JP2017133133A - 基材用不織布およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)固有粘度(IV):
ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度IVは、次の方法で測定した。オルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを、下記式により求めた。
・ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
(ここで、ηはポリマー溶液の粘度、η0はオルソクロロフェノールの粘度、tは溶液の落下時間(秒)、dは溶液の密度(g/cm3)、 t0:はオルソクロロフェノールの落下時間(秒)、d0はオルソクロロフェノールの密度(g/cm3)を、それぞれ表す。)
次いで、上記の相対粘度ηrから、下記式により固有粘度IVを算出した。
・IV=0.0242ηr+0.2634。
使用した熱可塑性樹脂の融点は、示差走査熱量計(TA Instruments社製Q100)を用いて、次の条件で測定し、吸熱ピーク頂点温度の平均値を算出して、測定対象の融点とした。繊維形成前の樹脂において吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側のピーク頂点温度とする。また、繊維を測定対象とする場合には、同様に測定し、複数の吸熱ピークから各成分の融点を推定することができる。
・測定雰囲気:窒素流(150ml/分)
・温度範囲 :30〜350℃
・昇温速度 :20℃/分
・試料量 :5mg。
平均単繊維直径は、基材用不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡で500〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の単繊維の直径を測定し、それらの平均値を、小数点以下第一位を四捨五入して求めた。
基材用不織布の圧着率は、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡を用いて20〜50倍の倍率で、各サンプルから1枚ずつ、1枚の写真の中に少なくとも5個以上の圧着部が入るよう計10枚の写真を撮影し、各写真から圧着部の面積とエンボスの繰り返しパターンの最小単位の面積を求め、それらを平均した。その後、下記式を用いて圧着率を算出し、小数点以下第一位を四捨五入した。
・圧着率=(圧着部の面積)×(繰り返しパターンの最小単位に含まれる圧着部の個数)/(繰り返しパターンの最小単位の面積)。
基材用不織布の目付は、JIS L1913(2010年版)6.2「単位面積当たりの質量」に基づき、30cm×50cmの試験片を、試料の幅1mあたり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2あたりの質量(g/m2)で表した。
不織布(非圧着部)の厚さは、JIS L1906(2000年版)の5.1に基づいて、直径10mmの加圧子を使用し、荷重10kPaで不織布の幅方向等間隔に1mあたり10点の厚さを0.01mm単位で測定し、その平均値の小数点以下第四位を四捨五入した。
低荷重時の厚さについて、面積200mm2の加圧子を使用し、荷重2kPaで不織布の幅方向等間隔に1mあたり10点の厚さを0.01mm単位で測定し、その平均値の小数点以下第四位を四捨五入した。続いて、高荷重時の厚さについて、面積200mm2の加圧子を使用し、荷重200kPaで不織布の幅方向等間隔に1mあたり10点の厚さを0.01mm単位で測定し、その平均値の小数点以下第四位を四捨五入した。
・厚さ変化率(%)=(低荷重時の厚さ−高荷重時の厚さ)/低荷重時の厚さ×100。
上記の(5)と(6)で、それぞれ求めた基材用不織布の目付(g/m2)、基材用不織布(非圧着部)の厚さ(mm)、およびポリマー密度(g/cm3)から、下記式を用いて非圧着部の空隙率を算出し、小数点以下第二位を四捨五入した。
・充填率 = 目付÷厚さ÷103÷ポリマー密度
・空隙率(%)=(1−充填率)×100
ここで、本発明の実施例におけるポリエチレンテレフタレート樹脂と共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂のポリマー密度は、1.37g/cm3とした。
基材用不織布の面の算術平均高さは、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、ISO25178に準じてキーエンス社製形状解析レーザ顕微鏡VK−X250(高さ方向の測定分解能:0.5nm、面方向の測定分解能:1nm)を用いて、1000倍の倍率(測定範囲:0.28mm×0.20mm)で、各サンプルから非圧着部を3点ずつ、計30点の3Dスキャンを行い、3Dスキャン画像からそれぞれ面の算術平均高さを測定し、それらの平均値を小数点以下第二位を四捨五入して求めた。
ポリプロピレン(MFR1000g/10分(温度230℃、荷重2.16kgf/cm2)、80質量%)/スチレン系エラストマー(JSR社製“DYNARON・SEBS・8630P”、10質量%)を温度210℃で溶融し、バックアップロールを20℃に温度調節しながら、スリット幅0.5mmでピッチ0.9mmの櫛歯状シムを装填したノズルを用いて、得られた基材用不織布に加工速度5.5m/分で塗布し、不織布の長手方向に連続した線状の樹脂突起物が、幅方向に0.9mmのピッチで並んだストライプ模様を形成させた。このとき樹脂の剥離が発生した本数をカウントした。表1には樹脂塗布加工の加工性について、下記の5段階の基準で評価し、4点以上を合格とした。
1:加工時に樹脂の剥離が発生し、その割合が50%以上100%未満である。
2:加工時に樹脂の剥離が発生し、その割合が50%未満である。
3:加工時に樹脂の剥離はないが、シートを屈曲させると樹脂の剥離が発生する。
4:加工時やシート屈曲時に樹脂の剥離はないが、樹脂の蛇行が発生している。
5:加工時やシート屈曲時に樹脂の剥離はなく、樹脂が直線状に固着している。
上記の樹脂塗布加工性評価が3以上であった樹脂加工品について、片刃を用いて幅方向に速度5m/minで裁断し、裁断時に剥離した突起物の本数のカウントする作業を10回繰り返した。表1には樹脂の接着性について、下記の5段階の基準で評価し、4点以上を合格とした。
1:裁断時に樹脂の剥離が発生し、その割合が75%以上100%未満である。
2:裁断時に樹脂の剥離が発生し、その割合が50%以上75%未満である。
3:裁断時に樹脂の剥離が発生し、その割合が25%以上50%未満である。
4:裁断時に樹脂の剥離が発生し、その割合が25%未満である。
5:裁断時に樹脂の剥離が発生しない。
樹脂塗布加工後の試料について、基材用不織布と樹脂突起物を合わせた厚さJIS L1906(2000年版)の5.1に基づいて、直径10mmの加圧子を使用し、荷重10kPaで不織布の幅方向1mあたり等間隔に10点の厚さを、0.01mm単位で測定し、その平均値の小数点以下第三位を四捨五入して、不織布と樹脂突起物を合わせた厚さを求めた。このようにして得られた不織布と樹脂突起物を合わせた厚さから、上記の(6)で測定した不織布(非圧着部)の厚さを差し引き、樹脂突起物の高さを求めた。
樹脂突起物の幅は、樹脂塗布加工後の試料からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡で20〜50倍の写真を撮影し、各サンプルから3本ずつ、計30本の樹脂突起物の幅(mm)を測定し、それらの平均値を、小数点以下第三位を四捨五入して求めた。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
水分率50ppm以下に乾燥した固有粘度IVが0.65で、融点が260℃のポリエチレンテレフタレート樹脂を295℃の温度で溶融し、口金温度300℃で細孔から紡出した後、エジェクターにより紡糸速度4300m/分で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
捕集された繊維ウェブを、上下1対の金属製フラットロール間を通し、ロールの表面温度を190℃とし、線圧が490N/cmの条件で熱圧着した。その後、上ロールがドット柄の凸部が規則的に配列したエンボスロールであり、下ロールがフラットロールである上下1対の金属製ロール間に通し、温度を240℃とし、線圧が588N/cmの条件で部分的熱圧着した。得られたスパンボンド不織布は、繊維径が10.6μmで、目付が30g/m2で、厚さが0.077mmで、空隙率が71.6%で、圧着率が28.0%で、面の算術平均高さが6.3μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率が16.7%であった。
得られた基材用不織布に、上記の(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施し、不織布の長手方向に連続した線状の樹脂突起物が、幅方向に0.9mmのピッチで並んだストライプ模様を形成させた。樹脂突起物を基材用不織布の幅方向に切断した際の断面形状は半円形であり、樹脂突起物の高さは0.18mmであり、樹脂突起物の幅は0.40mmであった。基材のハンドリング性や樹脂塗布の加工性は良好であり、得られた樹脂接着後のシートを幅方向に裁断しても樹脂の剥離は発生せず、接着性にも優れていた。
得られた樹脂接着後のシートを透過側の流路材として使用した分離膜エレメントを作製し、供給水として濃度1000mg/LとpH6.5のNaCl水溶液を用いて、運転圧力を1.5MPaとし、温度を25℃とした条件下で運転した。その結果、トリコット編み物(厚さ0.26mm、溝幅0.4mm、畦幅0.3mm、溝深さ0.105mm、ポリエチレンテレフタレート製)を透過側流路材として使用し、それ以外の部材をまったく同じ構成とした分離膜エレメントと比較して、単位時間と単位面積あたりの透過水量(m3/hr)は8.3%増加した。また、100時間運転した後、分離膜エレメントを解体して流路材の状態を観察した結果、樹脂の剥離は見られなかった。結果を表1に示す。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
実施例1と同じ樹脂を使用し、実施例1と同じ条件で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
実施例1と同じ条件で、フラットロールによる熱圧着とエンボスロールによる部分的熱圧着を行った。得られたスパンボンド不織布は、繊維径が10.6μmで、目付が20g/m2で、厚さが0.054mmで、空隙率が73.0%で、圧着率が28.0%で、面の算術平均高さが5.6μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率は12.7%であった。
得られた基材用不織布に、上記の(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施した。樹脂突起物を基材用不織布の幅方向に切断した際の断面形状は半円形であり、樹脂突起物の高さは0.18mmであり、樹脂突起物の幅は0.40mmであった。基材のハンドリング性や樹脂塗布の加工性は良好であり、得られた樹脂接着後のシートを幅方向に裁断しても樹脂の剥離は発生せず、接着性にも優れていた。結果を表1に示す。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
水分率50ppm以下に乾燥した固有粘度がIV0.65で、融点が260℃のポリエチレンテレフタレート樹脂を295℃の温度で溶融し、口金温度300℃で細孔から紡出した後、エジェクターを用いて、紡糸速度4500m/分で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
実施例1と同じ条件で、フラットロールによる熱圧着とエンボスロールによる部分的熱圧着を行った。得られたスパンボンド不織布は、繊維径が14.9μmで、目付が30g/m2で、厚さが0.090mmで、空隙率が75.7%で、圧着率が28.0%で、面の算術平均高さが7.4μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率が16.7%であった。
得られた基材用不織布に、上記の(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施した。樹脂突起物を基材用不織布の幅方向に切断した際の断面形状は半円形であり、樹脂突起物の高さは0.18mmであり、樹脂突起物の幅は0.40mmであった。基材のハンドリング性や樹脂塗布の加工性は良好であり、得られた樹脂接着後のシートを幅方向に裁断しても樹脂の剥離は発生せず、接着性にも優れていた。結果を表1に示す。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
水分率50ppm以下に乾燥した固有粘度がIV0.65で、融点が260℃のポリエチレンテレフタレート樹脂と、水分率50ppm以下に乾燥した固有粘度がIV0.66で、イソフタル酸共重合率11モル%で融点が230℃の共重合ポリエステル樹脂を、それぞれ295℃と270℃の温度で溶融し、ポリエチレンテレフタレート樹脂を芯成分とし、共重合ポリエステル樹脂を鞘成分として、口金温度を300℃、芯:鞘=80:20の質量比率で細孔より紡出した後、エジェクターにより紡糸速度4400m/分で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
捕集された繊維ウェブを、上下1対の金属製フラットロール間を通し、ロールの表面温度150℃、線圧が490N/cmの条件で熱圧着した。その後、上ロールがドット柄の凸部が規則的に配列したエンボスロールであり、下ロールがフラットロールである上下1対の金属製ロール間に通し、温度190℃、線圧が588N/cmの条件で部分的熱圧着した。得られたスパンボンド不織布は、繊維の単繊維径が10.6μmで、目付が30g/m2で、厚さが0.104mmで、空隙率が78.9%で、圧着率が28.0%で、面の算術平均高さが8.5μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率が19.2%であった。
得られた基材用不織布に、上記(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施した。樹脂突起物を基材用不織布の幅方向に切断した際の断面形状は半円形であり、樹脂突起物の高さは0.17mmであり、樹脂突起物の幅は0.40mmであった。基材のハンドリング性や樹脂塗布の加工性は良好であり、得られた樹脂接着後のシートを幅方向に裁断しても樹脂の剥離は発生せず、接着性にも優れていた。結果を表1に示す。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
実施例1と同じ樹脂を使用し、実施例1と同じ条件で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
捕集された繊維ウェブを、上ロールが円形柄の凹凸を有するエンボスロールであり、下ロールがフラットロールである上下1対の金属製ロール間に通し、ロールの表面温度190℃、線圧が490N/cmの条件で部分的熱圧着した。その後、上下1対の金属製フラットロール間を通し、温度240℃、線圧が588N/cmの条件で熱圧着した。得られたスパンボンド不織布は繊維径が10.6μmで、目付が30g/m2で、厚さが0.115mmで、空隙率が81.0%で、圧着率が16.0%で、面の算術平均高さが9.4μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率が41.7%であった。
得られた基材用不織布に、上記の(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施した。樹脂突起物を不織布の幅方向に切断した際の断面形状は半円形であり、樹脂突起物の高さは0.17mmであり、樹脂突起物の幅は0.40mmであった。基材のハンドリング性や樹脂塗布の加工性は良好であった。得られた樹脂接着後のシートを幅方向に裁断すると、裁断時に一部の樹脂で剥離が発生したが、接着性は概ね良好であった。結果を表1に示す。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
水分率を50ppm以下に乾燥した固有粘度IVが0.65で、融点が260℃のポリエチレンテレフタレート樹脂と、水分率50ppm以下に乾燥した固有粘度IVが0.66で、イソフタル酸共重合率が11モル%で融点が230℃の共重合ポリエステル樹脂を、それぞれ295℃と270℃の温度で溶融し、ポリエチレンテレフタレート樹脂を芯成分とし、共重合ポリエステル樹脂を鞘成分として、口金温度300℃、芯:鞘=80:20の質量比率で細孔より紡出した後、エジェクターにより紡糸速度4800m/分で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
捕集された繊維ウェブを、上下1対の金属製フラットロール間を通し、ロールの表面温度150℃、線圧が490N/cmの条件で熱圧着した。その後、上ロールがダイヤ柄の凸部が規則的に配列したエンボスロールであり、下ロールがフラットロールである上下1対の金属製ロール間に通し、温度190℃、線圧が588N/cmの条件で部分的熱圧着した。得られたスパンボンド不織布は、繊維径が16.4μmで、目付が40g/m2で、厚さが0.160mmで、空隙率が81.8%で、圧着率が8.0%で、面の算術平均高さが9.7μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率が21.4%であった。
得られた基材用不織布に、上記の(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施した。樹脂突起物を不織布の幅方向に切断した際の断面形状は半円形であり、樹脂突起物の高さは0.16mmであり、樹脂突起物の幅は0.41mmであった。基材のハンドリング性は良好であり、加工時にごく一部でわずかな樹脂の蛇行が発生したが、樹脂の剥離はなかった。得られた樹脂接着後のシートを幅方向に裁断しても樹脂の剥離は発生せず、接着性にも優れていた。結果を表1に示す。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
実施例1と同じ樹脂を使用し、実施例1と同じ条件で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
捕集された繊維ウェブを、上下1対の金属製フラットロール間を通し、ロールの表面温度を165℃とし、線圧が490N/cmの条件で熱圧着した。その後、上ロールがドット柄の凸部が規則的に配列したエンボスロールであり、下ロールがフラットロールである上下1対の金属製ロール間に通し、温度が240℃で、線圧が539N/cmの条件で部分的熱圧着した。得られたスパンボンド不織布は、繊維径が10.6μmで、目付が30g/m2で、厚さが0.150mmで、空隙率が85.4%で、圧着率が28.0%で、面の算術平均高さが10.4μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率は27.7%であった。
得られた基材用不織布に、上記の(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施した。樹脂突起物を基材用不織布の幅方向に切断した際の断面形状は半円形であり、樹脂突起物の高さは0.16mmであり、樹脂突起物の幅は0.41mmであった。基材のハンドリング性は良好であり、加工時に樹脂の剥離はなかったが、加工後のシートを屈曲させると一部で樹脂の剥離が発生した。得られた樹脂接着後のシートを幅方向に裁断すると、半数近くの樹脂で剥離が発生し、接着性は弱めであった。結果を表2に示す。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
実施例1と同じ樹脂を使用し、実施例3と同じ条件で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
比較例1と同じ条件でフラットロールによる熱圧着とエンボスロールによる部分的熱圧着を行った。得られたスパンボンド不織布は、繊維径が14.9μmで、目付が30g/m2で、厚さが0.121mmで、空隙率が81.9%で、圧着率が28.0%で、面の算術平均高さが12.1μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率が29.0%であった。
得られた基材用不織布に、上記の(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施した。樹脂突起物を不織布の幅方向に切断した際の断面形状は半円形であり、樹脂突起物の高さは0.16mmであり、樹脂突起物の幅は0.41mmであった。基材のハンドリング性は良好であり、加工時に樹脂の剥離はなかったが、加工後のシートを屈曲させると一部で樹脂の剥離が発生した。得られた樹脂接着後のシートを幅方向に裁断すると、半数以上の樹脂で剥離が発生し、接着性不良であった。結果を表2に示す。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
実施例1と同じ樹脂を使用し、実施例3と同じ条件で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
捕集された繊維ウェブを、上ロールが円形柄の凹凸を有するエンボスロールであり、下ロールがフラットロールである上下1対の金属製ロール間に通し、ロールの表面温度240℃、線圧が160N/cmの条件で部分的熱圧着した。得られたスパンボンド不織布は、繊維径が14.9μmで、目付が30g/m2で、厚さが0.190mmで、空隙率が88.5%で、圧着率が16.0%で、面の算術平均高さが11.1μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率が47.2%であった。
得られた基材用不織布に、上記の(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施した。基材のハンドリング性は良好であったが、加工時に半数以上の樹脂で剥離が発生し、加工性不良であった。結果を表2に示す。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
水分率を50ppm以下に乾燥した固有粘度がIV0.65で、融点が260℃のポリエチレンテレフタレート樹脂を295℃で溶融し、口金温度300℃で細孔から紡出した後、エジェクターにより紡糸速度4800m/分で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
捕集された繊維ウェブを、上ロールが円形柄の凹凸を有するエンボスロールであり、下ロールがフラットロールである上下1対の金属製ロール間に通し、ロールの表面温度が240℃で、線圧が160N/cmの条件で部分的熱圧着した。得られたスパンボンド不織布は、繊維径が22.0μmで、目付が30g/m2で、厚さが0.124mmで、空隙率が82.3%で、圧着率が16.0%で、面の算術平均高さが16.4μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率が23.4%であった。
得られた基材用不織布に、上記の(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施した。基材のハンドリング性は良好であったが、加工時に半数以上の樹脂で剥離が発生し、加工性不良であった。結果を表2に示す。
(紡糸と繊維ウェブ捕集)
実施例4と同じ樹脂を使用し、実施例4と同じ条件で紡糸し、移動するネットコンベア上に繊維ウェブとして捕集した。
捕集された繊維ウェブを、上下1対の金属製フラットロール間に通し、各フラットロール表面温度が130℃で、線圧が490N/cmの条件で熱圧着した。その後、上が硬度(Shore D)91の樹脂製の弾性ロールで、中が金属ロールで、下が硬度(Shore D)75の樹脂製の弾性ロールの1組の3本フラットロールの中−下間に通して熱圧着し、さらにその不織布を折り返して上−中間を通し熱圧着した。このときの3本フラットロールの表面温度は、上を130℃、中を195℃、下を140℃とし、線圧は1862N/cmとした。得られたスパンボンド不織布は、繊維の単繊維径が10.6μm、目付が72g/m2で、厚さが0.086mmで、空隙率が38.9%で、圧着率が100.0%(フラットロールのみによる全面圧着)で、面の算術平均高さが2.1μmで、低荷重時に対する高荷重時の厚さ変化率が6.3%であった。
得られた基材用不織布に、上記の(10)に記載した方法で樹脂塗布加工を施した。基材のハンドリング性は良好であったが、加工時に全面で樹脂の剥離が発生し、加工性不良であった。結果を表2に示す。
表1に示されるように、面の算術平均高さが3〜10μmであり、かつ非圧着部の空隙率が50〜85%である基材用不織布は、樹脂塗布加工の加工性や樹脂の接着性が良好であり、基材として優れたものであった。一方、表2に示されるように、面の算術平均高さおよび空隙率が上記範囲外となる比較例1〜5の不織布は、樹脂塗布加工の加工性や樹脂の接着性に劣るものであった。
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂を主成分とする繊維からなる不織布であって、前記不織布の少なくとも一方の表面のISO25178に準じて測定した面の算術平均高さが3〜10μmであり、かつ非圧着部の空隙率が50〜85%であることを特徴とする基材用不織布。
- 低荷重時(荷重2kPa)に対する高荷重時(荷重200kPa)の厚さ変化率が、20%以下であること特徴とする請求項1記載の基材用不織布。
- エンボス圧着率が3〜40%であることを特徴とする請求項1または2記載の基材用不織布。
- 繊維の平均単繊維径が1〜20μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基材用不織布
- 不織布が長繊維からなるスパンボンド不織布であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基材用不織布。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の基材用不織布の少なくとも一方の表面に、樹脂構造体が接着してなることを特徴とする不織布加工品。
- 樹脂構造体が接着した面において基材用不織布の表面の一部が露出しており、不織布表面を高さ0mmとしたときの樹脂構造体の高さが0.15mm以上であることを特徴とする請求項6記載の不織布加工品。
- 請求項7に記載の不織布加工品を用いてなる液体用流路材。
- 上下一対のフラットロールまたは少なくとも上下一方のロールが所定の凹凸パターンを有するエンボスロールにより、繊維表面を構成する最も低融点の熱可塑性樹脂の融点よりも60〜90℃低い温度で、かつ線圧98N/cm以上3920N/cm以下で熱圧着した後、上下一対のフラットロールまたは少なくとも上下一方のロールが所定の凹凸パターンを有するエンボスロールにより、繊維表面を構成する最も低融点の熱可塑性樹脂の融点よりも5〜60℃低い温度で、かつ線圧196N/cm以上4900N/cm以下で熱圧着する工程を有することを特徴とする基材用不織布の製造方法。
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