JP2017145231A - 長鎖炭化水素基とヒドロシリル基を有する環状シロキサン及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特に活性なヒドロシリル(Si−H)基が残存したシロキサン化合物は、ポリシロキサンの原料や反応剤として利用し易く、このようなシロキサン化合物を簡易的に効率良く合成することができれば、耐熱性材料、機能性材料等の性能の向上やコスト削減に繋がる重要な技術になり得る。
<1> 下記式(A)で表されるトリハロシランと水を反応させる第1工程、及び前記第
1工程で得られた生成物と下記式(B−1)で表されるジシラザン及び/又は下記式(B−2)で表されるモノハロシランを反応させて下記式(C)で表される環状シロキサンを生成する第2工程を含むことを特徴とする、環状シロキサンの製造方法。
臭素原子、又はヨウ素原子を表す。)
<2> 下記式(C)で表される環状シロキサン
本発明の一態様である環状シロキサンの製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す
場合がある。)は、下記式(A)で表されるトリハロシランと水を反応させる第1工程(以下、「第1工程」と略す場合がある。)、及び第1工程で得られた生成物と下記式(B−1)で表されるジシラザン及び/又は下記式(B−2)で表されるモノハロシランを反応させて下記式(C)で表される環状シロキサンを生成する第2工程(以下、「第2工程」と略す場合がある。)を含むことを特徴とする。
本発明者らは、ヒドロシリル(Si−H)基を有する有用なシロキサン化合物について鋭意検討を重ねた結果、式(A)で表されるトリハロシランと水を反応させ、得られた生成物と式(B−1)で表されるジシラザン及び/又は式(B−2)で表されるモノハロシランを反応させることにより、新規で有用な式(C)で表される環状シロキサンが簡易的に得られることを見出したのである。この方法は、入手や合成が容易な式(A)で表されるトリハロシラン等を原料として用い、非常に簡便に新規で有用な式(C)で表される環状シロキサンが得られるものであり、実用性や経済性に優れた発明であると言える。
以下、「第1工程」、「第2工程」等について詳細に説明する。
R1は炭素数6〜12の炭化水素基を表しているが、「炭化水素基」とは、直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、炭素−炭素不飽和結合、分岐構造、環状構造のそれぞれを有していてもよいことを意味する。
R1の炭化水素基の炭素数は、好ましくは12以下、より好ましくは8以下である。
R1としては、n−ヘキシル基(−C6H13,−nHex)、シクロヘキシル基(−cC6H11,−Cy)、フェニル基(−C6H5,−Ph)、n−ヘプチル基(−C7H15,−nHep)、n−オクチル基(−C8H17,−nOct)、n−ノニル基(−C9H19)、n−デシル基(−C10H21)、n−ウンデシル基(−C11H23)、n−ドデシル基(−C12H25)、等が挙げられる。この中でも、n−ヘキシル基、n−オクチル基、等が特に好ましい。
Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表しているが、塩素原子が特に好ましい。
上記のものであると、より効率良く環状シロキサンを製造することができる。
第1工程の反応時間は、通常15分以上、好ましくは30分以上、より好ましくは45分以上であり、通常4時間以下、好ましくは3時間以下、より好ましくは2時間以下である。
第1工程は、大気下で行うこともできるが、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
上記範囲内であると、より効率良く環状シロキサンを製造することができる。
R2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表しているが、「炭化水素基」とは、R1の場合と同義である。
R2が炭化水素基の場合の炭素数は、好ましくは2以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは6以下である。
R2としては、水素原子、メチル基(−CH3,−Me)、エチル基(−C2H5,−Et)、ビニル基(−CH=CH2)、n−プロピル基(−nC3H7,−nPr)、i−プロピル基(−iC3H7,−iPr)、アリル基(−CH2CH=CH2)、n−ブチル基(−nC4H9,−nBu)、t−ブチル基(−tC4H9,−tBu)、n−ペンチル基(−nC5H11)、n−ヘキシル基(−nC6H13,−nHex)、シクロヘキシル基(−cC6H11,−Cy)、フェニル基(−C6H5,−Ph)、ナフチル基(−C10H7,−Naph)等が挙げられる。この中でも、メチル基、等が特に好ましい。
なお、式(B−1)で表されるジシラザンと式(B−2)で表されるモノハロシランの両方を反応させる場合、式(B−1)で表されるジシラザンと式(B−2)で表されるモノハロシランのR2は共通したものを反応させることが好ましい。
R3は水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基を表しているが、水素原子が特に好ましい。
Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表しているが、塩素原子が特に好ましい。
倍以上、好ましくは0.3倍以上、より好ましくは0.5倍以上であり、通常2倍以下、好ましくは1.5倍以下、より好ましくは1.3倍以下である。上記範囲内であると、より効率良く環状シロキサンを製造することができる。
ることができる。
上記のものであると、より効率良く環状シロキサンを製造することができる。
第2工程の反応時間は、通常1時間以上、好ましくは2時間以上、より好ましくは3時間以上であり、通常7時間以下、好ましくは6時間以下、より好ましくは5時間以下である。
第2工程は、大気下で行うこともできるが、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
上記範囲内であると、より効率良く環状シロキサンを製造することができる。
本発明の製造方法によって式(C)で表される環状シロキサンが簡易的に得られることを前述したが、式(C)で表される環状シロキサンも本発明の一態様である。
13C NMR(CDCl3):0.51(CH3), 13.20(CH2), 13.25(CH2), 13.34(CH2), 14.11(CH3), 22.72(CH2), 22.80(CH2), 22.91(CH2), 29.25(CH2), 29.32(CH2), 31.96(CH2), 32.97(CH2), 32.99(CH2), 33.05(CH2)
29Si NMR(CDCl3):-56.66, -56.60, -56.05, -4.71, -4.57, -4.42
Claims (2)
- 下記式(A)で表されるトリハロシランと水を反応させる第1工程、及び前記第1工程で得られた生成物と下記式(B−1)で表されるジシラザン及び/又は下記式(B−2)で表されるモノハロシランを反応させて下記式(C)で表される環状シロキサンを生成する第2工程を含むことを特徴とする、環状シロキサンの製造方法。
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CN104610546A (zh) * | 2013-11-04 | 2015-05-13 | 上海华明高技术(集团)有限公司 | 环形网状硅树脂的制备方法 |
WO2017141796A1 (ja) * | 2016-02-15 | 2017-08-24 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | シロキサン及びその製造方法 |
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