JP2017143753A - O/d型乳化組成物、水中油型乳化組成物、飲食品及び食品用素材 - Google Patents

O/d型乳化組成物、水中油型乳化組成物、飲食品及び食品用素材 Download PDF

Info

Publication number
JP2017143753A
JP2017143753A JP2016026291A JP2016026291A JP2017143753A JP 2017143753 A JP2017143753 A JP 2017143753A JP 2016026291 A JP2016026291 A JP 2016026291A JP 2016026291 A JP2016026291 A JP 2016026291A JP 2017143753 A JP2017143753 A JP 2017143753A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emulsion composition
emulsifier
oil
mass
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016026291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6694726B2 (ja
Inventor
勇馬 小笠
Yuma Ogasa
勇馬 小笠
春樹 高塒
Haruki Takatoya
春樹 高塒
啓介 楠井
Keisuke Kusui
啓介 楠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Oillio Group Ltd
DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Nisshin Oillio Group Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd, Nisshin Oillio Group Ltd filed Critical Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2016026291A priority Critical patent/JP6694726B2/ja
Publication of JP2017143753A publication Critical patent/JP2017143753A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6694726B2 publication Critical patent/JP6694726B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Abstract

【課題】高油分でありながら水に希釈後に微細な油滴となる安定なO/D型乳化組成物、当該O/D型乳化組成物を含有する水中油型乳化組成物、及びこれらを含有する飲食品や食品用素材を提供する。【解決手段】本発明のO/D型乳化組成物は、多価アルコール、60質量%以上90質量%未満の油溶性物質(乳化剤を除く)、及び構成脂肪酸の51質量%以上が炭素数10以上でありHLB値が10より大かつヨウ素価が10未満の乳化剤(A)を含有し、HLB値が10より大かつヨウ素価が10以上の乳化剤(B)の含量が5質量%未満であり、HLB値が10以下の油溶性乳化剤(C)の含量が前記乳化剤(A)と前記乳化剤(B)の合計含量の1/20未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、多価アルコール、油溶性物質及び乳化剤を含有するO/D型乳化組成物、当該O/D型乳化組成物を含有する水中油型乳化組成物、及びこれらを含有する飲食品や食品用素材に関する。
O/W型(水中油型)乳化物は、食品、飲料、化粧品、医薬品、塗料、その他多くの分野で広く利用されている。例えば食品の分野においては、乳化物を介しての油脂の添加によるコクや旨味の増強、口当たりの改善といった効果が知られている。ただし、O/W型乳化物は熱力学的に不安定なものであり、その安定性を高めるためには、微細で均一な油滴から成る乳化物とすることが重要となる。
O/W型乳化物の調製方法としては種々の方法が知られているが、その中でも、微細なO/W型乳化物を得る方法として界面科学的手法を用いたD相乳化法が知られている(非特許文献1参照)。
D相乳化法とは、乳化剤(界面活性化剤)を含んだ多価アルコール溶液に油相を添加して乳化する方法であり、これによってO/D型乳化組成物が得られる。次に、当該O/D型乳化組成物を水相に混合することで微細なO/W型乳化物が得られる。
O/D型乳化組成物に関しては、例えば、特許文献1にはO/D型乳化組成物を通常のスープ成分と混合した即席スープ組成物が記載されている。また、特許文献2には所定のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、非水溶性物質、水又は多価アルコール、モノグリセリド有機酸エステルから成る水溶性組成物(O/D型乳化組成物)が記載されている。
Fragrance Journal、4、34−41(1993)
特開平7−59545号公報 特許第4044354号公報
しかしながら、上記特許文献の実施例に示されたO/D型乳化組成物中の油溶性物質の含量は、40質量%(特許文献1の実施例1)や、5質量%(特許文献2の実施例1〜3)に過ぎないため、例えば食品のコクや旨味を増強するためにO/D型乳化組成物からO/W乳化物を調製して添加しても、添加される油分量は少なく、その効果は限定的である。また、より効果を得るためにO/D乳化組成物をそのまま添加したとしても、風味やコストの面での問題が生じ易い。
つまり、食品などに油溶性物質を添加するためにO/D型乳化組成物を用いる場合には、O/D型乳化組成物中の油分が高いほど効率的である(少量添加で済む)といえるが、油分を高めると安定なO/D型乳化組成物を得ることは困難になる。
従って、本発明の目的は、高油分でありながら水に希釈後に微細な油滴となる安定なO/D型乳化組成物、当該O/D型乳化組成物を含有する水中油型乳化組成物、及びこれらを含有する飲食品や食品用素材を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の[1]〜[11]のO/D型乳化組成物、水中油型乳化組成物、飲食品及び食品用素材を提供する。
[1]多価アルコール、60質量%以上90質量%未満の油溶性物質(乳化剤を除く)、及び構成脂肪酸の51質量%以上が炭素数10以上でありHLB値が10より大かつヨウ素価が10未満の乳化剤(A)を含有し、HLB値が10より大かつヨウ素価が10以上の乳化剤(B)の含量が5質量%未満であり、HLB値が10以下の油溶性乳化剤(C)の含量が前記乳化剤(A)と前記乳化剤(B)の合計含量の1/20未満であることを特徴とするO/D型乳化組成物。
[2]前記乳化剤(A)のエステル化度が20%以下であることを特徴とする前記[1]に記載のO/D型乳化組成物。
[3]前記乳化剤(A)の含量が0.5〜15質量%であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のO/D型乳化組成物。
[4]前記乳化剤(B)の含量が0.5質量%以上4質量%未満であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のO/D型乳化組成物。
[5]前記乳化剤(B)の含量が0質量%であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のO/D型乳化組成物。
[6]前記油溶性乳化剤(C)の含量が0質量%であることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のO/D型乳化組成物。
[7]水に希釈後の油滴の平均粒子径が1.2μm以下であることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のO/D型乳化組成物。
[8]ペースト状であることを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれか1つに記載のO/D型乳化組成物。
[9]前記[1]〜[8]のいずれか1つに記載のO/D型乳化組成物と、水溶性物質とを含有することを特徴とする水中油型乳化組成物。
[10]前記[1]〜[8]のいずれか1つに記載のO/D型乳化組成物、又は前記[9]に記載の水中油型乳化組成物を含有することを特徴とする飲食品。
[11]前記[1]〜[8]のいずれか1つに記載のO/D型乳化組成物、又は前記[9]に記載の水中油型乳化組成物を含有することを特徴とする食品用素材。
本発明によると、高油分でありながら水に希釈後に微細な油滴となる安定なO/D型乳化組成物、当該O/D型乳化組成物を含有する水中油型乳化組成物、及びこれらを含有する飲食品や食品用素材を提供することができる。
〔O/D型乳化組成物〕
本発明の実施の形態に係るO/D型乳化組成物は、多価アルコール、60質量%以上90質量%未満の油溶性物質(乳化剤を除く)、及び構成脂肪酸の51質量%以上が炭素数10以上でありHLB値が10より大かつヨウ素価が10未満の乳化剤(A)を含有し、HLB値が10より大かつヨウ素価が10以上の乳化剤(B)の含量が5質量%未満であり、HLB値が10以下の油溶性乳化剤(C)の含量が前記乳化剤(A)と前記乳化剤(B)の合計含量の1/20未満である。
(多価アルコール)
本発明の実施の形態に用いられる多価アルコールは、分子内に水酸基を2個以上有するものであればよい。例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンなどのポリグリセリン;グリセリン;プロピレングリコール;グルコース、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、イノシトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マルトトリオース、澱粉分解糖などの糖;糖アルコールが挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。特に、グリセリンやソルビトールを用いることが長期保存性の観点から好ましい。
本実施の形態に係るO/D型乳化組成物は、多価アルコールを固形分として5〜35質量%含有することが好ましく、5〜30質量%含有することがより好ましく、5〜25質量%含有することが更に好ましい。O/D型乳化組成物の多価アルコール含量が上記範囲程度であると、相対的にO/D型乳化組成物中の油分量が高くなるため、好ましい。
(油溶性物質)
本発明の実施の形態に用いられる油溶性物質は、油脂(アシルグリセロール)に加熱もしくは非加熱の状態で溶解する性質のもので、乳化剤以外のものであれば特に制限はない。例えば、脂肪酸、油脂、ワックス、脂溶性ビタミンが挙げられる。
上記脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ベヘン酸、ヘキサデカトリエン酸、オクタデカトリエン酸、エイコサテトラエン酸、ドコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラヘキサエン酸及びこれらの異性体が挙げられる。
上記油脂は、脂肪酸のグリセリンエステルであり、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、オリーブ油、パーム油、綿実油、サフラワー油、米油、ひまわり油、胡麻油、及びこれらの硬化油、エステル交換油もしくは分別油などの植物性油脂、ラード、牛脂、乳脂、魚油、及びこれらの硬化油、エステル交換油もしくは分別油などの動物性油脂が挙げられる。また、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成油脂が挙げられる。
上記ワックスは、脂肪酸と高級1価又は2価アルコールとのエステルであり、例えば、ホホバ油、ライスワックス、プロポリス、カルナウバワックス、キャンディラワックス、蜜蝋が挙げられる。
上記脂溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、D、E、K及びこれらの誘導体が挙げられる。
上記の脂肪酸、油脂、ワックス、脂溶性ビタミン等の油溶性物質は単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施の形態に係るO/D型乳化組成物は、油溶性物質を60質量%以上90質量%未満含有する。好ましくは65〜89質量%であり、より好ましくは70〜87質量%であり、更に好ましくは75〜85質量%である。O/D型乳化組成物に占める油溶性物質の含量を60質量%以上とすることにより、油溶性物質を多く添加ないし配合したい対象物に効率よく油溶性物質を添加ないし配合できるので好ましい。
本実施の形態に係るO/D型乳化組成物は、油分が増すにしたがって粘度が高くなり、液状からペースト状までの状態変化が見られる。取り扱いやすさの点から、特にペースト状であることが望ましい。
(乳化剤(A))
本発明の実施の形態に用いられる乳化剤(A)は、食用に適する乳化剤であって、構成脂肪酸の51質量%以上が炭素数10以上でありHLB値が10より大かつヨウ素価が10未満の乳化剤であればよい。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリド有機酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどの合成乳化剤、リン脂質、糖脂質、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の合成乳化剤でない乳化剤等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
乳化剤(A)は、構成脂肪酸の51質量%以上が炭素数10以上の脂肪酸でなければならない。構成脂肪酸の51質量%以上が炭素数10以上の脂肪酸であると、得られる乳化組成物の乳化が安定しやすい。
炭素数10以上の脂肪酸としては、炭素数10以上の飽和脂肪酸が好ましく、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。
乳化剤(A)は、そのHLB値が11以上であることが好ましく、14以上であることがより好ましい。また、乳化剤(A)は、そのヨウ素価が8未満であることが好ましく、5未満であることがより好ましい。
また、乳化剤(A)は、そのエステル化度が20%以下であることが好ましく、15.5%以下であることがより好ましい。ここで、エステル化度とは、乳化剤1分子中の全水酸基数に対する、乳化剤1分子中のエステル化された水酸基数を百分率で表した数値(%)のことである。
本実施の形態に係るO/D型乳化組成物は、乳化剤(A)を0.5〜15質量%含有することが好ましく、1〜10質量%含有することがより好ましく、1.5〜8質量%含有することが更に好ましく、2〜5質量%含有することが最も好ましい。上記乳化剤(A)を上記含量の範囲で用いると、油溶性物質の含量が60質量%以上であっても乳化がより安定するので好ましい。
(乳化剤(B))
本発明の実施の形態に用いられる乳化剤(B)は、食用に適する乳化剤であって、HLB値が10より大かつヨウ素価が10以上の乳化剤であればよい。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの合成乳化剤、リン脂質、糖脂質、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の合成乳化剤でない乳化剤等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
乳化剤(B)は、不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする乳化剤であることが好ましい。不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸等の炭素数18以上の不飽和脂肪酸が好ましい。
乳化剤(B)は、そのHLB値が11以上であることが好ましく、14以上であることがより好ましい。また、乳化剤(B)は、そのヨウ素価が15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。
上記乳化剤(B)の含量が、O/D型乳化組成物の5質量%未満であることが好ましく、4質量%未満であることがより好ましく、3質量%未満であることが更に好ましく、0質量%である(含有しない)ことが最も好ましい。含有する場合の下限値は特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上である。上記乳化剤(B)を上記含量の範囲で用いると、油溶性物質の含量が60質量%以上であっても乳化がより安定するので好ましい。
(油溶性乳化剤(C))
本発明の実施の形態に用いられる油溶性乳化剤(C)は、食用に適する乳化剤であって、HLB値が10以下の油溶性乳化剤であればよい。例えば、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリド有機酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
油溶性乳化剤(C)の含量は、上記乳化剤(A)と上記乳化剤(B)の合計含量の1/20未満であることが好ましく、1/40未満であることがより好ましく、油溶性乳化剤(C)を含まない(0質量%である)ことが更に好ましい。また、油溶性乳化剤(C)の含量は、O/D型乳化組成物の1質量%未満であることが好ましく、0.5質量%未満であることがより好ましい。油溶性乳化剤(C)の含量が上記乳化剤(A)と上記乳化剤(B)の合計含量の1/20以上であると、油溶性物質の含量が60質量%以上であるO/D型乳化組成物の乳化が不安定になってしまう。
本発明の実施形態に係るO/D型乳化組成物は、多価アルコールと乳化剤をホモミキサー等で撹拌しているところへ油分を添加していくことにより調製できる。調製物がO/D型乳化組成物である場合、例えば水に対して調製物を10%添加し、マグネチックスターラーで10分間撹拌後、レーザ回折式粒度分布測定装置等を用いて油滴の平均粒子径を測定すると約1.5μm以下の微細な油滴となっていることを確認できる。本発明の実施形態に係るO/D型乳化組成物の水への希釈後の油滴の平均粒子径は、1.2μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましい。
〔O/W型乳化組成物〕
本発明の実施の形態に係るO/W型(水中油型)乳化組成物は、本発明の実施形態に係る上記O/D型乳化組成物と、水溶性物質とを含有する。O/D型乳化組成物を水溶性物質に混合することにより、O/W型乳化組成物を調製できる。水溶性物質とは、例えば、水、牛乳、スープ、ソース等である。
O/D型乳化組成物と水溶性物質の配合比(質量比)は、特に限定されるものではないが、例えば、O/D型乳化組成物:水溶性物質=0.1:99.9〜5:95の範囲とすることが好適である。
〔飲食品及び食品用素材〕
本発明の実施の形態に係る飲食品及び食品用素材は、本発明の実施形態に係る上記O/D型乳化組成物、又は本発明の実施形態に係る上記O/W型乳化組成物を含有する。
本発明の実施形態に係るO/D型乳化組成物は、油溶性物質を直接添加ないし配合するだけでは馴染みが悪い飲食品や食品用素材に、効率よく油溶性物質を添加ないし配合できる。本発明の実施形態に係るO/W型乳化組成物も同様である。
好適な飲食品としては、例えば、漬物、乾物、粉物、缶詰、冷凍食品、レトルト食品、インスタント食品、即席麺、ドライフーズ、加工乳、菓子、サプリメント、機能性食品、育児用粉ミルク、ケチャップ、マヨネーズ、タルタルソース、ウスターソース、ラー油、魚醤、オイスターソース、豆板醤、XO醤、香辛料、ハーブ、油脂、サラダドレッシングなどの食品、酒、コーヒー、茶などの飲料が挙げられる。
また、好適な食品用素材としては、例えば、スポンジケーキ等の焼き菓子生地、カレーやシチュー等のルウ、スープの素が挙げられる。
本発明の実施形態に係るO/D型乳化組成物又はO/W型乳化組成物は、飲食品や食品用素材の種類によって適宜、適量が添加される。
次に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例になんら制限されるものではない。
<O/D型乳化組成物の調製>
表1〜2の配合にしたがって、多価アルコールであるソルビトールの70%水溶液(三菱商事フードテック株式会社製「ソルビットD−70」)又はグリセリンの98.5%以上溶液(花王株式会社製「グリセリン」)と水溶性乳化剤とを75℃にて撹拌混合して均一の溶液を得た。温度75℃を保持しながらホモミキサー(プライミクス株式会社製「アヂホモミクサー2M−05型」)を用いて5000rpmで撹拌しているところへ、75℃に調温した油溶性物質及び油溶性乳化剤(C)を添加した。添加後、さらに8000rpmで5分間撹拌し、実施例1〜13及び比較例1〜5のO/D型乳化組成物を得た。得られたO/D型乳化組成物について、下記の方法により水希釈後の油滴の平均粒子径を測定した結果を表1〜2に示す。
<油滴の平均粒子径の測定方法>
O/D型乳化組成物を水に対して10%添加し、マグネチックスターラーで10分間撹拌させた後、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−300V(株式会社島津製作所製)を用いて油滴の平均粒子径を測定した。
<使用した油溶性物質>
〔油脂A〕:パームスーパーオレイン(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価65)を油脂Aとした。
〔油脂B〕:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸がn−オクタン酸(炭素数8)とn−デカン酸(炭素数10)であり、その質量比が75:25である中鎖脂肪酸トリグリセリド(日清オイリオグループ株式会社製)を油脂Bとした。
<使用した乳化剤>
・乳化剤(A)
〔L7D〕:ポリグリセリン脂肪酸エステル(構成脂肪酸:ラウリン酸、HLB17、エステル化度5.8%、ヨウ素価2以下、商品名「リョートーポリグリエステルL7D」、三菱化学フーズ株式会社製)
〔M7D〕:ポリグリセリン脂肪酸エステル(構成脂肪酸:ミリスチン酸、HLB16、エステル化度5.8%、ヨウ素価2以下、商品名「リョートーポリグリエステルM7D」、三菱化学フーズ株式会社製)
〔F160〕:ショ糖脂肪酸エステル(構成脂肪酸:ステアリン酸70%+パルミチン酸30%、HLB15、エステル化度15.1%、ヨウ素価1以下、商品名「DKエステルF160」、第一工業製薬株式会社製)
〔SS〕:ショ糖脂肪酸エステル(構成脂肪酸:ステアリン酸70%+パルミチン酸30%、HLB19、エステル化度12.5%、ヨウ素価1以下、商品名「DKエステルSS」、第一工業製薬株式会社製)
・乳化剤(B)
〔MO5S〕:ポリグリセリン脂肪酸エステル(構成脂肪酸:オレイン酸、HLB11.6、エステル化度10.0%、ヨウ素価42、商品名「SYグリスターMO5S」、阪本薬品工業株式会社製)
・油溶性乳化剤(C)
〔CRS75〕:ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(HLB2.1、ヨウ素価85、商品名「SYグリスターCRS75」、阪本薬品工業株式会社製)
・その他の乳化剤
〔CE19D〕:ポリグリセリン脂肪酸エステル(構成脂肪酸:カプリル酸、HLB15、エステル化度15.8%、ヨウ素価2以下、商品名「リョートーポリグリエステルCE19D」、三菱化学フーズ株式会社製)
Figure 2017143753
Figure 2017143753
表1より、実施例1〜13では水希釈後の平均粒子径が約1μm以下の微細な油滴となるO/D型乳化組成物が得られたことが分かる。
一方、表2より、乳化剤(B)を5質量%用いた比較例1、2や炭素数が10より小さい飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする乳化剤を用いた比較例3では、得られたO/D型乳化組成物は水に希釈した際にすぐに分離してしまい平均粒子径を測定することができず、不安定な乳化組成物となっていることが分かる。また、油溶性物質含量が90質量%の比較例4や油溶性乳化剤(C)の含量が規定の量よりも多い比較例5でも、比較例1〜3と同様であった。

Claims (11)

  1. 多価アルコール、60質量%以上90質量%未満の油溶性物質(乳化剤を除く)、及び構成脂肪酸の51質量%以上が炭素数10以上でありHLB値が10より大かつヨウ素価が10未満の乳化剤(A)を含有し、
    HLB値が10より大かつヨウ素価が10以上の乳化剤(B)の含量が5質量%未満であり、HLB値が10以下の油溶性乳化剤(C)の含量が前記乳化剤(A)と前記乳化剤(B)の合計含量の1/20未満であることを特徴とするO/D型乳化組成物。
  2. 前記乳化剤(A)のエステル化度が20%以下であることを特徴とする請求項1に記載のO/D型乳化組成物。
  3. 前記乳化剤(A)の含量が0.5〜15質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のO/D型乳化組成物。
  4. 前記乳化剤(B)の含量が0.5質量%以上4質量%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のO/D型乳化組成物。
  5. 前記乳化剤(B)の含量が0質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のO/D型乳化組成物。
  6. 前記油溶性乳化剤(C)の含量が0質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のO/D型乳化組成物。
  7. 水に希釈後の油滴の平均粒子径が1.2μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のO/D型乳化組成物。
  8. ペースト状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のO/D型乳化組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のO/D型乳化組成物と、水溶性物質とを含有することを特徴とする水中油型乳化組成物。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のO/D型乳化組成物、又は請求項9に記載の水中油型乳化組成物を含有することを特徴とする飲食品。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のO/D型乳化組成物、又は請求項9に記載の水中油型乳化組成物を含有することを特徴とする食品用素材。
JP2016026291A 2016-02-15 2016-02-15 O/d型乳化組成物、水中油型乳化組成物、飲食品及び食品用素材 Active JP6694726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016026291A JP6694726B2 (ja) 2016-02-15 2016-02-15 O/d型乳化組成物、水中油型乳化組成物、飲食品及び食品用素材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016026291A JP6694726B2 (ja) 2016-02-15 2016-02-15 O/d型乳化組成物、水中油型乳化組成物、飲食品及び食品用素材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017143753A true JP2017143753A (ja) 2017-08-24
JP6694726B2 JP6694726B2 (ja) 2020-05-20

Family

ID=59680375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016026291A Active JP6694726B2 (ja) 2016-02-15 2016-02-15 O/d型乳化組成物、水中油型乳化組成物、飲食品及び食品用素材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6694726B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6994555B1 (ja) 2020-11-30 2022-01-14 キユーピー株式会社 乳化組成物及び飲食品
JP7202440B1 (ja) 2021-12-28 2023-01-11 第一工業製薬株式会社 組成物及びその製造方法並びに界面活性剤
JP7202492B1 (ja) 2022-03-30 2023-01-11 第一工業製薬株式会社 O/d型乳化組成物
JP7216234B1 (ja) 2022-04-20 2023-01-31 第一工業製薬株式会社 乳化組成物

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000102356A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Taiyo Kagaku Co Ltd 乳化食品
JP2003261416A (ja) * 2002-03-08 2003-09-16 Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd 透明化粧料組成物
JP2003327506A (ja) * 2002-05-13 2003-11-19 Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd 透明化粧料組成物
WO2004047846A1 (ja) * 2002-11-27 2004-06-10 Minophagen Pharmaceutical Co., Ltd. グリチルリチン含有界面活性剤相中油型ゲル組成物
JP2004290104A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Fuji Oil Co Ltd 酸性乳化食品
JP2007289074A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Mitsubishi Chemicals Corp D相中油型乳化組成物
JP2011148772A (ja) * 2009-12-22 2011-08-04 Lion Corp 皮膚洗浄料
JP2013112791A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 赤外線遮蔽材料微粒子分散液とその製造方法および熱線遮蔽膜と熱線遮蔽合わせ透明基材

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000102356A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Taiyo Kagaku Co Ltd 乳化食品
JP2003261416A (ja) * 2002-03-08 2003-09-16 Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd 透明化粧料組成物
JP2003327506A (ja) * 2002-05-13 2003-11-19 Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd 透明化粧料組成物
WO2004047846A1 (ja) * 2002-11-27 2004-06-10 Minophagen Pharmaceutical Co., Ltd. グリチルリチン含有界面活性剤相中油型ゲル組成物
JP2004290104A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Fuji Oil Co Ltd 酸性乳化食品
JP2007289074A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Mitsubishi Chemicals Corp D相中油型乳化組成物
JP2011148772A (ja) * 2009-12-22 2011-08-04 Lion Corp 皮膚洗浄料
JP2013112791A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 赤外線遮蔽材料微粒子分散液とその製造方法および熱線遮蔽膜と熱線遮蔽合わせ透明基材

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
日本化粧品技術者会誌, vol. 44(2), JPN6019029321, 2010, pages 103 - 117, ISSN: 0004199133 *

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6994555B1 (ja) 2020-11-30 2022-01-14 キユーピー株式会社 乳化組成物及び飲食品
WO2022113902A1 (ja) * 2020-11-30 2022-06-02 キユーピー株式会社 乳化組成物及び飲食品
JP2022086716A (ja) * 2020-11-30 2022-06-09 キユーピー株式会社 乳化組成物及び飲食品
JP7202440B1 (ja) 2021-12-28 2023-01-11 第一工業製薬株式会社 組成物及びその製造方法並びに界面活性剤
WO2023127618A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06 第一工業製薬株式会社 組成物及びその製造方法並びに界面活性剤
JP2023098403A (ja) * 2021-12-28 2023-07-10 第一工業製薬株式会社 組成物及びその製造方法並びに界面活性剤
JP7202492B1 (ja) 2022-03-30 2023-01-11 第一工業製薬株式会社 O/d型乳化組成物
WO2023189305A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 第一工業製薬株式会社 O/d型乳化組成物
JP2023148696A (ja) * 2022-03-30 2023-10-13 第一工業製薬株式会社 O/d型乳化組成物
JP7216234B1 (ja) 2022-04-20 2023-01-31 第一工業製薬株式会社 乳化組成物
WO2023203903A1 (ja) * 2022-04-20 2023-10-26 第一工業製薬株式会社 乳化組成物
JP2023159774A (ja) * 2022-04-20 2023-11-01 第一工業製薬株式会社 乳化組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6694726B2 (ja) 2020-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4685355B2 (ja) 甘草疎水性成分含有油脂組成物の製造方法
JP4788462B2 (ja) D相中油型乳化組成物
JP6694726B2 (ja) O/d型乳化組成物、水中油型乳化組成物、飲食品及び食品用素材
JP2551755B2 (ja) 可溶化液の製造法
EP3544445B1 (en) Food compositions containing vegetable oil and mixture with stabilising properties
US20180014566A1 (en) Fats and oils
JP2011055752A (ja) ホイップクリーム用油脂組成物
TW200303171A (en) Triglyceride compositions
JP5588048B1 (ja) 乳化香料組成物
JP6689042B2 (ja) 酸性水中油型乳化食品
JP5288407B2 (ja) 油溶性物質のo/w型乳化組成物
JP6664228B2 (ja) 乳化組成物、酸性食品及び酸性飲料
WO2006134970A1 (ja) コエンザイムq10含有水溶性組成物及びその製法
KR102582681B1 (ko) 유화 조성물 조제용 프레믹스 및 이를 이용한 조성물
KR20200043372A (ko) 불포화 지방산을 함유하는 유지 조성물
JP2004208555A (ja) 乳化製剤
JP2011120604A (ja) D相中油型乳化組成物
JP7018771B2 (ja) 粉末油脂、及び粉末油脂の製造方法
WO2007046333A1 (ja) 乳化剤およびそれを用いて調製される乳化組成物
CN112401010A (zh) 面用油脂组合物、面及面的制造方法
WO2015152199A1 (ja) 水中分散型乳化組成物
AU2015286964B2 (en) Pourable water-in-oil cooking composition
JP7089794B2 (ja) W/o型乳化香料製剤、w/o型乳化香料製剤の製造方法
JP7166805B2 (ja) リン脂質組成物
JP6770379B2 (ja) 油中水型乳化物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180327

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180914

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20180914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200414

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6694726

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250