高い比表面積および高い細孔容積を有する。
ZIF−8の構造の模式図を示す図面である。 本願発明の製法の噴霧乾燥の1態様を示す図面である。 酢酸亜鉛を用いた場合の、実施例1における非晶質錯体複合体、および実施例2における中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の粉末X−線回折スペクトルを示す図面である。 実施例2における中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の走査型電子顕微鏡の像を示す図面である。 実施例1における非晶質錯体複合体と、実施例2における中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体との透過型電子顕微鏡の像を比較した図面である。 実施例2における中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の熱重量(TG)分析チャートを示す図面である。 酸化亜鉛を用いた場合の、酸化亜鉛自体と、実施例3における非晶質錯体複合体と、実施例4における中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体との粉末X−線回折スペクトルを比較した図面である。 酸化亜鉛を用いた場合の、実施例3における非晶質錯体複合体と、実施例4における中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体との透過型電子顕微鏡の像を比較した図面である。 実施例2における中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の窒素ガス(N)に対する吸着能を調べたときの経時変化を示す図面である。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
(定義)
以下に、本明細書および特許請求の範囲中で使用する用語の定義を示す。特に断らなければ、本明細書中の基または用語について示す最初の定義を、個別にまたは別の基の一部として本明細書中の基または用語に適用する。
(生成メカニズム)
本発明の錯体複合体の生成メカニズムを説明する。
金属供給源が金属塩である場合は以下の通りである。
水中で金属塩由来の金属とイミダゾールまたはその誘導体との反応が起こり、ゼオライト様イミダゾレート構造体(ZIF)の錯体の粒子(一次粒子)が形成され、続いて該ZIF錯体の粒子が自己組織化により凝結して、ZIF錯体の凝集体(集合体)を形成する。
次に、得られたZIF錯体の凝集体を含む水溶液の液滴を噴霧乾燥処理することで、ZIF錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体の粒子(二次粒子)が生成する。
更に、得られた該非晶質状錯体複合体の粒子を有機溶媒中で分散処理することによって、非晶質状錯体複合体の粒子と有機溶媒相との固液界面で反応が起こって、非晶質状錯体複合体から多結晶型の多孔性錯体複合体に変換され、その際、非晶質状錯体複合体の供給に伴い、生成する多結晶型の多孔性錯体複合体粒子の中心部(いわゆるコア)は中空状になり、一方で該変換により形成される多孔性ZIF錯体結晶は外殻部(いわゆるシェル)に存在し、その結果、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体が生成する。
また、金属供給源が金属酸化物である場合は以下の通りである。
水中で金属酸化物由来の金属とイミダゾールまたはその誘導体との反応が起こり、ゼオライト様イミダゾレート構造体(ZIF)の錯体の粒子(一次粒子)が形成され、続いて該ZIF錯体の粒子が自己組織化により凝結して、ZIF錯体の凝集体(集合体)を形成する。このとき、反応基質の金属酸化物は全て消費されずに、未反応の金属酸化物が残存する。そのため、該金属酸化物が中心部(いわゆるコア)に存在し、そして該ZIF錯体が外殻部(いわゆるシェル)に存在する、ZIF錯体の粒子と金属酸化物の粒子を含む複合体が形成する。
次に、前記の金属塩の場合と同様に、得られたZIF錯体の粒子と金属酸化物の粒子を含む複合体を含む水溶液の液滴を噴霧乾燥処理することで、当該複合体粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体の粒子(二次粒子)が生成する。
更に、得られた該非晶質状錯体複合体の粒子を有機溶媒中で分散処理することによって、非晶質状錯体複合体の粒子と有機溶媒相との固液界面で反応が起こって、非晶質状錯体複合体から多結晶型の多孔性錯体複合体に変換され、その際、非晶質状錯体複合体の供給に伴い、生成する多結晶型の多孔性錯体複合体粒子の中心部(いわゆるコア)は中空状になり、一方で該変換により形成される多孔性ZIF錯体結晶は外殻部(いわゆるシェル)に存在し、その結果、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体が生成する。ここで、有機溶媒での処理前には複合粒子の中心部に存在していた金属酸化物粒子は露出されて、生成する多孔性錯体複合体の外側表面部に存在する。
本明細書における用語「金属」とは、例えば第8族元素(例えば、鉄、ルテニウム)、第9族元素(例えば、コバルト、ロジウム)、第10族元素(例えば、ニッケル、パラジウム)、第11族元素(例えば、銅)、または第12族元素(例えば、亜鉛、カドミウム)が挙げられるが、これらに限定されない。コバルト、ニッケル、銅、または亜鉛が好ましく、コバルトまたは亜鉛がより好ましく、亜鉛が特に好ましい。
本明細書における用語「金属塩」とは、前記金属の無機塩または有機塩を意味し、金属の無機塩が好ましい。例えば、前記金属の無機酸塩(例えば、酢酸塩、硝酸塩、または硫酸塩)、無機ハロゲン化物塩(例えば、フッ化物塩、臭化物塩、塩化物、またはヨウ化物塩)、またはアセチルアセトナート塩が挙げられるが、これらに限定されない。具体例としては、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、酢酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト、またはコバルトアセチルアセトナート等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書における用語「金属酸化物」とは、前記の酸化物を意味する。具体例としては、酸化亜鉛(II)(ZnO)または酸化コバルト(II)(CoO)を意味し、酸化亜鉛が好ましい。
本明細書における用語「イミダゾレート配位子」とは、イミダゾール上の1位のNH基から水素が脱離した窒素原子および3位の窒素原子の位置で金属と配位し得るイミダゾール由来の配位子を意味する。
本明細書における用語「置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体」とは、無置換のイミダゾール、あるいはイミダゾール上の2、4もしくは5位の少なくとも1つ以上(2位でモノ置換されることが好ましい)の炭素原子上で炭素数が1〜6個(C1〜6)(例えば、炭素数が1〜4個(C1〜4)、1〜3個(C1〜3))のアルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基を有するか、またはイミダゾール上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、イミダゾールを意味する。炭素数が1〜6個のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ネオブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどを含むが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルがより好ましく、メチル、エチルがより一層好ましく、メチルが特に好ましい。ハロゲン基としては、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードが挙げられ、クロロが好ましい。
また、イミダゾール上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい。縮合環式5もしくは6員の芳香族炭素環の例としては、ベンゾ基が挙げられる。縮合環式5もしくは6員の芳香族ヘテロ環とは、ヘテロ原子として酸素、窒素または硫黄原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含有する、縮合環式5もしくは6員の芳香族ヘテロ環を意味し、5員芳香族ヘテロ環としては例えば、フロ基、チオフェノ基、ピロロ基、イミダゾロ基、ピラゾロ基、イソオキサゾロ基、テトラゾロ基などが挙げられ、6員芳香族ヘテロ環としては例えば、ピリド基、ピラジノ基、ピリミジノ基、ピリダジノ基などが挙げられる。
イミダゾールまたはその誘導体の典型的な例を下式に示す。
Figure 2017149667
最も好ましい具体例としては、2−メチルイミダゾール(本明細書中、「Hmim」と略称することがある)が挙げられ、このもの由来の配位子は2−メチルイミダゾレート(本明細書中、「mim」と略称することがある)」であり、これは上記の「ZIF−8」を構成する配位子である。イミダゾールおよびその種々の誘導体が市販品を購入することができ、あるいは当該分野で知られる製法を用いて合成することができる。
本明細書における用語「ゼオライト様イミダゾレート構造体(本明細書中、「ZIF」と略称することがある)」とは、金属とイミダゾレート配位子とが相互作用して錯体形成したゼオライト様のトポロジーを有する構造体を意味する。特に、金属が亜鉛であり、およびイミダゾレート配位子が2−メチルイミダゾレート配位子であるZIF−8(本明細書中、「Zn(mim)」と呼称することもある)が好ましい。該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の該金属と該イミダゾレート配位子の含有(構成)モル比は1:2である。ZIF−8の構造の模式図を図1に示す。本発明の複合粒子において、該イミダゾレート配位子として、2−メチルイミダゾレートを下記の置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレートに置き代えるとき、生成するゼオライト様イミダゾレート構造体はZIF−8に類似の構造を有し得る。
用語「複合体」とは、錯体の結晶粒子が凝結した凝集体(集合体)を意味する。該複合体は、ZIF錯体の結晶が凝集した多結晶型の複合体であるため、多孔性の構造を有する。多結晶は微小な単結晶から構成されており、互いに隣接する単結晶間に結晶粒界(多結晶体において二つ以上の小さな結晶の間に存在する界面を意味する)をもつことを意味する。本明細書中で「複合体」と呼称する場合には、複合体の粒子を意味してもよい。本発明の複合体の場合、単結晶間の結晶粒界は単結晶内部の細孔よりも大きい。よって、本発明の多孔性錯体複合体はガス(例えば、窒素ガス)等に対して高い吸着を示すと期待することができる。
本明細書における用語「中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体」とは、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体結晶から構成される、中空状の多結晶型の多孔性錯体の複合体を意味する。ここで、形成される該中空状の多結晶型の多孔性錯体の複合体の粒子は、生成する多結晶型の多孔性錯体複合体粒子の中心部(いわゆるコア)が中空状であり、一方で多孔性ZIF錯体結晶が外殻部(いわゆるシェル)に存在する。該多孔性錯体複合体の生成は、粉末X線回析スペクトル(XRD)測定によって確認することができる。
用語「多結晶型粒子」とは、ゼオライトイミダゾレート構造体の結晶が凝集した粒子が多数存在している状態を意味する。多結晶は微小な単結晶から構成されており、互いに隣接する単結晶間に結晶粒界(多結晶体において二つ以上の小さな結晶の間に存在する界面を意味する)をもつことを意味する。本発明の複合体の場合、単結晶間の結晶粒界は単結晶内部の細孔よりも大きい。よって、例えば一般的なZIF−8ではローダミンBに対する低吸着量を示すのに対して、本発明の複合体は高い吸着量を示すことができる。
前記ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体結晶の粒子(いわゆる一次粒子)の粒径の大きさは、処理に使用する有機溶媒によって変わり、例えば使用するアルコール系溶媒の炭素鎖長によって制御することが可能である。粒径の大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡を用いた測定法によって決定することができる。該一次粒子の粒径の大きさは、典型的には平均粒径が約10nm〜約1μmであり、好ましくは約50nm〜約500nmである。例えばメタノールの場合には、15nm、エタノールの場合52nm、1−プロパノールの場合160nm、1−ブタノールの場合390nmであった。
該中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の粒子の粒径の大きさは、典型的には平均粒径約1μm〜約20μmであり、好ましくは約3μm〜約5μmである。
また、該中空の大きさは、典型的に平均直径約500nm〜約10μmであり、好ましくは約1μm〜約3μmである。一方で、該外殻部(いわゆるシェル)の厚さは、典型的には平均的なサイズが約10nm〜約1μmであり、好ましくは約20nm〜約400nmである。
本明細書における用語「ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体」における、用語「ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子」とは、金属供給源として金属酸化物を用いる場合に生成するZIF錯体結晶の粒子と未反応の金属酸化物の粒子から構成される複合体の粒子を意味し、該金属酸化物は、生成する中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の粒子の外殻部(シェル)に存在する複合粒子の外側表面部に存在する。
ここで、該複合粒子中のゼオライト様イミダゾレート構造体錯体の粒子および金属酸化物の粒子の含有重量比は、典型的には約1:9〜約9:1であり、好ましくは約1:1〜約4:1である。該含有重量比は、粉末X線回析スペクトル(XRD)測定による該ZIF構造体および金属酸化物に特有のピークおよびその強度、ならびに熱重量分析(TG)測定による重量減少率によって決定することができる。
本明細書における用語「非晶質状錯体複合体」とは、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体結晶から構成される、非晶質状錯体の複合体を意味する。ここで、形成される該非晶質状錯体の粒子は有機溶媒で処理して前記中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を製造することができるため、該多孔性錯体複合体を製造するための中間体として使用することができる。該非晶質状錯体複合体の生成は、粉末X線回析スペクトル(XRD)測定によって確認することができ、スペクトルピークの相違および強度等から、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体から区別することができる。
該非晶質状錯体複合体の粒子の粒径の大きさは、典型的には平均粒径が約1μm〜約20μmであり、好ましくは約3μm〜約5μmである。粒径の大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡を用いた測定法によって決定することができる。 また、該ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体結晶の粒子の粒径の大きさは、前述の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体について記載の通りであり、処理に使用する有機溶媒によって変えることができる。
本明細書における用語「ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体」における、用語「ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子」とは、金属供給源として金属酸化物を用いる場合に生成するZIF錯体結晶の粒子と未反応の金属酸化物の粒子から構成される複合体の粒子を意味し、ここで、該金属酸化物は、生成する非晶質状錯体を構成する複合粒子の中心部(コア)に存在し、該ゼオライト様イミダゾレート構造錯体の粒子は該複合粒子の外殻部(シェル)に存在する。
ここで、該複合粒子中のゼオライト様イミダゾレート構造体錯体の粒子および金属酸化物の粒子の含有モル比は、前述の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体について記載の通りである。
前述の(平均)粒径は、例えばXRDの結果を当該分野でよく知られる方法、例えばシェラー(scherrer)の式を用いて解析することで見積もることができる。これら平均粒子径は、走査型電子顕微鏡の像の解析および熱重量分析(TG)からの収率計算により確認する。
製造
本発明の複合体の製造法を以下に説明する。
本発明の複合体は、水系中での溶液法を用いて製造することができる。具体的な操作を下記に示すが、これに限定されるものではない。
本発明の複合体の製造法の操作は、以下の工程:
1)金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体とを水中で混合して反応させる;
2)反応混合物を噴霧乾燥して、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体を得る;
3)前記で得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理する、
ことを含む。
また、工程1において金属塩の代わりに金属酸化物を用いて、工程2および3の操作を行って、本発明の多孔性錯体複合体を製造することもできる。
(混合)
工程1においては、金属塩または金属酸化物と、イミダゾールまたはその誘導体とを適当な反応容器中で配合、混合する。このとき、金属塩または金属酸化物とイミダゾールまたはその誘導体との配合のモル比は、1:2の化学量論比は好ましいが、そのいずれかの反応基質を過剰量で使用することもできる。例えば、金属塩または金属酸化物とイミダゾールまたはその誘導体のモル比は、約1:0.1〜約1:5.0の割合が挙げられ、約1:0.5〜約1:2.0の割合が挙げられる。
工程1において、水の使用量は全ての反応基質が溶解して水溶液として使用することができる量であれば特に制限されないが、反応基質が完全に溶解することが困難である場合には、過剰量の水を用いて反応基質が分散および/または懸濁した溶液として使用してもよい。例えば、金属酸化物またはイミダゾール等の水溶解度が低い場合には、それぞれ分散または懸濁した水溶液として使用してもよい。例えば金属塩または金属酸化物に対してモル比で約10〜約10の次数で使用することができ、例えば約10倍〜約10倍、例えば約10倍〜約10で使用してもよい。
工程1において、反応基質の混合は、水中に、金属塩等の金属供給源の基質およびイミダゾール等の基質をそのままでまたは水溶液として、同時に、またはいずれか一方の基質を先に添加して連続して添加してもよい。添加の際には、水溶液を撹拌しながら一度にまたはいくつかの画分に分けて加えてもよい。混合時の温度は特に制限されないが、典型的には室温で行ってもよい。
(噴霧乾燥)
工程2においては、工程1で調製した反応混合物の噴霧乾燥(スプレードライ)の操作を行う。本願発明の製法における噴霧乾燥の操作は、噴霧乾燥において一般に使用される機器であれば特に制限されるものではなく、例えば市販の機器(例えば、東京理化器機製のSD−100型)を用いて行ってもよい。噴霧乾燥機とは、一般的に微粒化した液状試料(つまり、液滴)に熱風を接触させ、該液状試料を乾燥し、粉体を得る装置をいう。よって、噴霧乾燥の操作工程は、液状試料の微粒化、乾燥、および粉体製品の回収から構成される。噴霧乾燥の機器の使用条件(例えば、送液速度、注入速度、出口速度、サイクロン送風量、噴霧圧)は、使用する機器の仕様に準じて特に制限されるものではない。
噴霧乾燥機(例えば、図2)を用いる噴霧乾燥の操作手順を説明する。
噴霧乾燥機においては、液体試料を噴霧・微粒子化して蒸発面積を増大させ、瞬間的に水分を蒸発させる。まず、送液圧力センサ(6)で送液量を計測しながら送液ポンプ(7)によって液体試料を試料撹拌機(8)から噴霧用ノズル(5)に送液する。一方、噴霧空気ラインバルブ(1)、三方電磁弁(2)、レギュレーター(3)によって圧力を調節した加圧空気を噴霧用ノズル(5)に供給し、送液された液体試料を噴霧用ノズル(5)から蒸発管(13)内に噴霧する。その際、圧力センサ(4)で加圧空気圧を計測する。蒸発管(13)に噴霧・微粒子化された液体試料(液滴)は、サクションフィルター(9)を通してヒータ(11)で加熱された温風で瞬時に加熱・乾燥される。その際、温風の風速をセンサ(風速)(10)で、温風温度をそれぞれセンサ(入口温度)(12)、センサ(出口温度)(16)で計測する。蒸気と乾燥された粉体試料を吸引ブロア(20)で吸引し、サイクロン(17)で分離する。噴霧乾燥で微粒子化されない場合に対応するよう分離器(15)を備える。蒸気はエアフィルター(出口)(19)を通って排気され、粉体試料は粉体回収容器(18)に回収される。
典型的な噴霧乾燥器(スプレードライヤー)の使用条件の1態様を以下に挙げる。
送液速度:150〜1700mL/時間(例えば、300mL/時間)
注入速度:40〜200℃(例えば、150℃)
出口温度:100℃以下(例えば、75℃)
サイクロン送風量:0.2〜0.75m/分(例えば、0.6m/分)
噴霧圧:20〜245kPa(例えば、70kPa)。
工程2における噴霧乾燥工程によって、非晶質状錯体複合体の粒子の粉体を得ることができる。
金属供給源として金属塩を用いる場合には、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体の粒子の粉体が得られる。また、金属供給源として金属酸化物を用いる場合には、金属酸化物が該複合粒子の中心部にあり、そして該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体が該複合粒子の外殻部にある、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体の粒子の粉体が得られる。得られた非晶質状錯体複合体は、粉末X線回析スペクトル(XRD)測定または走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡を用いる測定によって同定することができる。また、原料物質である金属塩または金属酸化物から非晶質状錯体複合体への転化率(これは、生成物の収率を意味する)は、例えば熱重量分析(TG)によって測定することができる。
(有機溶媒処理)
工程3においては、工程2において得られた非晶質状錯体複合体の粒子の粉体をそのまま有機溶媒中に添加して処理することによって、結晶に転換した中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を得ることができる。
使用可能な有機溶媒としては、例えばアルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン)、アルデヒド系溶媒(例えば、ホルムアルデヒド)、ハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルム)、炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、非プロトン性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)等を挙げられるが、これらに限定されない。アルコール系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。また、前記の生成する非晶質状錯体複合体または中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体における、構成するゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体結晶の粒子(一次粒子)の粒径の大きさは、処理に使用する有機溶媒によって変わり、また使用するアルコール系溶媒の炭素鎖長によっても制御することが可能であった。
製造される中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の粒子は、様々な不純物(例えば、有機溶媒)を含むことがあるため、真空乾燥処理等によってこれら不純物を除去する精製工程を行ってもよい。
金属供給源として金属塩を用いる場合には、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の粒子が得られる。また、金属供給源として金属酸化物を用いる場合には、金属酸化物が複合粒子の外側表面部にある、ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の粒子が得られる。得られた多孔性錯体複合体は、粉末X線回析スペクトル(XRD)測定または走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡を用いる測定によって同定することができる。また、原料物質である金属塩または金属酸化物から非晶質状錯体複合体への転化率(これは、生成物の収率を意味する)は、例えば熱重量分析(TG)によって測定することができる。
本発明の製造法は、前記一連の反応工程を1サイクルとして繰り返すバッチ式(回分式)、または一連の反応工程を並行して連続的に処理する連続フロー式のいずれであっても行うことができる。簡便で且つ連続合成および大量生産に適しているとの理由で連続フロー式が好ましい。例えば、本発明の製造法においては、金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体との錯体形成反応が定量的に進行するため、連続フロー式を行うのに阻害となる未反応基質または副生成物がないことから、連続フロー式で一連の製造を行う。上記工程(1)および/または工程(2)を連続フロー式で行うこともできる。連続フロー式の1態様を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
連続フロー式の1態様としては、上記噴霧乾燥機を用いる噴霧乾燥の操作手順に準じて、試料撹拌機(8)に常時連続的に液体試料を供給し、次いで蒸発管(13)内に連続的に送液し、噴霧乾燥後に生成する粉体試料を粉体回収器(18)から常時連続的に粉体試料を回収することによって連続的に製造することができる。具体的な連続的なフロー式の噴霧乾燥の操作手順は以下の通りである。まず、送液圧力センサ(6)で送液量を計測しながら送液ポンプ(7)によって液体試料を試料撹拌機(8)から噴霧用ノズル(5)に送液する。試料撹拌機(8)に常時液体試料を供給することで連続的な製造ができる。一方、噴霧空気ラインバルブ(1)、三方電磁弁(2)、レギュレーター(3)によって圧力を調節した加圧空気を噴霧用ノズル(5)に供給し、送液された液体試料を噴霧用ノズル(5)から蒸発管(13)内に噴霧する。その際、圧力センサ(4)で加圧空気圧を計測する。蒸発管(13)に噴霧・微粒子化された液体試料(液滴)は、サクションフィルター(9)を通してヒータ(11)で加熱された温風で瞬時に加熱・乾燥される。その際、温風の風速をセンサ(風速)(10)で、温風温度をそれぞれセンサ(入口温度)(12)、センサ(出口温度)(16)で計測する。蒸気と乾燥された粉体試料を吸引ブロア(20)で吸引し、サイクロン(17)で分離する。噴霧乾燥で微粒子化されない場合に対応するよう分離器(15)を備える。蒸気はエアフィルター(出口)(19)を通って排気され、粉体試料は粉体回収容器(18)に回収される。粉体回収容器(18)から常時粉体試料を回収することで連続フローな製造ができる。
(使用)
次に、上記製造法で得られた本発明の複合体の機能性材料としての使用方法を示す。
1.ゼオライト様イミダゾレート構造体(ZIF)の錯体結晶が元来有する機能の向上
まず、本発明の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体は、その構成要素としてゼオライト様イミダゾレート構造体(ZIF)の錯体結晶粒子を含むことから、ZIFそのものが元来有する機能を供することができる。例えば、ZIF−8結晶粒子を含む場合には、ZIF−8そのものが元来有する機能、例えば多孔性に由来する機能(例えば、種々の基質に対する吸着剤として)を供することができる。基質としては例えば、ガス(例えば、窒素ガス、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン)、染料(例えば、ローダミンB、オーラミン、マラカイトグリーン、メチレンブルーなどの塩基性染料))、ペプチド、タンパク質および有機溶剤(例えば、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;ポリエチレングリコールなどの多価アルコール)が挙げられる。
2.金属酸化物粒子の機能とZIFの錯体結晶粒子の機能との複合機能の創造
また、金属供給源として金属酸化物を使用する場合には、本発明の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体は、その構成要素として金属酸化物粒子とZIFの錯体結晶粒子を含むことから、前記ZIF錯体結晶そのものが元来有する機能に加えて、金属酸化物粒子そのものが元来有する機能を同時複合的に発揮することが期待できる。例えば、金属酸化物としての亜鉛酸化物は光触媒として機能することが知られることから(例えば、H. Zhangら著、J. Mater. Chem. 19, 5089 (2009);H. A. D. Mariaら著、Energy Environ. Sci. 2, 1231 (2009);K. Rajeshwarら著、J. Photochem. Photobiol. C: PHOTOCHEM. REV. 9, 171 (2008)を参照)、本発明の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体には、上記ZIF−8そのものが元来有する機能に加えて光触媒としての機能を同時複合的に奏することが期待できる。
3.中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の中空に由来する複合機能の創造
本発明の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体は、粒子の中心部に中空部を形成することから、前記のZIF錯体結晶そのものが元来有する機能、および金属酸化物を使用する場合には金属酸化物粒子の機能とZIFの錯体結晶粒子の機能との複合機能に加えて、中空部に由来する新たな機能を発揮することも期待できる。例えば、中空部にその大きさに適合した反応基質を取り込む(または、包接する)ことにより、基質選択的および/または特異的に吸着機能、あるいは触媒機能を発揮することも期待できる。
本発明の複合体は、上記の機能に基づいて様々な用途の機能性材料として使用することができる。例えば、ガス(例えば、窒素、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン)などに対するガス貯蔵、ガス分離;触媒(例えば、不均一触媒として(水素添加反応触媒、光触媒、クネーフェナーゲル縮合反応用触媒));およびデバイス(例えば、ガスセンサーデバイス、燃料電池用固体電解質)を挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。酢酸亜鉛二水和物は和光純薬工業から購入した。2−メチルイミダゾールはシグマ−アルドリッチ社から購入した。複合体の生成物のキャラクタリゼーションは、各種分光学的分析の解析により行なった。具体的には、生成物の同定は粉末X−線回折(XRD)スペクトルの測定および電子顕微鏡(SEM)の解析により行った。また、金属塩または金属酸化物から非晶質錯体複合体または多孔性錯体複合体への転化率は、熱重量分析および粉末X−線回折スペクトルによって行った。
(金属塩を用いた非晶質錯体複合体の製造)
酢酸亜鉛二水和物1.65gを蒸留水30mLに溶解した酢酸亜鉛水溶液と、2−メチルイミダゾール1.23gを蒸留水270mLに溶解した2−メチルイミダゾール水溶液を混合し、30分間攪拌した。30分間の攪拌後、上述の水溶液を噴霧乾燥機(東京理化器械SD−1000)で噴霧乾燥し、粉末状の生成物を得た。噴霧乾燥条件は、溶液送液流量300ml/時間、噴霧圧力70kPa、溶液入口温度150℃、出口温度75℃、乾燥熱風量0.6m/分とした。
噴霧乾燥後の生成物の構造解析を、粉末X線回折(XRD)測定(理学MiniFlex600)により行った。噴霧乾燥後(図3:反応後未処理(as made))の生成物のXRDパターンから、生成粒子は非晶質であることを特徴とすることが確認できた。
また、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクS−5000)を用いて、生成物の電子顕微鏡観察を行った。噴霧乾燥後の生成物は球状の形状を示し、多面体状を特徴とするゼオライト様イミダゾレート構造体の結晶粒子が含まれないことが確認できた(図4:as made)。
(金属塩を用いた中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の製造)
噴霧乾燥後の生成物0.2gを有機溶媒(具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、トルエン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド)40mLに分散させた後、遠心分離にて生成物を回収した。
有機溶媒で処理した後の生成物の構造解析をXRD測定により行った。有機溶媒処理後(図3)の生成物のXRDパターンから、生成粒子はSOD型ゼオライト様イミダゾレート構造体に同定されるXRDパターンを示すことが確認できた。SOD型ゼオライトについては文献(前記非特許文献3)を参照。
ただし、トルエンを用いた場合、非晶質粒子のSOD型ゼオライト様イミダゾレート構造体への結晶転換効果は低かった。
また、走査型電子顕微鏡を用いて、有機溶媒処理後の生成物の電子顕微鏡観察を行った。生成物の電子顕微鏡像から、多面体状を特徴とするゼオライト様イミダゾレート構造体の結晶粒子が確認できた(図4)。生成物は結晶粒子が相互成長した多結晶粒子であることが確認できた。有機溶媒処理に用いるアルコールの鎖長が長いほど、結晶粒界の大きな多結晶粒子が得られることが確認できた。
透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−2010)を用いて、噴霧乾燥後および有機溶媒処理後の生成物の電子顕微鏡観察を行った。噴霧乾燥後の生成物は中実の粒子であることが確認できた。一方、有機溶媒処理を行った粒子は中空状の粒子であることが確認できた。また、中空状粒子のシェル部分は多結晶構造であることが確認できた(図5)。ただし、N,N−ジメチルホルムアミドを用いた場合、中空状粒子は得られにくかった(図4)。
更に、熱重量分析装置(島津製作所DTG−60H)を用いて、生成物の熱重量分析を行った。噴霧乾燥後の生成物は100〜300℃と400〜500℃の二段階で熱重量減少することが確認できた(図6)。有機溶媒処理後の生成物は400〜500℃の熱重量減少のみであることが確認できた。
(金属酸化物を用いた非晶質錯体複合体の製造)
酸化亜鉛0.61gを蒸留水150mLに分散した酸化亜鉛懸濁水と、2−メチルイミダゾール1.23gを蒸留水150mLに溶解した2−メチルイミダゾール水溶液を混合し、30分間攪拌した。30分間の攪拌後、上述の懸濁水溶液を噴霧乾燥機で噴霧乾燥し、粉末状の生成物を得た。噴霧乾燥条件は、溶液送液流量300mL/時間、噴霧圧力70kPa、溶液入口温度150℃、出口温度75℃、乾燥熱風量0.6m/分とした。
噴霧乾燥後の生成物の構造解析をXRD測定により行った。噴霧乾燥後の生成物のXRDパターンから、生成粒子は一部残存した酸化亜鉛と非晶質の複合体であることを特徴とすることが確認できた(図7)。
(金属酸化物を用いた中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の製造)
噴霧乾燥後の生成物0.2gを有機溶媒(メタノール)40mLに分散させた後、遠心分離にて生成物を回収した。
有機溶媒で処理した後の生成物の構造解析をXRD測定により行った。有機溶媒処理後の生成物のXRDパターンから、生成粒子はSOD型ゼオライト様イミダゾレート構造体に同定される回折強度と酸化亜鉛に同定される回折強度を示すことが確認できた(図7)。
透過型電子顕微鏡を用いて、噴霧乾燥後および有機溶媒処理後の生成物の電子顕微鏡観察を行った。噴霧乾燥後の生成物は非晶質状の球状粒子のコア部に酸化亜鉛が分散した中実の複合体であることが確認できた(図8)。一方、有機溶媒処理を行った粒子は酸化亜鉛が露出し、ゼオライト様イミダゾレート構造体とナノレベルで高分散に複合化した粒子であることが確認できた。
(吸着試験)
吸着測定装置(日本ベルBELSORP−max)を用いて、実施例2で得られた中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体生成物の窒素吸着量の測定を行った。相対圧(P/P)0.05付近までの窒素吸着量は、SOD型ゼオライト様イミダゾレート構造体の結晶内のミクロ細孔への窒素の充填によるものであり、相対圧(P/P)0.9以上の窒素吸着量は結晶粒子間の粒子間隙での窒素の凝縮によるものである(図9)。メタノールで処理した生成物は、結晶粒界の小さい多結晶構造を有することから相対圧(P/P)0.9以上で窒素吸着量が大きく増加した。一方、1−ブタノールで処理した生成物の結晶粒界が大きく、結晶間隙が大きいため、相対圧(P/P)1以内で窒素の毛管凝縮が観測されなかった。メタノールおよび1-ブタノールで処理した生成物はそれぞれおよそ1230m/g、1180m/gのBET比表面積を有した。
本発明で得られる多孔性錯体複合体は、従来法では得られない中空状の多孔性錯体複合体であり、またガス(例えば、窒素ガス)に対して極めて高い吸着能を有するなど、様々な用途の新たな機能性材料として利用することができ、例えばガス貯蔵、ガス分離、ガスセンサーデバイス、触媒等としても有用であり、工業的に利用価値が高い。また、本発明の水系での溶液法は、過剰量のイミダゾール系配位子の反応基質を必要とせず、また製造法において有機溶媒を処理溶媒として使用するのみで合成用反応溶媒としては使用しないことから、環境負荷の低いクリーンな製造法である。また、連続合成および大量生産に適した連続フロー式製法が可能であることから、コストパフォーマンスが高い製造法であって、工業的に利用価値が高い。
1 噴霧空気ラインバルブ(電磁弁)
2 三方電磁弁
3 レギュレータ
4 圧力センサ(噴霧空気)
5 噴霧用ノズル
6 送液圧力センサ
7 送液ポンプ
8 試料撹拌機(マグネチックスターラー)
9 吸引フィルター(入口)
10 風速センサ
11 ヒーター
12 センサ(入口温度)
13 蒸発管
14 噴霧ノズル洗浄口
15 分離器
16 センサ(出口温度)
17 サイクロン
18 粉体回収容器
19 排気フィルター(出口)
20 吸引ブロア

Claims (16)

  1. ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であって、ここで、
    該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
    該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
    該中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
  2. ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる、中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体であって、
    該金属酸化物が該複合粒子の外側表面部にあり、ここで、
    該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
    該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
    該中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
  3. 該金属が亜鉛であって、該ゼオライト様イミダゾレート構造体がZIF−8である、請求項1または2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体。
  4. ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体を含んでなる非晶質状錯体複合体であって、ここで、
    該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
    該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
    該非晶質状錯体複合体。
  5. 請求項1記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を製造するための中間体としての、請求項4記載の非晶質状錯体複合体。
  6. ゼオライト様イミダゾレート構造体の錯体および金属酸化物を含む複合粒子を含んでなる非晶質状錯体複合体であって、
    該金属酸化物が該複合粒子の中心部にあり、そして該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体が該複合粒子の外殻部にあり、ここで、
    該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であり、そして、
    該イミダゾレート配位子は適宜置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、
    該非晶質状錯体複合体。
  7. 請求項2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を製造するための中間体としての、請求項6記載の非晶質状錯体複合体。
  8. 該金属酸化物が酸化亜鉛である、請求項2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体または請求項6記載の非晶質状錯体複合体。
  9. 前記複合粒子中の該ゼオライト様イミダゾレート構造体錯体および該金属酸化物の含有重量比が1:9〜9:1である、請求項2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体または請求項6記載の非晶質状錯体複合体。
  10. 以下の工程を含む、請求項1記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の製造方法;
    1)金属塩と、イミダゾールまたはその誘導体とを水中で混合して反応させる;
    2)反応混合物を噴霧乾燥して、請求項4記載の非晶質状錯体複合体を得る;
    3)前記で得られた非晶質状錯体複合体を有機溶媒で処理する、
    該製造方法。
  11. 請求項10における工程1)における金属塩の代わりに金属酸化物を用いて、工程2)において請求項6記載の非晶質状錯体複合体を得る、ことを含む、請求項2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の製造方法。
  12. 該金属塩または金属酸化物と、イミダゾールまたはその誘導体とをモル比が1:2の割合で反応させる、請求項10または11記載の製造方法。
  13. 工程3)における有機溶媒が、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、または非プロトン性溶媒から選ばれる、請求項10または11記載の製造方法。
  14. 連続フロー式である、請求項10または11記載の製造方法。
  15. 請求項1または2記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体を含有する、吸着剤。
  16. ガス貯蔵、ガス分離、ガスセンサーデバイス、または不均一反応触媒のための、請求項1または2のいずれか記載の中空状の多結晶型の多孔性錯体複合体の使用。
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