JP2017134080A - プリオンの増幅および検出のための方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本プリオンタンパク質検出方法は、免疫沈降と、QuIC(SQ)またはRT-QuIC(RTQ)のような、超音波処理なしで振盪を用いる増幅アッセイ法の両方の使用を含む。さらにこれらの方法は、特定の非限定例では、モノクローナル抗体15B3、および/またはRT-QuIC(RTQ)、および/または基質補充段階の使用を含む。本発明により、生体サンプルと環境サンプルの両方におけるプリオンの高感度かつ特異的な同定方法が提供される。
【選択図】図1
Description
これは、全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年1月18日付で出願された米国特許出願第61/433,881号の恩典を主張する。
本開示は、プリオン関連病の診断を含めて、サンプル中の感染性タンパク質またはプリオンの検出のための方法および組成物に関する。
米国政府、米国保健社会福祉省、代表は米国立衛生研究所の研究所である米国立アレルギー感染病研究所; およびPrionics AGが、本明細書において開示される技術に関連した共同研究契約の当事者である。
伝染性海綿状脳症(TSE)またはプリオン病は、ヒトクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、ウシ海綿状脳症(BSE)、ヒツジスクレイピー、シカ慢性消耗性疾患(CWD)および伝染性ミンク脳症(TME)を含む致命的な神経変性障害である。TSEの、感染性因子またはプリオンは、異常な、折り畳み構造の、オリゴマーの、かつ通常は部分的にプロテアーゼ耐性型のプリオンタンパク質(例えば、PrP-res、PrPvCJD、PrPSc)から主に構成されるものと思われる。PrP-resは、正常細胞プリオンタンパク質(PrPC)から翻訳後に形成される(Borchelt et al., J Cell Biol, 110, 743-752, 1990; Caughey and Raymond, J Biol Chem, 266, 18217-18223, 1991)。精製された形でアミロイド原線維と似うるPrP-resは、感染性PrP-res/PrPScへの(Castilla et al., Cell, 121, 195-206, 2005; Deleault et al., Proc Natl Acad Sci USA, 104, 9741-9746, 2007)またはPrPSc様の部分的にプロテアーゼ耐性型へのPrPCの重合および立体構造変換を種々のインビトロでの反応において誘導する(Caughey et al., Annu Rev Biochem, 78, 177-204, 2009; Deleault et al., 2007, 前記; Kocisko et al., Nature, 370, 471-474, 1994; Saborio et al., Nature, 411, 810-813, 2001)。これらの研究から、PrP-resは自己増殖できることが実証されており、機構は十分には理解されていないが、それはシード重合または鋳型重合であるものと思われる(Gadjusek, Infectious amyloids: Subacute Spongiform Encephalopathies as Transmissible Cerebral Amyloidoses. In Fields,B.N., Knipe,D.M., and Howley,P.M. (Eds.), Field's Virology, Lippincott-Raven, Philadelphia, pp. 2851-2900, 1996; Horiuchi et al., Proc Natl Acad Sci USA, 97, 5836-5841, 2000; Jarrett and Lansbury, Jr., Cell, 73, 1055-1058, 1993)。
プリオンタンパク質を検出するための方法が開示される。これらの方法は、生体サンプルと環境サンプルの両方におけるプリオンの高感度かつ特異的な特定を提供する。これらの方法は、免疫沈降と、QuICまたはRT-QuICのような、超音波処理なしで振盪を用いる増幅アッセイ法の両方の使用を含む。
サンプルから免疫複合体を分離する段階;
免疫複合体を精製組み換えプリオンタンパク質(rPrPC)と混合して、反応混合物を作出する段階; ならびに
(i) 反応混合物をインキュベートして、反応混合物中に存在するrPrPCとのPrP-resの共凝集を可能にする段階;
(ii) rPrP-res(spon)の発生を阻害しながらPrP-resとのrPrPCの共凝集を促進して、rPrP-res(Sc)へのrPrPCの変換をもたらすインキュベーション条件を維持する段階;
(iii) 段階(i)の間に形成された凝集体を攪拌する段階であって、ここで反応条件は、超音波処理なしで反応混合物を振盪することを含む、該段階; および
(iv) 段階(i)〜(iii)を繰り返す段階
を含む増幅反応を行う段階;
rPrP-res(Sc)を反応混合物中で検出する段階であって、ここで反応混合物中のrPrP-res(Sc)の検出は、PrP-resがサンプル中に存在していたことを示す、該段階
を含む、プリオンタンパク質を検出する方法。
[2] プリオン、PrP-resまたはPrPScに特異的に結合する抗体が固体基材にカップリングされる、[1]記載の方法。
[3] 固体基材が磁気ビーズである、[2]記載の方法。
[4] 免疫複合体を分離する段階が磁石の使用を含む、[3]記載の方法。
[5] 抗体が15B3、そのヒト化型またはその抗原結合断片である、[1]〜[4]のいずれか一項記載の方法。
[6] 抗体が磁気ビーズにカップリングされ、かつ磁気ビーズ上の抗体の濃度がおよそ360 μg/mlであるか、または磁気ビーズ上の抗体の濃度がビーズ数1×108個あたり15B3およそ10〜500 μgである、[5]記載の方法。
[7] 生体サンプルがおよそ19〜40℃の温度で抗体と接触される、[1]〜[6]のいずれか一項記載の方法。
[8] サンプルが生体サンプルである、[1]〜[7]のいずれか一項記載の方法。
[9] 生体サンプルが血液、血漿、血清または脳脊髄液サンプルである、[8]記載の方法。
[10] 生体サンプルを磁気ビーズと接触させた後に、ドデシル硫酸ナトリウムまたはサルコシルを含む緩衝液とともに磁気ビーズをインキュベートする段階を含む、[1]〜[9]のいずれか一項記載の方法。
[11] 磁気ビーズを0.01%〜0.1%のドデシル硫酸ナトリウムで洗浄する段階を含む、[10]記載の方法。
[12] 磁気ビーズをおよそ0.05%のドデシル硫酸ナトリウムで洗浄する段階を含む、[10]記載の方法。
[13] rPrP-res(Sc)の存在を検出する段階がチオフラビンT (ThT)の使用を含む、[1]〜[12]のいずれか一項記載の方法。
[14] 0.002%超の界面活性剤が反応混合物中に含まれない、[13]記載の方法。
[15] rPrP-res(Sc)の存在を検出する段階の前に、rPrP-res(Sc)を除去せずに反応混合物にさらなるrPrPCを加える段階をさらに含む、[1]〜[14]のいずれか一項記載の方法。
[16] さらなるrPrPCが連続の増幅ラウンドなしに反応混合物に加えられる、[15]記載の方法。
[17] rPrPCがキメラハムスター・ヒツジrPrPCであり、かつPrP-resがPrPCJDである、[1]〜[16]のいずれか一項記載の方法。
[18] ハムスター・ヒツジrPrPCがシリアンハムスターPrP配列のアミノ酸23〜137およびヒツジPrPの残基番号141〜234を含む、[17]記載の方法。
[19] ヒツジPrPがR154およびQ171を含む、[18]記載の方法。
[20] 増幅反応を行う段階が反応混合物を0.05%〜0.8%の界面活性剤の中でインキュベートする段階を含む、[1]〜[19]のいずれか一項記載の方法。
[21] 界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムを含む、[20]記載の方法。
[22] 界面活性剤が0.05〜0.4%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および0.05〜0.4%のTriton X-100を含む、[21]記載の方法。
[23] 界面活性剤が0.4%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および0.4%のTriton X-100を含む、[20]記載の方法。
[24] PrP-resの存在を検出する段階が、プリオン、PrP-resまたはPrPScに特異的に結合する二次抗体と反応混合物を接触させる段階を含む、[1]〜[23]のいずれか一項記載の方法。
[25] PrP-resに特異的に結合する二次抗体が15B3ではない、[24]記載の方法。
[26] PrP-resの存在を検出する段階が、酵素結合免疫吸着アッセイ法(ELISA)、放射免疫アッセイ法(RIA)、側方流動アッセイ法、SOPHIA (Surround optical fiber immunoassay)またはウエスタンブロット法を含む、[20]〜[25]のいずれか一項記載の方法。
[27] PrP-res/PrPScの定量化をさらに含む、[1]〜[26]のいずれか一項記載の方法。
[28] 凝集体を攪拌する段階が、振盪することの前の休止の時間に実質的に等しい時間の間、超音波処理なしで反応混合物を振盪することを含む、[1]〜[17]のいずれか一項記載の方法。
[29] 反応混合物がおよそ60秒間振盪され、その後、およそ60秒間振盪されない、[28]記載の方法。
[30] 段階(iii)がおよそ1回からおよそ200回繰り返される、[1]記載の方法。
[31] 固体基材上で免疫複合体を形成させるのに十分な時間、固体基材にカップリングされている抗体15B3の有効量と生体サンプルを接触させる段階;
生体サンプルから基材上の免疫複合体を分離する段階;
0.5%のドデシル硫酸ナトリウムを含む緩衝液で固体基材上の免疫複合体を洗浄する段階;
固体基材上の免疫複合体を精製ハムスター・ヒツジキメラ組み換えプリオンタンパク質(rPrPC)およびチオフラビンTと混合して、反応混合物を作出する段階; ならびに
(i) 反応混合物をインキュベートして、反応混合物中に存在するrPrPCとのPrP-resの共凝集を可能にする段階;
(ii) rPrP-res(spon)の発生を阻害しながらPrP-resとのrPrPCの共凝集を促進して、rPrP-res(Sc)へのrPrPCの変換をもたらすインキュベーション条件を維持する段階;
(iii) 段階(i)の間に形成された凝集体を攪拌する段階であって、ここで反応混合物はおよそ60秒間振盪され、その後、およそ60秒間振盪されない、該段階;
(iv) 検出可能なrPrP-res(Sc)の形成前の反応混合物に、さらなるハムスター・ヒツジキメラ組み換えプリオンタンパク質(rPrPC)を加える段階; および
(v) 段階(iii)および/または(iv)を任意で繰り返す段階
を含む増幅反応を行う段階;
蛍光を用いて反応混合物中のrPrP-res(Sc)を検出する段階であって、ここで反応混合物の蛍光は、PrP-resがサンプル中に存在していたことを示す、該段階
を含む、プリオンタンパク質を検出する方法。
[32] 生体サンプルがヒト由来の血液、血清、血漿、脳脊髄液または組織サンプルである、[31]記載の方法。
本発明の前述のおよび他の特徴および利点は、いくつかの態様の以下の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。添付の図面を参照して詳細な説明を進める。
記載されている核酸配列およびアミノ酸配列は、37 C.F.R. 1.882に規定されているように、ヌクレオチド塩基の場合には標準的な文字略記、およびアミノ酸の場合には三文字コードを用いて示される。核酸配列の場合、各核酸配列の一方の鎖しか示されないが、表示される鎖に対する任意の参照にその相補鎖が含まれるものと理解される。
本明細書において開示される方法は、数ある中でも、血液、血液画分、血液製剤、尿、鼻腔液、唾液、脳脊髄液、糞便、筋生検、リンパ系組織、皮膚サンプル、移植のための組織のサンプルを含む、いくつかの生体サンプルにおけるプリオン汚染、診断および/または監視のための試験を可能にする。これらの方法は、医学的および獣医学的用途を有し、また、生物工学製品ならびに環境サンプル(水、土壌、植物、埋め立てごみ、下水のような)および農業サンプル(動物に基づく食品、動物に基づく飼料および栄養補助食品、動物の老廃物、副産物、死骸、食肉処理場からの廃棄物、特定危険部位のような)を検査するために用いて、プリオンによる汚染がないことを確実にすることができる。本開示の方法はまた、ウシ、ヒツジおよびシカにおけるような、プリオンを含まない群れ/集団の認証のために用いることもできる。本明細書において開示される方法はまた、孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病を検出するために用いることもできる。
特に断りのない限り、技術用語は、慣例的用法にしたがって用いられる。分子生物学における一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes V, Oxford University Press出版, 1994 (ISBN 0-19-854287-9); Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd.出版, 1994 (ISBN 0-632-02182-9); およびRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers, Inc.出版, 1995 (ISBN 1-56081-569-8)のなかで見出されうる。
プリオンタンパク質の二量体、多量体および重合体のような、結合している2つ以上の分子、例えばPrP-resまたはrPrP-res(Sc)の凝集体、二量体、多量体および重合体。
例えば超音波処理、かき混ぜまたは振盪によって、混合物または反応混合物の中に任意のタイプの乱流または動きを導入すること。いくつかの態様において、撹拌には、rPrP-res(Sc)凝集体および/または重合体を分散させてさらなる増幅を容易とする、rPrP-res(Sc)凝集体を断片化するのに十分な力の使用が含まれる。ある例では、断片化は完全な断片化を含むが、他の例では、断片化は部分的にすぎず、例えば、凝集体の集団は撹拌によっておよそ1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%断片化されうる。例示的な撹拌法は以下の実施例の項に記述されている。
抗原のエピトープまたはその断片を特異的に認識かつ結合する少なくとも軽鎖または重鎖免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドリガンド。抗体はPrP-res/PrPScを特異的に結合することができる。抗体は重鎖および軽鎖から構成されることができ、重鎖および軽鎖の各々が、可変重鎖(VH)領域および可変軽鎖(VL)領域と呼ばれる、可変領域を有する。ともに、VH領域およびVL領域は、抗体によって認識された抗原を結合するのに関与する。
PrP-resのような、抗原に対する抗体の親和性。1つの態様において、親和性は、Frankel et al., Mol. Immunol., 16: 101-106, 1979に記述されている改定版スキャッチャード法により算出される。別の態様において、結合親和性は、抗原/抗体解離速度により測定される。さらに別の態様において、高い結合親和性は、競合放射免疫アッセイ法により測定される。いくつかの例において、高い結合親和性は、少なくともおよそ1×10-8 Mである。他の態様において、高い結合親和性は、少なくともおよそ1.5×10-8 M、少なくともおよそ2.0×10-8 M、少なくともおよそ2.5×10-8 M、少なくともおよそ3.0×10-8 M、少なくともおよそ3.5×10-8 M、少なくともおよそ4.0×10-8 M、少なくともおよそ4.5×10-8 Mまたは少なくともおよそ5.0×10-8 Mである。
動物へ注射または吸収される組成物を含めて、動物でのT細胞応答または抗体産生を刺激できる化合物、組成物または物質。抗原は、異種免疫原によって誘導されるものを含めて、特異的な体液性または細胞性免疫の産物と反応する。「抗原」という用語は、関連する全ての抗原エピトープを含む。「エピトープ」または「抗原決定基」は、B細胞および/またはT細胞が応答する抗原上の部位をいう。1つの態様において、T細胞は、エピトープがMHC分子とともに提示される場合、エピトープに応答する。エピトープは、連続的なアミノ酸またはタンパク質の三次構造の折り畳みによって並列配置される非連続なアミノ酸の両方から形成されることができる。連続的なアミノ酸から形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒へ曝露しても維持されるが、三次構造の折り畳みによって形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒を用いた処理で失われる。エピトープは、典型的には、少なくとも3個、より一般的には、少なくとも5個、およそ9個または8〜10個のアミノ酸を固有の空間構造中に含む。エピトープの空間構造を判定する方法は、例えば、X線結晶学および2次元核磁気共鳴を含む。抗原は組織特異抗原、または疾患特異抗原、例えばPrP-resであることができる。これらの用語は、組織特異抗原が疾患特異抗原であってもよいので、排他的ではない。
プリオンタンパク質との関連において、類似の生化学的特性を有するアミノ酸に代えて1つまたはいくつかのアミノ酸を用いること(いわゆる保存的置換)でのみ別のアミノ酸配列と異なるペプチドまたはアミノ酸配列をいう。保存的アミノ酸置換は、得られるタンパク質の活性に対してわずかな影響しか及ぼさない可能性がある。保存的置換に関するさらなる情報は、例えば、Ben Bassatら(J. Bacteriol., 169:751-757, 1987)、O'Reganら(Gene, 77:237-251, 1989)、Sahin-Tothら(Protein Sci., 3:240-247, 1994)、Hochuliら(Bio/Technology, 6: 1321-1325, 1988)のなかで、ならびに遺伝学および分子生物学の広く用いられているテキストブックのなかで見出すことができる。ある例では、プリオンタンパク質変種は、最大で1個、2個、3個、4個、5個、10個、15個、30個、45個、またはそれ以上の保存的アミノ酸変化を有することができる。
「接触させること」は溶液中および固相中で、例えばPrP-resに特異的に結合する抗体などの、特異的な結合剤とサンプルを接触させることを含む。
所望の活性を可能にする任意の環境、例えば、抗体をPrP-resのような、抗原に結合させること、およびその相互作用を検出することを可能にする任意の環境。例えば、そのような条件は適切な温度、緩衝溶液、およびデジタル画像装置のような検出手段を含む。
作用物質(シグナルまたはタンパク質、例えばPrP-resのような)が存在するかまたは存在しないかを判定すること。ある例では、これは定量化、例えばサンプル、例えば血清サンプル、またはサンプルの画分中のPrP-resの量の定量化をさらに含むことができる。
非限定的に、クロイツフェルト・ヤコブ病におけるような、PrP-resの存在を特定することなどの、病的状態の存在または性質を特定すること。診断方法はその感度および特異性が異なる。診断アッセイ法の「感度」は、検査で陽性と出る罹患個体の割合(真の陽性の比率)である。診断アッセイ法の「特異性」は1マイナス偽陽性率であり、その際、偽陽性率は検査では陽性と出る病気ではない者の比率として定義される。特定の診断方法は状態の確定診断を与えないこともあるが、その方法が診断に役立つ肯定的な暗示を与えるなら事足りる。「予後」は、病的状態の発生(例えば重症度)の可能性である。
PrP-resまたはrPrP-res(Sc)の凝集体のような、凝集体を部分的にまたは完全にバラバラにすること。
第1の分子または配列とは異なる第2の分子または配列の産生を指令するために重合体巨大分子または配列中の情報が用いられる任意のプロセス。本明細書において用いられる場合、この用語は広義に解釈され、種々の用途を有することができる。いくつかの局面において、「コードする」という用語は、新たに合成された相補的姉妹鎖をDNA依存性DNAポリメラーゼによりコードさせるための鋳型として二本鎖DNA分子の一方の鎖を用いる半保存的DNA複製プロセスを記述する。
限定された波長の光のような、特定の刺激への曝露によって励起される場合、例えば、異なる波長(より長い波長の光のような)で、光を放出する(蛍光を発する)化合物。フルオロフォアは、比較的大きなクラスの発光化合物の一部である。発光化合物は、冷光を発するのに特定の波長の光を必要とするのではなく、化学エネルギー源を用いる化学発光分子を含む。それゆえ、化学発光分子(エクオリンのような)を用いることで、レーザーのような、外部の電磁放射源の必要性をなくすことができる。
抗体とその同種抗原との反応、例えば抗体とPrP-resのような、タンパク質との特異的結合を用いて、生体サンプル、例えば対象から得た血清サンプルのような、サンプル中の物質の存在または濃度を測定する生化学的検査。抗原の存在も、存在する抗原の量も測定することができる。ある例では、PrP-resの量が測定される。
タンパク質抗原を、その特定のタンパク質に特異的に結合する抗体またはペプチドを用いて溶液から沈降させる技法。これらの溶液は、多くの場合、動物組織の粗溶解物の形態であろう。他のサンプルタイプは体液または生体由来の他のサンプルでありうる。一般的に、IPでは抗体またはペプチドは、手順のうちのどこかの時点で固体基材にカップリングされる。
ペプチドもしくはポリペプチドのアセンブリ(例えばPrPSc)、細胞、核酸または血清サンプルのような、「単離された」生体成分は、その成分が天然に存在している生物の細胞中の他の生体成分、例えば、他の染色体のおよび染色体外のDNAおよびRNA、ならびにタンパク質から実質的に分離され、別に産生され、または精製されている。「単離された」核酸、ペプチドおよびタンパク質はしたがって、標準的な精製法により精製された核酸およびタンパク質を含む。この用語はまた、細胞における組み換え発現により調製された核酸、ペプチドおよびタンパク質、ならびに化学的に合成されたペプチドおよび核酸を包含する。「単離された」または「精製された」という用語には、絶対的な純度は必要とされない; むしろ、それは相対的な用語であると意図される。したがって、例えば、単離されたペプチド調製物は、ペプチドまたはタンパク質が細胞内でのその自然環境にあるよりも濃縮されているものである。好ましくは、調製物は、タンパク質またはペプチドが調製物のペプチドまたはタンパク質総含有量の少なくとも50%、例えばペプチドまたはタンパク質濃度の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または場合により少なくとも99%に相当するように精製される。
ヌクレオチドの重合体型であり、これはRNA、cDNA、ゲノムDNAのセンス鎖およびアンチセンス鎖の両方、ならびに前記の合成型および混合重合体を含むことができる。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシヌクレオチド、またはいずれかのタイプのヌクレオチドの修飾型をいう。本明細書において用いられる「核酸分子」は、「核酸」および「ポリヌクレオチド」と同義である。核酸分子は、通常、特別の定めのない限り、長さが少なくとも10塩基である。この用語は、一本鎖型および二本鎖型のDNAを含む。核酸分子は、天然に存在するおよび/または天然に存在しないヌクレオチド結合によってともに連結された、天然ヌクレオチドおよび修飾ヌクレオチドの一方または両方を含むことができる。
主にタンパク質から構成される感染性因子の一種。プリオンはウシでのウシ海綿状脳症(BSE、狂牛病としても公知)およびヒトでのクロイツフェルト・ヤコブ病を含めて、種々の動物においていくつかの疾患を引き起こす。既知のプリオン病の全てが脳または他の神経組織の構造に影響を及ぼし、全てが処置不可能かつ致命的である。「伝染性海綿状脳症(TSE)」またはプリオン病は、ヒトクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、ウシ海綿状脳症(BSE)、ヒツジスクレイピー、シカ慢性消耗性疾患(CWD)および伝染性ミンク脳症(TME)を含む致命的な神経変性障害である。
PrPCをサンプルと混合し、反応混合物をインキュベートして、PrP-res凝集体へのPrPCの変換をPrP-resに開始させ、インキュベーション段階の間に形成された任意の凝集体を断片化し(典型的には超音波処理によって)、インキュベーションおよび断片化段階の1回または複数回のサイクルを繰り返すことにより、サンプル中のPrP-resを増幅するための方法。
単量体が、アミド結合を通じてともにつなぎ合わされているアミノ酸残基である重合体。アミノ酸がα-アミノ酸である場合、L-光学異性体またはD-光学異性体のどちらかを用いることができるが、L-異性体が好ましい。本明細書において用いられる「ポリペプチド」または「タンパク質」という用語は、任意のアミノ酸配列を包含するものと、および糖タンパク質のような修飾された配列を含むものと意図される。「ポリペプチド」という用語は、特に、天然に存在するタンパク質も、組み換えまたは合成により産生されるタンパク質も網羅するものと意図される。
凝集したrPrPCおよびrPrP-res(Sc)をバラバラにするために超音波処理の代わりに反応容器の振盪が行われる、特定のタイプのPrP増幅アッセイ法。
凝集したPrPCおよびPrP-resをバラバラにするために断続的な振盪を含む、かつ蛍光色素チオフラビンT (ThT)のような、蛍光の読み出しの使用を含むアッセイ法。例示的なプロトコルは、例えば、Wilham et al., PLOS Pathog. 6(12): e1001217, pages 1-15に開示されている。一般的に、このアッセイ法では、基質としてのPrPC、断続的な振盪反応、主に界面活性剤を含まない(例えば0.002%以下のSDS)または界面活性剤を含まない、かつカオトロープを含まない反応条件、およびThTに基づくプリオンシードrPrPCアミロイド原線維の蛍光検出を用いる。
ヒトまたは獣医学的対象のような、対象から得られる生体サンプルであり、これは、例えば、核酸および/またはタンパク質を含有する。本明細書において用いられる場合、生体サンプルは、細胞、組織、ならびに体液、例えば: 血液; 血液の派生物および画分、例えば血清; 抽出された胆汁; 例えば、固定されていない、凍結されている、ホルマリン固定されている、および/もしくはパラフィン包埋されている組織を含む、生検を実施された、もしくは外科的に除去された組織; 涙; 乳; 皮膚切屑; 表面洗浄液; 尿; 痰; 脳脊髄液; 前立腺液; 膿; または脊髄穿刺液を含むが、これらに限定されない、対象におけるPrP-res/プリオンの検出に有用な全ての臨床サンプルを含む。特定の態様において、生体サンプルは対象から、例えば血清サンプルのような血液サンプルの形態で、得られる。サンプルには、土壌または水サンプルのような、環境サンプルも含まれる。
2つの核酸配列間、または2つのアミノ酸配列間の類似性は、配列間で共有される配列同一性のレベルに関して表される。配列同一性は、典型的には、%同一性に関して表される; %が高いほど、それだけ2つの配列は類似している。比較のために配列をアラインメントさせる方法は、以下で詳細に、詳細な説明のIV Eの項に記述されている。
連続増幅が行われない方法を行うこと。例えば、rPrP-res(Sc)は、サンプルを精製rPrPCと混合して反応混合物を作出し; (i) 反応混合物をインキュベートして、反応混合物中に存在しうるPrP-resとのrPrPCの共凝集を可能にする段階、およびPrP-resとのrPrPCの共凝集を促進する、かつrPrP-res(spon) (プリオンまたはPrP-resの非存在下で自発的に作出されるプロテアーゼ耐性rPrP産物)の発生を阻害しながらrPrP-res(Sc)へのrPrPCの変換をもたらすインキュベーション条件を維持する段階、(ii) 段階(i)の間に形成された凝集体を攪拌する段階、(iii) 段階(i)および(ii)を1回または複数回、任意で繰り返してもよい段階を含む増幅反応を行うことにより、サンプル中で増幅されることができる。rPrP-res(Sc)が反応混合物中で検出され、ここで反応混合物中のrPrP-res(Sc)の検出は、PrP-resがサンプル中に存在していたことを示す。さらなる基質(rPrPC)を誘導期の間(サンプルの添加および検出可能のrPrP-res(Sc)の形成の間)のような、反応の間に加えることができる。しかしながら、反応混合物の一部分が除去され、別の反応混合物中でさらなるrPrPCとともにインキュベートされるわけではない。
音波エネルギーを用いて生体材料をバラバラにするまたは散り散りにするプロセス。
規定の標的だけに実質的に結合する薬剤。いくつかの態様において、特異的結合剤は、PrP-resに特異的に結合するが、PrPCには結合しない抗体である。
伝染性海綿状脳症(TSEまたはプリオン病)は、ヒツジでのスクレイピー、ウシでのウシ海綿状脳症(BSE; 狂牛病としても公知)、ミンクでの伝染性ミンク脳症(TME)、エルク、ムースおよびシカでの慢性消耗性疾患(CWD)、ネコでのネコ海綿状脳症、ニアラ、オリックスおよびネジツノカモシカでの外来性有蹄類脳症(EUE)、ならびにヒトでのクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)およびその亜種(医原性クロイツフェルト・ヤコブ病(iCJD)、変種クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)、家族性クロイツフェルト・ヤコブ病(fCJD)および散発性クロイツフェルト・ヤコブ病(sCJD))、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、致死性家族性不眠症(fFI)、散発性致死性不眠症(sFI)およびクールーを含む(がこれらに限定されない)哺乳類の感染性神経変性疾患である。TSEは数ヶ月から数年の潜伏期間を有するが、しかし臨床徴候の出現後は、多くの場合、急速に進行し、処置不可能であり、かつ例外なく致死性である。TSEのリスク低減の試みは、農産品、医薬品、化粧品および生物工学製品の製造および貿易の重大な変化につながった。
本明細書において開示される方法は、生体サンプルのような、サンプルを、プリオンタンパク質(例えばPrPSc、PrPvCJDまたはPrP-res)の疾患関連の立体構造だけに特異的に結合する抗体と接触させる段階を含む。本明細書において開示される方法において、生体サンプルのような、サンプルを、固体支持体に固定化されうる、捕捉モノクローナル抗体(またはそのエピトープ結合断片)と接触させる。PrP-res上に発現されるが、しかしPrPC上には発現されないエピトープに特異的に結合するモノクローナル抗体を選択することができる。
タンパク質ミスフォールディングサイクル増幅(PMCA)と呼ばれるプリオン検出法は、PrPCを含有する組織ホモジネートにおいてプリオンがインビトロで増幅する能力に基づく(例えば、PCT公開番号WO0204954を参照のこと)。PMCAでは、脳組織に由来する適当なプリオンタンパク質基質とのインキュベーションを通じたPrP-resの増幅、例えばインキュベーションおよび超音波処理の段階を交互に行うことによる、PrPCの連続増幅、ならびに結果として生じたPrP-resの検出を伴う。場合によっては、インキュベーションおよび超音波処理は、およそ3週間にわたって交互に行われ、断続的に、反応混合物の一部分を取り出し、サンプル中のPrP-resを連続的に増幅するためにさらなるPrPCとともにインキュベートする。繰り返して行われるインキュベーション/超音波処理/希釈段階の後、結果として生じたPrP-resを反応混合物中で検出する。脳抽出物に基づいたPMCAは、PrP-resを検出するための非常に高感度なアッセイ法であるが、PCMAには、とりわけ最適な感度を達成するのに必要とされる時間(2〜3週間)および増幅基質としての脳由来PrPCの使用といった、いくつかの制約がある。この方法ではまた、超音波処理を用いる。
非常に高いストリンジェンシー(少なくとも90%の配列同一性を共有する配列を検出する)
ハイブリダイゼーション: 16時間65℃で5×SSC
洗浄2回: 各15分間室温(RT)で2×SSC
洗浄2回: 各20分間65℃で0.5×SSC
高いストリンジェンシー(少なくとも80%の配列同一性を共有する配列を検出する)
ハイブリダイゼーション: 16〜20時間65℃〜70℃で5×〜6×SSC
洗浄2回: 各5〜20分間RTで2×SSC
洗浄2回: 各30分間55℃〜70℃で1×SSC
低いストリンジェンシー(少なくとも50%の配列同一性を共有する配列を検出する)
ハイブリダイゼーション: 16〜20時間RT〜55℃で6×SSC
洗浄少なくとも2回: 各20〜30分間RT〜55℃で2×〜3×SSC。
本明細書において記述される方法を用いて分析されるサンプルは、プリオンで汚染されうる任意の組成物を含むことができる。そのような組成物は、血漿、血液、リンパ節、脳、脊髄、扁桃、脾臓、皮膚、筋肉、虫垂、嗅上皮、脳脊髄液、尿、糞便、乳、腸、涙および/または唾液を含むが、これらに限定されない、組織サンプル、生検サンプルまたは体液を含むことができる。サンプルは、ヒトサンプルまたはウシ、ヒツジもしくはシカ由来のサンプル等であるがそれらに限定されない、動物サンプルであることができる。本開示の方法はまた、ウシ、ヒツジおよびシカにおけるような、プリオンを含まない群れ/集団の認証のために用いることもできる。
rPrPC増幅を用いて、例えばrPrP-PMCA (QUICアッセイ法のような)を用いて、rPrP-res(Sc)が作出されたら、rPrP-res(Sc)を反応混合物中で検出することができる。反応混合物中のrPrP-res(Sc)の検出のために、直接的および間接的方法を用いることができる。ThTを用いた検出は前述されている。rPrP-res(Sc)が直接検出される方法では、新たに形成されたrPrP-res(Sc)を、残っているrPrPCから分離することが通常必要とされる。これは、典型的には、rPrPCに対して異なるrPrP-res(Sc)の性質に基づいて達成される。例えば、rPrP-res(Sc)は、典型的には、高度に不溶性であり、プロテアーゼ処理に対して耐性である。それゆえ、rPrP-res(Sc)およびrPrPCの場合、分離は、例えばプロテアーゼ処理によるものであることができる。側方流動アッセイ法またはSOPHIAを用いることもできる。
rPrP-res(Sc)およびrPrPCをプロテアーゼ処理により分離する場合、反応混合物を、例えば、プロテイナーゼK (PK)とともにインキュベートする。例示的なプロテアーゼ処理は、1〜20 μg/mlのPKを含む反応混合物中での、タンパク質、例えばrPrPCの37℃およそ1時間の消化を含む。PMSFまたは電気泳動サンプル緩衝液の添加によってプリオンレベルの評価の前にPKとの反応を停止することができる。サンプルの性質に依るが、1〜50 μg/mlのPKとの37℃でのインキュベーションは一般に、rPrPCを除去するのに十分である。
ある例では、分画してまたはプロテアーゼで処理してrPrPCを除去した反応混合物は次に、rPrP-res(Sc)の検出およびrPrP-res(Sc)とrPrP-res(spon)との識別のためにウエスタンブロットに供される。典型的なウエスタンブロット手順は、還元条件下のドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)によりタンパク質を分画することで始められる。タンパク質を次いで、ニトロセルロースまたはPVDFのような、メンブレン上に電気ブロットし、抗プリオンタンパク質抗体との、免疫複合体(抗原/抗体)の形成を可能とするのに有効な条件の下で、プローブする。プリオンタンパク質の検出のための例示的な抗体には、3F4モノクローナル抗体、モノクローナル抗体D13 (残基番号96〜106に対して作製された(Peretz et al. (2001) Nature 412, 739-743))、ポリクローナル抗体R18 (残基番号142〜154に対して作製された)、およびR20 (C末端の残基番号218〜232に対して作製された) (Caughey et al. (1991) J. Virol. 65, 6597-6603)が含まれる。
前述のように、免疫アッセイ法はその最も単純で直接的な意味において、結合アッセイ法である。使用される特定の非限定的な免疫アッセイ法には、さまざまなタイプの酵素結合免疫吸着アッセイ法(ELISA)、免疫クロマトグラフィーストリップアッセイ法、放射免疫アッセイ法(RIA)、および特に立体構造依存免疫アッセイ法が含まれる。
ある種の態様において、rPrP-res(Sc)に変換されるタンパク質の高感度の検出を可能とするように組み換えrPrPC基質タンパク質を標識することができる。例えば、rPrPCを放射性標識し、エピトープタグを付し、または蛍光標識してもよい。標識は、直接的または間接的に検出することができる。放射性標識は125I、32P、33Pおよび35Sを含むが、これらに限定されることはない。
例示的な方法
以下に提供されるのは、免疫沈降および増幅を含むプリオンタンパク質を検出するための例示的な方法である。提供されるプロトコルは、限定するものであると解釈されるべきではない。
1. ラット抗マウスIgM DYNABEADS(登録商標) (Invitrogen, カタログ番号110.39D)を30秒間ボルテックスする。
2. 15B3抗体コーティング手順のため新しい試験管にビーズのアリコート(例えば250 μl)を移す。
3. 試験管を磁石の上に2分間置き、ビーズ貯蔵緩衝液を除去する。
4. 新鮮なコーティング緩衝液(ろ過し、-4℃で保管しておいた1×PBS中0.1%のBSA): もとのビーズ容量の5倍(例えば1250 μl)を加える。
5. ボルテックスする。
6. 試験管を磁石の上に2分間置き、コーティング緩衝液を除去する(上記参照)。
7. 段階4および5を繰り返す。
8. もとのビーズ容量の5倍(例えば1250 μl)のコーティング緩衝液を加える。
9. 15B3抗体を加え、360 μg/mlの終濃度にてビーズを再懸濁する。
10. 「転倒」回転させながら室温で2時間インキュベートする。
11. もとのビーズ容量の5倍のコーティング緩衝液で3回洗浄する。
12. コーティング緩衝液を用いてもとの容量(例えば250 μl)にてビーズを再懸濁し、-4℃で貯蔵する。
1. 15B3コーティングビーズを30秒間ボルテックスする。
2. 1つの試験管/サンプルあたり、ボルテックスした15B3コーティングビーズ40 μlを分注する。
3. 15B3コーティングビーズを含有する試験管を磁石の上に2分間置き、コーティング緩衝液を除去する。
4. 免疫沈降緩衝液(1×TBS中0.4%のサルコシル) 500 μlをビーズに加える。
1. 免疫沈降緩衝液中のビーズに血漿500 μlを加える(試験管中の全容量は1 mlになる)。
2. 「転倒」回転させながら37℃で24時間インキュベートする。
3. 試験管を磁石の上に2分間置き、緩衝液を取り除く。
4. 1つの試験管あたり、1×TBS (トリス緩衝生理食塩水)緩衝液中0.2%のサルコシル500 μlで2回洗浄する。
5. 洗浄したビーズを1×PBS (ろ過し、室温で保管しておいたリン酸緩衝生理食塩水) 10 μl中に再懸濁し、2 μlを用いて、標準的QuICまたはリアルタイムQuICのシードにする。
材料:
a. 反応試験管: スクリューキャップ付きの0.5 mlコニカル微量遠心管(Fisher 02-681-334)
b. 血漿中のプリオンシーディング活性を免疫沈降させるために使用し、4℃で保管しておいた1×PBS中の15B3コーティングビーズ。
c. 10 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 5.8)中のハムスター23-231 rPrPC
d. 4×QUIC緩衝液(最終組成: 0.4% SDS、0.4% TritonX-100および4×PBS):
10% SDSストック(40 μl/ml)
10% TritonX-100ストック(40 μl/ml)
10×PBSストック(400 μl/ml), pH 6.9:
Na2HPO47H2O 26.8 g/L
NaH2PO4H2O 13.8 g/L
NaCl 75.9 g/L
MilliQ H2O (520 μl/ml)
1) ハムスター(23-231) rPrPCを融解し、タンパク質500 μlを5分間4000×gでスピンさせることにより100 kDのマイクロチューブフィルタ(PALL)でろ過する。
2) 0.1% SDS/PBS中でrPrPCを10分の1希釈し、280 nmでUV吸光度を測定する:
[タンパク質mg/mL] = [280 nm吸光度/2.6 (すなわち、PrP吸光係数)×希釈係数 = X mg/mL、ここでX = rPrPCストック濃度; 理想的なタンパク質濃度は0.4〜0.3 mg/mlであろう。
注記:
必要なのは100 μLの反応中0.1 mg/mLのrPrPC = 10 μg/X = Y μl rPrPC/反応(ここでY= 1反応あたり0.1 mg/mlの終濃度を達成するために加えられるrPrPCの容量)
XおよびYは変数である: Xは特定の調製物に依って変化しうるrPrPCの濃度であり、およびYは0.1 mg/mlの終濃度を有するように反応に加えられるタンパク質の容量である
反応中の水の量 = 100 - Y - 2 - 25 = Z μlの水/反応(ここでZ= 100 μlの最終反応容量を達成するために加えられる水の容量)。最終反応容量は100 μlであり、そのため、他の全ての構成成分(例えばNaCl、PBS)とともに加えられる必要があるrPrPCの容量が定まれば、100 μlにするための残りの容量は水となる。
3) 上記のように試験管中で反応混合物を調製する(指定された順番で加える)。
第1ラウンドの反応混合物:
rPrPCを加える前に、最初の3つの構成成分を5秒間ボルテックスする。気泡の生成を避けるため、rPrPCを穏やかに加える。反応試験管に蓋をかぶせるが、ボルテックスはしない。
4) 24×0.5 mlの試験管ブロックを有するエッペンドルフTHERMOMIXER(登録商標)の中に試験管を置く。
5) 1500 rpmで振盪60秒と60秒間振盪なしとを交互に行いながら、試験管をTHERMOMIXER(登録商標) R中で50℃にて8〜10時間インキュベートする。
6) 試験管を短時間スピンさせて、すべての溶液を蓋から下方へ落とす。
7) 第2のQuICラウンドのためにアリコートを取り出す、ならびに/またはPK消化および免疫ブロットアッセイ法の準備をする(下記参照)。
1) 上記の第1ラウンドと同じく新鮮な反応試験管中で反応混合物を調製する。注記: 容量を移して第2ラウンドの反応試験管のシードにする直前に、サンプル試験管を穏やかにボルテックスしてすべてのペレットを均等に懸濁する。
2) 上記の段階1および2で述べたように、ろ過し、rPrPCのA280を測定する。
3) 前のパラグラフで記述したように反応混合物を調製する(指定された順番で加える):
第2ラウンドの反応混合物:
注記: rPrPCを加える前に、最初の3つの構成成分を5秒間ボルテックスする。気泡の生成を避けるため、rPrPCを穏やかに加える。反応試験管に蓋をかぶせるが、ボルテックスはしない。第1のQuICラウンドの段階4〜7と同じように進める。
4. サンプル10 μlを1%サルコシル/PBS中にて37℃で1時間3 μg/mlのプロテイナーゼKで消化する
5. 各サンプルに4 M尿素を含有する2×サンプル緩衝液15 μlを加える
6. サンプルを1分間ボルテックスする
7. 沸騰水浴中に10分間置く
8. ビーズを取り除くため、サンプルを磁石の上に2分間置き、上清を新鮮な試験管に移す
9. SDS-PAGEゲル上にサンプルを負荷し(15 μl/ウェル)、ウエスタンブロットによって分析する(Orru et al., 2009を参照のこと)。
材料:
a. 反応プレート: 96ウェル・オプティカルボトムプレート
b. 10 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 5.8)中のハムスター(90-231) rPrPCまたはHa-S全長rPrPC
c. リアルタイムQuIC緩衝液(RTQB), [10 mMリン酸緩衝液(pH 7.4)、300〜400 mM NaCl、0.1 mg/mL rPrPC、10 μMチオフラビンT (ThT)、および10 mMエチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩(EDTA)]
d. 15B3ビーズ前処理用の0.05% SDS/PBS
e. 新鮮に作出: ThT 0.032 g /MilliQ H2O 10 ml中(10 mM)。
1. セクションBに記述した通りの免疫沈降の後、1×PBS中で貯蔵した15B3ビーズを0.05% SDS/PBSと1:1の比率で混合し、ボルテックスする
2. 15B3ビーズを少なくとも15分間室温でインキュベートし、およそ5分ごとにボルテックスする
3. RTQBカクテルを調製する(1ウェルあたりカクテル96 μl×シードされるウェル + 2つの余剰ウェルの数を考慮する)
4. RT-QuIC混合物/ウェル:
MilliQ水 X μl
5×PBS緩衝液: 20 μl
2 M NaCl: 8.5または13.5 μl
100 mM EDTA: 1 μl
10 mM ThT 1 μl
rPrPC Y μl
シード(15B3ビーズ + 0.05% SDS/PBS) 4 μl
各ウェル中の各反応には100 μlの最終容量が含まれる。「Y」は、0.1 mg/mlの終濃度を有するように各反応に加えられるrPrPCの容量である。この容量は、加えられるタンパク質の濃度に依って変化する。したがって、1反応あたりに加えられるMilliQ水の容量(「X」)は、その特定の反応に加えられるrPrPCの容量に依って変化する。
rPrPCを加える前に、最初の5つの構成成分を5秒間ボルテックスし、rPrPCを加えた後に穏やかに反転する
5. 1ウェルあたりRTQカクテル96 μlを分注する
6. ウェル中にて直接15B3ビーズ + 0.05% SDS/PBS 4 μlを用いRT-QuIC反応のシードにする
7. プレートシーラー(Nalge Nunc International 265301)でプレートをシールする
8. 42〜46℃にてBMG Polarstarプレートリーダー中でプレートをインキュベートし、振盪による動力学的サイクルとともにおよそ15分ごとにThT蛍光を測定する。
9. 振盪プログラム: 蛍光測定のための最後の1分を除き、700 rpmの二重軌道で1分の振盪、その後、1分の休止。
10. 蛍光測定の設定:
- 励起: 450 nm、放出: 480 nm
- 下方測定、フラッシュ数: 20
- 手動ゲイン: 1000、積分時間: 20 μs
基質補充段階:
11. MilliQ H2O中10 mMのThTストックを作出する(0.032 g ThT/10 ml MilliQ H2Oを秤量し、ろ過し、氷上に保持する)
12. 以下のようにRT-QuICカクテルを調製する:
13. RT-QuIC混合物/ウェル:
MilliQ水 X μl
5×PBS緩衝液: 20 μl
2 M NaCl: 8.5または13.5 μl
100 mM EDTA: 1 μl
10 mM ThT 1 μl
rPrPC Y μl
シード(15B3ビーズ + 0.05% SDS/PBS) 0 μl
14. プレートを10分間3000×gでスピンさせる
15. プレートシーラーをはがし、捨てる
16. ピペットチップでウェルの底面に触れないように注意しながら各ウェルから90 μlをピペットで取り去る
17. 100 μl/ウェルの新鮮な基質を同じウェルに穏やかに加える
18. プレートを再びシールし(新しいシーラー)、段階8〜10に詳述したようにRT-QuICを行う。
さらなる材料および方法
組み換えプリオンタンパク質精製:
シリアンゴールデンハムスター(残基番号23〜231; アクセッション番号K02234)、ヒト(残基番号23〜231; アクセッション番号M13899.1) rPrPCおよびハムスター・ヒツジキメラrPrPC [シリアンハムスター残基番号23〜137、その後にR154、Q171多型のヒツジ残基番号141〜234 (アクセッション番号AY907689)]を増幅させ、pET41ベクター(EMD Biosciences)に核酸連結し、配列を検証した。タンパク質発現および精製を既述のように行った(例えばWilham et al., PLoS.Pathog. 6:e1001217, 2010; Atarashi et al., Nat.Methods 4:645-650, 2007を参照のこと)。rPrPCタンパク質の純度は、SDS-PAGE、免疫ブロッティングおよび質量分析によって推定した場合に、99%以上であった(データ不掲載)。
シリアンゴールデンハムスターの大脳内に1%脳ホモジネート(BH) 50 μlを接種し(図5)、または263Kスクレイピー株に臨床的に感染したハムスター由来の108倍希釈BHを接種し(図2および3)、脳組織または血液収集前の指定の時間、保持した。低用量のスクレイピーを接種したハムスターは、発病するのにいっそう長い時間がかかったので、組織を、図5の場合の80 dpiと比べて図2および3の場合の103〜116 dpiの時点で「ほぼ末期の」ハムスターから収集した。血漿収集のため、ハムスターをイソフルラン深麻酔により安楽死させ、心臓スティックにより放血させた。血液をBD Vacutainer (クエン酸ナトリウム, Becton-Dickinson)試験管にすぐさま移し、穏やかに混合した。サンプルをBeckman J6-HC遠心分離機中にて15分間3000 rpmで遠心分離した。血漿を新しい試験管に移し、-80℃で貯蔵した。ハムスター血清サンプルを同じ方法で、しかしクエン酸ナトリウムなしで収集した。指定時(すなわち、図2B)、血漿サンプルを、融解後および免疫沈降段階(血漿上清を用いる)の直前に30秒間16kの相対遠心力(rcf)で遠心分離した。プールしたヒト血漿(Innovative Research)を-20℃で貯蔵した。ヒトBH希釈物スパイク実験のため、ヒト血漿アリコートを終夜4℃で融解し、10分2000×gのスピンに供して、沈降した画分を取り除いた。
ラット抗マウスIgM Dynabeads (Invitrogen)を30秒間ボルテックスし、ビーズ250 μl (ビーズ合計1×108個)をコーティング手順のために新しい試験管に移した。磁石上で2分間のインキュベーションの後、ビーズ貯蔵緩衝液を捨て、コーティング緩衝液(PBS中0.1%のBSA; 新鮮作成し、ろ過し、4℃で保持した)を用いもとのビーズ懸濁液の5容量での2回の洗浄を行った。15B3抗体(Prionics) 1 μgあたりビーズ1×106個の比率を用いた。試験管を室温で2時間「転倒」回転させながらインキュベートした。次に、コーティング緩衝液でさらに3回の洗浄を行い、ビーズをコーティング緩衝液(最初のビーズ容量)中で再懸濁し、4℃で貯蔵した。モック対照ビーズを15B3について記述したように、しかし15B3抗体の添加なしで調製した。
MAGNABIND(商標)ビーズ(Pierce, Rockford, IL)を30秒間ボルテックスし、ビーズ合計1.6×107個を新しい試験管に移した。ビーズをPBS中0.5%のTriton X-100 500 μlで2回リンスし、アッセイ緩衝液(TBS, 1% Triton X-100, 1% Tween 20)を用いてその最初の容量に再懸濁した。
15B3コーティングビーズ、モックビーズまたはMAGNABIND(商標)ビーズを短時間ボルテックスし、ビーズ合計1.6×107個を新しい試験管に移した。磁石上で2分間のインキュベーションの後、貯蔵(コーティング)緩衝液を捨て、免疫沈降緩衝液(Prionics) 500 μlを加えた。次に、BHスパイクヒト血漿500 μlまたは非感染動物もしくはスクレーピー陽性動物由来のハムスター血漿500 μlをビーズに加えた。サンプルを室温または37℃で終夜(ON)「転倒」回転させながらインキュベートした。その後、サンプルを磁石上で2分間インキュベートし、血漿・緩衝液の混合液を捨て、ビーズを洗浄緩衝液(Prionics) 500 μlで2回洗浄した。全てのビーズをPBS 10 μlに再懸濁し、新鮮使用した。
S-QuICアッセイ法は既述(Atarashi et al., Nat.Methods 5:211-212, 2008; Orru et al., Protein Eng Des Sel 22:515-521, 2009)のように行った。15B3コーティングビーズまたはモックビーズS-QuIC反応物にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中のビーズ2 μlをそれぞれシードした。RT-QuICは数点の修正を除き既述(Wilham et al., PLoS.Pathog. 6:e1001217, 2010)のように行った。手短に言えば、免疫沈降段階からの15B3コーティングビーズ、モックビーズまたはMagnaBindビーズ(PBS 10 μlに再懸濁した)を0.05% SDS/PBS (1:1の比率)と混ぜ合わせ、室温で20分間インキュベートし、反応物に0.05% SDS/PBS-ビーズ混合物4 μlをシードした。図の説明において別段の指示がない限り、RT-QuIC反応物を46℃でインキュベートした。24時間後にRT-QuIC反応を中断し、プレートを4℃にて10分間3000×gでスピンさせることにより、基質補充を行った。次に、ビーズをかき乱さないように注意しながら、各ウェルから上清90 μlを取り除き、新鮮なrPrPCを含有する新しい反応緩衝液100 μlを各ウェルに穏やかに加えた。RT-QuICをさらに36〜60時間続けた。
SQアッセイ法のための血漿由来プリオンの免疫親和性捕捉
SQおよびRTQアッセイに血漿アリコートを直接加えることにより、ヒトおよびヒツジ血漿サンプルにスパイクしたプリオンを検出しようと試みた。しかし、血漿成分は、別の関連アッセイの阻害が既に報告されていること(Trieschmann et al., 2005)に一致して、両方のアッセイを強力に阻害した。これらの阻害因子は、プリオンを結合することが知られている血清リポタンパク質でありうる(Safar et al., 2006)。したがって、血漿から検出可能な形態でプリオンを捕捉かつ濃縮するように方法を考え出した。
RT-QuIC (eQuIC)による検出のための血漿中プリオンの15B3 IP
15B3 IPをRT-QuICによる検出に適合させた(IP-RT-QuICと指定した)。RT-QuICアッセイ法では、96ウェルプレート中での反応物の断続的な振盪、基質としてのrPrPC、実質的に界面活性剤を含まない(例えば0.002%以下のSDS)およびカオトロープを含まない条件、ならびにThTに基づくプリオンシードアミロイド原線維の検出を用いる(Wilham et al., 前記, 2010; Atarashi et al., Nat.Med. 17: 175-178, 2011)。陽性反応はrPrPアミロイド原線維の存在下でのThT蛍光の増強によって示されるが、これは複製ウェルからの平均蛍光としてプロットすることができる。RT-QuICアッセイ法により血漿から15B3ビーズ上に捕捉されたプリオンの検出を可能にする条件をスクリーニングした際に、室温でおよそ20分間の0.05% SDSとのプリオン結合ビーズのプレインキュベーションは、サルコシルによるビーズ洗浄に加えて、それ以外には界面活性剤を含まないRT-QuICにおけるプリオンの増幅を加速することが分かった(図8)。
基質補充による15B3捕捉プリオンの増強QuIC (eQuIC)検出
IP-RT-QuICの感度を改善するため、基質補充段階をRT-QuIC反応のおよそ24時間後に導入した。IP-RT-QuIC反応においては、ビーズおよび結合したプリオンまたはプリオン誘導性のRT-QuIC変換産物は、反応ウェルの底面に接着する傾向があった。したがって、ウェル中のビーズまたはビーズに結合した反応産物の大部分を維持しながら、反応物を除去し、新鮮なrPrPCを添加することが可能であった。本発明者らが増強QuIC (enhanced QuIC; eQuIC)と呼ぶ、IPおよびRT-QuICと基質補充とのこの組み合わせにより、異なる4ロットのヒト血漿を用いて行った3回の独立実験での全複製反応(n=4)においておよそ28時間以内に4×10-14希釈のvCJD脳組織(vCJD PrP-resおよそ1 ag)の検出が可能とされた(例えば、図4Aを参照のこと)。さらに4×10-15希釈では、4つのうち3つの複製反応が単一の実験において陽性であった(データ不掲載)。比較して、アルツハイマー脳および腫瘍脳の陰性対照希釈物は、これらのeQuIC実験の各々において一様に陰性反応をもたらした。15B3を欠くモックビーズは、感度および一貫性のかなりの低減をもたらした(図4bおよび図10)。さらに、15B3カップリングビーズは、プリオン結合能を有することが最近になって報告された超常磁性ナノ粒子(Miller et al., J.Virol. 85:2813-2817, 2011)よりも106倍以上、高い感度のeQuIC検出をもたらした(図10)。これらの結果から、15B3に基づくeQuICが、ヒト血漿にスパイクされた極端に低い濃度のプリオンを検出する能力が示された。
ハムスター血漿サンプル中の内在性プリオンの、eQuICによる検出
eQuICが、スクレイピー感染ハムスター由来の血漿に内在するプリオンの検出を改善するかどうかも試験した。非増強RT-QuICによる先の結果(図3)とは対照的に、スクレイピーハムスター計13匹の複製eQuIC反応は全て陽性であったが、非感染ハムスター11匹のもののどれも65時間以内に陽性ではなかった(図5)。スクレイピー感染ハムスターのうち、9匹が臨床的に罹患しており(感染後日数80 (80 dpi))、4匹が(3匹が30 dpiの時点で; 1匹が10 dpiの時点で)無症状であった。したがって、eQuICでは、このモデルにおいて、およそ60 dpiの時点で始まる、スクレイピーの臨床兆候のかなり前に血漿中のプリオンが検出された。一部のスクレイピーサンプルで、複製ウェルは、全て個別に陽性ではあったが、最大下の平均蛍光値を与えた(図5a)。このバラツキ、および誘導期のバラツキは、凝集した血漿成分によるものであると思われた。というのは、免疫沈降の直前に短時間の遠心分離によって予め清澄化されたサンプルでは、これらのバラツキが認められなかったからである(図5b)。
RT-QuICによる検出のための15B3によるプリオン捕捉
RTQアッセイ法で、血漿から15B3ビーズ上に捕捉されたプリオンの検出を可能にする条件を探し求めた。RTQによる検出の速度および感度を改善するさらなる要因が存在していた。具体的には、1) ビーズへの15B3抗体の12倍高い濃度のカップリング(図11): ビーズ上のさらに高い抗体密度は血漿中の潜在的なPrP-res結合阻害因子を相殺する助けとなり、および/またはさらに高い濃度の結合部位を提供することによって結合を加速しうる; RTQ前のサルコシルによる洗浄に加えて、RTで、15〜20分間の0.05% SDSによるプリオン結合ビーズの処理。ある例では、反応にDynabeads 4×105個あたり15B3 0.360 μgを利用する。
さらなるeQuICアッセイ法
また、eQuICを用いて、正常ヒト血漿0.5 ml中にスパイクされた孤発性CJD脳ホモジネートを検出した。PrP-res 1 fgを含有するものまでのsCJD脳ホモジネートの希釈物が300 mM NaClと400 mM NaClの両方で全ての複製反応(n=4)において検出された。ヒトrPrPCに代えてHa-S rPrPC基質を用いることで、具体的にはPrP-res 1 fgを含有する希釈物までの、sCJDに対して類似の感度が得られた。これらの反応では、全長ヒトrPrP-senを基質として用いた。PrP-resをわずか10 agしか含有しない希釈物が全ての複製反応(n=4)において検出されたが、10-4希釈の対照をスパイクしたもの(National Institute for Biological Standards and Control (NIBSC, UK) NHBZ0/0001正常脳組織)は応答を示さなかった(図15参照)。
Claims (31)
- 免疫複合体を形成させるのに十分な時間、プリオン、PrPScまたはPrP-resに特異的に結合する抗体の有効量とサンプルを接触させる段階;
サンプルから免疫複合体を分離する段階;
免疫複合体を精製組み換えプリオンタンパク質(rPrPC)と混合して、反応混合物を作出する段階; ならびに
(i) 反応混合物をインキュベートして、反応混合物中に存在するrPrPCとのPrP-resの共凝集を可能にする段階;
(ii) rPrP-res(spon)の発生を阻害しながらPrP-resとのrPrPCの共凝集を促進して、rPrP-res(Sc)へのrPrPCの変換をもたらすインキュベーション条件を維持する段階;
(iii) 段階(i)の間に形成された凝集体を攪拌する段階であって、ここで反応条件は、超音波処理なしで反応混合物を振盪することを含む、該段階; および
(iv) 段階(i)〜(iii)を繰り返す段階
を含む増幅反応を行う段階;
rPrP-res(Sc)を反応混合物中で検出する段階であって、ここで反応混合物中のrPrP-res(Sc)の検出は、PrP-resがサンプル中に存在していたことを示す、該段階
を含む、プリオンタンパク質を検出する方法。 - プリオン、PrP-resまたはPrPScに特異的に結合する抗体が固体基材にカップリングされる、請求項1記載の方法。
- 固体基材が磁気ビーズである、請求項2記載の方法。
- 免疫複合体を分離する段階が磁石の使用を含む、請求項3記載の方法。
- 抗体が15B3、そのヒト化型またはその抗原結合断片である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
- サンプルがおよそ19〜40℃の温度で抗体と接触される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- サンプルが生体サンプルである、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
- 生体サンプルが血液、血漿、血清または脳脊髄液サンプルである、請求項7記載の方法。
- 生体サンプルを磁気ビーズと接触させた後に、ドデシル硫酸ナトリウムまたはサルコシルを含む緩衝液とともに磁気ビーズをインキュベートする段階を含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
- 磁気ビーズを0.01%〜0.1%のドデシル硫酸ナトリウムで洗浄する段階を含む、請求項9記載の方法。
- 磁気ビーズをおよそ0.05%のドデシル硫酸ナトリウムで洗浄する段階を含む、請求項9記載の方法。
- rPrP-res(Sc)の存在を検出する段階がチオフラビンT (ThT)の使用を含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
- 反応混合物が0.002%以下の界面活性剤を含有する、請求項12記載の方法。
- rPrP-res(Sc)の存在を検出する段階の前に、rPrP-res(Sc)を除去せずに反応混合物にさらなるrPrPCを加える段階をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
- さらなるrPrPCが連続の増幅ラウンドなしに反応混合物に加えられる、請求項14記載の方法。
- rPrPCがキメラハムスター・ヒツジrPrPCであり、かつPrP-resがPrPCJDである、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。
- ハムスター・ヒツジrPrPCがシリアンハムスターPrP配列のアミノ酸23〜137およびヒツジPrPの残基番号141〜234を含む、請求項16記載の方法。
- ヒツジPrPがR154およびQ171を含む、請求項17記載の方法。
- 増幅反応を行う段階が反応混合物を0.05%〜0.8%の界面活性剤の中でインキュベートする段階を含む、請求項1〜18のいずれか一項記載の方法。
- 界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムを含む、請求項19記載の方法。
- 界面活性剤が0.05〜0.4%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および0.05〜0.4%のTriton X-100を含む、請求項20記載の方法。
- 界面活性剤が0.4%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および0.4%のTriton X-100を含む、請求項19記載の方法。
- PrP-resの存在を検出する段階が、プリオン、PrP-resまたはPrPScに特異的に結合する二次抗体と反応混合物を接触させる段階を含む、請求項1〜22のいずれか一項記載の方法。
- PrP-resに特異的に結合する二次抗体が検出可能な標識と結合している、請求項23記載の方法。
- PrP-resの存在を検出する段階が、酵素結合免疫吸着アッセイ法(ELISA)、放射免疫アッセイ法(RIA)、側方流動アッセイ法、SOPHIA (Surround optical fiber immunoassay)またはウエスタンブロット法を含む、請求項19〜24のいずれか一項記載の方法。
- PrP-res/PrPScの定量化をさらに含む、請求項1〜25のいずれか一項記載の方法。
- 凝集体を攪拌する段階が、振盪することの前の休止の時間に実質的に等しい時間の間、超音波処理なしで反応混合物を振盪することを含む、請求項1〜16のいずれか一項記載の方法。
- 反応混合物がおよそ60秒間振盪され、その後、およそ60秒間振盪が停止される、請求項27記載の方法。
- 段階(iv)がおよそ1回からおよそ200回繰り返される、請求項1記載の方法。
- 固体基材上で免疫複合体を形成させるのに十分な時間、固体基材にカップリングされている抗体15B3の有効量と生体サンプルを接触させる段階;
生体サンプルから基材上の免疫複合体を分離する段階;
0.5%のドデシル硫酸ナトリウムを含む緩衝液で固体基材上の免疫複合体を洗浄する段階;
固体基材上の免疫複合体を精製ハムスター・ヒツジキメラ組み換えプリオンタンパク質(rPrPC)およびチオフラビンTと混合して、反応混合物を作出する段階; ならびに
(i) 反応混合物をインキュベートして、反応混合物中に存在するrPrPCとのPrP-resの共凝集を可能にする段階;
(ii) rPrP-res(spon)の発生を阻害しながらPrP-resとのrPrPCの共凝集を促進して、rPrP-res(Sc)へのrPrPCの変換をもたらすインキュベーション条件を維持する段階;
(iii) 段階(i)の間に形成された凝集体を攪拌する段階であって、ここで反応混合物はおよそ60秒間振盪され、その後、およそ60秒間振盪が停止される、該段階;
(iv) 検出可能なrPrP-res(Sc)の形成前の反応混合物に、さらなるハムスター・ヒツジキメラ組み換えプリオンタンパク質(rPrPC)を加える段階; および
(v) 段階(iii)および/または(iv)を任意で繰り返す段階
を含む増幅反応を行う段階;
蛍光を用いて反応混合物中のrPrP-res(Sc)を検出する段階であって、ここで反応混合物の蛍光は、PrP-resがサンプル中に存在していたことを示す、該段階
を含む、プリオンタンパク質を検出する方法。 - 生体サンプルがヒト由来の血液、血清、血漿、脳脊髄液または組織サンプルである、請求項30記載の方法。
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