JP2017128414A - 支持ピン引き出し治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻上機の機台からキャリパユニットの支持ピンを簡単に引き出すことができる支持ピン引き出し治具を提供する。【解決手段】支持ピン引き出し治具40は、キャリパユニット20の支持ピン35を機台17から引き出す治具であって、支持ピン35の一端に設けられた雌ねじ35aと、雌ねじ35aに先端がネジ固定可能な引き出しネジ軸41と、支持ピン35の周辺に配置された機台17の一部に底面が当接し、上面に引き出しネジ軸がネジ結合される支持体42と、を含み、引き出しネジ軸41の先端を雌ネジ35aにネジ固定した状態で引き出しネジ軸41を回転することによって支持ピン35を機台17から引き出すものである。【選択図】図5

Description

本発明は、エレベータ用巻上機の機台からキャリパユニットを支持している支持ピンを引き出す治具、特に、ネジ軸を用いて支持ピンを引き出す治具に関する。
エレベータ用巻上機の制動機構には、巻上機のプーリ軸に固定されたブレーキディスクと、当該ディスクに圧接するように配置されたブレーキパッドを含むキャリパユニットとによって当該プーリ軸に制動力を作用させるものがある。
このような制動機構では、キャリパユニットは支持ピンを介して巻上機の機台にスライド可能に支持されており、キャリパユニットがブレーキディスクの厚み方向にスライドすることでブレーキパッドがブレーキディクスに対して接離するように構成されている。
特許文献1には、キャリパユニット両端を支持する支持ピンを当該ピンの軸方向と垂直な方向に変位可能に支持する変位機構を設け、巻上機の機台が駆動モータの排熱によって熱膨張しても当該ピンの軸間距離を維持できるようにすることでキャリパユニットのスライド移動に支障がでないようにした巻上機の制動機構が開示されている。
特開2015‐155348号公報
ところで、上述したキャリパユニットの支持ピンは、定期的にキャリパユニットから引き抜いて洗浄やグリスの再塗布を行う必要がある。また、制動時にキャリパユニットがガタつかないようにする必要があるため、キャリパユニットの支持ピンは巻上機の機台に設けられた取付用孔に堅く固定されている。このため、保守点検時に、巻上機の機台からキャリパユニットの支持ピンを引き出すのに大変な手間を要する場合があり問題であった。
本発明の目的は、巻上機の機台からキャリパユニットの支持ピンを簡単に引き出すことができる支持ピン引き出し治具を提供することにある。
本発明の一態様に係る支持ピン引き出し治具は、巻き上げロープを上下動させるプーリ軸と、プーリ軸と連動して回転するブレーキディスクと、ブレーキディスクに圧接してプーリ軸の回転を制動するブレーキパッドを有するキャリパユニットと、を含み、キャリパユニットは、ブレーキパッドをブレーキディスクに接離するために支持ピンにスライド可能に支持され、この支持ピンはエレベータ用巻上機の機台に固定されているエレベータ用巻上機において、キャリパユニットの支持ピンを機台から引き出す支持ピン引き出し治具であって、支持ピンの一端に設けられた雌ねじと、雌ねじに先端がネジ固定可能な引き出しネジ軸と、支持ピンの周辺に配置された機台の一部に底面が当接し、上面に引き出しネジ軸がネジ結合される支持体と、を含み、引き出しネジ軸の先端を雌ネジにネジ固定した状態で引き出しネジ軸を回転することによって支持ピンを機台から引き出すものである。
本発明の別の態様に係る支持ピン引き出し治具は、巻き上げロープを上下動させるプーリ軸と、プーリ軸と連動して回転するブレーキディスクと、ブレーキディスクに圧接してプーリ軸の回転を制動するブレーキパッドを有するキャリパユニットと、を含み、キャリパユニットは、ブレーキパッドをブレーキディスクに接離するために支持ピンにスライド可能に支持され、この支持ピンはエレベータ用巻上機の機台に固定されている、エレベータ用巻上機において、キャリパユニットの支持ピンを機台から引き出す支持ピン引き出し治具であって、支持ピンの一端に設けられた雌ねじと、雌ねじに先端がネジ固定可能な引き出しネジ軸と、支持ピンの周辺に配置された機台の一部に底面が当接し、引き出しネジ軸を軸方向に移動させる引き出し機構が上面に取り付けられた支持体と、を含み、引き出しネジ軸の先端を雌ねじにネジ固定した状態で、引き出し機構によって支持ピンを機台から引き出すものである。
本発明の別の態様に係る支持ピン引き出し治具は、巻上ロープを上下動させるプーリ軸と、プーリ軸と連動して回転するブレーキディスクと、ブレーキディスクに圧接してプーリ軸の回転を制動するブレーキパッドを有するキャリパユニットと、を含み、キャリパユニットは、ブレーキパッドをブレーキディスクに接離するために支持ピンにスライド可能に支持され、この支持ピンはエレベータ用巻上機の機台に固定されている、エレベータ用巻上機において、キャリパユニットの支持ピンを機台から引き出す支持ピン引き出し治具であって、支持ピンの一端に設けられた雌ねじと、雌ねじに先端がネジ固定可能に形成され、長手方向に沿って歯列が設けられた引き出しラックと、前記支持ピンの周辺に配置された機台の一部に底面が当接し、引き出しラックを長手方向にスライド移動可能に支持するとともに、引き出しラックの歯列に噛み合うピニオンを有し、ピニオンを介して引き出しラックをスライド移動させる回転機構を有する支持体と、を含み、引き出しラックの先端を雌ねじにネジ固定した状態で、回転機構によって引き出しラックを長手方向に沿ってスライド移動させて支持ピンを機台から引き出すものである。
本発明の一態様に係る支持ピン引き出し治具によれば、引き出しネジ軸の先端を雌ねじにネジ固定した状態で、引き出しネジ軸を回転することによって支持ピンを機台から引き出すことができる。このため、巻上機の機台からキャリパユニットの支持ピンを簡単に引き出すことができる。
本発明の別の態様に係る支持ピン引き出し治具によれば、引き出しネジ軸の先端を雌ねじにネジ固定した状態で、引き出し機構によって引き出しネジ軸を軸方向に移動させることにより支持ピンを機台から引き出すことができる。このため、巻上機の機台からキャリパユニットの支持ピンを簡単に引き出すことができる。
本発明の別の態様に係る支持ピン引き出し治具によれば、引き出しラックの先端を雌ねじにネジ固定した状態で、回転機構によって引き出しラックを長手方向に沿ってスライド移動させることにより支持ピンを機台から引き出すことができる。このため、巻上機の機台からキャリパユニットの支持ピンを簡単に引き出すことができる。
本発明の第1実施形態である支持ピン引き出し治具が適用されるブレーキキャリパを含む巻上機の正面図である。 図1に示す巻上機の側面図である。 図2に含まれるキャリパユニットの制動時の構成を示す部分拡大図である。 図2に含まれるキャリパユニットの非制動時の構成を示す部分拡大図である。 本発明の第1実施形態である支持ピン引き出し治具の斜視図である。 図6(a)は機台の取付用孔に挿通固定されている支持ピンに引き出し治具を取り付けた状態を示す図であり、図6(b)は図6(a)と同様に引き出し治具によって支持ピンを引き出す途中の状態を示す図である。 本発明における第1実施形態の変形例である引き出し治具の断面図である。 本発明の第2実施形態である支持ピン引き出し治具の断面構成図である。 本発明における第2実施形態の変形例である引き出し治具を示す図である。 図9に示す引き出しアームおよび引き出し軸の構成を示す部分拡大図である。 本発明の第3実施形態である支持ピン引き出し治具の構成を示す図である。
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、第1実施形態の支持ピン引き出し治具40が適用されるキャリパユニット20,21を含む巻上機10の正面図である。図2は、図1に示す巻上機10の側面図である。図1では、巻上ロープの図示を省略している。
図1及び図2に示すように、巻上機10は、エレベータ昇降路の直上の機械室Rに設置されており、図示しない乗りかごを昇降させる機能を有している。巻上機10は、巻上ロープを上下動させる綱車18を軸支するプーリ軸12と、プーリ軸12に連動して回転するブレーキディスク19と、ブレーキディスク19に制動力を作用させるキャリパユニット20,21とを含んでいる。
図2に示すように、プーリ軸12は、鋼材15の上面に立設した機台16,17によって両端側を回転支持されている。プーリ軸12は、機台16に支持された駆動用モータMの駆動力を巻上ロープが架け渡された綱車18に伝達する役割を有している。機台17は、キャリパユニット20を支持する支持部17a,17bと、キャリパユニット21を支持する支持部17c,17dと、をY軸方向の両端にそれぞれ有している。綱車18は、プーリ軸12を介して機台17に回転支持されており、機台16を間に挟んで駆動用モータMと対向するように配置されている。ブレーキディスク19は、略環状に形成されており、綱車18の側面にボルト等を介して固定されている。
続いて、図3および図4を参照しつつキャリパユニット20の構成について説明する。図3は、図2に示すキャリパユニット20の制動時における動作状態を示す部分拡大図である。図4は、図3と同様に、キャリパユニット20の非制動時における動作状態を示す部分拡大図である。キャリパユニット20,21は同一の構成を備えるため、以下においてキャリパユニット20についてのみ説明するものとする。
図3および図4に示すように、キャリパユニット20は、ブレーキディスク19の両側にブレーキパッド22,23を押しつけて制動する。一方のブレーキパッド22は、キャリパユニット20の中で、バネ付勢力と電磁吸引力によってブレーキディスク19に対して接離する。他方のブレーキパッド23は、キャリパユニット20に固定されており、キャリパユニット20がブレーキディスク19に対して全体として移動することで、ブレーキディスク19に対して接離する。このため、キャリパユニット20は、機台17に固定された支持ピン35,36に摺動可能である。
キャリパユニット20は、支持ピン35,36に摺動するユニットベース24と、このベース24に固定され、他方のブレーキパッド23を固定するブリッジ25とを含んでいる。ユニットベース24は、X軸方向から見て略円盤状に形成され、上下にフランジ部24a,24bを有している。フランジ部24aには、支持ピン35を挿通するためのスライド支持孔H2が設けられている。フランジ部24bについては、フランジ部24aと同様の構成であるため説明を省略する。
一方のブレーキパッド22は、アーマチュア26に突出部26aを介して固定され、アーマチュア26はユニットベース24に軸支されブレーキディスク19に対してブレーキパッド22を接離可能である。ユニットベース24には、励磁コイル27が埋め込まれ、コイル27の励磁によってアーマチュア26が引きつけられ、図4のC方向に移動してブレーキパッド22をブレーキディスク19から離す。
このとき、他方のブレーキパッド23は、ブリッジ25に突出部25aを介して固定されており、ユニットベース24を含むキャリパユニット20全体が図4のD方向に移動することでブレーキディスク19から離れる。すなわち、隙間調整ボルト28bが、支持部17bのボルト固定用ねじ孔H3に螺合された状態で、フランジ部24bの挿通孔H4に差し込まれ、隙間調整バネ28aを圧縮状態に保持している。このため、キャリパユニット20は、隙間調整バネ28aによって、図4のD方向に、常時、付勢されている。
従って、一方のブレーキパッド22が図4のC方向に移動してブレーキディスク19から離れると、隙間調整バネ28aの付勢力によってキャリパユニット20全体が図4のD方向に移動して他方のブレーキパッド23もブレーキディスク19から離れ、非制動状態となる。
また、ユニットベース24には、アーマチュア26の上下両端と対向する位置に挿通孔24d,24eが設けられ、この挿通孔24d,24eにトルク調整バネ29a,29bと、当該調整バネ29a,29bを圧縮状態で保持するトルク調整ボルト31a,31bが取り付けられている。トルク調整バネ29a,29bによって、アーマチュア26に常時、ブレーキディスク19に向かう付勢力が与えられている。従って、励磁コイル27のオフ時にはトルク調整バネ29a,29bの付勢力によってブレーキパッド22はブレーキディスク19に向かって図3のA方向に移動する。このとき、ブレーキパッド22がブレーキディスク19に当接すると、ブレーキディスク19はX軸方向には変位しないため、隙間調整バネ28aの付勢力に打ち勝つトルク調整バネ29a,29bの付勢力によってキャリパユニット20はブレーキパッド22とは反対に図3のB方向に移動する。このようにして、図3に示されるようにブレーキパッド22,23がブレーキディスク19を押し付ける制動状態となる。
キャリパユニット20の支持ピン35,36に沿った移動は、フランジ部24aの上面にボルト32a,32bを介して固定された間隙調整板32の先端が機台17の支持部17aに係合することによって規制されている。これにより、キャリパユニット20が機台17から脱落するのを防止できる。
続いて、上述した支持ピン35およびその周辺構成について説明する。支持ピン36については、支持ピン35と同一であるため説明を省略する。図3および図4に示すように、支持ピン35の軸方向端面には雌ねじ35aが軸中心に設けられている。そして、支持ピン35の先端部には、係合溝35bが周方向に沿って形成されている。これに対し、機台17の支持部17aにはストッパー38がボルト38aによって着脱自在に取り付けられており、ストッパー38の先端は支持ピン35の係合溝35bに係合している。これにより、支持ピン35のX軸方向の移動を規制して支持ピン35の脱落を防止している。
また、キャリパユニット20をスライド可能に支持する支持ピン35は、定期的にスライド支持孔H2および取付用貫通孔H5から引き抜いて清掃およびグリスの再塗布等を行う必要がある。
しかしながら、支持ピン35に塗布されているグリスが経年劣化等している場合には、支持ピン35と取付用貫通孔H5の隙間に劣化したグリスが固着して支持ピン35が抜け難くなる場合がある。このような場合には、機台17の取付用貫通孔H5から支持ピン35を引き抜くのに大変な手間と労力を要する。そこで、本実施形態では、図5に示す支持ピン引き出し治具40を用いて機台17の取付用貫通孔H5から支持ピン35を引き出し易くしている。
図5に示すように、支持ピン引き出し治具40は、前述した支持ピン35の頭部に設けられた雌ねじ35aに先端がネジ固定可能な引き出しネジ軸41と、引き出しネジ軸41がネジ結合される支持体42とを含んでいる。支持体42は、略六角柱状の長ナット43と、長ナット43によって引き出しネジ軸41にネジ結合される支持部材44とから構成されている。支持部材44は、取付用貫通孔H5(図4参照)の周囲の支持部17aに底面44aを当接させた状態で配置可能な大きさに形成された略L字断面の支持板である。支持部材44の上端には側板45が溶接等によって取り付けられている。側板45は、長ナット43を固定するために支持体42の上面を構成しており、引き出しネジ軸41を挿通するための挿通孔45aが設けられている。
また、引き出しネジ軸41のねじ先に蝶ネジ46を取り付けてもよい。蝶ネジ46は、引き出しネジ軸41を支持ピン35の雌ねじ35aに螺合させた状態で、支持ピン35を押圧するようにねじ込むことで引き出しネジ軸41と支持ピン35を一体に固定することができる。これにより、長ナット43が回転しても引き出しネジ軸41が共回りせず作業を行い易くできる。
続いて、図6(a)および図6(b)を用いて、引き出し治具40を用いた支持ピン35の引き出し方法について説明する。図6(a)は、機台17の取付用貫通孔H5に挿通固定されている支持ピン35に引き出し治具40を取り付けた状態を示す図である。同図(b)は、引き出し治具40によって支持ピン35を引き出す途中の状態を示す図である。
図6(a)および図6(b)に示すように、引き出し治具40は、ストッパー38(図4参照)を機台17の支持部17aから予め取り外した状態で、支持ピン35に取り付けられる。これにより、支持体42の支持部材44を安定的に配置することができる。具体的には、引き出しネジ軸41を支持ピン35の雌ねじ35a(図4参照)に螺合させてネジ固定する。そして、支持ピン35を押圧するように蝶ネジ46をねじ込んで、引き出しネジ軸41の先端を支持ピン35に一体固定する。この状態で、例えば、レンチ等の工具を用いて支持部材44の側板45を押圧するように長ナット43を回転させ締め込む。この際、支持ピン35は、上述したように、取付用貫通孔H5に堅く固着しているため長ナット43を締め込んでも共回りしない。そして、支持部材44の側板45を長ナット43が押圧するのに伴って、その反力が長ナット43から引き出しネジ軸41に作用し、図6(b)に示すように、取付用貫通孔H5から引き出しネジ軸41に固定された支持ピン35が引き出される。
なお、機台17の取付用貫通孔H5から支持ピン35がある程度抜けると、取付用貫通孔H5と支持ピン35との固着状態が弱まり、支持ピン35が長ナット43の回転方向に共回りする場合もある。このような状態になると、引き出し治具40を支持ピン35から取り外し、支持ピン35を手で直接引っ張ることで簡単に引き抜くことができる。
支持ピン35を引き抜いた後、支持ピン35に付着している古いグリスを取り除いて新しいグリスを塗布後、取付用貫通孔H5に支持ピン35を戻して点検作業が終了する。上記同様の手順で、支持ピン36についても点検作業が行われる。
第1実施形態の支持ピン引き出し治具40によれば、引き出しネジ軸41の先端を支持ピン35の雌ねじ35aにネジ固定した状態で、引き出しネジ軸41を回転することによって支持ピン35を機台17から引き出すことができる。このため、巻上機10の機台17からキャリパユニット20の支持ピン35を簡単に引き出すことができる。
続いて、図7〜図11を用いて、第1実施形態の変形例および第2、第3実施形態の引き出し治具について順次説明を行う。以下の説明において、第1実施形態の引き出し治具40と同一の構成については同一符号を付して説明を適宜省略し、構成の異なる部分についてのみ説明を行うものとする。
図7は、第1実施形態の変形例である引き出し治具60の断面図である。引き出し治具60は、第1実施形態における支持体42の代わりに、支持体62を備えている。この支持体62は、有底筒状の支持部材64と、支持部材64よりも外径が小さい有底筒状の筒状部66とから構成されている。支持部材64は、上面の軸中心を貫通する貫通孔64aが設けられている。一方、筒状部66は、上面の軸中心を貫通するねじ孔66aが設けられている。そして、引き出しネジ軸41は、支持部材64の貫通孔64aに挿通された状態で筒状部66のねじ孔66aに螺合されている。そのため、引き出しネジ軸41を支持ピン35の雌ねじ35aにネジ固定した状態で、筒状部66を手で回転させて機台17の支持部17aを押圧するように支持部材64を締め付けることができる。この場合には、レンチ等の工具を用いて筒状部66を回転させる必要が無いため、より簡便に支持ピン35を引き出すことができる。
次に、図8を用いて本発明の第2実施形態である引き出し治具70について説明する。図8は、本発明の第2実施形態である支持ピン引き出し治具70の断面構成図である。引き出し治具70は、前述した支持ピン35の頭部に設けられた雌ねじ35a(図4参照)と、雌ねじ35aに先端がネジ固定可能な引き出しネジ軸71と、引き出しネジ軸71が挿通される支持体72とを含んでいる。引き出しネジ軸71のねじ先には、蝶ネジ46が螺合されていてもよい。支持体72は、機台17の支持部17aに底面72aが当接可能に形成され、上端部72bが直角に折れ曲がり上面をなす略L字状の板状部材である。支持体72の上端部72bは、引き出しネジ軸71が挿通された貫通孔H7が設けられている。
また、支持体72の上端部72bには、引き出しネジ軸71を軸方向に移動させる引き出し機構80が取り付けられている。この引き出し機構80は、引き出しネジ軸71の先端を支持ピン35の雌ねじ35a(図4参照)に螺合させた状態で、支持ピン35を機台17から引き出す機能を有している。引き出し機構80は、引き出しネジ軸71が挿通されたねじ孔81aが中央部に設けられたベース板81と、ベース板81の両端に一端がそれぞれ回転自在に連結された一対の引き出しアーム82a,82bとを有している。ベース板81は、軸方向に移動可能に引き出しネジ軸71に螺合されており、引き出しネジ軸71を回転させることで支持体72に接近または離間させることができる。
ベース板81は、引き出しネジ軸71に螺合されたナット77をベース板81に当接する方向に締め付けて共締めすることにより、引き出しネジ軸71に固定できる。これにより、引き出しネジ軸71に対するベース板81の位置を調整して、引き出しネジ軸71の引き出し方向である図8のG方向への移動量を設定できる。
引き出しアーム82a,82bは、回転可能に連結されたリンク86a,86bを介して支持体72の上端部72bの端面に回転自在に連結されている。一対の引き出しアーム82a,82bの先端部にはグリップ84a,84bがそれぞれ取り付けられており、手で握り易くしている。
第2実施形態の引き出し治具70では、引き出しネジ軸71に対する引き出し機構80のベース板81の位置を調整してからナット77を共締めしてベース板81を引き出しネジ軸71に固定する。そして、上記第1実施形態と同様に、引き出しネジ軸71を支持ピン35に一体固定し、一対の引き出しアーム82a,82bを図8のE,Fの方向へ移動させることにより、引き出しネジ軸71を引き出し方向である図8のGの方向へ移動させることができる。これにより、上記第1実施形態における引き出し治具40と同様の効果を得ることができる。
図9は、本発明の第2実施形態の変形例である引き出し治具90を示す図である。図10は、引き出しアーム102および引き出しネジ軸91の構成を示す部分拡大図である。
図9および図10に示すように、引き出し治具90は、前述した支持ピン35の頭部に設けられた雌ねじ35a(図4参照)と、雌ねじ35aに先端がネジ固定可能な引き出しネジ軸91と、引き出しネジ軸91が挿通される支持体93とを含んでいる。引き出しネジ軸91は、ネジ軸部91aと、矩形の断面形状を有する棒状部91bとから構成されている。ネジ軸部91aには、蝶ネジ46が螺合されていてもよい。支持体93は、機台17の支持部17aに底面93aが当接可能に形成された略L字状の板状部材である。支持体93の上端部には、上面を構成する側板94が取り付けられている。この側板94には、引き出しネジ軸91の棒状部91bよりも少しだけ大きいサイズに形成された矩形形状の貫通孔が設けられており、当該貫通孔に棒状部91bが軸方向に移動可能に挿通されている。
支持体93の上面には、引き出し機構100が配置されている。この引き出し機構100は、引き出しネジ軸91に係合して引き出し方向である図9のG方向に引き出しネジ軸91を引き出す機能を有している。引き出し機構100は、引き出しアーム102と、引き出しアーム102を回転可能に支持する回転支持部104とを有している。
図10に示すように、引き出しアーム102には、回転軸102aを介して係止爪108が回転可能に取り付けられている。この回転軸102aには、一端が引き出しアーム102の突出部102bに係止され、他端が係止爪108の突起部108aに係止されたバネ110が軸支されている。そして、係止爪108は、バネ110によって引き出しネジ軸91の方に常に付勢されている。また、引き出しアーム102には、係止爪108が付勢されて回転する方向にストッパーとして機能する突起102cも設けられている。これにより、係止爪108の脱落を防止している。一方、引き出しネジ軸91における棒状部91bの係止爪108と対向する位置には、係止爪108と噛み合うように歯列92が軸方向に沿って設けられている。このため、引き出しネジ軸91の先端を支持ピン35の雌ねじ35aにネジ固定した状態で、引き出しアーム102を図9のJ方向に回動させることにより、引き出しネジ軸91を引き出し方向であるG方向に移動させて支持ピン35を引き出すことができる。
図11は、本発明の第3実施形態である引き出し治具140を示す図である。引き出し治具140は、前述した支持ピン35の頭部に設けられた雌ねじ35a(図4参照)と、雌ねじ35aに先端がネジ固定可能な引き出しラック142と、このラック142を長手方向にスライド移動可能に支持する支持体144とを含んでいる。ラック142の先端には、支持ピン35の雌ねじ35aにネジ固定可能なネジ軸143が設けられている。このネジ軸143には上記第1実施形態と同様に、蝶ネジ46を取り付けておいてもよい。支持体144は、長手方向と直交する断面が略L字状に形成され、上面を構成する側板146が上端に取り付けられ、機台17の支持部17aに底面144aが当接するように形成されている。側板146には、ガイド用の突出部146a,146bを有する略矩形状の挿通孔146cが設けられている。一方、ラック142には、長手方向に沿ってスライド溝142a,142bが両側面に設けられており、このスライド溝142a,142bが突出部146a,146bに係合することによって長手方向に移動可能に側板146に支持されている。
また、ラック142は、長手方向に沿って歯列142cが設けられている。一方、支持体144には、回転可能に支持されたピニオン147およびピニオン147の回転軸147aに固定された回転用ハンドル148からなる回転機構150が設けられている。
第3実施形態の引き出し治具140では、上記第1実施形態と同様に、ネジ軸143を支持ピン35の雌ねじ35aに固定した状態で、ピニオン147が図11のL方向に回転するように回転用ハンドル148を回すことにより、ラック142を長手方向である図11のG方向に移動させて、支持ピン35を引き出すことができる。これにより、上記第1実施形態における引き出し治具40と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明に係る支持ピン引き出し治具によれば、上述した実施形態およびその変形例の構成に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等の範囲内で種々の改良や変更が可能であることはいうまでもない。
10 巻上機、12 プーリ軸、19 ブレーキディスク、16,17 機台、17a,17b,17c,17d 支持部、18 綱車、20,21 キャリパユニット、22,23 ブレーキパッド、24 ユニットベース、25 ブリッジ、35,36 支持ピン、35a 雌ねじ、40,60,70,90,140 (支持ピン)引き出し治具、41,71 引き出しネジ軸、42,62,72,93,144 支持体、72a,93a,144a 底面、43 長ナット、44,64 支持部材、44a 底面、45,94,146 側板、46 蝶ネジ、80,100 引き出し機構、142 (引き出し)ラック、142c 歯列、147 ピニオン、150 回転機構、M 駆動用モータ、R 機械室。

Claims (3)

  1. 巻上ロープを上下動させるプーリ軸と、
    前記プーリ軸と連動して回転するブレーキディスクと、
    前記ブレーキディスクに圧接して前記プーリ軸の回転を制動するブレーキパッドを有するキャリパユニットと、を含み、
    前記キャリパユニットは、前記ブレーキパッドを前記ブレーキディスクに接離するために支持ピンにスライド可能に支持され、
    この支持ピンはエレベータ用巻上機の機台に固定されている、
    エレベータ用巻上機において、
    前記キャリパユニットの前記支持ピンを前記機台から引き出す支持ピン引き出し治具であって、
    前記支持ピンの一端に設けられた雌ねじと、
    前記雌ねじに先端がネジ固定可能な引き出しネジ軸と、
    前記支持ピンの周辺に配置された前記機台の一部に底面が当接し、上面に引き出しネジ軸がネジ結合される支持体と、を含み、
    前記引き出しネジ軸の先端を雌ねじにネジ固定した状態で引き出しネジ軸を回転することによって前記支持ピンを前記機台から引き出す支持ピン引き出し治具。
  2. 巻上ロープを上下動させるプーリ軸と、
    前記プーリ軸と連動して回転するブレーキディスクと、
    前記ブレーキディスクに圧接して前記プーリ軸の回転を制動するブレーキパッドを有するキャリパユニットと、を含み、
    前記キャリパユニットは、前記ブレーキパッドを前記ブレーキディスクに接離するために支持ピンにスライド可能に支持され、
    この支持ピンはエレベータ用巻上機の機台に固定されている、
    エレベータ用巻上機において、
    前記キャリパユニットの前記支持ピンを前記機台から引き出す支持ピン引き出し治具であって、
    前記支持ピンの一端に設けられた雌ねじと、
    前記雌ねじに先端がネジ固定可能な引き出しネジ軸と、
    前記支持ピンの周辺に配置された前記機台の一部に底面が当接し、引き出しネジ軸を軸方向に移動させる引き出し機構が上面に取り付けられた支持体と、を含み、
    前記引き出しネジ軸の先端を雌ねじにネジ固定した状態で、前記引き出し機構によって前記支持ピンを前記機台から引き出す支持ピン引き出し治具。
  3. 巻上ロープを上下動させるプーリ軸と、
    前記プーリ軸と連動して回転するブレーキディスクと、
    前記ブレーキディスクに圧接して前記プーリ軸の回転を制動するブレーキパッドを有するキャリパユニットと、を含み、
    前記キャリパユニットは、前記ブレーキパッドを前記ブレーキディスクに接離するために支持ピンにスライド可能に支持され、
    この支持ピンはエレベータ用巻上機の機台に固定されている、
    エレベータ用巻上機において、
    前記キャリパユニットの前記支持ピンを前記機台から引き出す支持ピン引き出し治具であって、
    前記支持ピンの一端に設けられた雌ねじと、
    前記雌ねじに先端がネジ固定可能に形成され、長手方向に沿って歯列が設けられた引き出しラックと、
    前記支持ピンの周辺に配置された前記機台の一部に底面が当接し、前記引き出しラックを長手方向にスライド移動可能に支持するとともに、前記引き出しラックの前記歯列に噛み合うピニオンを有し、当該ピニオンを介して前記引き出しラックをスライド移動させる回転機構を有する支持体と、を含み、
    前記引き出しラックの先端を前記雌ねじにネジ固定した状態で、前記回転機構によって前記引き出しラックを長手方向に沿ってスライド移動させて前記支持ピンを前記機台から引き出す支持ピン引き出し治具。
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