JP2017145807A - 内燃機関の気液分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブリーザ室の容量を確保しつつ、その性能向上を実現する内燃機関の気液分離装置を提供する。【解決手段】動弁機構を駆動させるカムシャフト20,21がシリンダヘッド13に支持されると共に、カムシャフト13の先端に動力伝達部材26,27が軸着され、シリンダヘッド13を上方から覆うシリンダヘッドカバー14を備える。シリンダヘッドカバー14内側における動力伝達部材26,27の上部に、ブローバイガスが導入されるブリーザ室31を設ける。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等に搭載されるエンジンとしての内燃機関に付設装備される気液分離装置に関するものである。
例えば特許文献1に開示されるエンジンでは、シリンダヘッド内に配置構成される動弁機構は、吸気側及び排気側のカムシャフトに軸着されて相互に噛合する一対の歯車が、クランクシャフトを駆動源として回転駆動されることで、吸気バルブ及び排気バルブを開閉制御するようにしている。
この場合、シリンダヘッドカバーにおける上面のうち両カムシャフトに対応する部分の各々に上向きに突出する脹らみ部を設け、これらの脹らみ部の内部に動弁機構室から抽出されるブローバイガスに対する気液分離室が形成される。
特開平8−312455号公報
特許文献1に開示されるような従来の内燃機関では、気液分離室がシリンダヘッドカバーのうちカムシャフト後方に設けられる。このカムシャフト後方には燃料系あるいは吸排気系等の部品や付属パーツが配設され、気液分離室の容積を確保するのが必ずしも容易でない。
本発明はかかる実情に鑑み、ブリーザ室の容量を確保しつつ、その性能向上を実現する内燃機関の気液分離装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の気液分離装置は、動弁機構を駆動させるカムシャフトがシリンダヘッドに支持されると共に、該カムシャフトの先端に動力伝達部材が軸着され、前記シリンダヘッドを上方から覆うシリンダヘッドカバーを備える内燃機関において、前記シリンダヘッドカバー内側における前記動力伝達部材の上部に、ブローバイガスが導入されるブリーザ室を設けることを特徴とする。
また、本発明の内燃機関の気液分離装置において、前記動力伝達部材として、一対の前記カムシャフトに取り付けられる駆動ギヤ及びこの駆動ギヤに噛合される従動ギヤを含み、少なくとも前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの上部に、前記ブリーザ室を有することを特徴とする。
また、本発明の内燃機関の気液分離装置において、前記ブリーザ室は前記シリンダヘッドカバーと一体形成され、前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの上側に前記ブリーザ室の底壁を設けることを特徴とする。
また、本発明の内燃機関の気液分離装置において、前記ブリーザ室の底壁は、前記駆動ギヤと前記従動ギヤとの噛合部における前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの外縁に沿うように突設された突状部を有することを特徴とする。
また、本発明の内燃機関の気液分離装置において、前記突状部の適所には、オイル落とし孔が穿設されることを特徴とする。
また、本発明の内燃機関の気液分離装置において、前記駆動ギヤが取り付けられる前記カムシャフトには該駆動ギヤに隣接してカムスプロケットが軸着され、このカムスプロケットの上部領域まで前記ブリーザ室が延設されることを特徴とする。
また、本発明の内燃機関の気液分離装置において、前記ブリーザ室は、ブローバイガスの流路に沿ってラビリンス構造を形成するための複数のリブが付設されることを特徴とする。
本発明によれば、シリンダヘッドカバー内側において動力伝達部材の上部にブリーザ室を設け、動力伝達部材の上部空間を有効利用し、シリンダヘッドカバーを上方へ大きくすることなく、エンジンの高さを実質的に高くすることなく、ブリーザ室の容量を最大限大きく確保することができる。ブリーザ室の容量を大きくすることで、その気液分離性能を有効に向上することができる。
本発明に係る内燃機関の気液分離装置の適用例として自動車用のエンジンを示す斜視図である。 本発明に係る内燃機関の気液分離装置の要部構成を示すエンジンのシリンダヘッドまわりの破断斜視図である。 本発明の実施形態における気液分離装置の動力伝達部材まわりの破断斜視図である。 本発明の実施形態における気液分離装置を設けたシリンダヘッドまわりの構成例を示す図2のI−I線に沿う断面図を上から見た図である。 本発明の実施形態における気液分離装置のブリーザ室の配置構成例等を示す模式図である。 本発明の実施形態における気液分離装置の底壁の変形例を示す模式図である。 本発明の実施形態における気液分離装置が設けられたシリンダヘッドカバーの下方斜視図である。 本発明の実施形態における気液分離装置が設けられたシリンダヘッドカバーの上方斜視図である。 本発明の実施形態における気液分離装置に係るラビリンス構造を示す図2及び図7のそれぞれII−II線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における気液分離装置の作動例等を説明する模式図である。 本発明に係る内燃機関の気液分離装置の適用例としてのエンジンの変形例を示す模式図である。 本発明に係る内燃機関の気液分離装置の適用例としてのエンジンの変形例を示す模式図である。
以下、図面に基づき、本発明による内燃機関の気液分離装置における好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明の適用例として自動車用のエンジン10を示す斜視図である。先ず、図1を用いて、エンジン10の概略構成について説明する。なお、図1を含め、以下の説明で用いる図においては必要に応じて、例えば車両に搭載された際の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrにより示し、また、車両の側方右側を矢印Rにより、車両の側方左側を矢印Lにより示す。なお、エンジン10の配置方向は図示例の場合に限定されず、車種等に応じて適宜選択可能である。
エンジン10は本実施形態において例えば多気筒、典型的には4気筒DOHCディーゼルエンジンであってよい。エンジン10において、クランクケース11の上部に順次シリンダブロック12、シリンダヘッド13及びシリンダヘッドカバー14が一体的に結合してなり、直列に配置された各気筒(ここでは例えば、1番(♯1、以下同様)〜♯4とする)のそれぞれシリンダ軸線が略鉛直方向を指向する。本例では図示のように♯1〜♯4気筒が前後方向に沿って列設されるが、左右方向に沿って列設される場合でも適用可能である。また、クランクケース11の下部には潤滑油(エンジンオイル)を貯留するオイルパン15が一体的に結合する。エンジン10は複数のエンジンマウントを介して車体フレームに懸架されることで、車体フレームに一体的に結合支持され、当該自動車のエンジンルーム1に搭載される。
エンジン10には、エアクリーナから供給される空気(吸気)を供給する吸気系、燃料供給装置から燃料を供給する燃料系、シリンダ内での燃焼後の排気ガスをエンジン10から排出する排気系、吸気系及び排気系のそれぞれ吸気バルブ及び排気バルブを駆動制御する動弁系、エンジン10を冷却する冷却系及びエンジン10の可動部を潤滑する潤滑系、それらを作動制御する制御系(ECU;Engine Control Unit)が付属する。制御系の制御により複数の機能系が上述の補機類等と協働し、これによりエンジン10全体として円滑作動が遂行される。
例えば図1において、なお詳細図示等は適宜省略するが、吸気系においてエアクリーナからスロットルバルブを介して、浄化された空気がインテークマニホールド16へ送給され、その空気は更にインテークマニホールド16から各気筒のインテークポートに供給される。また、燃料系において燃料タンクの燃料が燃料ポンプによりデリバリパイプ17に供給され、燃料は更にデリバリパイプ17から各気筒のインジェクタ18に供給される。
車両のエンジンルーム1にはボンネット2が蓋着すると共に、エンジン10の周囲には上述のような複数の補機類等を始め、それらに関連する多数の装置もしくは部品等が配設される。このようにエンジン10は、エンジンルーム1における極めて狭小スペースに配置される。限られたスペース内でエンジン10及びその周辺装備品等をスペース効率よく配置するのはレイアウト上極めて重要である。
また、図1のようにクランクケース11のクランク室にはクランクシャフト19が回転自在に軸支され、一方、シリンダブロック12の各気筒のシリンダボア内にはピストンがシリンダ軸線方向に移動可能に嵌装される。クランクシャフト19のクランクピンと各気筒のピストンのピストンピンは、コネクティングロッドを介して相互に連結され、ピストンがシリンダボア内でシリンダ軸線方向に沿って往復運動することで、クランクシャフト19が回転駆動される。
エンジン10の動弁系においてシリンダヘッド13には、各気筒の吸気バルブ及び排気バルブをそれぞれ駆動するためのカムを持つカムシャフトを有する。本実施形態では図2において一点鎖線により略記するが、シリンダヘッド13において回転可能に軸支され、気筒の配列方向に横架される吸気側及び排気側のカムシャフト20,21(カム軸)を備える。カムシャフト20,21は動弁機構を駆動させ、本例では排気側のカムシャフト21とクランクシャフト19とが連結され、カムシャフト20及びカムシャフト21が後述の動力伝達部材を介して相互に連結される。
具体的には♯1気筒のシリンダボアの外側において、クランクケース11からシリンダヘッドカバー14までの領域に亘って上下方向にカムタイミングチェーン室22が形成される。カムシャフト20,21は、カムタイミングチェーン室22の外壁、即ちチェーン室カバー23(図1参照)で囲まれるカムタイミングチェーン室22内までが延出し、排気側のカムシャフト21の軸端部に動力伝達部材としてのカムスプロケット24が取り付けられる。一方、クランクシャフト11の軸端部にはカムスプロケット24に対応してドライブスプロケット(図示せず)が取り付けられる。これらカムスプロケット24及びクランクシャフト11のドライブスプロケットには図2のように前方から見ると時計方向(右回り)に回転して走行するカムタイミングチェーン25が巻回装架され、即ちクランクシャフト11及び排気側のカムシャフト21がカムタイミングチェーン25を介して相互に連結される。
図5Aに模式的に示したようにカムスプロケット24の後側に隣接してカムシャフト21の先端には、図3に示したように動力伝達部材としての駆動ギヤ26が軸着され、吸気側のカムシャフト20の先端には駆動ギヤ26に噛合する従動ギヤ27が軸着される。このようにカムスプロケット24及び駆動ギヤ26は排気側のカムシャフト21により同軸に支持され、従動ギヤ27は吸気側のカムシャフト20により駆動ギヤ26と同一高さ位置に支持される。駆動ギヤ26及び従動ギヤ27は例えば平歯車等であってよく、駆動ギヤ26は図2のようにカムスプロケット24の後側に隣接して配置される。この場合、図2から分かるようにカムスプロケット24は駆動ギヤ26よりも大径であり、図5Aに模式的に示したようにカムタイミングチェーン25を介して連結されるクランクシャフト19のドライブスプロケット28に対して減速比1/2となるように設定された歯数を持つ。
カムタイミングチェーン室22内には更に、カムタイミングチェーン25の張力を調整するチェーンテンショナ及びテンショナアジャスタ29やチェーンガイド30等が付帯して配置される。これらを含めて駆動ギヤ26、従動ギヤ27及びカムスプロケット24等のカムシャフト20,21の駆動系は、チェーン室カバー23により覆われるカムタイミングチェーン室22内に収容される。
なお、本例ではカムスプロケット24及びドライブスプロケット28がカムタイミングチェーン25を介して連結されるが、カムタイミングチェーン25の代替としてタイミングベルト、更にこれに付随してタイミングプーリ等を用いることも可能である。
上記のようにカムタイミングチェーン室22においてカムタイミングチェーン25を介してクランクシャフト19及びカムスプロケット24が連結され、また、駆動ギヤ26及び従動ギヤ27が噛合する。そして、カムタイミングチェーン25が走行することにより、シリンダヘッド13においてクランクシャフト11の回転に同期して駆動ギヤ26及び従動ギヤ27、従ってカムシャフト20,21が回転駆動される(図2、矢印A及び矢印B参照)。そして、カムシャフト20,21の吸気用カム及び排気用カムがそれぞれ吸気バルブ及び排気バルブを所定のタイミングで開閉駆動する。
さて、本発明の内燃機関の気液分離装置において、シリンダヘッド13を上方から覆うシリンダヘッドカバー14内側において動力伝達部材である駆動ギヤ26及び従動ギヤ27等の上部には、図2及び図3等に示すようにブローバイガスが導入されるブリーザ室31がシリンダヘッドカバー14と一体形成される。
本実施形態では動力伝達部材として、上述のように一対のカムシャフト20,21に取り付けた駆動ギヤ26及びこの駆動ギヤ26に噛合する従動ギヤ27を含み、少なくともこれら駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の上部に、ブリーザ室31が配置される。
ブリーザ室31は図2〜図4に示されるように、カムタイミングチェーン室22と略同一幅又は適度に幅狭(左右方向)とし、♯1気筒の側近まで延設されると共に排気側(左側)へ回り込みながら上方へ突出するように形成される。このようにブリーザ室31を駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の上部で上方へ突出させることで、その容量確保に寄与するが、この場合その突出高さとしては、例えばインジェクタ18等と同程度とし、即ちエンジン10の高さに実質的に影響を与えない程度に設定される。ブリーザ室31は、上記のようにシリンダヘッドカバー14の上方へ突出形成されるが、図7を参照してブリーザ室31が排気側へ回り込んで一旦、段落ちして形成された連通路32が、気筒の配列方向に沿って♯4気筒まで延設される。この連通路32の♯4気筒側端部にはアウトレットパイプ33が接続され、後述するように気液分離されたブローバイガスがアウトレットパイプ33からホース等を介して吸気側へ還流されるようになっている。
また、ブリーザ室31は図2及び図3等に示すように、駆動ギヤ26及び従動ギヤ27等の上側に位置して、シリンダヘッドカバー14と一体形成された底壁34を有する。
本例ではブリーザ室31の底壁34は図3のように、駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の外縁に沿うようにそれらの噛合部に向けて下方へ突設された突状部35を有する。
本実施形態においてブリーザ室31の底壁34における突状部35の適所にオイル落とし孔が穿設される。本例では典型的には図6に示されるように突状部35の尖端部、即ち底壁34の最低部にオイル落とし孔36を形成するのが好適である。ブリーザ室31においてブローバイガスから気液分離されたエンジンオイル分が、オイル落とし孔36を介してクランクケース11側へ落下するようになっている。
ここで、ブリーザ室31の底壁34に突状部35を設けないことも可能である。例えば図5Bに概略示したように駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の上端部付近を通るように略平坦状の底壁34′が形成される。この場合、駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の噛合部に対応して底壁34′を凹ませて、その凹部にオイル落とし孔36を形成してもよい。底壁34′を略平坦状とすることで、構造の簡素に好適である。
更に、ブリーザ室31は、カムスプロケット24の上部領域まで延設することができる。この場合、図5Aに模式的に示したように駆動ギヤ26の前側に隣接して、排気側のカムシャフト21には駆動ギヤ26よりも大径のカムスプロケット24が軸着している。前述のように駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の上部において、少なくともカムスプロケット24及び駆動ギヤ26のそれぞれ半径の差に相当する高さh(この場合を図5Aにおいて点線にて略記する)を有するブリーザ室31として形成することができる。なお、高さhは最低限の高さであり、本実施形態では図5Aに示されるようにブリーザ室31はかかる高さhよりも大きな高さを有する。これに加えて、カムスプロケット24の上部においてその外縁に沿うようにブリーザ室31の底壁34を、カムシャフト21と直交方向から見て段付状に形成し(図2及び図5Aにおいて底壁34Aとして併記する)、これによりカムスプロケット24の上部領域を含むブリーザ室31とすることができる。このようにブリーザ室31をカムスプロケット24の上部領域まで延設することで、その容量確保に極めて有効である。前述のようにブリーザ室31の上方への突出高さはエンジン10の高さとの関係で一定の制約があるものの、その許容範囲内であればブリーザ室31をカムスプロケット24の上部領域まで延設することは差し支えない。
本発明の内燃機関の気液分離装置では更に、ブリーザ室31内にブローバイガスの流路に沿ってラビリンス構造を形成するとよい。このラビリンス構造として、例えば図7及び図8に示すようにブリーザ室31の前後の側壁37,38において、図示例のように交互に基本的には前後方向に延出する複数のリブ39が付設される。各リブ39は対向側の側壁37,38までは到達せずに、即ち隙間を持ち、それらの隙間をブローバイガスが通過することができる。導入口40(図8参照)からブリーザ室31内に流入したブローバイガスは、ラビリンス構造を通過する際、順次複数のリブ39に当たりながら流通することで、気液分離が促進される。
ブリーザ室31内のラビリンス構造を形成するリブとしては、ブリーザ室31の底壁34と上壁41(図2、図3等参照)に交互に上下方向に延出する複数のリブを設けることでも構成することができる。
いずれの場合も複数のリブ39等の個数あるいは形状等は、ブリーザ室31の具体的な形状等に応じて適宜設定又は選択することができる。
上記のように構成されたエンジン10の基本動作において、例えば図9を参照してクランクシャフト19のクランクピン42と各気筒のピストン43のピストンピン44は、コネクティングロッド45を介して相互に連結され、ピストン43がシリンダブロック12のシリンダボア内でシリンダ軸線方向に沿って往復運動することで、クランクシャフト19が回転駆動される。
かかるエンジン10に適用される本発明の気液分離装置の作動例を概略説明する。例えばエンジン10の高負荷時等での稼動に伴いエンジン10内でブローバイガスが流動し、即ちクランクケース11のブローバイガスは図9の矢印Cのように、カムチェーン室24を通ってブリーザ室31の導入口40(図8)からブリーザ室31内に流入する。このブローバイガスはブリーザ室31内を通過しながら気液分離され、そのうちエンジンオイル分はオイル落とし孔36(図6参照)を介してクランクケース11側へ落下し、一方、そのガス分は連通路32を通って吸気側へ還流される。その場合、ブローバイガスはラビリンス構造を通過する際、複数のリブ39に衝突することで気液分離が促進される。
上記の場合、図9に示されるエンジン10の吸気系おいて、エアクリーナ46に接続された吸気管47からインテークマニホールド16へ送給された吸気(新気)が、各気筒のインテークポートに供給される(図9、矢印D)。その際、吸気管47の途中に装着されたスロットルバルブ48により、供給されるべき吸気の流量が制御される。また、シリンダヘッドカバー14に設けたアウトレットパイプ33と吸気管47の途中適所とがホース49を介して接続され、気液分離されたガス分が吸気と共に各気筒の燃焼室へ供給される。
次に、本発明の内燃機関の気液分離装置における主要な作用効果について説明する。先ず、シリンダヘッドカバー14内側において動力伝達部材の上部に、ブリーザ室31が配置される。動力伝達部材として、一対のカムシャフト20,21に取り付けた駆動ギヤ26及び従動ギヤ27を含み、これらの上部空間を有効利用してブリーザ室31を設けることで、シリンダヘッドカバー14を特に上方へ大きくすることなく、即ちエンジン10の高さを実質的に高くすることなく、ブリーザ室31の容量を最大限大きく確保することができる。
本例のようにシリンダヘッドカバー14上に特に燃料系を構成するデリバリパイプ17やインジェクタ18等が多数配設されている内燃機関において、そのままではブリーザ室31の容量を確保するのは容易でない。このような場合でも本発明によれば、上記のように駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の上部空間を有効利用することで、スペース効率よくブリーザ室31の容量確保を実現する。
また、ブリーザ室31はシリンダヘッドカバー14と一体形成され、駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の上側にブリーザ室31の底壁34を有している。
このように底壁34を持つことで、ブリーザ室31自体の剛性を高めことができ、これにより更にシリンダヘッドカバー14の剛性強化を図ることができる。
また、底壁34は、駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の上部至近位置に設けるため、つまりこれらの駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の上方を覆うことで作動音を遮蔽することができる。従って、エンジン10の稼動時の静粛性を確保するために有効に寄与する。
また、ブリーザ室31の底壁34は典型的には、駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の外縁に沿うようにそれらの噛合部に向けて突設された突状部35を有し、ブリーザ室31を立体構造としている。この立体構造によりブリーザ室31の更なる剛性強化を図ることができる上、下方へ突出する突状部35によりブリーザ室31の容量を更に大きく確保することができる。この場合、駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の外縁に沿うように接近させて突状部35を形成することで、駆動ギヤ26及び従動ギヤ27を包み込む形態とし、より高い遮音効果を得ることができる。
また、ブリーザ室31の底壁34において、典型的には最低部にオイル戻し孔36が穿設され、気液分離されたエンジンオイルを効率よく収集、回収することができる。この場合、オイル落とし孔36を突状部35の尖端部に設けることで、駆動ギヤ26及び従動ギヤ27の噛合部に対して、分離したエンジンオイルが適確に滴下される。これにより駆動ギヤ26及び従動ギヤ27に対する潤滑性に優れると共に、それらの作動音に対する更なる低減効果が得られる。
更に、カムスプロケット24の上部領域までブリーザ室31が延設され、カムスプロケット24の上部領域を含むブリーザ室31が構成される。ブリーザ室31をカムスプロケット24の上部領域を利用することで、その容量を有効に確保することができる。
また、ブリーザ室31は、ブローバイガスの流路に沿ってラビリンス構造を形成する複数のリブ39を持つ。ブリーザ室31内に流入したブローバイガスがラビリンス構造を通過する際、これらのリブ39に当たりながら流通することで、高い気液分離性能を得ることができる。また、ラビリンス構造によってブリーザ室31、更にはシリンダヘッドカバー14の剛性強化を図ることが可能になる。
ここで、本発明はディーゼルエンジンに限らず、一般的なガソリンエンジンに対しても適用可能である。一例として図10Aのようにエンジン10として、なおその要部のみ簡略的に図示するが、例えばDOHCエンジンのシリンダヘッドに配置構成された動弁機構には吸気側及び排気側のカムシャフト50,51を備え、これらのカムシャフト50,51の軸端部にはそれぞれ動力伝達部材としてのスプロケット52,53が取り付けられる。これらのスプロケット52,53とクランクシャフトの軸端部に取り付けられたドライブスプロケットとに上下方向に走行するカムタイミングチェーン54が巻回装架されるものとする。なお、カムタイミングチェーン54等の代替としてタイミングベルト及びタイミングプーリ等を用いることも可能である。
エンジン10のシリンダヘッドを上方から覆うシリンダヘッドカバー内側に動力伝達部材であるスプロケット52,53の上部にブローバイガスが導入されるブリーザ室31Aがシリンダヘッドカバーと一体形成される。なお、シリンダヘッドカバーにはプラグホールに点火プラグが装着されると共に給電用のケーブル等が配索され、狭小スペースに多数の部品類が配設される。このような例の場合でもスプロケット52,53の上部空間を有効利用することで、スペース効率よくブリーザ室31Aの容量確保を実現する。
また、例えば図10Bのようにエンジン10として、SOHCエンジンのシリンダヘッドに配置構成された動弁機構には単一のカムシャフト55を備え、カムシャフト55の軸端部に動力伝達部材としてのスプロケット56が取り付けられる。スプロケット55及びクランクシャフトのドライブスプロケット間に上下方向に走行するカムタイミングチェーン57が巻回装架されるものとする。なお、カムタイミングチェーン57等の代替としてタイミングベルト及びタイミングプーリ等を用いることも可能である。
この場合にもシリンダヘッドカバー内側に動力伝達部材であるスプロケット56の上部にブローバイガスが導入されるブリーザ室31Bがシリンダヘッドカバーと一体形成される。
図10A及び図10Bの例を含め、この種の内燃機関においてリンダヘッド内で動弁機構を駆動するためのカムシャフトが支持されると共に、該カムシャフトに動力伝達部材が軸着され、シリンダヘッドを上方から覆うシリンダヘッドカバー内側において動力伝達部材の上部に、ブローバイガスが導入されるブリーザ室を設けることができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
例えば、4気筒エンジンの例を説明したが、気筒数は適宜変更可能である。
10 エンジン、11 クランクケース、12 シリンダブロック、13 シリンダヘッド、14 シリンダヘッドカバー、15 オイルパン、16 インテークマニホールド、17 デリバリパイプ、18 インジェクタ、19 クランクシャフト、20,21 カムシャフト、22 カムタイミングチェーン室、23 チェーン室カバー、24 カムスプロケット、25 カムタイミングチェーン、26 駆動ギヤ、27 従動ギヤ、28 ドライブスプロケット、29 チェーンテンショナ及びテンショナアジャスタ、30 チェーンガイド、31 ブリーザ室、32 連通路、33 アウトレットパイプ、34,34′ 底壁、35 突状部、36 オイル落とし孔、37,38 側壁、39 リブ、40 導入口、41 上壁、42 クランクピン、43 ピストン、44 ピストンピン、45 コネクティングロッド、46 エアクリーナ、47 吸気管、48 スロットルバルブ、49 ホース。

Claims (7)

  1. 動弁機構を駆動させるカムシャフトがシリンダヘッドに支持されると共に、該カムシャフトの先端に動力伝達部材が軸着され、前記シリンダヘッドを上方から覆うシリンダヘッドカバーを備える内燃機関において、
    前記シリンダヘッドカバー内側における前記動力伝達部材の上部に、ブローバイガスが導入されるブリーザ室を設けることを特徴とする内燃機関の気液分離装置。
  2. 前記動力伝達部材として、一対の前記カムシャフトに取り付けられる駆動ギヤ及びこの駆動ギヤに噛合される従動ギヤを含み、
    少なくとも前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの上部に、前記ブリーザ室を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の気液分離装置。
  3. 前記ブリーザ室は前記シリンダヘッドカバーと一体形成され、前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの上側に前記ブリーザ室の底壁を設けることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の気液分離装置。
  4. 前記ブリーザ室の底壁は、前記駆動ギヤと前記従動ギヤとの噛合部における前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの外縁に沿うように突設された突状部を有することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の気液分離装置。
  5. 前記突状部の適所には、オイル落とし孔が穿設されることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の気液分離装置。
  6. 前記駆動ギヤが取り付けられる前記カムシャフトには該駆動ギヤに隣接してカムスプロケットが軸着され、このカムスプロケットの上部領域まで前記ブリーザ室が延設されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の気液分離装置。
  7. 前記ブリーザ室は、ブローバイガスの流路に沿ってラビリンス構造を形成するための複数のリブが付設されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の気液分離装置。
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