JP2016225690A - 電子機器及び電子機器の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピーカの音の出力性能を向上することが可能な技術を提供する。【解決手段】電子機器は、筐体と、当該筐体内のスピーカと、検出部とを備える。筐体は、気密性を有する。スピーカは、音出力用の振動板と、当該振動板を駆動する駆動部とを有する。検出部は、筐体の内部の気圧を検出する。駆動部は、筐体の内部の気圧の変化に応じた振動板の変化を抑制するように当該振動板を駆動する。【選択図】図11

Description

本発明は、電子機器に関する。
特許文献1にも記載されているように、従来から電子機器に関して様々な技術が提案されている。
実開平5−53394号公報
電子機器に設けられるスピーカの音の出力性能は良いことが望まれる。
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、スピーカの音の出力性能を向上することが可能な技術を提供することを目的とする。
電子機器及び電子機器の制御方法が開示される。一の実施の形態では、電子機器は、筐体と、筐体内のスピーカと、検出部とを備える。筐体は、気密性を有する。スピーカは、音出力用の振動板と、当該振動板を駆動する駆動部とを有する。検出部は、筐体の内部の気圧を検出する。駆動部は、筐体の内部の気圧の変化に応じた振動板の変化を抑制するように振動板を駆動する。
また、一の実施の形態では、電子機器の制御方法は、気密性を有する筐体内にスピーカを備える電子機器の制御方法である。電子機器の制御方法は、スピーカが有する音出力用の振動板を駆動する工程と、筐体の内部の気圧を検出する工程とを備える。振動板は、筐体の内部の気圧の変化に応じた振動板の変化を抑制するように駆動される。
スピーカの音の出力性能を向上することができる。
電子機器の外観の一例を概略的に示す斜視図である。 電子機器の外観の一例を概略的に示す裏面図である。 電子機器の断面構造の概略を示す図である。 背面側ケースをその前面側から見た際の平面図である。 カバーパネルをその内側主面側から見た際の平面図である。 電子機器の電気的構成の一例を示す図である。 電子機器の断面構造を拡大して示す図である。 筐体内部の気圧に応じて振動板が変化する様子を示す図である。 筐体内部の気圧に応じて振動板が変化する様子を示す図である。 筐体内部の気圧に応じて振動板が変化する様子を示す図である。 電子機器の動作の一例を示すフローチャートである。 筐体内部の気圧の検出結果とコイルに流す第2電流とを示す図である。 電子機器の動作の一例を示すフローチャートである。
<電子機器の外観及び内部構造>
図1及び図2は、それぞれ、電子機器1の外観の一例を概略的に示す斜視図及び裏面図である。図3は、図2に示される矢視A−Aにおける断面構造の概略を示す図である。電子機器1は、例えば、防水性を有する、スマートフォン等の携帯電話機である。電子機器1は、基地局及びサーバ等を通じて他の通信装置と通信することが可能である。
図1〜3に示されるように、電子機器1は、当該電子機器1の前面に位置するカバーパネル2と、当該カバーパネル2が貼り付けられるケース3とを備えている。ケース3は、カバーパネル2が取り付けられる前面側ケース3aと、当該前面側ケース3aに取り付けられる背面側ケース3bとを備えている。図3に示されるように、前面側ケース3aと背面側ケース3bとは、取付部材33を間に挟んで取り付けられる。取付部材33としては、例えば、防水性を有する、パッキン、接着剤あるいは両面テープなどが採用される。図4は、背面側ケース3bをその前面側から見た際の平面図である。図4の例示では、取付部材33が斜線領域で示されている。本実施の形態では、防水性を有する取付部材33によって、背面側ケース3bの周縁部の全周囲が前面側ケース3aに取り付けられている。これにより、前面側ケース3aと背面側ケース3bとの間の防水性を高めることができる。
カバーパネル2及びケース3は、電子機器1の外装を成しており、当該電子機器1の筐体10を構成している。電子機器1の形状は、例えば、平面視において略長方形の板状となっている。
カバーパネル2は、電子機器1の前面部分における、周縁部以外の部分を構成している。ケース3は、電子機器1の前面部分の周縁部、側面部分及び裏面部分を構成している。ケース3は、例えば、樹脂で、あるいは樹脂及び金属で形成されている。当該樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂あるいはナイロン系樹脂が採用される。また、当該金属としては、例えばアルミニウムなどが採用される。
カバーパネル2は、板状であって、平面視において略長方形を成している。カバーパネル2の長手方向は電子機器1の上下方向と一致する。図3に示されるように、カバーパネル2は、電子機器1の前面を構成する外側主面20と、当該外側主面20とは反対側に位置する内側主面21とを有している。
図1に示されるように、カバーパネル2は、外側主面20に平行な第1方向DR1に沿って長い略長方形を成している。したがって、外側主面20に平行かつ第1方向DR1に垂直な方向を第2方向DR2とすると、カバーパネル2における第1方向DR1に沿った長さは、カバーパネル2における第2方向DR2に沿った長さよりも大きくなっている。また、カバーパネル2の外側主面20及び内側主面21に垂直な方向を第3方向DR3とする。以降、第1方向DR1、第2方向DR2及び第3方向DR3を、それぞれ、「長手方向DR1」、「短手方向DR2」及び「厚さ方向DR3」と呼ぶことがある。
カバーパネル2は、例えば、アクリル樹脂、ガラスまたはサファイアなどによって形成されている。カバーパネル2には、表示部12の表示が透過する透明の表示領域(表示窓とも呼ばれる)2aが設けられている。表示領域2aは、例えば平面視で長方形を成している。表示部12から出力される可視光は、表示領域2aを通って電子機器1の外部に取り出される。電子機器1のユーザは、当該電子機器1の外部から、表示領域2aを通じて表示部12に表示される情報を視認可能となっている。カバーパネル2における、表示領域2aを取り囲む周縁部2bの大部分は、例えばフィルム等が貼られることによって黒色となっている。これにより、周縁部2bの大部分は、表示部12の表示が透過しない非表示部分となっている。
図3に示されるように、カバーパネル2の内側主面21にはタッチパネル13が貼り付けられている。そして、表示部12は、タッチパネル13における、内側主面21側の主面とは反対側の主面に貼り付けられている。つまり、表示部12は、タッチパネル13を介してカバーパネル2の内側主面21に取り付けられている。そして、表示部12は、カバーパネル2とケース3の底部とで挟まれている。電子機器1のユーザは、カバーパネル2の表示領域2aを指等の操作子で操作することによって、電子機器1に対して各種指示を与えることができる。
図3に示されるように、カバーパネル2は、前面側ケース3aに対して貼付部材32によって貼り付けられている。具体的には、カバーパネル2の内側主面21が、貼付部材32を介して前面側ケース3aに貼り付けられている。貼付部材32としては、例えば、防水性を有する、接着剤あるいは両面テープなどが採用される。図5は、カバーパネル2を内側主面21側から見た際の平面図である。図5では、貼付部材32が斜線領域で示されている。本実施の形態では、防水性を有する貼付部材32によって、カバーパネル2の内側主面21における周端部の全周囲が前面側ケース3aに貼り付けられている。これにより、カバーパネル2と前面側ケース3aとの間の防水性を高めることができる。
図1及び図5に示されるように、カバーパネル2の下側端部及び上側端部には、マイク穴4及びレシーバ穴5がそれぞれあけられている。また、カバーパネル2の上側端部には、後述する前面側撮像部17が有する撮像レンズが電子機器1の外部から視認できるための前面レンズ用透明部7が設けられている。
また図2に示されるように、背面側ケース3bの裏面31には、スピーカ穴6があけられている。また、背面側ケース3bの裏面31の上側端部には、後述する裏面側撮像部18が有する撮像レンズが電子機器1の外部から視認できるための裏面レンズ用透明部8が設けられている。
図3に示されるように、筐体10の内部空間30aには、外部スピーカ16が設けられている。外部スピーカ16は、後述する振動板42がスピーカ穴6と対向するように、貼付部材34によって背面側ケース3bの内側に取り付けられている。外部スピーカ16から出力される音は、スピーカ穴6から筐体10の外部空間30bに出力される。貼付部材34としては、例えば、防水性を有する両面テープが採用される。外部スピーカ16は、スピーカ穴6の全周囲を取り囲むように位置する貼付部材34によって、背面側ケース3bの内側に貼り付けられている。これにより、スピーカ穴6から筐体10の内部空間30aに水が入りにくくすることができる。外部スピーカ16の構造については、後で詳細に述べる。なお、スピーカ穴6と同様に、マイク穴4及びレシーバ穴5についても、筐体10の防水性を高めるような構造となっている。
図2〜4に示されるように、背面側ケース3bの裏面31には、筐体10の内部空間30aと外部空間30bとの気圧差を調整するための通気孔9aが設けられている。図3に示されるように、通気孔9aにおける筐体10の内部側の開口9aaを覆うように、部材9bが背面側ケース3bの内側に貼り付けられている。部材9bは、フィルム状であって、防水性及び通気性を有している。通気孔9a及び部材9bによって、筐体10の内部空間30aの気圧を調整する気圧調整部9が構成されている。この気圧調整部9によって、筐体10の内部空間30aの気圧は、筐体10の外部空間30bの気圧(例えば大気圧)との差が小さくなるように調整される。
上述のように、筐体10の構造は、その防水性を高めるような構造となっているため、筐体10の気密性は高くなっている。このため、筐体10の内部空間30aと外部空間30bとの温度差、あるいは、内部空間30aまたは外部空間30bの気圧の変化などによって、内部空間30aと外部空間30bとの間の気圧差が大きくなる場合がある。内部空間30aと外部空間30bとの間の気圧差が大きい場合には、筐体10が変形することがある。本実施の形態では、気圧調整部9によって、筐体10の内部空間30aの気圧は、外部空間30bとの気圧差が小さくなるように調整されることから、当該気圧差によって筐体10が変形することを抑制することができる。
<電子機器の電気的構成>
図6は、電子機器1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図6に示されるように、電子機器1には、制御部100、無線通信部11、表示部12、タッチパネル13、マイク14、レシーバ15、外部スピーカ16、前面側撮像部17、裏面側撮像部18及び気圧センサ19が設けられている。電子機器1に設けられたこれらの構成要素のそれぞれは、筐体10の内部空間30aに収められている。
制御部100は、一種のコンピュータであって、例えばCPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103等を備えている。制御部100は、電子機器1の他の構成要素を制御することによって、電子機器1の動作を統括的に管理することが可能である。
記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の、CPU101及びDSP102が読み取り可能な非一時的な記録媒体で構成されている。記憶部103には、電子機器1を制御するためのメインプログラム及び複数のアプリケーションプログラム等が記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種プログラムを実行することによって実現される。
なお、記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていても良い。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)等を備えていても良い。また、制御部100の機能の一部または全部は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェアによって実現されても良い。
無線通信部11は、アンテナ11aを有している。無線通信部11は、例えば、電子機器1とは別の携帯電話機あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を、基地局等を介してアンテナ11aで受信することが可能である。無線通信部11は、アンテナ11aでの受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部100に出力することが可能である。制御部100は、無線通信部11から入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる情報を取得することが可能である。また無線通信部11は、制御部100で生成された、音信号等を含む送信信号に対してアップコンバート及び増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ11aから無線送信することが可能である。アンテナ11aからの送信信号は、例えば、基地局等を通じて、電子機器1とは別の携帯電話機あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置で受信される。
表示部12は、例えば、液晶ディプレイあるいは有機ELディスプレイによって構成される。表示部12は、制御部100に制御されることによって、文字、記号、図形等の各種情報を表示することが可能である。表示部12が表示する情報は、カバーパネル2の表示領域2aを通じて、電子機器1のユーザに視認可能となる。
タッチパネル13は、カバーパネル2の表示領域2aに対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル13は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。ユーザが指等の操作子によってカバーパネル2の表示領域2aに対して操作を行うと、その操作に応じた操作信号がタッチパネル13から制御部100に入力される。制御部100は、タッチパネル13からの操作信号に基づいて、表示領域2aに対して行われた操作の内容を特定して、その内容に応じた処理を行うことが可能である。なおユーザは、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどの静電式タッチパネル用ペンによって表示領域2aを操作することによっても、電子機器1に対して各種指示を与えることができる。
マイク14は、電子機器1の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力することが可能である。電子機器1の外部からの音は、例えば、電子機器1の前面に設けられたマイク穴4から電子機器1の内部に取り込まれてマイク14に入力される。
外部スピーカ16は、例えばダイナミックスピーカである。外部スピーカ16は、音を出力する振動板42と、当該振動板42を駆動する駆動部23とを備える。駆動部23は、振動板42に取り付けられたコイル44、磁石45及び駆動回路24を備える。駆動回路24は、コイル44に制御部100からの音信号に基づく電流を流すことによって、振動板42を振動させて音を出力することが可能である。外部スピーカ16から出力される音は、例えば、背面側ケース3bの裏面31に設けられたスピーカ穴6から電子機器1の外部に出力される。スピーカ穴6から出力される音については、例えば、電子機器1から離れた場所でも聞こえるような音量となっている。外部スピーカ16の構造及び動作については後で詳細に述べる。
レシーバ15は、例えばダイナミックスピーカで構成されており、受話音を出力することが可能である。レシーバ15は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。レシーバ15から出力される音は、例えば、電子機器1の前面に設けられたレシーバ穴5から電子機器1の外部に出力される。レシーバ穴5から出力される音の音量は、例えば、外部スピーカ16からスピーカ穴6を介して出力される音の音量よりも小さくなっている。
なおレシーバ15に替えて、圧電振動素子が設けられてもよい。圧電振動素子は、制御部100によって制御され、音声信号等の音信号に基づいて振動することが可能である。圧電振動素子は、例えばカバーパネル2の内側主面21に設けられており、音信号に基づく自身の振動によってカバーパネル2を振動させることが可能である。そして、ユーザが自身の耳をカバーパネル2に近づけることにより、カバーパネル2の振動が音としてユーザに伝達される。レシーバ15に替えて圧電振動素子が設けられる場合には、レシーバ穴5は不要である。
前面側撮像部17は、撮像レンズ及び撮像素子などで構成されている。前面側撮像部17は、制御部100による制御に基づいて、静止画像及び動画像を撮像することが可能である。前面側撮像部17は、電子機器1の前面側、つまりカバーパネル2の外側主面20側に存在する物体を撮像することが可能である。
裏面側撮像部18は、撮像レンズ及び撮像素子などで構成されている。裏面側撮像部18は、制御部100による制御に基づいて、静止画像及び動画像を撮像することが可能である。裏面側撮像部18は、電子機器1の裏面側、つまり背面側ケース3bの裏面31側に存在する物体を撮像することが可能である。
気圧センサ19は、気圧を検出することが可能である。気圧センサ19は、例えば、ピエゾ抵抗方式の圧力センサである。気圧センサ19は、筐体10の内部空間30aに設けられており、当該内部空間30aの気圧を検出することが可能である。また気圧センサ19は、検出した筐体10の内部空間30aの気圧を示す気圧情報を制御部100に出力することが可能である。
<外部スピーカの構造>
図7は、図3に示される断面構造において、外部スピーカ16の付近を拡大して示す図である。本実施の形態では、外部スピーカ16は、ダイナミックスピーカである。外部スピーカ16は、電磁力によって振動板42を振動させて音を出力することが可能である。
図7に示されるように、外部スピーカ16は、振動板42、取付部43、コイル44及び磁石45と、これらの構成要素を収容するケース41とを備える。
ケース41は、例えば、中空の円柱状であって、その上面に円状の開口41cを有する。ケース41は、開口41cがスピーカ穴6と対向するように、背面側ケース3bの内側に貼付部材34によって取り付けられている。ケース41は、開口41cが形成される前面側部分41aと、当該前面側部分41aに取り付けられる背面側部分41bとを備える。前面側部分41aと背面側部分41bとは、貼付部材47によって貼り付けられている。貼付部材47としては、例えば、防水性を有する接着剤が採用される。これにより、前面側部分41aと背面側部分41bとの間から筐体10の内部空間30aに水が入りにくくすることができる。
振動板42は、例えば、平面視において円形を成しており、スピーカ穴6と対向する外側主面42aと、当該外側主面42aとは反対側の内側主面42bとを有する。振動板42は、例えば、外側主面42a側に凸となるドーム形状となっている。振動板42は、その側面の全周囲が取付部43を介してケース41の内側に取り付けられている。振動板42は、「ダイヤフラム」とも呼ばれる。なお、振動板42の形状は、外側主面42a側に凸となるドーム形状に限られず他の形状であってもよい。例えば、振動板42の形状は、平らな板状であってもよいし、内側主面42b側に凸となるコーン状であってもよい。
取付部43は、平面視において振動板42を取り囲むような環状を成しており、振動板42の側面とケース41との間の全周囲において、厚さ方向DR3に沿って背面側ケース3b側に凸状となっている。取付部43の内周側端の全周囲は振動板42に取り付けられている。また、取付部43の外周側端の全周囲は、ケース41の内側に取り付けられている。
振動板42及び取付部43は、防水性を有する材料によって形成されている。これにより、ケース41における、振動板42の内側主面42b側の空間に水が入りにくくすることができる。
振動板42の内側主面42bにおける周縁部には、コイル44が取り付けられている。コイル44は、巻回された導線によって構成されている。コイル44は、その巻回軸が厚さ方向DR3と一致している。コイル44は、「ボイスコイル」とも呼ばれる。
また、コイル44の中央部の空間には磁石45が配置されている。つまり、コイル44は、磁石45を取り囲むように配置されている。磁石45は、貼付部材46によってケース41の背面側部分41bの底に取り付けられている。
コイル44は、駆動回路24に接続されている。駆動回路24は制御部100によって制御される。駆動回路24は、コイル44に電流を流すことができる。コイル44に電流が流れると、その電流量に応じて作用する電磁力によって、当該コイル44は厚さ方向DR3に沿って移動する。そして、コイル44が取り付けられた振動板42は、コイル44と共に厚さ方向DR3に沿って移動する。駆動回路24がコイル44に流す電流が大きいほど、当該電流による振動板42の移動量は大きくなる。また、コイル44に流れる電流によって振動板42が移動する向きは、当該コイル44に流す電流の向きによって制御される。
制御部100は、外部スピーカ16の駆動回路24に対して音信号を供給することができる。駆動回路24は、コイル44に対して、制御部100からの音信号に基づく第1電流を流すことができる。そして振動板42は、当該第1電流に基づく電磁力によって振動して音を出力することができる。コイル44、磁石45及び駆動回路24は、制御部100からの制御信号に基づいて、振動板42を駆動する駆動部23として機能する。
ケース41の底面部分には、貫通孔41dが設けられている。この貫通孔41dによって、ケース41における振動板42の内側主面42b側の空間の通気性が確保される。これにより、外部スピーカ16の音の出力性能を向上することができる。
なお、レシーバ15を構成するダイナミックスピーカも外部スピーカ16と同様の構造を有している。
<筐体内部の気圧変化による振動板の変化>
上述のように、本実施の形態では、筐体10はその防水性を高めるような構造となっており、その気密性も高くなっている。筐体10の内部空間30aの気圧は、気圧調整部9によって外部空間30bとの気圧差が小さくなるように調整される。しかしながら、通気孔9aの直径は、例えば略1mmと小さく、また防水性及び通気性を有するフィルム状の部材9bによって開口9aaが覆われているため、筐体10の内部空間30aあるいは外部空間30bの気圧が急激に変化した場合には、これらの気圧差がすぐに小さくならないことがある。
例えば、筐体10の表面が外部からの圧力によって内側に撓むように急激(例えば1秒未満)に変形した場合には、筐体10の内部空間30aの体積が減少して当該内部空間30aの気圧が上昇する。そして筐体10の内部空間30aと外部空間30bとの間の気圧差が大きくなる。筐体10が変形したままの状態では、内部空間30aの気圧は、気圧調整部9によって調整されて徐々に減少していき、最終的には外部空間30bの気圧と略一致する。この気圧の調整には、例えば、数秒〜数十秒の時間を要する。
図7に示されるように、振動板42の外側主面42aには筐体10の外部空間30bの気圧がかかり、振動板42の内側主面42bには筐体10の内部空間30aの気圧がかかる。したがって、筐体10の内部空間30aと外部空間30bとの間に気圧差がある場合には、振動板42の位置が変化することがある。具体的には、筐体10の内部空間30aの気圧が外部空間30bの気圧よりも高い場合には、振動板42は、外側主面42a側に移動する。一方、外部空間30bの気圧が内部空間30aの気圧よりも高い場合には、振動板42は、内側主面42b側に移動する。内部空間30aと外部空間30bとの気圧差が大きいほど、当該気圧差による振動板42の移動量は大きくなる。
図8〜10は、筐体10の内部空間30aの気圧に応じて振動板42が変化する様子を示す図である。図8の例示では、筐体10の表面が外部からの圧力によって、厚さ方向DR3に沿って内側に撓む様子を示している。このような筐体10の変形は、例えば、カバーパネル2の外側主面20と背面側ケース3bの裏面31とが厚さ方向DR3に沿って、ユーザの指などによって強く押された場合に生じる。
図7で示される、筐体10が変形していない状態から、図8に示されるように、筐体10の表面が内側に撓むように変形した場合には、筐体10の内部空間30aの体積が減少するため、当該内部空間30aの気圧が上昇する。筐体10の内部空間30aの気圧が外部空間30bの気圧よりも高くなる場合には、図8に示されるように、振動板42は、気圧差に応じて、厚さ方向DR3に沿って外側主面42a側に移動する。
筐体10の内部空間30aの気圧が外部空間30bの気圧よりも大きくなった場合には、内部空間30aの気圧は、気圧調整部9によって、外部空間30bとの気圧差が小さくなるように調整される。図8に示されるように、筐体10が変形したままの状態が保持される場合には、筐体10の内部空間30aの気圧は、気圧調整部9によって調整されて、例えば、数秒〜数十秒かけて外部空間30bの気圧と一致するように徐々に減少する。そして、筐体10の内部空間30aと外部空間30bとの気圧差が小さくなるにつれて、振動板42の位置も徐々に元に戻る。
図9は、図8に示されるように筐体10が変形したままの状態で、内部空間30aの気圧が元に戻る、つまり外部空間30bの気圧と略一致したときの振動板42の様子を示す図である。筐体10の内部空間30aの気圧が外部空間30bの気圧と略一致する場合には、図9に示されるように、振動板42の位置は元に戻る。
図10は、図9に示される状態から、筐体10にかかる外圧が小さくなった場合、例えば、カバーパネル2の外側主面20と背面側ケース3bの裏面31とを押さえていたユーザの指が離された場合に振動板42が変化する様子を示す図である。筐体10の形状が図9に示される形状から図10に示される元の形状に戻る場合には、筐体10の内部空間30aの体積が増加するため、筐体10の内部空間30aの気圧が減少する。筐体10の内部空間30aの気圧が外部空間30bの気圧よりも小さくなる場合には、図10に示されるように、振動板42は、気圧差に応じて、厚さ方向DR3に沿って内側主面42b側に移動する。
そして、筐体10の内部空間30aの気圧は、気圧調整部9によって調整されて、例えば、数秒〜数十秒かけて外部空間30bの気圧と一致するように徐々に上昇する。そして、筐体10の内部空間30aと外部空間30bとの気圧差が小さくなるにつれて、振動板42の位置も徐々に元に戻る。
上述のように、振動板42の位置が筐体10の内部空間30aと外部空間30bとの気圧差によって変化している場合には、外部スピーカ16の音の出力性能が低下することがある。例えば、外部スピーカ16が音を出力しているか否かに関わらず、図8及び図10に示されるように、筐体10の内部空間30aの気圧変化に応じて振動板42の位置が変化するときに異音が発生する場合がある。また、図8及び図10に示されるように振動板42の位置が変化している状態で、外部スピーカ16が振動板42を振動させて音を出力する場合には、その音響特性が低下する場合がある。例えば、振動板42が移動可能な範囲の端付近まで移動している場合には、振動板42の振動が制限されるため、外部スピーカ16の音圧及び音質が低下することがある。
そこで、本実施の形態では、外部スピーカ16は、筐体10の内部空間30aの気圧変化による振動板42の変化を抑制するように駆動される。以下では、この駆動方法について詳細に説明する。
<電子機器の動作>
図11は、電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、気圧センサ19は、筐体10の内部空間30aの気圧を検出する。気圧センサ19は、例えば、第1時間毎に筐体10の内部空間30aの気圧を検出し、当該気圧を示す気圧情報を制御部100に出力する。
次にステップS2において、制御部100は、気圧センサ19からの気圧情報に基づいて、筐体10の内部空間30aの気圧が変化しているか否かを判定する。ステップS2では、例えば、制御部100は、内部空間30aの現在の気圧と、内部空間30aの過去の気圧の平均値とを比較することによって、内部空間30aの気圧が変化しているか否かを判定する。具体的には、まず、制御部100は、気圧センサ19の過去の検出結果に基づいて、過去の第2時間分の内部空間30aの気圧の平均値を算出する。第2時間は第1時間よりも大きく設定される。例えば、第1時間は1秒未満に、第2時間は数秒に設定される。そして、制御部100は、ステップS1で検出された内部空間30aの気圧と、算出した平均値との差分の絶対値を求めて、求めた絶対値が所定値以上のときには、内部空間30aの気圧が変化していると判定する。一方で、制御部100は、求めた絶対値が所定値未満のときには、内部空間30aの気圧が変化していないと判定する。これにより、制御部100は、筐体10の内部空間30aの急激な気圧変化を検出することができる。
ステップS2において、否定的な判定がなされる場合、つまり、制御部100によって、筐体10の内部空間30aの気圧が変化していないと判定されると、再度ステップS1が実行される。ステップS1及びS2は、ステップS2において肯定的な判定がなされるまでの間、例えば、第1時間毎に繰り返し実行される。
一方、ステップS2において、肯定的な判定がなされる場合、つまり、制御部100によって、筐体10の内部空間30aの気圧が変化していると判定されると、ステップS3が実行される。ステップS3において、駆動部23は、制御部100に制御されることによって、気圧センサ19が検出する内部空間30aの気圧に基づく第2電流をコイル44に流す。第2電流は、振動板42が内部空間30aの気圧に応じて変化するのを抑制するように制御される。
上述のように、筐体10の内部空間30aと外部空間30bとの気圧差が大きいほど、当該気圧差による振動板42の移動量は大きくなる。また、駆動回路24がコイル44に流す電流が大きいほど、当該電流による振動板42の移動量は大きくなる。このことから、制御部100は、振動板42が内部空間30aの気圧に応じて移動するのを抑制するために、ステップS1で検出された内部空間30aの気圧と、ステップS2で算出された内部空間30aの気圧の平均値との差分の絶対値が大きいほど、ステップS3において駆動回路24がコイル44に流す第2電流を大きくする。
また、制御部100は、振動板42が内部空間30aの気圧に応じて移動するのを抑制するように、駆動回路24がコイル44に流す第2電流の向きを制御する。具体的には、制御部100は、ステップS1で検出された内部空間30aの気圧が、ステップS2で算出された内部空間30aの気圧の平均値よりも大きい場合、つまり振動板42が外側主面42a側に移動するような場合には、振動板42が内側主面42b側に移動するように、駆動回路24がコイル44に流す第2電流の向きを制御する。一方、制御部100は、ステップS1で検出された内部空間30aの気圧が、ステップS2で算出された内部空間30aの気圧の平均値よりも小さい場合、つまり振動板42が内側主面42b側に移動するような場合には、振動板42が外側主面42a側に移動するように、駆動回路24がコイル44に流す第2電流の向きを制御する。
次にステップS4において、気圧センサ19は、筐体10の内部空間30aの気圧を検出する。そして、気圧センサ19は、検出した筐体10の内部空間30aの気圧を示す気圧情報を制御部100に出力する。
次にステップS5において、制御部100は、気圧センサ19からの気圧情報に基づいて、筐体10の内部空間30aの気圧が元に戻ったか否かを判定する。ステップS5では、例えば、制御部100は、ステップS4で検出された内部空間30aの気圧と、ステップS2で算出した内部空間30aの気圧の平均値との差分の絶対値を求めて、求めた絶対値が所定値よりも小さいときには、内部空間30aの気圧が元に戻ったと判定する。
ステップS5において、否定的な判定がなされる場合、つまり、制御部100によって、筐体10の内部空間30aの気圧が元に戻っていないと判定されると、ステップS6が実行される。ステップS6において、制御部100は、ステップS3での処理と同様に、ステップS4で検出された内部空間30aの気圧と、ステップS2で算出された内部空間30aの気圧の平均値とに基づいて、駆動回路24がコイル44に流す第2電流の大きさ及び向きを制御する。そして、再度ステップS4が実行される。ステップS4〜S6は、ステップS5において肯定的な判定がなされるまでの間、例えば、第1時間毎に繰り返し実行される。
ステップS5において、肯定的な判定がなされる場合、つまり、制御部100によって、筐体10の内部空間30aの気圧が元に戻ったと判定されると、再度ステップS1が実行される。
図12は、気圧センサ19によって検出される筐体10の内部空間30aの気圧と、駆動部23がコイル44に流す第2電流とを示す図である。図12の上側のグラフ110は、気圧センサ19が検出する筐体10の内部空間30aの気圧の時間変化を示している。また図12の下側のグラフ120は、駆動部23がコイル44に流す第2電流の時間変化を示している。グラフ120では、振動板42を外側主面42a側に移動させる第2電流の向きを正の方向としている。以下では、図11で示したフローチャートをもとに、気圧センサ19が検出する内部空間30aの気圧がグラフ110で示すように変化する場合を例に電子機器1の動作について説明する。
図12のグラフ110に示されるように、定常状態では(時刻T1よりも前)、筐体10の内部空間30aの気圧は、気圧調整部9によって調整されて、外部空間30bの気圧と略一致している。定常状態では、制御部100が筐体10の内部空間30aの気圧が変化していないと判定するため、駆動部23はコイル44に第2電流を流さない(図11でのステップS1及び2)。
図12に示される時刻T1に、例えば、図8に示されるように筐体10の表面が内側に撓むように変形した場合には、グラフ110に示されるように、気圧センサ19が検出する筐体10の内部空間30aの気圧が上昇する。これにより、図8に示されるように、振動板42は、外側主面42a側に移動する。そして制御部100によって、筐体10の内部空間30aの気圧が変化していると判定されると(図11でのステップS2)、グラフ120に示されるように、駆動部23は、制御部100の制御によって、振動板42の位置を内側主面42b側に戻すようにコイル44に第2電流を流す(図11でのステップS3)。駆動部23は、制御部100によって内部空間30aの気圧が元に戻ったと判定されるまでの間、気圧センサ19が検出する内部空間30aの気圧の検出結果に基づいて、コイル44に流す第2電流を制御する(図11でのステップS4〜6)。
図8で示されるように筐体10が変形したままの状態では、気圧調整部9によって内部空間30aの気圧は外部空間30bとの気圧差が小さくなるように調整される。これにより、内部空間30aの気圧は外部空間30bの気圧と略一致するまで徐々に減少していく。この気圧調整には、例えば、数秒〜数十秒の時間を要する。内部空間30aの気圧が元に戻るように減少していく場合には、振動板42の位置は元に戻っていく。この場合、グラフ120に示されるように、駆動部23はコイル44に流す第2電流を、気圧センサ19が検出する内部空間30aの気圧の検出結果に基づいて減少させていく(図11でのステップS4〜6)。
そして図9に示されるように、筐体10の表面が内側に撓むように変形した状態、かつ筐体10の内部空間30aの気圧が外部空間30bの気圧と略一致しており、振動板42の位置が元に戻った状態となる。駆動部23は、制御部100によって内部空間30aの気圧が元に戻ったと判定されると(図11でのステップS5)、コイル44への第2電流の供給を一旦止める(図11でのステップS1を再度実行)。
次に時刻T2において、図10に示されるように、筐体10の外部からの圧力が小さくなり筐体10の形状が元に戻る場合には、筐体10の内部空間30aの気圧が減少し、振動板42は、内側主面42b側に移動する。駆動部23は、制御部100によって内部空間30aの気圧が変化したと再度判定されると(図11でのステップS2)、振動板42の位置を外側主面42a側に戻すようにコイル44に第2電流を流す(図11でのステップS3)。グラフ120に示されるように、駆動部は、制御部100の制御によって、気圧センサ19が検出する内部空間30aの気圧の検出結果に基づいて、コイル44に流す第2電流を制御する(図11でのステップS4〜6)。
そして、内部空間30aの気圧は、気圧調整部9に調整されて、外部空間30bの気圧と略一致するまで徐々に上昇していく。この気圧調整には、例えば、数秒〜数十秒の時間を要する。内部空間30aの気圧が元に戻るように上昇していく場合には、振動板42の位置は元に戻っていく。グラフ120に示されるように、駆動部はコイル44に流す第2電流を、気圧センサ19が検出する内部空間30aの気圧の検出結果に基づいて減少させていく(図11でのステップS4〜6)。
以上のように、駆動部23は、制御部100の制御によって、気圧センサ19が検出する筐体10の内部空間30aの気圧の検出結果に基づいて、内部空間30aの気圧の変化に応じた振動板42の変化、詳細には内部空間30aの気圧の変化に応じた振動板42の位置の変化を抑制するように、当該振動板42を駆動する。これにより、振動板42が内部空間30aの気圧の変化に応じて移動することを抑制することができる。したがって、外部スピーカ16の音出力の性能が低下することを抑制することができる。
駆動部23は、制御部100からの音信号に基づいて、振動板42に取り付けられたコイル44に第1電流を流すことによって当該振動板42を振動させて音を出力させることができる。一方、振動板42が筐体10の内部空間30aの気圧変化に応じて変化するのを抑制するような制御は、駆動部23がコイル44に第2電流を流すことによって行われる。このため、上記のような、内部空間30aの気圧変化に応じた振動板42の変化を抑制するような駆動は、外部スピーカ16が音を出力しているか否かにかかわらず行うことができる。
<変形例>
なお、駆動部23は、外部スピーカ16が音を出力するときに限って、内部空間30aの気圧の変化に応じた振動板42の変化を抑制するように、当該振動板42を駆動してもよい。図13は、このように振動板42を駆動する場合の電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。
まずステップS11において、気圧センサ19は、筐体10の内部空間30aの気圧を検出する。気圧センサ19は、例えば、第1時間毎に筐体10の内部空間30aの気圧を検出し、当該気圧を示す気圧情報を制御部100に出力する。制御部100は、気圧センサ19の過去の検出結果に基づいて、過去の第2時間分の内部空間30aの気圧の平均値を算出する。
次にステップS12において、制御部100は、外部スピーカ16から音を出力するか否かを判定する。ステップS12において、否定的な判定がなされる場合、ステップS11が再度実行される。
一方、ステップS12において、制御部100によって、外部スピーカ16から音を出力すると判定されると、ステップS13が実行される。ステップS13において、制御部100は、気圧センサ19からの気圧情報に基づいて、筐体10の内部空間30aの気圧が変化しているか否かを判定する。制御部100は、ステップS11で検出された内部空間30aの気圧と、ステップS11で算出した平均値との差分の絶対値を求めて、求めた絶対値が所定値以上のときには、内部空間30aの気圧が変化していると判定する。一方で、制御部100は、求めた絶対値が所定値未満のときには、内部空間30aの気圧が変化していないと判定する。
ステップS13において、制御部100によって、内部空間30aの気圧が変化していないと判定されると、ステップS18が実行される。ステップS18において、駆動部23は、制御部100からの音振動に基づいて、コイル44に第1電流を流す。そして振動板42は、第1電流に基づいて振動させられて音を出力する。
一方、ステップS13において、制御部100によって、内部空間30aの気圧が変化していると判定されると、ステップS14が実行される。ステップS14において、駆動部23は、コイル44に第1及び第2電流を流す。具体的には、駆動部23は、制御部100からの音信号に基づく第1電流に、気圧センサ19が検出する内部空間30aの気圧の検出結果に基づく第2電流を重畳した電流をコイル44に流す。ステップS14において、制御部100は、図11のステップS3での処理と同様に、ステップS11で検出された内部空間30aの気圧と、ステップS11で算出された内部空間30aの気圧の平均値とに基づいて、駆動回路24がコイル44に流す第2電流の大きさ及び向きを制御する。
次にステップS15において、気圧センサ19は、筐体10の内部空間30aの気圧を検出する。そして、ステップS16において、制御部100は、気圧センサ19からの気圧情報に基づいて、筐体10の内部空間30aの気圧が元に戻ったか否かを判定する。ステップS16では、例えば、制御部100は、ステップS15で検出された内部空間30aの気圧と、ステップS13で用いた内部空間30aの気圧の平均値との差分の絶対値を求めて、求めた絶対値が所定値よりも小さいときには、内部空間30aの気圧が元に戻ったと判定する。
ステップS16において、制御部100によって、筐体10の内部空間30aの気圧が元に戻っていないと判定されると、ステップS17が実行される。ステップS17において、駆動部23は、制御部100からの音信号に基づく第1電流に、気圧センサ19が検出する内部空間30aの気圧の検出結果に基づく第2電流を重畳した電流をコイル44に流す。ステップS17において、制御部100は、ステップS14での処理と同様に、ステップS15で検出された内部空間30aの気圧と、ステップS11で算出された内部空間30aの気圧の平均値とに基づいて、駆動回路24がコイル44に流す第2電流の大きさ及び向きを制御する。そして再度ステップS15が実行される。ステップS16に肯定的な判定がなされるまでの間、駆動部23は、コイル44に第1電流を流して振動板42から音を出力させながら、第1電流に重畳してコイル44に流す第2電流を気圧センサ19が検出する内部空間30aの気圧の検出結果に基づいて制御する。
一方、ステップS16において、制御部100によって、筐体10の内部空間30aの気圧が元に戻ったと判定されると、ステップS18が実行される。駆動部23は、第1電流に第2電流を重畳するのを止めて、コイル44に第1電流を流す。
上記のように、駆動部23は、外部スピーカ16から音を出力させるとき、制御部100からの音信号に基づく第1電流に、気圧センサ19が検出する内部空間30aの気圧の検出結果に基づいて第2電流を重畳することによって、振動板42が内部空間30aの変化によって変化することを抑制する。これにより、コイル44に流す第1電流に第2電流を重畳するという簡単な方法によって、外部スピーカ16が音を出力している場合であっても、筐体10の内部空間30aの気圧変化に応じて振動板42が変化することを抑制することができる。したがって、外部スピーカ16の音出力時の性能が低下することを簡単に抑制することができる。
なお上記の例では、駆動部23は、外部スピーカ16が音を出力するか否かにかかわらず、または音を出力するときに限って、内部空間30aの気圧の変化に応じた振動板42の変化を抑制するように、当該振動板42を駆動する場合について説明したが、駆動部23は、外部スピーカ16が音を出力しないときに限って、内部空間30aの気圧の変化に応じた振動板42の変化を抑制するように、当該振動板42を駆動してもよい。
また上記の例では、外部スピーカ16の振動板42の駆動方法について説明したが、レシーバ15を構成するダイナミックスピーカも外部スピーカ16と同様の構造を有しているため、レシーバ15が有する音出力用の振動板も、外部スピーカ16の振動板42と同様に、筐体10の内部空間30aの気圧変化によって変化するのを抑制するように駆動することができる。これにより、レシーバ15の音の出力性能が低下するのを抑制することができる。
また上記の例では、本開示の技術をスマートフォン等の携帯電話機に適用する場合を例にあげて説明したが、本開示の技術は、スピーカを備える他の電子機器にも適用することができる。例えば、本開示の技術は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末あるいは腕などに装着するウェアラブルタイプの電子機器等にも適用することができる。
以上のように、電子機器は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 電子機器
10 筐体
15 レシーバ
16 外部スピーカ
19 気圧センサ
23 駆動部
24 駆動回路
30a 内部空間
30b 外部空間
42 振動板
44 コイル
45 磁石
100 制御部

Claims (5)

  1. 気密性を有する筐体と、
    音出力用の振動板と、当該振動板を駆動する駆動部とを有する、前記筐体内のスピーカと、
    前記筐体の内部の気圧を検出する検出部と、を備え、
    前記駆動部は、前記筐体の内部の気圧の変化に応じた前記振動板の変化を抑制するように前記振動板を駆動する、電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器であって、
    前記振動板に取りつけられたコイルを有し、
    前記駆動部は、前記筐体の内部の気圧に基づいて所定の電流を前記コイルに流すことにより、前記筐体の内部の気圧の変化に応じた前記振動板の変化を抑制するように前記振動板を駆動する、電子機器。
  3. 請求項1に記載の電子機器であって、
    前記駆動部は、前記振動板から音を出力させるとき、前記検出部での検出結果に基づいて、前記筐体の内部の気圧の変化に応じた前記振動板の変化を抑制するように前記振動板を駆動する、電子機器。
  4. 請求項3に記載の電子機器であって、
    前記振動板に取り付けられたコイルを有し、
    前記駆動部は、前記コイルに第1電流を流すことによって前記振動板から音を出力させ、そして前記第1電流に重畳して前記コイルに流す第2電流を前記筐体の内部の気圧に基づいて制御することによって、前記筐体の内部の気圧の変化に応じた前記振動板の変化を抑制するように前記振動板を駆動する、電子機器。
  5. 気密性を有する筐体内にスピーカを備える電子機器の制御方法であって、
    前記スピーカが有する音出力用の振動板を駆動する工程と、
    前記筐体の内部の気圧を検出する工程と、を備え、
    前記振動板は、前記筐体の内部の気圧の変化に応じた前記振動板の変化を抑制するように駆動される、電子機器の制御方法。
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