JP2017141676A - 位相変更ユニット及びバルブタイミング変更装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、このような内接式遊星歯車機構では、歯車として、平歯やはすば歯車の組合せにより構成されているため、減速比を大きくするには限界がある。
また、上記の内接式遊星歯車機構では、小型化するには限界があり、又、歯車伝達のためバックラッシが生じて、電磁部の回転方向を変更する際に、歯車同士の衝突音や振動を生じる。
特に、ウォームギヤを採用することで減速比を大きくできるため、小さい出力の電動モータ等を用いて回転部材を容易に回転させることができる。それ故に、第1回転体と第2回転体の相対的な回転位相を容易に変更できる。
また、遊星ウォームホイールが軸線に対して所定角度をなす傾斜した捻れ軸線回りに回動自在であるため、遊星キャリアが回転部材のウォームに対してセルフロックするのを防止できる。それ故に、軸線回りにおける遊星ウォームホイールの公転を保証することができる。
すなわち、一方の回転体に対して他方の回転体の速度を変化させる変速機として機能させることができ、特に、一方の回転体に対して他方の回転体を減速する減速機として機能させることができる。
この構成によれば、複数の遊星ウォームホイールが、軸線周りにおいて均等にウォーム及びインターナルギヤに噛合するため、軸線回りにおける回転トルクが均等に伝達され、回転力を円滑に伝達させることができる。
その結果、第1ウォームホイール及び第2ウォームホイールは、回転位相がずれると共に、一方がウォームの歯面に押し付けられ、他方がインターナルギヤの歯面に押し付けられる。これにより、遊星ウォームホイールとウォームの間及び遊星ウォームホイールとインターナルギヤの間のバックラッシが解消される。
ここでは、第1ウォームホイール及び第2ウォームホイールだけで、転動体のような別部品が不要であるため、構造の簡素化、部品点数の削減を行うことができる。
この構成によれば、位相変更ユニットが組み立てられた状態において、遊星キャリアはハウジングに対して回動自在に支持され、回転部材は遊星キャリアに対して回動自在に支持されている。
したがって、回転部材及びウォームを回転させると、遊星ウォームホイールが自転しつつ公転することで、遊星キャリアがハウジングに対して相対的に回転する。
このように、第2回転体に堅固に固定される遊星キャリアに対してハウジング及び回転部材が支持されるため、構造の歪みやずれを生じることなく、所期の機能を保証することができる。
この構成によれば、第2ハウジングの開口部を通して、駆動源を、回転部材の連結部に脱着自在に連結することができる。
一方、位相を変更する場合は、例えば電動モータ等の駆動源により、位相変更ユニットの回転部材を軸線回りの一方向又は他方向に適宜回転させる。
これにより、ハウジングロータの回転に対するカムシャフトの回転が進角側又は遅角側に変更され、吸気バルブ又は排気バルブの開閉時期が変更される。
例えば、減速機として用いる場合に減速比を大きくすることができる。それ故に、小さい出力の電動モータ等の外力を用いて二つの回転体の回転位相を容易に変更できる。
また、歯車機構におけるバックラッシを解消でき、歯車の衝突音や振動を解消できる。
この実施形態に係るバルブタイミング変更装置は、図1に示すように、カムシャフトCSとスプロケット11aの相対的な回転位相を変更する位相変更ユニットU等を備えている。ここで、カムシャフトCSは、軸線S回りの一方向(図1中のW方向)に回転する第2回転体を形成する。スプロケット11aは、軸線S回りの一方向(図1中のW方向)に回転する第1回転体の一部を形成し、チェーンを介してクランクシャフトの回転に連動する。
貫通孔11cは、カムシャフトCSを非接触にて通すように形成されている。
環状内周部11dは、遊星キャリア20を回動自在に支持する軸受RB1を嵌め込むように形成されている。
環状凹部11eは、遊星キャリア20を軸線S方向において支持する軸受SB1を嵌め込むように形成されている。
インターナルギヤ11fは、円筒部11bの内周壁に形成されると共に、捻れ軸線L回りに回転する遊星ウォームホイール40と噛合するべく、軸線Sを回転中心とするはすば歯車として形成されている。
円筒部12aは、第1ハウジング11と接合されるように形成されている。
環状凹部12bは、遊星キャリア20を軸線S方向において支持する軸受SB2及び回転部材30を軸線S方向において支持する軸受SB3を嵌め込むように形成されている。
開口部12cは、回転部材30の端部に形成された連結部36を露出させると共に、外部から電動モータの駆動軸を連結部36に連結し得るように形成されている。
そして、第1ハウジング11及び第2ハウジング12の組付けについては、軸受RB1,SB1が組み込まれた第1ハウジング11に対して、遊星ウォームホイール40を組み込んで回転部材30を螺合させた状態の遊星キャリア20が組み込まれる。
続いて、軸受SB2,SB3を組み込みつつ、第2ハウジング12が第1ハウジングに連結されて、ボルトb1により締結される。これにより、位相変更ユニットUの組み立てが完了する。尚、組付け手順としては、他の手順でもよい。
嵌合凹部21aは、カムシャフトCSの端部を嵌合させるように形成されている。
貫通孔21bは、遊星キャリア20をカムシャフトCSに締結して固定するボルトBを通すように形成されている。
環状端面21cは、第1ハウジング11の環状凹部11eと協働して軸受SB1を挟み込むように形成されている。
円筒外周面21dは、第1ハウジング11の環状内周部11dと協働して軸受RB1を挟み込むように形成されている。
環状凹部21eは、軸受SB4を当接させるように形成されている。
貫通孔22aは、遊星ウォームホイール40を捻れ軸線L回りに回動自在に受け入れるように形成されている。
嵌合凹部22bは、遊星ウォームホイール40を回動自在に支持する支軸44の両端に固定された嵌合ブロック45を嵌合して固定するように形成されている。
ここで、3つの貫通孔22a及び貫通孔22aに対応して形成された嵌合凹部22bは、軸線S周りにおいて、120度の等間隔に配列するように形成されている。
円筒内周面22cは、軸受RB2を嵌め込むように形成されている。
環状端面22dは、第2ハウジング12の環状凹部12bと協働して軸受SB2を挟み込むように形成されている。
尚、軸受RB1,RB2はラジアル軸受であり、軸受SB1,SB2,SB3,SB4はスラスト軸受である。
また、遊星ウォームホイール40を貫通孔22aに通すと共に、支軸44の両端に固定された嵌合ブロック45を嵌合凹部22bに嵌め込むことにより、遊星ウォームホイール40を遊星キャリア20に容易に組み付けることができる。
貫通孔32は、図4に示すように、軸線Sを中心とし、ボルトBを通して遊星キャリア20をカムシャフトCSに締結し得る内径寸法に形成されている。
環状端面33は、図4に示すように、遊星キャリア20の環状凹部21eと協働して軸受SB4を挟み込むように形成されている。
円筒外周面34は、図4に示すように、遊星キャリア20の円筒内周面22cと協働して軸受RB2を挟み込むように形成されている。
環状端面35は、第2ハウジング12の環状凹部12bと協働して軸受SB3を挟み込むように形成されている。
連結部36は、図4ないし図6に示すように、スリ割り状に形成され、電動モータDMの駆動軸を着脱自在に連結し得るように形成されている。
支軸44は、捻れ軸線Lを画定すると共に、両端に嵌め込まれた嵌合ブロック45により遊星キャリア20に固定される。
嵌合ブロック45は、遊星キャリア20の円筒部22に形成された嵌合凹部22bに嵌め込まれて固定されるように形成されている。
捻れ軸線Lと軸線Sとがなす角度(捻れ角)θは、遊星ウォームホイール40のねじれ角、ウォーム31の進み角及び条数等を考慮しつつ、約30°〜60°の範囲、好ましくは43°〜47°(すなわち、45°±2°)の範囲に設定される。
2つの軸受sbは、スラスト軸受であり、図5及び図6に示すように、支軸44に通されると共に軸受rbと嵌合ブロック45の間に配置されている。
そして、2つの軸受sbは、ローディングカム機構43がカム作用を及ぼす際に、第1ウォームホイール41及び第2ウォームホイール42を捻れ軸線Lの方向において支持し、所定範囲を超えて移動するのを規制するようになっている。
第2ウォームホイール42は、ウォーム31と噛合するはすば歯車をなす歯列部42a、支軸44を通す貫通孔42b、軸受rbを嵌め込む環状凹部42c、対向面42d等を備えている。
そして、第1ウォームホイール41及び第2ウォームホイール42は、捻れ軸線L回りにそれぞれ回転自在に、かつ、所定範囲内において捻れ軸線Lの方向に相対的に移動可能に、支軸44に支持されている。
第2カム溝43bは、図8(a)に示すように、捻れ軸線Lを中心とする円弧状でかつその中央位置が最も深く形成されている。
第1カム溝43a及び第2カム溝43bは、図7(a)に示すように、第1ウォームホイール41及び第2ウォームホイール42の相対的な回転位相のずれがない状態、すなわち、歯列部41a,42aが一つの歯列として並ぶ状態で、互いに中央位置が一致し、最も深い部分に転動体43cを位置付けるように形成されている。
転動体43cは、図7(b)、図8(a),(b)に示すように、球体をなし、第1カム溝43aと第2カム溝43bに転動自在に挟み込まれている。
回転部材30が軸線S回りに回転させられると、回転部材30と一体的にウォーム31が回転する。ここで、ウォーム31とウォームホイール41,42の噛合いの関係上、先ず、第1ウォームホイール41と第2ウォームホイール42の一方が、ウォーム31と噛合って回転する。
これにより、第1ウォームホイール41と第2ウォームホイール42は、捻れ軸線Lの方向において互いに離れる方向に移動させられつつ付勢される。
これにより、遊星ウォームホイール40とウォーム31の間バックラッシが解消され、又、遊星ウォームホイール40とインターナルギヤ11fの間のバックラッシが解消される。
したがって、ウォーム31の歯数(条数)を小さく設定する(例えば、Za=1とする)ことで、通常の平歯車を用いた遊星歯車機構に比べて、大きな減速比を得ることができる。
すなわち、装置の小型化、部品点数の削減、コストの低減等を達成しつつ、高減速比を得ることができる。
それ故に、カムシャフトCS側から入力されるトルク変動の影響が電動モータ等の駆動源側に伝播し難くなり、駆動源側からの制御性が向上する。
先ず、位相の変更を行わない場合、すなわち、バルブタイミングを変更しない場合は、回転部材30に回転駆動力が及ぼされない。
したがって、遊星ウォームホイール40とインターナルギヤ11fは、互いに噛合った位置でロックされる。
また、ウォーム31と遊星ウォームホイール40とは、互いに噛合った位置でロックされる。
これにより、カムシャフトCSとハウジングロータ10は、軸線S回りにおいて一方向(図1中のW方向、すなわちCW方向)に一体的に回転する。
例えば、回転部材30が軸線S回りの一方向(図1中のCW方向)に相対的に回転させられると、ウォーム31も一方向(図1中のCW方向)に回転し、遊星ウォームホイール40が自転しつつ一方向(図1中のCW方向)に公転する。
すなわち、回転部材30が一方向(CW方向)に連続して複数回に亘って回転させられることにより、ハウジングロータ10に対してカムシャフトCSの回転位相が進められて、吸気バルブ又は排気バルブの開閉時期が進角側に変更される。
すなわち、回転部材30が他方向(CCW方向)に連続して複数回に亘って回転させられることにより、ハウジングロータ10に対してカムシャフトCSの回転位相が遅らせられて、吸気バルブ又は排気バルブの開閉時期が遅角側に変更される。
特に、ウォームギヤを採用することで減速比を大きくできるため、小さい出力の電動モータDM等を用いて回転部材30を容易に回転させることができる。それ故に、ハウジングロータ10とカムシャフトCSの相対的な回転位相を容易に変更できる。
そして、遊星キャリア20をカムシャフトCSに固定すると、遊星キャリア20に対してハウジングロータ10及び回転部材30が回動自在に支持された状態が得られる。
このように、第2回転体としてのカムシャフトCSに堅固に固定される遊星キャリア20に対してハウジングロータ10及び回転部材30が支持されるため、構造の歪みやずれを生じることなく、所期の機能を保証することができる。
凹状カム部43b´は、図10(a)に示すように、捻れ軸線Lを中心とする円弧状でかつその中央位置が最も深く窪んだ傾斜面を有するように形成されている。
これにより、遊星ウォームホイール40とウォーム31の間バックラッシが解消され、又、遊星ウォームホイール40とインターナルギヤ11fの間のバックラッシが解消される。
ここでは、第1ウォームホイール41及び第2ウォームホイール42だけで、前述実施形態のような転動体43cが不要であるため、構造の簡素化、部品点数の削減を行うことができる。
S 軸線
L 捻れ軸線
DM 電動モータ(駆動源)
U 位相変更ユニット
RB1,RB2 軸受(ラジアル軸受)
SB1,SB2,SB3,SB4 軸受(スラスト軸受)
b1,B ボルト
10 ハウジングロータ(第1回転体)
11 第1ハウジング(ハウジング)
11a スプロケット
11b 円筒部
11c 貫通孔
11d 環状内周部
11e 環状凹部
11f インターナルギヤ
11g ネジ穴
12 第2ハウジング(ハウジング)
12a 円筒部
12b 環状凹部
12c 開口部
12d 貫通孔
20 遊星キャリア
21 フランジ部
21a 嵌合凹部
21b 貫通孔
21c 環状端面
21d 円筒外周面
21e 環状凹部
22 円筒部
22a 貫通孔
22b 嵌合凹部
22c 円筒内周面
22d 環状端面
30 回転部材
31 ウォーム
32 貫通孔
33 環状端面
34 円筒外周面
35 環状端面
36 連結部(端部)
40 遊星ウォームホイール
41 第1ウォームホイール
41a 歯列部
41b 貫通孔
41c 環状凹部
41d 対向面
42 第2ウォームホイール
42a 歯列部
42b 貫通孔
42c 環状凹部
42d 対向面
43,43´ ローディングカム機構
43a 第1カム溝
43a´ 凸状カム部
43b 第2カム溝
43b´ 凹状カム部
43c 転動体
44 支軸
45 嵌合ブロック
rb 軸受(ラジアル軸受)
sb 軸受(スラスト軸受)
Claims (10)
- 共通の軸線上で回転する第1回転体と第2回転体の相対的な回転位相を変更する位相変更ユニットであって、
前記第1回転体と一体的に回転するインターナルギヤと、
前記第2回転体に固定されて一体的に回転する遊星キャリアと、
前記軸線回りに回転させられるウォームを有する回転部材と、
前記遊星キャリアにより前記軸線に対して傾斜した捻れ位置にある捻れ軸線回りに回動自在に支持されて,前記ウォーム及びインターナルギヤに噛合する少なくとも一つの遊星ウォームホイールと、を含む、
ことを特徴とする位相変更ユニット。 - 複数の前記遊星ウォームホイールが、前記軸線周りに等間隔に配列されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の位相変更ユニット。 - 前記遊星ウォームホイールは、相対的に移動可能に二分割された第1ウォームホール及び第2ウォームホイールと、前記第1ウォームホイール及び第2ウォームホイールの間に配置されて両者の相対回転により前記捻れ軸線の方向にカム作用を及ぼすローディングカム機構を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位相変更ユニット。 - 前記ローディングカム機構は、前記第1ウォームホイールの前記第2ウォームホイールに対向する対向面に形成された第1カム溝と、前記第2ウォームホイールの前記第1ウォームホイールに対向する対向面に形成された第2カム溝と、前記第1カム溝及び第2カム溝の間に介在する転動体を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の位相変更ユニット。 - 前記ローディングカム機構は、前記第1ウォームホイールの前記第2ウォームホイールに対向する対向面に形成された凸状カム部と、前記第2ウォームホイールの前記第1ウォームホイールに対向する対向面に形成されて前記凸状カム部と相補形状をなす凹状カム部を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の位相変更ユニット。 - 前記遊星キャリアは、前記第2回転体に固定されるフランジ部と、前記遊星ウォームホイールを回動自在に支持する円筒部を含み、
前記遊星ウォームホイールは、前記捻れ軸線を画定する支軸により回動自在に支持され、
前記円筒部は、前記遊星ウォームホイールを回動自在に受け入れる貫通孔及び前記支軸を前記捻れ位置に位置付ける嵌合凹部を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一つに記載の位相変更ユニット。 - 前記第1回転体は、前記インターナルギヤと、前記遊星キャリアと、前記回転部材と、前記遊星ウォームホイールとを収容するハウジングを含み、
前記ハウジングは、前記インターナルギヤを備えた第1ハウジングと、前記第1ハウジングに連結されると共に前記回転部材の端部を露出させる第2ハウジングを含む、
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一つに記載の位相変更ユニット。 - 前記遊星キャリアは、前記ハウジングに回動自在に支持され、
前記回転部材は、前記遊星キャリアに回動自在に支持されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の位相変更ユニット。 - 前記回転部材は、前記第2ハウジングの開口部を通して駆動源を着脱自在に連結する連結部を有する、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の位相変更ユニット。 - 第1回転体をなすハウジングロータと第2回転体をなすカムシャフトの相対的な回転位相を変更する位相変更ユニットを備え、前記カムシャフトにより駆動される吸気バルブ又は排気バルブの開閉時期を変更するバルブタイミング変更装置であって、
前記位相変更ユニットは、請求項1ないし9いずれか一つに記載の位相変更ユニットである、
ことを特徴とするバルブタイミング変更装置。
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