JP2017147114A - 端子圧着装置、端子圧着用治具、および端子圧着電線の製造方法 - Google Patents

端子圧着装置、端子圧着用治具、および端子圧着電線の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】積み重ねられた複数本の電線に圧着端子を容易かつ強固に圧着させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】電線の端部で露出されている該電線の導体部に圧着端子の導体圧着部を圧着させる端子圧着装置は、第1の型と、第2の型と、案内部とを備えている。ここで、第1の型は、導体圧着部を支持可能である。第2の型は、第1の型に対向しており、且つ第1の型に対して相対的に近接することで導体部に導体圧着部を圧着させることが可能である。案内部は、第1の型と第2の型との間の領域に向けた第1方向に電線が貫通可能に形成された間隙を有している。そして、該間隙は、案内部のうちの第1の型から第2の型に向かう第2方向の端部まで形成されており、且つ該端部から第2方向とは逆の第3方向に延在しているとともに、第3方向における延在距離が第2方向および第3方向の双方に直交する第4方向における幅よりも長い細長い形状を有している。
【選択図】図4

Description

電線に端子を圧着する技術に関する。
電線に端子を接続する方法として、圧着による接続(圧着接続とも言う)がある。該圧着接続によれば、例えば、圧着端子のU字型の導体圧着部(ワイヤーバレル)を塑性変形させ、該導体圧着部によって電線の導体部を強く挟ませることで、電線の一端に圧着端子が強固に取り付けられ得る。圧着によって電線に圧着端子が取り付けられる技術としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
特開2011−216391号公報
ところで、圧着端子としては、例えば、該圧着端子が実装される領域のサイズ(幅および高さ等)および用途等に応じて、種々の大きさおよび形状等を有するものが存在する。そして、例えば、圧着端子が実装される領域の幅が狭ければ、縦方向に積み重ねられた複数本の電線に、1つの圧着端子を圧着したい場合がある。
しかしながら、例えば、縦方向に積み重ねられた複数本の電線に、圧着端子を圧着する際に、複数本の電線が、該電線の軸方向と交差する横方向に相互にずれないように、該複数本の電線を保持することは容易でない。そして、複数本の電線が横方向に相互にずれた状態で、複数本の電線に圧着端子が圧着されると、縦方向に積み重ねられた複数本の電線が存在すべきスペースに横方向に並べられた複数本の電線が配されることになる。その結果、例えば、複数本の電線から圧着端子が外れ易くなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、積み重ねられた複数本の電線に圧着端子を容易かつ強固に圧着させることが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の態様に係る端子圧着装置は、電線の端部で露出されている該電線の導体部に圧着端子の導体圧着部を圧着させる端子圧着装置であって、前記導体圧着部を支持可能な第1の型と、前記第1の型に対向しており、且つ前記第1の型に対して相対的に近接することで前記導体部に前記導体圧着部を圧着させることが可能な第2の型と、前記第1の型と前記第2の型との間の領域に向けた第1方向に前記電線が貫通可能に形成された間隙を有している案内部と、を備え、前記間隙が、前記案内部のうちの前記第1の型から前記第2の型に向かう第2方向の端部まで形成されており、且つ該端部から前記第2方向とは逆の第3方向に延在しているとともに、前記第3方向における延在距離が前記第2方向および前記第3方向の双方に直交する第4方向における幅よりも長い細長い形状を有している。
第2の態様に係る端子圧着装置は、第1の態様に係る端子圧着装置であって、前記間隙が、前記第2方向に並べられる複数本の電線のうちの、前記端部の最も近くに配される電線の少なくとも前記第3方向の半分の部分が前記第1方向に貫通可能に設けられた、端子圧着装置である。
第3の態様に係る端子圧着装置は、第1または第2の態様に係る端子圧着装置であって、前記延在距離が、前記電線の線径の1.5倍以上であり、前記幅が、前記線径の√2倍未満である、端子圧着装置である。
第4の態様に係る端子圧着装置は、第1から第3の何れか1つの態様に係る端子圧着装置であって、前記案内部が、前記間隙が形成された板状の部分を有している、端子圧着装置である。
第5の態様に係る端子圧着装置は、第1から第4の何れか1つの態様に係る端子圧着装置であって、前記案内部が、前記間隙を形成しており且つ前記第4方向において前記間隙を挟んでいる第1部および第2部を含み、前記第1部が、前記第2部よりも前記第2方向に張り出している、端子圧着装置である。
第6の態様に係る端子圧着装置は、第5の態様に係る端子圧着装置であって、前記第2部の前記第2方向の端部が、前記間隙に近づくほど前記第2方向に張り出すように前記第2方向に対して傾斜している傾斜部を有している、端子圧着装置である。
第7の態様に係る端子圧着用治具は、電線の端部で露出されている該電線の導体部に圧着端子の導体圧着部を圧着させる端子圧着装置において用いられる端子圧着用治具であって、前記端子圧着装置の本体部に対して取り付け可能な被取付部と、第1方向に前記電線が貫通可能に形成され且つ該第1方向に直交する第2方向の端部まで形成された間隙を有している案内部と、を備え、前記間隙が、前記端部から前記第2方向とは逆の第3方向に延在しているとともに、該第3方向における延在距離が前記第2方向および前記第3方向の双方に直交する第4方向における幅よりも長い細長い形状を有している、端子圧着用治具である。
第8の態様に係る端子圧着電線の製造方法は、(a)案内部のうちの第1方向に貫通しており且つ該第1方向に直交する第2方向の端部まで形成された間隙に対して、第1電線を、第1の型と第2の型との間の領域に向けた前記第1方向に該間隙を貫通させ、且つ前記第2方向に前記第1電線に対して並べられた第2電線の少なくとも前記第2方向とは逆の第3方向における半分の部分を、前記第1方向に該間隙を貫通させるように配設するステップと、(b)前記間隙から前記領域にかけて前記第1電線および前記第2電線がそれぞれ延在しているとともに、前記領域において、圧着端子の導体圧着部、前記第1電線の第1方向の端部で露出された該第1電線の第1導体部、および前記第2電線の第1方向の端部で露出された該第2電線の第2導体部を、前記第2方向に沿って並べた状態で、前記第1の型と前記第2の型とを相対的に近接させることで、前記第1導体部および前記第2導体部に前記導体圧着部を圧着させるステップと、を有している。
第1から第6の何れの態様に係る端子圧着装置によっても、例えば、各電線の端部で露出している導体部に導体圧着部が圧着される際に、導体圧着部が押圧される方向に複数本の電線が積み重ねられた状態で案内部の間隙に配置されると、複数本の電線が安定して保持された状態で、該複数本の電線の導体部にまとめて1つの導体圧着部が圧着され得る。したがって、積み重ねられた複数本の電線に圧着端子を容易かつ強固に圧着させることができる。
第2の態様に係る端子圧着装置によれば、例えば、複数本目の電線の半分以上が案内部の間隙に配置され得るため、複数本の電線が安定して保持された状態で該複数本の電線の導体部にまとめて1つの導体圧着部が圧着され得る。
第3の態様に係る端子圧着装置によれば、例えば、間隙に配置された複数本の電線を該電線の軸方向に平面透視した場合を想定すると、間隙内で、隣り合う電線同士の中心を結ぶ線分が、間隙の延在方向に対して45度以上傾く不具合が生じ難い。その結果、積み重ねられた複数本の電線に圧着端子をより容易かつ強固に圧着させることができる。
第4の態様に係る端子圧着装置によれば、間隙が板状の部分に形成されるのであれば、例えば、案内部の作成および配設が容易に実行され得る。
第5の態様に係る端子圧着装置によれば、例えば、積み重ねられた複数本の電線を第1部に引っ掛かる位置まで移動させて、該複数本の電線を案内部の間隙に容易に挿入することができる。
第6の態様に係る端子圧着装置によれば、例えば、積み重ねられた複数本の電線を傾斜部に沿って摺り動かして、第1部に引っ掛かる位置まで移動させることが可能であるため、該複数本の電線を案内部の間隙に容易に挿入することができる。
第7の態様に係る端子圧着用治具、および第8の態様に係る端子圧着電線の製造方法の何れによっても、積み重ねられた複数本の電線に圧着端子を容易かつ強固に圧着させることができる。
電線の概略斜視図である。 圧着端子の概略斜視図である。 2本の電線に圧着端子が圧着された端子圧着電線の概略斜視図である。 端子圧着装置の概略正面図である。 端子圧着装置の概略正面図である。 端子圧着用治具の概略正面図である。 案内部の概略正面図である。 2本の電線の間隙への挿入態様を例示する図である。 2本の電線の間隙への挿入態様を例示する図である。 2本の電線の間隙への挿入態様を例示する図である。 端子圧着電線の製造工程の流れを示すフローチャートである。 圧着端子および2本の電線の配設動作を例示する図である。 端子圧着装置における圧着動作を例示する図である。 端子圧着装置における圧着動作を例示する図である。 端子圧着装置における圧着動作を例示する図である。 端子圧着装置における圧着動作を例示する図である。 端子圧着装置における圧着動作を例示する図である。 端子圧着用治具の一変形例の概略正面図である。
以下、一実施形態に係る端子圧着装置1、端子圧着用治具12、及び端子圧着電線100の製造方法について説明する。本端子圧着装置1が対象とする圧着端子3および電線2は、例えば、自動車のワイヤーハーネス等に組み込まれ得る。
なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は適宜変更され得る。なお、図1から図10および図12から図18には、端子圧着装置1において、電線2の端部2Edで露出されている導体部21に圧着端子3の導体圧着部31が圧着される際に、導体部21と導体圧着部31とが押圧される方向(図4の下方向)を−Z方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
<(1)電線および圧着端子>
図1は、電線2の概略的な構成を例示する斜視図である。図1には、2本の電線2が略平行に積み重ねられるように並べられている状態が示されている。
図1で示されるように、電線2は、導体部21と、該導体部21の外周部を被覆する被覆部22とを備えている。導体部21は、例えば、軟銅、硬銅、ステンレス鋼、およびアルミニウム等の導電性材料によって構成され得る。該導体部21は、例えば、いわゆる単芯線であっても、複数本の素線が撚り合わされた撚り線であっても良い。被覆部22は、例えば、樹脂等の絶縁材料によって構成され得る。ここで、樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が採用され得る。
電線2が端子圧着装置1に供給される前に、該電線2は、調尺および切断がなされた後に、その端部2Edにおいて所定長の被覆部22が皮剥きされて導体部21の端部が所定長露出される(図1参照)。つまり、電線2は、例えば、該電線2の端部2Edで導体部21が露出されている状態で、端子圧着装置1に供給される。
図2は、圧着端子3の概略的な構成を例示する斜視図である。図2には、略平行に積み重ねられるように並べられている2本の電線2(図2の2点鎖線部分)の導体部21に圧着される前における圧着端子3の一構成が例示されている。図2で示されるように、圧着端子3は、接続部30と圧着部とが長手方向に連続して形成された端子である。ここでは、圧着部が、導体圧着部31と被覆圧着部32とを有している例を挙げて説明する。
圧着端子3は、例えば、黄銅、銅合金等の導電性を有する板材に対して、適宜打抜き、屈曲加工およびメッキ処理等が施されることで形成され得る。メッキ処理としては、例えば、錫メッキ、亜鉛メッキおよび金メッキ等の各種メッキ処理が採用され得る。
接続部30は、他の導電性部材に対して接続される部分である。例えば、圧着端子3がコネクタ端子である場合、接続部30は、略長方形の板状あるいはピン状等のオス端子接続部、または略角筒状等のメス端子接続部の構成を有するように形成され得る。ここでは、接続部30が略角筒状のメス端子接続部である例を挙げて説明する。なお、接続部30は、例えば、圧着端子3がネジ止め等によって他の導電性部材に接続可能である略円環状等の部分であっても良い。
導体圧着部31は、接続部30と連続する細長板状に形成された底部31aと、該底部31aの両側部に設けられた相互に対向する一対の導体圧着片31bとを有している。これにより、圧着端子3の長手方向に直交する断面視において、導体圧着部31は、略U字形状の形態を有している。該導体圧着部31は、ワイヤーバレルとも呼ばれる。なお、導体圧着部31は、例えば、断面視略U字形状の形態のものに限られず、円筒形あるいは角筒型の形態のものであっても良い。
被覆圧着部32は、底部31aと連続する細長板状に形成された底部32aと、該底部32aの両側部に設けられた相互に対向する一対の被覆圧着片32bとを有している。このため、圧着端子3の長手方向に直交する断面視において、被覆圧着部32は、略U字形状の形態を有している。該被覆圧着部32は、インシュレーションバレルとも呼ばれる。
圧着端子3が電線2に圧着される際には、電線2の導体部21が一対の導体圧着片31bの間に配設されると共に、被覆部22の端部が一対の被覆圧着片32bの間に配設される。図2には、2本の電線2に対して、1つの圧着端子3が共通して圧着される直前の状態が示されている。引き続いて、一対の導体圧着片31bが、内側で且つ底部31a側に向けて変形されることで、導体圧着部31が導体部21に対して圧着される。これにより、導体圧着部31が、導体部21に対して機械的かつ電気的に接続され得る。また、一対の被覆圧着片32bが、内側で且つ底部32aに向けて変形されることで、被覆圧着部32が被覆部22に対して圧着される。これにより、被覆圧着部32が、被覆部22に対して機械的に接続され得る。
図3は、導体部21に対して導体圧着部31が圧着され、且つ被覆部22に対して被覆圧着部32が圧着されることで形成された端子圧着電線100を模式的に示す斜視図である。
端子圧着電線100における導体部21に対する導体圧着部31の圧着性能を評価する指標としては、例えば、引張強度等がある。該引張強度は、例えば、完成した端子圧着電線100を対象とした引張試験において、導体部21に導体圧着部31が圧着された部分における破断点の引張応力である。
ここで、例えば、圧着端子3が各種機器に実装される際に、該圧着端子が取り付けられる領域の幅が狭く、縦方向に積み重ねられた複数本の電線2に1つの圧着端子3を圧着したい場合がある。この場合、複数本の電線2が横方向に相互にずれると、縦方向に積み重ねられた複数本の電線2が存在すべきスペースに横方向に並べられた複数本の電線2が配されることになる。このとき、例えば、複数本の電線2から圧着端子3が外れ易くなる。つまり、端子圧着電線100における圧着性能を評価する指標としての引張強度の低下を招き得る。
そこで、本件発明者は、積み重ねられた複数本の電線2に圧着端子3を容易かつ強固に圧着させることが可能な、端子圧着装置1、端子圧着用治具12および端子圧着電線100の製造方法を提供することで、端子圧着電線100における圧着性能を向上させることができた。
以下、端子圧着装置1、端子圧着用治具12、および端子圧着電線100の製造方法について説明する。
<(2)端子圧着装置>
図4および図5は、端子圧着装置1の概略的な構成を示す正面図である。端子圧着装置1は、電線2(図1参照)の端部3Edで露出されている該電線2の導体部21に圧着端子3の導体圧着部31を圧着させる装置である。
図4および図5で示されるように、端子圧着装置1は、該端子圧着装置1の本体部11および端子圧着用治具12を備えている。本体部11は、例えば、基台110、第1の型としての下金型(アンビル)111、第2の型としての上金型(クリンパ)112、端子送給機構部113および駆動機構部114を備えている。端子圧着装置1は、下金型111と上金型112との間で、下金型111と上金型112とが相対的に近接させられることで、端子圧着用治具12の間隙12SLを第1方向としての+Y方向に貫通している電線2に対して、端子送給機構部113から送給される圧着端子3が圧着される装置である。
下金型111は、基台110上に固定されており、圧着端子3を支持することが可能である。例えば、圧着端子3は、下金型111上に載置されることで該下金型111によって支持され得る。また、下金型111は、圧着端子3の導体圧着部31を変形させるための第1下金型1111、および被覆圧着部32を変形させるための第2下金型1112を含む。
具体的には、例えば、第1下金型1111の先端部には、導体圧着部31の底部31aを載置することが可能な第1下側圧着面1111sが形成されている。第1下側圧着面1111sは、上金型112に向けて凹となる、支持される圧着端子3の長手方向に沿った軸周りの弧状周面である。同様に、第2下金型1112の先端部には、被覆圧着部32の底部32aを載置することが可能な第2下側圧着面1112sが形成されている。そして、第1下金型1111および第2下金型1112は、第1下側圧着面1111s上に導体圧着部31が載置された状態で、第2下側圧着面1112s上に被覆圧着部32が載置され得る。これにより、第1下金型1111および第2下金型1112によって、圧着端子3が支持され得る。
上金型112は、下金型111に対向するように配置されている。そして、該上金型112は、下金型111に対して相対的に近接することで、導体部21に導体圧着部31を圧着させることが可能である。また、ここでは、上金型112は、下金型111に対して近接および離間する往復移動が可能に配設されている。該往復移動では、例えば、下金型111から上金型112に向かう第2方向を+Z方向とし、第2方向とは逆の第3方向を−Z方向とすれば、上金型112は、第3方向としての−Z方向に下金型111に近接する第1移動および第2方向としての+Z方向に下金型111から離間する第2移動が行われ得る。また、上金型112は、圧着端子3の導体圧着部31を圧着するための第1上金型1121と、被覆圧着部32を圧着するための第2上金型1122とを有している。
具体的には、例えば、第1上金型1121は、第1下金型1111に対向する位置に配設され、第1下金型1111上に支持される導体圧着部31を、第1下金型1111との間で導体部21に圧着することが可能な構成を有している。第1上金型1121の−Z側には、導体圧着部31を導体部21に圧着させる凹状の第1上側圧着面1121sが形成されている。ここで、第1上側圧着面1121sは、第1上金型1121において先端部から基端部に向けて深さ方向に延びる凹状の面である。該第1上側圧着面1121sの奥側の面は、第1下側圧着面1111sに対向しており、2つの弧状周面が+X方向に横並びされた形状を有する。弧状周面は、軸方向が+Y方向であり、+Y方向に平面視した場合に、第1上側圧着面1121sの最も奥部から−Z方向に進むにつれて、両内側面の間の距離が拡がっているテーパー形状を有している(図13等参照)。
また、例えば、第2上金型1122の−Z側には、被覆圧着部32を被覆部22に圧着させる凹状の第2上側圧着面1122sが形成されている。該第2上側圧着面1122sは、第2上金型1122において先端部から基端部に向けて深さ方向に延びる凹状の面である。該第2上側圧着面1122sの奥側の面は、第2下側圧着面1112sに対向しており、第1上側圧着面1121sの奥側の面と同様に、2つの弧状周面が+X方向に横並びされた形状を有する。
上金型112は、モータを含む駆動機構、エアシリンダ、油圧シリンダ等の駆動機構部114によって、下金型111の上方で、下金型111に対して下降による近接および上昇による離間が可能な構成を有している。ここで、駆動機構部114に、例えば、サーボモータを含む駆動機構等が採用され得る。これにより、第1上金型1121の下降が、上金型112の所定位置等で、停止或いは低速化され得る。駆動機構部114は、例えば、図示を省略する足踏み式のスイッチの押下に応答して、上金型112を下方および上方に選択的に移動させられ得る。なお、駆動機構部114の駆動は、例えば、図示を省略する制御部によって、自動的に制御されても良い。
端子送給機構部113は、導体圧着部31が第1下金型1111上に載置され、被覆圧着部32が第2下金型1112上に載置されることで、下金型111によって圧着端子3が支持される特定の位置に、該圧着端子3を供給することが可能な構成を有している。ここでは、端子送給機構部113が、連鎖状の複数の圧着端子3を上記特定の位置に順次送給する例を挙げて説明する。端子送給機構部113は、例えば、複数の圧着端子3の基端部(被覆圧着部32側端部)が細長帯状の連結部4に対して長手方向に等間隔で並列状に連結された形態で、複数の圧着端子3を送給する。
より具体的には、端子送給機構部113は、基台110上に配設されている。そして、端子送給機構部113は、連鎖状の複数の圧着端子3を、該圧着端子3の1ピッチ毎に所定の送り方向Pに間欠的に送給する機構を有している。該機構としては、例えば、図4の仮想線で示されるように、各圧着端子3に係脱自在な送り爪部材1131が、各圧着端子3の移動経路上に出退自在に突出して、送り方向Pに所定距離移動することで、圧着端子3を送り爪部材1131で引っ掛けながら送り方向Pに1ピッチ分移動させる機構が採用され得る。例えば、端子送給機構部113は、駆動機構部114によって上金型112が昇降する運動が所定のカムまたはリンク機構等で伝達されることで、上金型112の動作と連動して送り爪部材1131が送り方向Pに移動されるように形成され得る。そして、例えば、端子送給機構部113では、連鎖状の複数の圧着端子3が載置されることで支持することが可能な送給台1132を有しており、送り爪部材1131によって間欠的に送られる連鎖状の複数の圧着端子3が送給台1132上を滑って送給され得る。
なお、端子送給機構部113の機構としては、例えば、駆動機構部114とは別のエアシリンダ等のアクチュエータの運動によって連鎖状の複数の圧着端子3が送給される機構が採用されても良い。また、複数の圧着端子3が、その長手方向に連結された連鎖状の形態とされ、該長手方向において間欠的に送られても良い。また、複数の圧着端子3が連鎖状の形態で送給されずに、例えば、圧着端子3が、1つずつ把持されて送給される等といった単体で送給される構成が採用されても良い。
そして、端子送給機構部113は、例えば、下金型111上の特定の位置まで圧着端子3を送給し、該圧着端子3を図示省略の切断刃によって連結部4から切り離すように構成され得る。
端子圧着用治具12は、端子圧着装置1において用いられる治具であって、複数本の電線2に1つの圧着端子3が圧着される際に、複数本の電線2の配設経路をガイドする治具である。ここで、端子圧着用治具12は、複数本の電線2に圧着端子3が圧着される際に電線2が配設される経路に沿って、電線2の導体部21が露出されている端部2Edから離れる方向(ここでは、−Y方向)において、下金型111と上金型112とによって圧着端子3が挟まれる領域の外側に位置する。すなわち、電線2に圧着端子3が圧着される位置(圧着位置とも言う)の−Y方向に、端子圧着用治具12が配設される。
図6は、端子圧着用治具12の概略的な構成を示す正面図である。図6で示されるように、端子圧着用治具12は、例えば、被取付部121と案内部122とを備えている。被取付部121は、端子圧着装置1の本体部11に対して取り付けることが可能な部分である。案内部122は、第1方向(+Y方向)に電線2が貫通可能に形成された間隙12SLを有している。つまり、間隙12SLは、下金型111と上金型112との間の領域に向けた第1方向(+Y方向)に電線2が貫通可能に形成されている。具体的には、間隙12SLが、案内部122を第1方向(+Y方向)に貫通するように設けられている。
また、間隙12SLは、案内部122のうち、第1方向(+Y方向)に直交する第2方向(+Z方向)の端部12Edまで形成されている。つまり、間隙12SLは、案内部122に対して設けられた−Y方向に伸びる切り欠きとなっている。さらに換言すれば、間隙12SLは、延在方向としての+Z方向の端部が開口している。また、間隙12SLは、端部12Edから第2方向とは逆の第3方向(−Z方向)に延在している。さらに、図7で示されるように、間隙12SLは、第3方向(−Z方向)において延在している距離(延在距離とも言う)L1が第2方向(+Z方向)および第3方向(−Z方向)の双方に直交する第4方向としての+X方向における幅W1よりも長い、細長い形状を有している。
これにより、例えば、複数本の電線2が、間隙12SL内に挿入され得る。具体的には、例えば、各電線2の端部2Edで露出している導体部21に導体圧着部31が圧着される際に、導体圧着部31が押圧される方向に複数本の電線2が積み重ねられた状態で案内部122の間隙12SLに配置されると、複数本の電線2が安定して保持された状態で、該複数本の電線2の導体部21にまとめて1つの導体圧着部31が圧着され得る。したがって、積み重ねられた複数本の電線2に圧着端子3を容易かつ強固に圧着させることができる。
また、このとき、例えば、間隙12SLが、第2方向(+Z方向)に並べられる複数本の電線2のうち、端部12Edの最も近くに配される電線2の少なくとも第3方向(−Z方向)の半分の部分が第1方向(+Y方向)に貫通可能に設けられていれば、例えば、−Y方向のうちの案内部122が配される位置において、複数本目の電線2の軸方向に直交する断面視においてその断面の半分以上が間隙12SL内に配置され得る。このため、複数本の電線2が安定して保持された状態で該複数本の電線2の導体部21にまとめて1つの導体圧着部31が圧着され得る。
ここで、例えば、被覆部22の径(線径)がD1である複数本の電線2に、1つの圧着端子3が圧着される場合を想定する。
この場合、例えば、間隙12SLの延在距離L1が、電線2の線径D1の1.5倍以上であり、且つ間隙12SLの幅W1が、線径D1の√2倍未満であれば、例えば、間隙12SLに配置された複数本の電線2を該電線2の軸方向(+Y方向)に平面透視した場合を想定すると、間隙12SL内で、隣り合う電線2同士の中心を結ぶ線分が、間隙12SLの延在方向としての+Z方向に対して45度以上傾く不具合が生じ難い。その結果、積み重ねられた複数本の電線2に圧着端子3をより容易かつ強固に圧着させることができる。
ここで、例えば、第1方向(+Y方向)に間隙12SLを平面視した場合、該間隙12SLは、間隙12SLの幅W1が略一定である略長方形の形状を有している。これにより、間隙12SLの形状が簡易となり、間隙12SLが容易に形成され得る。また、例えば、端部12Edにおいて開口する間隙12SLの開口側(+Z側)から複数本の電線2を間隙12SL内に挿入することが可能である。また、例えば、間隙12SLの内部において隣り合う電線2同士の中心を結ぶ線分が間隙12SLの延在方向(+Z方向)に対して45度以上傾かないような間隙12SLの寸法が容易に実現され得る。
なお、間隙12SLを+Y方向に平面視した場合、間隙12SLの形状は、必ずしも略長方形である必要はなく、例えば、端部12Edに近づくにつれて幅W1が拡がっていても良いし、端部12Edから遠ざかるにつれて幅W1が拡がっていても良い。また、間隙12SLの−Z方向の奥部を形成している面は、例えば、電線2の側面の形状に対応する、凹状の弧状周面であっても良い。つまり、ここでは、間隙12SLの形状は、例えば、間隙12SLの+Z側の開口の幅が線径D1以上であり、且つ間隙12SL内で隣り合う電線2同士の中心を結ぶ線分が間隙12SLの延在方向(+Z方向)に対して45度以上傾かないような形状に設定されれば良い。
また、例えば、案内部122が、間隙12SLが形成された板状の部分を有するように構成されていれば、間隙12SLが板状の部分に形成されるため、例えば、案内部122の作成および配設が容易に実行され得る。
また、本実施形態では、案内部122が、間隙12SLを形成している第1部1221および第2部1222を含んでいる。これらの第1部1221および第2部1222は、第4方向(+X方向)において、間隙12SLを挟んでいる。そして、第1部1221が、第2部1222よりも第2方向(+Z方向)に張り出していれば、例えば、積み重ねられた複数本の電線2を第1部1221に引っ掛かる位置まで移動させて、該複数本の電線2を案内部122の間隙12SLに容易に挿入することができる。なお、図11には、第1部1221が+Z方向に張り出している距離H1が、第2部1222が+Z方向に張り出している距離H2よりも長くなっている一例が示されている。
ここで、さらに、第2部1222の第2方向(+Z方向)の端部が、間隙12SLに近づくほど第2方向(+Z方向)に張り出している傾斜部1222dを有していれば、積み重ねられた複数本の電線2を傾斜部122dに沿って摺り動かして、第1部1221に引っ掛かる位置まで移動させることが可能である。このため、該複数本の電線2を案内部122の間隙12SLに容易に挿入することができる。なお、傾斜部1222dは、間隙12SLの延在方向としての第2方向(+Z方向)に対して傾斜している。
図8から図10は、2本の電線2の間隙12SLへの挿入態様を例示する図である。まず、図8および図9で示されるように、略平行に+Z方向に積み重ねられた2本の電線2が、間隙12SLに向けて傾斜部1222d上を摺り動かされる。ここで、間隙12SLの近傍まで2本の電線2を移動させたときに、2本の電線2が、第1部1221に当接する。これにより、図9および図10で示されるように、案内部122の間隙12SLに複数本の電線2を容易に挿入することができる。なお、ここでは、例えば、傾斜部1222dを仮想的に延伸した直線が該第1部1221と交差するように、第1部1221が+Z方向に張り出していれば、複数本の電線2が間隙12SLを通り過ぎ難い。このため、案内部122の間隙12SLに複数本の電線2を容易に挿入することができる。さらに、例えば、傾斜部1222dを仮想的に延伸した直線が該第1部1221と交差する点よりも、第1部1221が+Z方向により張り出されていれば、複数本の電線2が間隙12SLを通り過ぎ難い。
また、本実施形態では、端子圧着用治具12は、例えば、端子圧着装置1の本体部11に対して、着脱自在に構成される。これにより、例えば、電線2の径および圧着の形態等に応じて、端子圧着用治具12の種類を変更したり、端子圧着用治具12の有無を調整したりすることが可能となる。例えば、図5および図6で示されるように、端子圧着用治具12に、2以上の貫通孔Sh1が設けられ、各貫通孔Sh1にねじSw1を挿通させて、本体部11に該ねじSw1を螺合させることで、本体部11に端子圧着用治具12を取り付ける態様が考えられる。このような態様では、例えば、ねじSw1を締めたり、弛めたりすることで、端子圧着用治具12が、本体部11に対して着脱され得る。
<(3)端子圧着電線の製造方法>
図11は、端子圧着電線100の製造工程の一例を示すフローチャートである。図12から図17は、端子圧着装置1における配設動作および圧着動作を例示する図である。図12には、端子圧着装置1に対して圧着端子3および複数本の電線2が配設される一態様が例示されている。また、図13から図17には、導体部21に導体圧着部31が圧着される様子が例示されている。
図11で示されるように、まず、端子圧着装置1に対して、圧着端子3および複数本の電線2が配置される(ステップSp1)。次に、電線2に圧着端子3が圧着される動作(圧着動作)が行われる(ステップSp2)。
ステップSp1では、案内部122のうちの第1方向(+Y方向)に貫通しており且つ該第1方向(+Y方向)に直交する第2方向(+Z方向)の端部12Edまで形成された間隙12SLに対して、第1電線2aおよび第2電線2bを貫通させるように配置する。ここでは、例えば、第1電線2aを、下金型111と上金型112との間の領域に向けた第1方向(+Y方向)に間隙12SLを貫通させるように配置する。また、例えば、第2方向(+Z方向)に第1電線2aに対して並べられた第2電線2bの少なくとも第3方向(−Z方向)の半分の部分を、第1方向(+Y方向)に間隙12SLを貫通させる。このとき、例えば、第2電線2bの軸方向(+Y方向)に直交する断面視においてその断面の半分以上が間隙12SL内に配置される。
そして、このとき、例えば、図12で示されるように、下金型111上に圧着端子3が配置されるとともに、間隙12SLから下金型111と上金型112との間の領域にかけて、第1電線2aおよび第2電線2bがそれぞれ延在されている状態に設定される。具体的には、例えば、下金型111に支持された圧着端子3上に第1電線2aおよび第2電線2bが配置される。より具体的には、例えば、導体圧着部31上に、第1電線2aおよび第2電線2bのそれぞれの端部2Edにおいて露出された導体部21が配置され、第1電線2aおよび第2電線2bのそれぞれの被覆部22の端部近傍が、被覆圧着部32上に配置される。
次に、ステップSp2では、間隙12SLから下金型111と上金型112との間の領域にかけて、第1電線2aおよび第2電線2bがそれぞれ延在している状態で、下金型111と上金型112との間の領域において、第1電線2aおよび第2電線2bに圧着端子3が圧着される。このとき、例えば、圧着素子3の導体圧着部31、第1電線2aの端部2Edで露出された第1電線2aの導体部(第1導体部とも言う)21a、および第2電線2bの端部2Edで露出された第2電線2bの導体部(第2導体部とも言う)21bを、第2方向(+Z方向)に沿って並べた状態で、下金型111と上金型112とを相対的に近接させる。これにより、第1導体部21aおよび第2導体部21bに導体圧着部31が圧着される。
このとき、例えば、図13から図17で示されるように、導体部21に導体圧着部31が圧着される。
具体的には、最初に、図13で示されるように、第1下側圧着面1111s上に底部31aが載置されることで、第1下金型1111によって導体圧着部31が支持される。また、このとき、+Z方向に積み重ねられるように並べられた2本の電線2(第1電線2aおよび第2電線2b)が導体圧着部31上に配置される。
次に、図13から図14で示されるように、第1上金型1121が第1下金型1111に近接する第1移動が行われると、第1上金型1121の−Z側に設けられた凹状の第1上側圧着面1121sが導体圧着部31に当接する。
その次に、図14から図16で示されるように、第1上金型1121が第1下金型1111に近接する第1移動がさらに行われると、例えば、導体圧着部31の一対の導体圧着片31bが第1上側圧着面1121sに摺接しつつ内側および底部31a側に向けて変形される。このとき、底部31aと一対の導体圧着片31bとの間において、+Z方向に積み重ねられた第1導体部21aおよび第2導体部21bが、底部31aと一対の導体圧着片31bとによって挟まれた状態で押しつぶされる。これにより、第1導体部21aおよび第2導体部21bに1つの導体圧着部31が圧着され得る。
そして、図16から図17で示されるように、第1上金型1121が第1下金型1111から離間する第2移動が行われることで、2本の電線2(第1電線2aおよび第2電線2b)に1つの圧着端子3が圧着される圧着動作が終了する。なお、第1導体部21aおよび第2導体部21bに対する導体圧着部31の圧着動作と並行して、該圧着動作と同様に、第2下金型1112および第2上金型1122の近接および離間による、2本の電線2の被覆部22に対する被覆圧着部32の圧着動作が行われる。これにより、+Z方向に積み重ねられた第1電線2aおよび第2電線2bに1つの圧着端子3が圧着された端子圧着電線100を得ることができる。
<(4)端子圧着電線の製造結果>
上述した端子圧着電線100の製造方法に従って、100本の端子圧着電線100を製造し、各端子圧着電線100において圧着端子3が圧着された部分(被圧着部とも言う)を電線2の軸方向に平面透視した。このとき、圧着端子3の縦方向(図17の+Z方向)に対して、隣り合う電線2同士の中心を結ぶ線分が45度以上傾く圧着の不良(圧着不良とも言う)が全く発生しなかった。一方、端子圧着装置1から端子圧着用治具12が取り除かれた端子圧着装置を用いて、100本の端子圧着電線を製造したところ、圧着端子3の縦方向に対して、隣り合う電線2同士の中心を結ぶ線分が45度以上傾く圧着不良が、30本の端子圧着電線において検出された。
したがって、複数本の電線2に1つの圧着端子3が圧着される際に、上記の端子圧着装置1および上記の端子圧着電線100の製造方法が採用されれば、例えば、圧着不良の発生が低減され得る。
また、上述した端子圧着電線100の製造方法に従って、100本の端子圧着電線100が製造された際に、1本の端子圧着電線100の製造に要した時間は、平均して約3秒間であった。一方、端子圧着装置1から端子圧着用治具12が取り除かれた端子圧着装置を用いて100本の端子圧着電線が製造された際には、1つの端子圧着電線100の製造に要した時間は、平均して約18秒間であった。
したがって、複数本の電線2に1つの圧着端子3が圧着される際に、上記の端子圧着装置1および上記の端子圧着電線100の製造方法が採用されれば、圧着不良の発生が低減されるだけでなく、圧着に要する時間の短縮が図られた。つまり、高精度に圧着がなされた端子圧着電線100が迅速に製造され得ることが分かった。
以上のことから、上記の端子圧着用治具12および上記端子圧着電線100の製造方法が採用されれば、積み重ねられた複数本の電線2に圧着端子3を容易かつ強固に圧着させることができることが分かった。
<(5)一実施形態のまとめ>
以上のように、本実施形態に係る端子圧着装置1では、下金型111と上金型112との間の領域に向けた第1方向(+Y方向)に電線2が貫通可能に形成された間隙12SLを有している案内部122が設けられている。該間隙部12SLは、下金型111から上金型112に向かう第2方向(+Z方向)の端部12Edまで形成されており、且つ第2方向とは逆の第3方向(−Z方向)に延在している。そして、間隙部12SLは、第3方向(−Z方向)における延在距離L1が第2方向(+Z方向)および第3方向(−Z方向)の双方に直交する第4方向(+X方向)における幅W1よりも長い形状、すなわち細長い形状を有している。これにより、例えば、各電線2の端部2Edで露出している導体部21に導体圧着部31が圧着される際に、導体圧着部31が押圧される方向に複数本の電線2が積み重ねられた状態で案内部122の間隙12SLに配置され得る。その結果、積み重ねられた状態で安定して保持された複数本の電線2の導体部21にまとめて1つの導体圧着部31が圧着され得る。したがって、積み重ねられた複数本の電線2に圧着端子3を容易かつ強固に圧着させることができる。
<(6)変形例>
なお、本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上記一実施形態では、端子圧着用治具12が、1枚の板状の部材であったが、これに限られない。例えば、図18で示されるように、端子圧着用治具12が分割部12Dvにおいて2以上の板状の部材に分割された1つの端子圧着用治具12Aが形成されても良い。つまり、例えば、端子圧着用治具12Aは、2以上の部材によって構成されても良い。この場合、例えば、少なくとも、間隙12SLの−X側の第1部1221に対応する部材と、間隙12SLの+X側の第2部1222に対応する部材とが、本体部11に取り付けられれば、端子圧着用治具が形成され得る。このとき、端子圧着用治具に間隙の延在方向の奥部が形成されておらず、間隙の奥部の機能が本体部の端部によって実現されても良い。つまり、端子圧着用治具では、間隙12SLの+Z側の端部が開口であったが、例えば、−Z側の端部も開口であっても良い。
また、例えば、端子圧着用治具12は、板状の部材ではなく、ブロック状の部材であっても良いし、上述した端子圧着用治具12を構成する板状の部材の側面と同様な形状を成す中空のフレーム状の部材等といったその他の形態を有する部材であっても良い。
また、上記一実施形態では、端子圧着用治具12が、ねじSw1等によって本体部11に取り付けられたが、これに限られない。例えば、本体部11の−Y側の端部に設けられた対向する一対の溝部に、端子圧着用治具12が挿入されることで、該端子圧着用治具12が本体部11に取り付けられる構成が採用されても良い。
また、上記一実施形態では、1つの圧着端子3が圧着される複数本の電線2が、2本の電線2であったが、これに限られない。該複数本の電線2は、3本以上の電線2であっても良い。
また、上記一実施形態では、第2部1222に、傾斜部1222dが設けられていたが、これに限られず、例えば、第2部1222に、傾斜部1222dが設けられていなくても良い。但し、第2部1222に傾斜部1222dが設けられていれば、間隙12SLに複数本の電線2を容易に挿入することができる。
また、上記一実施形態では、案内部122において、第1部1221が第2部1222よりも+Z方向に張り出されていたが、これに限られない。例えば、第1部1221と第2部1222とが+Z方向に同程度に張り出されていても良い。但し、第1部1221が第2部1222よりも+Z方向に張り出されていれば、間隙12SLに複数本の電線2を容易に挿入することができる。
また、上記一実施形態では、間隙12SLの延在方向(+Z方向)の端部に位置する開口が常に開いた状態であったが、これに限られない。例えば、間隙12SLの開口を開閉自在とする部材(ゲート部材とも言う)が設けられても良い。なお、該ゲート部材としては、例えば、端子圧着用治具12に回動自在あるいは摺動自在な部材等が採用され得る。
また、上記一実施形態では、下金型111と上金型112とが上下方向に相対的に近接および離間する往復移動を行ったが、これに限られない。例えば、下金型111と上金型112とが、上下方向に対して傾斜した方向(傾斜方向とも言う)あるいは左右方向に相対的に近接および離間する往復移動を行う構成が採用されても良い。この場合、例えば、案内部122に設けられた間隙12SLは、下金型111と上金型112とが相対的に近接および離間する往復移動を行う方向(第2方向および第3方向)に沿って延在されれば良い。つまり、例えば、間隙12SLの延在方向は、下金型111と上金型112とが相対的に近接および離間する往復移動を行う方向(第2方向および第3方向)と略一致していれば良い。
また、上記一実施形態では、下金型111に対して上金型112が近接および離間する往復移動を行ったが、これに限られない。例えば、下金型111および上金型112の少なくとも一方が移動することで、下金型111と上金型112とが接近あるいは離間しても良い。
また、上記一実施形態では、複数本の電線2が積み重ねられた状態で間隙12SLに挿入される例を挙げて説明したが、これに限られない。例えば、電線2が1本ずつ間隙12SLに挿入されるなど、複数本の電線2が2回以上に分けて間隙12SLに挿入されることで、複数本の電線2が積み重ねられた状態とされても良い。
以上のように、この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 端子圧着装置
2 電線
2a 第1電線
2b 第2電線
2Ed 端部
3 圧着端子
11 本体部
12,12A 端子圧着用治具
12Ed 端部
12SL 間隙
21 導体部
21a 第1導体部
21b 第2導体部
22 被覆部
31 導体圧着部
32 被覆圧着部
100 端子圧着電線
111 下金型
112 上金型
121 被取付部
122 案内部
1221 第1部
1222 第2部
1222d 傾斜部
D1 線径
L1 延在距離
W1 幅

Claims (8)

  1. 電線の端部で露出されている該電線の導体部に圧着端子の導体圧着部を圧着させる端子圧着装置であって、
    前記導体圧着部を支持可能な第1の型と、
    前記第1の型に対向しており、且つ前記第1の型に対して相対的に近接することで前記導体部に前記導体圧着部を圧着させることが可能な第2の型と、
    前記第1の型と前記第2の型との間の領域に向けた第1方向に前記電線が貫通可能に形成された間隙を有している案内部と、を備え、
    前記間隙が、前記案内部のうちの前記第1の型から前記第2の型に向かう第2方向の端部まで形成されており、且つ該端部から前記第2方向とは逆の第3方向に延在しているとともに、前記第3方向における延在距離が前記第2方向および前記第3方向の双方に直交する第4方向における幅よりも長い細長い形状を有している、端子圧着装置。
  2. 請求項1に記載の端子圧着装置であって、
    前記間隙が、前記第2方向に並べられる複数本の電線のうちの、前記端部の最も近くに配される電線の少なくとも前記第3方向の半分の部分が前記第1方向に貫通可能に設けられた、端子圧着装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の端子圧着装置であって、
    前記延在距離が、前記電線の線径の1.5倍以上であり、
    前記幅が、前記線径の√2倍未満である、端子圧着装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の端子圧着装置であって、
    前記案内部が、前記間隙が形成された板状の部分を有している、端子圧着装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1つの請求項に記載の端子圧着装置であって、
    前記案内部が、前記間隙を形成しており且つ前記第4方向において前記間隙を挟んでいる第1部および第2部を含み、
    前記第1部が、前記第2部よりも前記第2方向に張り出している、端子圧着装置。
  6. 請求項5に記載の端子圧着装置であって、
    前記第2部の前記第2方向の端部が、前記間隙に近づくほど前記第2方向に張り出すように前記第2方向に対して傾斜している傾斜部を有している、端子圧着装置。
  7. 電線の端部で露出されている該電線の導体部に圧着端子の導体圧着部を圧着させる端子圧着装置において用いられる端子圧着用治具であって、
    前記端子圧着装置の本体部に対して取り付け可能な被取付部と、
    第1方向に前記電線が貫通可能に形成され且つ該第1方向に直交する第2方向の端部まで形成された間隙を有している案内部と、を備え、
    前記間隙が、前記端部から前記第2方向とは逆の第3方向に延在しているとともに、該第3方向における延在距離が前記第2方向および前記第3方向の双方に直交する第4方向における幅よりも長い細長い形状を有している、端子圧着用治具。
  8. (a)案内部のうちの第1方向に貫通しており且つ該第1方向に直交する第2方向の端部まで形成された間隙に対して、第1電線を、第1の型と第2の型との間の領域に向けた前記第1方向に該間隙を貫通させ、且つ前記第2方向に前記第1電線に対して並べられた第2電線の少なくとも前記第2方向とは逆の第3方向における半分の部分を、前記第1方向に該間隙を貫通させるように配設するステップと、
    (b)前記間隙から前記領域にかけて前記第1電線および前記第2電線がそれぞれ延在しているとともに、前記領域において、圧着端子の導体圧着部、前記第1電線の第1方向の端部で露出された該第1電線の第1導体部、および前記第2電線の第1方向の端部で露出された該第2電線の第2導体部を、前記第2方向に沿って並べた状態で、前記第1の型と前記第2の型とを相対的に近接させることで、前記第1導体部および前記第2導体部に前記導体圧着部を圧着させるステップと、を有している、端子圧着電線の製造方法。
JP2016027953A 2016-02-17 2016-02-17 端子圧着装置、端子圧着用治具、および端子圧着電線の製造方法 Pending JP2017147114A (ja)

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