JP7279771B2 - 電子機器及びウェアラブル機器 - Google Patents
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電子機器には、スピーカーが発する音声によってユーザーへの各種通知を行うものもあるが、スピーカーが故障すると、音声再生処理を行っているにもかかわらず音声が発せられないという不具合が生じる。これに対し、特許文献1には、マイクロフォンを用いてスピーカーが発した音声を検出することでスピーカーの故障を診断する装置が開示されている。
また、本発明に係るウェアラブル機器は、所定のセンサーから出力される気圧データに基づいて海抜高度を導出可能なウェアラブル機器であって、円筒状のスペーサーにおける前記円筒の一方の開口を塞ぐ保護部材と、前記円筒の内部に向けて音を出力する向きで配置されるとともに前記円筒の他方の開口を振動板によって塞ぐスピーカーと、前記スピーカーを動作させたときに前記センサーが出力した前記円筒の内部の気圧データを用いて、前記スピーカーの異常を検出する状態検出制御手段と、を備えることを特徴とする。
[電子機器の構成]
以下、本発明に係る電子機器100について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1に示すように、電子機器100は、メインユニット部100aと、サブユニット部100bと、を備えて構成されている。メインユニット部100aは、例えばスマートフォン等の外部の情報端末であり、メインユニット部100aとサブユニット部100bは無線通信接続されている。また、ユーザー装着型の活動量計等の様に、メインユニット部100aとサブユニット部100bとが一体となった構成であってもよい。
図3は、図2(b)のIIa-IIa切断線から見たサブユニット部100bの断面図であり、図3(a)は構成部品を組み立てた図、図3(b)は構成部品ごとに分解した分解図である。
なお、スピーカー4は、音出力手段として機能する。
即ち、気圧センサー31は、準閉空間である空間Aの気圧を検出するため、筐体10の内部の閉空間(筐体10の内壁、スピーカー4及びスペーサー14で囲まれた空間:空間B)の気圧の変動に影響されない。したがって、例えばサブユニット部100bに何らかの負荷がかかり、筐体10が変形した場合にも、気圧センサー31はこれに影響されることなく正確に外気圧を測定することが可能である。
なお、気圧センサー31は、気圧検出手段として機能する。
図4に示すように、メインユニット部100aは、中央制御部1Aと、メモリー2と、メイン通信部5aと、メイン電源部6aと、操作入力部7と、表示部8と、を備え、中央制御部1A、メモリー2、メイン通信部5a、メイン電源部6aと、操作入力部7と、表示部8は、バスライン9aを介して接続されている。
また、サブユニット部100bは、センサー部3と、スピーカー4と、サブ通信部5bと、サブ電源部6bと、を備え、センサー部3と、スピーカー4と、サブ通信部5bと、サブ電源部6bは、バスライン9bを介して接続されている。
具体的には、中央制御部1Aは、電子機器100の各部を制御するCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え(何れも図示略)、電子機器100用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
なお、中央制御部1Aは、状態検出制御手段及び通知制御手段として機能する。
また、センサー部3は、電子機器100の位置情報を取得可能なGPS受信機、3軸加速度センサー、ジャイロセンサー等の電子機器100の動きを検出可能なモーションセンサー32などを備え、測定結果を中央制御部1Aに出力する。
サブ通信部5bは、メインユニット部100aのメイン通信部5aと無線通信接続され、センサー部3により取得したデータを中央制御部1Aによる制御に基づいて、メインユニット部100aに出力するものであり、例えばBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格を採用した通信部である。
なお、メインユニット部100aとサブユニット部100bとが一体となった構成の場合、サブ通信部5bは必ずしも備える必要はない。
サブ電源部6bは、サブユニット部100bの動作に係る電力を所定の電圧で供給する。サブ電源部6bは、例えば、各種方式の電池(リチウム電池、ニッケル・水素充電池等)を具備している。
なお、表示部8は、後述するように電子機器100の異常状態をユーザーへ通知する通知部として機能する。
次に、第1の実施形態に係る電子機器100における、スピーカー4の異常の検出方法について説明する。
本実施形態に係る電子機器100は、スピーカー4が音声再生の指示を受けているにもかかわらず音声を発していない、又は音声は発しているが設定音量より小さい、等のスピーカー4の異常を検出し、電子機器100が異常状態にあることをユーザーに通知する。
気圧センサー31は、上述したように空間Aの気圧を検出し、検出結果を中央制御部1Aへ伝達する。中央制御部1Aは、気圧センサー31の検出結果に基づいて、海抜高度を算出し、スピーカー4を制御して通知用の音声を再生させる。通知用の音声とは、現在の海抜高度をユーザーに通知するものであり、中央制御部1Aの制御下で定期的に再生される。
気圧センサー31は、スピーカー4が発する音声に起因する空間Aにおける空気の振動を、空間Aにおける気圧の変化として検出することが可能である。即ち、通知用の音声の再生時の気圧センサー31への入力情報(気圧データ)と、予めメモリー2に記憶された、同じ気圧条件下で音声を再生した場合における気圧センサー31への入力情報(第1の基準データ)との相関を取ることで、スピーカー4が正しく音声を発しているか否かを判断することができる。例えば、第1の基準データ(波形、周波数、音圧等)と通知用の音声の再生時の気圧データとの第1の相関係数を算出し、当該第1の相関係数の値が所定の範囲外(第1の数値範囲外)である場合、即ち、通知用の音声の再生時の気圧データと第1の基準データの類似性が高い場合には、音声が正常に再生されていると判断する。逆に、第1の相関係数が第1の数値範囲内である場合には、音声再生処理を行っているにもかかわらず音声が再生されていない等の、スピーカー4の不具合が生じていると判断する。
したがって、基準データ量を抑えるためには、再生音声ごとにその音声の特徴となる再生箇所を特定し、その前後の一定感における気圧データを基準データとして保持しておくことが望ましい。あるいは、例えば再生音声を「高度○○メートルです。」といった海抜高度の読み上げに限定する場合には、『メートルです。』の部分が始まる時間をテーブル化して保持しておき、その時間から一定時間の音声再生時の気圧データとして保持しておくことが有効である。
中央制御部1Aは、音声の再生が完了すると、音声再生処理を終了する。
一方で、中央制御部1Aは、第1の相関係数が第1の数値範囲内であると判断すると(ステップS105:NO)、ユーザーにスピーカー4が異常状態であることを通知する(ステップS106)。ここでスピーカー4の異常状態の通知として、中央制御部1Aは、メインユニット部100aの表示部8にユーザーへの通知を表示させたり、あるいは発光ダイオードやバイブレーションモーターを制御して、ユーザーへの通知を行ったりすることが可能である。中央制御部1Aは、ユーザーへの通知を完了すると、音声再生チェック処理を終了する。
[スピーカー及び筐体の異常状態の検出方法]
次に、第2の実施形態に係る電子機器200における、スピーカー4の異常及び防水膜13の異常の検出方法について説明する。図6は、第2の実施形態に係る電子機器200の主制御構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る電子機器200は、第1の実施形態と同様に、スピーカー4の異常状態を検出する一方で、防水膜13に破損が生じているなど、音孔11(開口部)に付帯する部品としての防水膜13が破損した異常状態を検出し、当該異常状態をユーザーに通知する点と、当該処理を実行する状態検出制御手段としての中央制御部1Bを備える点で、第1の実施形態に係る電子機器100と相違する。
上記したように、気圧センサー31は、スピーカー4が発する発信音に起因する空間Aにおける空気の振動を気圧の変化として検出する。この時、防水膜13が空気の振動に伴って振動するが、防水膜13の状態によって振動の仕方が変動するため、気圧センサー31によって検出される空間Aの気圧が変動することとなる。
即ち、電子機器200は、スピーカー4が異常状態であり、防水膜13が正常状態である場合において、スピーカー4による音声を発したときの気圧センサー31が検出する気圧を第2の基準データ、スピーカー4が正常状態であり、防水膜13が異常状態である場合において、スピーカー4による音声を発したときの気圧センサー31が検出する気圧を第3の基準データ、スピーカー4及び防水膜13が正常状態である場合において、スピーカー4による音声を発したときの気圧センサー31が検出する気圧を第4の基準データとして、のメモリー2内に保持する。
中央制御部1Bは、通知用の音声の再生時の気圧センサー31への入力情報(気圧データ)と、予めメモリー2に記憶された、同じ気圧条件下で音声を再生した場合における気圧センサー31への入力情報(第2の基準データ、第3の基準データ、第4の基準データ)との相関を取ることで、スピーカー4及び防水膜13の異常状態を検出する。例えば、第4の基準データと気圧データとの第4の相関係数を算出し、当該第4の相関係数の値が所定範囲外(第4の数値範囲外)、即ち第4の基準データと気圧データとの類似性が高い場合には、スピーカー4及び防水膜13が正常状態であると判断できる。また、第2の相関係数が所定範囲外(第2の数値範囲外)である場合には、第2の基準データと気圧データとの類似性が高いため、スピーカー4が異常状態であり、第3の相関係数が所定範囲外(第3の数値範囲外)である場合には、第3の基準データと気圧データとの類似性が高いため、防水膜13が異常状態であることが示唆される。
中央制御部1Bは、音声の再生が完了すると、音声再生処理を終了する。
中央制御部1Bは、第2の相関係数が第2の数値範囲内であると判断すると(ステップS206:NO)、ステップS208へと移行する。
中央制御部1Bは、第3の相関係数が第3の数値範囲内であると判断すると(ステップS208:NO)、スピーカー4及び防水膜13が異常状態であると判断し、ユーザーにスピーカー4及び防水膜13の異常状態を表示部8により通知し(ステップS210)、音声再生・防水膜状態チェック処理を終了する。
例えば、電子機器200は、スピーカー4及び防水膜13が異常状態である場合において、スピーカー4による音声を発したときの気圧センサー31が検出する気圧を第5の基準データとして保持する場合、中央制御部1Bは、第5の相関係数が所定範囲外(第5の数値範囲外)である場合、即ち第5の基準データと気圧データとの類似性が高い場合には、スピーカー4及び防水膜13が異常状態であることが示唆される。したがって、第2の相関係数、第3の相関係数、第4の相関係数及び第5の相関係数を適宜組み合わせることによって音声再生・防水膜状態チェック処理を行うことが可能である。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
筐体と、
前記筐体内部に配置され、音を出力する音出力手段と、
前記筐体内部に配置され、気圧を検出する気圧検出手段と、
前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出した前記筐体内部の気圧データを用いて、前記音出力手段の異常を検出する状態検出制御手段と、を備える
ことを特徴とする電子機器。
<請求項2>
前記状態検出制御手段は、
前記音出力手段が正常な状態において、前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出する前記筐体内部の気圧データを第1の基準データとして、
前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出した前記筐体内部の気圧データと前記第1の基準データとを用いて、前記音出力手段の異常を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項3>
前記状態検出制御手段は、
前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出した前記筐体内部の気圧データと前記第1の基準データとの第1の類似性を求め、当該第1の類似性が所定以上の類似性を持たないと判断した場合、前記音出力手段に異常があると判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
<請求項4>
前記筐体は開口部を有し、当該電子機器は前記開口部に付帯する部品を備え、
前記状態検出制御手段は、前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出した前記筐体内部の気圧データを用いて、前記音出力手段及び前記部品の異常を検出する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項5>
前記状態検出制御手段は、
前記音出力手段に異常があり、かつ前記部品が正常な状態において、前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出する前記筐体内部の気圧データを第2の基準データ、
前記部品に異常があり、かつ前記音出力手段が正常な状態において、前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出する前記筐体内部の気圧データを第3の基準データ、として、
前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出した前記筐体内部の気圧データと、前記第2の基準データと前記第3の基準データとを用いて、前記音出力手段及び前記部品の異常を検出する
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
<請求項6>
前記状態検出制御手段は、
前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出した前記筐体内部の気圧データと前記第2の基準データとの第2の類似性を求め、当該第2の類似性が所定以上の類似性を持つと判断した場合、前記音出力手段に異常があると判断する
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
<請求項7>
前記状態検出制御手段は、
前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出した前記筐体内部の気圧データと前記第3の基準データとの第3の類似性を求め、当該第3の類似性が所定以上の類似性を持つと判断した場合、前記部品に異常があると判断する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電子機器。
<請求項8>
通知部と、
前記状態検出制御手段によって異常が検出された場合に、当該異常を前記通知部により通知させる通知制御手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項9>
前記気圧検出手段が検出する気圧データは、前記状態検出手段とは別の処理を行う手段に用いられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項10>
筐体を備えた電子機器の状態検出方法であって、
前記筐体内部に配置された音出力手段により、音を出力する工程と、
前記筐体内部に配置された気圧検出手段により、気圧を検出する工程と、
前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出した前記筐体内部の気圧データを用いて、前記音出力手段の異常を検出する工程と、を備える
ことを特徴とする電子機器の状態検出方法。
<請求項11>
筐体を備えた電子機器のコンピューターを、
前記筐体内部に配置され、音を出力する音出力手段、
前記筐体内部に配置され、気圧を検出する気圧検出手段、
前記音出力手段を動作させた時の前記気圧検出手段が検出した前記筐体内部の気圧データを用いて、前記音出力手段の異常を検出する状態検出制御手段、
として機能させるためのプログラム。
100a メインユニット部
100b サブユニット部
1A、1B 中央制御部(状態検出制御手段、通知制御手段)
2 メモリー
3 センサー部
31 気圧センサー(気圧検出手段)
32 モーションセンサー
4 スピーカー(音出力手段)
5a メイン通信部
5b サブ通信部
6a メイン電源部
6b サブ電源部
7 操作入力部
8 表示部(通知部)
9a、9b バスライン
10 筐体
10a フロント部材
10b リア部材
11 音孔(開口部)
11a 保護部材
12 ネット
13 防水膜(部品)
14 スペーサー
Claims (3)
- 円筒状のスペーサーにおける前記円筒の一方の開口を塞ぐ防水膜又は防塵膜と、
前記円筒の内部に向けて音を出力する向きで配置されるとともに前記円筒の他方の開口を振動板によって塞ぐスピーカーと、
前記円筒の内部の気圧データを出力するセンサーと、
前記スピーカーを動作させたときに前記センサーが出力した前記円筒の内部の気圧データを用いて、前記スピーカーの異常を検出する状態検出制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。 - 前記センサーは、前記円筒の壁面に設けられた空洞に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 所定のセンサーから出力される気圧データに基づいて海抜高度を導出可能なウェアラブル機器であって、
円筒状のスペーサーにおける前記円筒の一方の開口を塞ぐ保護部材と、
前記円筒の内部に向けて音を出力する向きで配置されるとともに前記円筒の他方の開口を振動板によって塞ぐスピーカーと、
前記スピーカーを動作させたときに前記センサーが出力した前記円筒の内部の気圧データを用いて、前記スピーカーの異常を検出する状態検出制御手段と、
を備えることを特徴とするウェアラブル機器。
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