<電子機器の外観>
図1及び2は電子機器1の外観の一例を示す斜視図及び背面図である。電子機器1は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機である。図1及び2に示されるように、電子機器1は、その前面に位置するパネル2と、パネル2を支持する機器ケース3とを備えている。電子機器1の形状は、平面視で略長方形の板状となっている。
パネル2は、後述の表示パネル130の表示面(前面)を覆っている。機器ケース3は、パネル2を支持する前面側ケース4と、前面側ケース4に固定される背面側ケース5とを備えている。パネル2及び機器ケース3は電子機器1の外装を構成している。パネル2は、電子機器1の前面部分における、周縁部以外の部分を構成している。機器ケース3は、電子機器1の前面部分の周縁部、側面部分及び背面部分を構成している。前面側ケース4及び背面側ケース5のそれぞれは、例えば、樹脂、あるいは樹脂及び金属から成る。
パネル2は、板状であって、平面視において略長方形を成している。パネル2は、例えば、アクリル樹脂、ガラスあるいはサファイアから成る。ここで、サファイアとは、アルミナ(Al2O3)を主成分とする単結晶のことをいい、本明細書では、Al2O3純度が約90%以上の単結晶のことをいう。傷がよりつき難く、割れや欠け等をより確実に抑制する点で、Al2O3純度は99%以上であることが好ましい。パネル2の材料としては他に、例えば、ダイヤモンド、ジルコニア、チタニア、水晶、タンタル酸リチウム、酸化窒化アルミニウムなどの結晶性材料が挙げられる。これらも、傷がよりつきにくく、割れや欠け等をより確実に抑制する点で、純度が約90%以上の単結晶が好ましい。また、パネル2は、複数層構造の複合パネル(積層パネル)であってもよい。例えば、パネル2は、電子機器1の表面に設けられたサファイアから成る層(サファイアパネル)と、当該層に貼り付けられたガラスから成る層(ガラスパネル)とで構成された2層構造の複合パネルであってもよい。また、パネル2は、電子機器1の表面に設けられたサファイアから成る層(サファイアパネル)と、当該層に貼り付けられたガラスから成る層(ガラスパネル)と、当該層に貼り付けられたサファイアから成る層(サファイアパネル)とで構成された3層構造の複合パネルであってもよい。
パネル2には、表示パネル130の表示が透過する透明の表示領域(表示窓とも呼ばれる)2aが設けられている。表示領域2aは例えば平面視で長方形を成している。表示パネル130から出力される可視光は表示領域2aを通って電子機器1の外部に取り出される。ユーザは、電子機器1の外部から、表示領域2aを通じて、表示パネル130に表示される情報が視認可能となっている。表示領域2aには、表示パネル130に表示される各種情報が表示されるとも言える。
パネル2における、表示領域2aを取り囲む周端部2bの大部分は、例えば、フィルム等が貼られることによって、または塗料の塗布によって、黒色となっている。これにより、周端部2bの大部分は、表示パネル130の表示が透過しない非表示領域となっている。
表示領域2aの背面側には後述のタッチパネル140が設けられている。これにより、ユーザは、表示領域2aを指等で操作することによって、電子機器1に対して各種情報を入力することができる。なお、ユーザは、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどのタッチパネル用ペンで表示領域2aを操作することによっても、電子機器1に対して各種情報を入力することができる。
パネル2の前面の上側端部にはレシーバ穴12が設けられている。図2に示されるように、機器ケース3の背面の下側端部にはスピーカ穴13が設けられている。機器ケース3の下側の側面にはマイク穴14が設けられている。
パネル2の前面の上側端部からは、後述する第1カメラ190が有するレンズ191が視認可能となっている。図2に示されるように、機器ケース3の背面の上側端部からは、後述する第2カメラ200が有するレンズ201が視認可能となっている。
パネル2の前面の下側端部には、複数の操作ボタン15,16,17から成る操作ボタン群18が設けられている。操作ボタン15,16,17のそれぞれはハードウェアボタンである。具体的には、操作ボタン15,16,17のそれぞれは押しボタンである。なお、操作ボタン15,16,17は、表示領域2aに表示されるソフトウェアボタンであっても良い。
操作ボタン15は、例えばバックボタンである。バックボタンは、表示領域2aの表示を一つ前の表示に切り替えるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン15を操作することよって、表示領域2aの表示が一つ前の表示に切り替わる。
操作ボタン16は、例えばホームボタンである。ホームボタンは、表示領域2aにホーム画面を表示させるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン16を操作することよって、表示領域2aにホーム画面が表示される。
操作ボタン17は、例えば履歴ボタンである。履歴ボタンは、電子機器1で実行されたアプリケーションの履歴を表示領域2aに表示させるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン17を操作することよって、表示領域2aには、電子機器1で実行されたアプリケーションの履歴が表示される。
<電子機器の電気的構成>
図3は電子機器1の電気的構成の一例を主に示すブロック図である。図3に示されるように、電子機器1には、制御部100、無線通信部110、表示部120、タッチパネル140及び操作ボタン群18が設けられている。また電子機器1には、振動モータ150、レシーバ160、スピーカ170、マイク180、第1カメラ190、第2カメラ200、駆動部250,260,270及び電池210が設けられている。電子機器1に設けられたこれらの構成要素は、機器ケース3内に収められている。
制御部100は、一種の演算処理装置であって、一種の電気回路でもある。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103等を備えている。制御部100は、電子機器1の他の構成要素を制御することによって、電子機器1の動作を統括的に管理することが可能である。制御部100は、例えば、SoC(System-on-a-Chip)、MCU(Micro Control Unit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の副処理装置(co-processor)をさらに含んでも良い。この場合には、制御部100は、CPU101及び副処理装置を互いに協働させて各種の制御を行って良いし、両者のうちの一方を切り替えながら用いて各種の制御を行って良い。制御部100は制御装置100とも言える。
記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの、CPU101及びDSP102が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部103が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROM(フラッシュメモリ)である。記憶部103には、電子機器1を制御するための複数の制御プログラム103a等が記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種制御プログラム103aを実行することによって実現される。
なお、制御部100の全ての機能あるいは制御部100の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されても良い。また、記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)などを備えていてもよい。
記憶部103内の複数の制御プログラム103aには、様々なアプリケーション(アプリケーションプログラム)が含まれている。記憶部103には、例えば、音声通話及びビデオ通話を行うための通話アプリケーション、ウェブサイトを表示するためのブラウザ、電子メールの作成、閲覧及び送受信を行うためのメールアプリケーションが記憶されている。また記憶部103には、第1カメラ190及び第2カメラ200を利用して被写体を撮影するためのカメラアプリケーション、地図を表示するための地図表示アプリケーション、記憶部103に記憶されている音楽データの再生制御を行うための音楽再生制御アプリケーション、動画を再生するための動画再生アプリケーションなどが記憶されている。記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、記憶部103内にあらかじめ記憶されているものであって良い。また、記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、電子機器1が他の装置からダウンロードして記憶部103内に記憶したものであって良い。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、アンテナ111を用いて、制御部100による制御によって無線通信を行うことが可能である。無線通信部110は、電子機器1とは別の携帯電話機からの信号、あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を、基地局等を介してアンテナ111で受信することが可能である。無線通信部110は、アンテナ111で受信される受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部100に出力することが可能である。制御部100は、入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれるユーザデータ及び制御データ等を取得することが可能である。また無線通信部110は、制御部100で生成された、ユーザデータ及び制御データ等を含む送信信号に対してアップコンバート及び増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信することが可能である。アンテナ111からの送信信号は、基地局等を通じて、電子機器1とは別の携帯電話機、あるいはインターネット等に接続された通信装置で受信される。
表示部120は、電子機器1の前面に設けられたパネル2の表示領域2aと、表示パネル130とを備えている。表示部120は、表示領域2aに各種情報を表示することが可能である。表示パネル130は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル130は、制御部100によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。表示パネル130は、機器ケース3内において、表示領域2aと対向して配置されている。表示パネル130に表示される情報は表示領域2aに表示される。
タッチパネル140は、表示領域2aに対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル140は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルであって、表示領域2aの背面側に配置されている。ユーザが指等の操作子によって表示領域2aに対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号がタッチパネル140から制御部100に入力される。制御部100は、タッチパネル140からの電気信号に基づいて、表示領域2aに対して行われた操作の内容を特定して、その内容に応じた処理を行うことが可能である。
操作ボタン群18の操作ボタン15,16,17のそれぞれは、ユーザによって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部100に出力する。これにより、制御部100は、操作ボタン15,16,17のそれぞれについて、当該操作ボタンが操作されたか否かを判断することができる。操作信号が入力された制御部100が他の構成要素を制御することによって、電子機器1では、操作された操作ボタンに割り当てられている上述の機能が実行される。
振動モータ150は、例えば、3極型の直流モータである。振動モータ150は、駆動部250によって駆動されることによって、電子機器1を振動させることが可能である。具体的には、振動モータ150は、電子機器1の機器ケース3を振動させることが可能である。駆動部250は、制御部100による制御によって振動モータ150を駆動する回路である。
マイク180は、電子機器1の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力することが可能である。電子機器1の外部からの音は、マイク穴14から電子機器1の内部に取り込まれてマイク180に入力される。
スピーカ170は、例えばダイナミックスピーカである。スピーカ170は、駆動部270によって駆動される。スピーカ170は、駆動部270からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。スピーカ170は、音を出力する音出力部であると言える。駆動部270は、制御部100による制御によってスピーカ170を駆動する回路である。スピーカ170から出力される音はスピーカ穴13から外部に出力される。スピーカ穴13から出力される音は、電子機器1から離れた場所でも聞こえるようになっている。
レシーバ160は受話音を出力することが可能である。レシーバ160は例えばダイナミックスピーカで構成されている。レシーバ160は、駆動部260によって駆動される。レシーバ160は、駆動部260からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。レシーバ160は、スピーカ170と同様に、音を出力する音出力部であると言える。駆動部260は、制御部100による制御によってレシーバ160を駆動する回路である。レシーバ160から出力される音はレシーバ穴12から外部に出力される。レシーバ穴12から出力される音の音量は、スピーカ穴13から出力される音の音量よりも小さくなっている。レシーバ穴12から出力される音は、当該レシーバ穴12に耳を近づけた場合に聞こえるようになっている。
第1カメラ190は、レンズ191及び撮像素子などで構成されている。第2カメラ200は、レンズ201及び撮像素子などで構成されている。第1カメラ190及び第2カメラ200のそれぞれは、制御部100による制御に基づいて被写体を撮影し、撮影した被写体を示す静止画像あるいは動画像を生成して制御部100に出力することが可能である。
第1カメラ190のレンズ191は、電子機器1の前面から視認可能となっている。したがって、第1カメラ190は、電子機器1の前面側(表示領域2a側)に存在する被写体を撮影することが可能である。第2カメラ200のレンズ201は、電子機器1の背面から視認可能となっている。したがって、第2カメラ200は、電子機器1の背面側に存在する被写体を撮影することが可能である。
電池210は電子機器1の電源を出力することが可能である。電池210は例えば充電式の電池である。電池210から出力される電源は、電子機器1が備える制御部100及び無線通信部110などの各種構成に対して供給される。
<振動モータ及びスピーカの配置について>
図4は振動モータ及びスピーカの配置の一例を示す図である。図4には、背面側ケース5の一部をその内面5a側から見た際の平面図が示されている。
図4に示されるように、背面側ケース5の内面5aには、振動モータ150及びスピーカ170が固定されている。振動モータ150及びスピーカ170は、例えば、接着剤あるいは両面テープなどによって内面5aに固定される。振動モータ150及びスピーカ170は互いに近い場所に配置されている。なお、振動モータ150及びスピーカ170の配置については図4の例に限られない。
<音出力部の構造>
図5はスピーカ170の断面構造の一例を示す図である。なお、レシーバ160はスピーカ170と同様の構造を有している。図5に示されるように、スピーカ170は、音出力用の振動板171と、コイル172と、磁石173と、これらの構成要素を収容するケース174とを備えている。
ケース174は、例えば、中空の直方体状であって、その上面に開口174aを有している。ケース174は、開口174aがスピーカ穴13と対向するように、背面側ケース5の内面5aに固定されている。
コイル172は、振動板171の内側主面171aに取り付けられている。コイル172は、巻回された導線によって構成されている。コイル172は、その巻回軸がスピーカ170の厚さ方向と一致している。コイル172は「ボイスコイル」とも呼ばれる。
また、コイル172の中央部の空間には磁石173が配置されている。つまり、コイル172は、磁石173を取り囲むように配置されている。磁石173は、ケース174の内側底面174bに取り付けられている。
コイル172は駆動部270に接続されている。駆動部270は、制御部100に制御されることによって、コイル172に電流を流すことが可能である。コイル172に電流が流されることによって、スピーカ170が駆動される。コイル172に電流が流れると、その電流量に応じて作用する電磁力によって、当該コイル172はその巻回軸方向に沿って移動する。そして、コイル172が取り付けられた振動板171は、コイル172と共に当該コイル172の巻回軸方向に沿って移動する。駆動部270がコイル172に流す電流が大きいほど、当該電流による振動板171の移動量は大きくなる。また、振動板171が移動する向きは、当該コイル172に流す電流の向きによって制御される。駆動部270は、制御部100による制御によって、コイル172に対して、音信号としての電流信号を供給する。これにより、振動板171は音信号に応じて振動し、スピーカ170から音信号に応じた音が出力される。
なお、レシーバ160を駆動する駆動部260は、制御部100による制御によって、レシーバ160のコイルに対して、音信号としての電流信号を供給する。これにより、レシーバ160では振動板が音信号に応じて振動し、レシーバ160から音信号に応じた音が出力される。
<振動モータの構造>
図6は振動モータ150の断面構造の一例を示す図である。振動モータ150は、例えば円筒型の直流モータである。振動モータ150は回転部300を有している。この回転部300が回転することによって機器ケース3が振動する。
図6に示されるように、振動モータ150は、ケース151と、シャフト152と、軸受153,154と、コア155と、磁石156と、整流子157と、ブラシ158と、分銅159とを備えている。
ケース151は略筒状である。ケース151の長手方向の一方の端部151aの内側の面には軸受153が固定されている。ケース151の長手方向の他方の端部151bの内側の面には軸受154が固定されている。シャフト152は、軸受153,154で支持されている。シャフト152は、ケース151の端部151a側からケース151の外側に延びている。
シャフト152におけるケース151内の部分には、コア155及び整流子157が取り付けられている。ケース151内では、コア155を取り囲むように磁石156が配置されている。磁石156及びブラシ158は、ケース151の内側の面に固定されている。シャフト152の長手方向の両端部のうち、ケース151から露出している端部には、例えば半円柱状の分銅159が偏って取り付けられている。分銅159は「偏心分銅」あるいは「偏心錘」とも呼ばれる。
このような構造を有する振動モータ150では、シャフト152と、それに固定されているコア155、整流子157及び分銅159とによって、回転部300が構成されている。回転部300が回転することによって、振動モータ150が取り付けられている機器ケース3が振動する。
駆動部250は、振動モータ150に電流(電流信号)を供給することによって振動モータ150を駆動する。具体的には、駆動部250は、制御部100によって制御されることによってブラシ158に電流を供給する。ブラシ158に供給される電流は、整流子157を通じて、コア155に巻き付けられたコイル(図示せず)に流れる。これにより、シャフト152が回転し、その結果、回転部300が回転し、機器ケース3が振動する。
制御部100は、例えば、電子機器1において特定のイベントが発生した場合に、回転部300が回転するように振動モータ150を駆動部250に駆動させる。制御部100は、例えば、電子機器1において、音声通話の着信が生じた場合及び電子メールが受信された場合などに、回転部300が回転するように振動モータ150を駆動部250に駆動させる。その結果、電子機器1では、音声通話の着信が生じた場合及び電信メールが受信された場合などに機器ケース3が振動する。これにより、ユーザは、電子機器1において、音声通話の着信が生じたこと及び電子メールが受信されたことなどを知ることができる。つまり、ユーザは、電子機器1でのイベントの発生を知ることができる。なお、電子機器1が、特定のイベントが発生した場合に、機器ケース3を振動させるか否かについては、ユーザが例えば表示領域2aを操作することによって電子機器1に対して設定できる。
<振動モータの異音対策>
振動モータ150では、回転部300が回転し易いように、回転部300と、振動モータ150における、回転部300以外の他の部分(以後、単に「他の部分」と呼ぶ)との間に隙間が存在する。そのため、回転部300は、シャフト152の長さ方向(回転軸の延在方向)にがたついたり、当該長さ方向に対して垂直な方向にがたついたりする可能性がある。以後、シャフト152の長さ方向を「軸方向」と呼ぶ。
一方で、機器ケース3に固定されたスピーカ170及び振動モータ150は互いに近くに存在する。そのため、スピーカ170の振動板171が振動してスピーカ170から音が出力されている場合には、振動板171の振動が、機器ケース3を通じて振動モータ150に伝達され易い。振動モータ150に振動が伝わると、回転部300が、軸方向にがたついたり、軸方向に対して垂直な方向にがたついたりする可能性がある。回転部300ががたつくと、回転部300が他の部分に当たり、振動モータ150から異音が発生する可能性がある。
例えば、回転部300が、軸方向にがたつく場合には、分銅159がケース151及び軸受153に当たったり、コア155がケース151に当たったり、シャフト152における、分銅159が取り付けられている端部とは反対側の端部がケース151に当たったりする可能性がある。その結果、振動モータ150から異音が発生する可能性がある。また、回転部300が、軸方向に対して垂直な方向にがたつく場合には、シャフト152が軸受153,154に当たり、振動モータ150から異音が発生する可能性がある。本例では、軸方向に沿った回転部300のがたつきの方が、軸方向に対して垂直な方向に沿った回転部300のがたつきよりも大きくなっている。
このように、電子機器1では、スピーカ170の振動板171が振動しているとき、振動板171の振動が振動モータ150に伝達し、当該振動によって、振動モータ150の回転部300が他の部分に当たる可能性がある。その結果、振動モータ150から異音が発生する可能性がある。
そこで、電子機器1では、振動板171が振動しているときに、制御部100が、振動モータ150を駆動部250に適切に駆動させることによって、振動モータ150から異音が発生することを抑制している。以下にこの点について詳細に説明する。
図7は電子機器1の動作を示すフローチャートである。図7に示されるように、ステップs1において、制御部100は、駆動部270にスピーカ170を駆動させて、スピーカ170から音を出力させる場合には、ステップs2を実行する。制御部100は、例えば、音声通話の着信音をスピーカ170に出力させる場合、音楽データの再生中に音楽をスピーカ170に出力させる場合、及び動画データの再生中に音をスピーカ170に出力させる場合などにステップs2を実行する。
ステップs2では、制御部100は、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させる。ここで、非回転駆動とは、振動モータ150の回転部300が摩擦により回転しない程度のトルクが回転部300に発生するように振動モータ150を駆動することを意味する。振動モータ150では、回転部300が回転しようとすると、回転部300と他の部分との間に摩擦が発生する。例えば、整流子157とブラシ158との間及びシャフト152と軸受153,154との間などに摩擦を生じる。そのため、回転部300に発生するトルクが小さい場合には、回転部300は他の部分との間の摩擦により回転しない。つまり、駆動部250がブラシ158に与える電流が小さい場合には、回転部300は回転しない。これにより、制御部100は、回転部300が摩擦により回転しない程度のトルクが回転部300に発生するように駆動部250が振動モータ150を駆動するように駆動部250を制御することが可能である。言い換えれば、駆動部250は、ブラシ158に対して所定量の電流を供給することによって、回転部300が摩擦により回転しない程度のトルクが回転部300に発生するように振動モータ150を駆動することが可能である。ステップs2において、振動モータ150が非回転駆動されることにより、スピーカ170から音が出力されているときに、振動モータ150は、回転部300が摩擦により回転しない程度のトルクが回転部300に発生するように駆動される。言い換えれば、スピーカ170の振動板171が振動しているときに、振動モータ150は、回転部300が摩擦により回転しない程度のトルクが回転部300に発生するように駆動される。以後、機器ケース3を振動させるために振動モータ150を駆動して回転部300を回転させることを「回転駆動」と呼ぶ。
ステップs2の後、ステップs3において、制御部100は、駆動部270にスピーカ170を停止させて、スピーカ170からの音の出力を停止する場合には、ステップs4を実行する。制御部100は、例えば、スピーカ170に音声通話の着信音の出力を停止させる場合、音楽データの再生が停止してスピーカ170に音楽の出力を停止させる場合、及び動画データの再生が停止してスピーカ170に音の出力を停止させる場合などにステップs4を実行する。
ステップs4では、制御部100は、駆動部250に振動モータ150を駆動させない。つまり、制御部100は、駆動部250を制御して、振動モータ150のブラシ158に電流が供給されないようにする。
なお、制御部100は、スピーカ170から音が出力されている場合に、振動モータ150を利用して機器ケース3を振動させる必要があるときには、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させずに、駆動部250に振動モータ150を回転駆動させる。
以上のように、電子機器1では、スピーカ170の振動板171が振動しているとき、振動モータ150の回転部300が摩擦により回転しない程度のトルクが回転部300に発生するように振動モータ150が駆動される。回転部300が摩擦により回転しない程度のトルクが回転部300に発生している場合には、回転部300は軽く固定されている状態になる。言い換えれば、振動モータ150が駆動されることにより回転部300にトルクが発生しているものの、回転部300が摩擦により回転しない場合には、回転部300は軽く固定されている状態になる。そのため、回転部300は、軸方向にがたついたり、軸方向に垂直な方向にがたついたりしにくくなる。これにより、振動モータ150から異音が発生することを抑制することができる。さらに、回転部300は回転しないことから、振動モータ150の駆動により機器ケース3が不要に振動することを抑制することができる。
また、電子機器1では、スピーカ170が音の出力を停止する場合には、振動モータ150が駆動されないようになる。言い換えれば、スピーカ170の振動板171の振動が停止する場合には、振動モータ150が駆動されないようになる。したがって、振動モータ150から異音が発生する可能性が低い場合に振動モータ150が不要に駆動されることを抑制することができる。その結果、電子機器1の消費電力を低減することができる。
なお、回転部300が回転して機器ケース3が振動している場合には、回転部300はがたつきにくい。よって、振動モータ150によって機器ケース3が振動させられている場合には、振動モータ150から異音が発生することを抑制することができる。
また、レシーバ160と振動モータ150とが互いに近くに存在する場合などにおいては、レシーバ160の振動板の振動が振動モータ150に伝達し、当該振動によって、回転部300ががたついて、振動モータ150から異音が発生する可能性がある。この場合には、駆動部250は、振動板171が振動している場合と同様に、レシーバ160の振動板が振動しているときに振動モータ150を非回転駆動しても良い。
<各種変形例>
以下に各種変形例について説明する。
<第1変形例>
スピーカ170から出力される出力音の音量(以後、「スピーカ音量」と呼ぶ)が大きい場合には、振動モータ150に伝達される振動も大きい。この場合、振動モータ150の回転部300はがたつき易くなり、振動モータ150から異音が発生し易くなる。
一方で、スピーカ音量が小さい場合には、振動モータ150に伝達される振動も小さい。この場合、回転部300はがたつきにくいことから、振動モータ150から異音が発生する可能性が低い。
そこで、本変形例では、制御部100は、スピーカ音量が大きいか否かを判定する判定部として機能する。そして、制御部100は、スピーカ音量が大きいと判定するとき、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させる。一方で、制御部100は、スピーカ音量が小さいと判定するとき、駆動部250に振動モータ150を駆動させない。以下に本変形例に係る電子機器1の動作について詳細に説明する。
図8は、スピーカ170から音が出力されている場合の本変形例に係る電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。図8に示されるように、ステップs11において、制御部100は、所定基準に基づいて、スピーカ音量が大きいか否かを判定する。
ここで、ユーザは、例えば表示領域2aを操作することによって、スピーカ音量を電子機器1に設定することができる。本例では、スピーカ音量の設定値として、例えば、第1〜第10設定値までが定められている。第P設定値(1≦P≦10)のPが大きいほど、スピーカ音量は大きくなる。
ステップs11において、制御部100は、スピーカ音量の設定値が、例えば第5設定値以上である場合には、スピーカ音量が大きいと判定する。一方で、制御部100は、スピーカ音量の設定値が第5設定値未満であれば、スピーカ音量が小さいと判定する。なお、スピーカ音量が大きいか否かの判定方法についてはこの限りではない。
ステップs11において、スピーカ音量が大きいと判定されると、ステップs12において、制御部100は、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させる。一方で、ステップs11において、スピーカ音量が小さいと判定されると、ステップs13において、制御部100は、駆動部250に振動モータ150を駆動させない。
ステップs12が実行されると、再度ステップs11が実行される。また、ステップs13が実行されると、再度ステップs11が実行される。その後、電子機器1は、スピーカ170から音が出力されている間、言い換えれば、スピーカ170が駆動されている間、同様に動作する。
なお、上記と同様に、制御部100は、スピーカ170から音が出力されている場合に、振動モータ150を利用して機器ケース3を振動させる必要があるときには、駆動部250に振動モータ150を回転駆動させる。
このように、本変形例では、スピーカ音量が大きいと判定されると、振動モータ150が非回転駆動される。そのため、振動モータ150から異音が発生することをより確実に抑制することができる。
また本変形例では、スピーカ音量が小さいと判定されると、振動モータ150が駆動されない。そのため、振動モータ150が不要に駆動されることを抑制することができる。よって、電子機器1の消費電力が低減する。
なお、レシーバ160の振動板が振動しているときに振動モータ150から異音が発生する可能性がある場合には、制御部100は、レシーバ160の出力音の音量が大きいか否かを判定しても良い。この場合、制御部100は、レシーバ160の出力音の音量が大きいと判定すると、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させる。一方で、制御部100は、レシーバ160の出力音の音量が小さいと判定すると、駆動部250に振動モータ150を駆動させない。
また、スピーカ音量が大きくなると、スピーカ170の振動板171の振動は大きくなることから、スピーカ音量に応じて、振動モータ150の回転部300はがたつき易くなる。つまり、スピーカ音量が大きいほど、回転部300はがたつき易くなる。
一方で、回転部300に発生するトルクが大きくなると、回転部300はがたつきにくくなる。
そこで、制御部100は、振動モータ150が非回転駆動される場合には、駆動部250を制御して、振動モータ150の回転部300に発生するトルクをスピーカ音量に応じて大きくしても良い。言い換えれば、制御部100は、回転部300が回転しない範囲において、駆動部250を制御して、振動モータ150のブラシ158に供給される電流の大きさをスピーカ音量に応じて大きくしても良い。これにより、振動モータ150に伝わる振動の大きさに応じて、回転部300に発生するトルクを変化させることができる。そのため、回転部300に必要以上のトルクが発生することを抑制することができる。よって、電子機器1の消費電力が低減する。
<第2変形例>
電子機器1では、振動モータ150に所定周波数の振動が伝達されるとき、駆動されていない振動モータ150の回転部300が共振して、振動モータ150から大きな異音が発生する可能性がある。本変形例では、このような電子機器1において有効な振動モータ駆動方法について説明する。以後、振動モータ150に所定周波数の振動が伝達されるとき、駆動されていない振動モータ150の回転部300が共振する場合の当該所定周波数を「共振周波数」と呼ぶ。
図9は、スピーカ170から音が出力されている場合の本変形例に係る電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。図9に示されるように、ステップs21において、制御部100は、スピーカ170の出力音に、共振周波数の成分、つまりその周波数が共振周波数と一致する周波数成分(以後、「共振周波数成分」と呼ぶ)が含まれているか否かを判定する。
ステップs21において、制御部100は、例えば、駆動部250が振動モータ150のブラシ158に供給する電流信号(駆動信号)に、共振周波数成分が含まれているか否かを判定する。そして、制御部100は、ブラシ158に供給される電流信号に共振周波数成分が含まれている場合には、スピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていると判定する。一方で、制御部100は、ブラシ158に供給される電流信号に共振周波数成分が含まれていない場合には、スピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていないと判定する。制御部100は、例えば、ブラシ158に供給される電流信号に対してFFT(Fast Fourier Transform)を行い、その結果に基づいて、当該電流信号に共振周波数成分が含まれているか否かを判定することができる。
制御部100は、ステップs21において、スピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていると判定すると、ステップs22において、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させる。一方で、制御部100は、スピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていないと判定すると、ステップs23において、駆動部250に振動モータ150を駆動させない。
ステップs22が実行されると、再度ステップs21が実行される。また、ステップs23が実行されると、再度ステップs21が実行される。その後、電子機器1は、スピーカ170から音が出力されている間、言い換えれば、スピーカ170が駆動されている間、同様に動作する。
なお、上記と同様に、制御部100は、スピーカ170から音が出力されている場合に、振動モータ150を利用して機器ケース3を振動させる必要があるときには、駆動部250に振動モータ150を回転駆動させる。
このように、本変形例では、スピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていると判定されると、振動モータ150が非回転駆動される。そのため、回転部300が共振して振動モータ150から大きな異音が発生することを抑制することができる。
レシーバ160の振動板が振動しているときに振動モータ150から異音が発生する可能性がある場合には、制御部100は、レシーバ160の出力音に、回転部300についての共振周波数成分が含まれているか否かを判定しても良い。この場合、制御部100は、レシーバ160の出力音に共振周波数成分が含まれていると判定すると、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させる。一方で、制御部100は、レシーバ160の出力音に共振周波数成分が含まれていないと判定すると、駆動部250に振動モータ150を駆動させない。
また、スピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていると判定されるときだけではなく、上記の第1変形例のように、スピーカ音量が大きいと判定されるときにも、振動モータ150が非回転駆動されても良い。図10,11は、この場合の電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。図10は、図8に示されるフローチャートにおいて図9のステップs21を追加したものである。図11は、図9に示されるフローチャートにおいて図8のステップs11を追加したものである。
図10の例では、ステップs11においてスピーカ音量が大きいと判定されると、ステップs12が実行されて振動モータ150が非回転駆動される。一方で、ステップs11においてスピーカ音量が小さいと判定されると、ステップs21が実行される。ステップs21において、スピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていると判定されると、ステップs12が実行されて振動モータ150が非回転駆動される。一方で、ステップs21において、スピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていないと判定されると、ステップs13が実行される。
図11の例では、ステップs21においてスピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていると判定されると、ステップs22が実行されて振動モータ150が非回転駆動される。一方で、ステップs21においてスピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていないと判定されると、ステップs11が実行される。ステップs11においてスピーカ音量が大きいと判定されると、ステップs22が実行されて振動モータ150が非回転駆動される。一方で、ステップs11において、スピーカ音量が小さいと判定されると、ステップs23が実行される。
このように、スピーカ170の出力音に共振周波数成分が含まれていると判定される場合と、スピーカ音量が大きいと判定される場合のそれぞれにおいて、振動モータ150が非回転駆動されることによって、振動モータ150から異音が発生することをより確実に抑制することができる。
<第3変形例>
図12は本変形例に係る電子機器1の構成の一例を示す図である。本変形例に係る電子機器1は、上述の図3に示される電子機器1において、レシーバ160及び駆動部260の代わりに、圧電振動素子360及び駆動部460を設けたものである。
圧電振動素子360は、駆動部460により駆動されることによって、電子機器1の前面に位置するパネル2を振動させる。圧電振動素子360は、例えば、パネル2の内側の面に固定されている。駆動部460は、制御部100による制御によって、音信号としての駆動信号を圧電振動素子360に供給する。これにより、圧電振動素子360は、音信号に応じてパネル2を振動させる。その結果、パネル2からユーザに対して音が出力される。パネル2からは例えば受話音が出力される。ユーザは、パネル2に耳を当てることによってパネル2からの音を聞くことができる。また、ユーザは、パネル2に耳を近づけるだけでも、パネル2からの音を聞くことができる。圧電振動素子360は、例えばバイモルフ構造を有しており、撓み振動を行う。圧電振動素子360及びパネル2により、音を出力する音出力部が構成される。パネル2は、音出力用の振動板であると言える。なお、本変形例では、レシーバ穴12は不要である。
本変形例に係る電子機器1では、振動モータ150は、パネル2の近くに配置されている。例えば、振動モータ150は、前面側ケース4に固定されている。そのため、パネル2が振動しているときに、パネル2の振動が振動モータ150に伝達し、当該振動によって、駆動されていない振動モータ150の回転部300が他の部分に当たる可能性がある。その結果、パネル2が振動しているときに、振動モータ150から異音が発生する可能性がある。
そこで、本変形例では、制御部100は、パネル2が振動しているとき、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させる。これにより、パネル2が振動しているときに振動モータ150から異音が発生することを抑制することができる。
図13は本変形例に係る電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。図13に示されるように、ステップs31において、制御部100は、駆動部460に圧電振動素子360を駆動させて、パネル2から音(例えば受話音)を出力させる場合には、ステップs32を実行する。ステップs32では、制御部100は、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させる。これにより、パネル2が振動しているときに、振動モータ150が非回転駆動される。
ステップs32の後、ステップs33において、制御部100は、駆動部460に圧電振動素子360を停止させて、パネル2からの音の出力を停止する場合には、ステップs34を実行する。ステップs34では、制御部100は、駆動部250に振動モータ150を駆動させない。
なお、制御部100は、パネル2から音が出力されている場合に、振動モータ150を利用して機器ケース3を振動させる必要があるときには、駆動部250に振動モータ150を回転駆動させる。
以上のように、本変形例では、パネル2が振動しているとき、振動モータ150の回転部300が摩擦により回転しない程度のトルクが回転部300に発生するように振動モータ150が駆動される。これにより、パネル2の振動中に回転部300ががたつきにくくなり、振動モータ150から異音が発生することを抑制することができる。さらに、回転部300は回転しないことから、振動モータ150の駆動により機器ケース3が不要に振動することを抑制することができる。
なお、上述の図8の例と同様に、制御部100は、パネル2の出力音の音量が大きいか否かを判定しても良い。この場合には、制御部100は、パネル2の出力の音量が大きいと判定するとき、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させる。一方で、制御部100は、パネル2の出力の音量が小さいと判定するとき、駆動部250に振動モータ150を駆動させない。パネル2の出力音の音量が大きいか否かについては、スピーカ音量が大きいか否かを判定する場合と同様に、例えば、パネル2から出力される受話音の音量設定値に基づいて判定することができる。ユーザは、例えば表示領域2aを操作して、パネル2から出力される受話音の音量を電子機器1に設定することが可能である。
また、制御部100は、駆動部250を制御して振動モータ150を非回転駆動させる場合には、駆動部250を制御して、振動モータ150の回転部300に発生するトルクを、パネル2の出力音の音量に応じて大きくしても良い。
また、上述の図9の例と同様に、制御部100は、パネル2の出力音に共振周波数成分が含まれているか否かを判定しても良い。この場合には、制御部100は、パネル2の出力音に共振周波数成分が含まれていると判定すると、駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させる。一方で、制御部100は、パネル2の出力音に共振周波数成分が含まれていないと判定すると、駆動部250に振動モータ150を駆動させない。パネル2の出力音に共振周波数成分が含まれているか否かについては、駆動部460から圧電振動素子360に供給される駆動信号に共振周波数成分が含まれているか否かに基づいて判定することができる。圧電振動素子360に供給される駆動信号に対して例えばFFTを行い、その結果に基づいて、当該駆動信号に共振周波数成分が含まれるか否かを判定することができる。
また、上述の図10,11の例と同様に、制御部100は、パネル2の出力音に共振周波数成分が含まれていると判定するときに駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させるとともに、パネル2の出力音の音量が大きいと判定するときに駆動部250に振動モータ150を非回転駆動させても良い。
<その他の変形例>
上記の例では、電子機器1は、スマートフォン等の携帯電話機であったが、他の種類の電子機器であっても良い。電子機器1は、例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル機器などであっても良い。
以上のように、電子機器1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。