JP2017126490A - 蓄電装置用外装材、及びそれを用いた蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池セルの圧縮試験で良好な結果を示す蓄電装置用外装材、及びそれを用いた蓄電装置を提供する。【解決手段】少なくとも1層の基材層11と、接着層13と、少なくとも片面に腐食防止処理層15aが設けられたアルミニウム箔層14と、接着性樹脂層またはシーラント接着層と、シーラント層17とがこの順に積層してなる積層体において、アルミニウム箔層のシーラント層側の表面粗さを表す算術平均高さSaが4.6μm以上10.0μm以下であるアルミニウム箔を使用したことを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電装置用外装材、及びそれを用いた蓄電装置に関する。
蓄電装置としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、及び鉛蓄電池等の二次電池、並びに電気二重層キャパシタ等の電気化学キャパシタが知られている。携帯機器の小型化又は設置スペースの制限等により蓄電装置のさらなる小型化が求められている昨今、エネルギー密度が高いリチウムイオン電池が注目されている。リチウムイオン電池に用いられる外装材としては、従来は金属製の缶が用いられていたが、軽量で、放熱性が高く、低コストで作製できる多層フィルムが用いられるようになっている。
上記多層フィルムを外装材に用いるリチウムイオン電池では、内部への水分の浸入を防止するため、アルミニウム箔層を含む外装材により電池内容物(正極、セパレータ、負極、電解液等)を覆う構成が採用されている。このような構成を採用したリチウムイオン電池は、アルミラミネートタイプのリチウムイオン電池と呼ばれている。
アルミラミネートタイプのリチウムイオン電池は、例えば、外装材の一部に冷間成型によって凹部を形成し、該凹部内に電池内容物を収容し、外装材の残りの部分を折り返して縁部分をヒートシールで封止したエンボスタイプのリチウムイオン電池が知られている。(例えば、特許文献1参照)。このようなリチウムイオン電池では、冷間成型によって形成される凹部を深くするほど、より多くの電池内容物を収容できるため、エネルギー密度をより高くすることができる。
特開2013−101765号公報
蓄電装置が車や電動バイク等、高い信頼性を要求される用途に適用される場合、過酷試験として、電池セルを圧縮する圧縮試験が行われる。ここで、他の評価項目では性能差がみられない外装材であっても、何らかの理由により圧縮試験の結果に差がみられる場合がある。
そこで本発明は、電池セルの圧縮試験で良好な結果を示す蓄電装置用外装材、及びそれを用いた蓄電装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、少なくとも1層の基材層と、接着層と、少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられたアルミニウム箔層と、接着性樹脂層またはシーラント接着層と、シーラント層とがこの順に積層してなる積層体において、アルミニウム箔層のシーラント層側の表面粗さを表す算術平均高さSaが4.6μm以上10.0μm以下であるアルミニウム箔を使用したことを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
また、請求項2に記載の発明は、電極を含む電池要素と、前記電極から延在するリードと、前記電池要素を収容する容器とを備え、
前記容器は、請求項1に記載の蓄電装置用外装材から、前記シーラント層が内側となるように形成されていることを特徴とする蓄電装置である。
本発明によれば、電池セルの圧縮試験で良好な結果を示す蓄電装置用外装材、及びそれを用いた蓄電装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る蓄電装置用外装材の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る蓄電装置用外装材を用いて得られるエンボスタイプ外装材を示す図であり、(a)は、その斜視図であり、(b)は、(a)に示すエンボスタイプ外装材のIIb−IIb切断線に沿った縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る蓄電装置用外装材を用いて二次電池を製造する工程を示す斜視図であり、(a)は、蓄電装置用外装材を準備した状態を示し、(b)は、エンボスタイプに加工された蓄電装置用外装材と電池要素を準備した状態を示し、(c)は、蓄電装置用外装材の一部を折り返して端部を溶融した状態を示し、(d)は、折り返された部分の両側を上方に折り返した状態を示す。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[蓄電装置用外装材]
図1は、本発明の蓄電装置用外装材の一実施形態を模式的に表す断面図である。図1に示すように、本実施形態の外装材(蓄電装置用外装材)10は、被覆層21と、該被覆層21の一方の面側に設けられたバリア層22と、該バリア層22の被覆層21とは反対側に設けられたシーラント接着層16と、該シーラント接着層16のバリア層22とは反対側に設けられたシーラント層17と、が順次積層された積層体である。
被覆層21は、基材層11と接着層13とを有し、接着層13がバリア層22に対面している。バリア層22は、アルミニウム箔層14と、その両面に設けられた腐食防止処理層15a,15bを有している。ここで、腐食防止処理層15aは接着層13に、腐食防止処理層15bはシーラント接着層16に、それぞれ対面するように設けられている。ここで「対面」とは、面同士が直接接していることを意味する。
外装材10は、基材層11が最外層、シーラント層17が最内層である。すなわち、外装材10は、基材層11を蓄電装置の外部側、シーラント層17を蓄電装置の内部側に向けて使用される。以下、各層について説明する。
(基材層11)
基材層11は、蓄電装置を製造する際に、後述する加圧熱融着工程における耐熱性及び他の蓄電装置から漏れ出した電解液に対する耐電解液性を外装材10に付与し、加工又は流通の際に起こり得るピンホールの発生を抑制するための層である。また、基材層11はポリアミドフィルムからなる層である。
基材層11は、より優れた深絞り成型性が得られる観点から、二軸延伸ポリアミドフィルムからなる層であることが好ましい。
二軸延伸ポリアミドフィルムを構成するポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)、ナイロン11、ナイロン12等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性、突刺強度及び衝撃強度に優れる観点から、ナイロン6(ONy)が好ましい。
二軸延伸フィルムにおける延伸方法としては、例えば、逐次二軸延伸法、チューブラー二軸延伸法、同時二軸延伸法等が挙げられる。二軸延伸フィルムは、より優れた深絞り成型性が得られる観点から、チューブラー二軸延伸法により延伸されたものであることが好ましい。
基材層11の厚さは、6〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。基材層11の厚さが6μm以上であることにより、蓄電装置用外装材10の耐ピンホール性及び絶縁性を向上できる傾向がある。基材層11の厚さが40μmを超えると蓄電装置用外装材10の総厚が大きくなり、電池の電気容量を小さくしなければいけなくなる場合がある。
(接着層13)
接着層13は、基材層11とバリア層22とを接着する層である。接着層13は、基材層11とバリア層22とを強固に接着するために必要な密着力を有すると共に、冷間成型する際において、基材層11によってバリア層22が破断されることを抑制するための追随性(部材が変形・伸縮したとしても、剥離することなく部材上に接着層13を確実に形成するための性能)も有する。
接着層13を構成する接着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエールポリオール、アクリルポリオール等のポリオールよりなる主剤と、芳香族系、脂肪族系等のイソシアネートよりなる硬化剤と、を有する二液硬化型のポリウレタン系接着剤を用いることができる。上記接着剤において、主剤の水酸基に対する硬化剤のイソシアネート基のモル比(=NCO/OH)は、1〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
上記ポリウレタン系接着剤は、塗工後、例えば40℃で4日以上のエージングを行うことで、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基との反応が進行し、基材層11とバリア層22とのより強固な接着が可能となる。
接着層13の厚さは、所望の接着強度、追随性、及び加工性等を得る観点から、1〜10μmが好ましく、2〜6μmがより好ましい。
(アルミニウム箔層14)
アルミニウム箔層14は、金属箔としての防湿性及び延展性等の加工性、並びにコストの面から優れている。アルミニウム箔は一般の軟質アルミニウム箔であってもよいが、耐ピンホール性及び成形時の延展性に優れる点から、鉄を含むアルミニウム箔であることが好ましい。
鉄を含むアルミニウム箔(100質量%)において、鉄の含有量は、0.1〜9.0質量%であることが好ましく、0.5〜2.0質量%であることがより好ましい。鉄の含有量が0.1質量%以上であることにより、より優れた耐ピンホール性及び延展性を有する外装材10を得ることができる。鉄の含有量が9.0質量%以下であることにより、より柔軟性に優れた外装材10を得ることができる。
また、アルミニウム箔としては、所望の成型時の延展性を付与できる点から、焼鈍処理を施した軟質アルミニウム箔(例えば、JIS規格でいう8021材、8079材よりなるアルミニウム箔)がさらに好ましい。
アルミニウム箔層14に使用するアルミニウム箔は、所望の耐電解液性を得るために、例えば、脱脂処理が施されていることが好ましい。また、製造工程を簡便にするためには、アルミニウム箔としては、表面がエッチングされていないものが好ましい。上記脱脂処理としては、例えば、ウェットタイプの脱脂処理またはドライタイプの脱脂処理を用いることができるが、製造工程を簡便にする観点から、ドライタイプの脱脂処理が好ましい。
上記ドライタイプの脱脂処理としては、例えば、アルミニウム箔を焼鈍処理する工程において、処理時間を長くすることで脱脂処理を行う方法が挙げられる。アルミニウム箔を軟質化するために施される焼鈍処理の際に、同時に行われる脱脂処理程度でも充分な耐電解液性が得られる。
また、上記ドライタイプの脱脂処理としては、上記焼鈍処理以外の処理であるフレーム処理及びコロナ処理等の処理を用いてもよい。さらに、上記ドライタイプの脱脂処理としては、例えば、アルミニウム箔に特定波長の紫外線を照射した際に発生する活性酸素により、汚染物質を酸化分解及び除去する脱脂処理を用いてもよい。
上記ウェットタイプの脱脂処理としては、例えば、酸脱脂処理、アルカリ脱脂処理等の処理を用いることができる。上記酸脱脂処理に使用する酸としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸等の無機酸を用いることができる。これらの酸は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、アルカリ脱脂処理に使用するアルカリとしては、例えば、エッチング効果が高い水酸化ナトリウムを用いることができる。また、弱アルカリ系の材料及び界面活性剤等が配合された材料を用いて、アルカリ脱脂処理を行ってもよい。上記説明したウェットタイプの脱脂処理は、例えば、浸漬法、スプレー法により行うことができる。
アルミニウム箔層14のMD方向(圧延時に押出す方向)における60°光沢度、及び、TD方向(MD方向に垂直な方向)における60°光沢度はいずれも690以下であり、好ましくはいずれも680以下であり、より好ましくはいずれも670以下である。アルミニウム箔層14の光沢度は、アルミニウム箔層14の表面粗さを反映したものと考えられる。そして、表面粗さが異なれば、これに基づくアンカー効果の強さも異なるので、アルミニウム箔層14とシーラント接着層16との密着性が変化すると考えられる。上記光沢度がいずれも690以下であることにより、蓄電装置用外装材10で作製した電池セルの圧縮試験は良好な結果を示す。
一般に、アルミニウム箔の製造段階においてはMD方向に平行なスクラッチを生じるので、アルミニウム箔のTD方向とMD方向で光沢度に差が生じる。アルミニウム箔層14のMD方向における60°光沢度とTD方向における60°光沢度との差は100以下であり、好ましくは80以下であり、より好ましくは65以下である。両光沢度の差が100以下であると、アルミニウム箔層14の面内方向によらず表面粗さのバランスがよく、シーラント接着層16とのよい密着性が得られる。両光沢度の差が100を超えると、表面粗さの異方性が強くなり、蓄電装置用外装材10で作製した電池セルの圧縮試験において、負荷が局所に集中しやすくなる。従ってこの場合、蓄電装置用外装材10の耐久性が低下しやすくなる。
アルミニウム箔は通常、光沢度が大きいツヤ面と、光沢度が小さい消し面とを有している。一般に蓄電装置用外装材を作製する場合は、消し面を基材層11側に向けるのが通常であるが、消し面をシーラント層17側に向けてもよい。この場合、上記MD方向における60°光沢度、及び、TD方向における60°光沢度はいずれも150以下であってもよく、好ましくは140以下であり、より好ましくは130以下である。また、この場合
、両光沢度の差は50以下であってもよく、好ましく45以下であり、より好ましくは35以下である。
また、アルミニウム箔層14の光沢度は、後述する腐食防止処理層15bが設けられた状態で測定することもできる。腐食防止処理層15bが設けられた状態でのアルミニウム箔層14のMD方向における60°光沢度、及び、TD方向における60°光沢度はいずれも590以下であり、好ましくはいずれも580以下であり、より好ましくはいずれも570以下である。腐食防止処理層15bが設けられた状態でのアルミニウム箔層14の光沢度は、アルミニウム箔層14の表面粗さを反映したものと考えられる。そして、表面粗さが異なれば、これに基づくアンカー効果の強さも異なるので、腐食防止処理層15bが設けられたアルミニウム箔層14とシーラント接着層16との密着性が変化すると考えられる。上記光沢度がいずれも590以下であることにより、蓄電装置用外装材10で作製した電池セルの圧縮試験は良好な結果を示す。
また、腐食防止処理層15bが設けられた状態でのアルミニウム箔層14のMD方向における60°光沢度とTD方向における60°光沢度との差は100以下であり、好ましくは70以下であり、より好ましくは55以下である。両光沢度の差が100以下であると、アルミニウム箔層14の面内方向によらず表面粗さのバランスがよく、シーラント接着層16とのよい密着性が得られる。両光沢度の差が100を超えると、表面粗さの異方性が強くなり、蓄電装置用外装材10で作製した電池セルの圧縮試験において、負荷が局所に集中しやすくなる。従ってこの場合、蓄電装置用外装材10の耐久性が低下しやすくなる。
アルミニウム箔は通常、光沢度が大きいツヤ面と、光沢度が小さい消し面とを有している。一般に蓄電装置用外装材を作製する場合は、消し面を基材層11側に向けるのが通常であるが、消し面をシーラント層17側に向けてもよい。この場合、上記MD方向における60°光沢度、及び、TD方向における60°光沢度はいずれも120以下であってもよく、好ましくは110以下であり、より好ましくは100以下である。また、この場合、両光沢度の差は40以下であってもよく、好ましく35以下であり、より好ましくは30以下である。
なお、以上に説明した光沢度は、外装材10を作製する前の材料としての光沢度であり、グロスメーターを用いて測定した値である。
また、アルミニウム箔のシーラント層側の表面粗さは、算術平均高さSaで4.6μm以上10.0μm以下であることが好ましい。Saが4.6μm未満では圧縮試験の結果が良好でない場合が出てくる。またSaが10.0μmを超えると、アルミニウム箔のピンホールが生じ易くなり、成型時にアルミニウム箔の断裂が発生し易くなる。
アルミニウム箔層14の厚さは、バリア性、耐ピンホール性及び加工性の点から、9〜200μmであることが好ましく、15〜150μmであることがより好ましく、15〜100μmであることが更に好ましい。アルミニウム箔層14の厚さが9μm以上であることにより、成型加工により応力がかかっても破断しにくくなる。アルミニウム箔層14の厚さが200μm以下であることにより、外装材の質量増加を低減でき、蓄電装置の重量エネルギー密度低下を抑制することができる。
(腐食防止処理層15a,15b)
腐食防止処理層15a,15bは、電解液、又は、電解液と水分の反応により発生するフッ酸によるアルミニウム箔層14の腐食を抑制する役割を果たす。また、腐食防止処理層15aは、アルミニウム箔層14と接着層13との密着力を高める役割を果たす。また
、腐食防止処理層15bは、アルミニウム箔層14とシーラント接着層16との密着力を高める役割を果たす。腐食防止処理層15a及び腐食防止処理層15bは、同一の構成の層であってもよく、異なる構成の層であってもよい。
腐食防止処理層15a,15bは、例えば、腐食防止処理層15a,15bの母材となる層に対して、脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理、腐食防止能を有するコーティング剤を塗工するコーティングタイプの腐食防止処理あるいはこれらの処理を組み合わせた腐食防止処理を実施することで形成することができる。
上述した処理のうち脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、特に熱水変性処理及び陽極酸化処理は、処理剤によって金属箔(アルミニウム箔)表面を溶解させ、耐腐食性に優れる金属化合物(アルミニウム化合物(ベーマイト、アルマイト))を形成させる処理である。このため、このような処理は、アルミニウム箔層14から腐食防止処理層15a,15bまで共連続構造を形成している構造を得るために、化成処理の定義に包含されるケースもある。
脱脂処理としては、酸脱脂、アルカリ脱脂が挙げられる。酸脱脂としては上述した硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸などの無機酸を単独あるいはこれらを混合して得られた酸脱脂を用いる方法などが挙げられる。また酸脱脂として、一ナトリウム二フッ化アンモニウムなどのフッ素含有化合物を上記無機酸で溶解させた酸脱脂剤を用いることで、アルミニウム箔層14の脱脂効果だけでなく不動態である金属のフッ化物を形成させることが可能であり、耐フッ酸性という点で有効である。アルカリ脱脂としては、水酸化ナトリウムなどを用いる方法が挙げられる。
上記熱水変成処理としては、例えば、トリエタノールアミンを添加した沸騰水中にアルミニウム箔層14を浸漬処理することで得られるベーマイト処理を用いることができる。記陽極酸化処理としては、例えば、アルマイト処理を用いることができる。また、上記化成処理としては、例えば、クロメート処理、ジルコニウム処理、チタニウム処理、バナジウム処理、モリブデン処理、リン酸カルシウム処理、水酸化ストロンチウム処理、セリウム処理、ルテニウム処理、或いはこれらを2種以上組み合わせた処理を用いることができる。これらの熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理は、上述した脱脂処理を事前に施すことが好ましい。
なお、上記化成処理としては、湿式法に限らず、例えば、これらの処理に使用する処理剤を樹脂成分と混合し、塗布する方法を用いてもよい。また、上記腐食防止処理としては、その効果を最大限にすると共に、廃液処理の観点から、塗布型クロメート処理が好ましい。
腐食防止性能を有するコーティング剤を塗工するコーティングタイプの腐食防止処理に用いられるコーティング剤としては、希土類元素酸化物ゾル、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するコーティング剤が挙げられる。特に、希土類元素酸化物ゾルを含有するコーティング剤を用いる方法が好ましい。
希土類元素酸化物ゾルを含有するコーティング剤を用いる方法は、純粋なコーティングタイプの腐食防止処理であり、この方法を用いることで、一般的なコーティング方法でもアルミニウム箔層14に腐食防止効果を付与させることが可能である。また、希土類元素酸化物ゾルを用いて形成される層は、アルミニウム箔層14の腐食防止効果(インヒビター効果)を有し、かつ、環境側面的にも好適な材料である。
希土類元素酸化物ゾルには、液体分散媒中に希土類元素酸化物の微粒子(例えば、平均粒径100nm以下の粒子)が分散されている。希土類元素酸化物としては、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ネオジウム、酸化ランタン等が挙げられる。中でも、酸化セリウムが好ましい。これにより、アルミニウム箔層14との間の密着性をより向上させることができる。希土類元素酸化物ゾルの液体分散媒としては、例えば、水、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤など各種溶媒を用いることができる。中でも、水が好ましい。腐食防止処理層15a,15bに含まれる希土類元素酸化物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
希土類元素酸化物ゾルは、希土類元素酸化物粒子の分散を安定化させるために、分散安定化剤として、硝酸、塩酸、リン酸などの無機酸、酢酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、乳酸などの有機酸、それらの塩等を含有することが好ましい。これらの分散安定化剤のうち、特にリン酸又はリン酸塩を用いることが好ましい。これにより、希土類元素酸化物粒子の分散安定化だけでなく、リチウムイオン電池用外装材の用途において、リン酸のキレート能力を利用した、アルミニウム箔層14との間の密着性向上、フッ酸の影響で溶出した金属物イオンを捕獲(不動態形成)することによる電解液耐性の付与、低温でもリン酸の脱水縮合起こし易いことによる希土類元素酸化物層の凝集力向上などの効果が期待できる。分散安定化剤として用いられるリン酸又はリン酸塩としては、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。中でも、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸、ウルトラメタリン酸などの縮合リン酸、あるいはこれらのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩が、リチウムイオン電池用外装材としての機能発現に好ましい。特に、希土類元素酸化物ゾルを含むコーティング組成物を用いて、各種コーティング法により希土類酸化物を含む層を形成させる時の乾燥造膜性(乾燥能力、熱量)を考慮すると、低温での反応性に優れる剤が好ましく、低温での脱水縮合性に優れる点から、ナトリウム塩が好ましい。リン酸塩としては、水溶性の塩が好ましい。腐食防止処理層15a,15bに含まれるリン酸又はリン酸塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
希土類元素酸化物ゾル中、リン酸あるいはその塩の配合量としては、希土類元素酸化物100質量部に対し、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。1質量部以上であると、ゾルの安定化が良好であると共にリチウムイオン電池用外装材としての機能を満たすことが容易である。希土類元素酸化物100質量部に対するリン酸あるいはその塩の配合上限は、希土類元素酸化物ゾルの機能低下を伴わない範囲であればよく、希土類元素酸化物100質量部に対し、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
ただし、上述した希土類元素酸化物ゾルから形成される層は無機粒子の集合体であるため、乾燥キュアの工程を経ても、その層自身の凝集力は低い。そこで、この層の凝集力を補うために、アニオン性ポリマーで複合化させることが好適である。
アニオン性ポリマーとしては、カルボキシ基を有するポリマーが挙げられ、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸(あるいはその塩)、あるいはポリ(メタ)アクリル酸を主成分として共重合した共重合体が挙げられる。該共重合体の共重合成分としては、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等。);(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基n−プ口ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等。)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド、(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等。)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等の
グリシジル基含有モノマー;(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエ卜キシラン等のシラン含有モノマー;(メタ)アクリロキシプロピルイソシアネー卜等のイソシアネー卜基含有モノマー等が挙げられる。また、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、マレイン酸、アルキルマレイン酸モノエステル、フマル酸、アルキルフマル酸モノエステル、イタコン酸、アルキルイタコン酸モノエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等が挙げられる。
アニオン性ポリマーは、希土類元素酸化物ゾルを用いて得られた腐食防止処理層15a,15b(酸化物層)の安定性を向上させる役割を果たす。これは、硬くて脆い酸化物層をアクリル系樹脂成分で保護する効果、及び、希土類酸化物ゾルに含まれるリン酸塩由来のイオンコンタミネーション(特にナトリウムイオン)を捕捉する(カチオンキャッチャー)効果によって達成される。つまり、希土類元素酸化物ゾルを用いて得られた腐食防止処理層15a,15b中に、特にナトリウム等のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンが含まれると、該イオンを含む場所を起点にして腐食防止処理層15a,15bが劣化し易くなる。そのため、アニオン性ポリマーによって希土類酸化物ゾルに含まれるナトリウムイオン等を固定化することで、腐食防止処理層15a,15bの耐性が向上する。
アニオン系ポリマーと希土類元素酸化物ゾルと組み合わせた腐食防止処理層15a,15bは、アルミニウム箔層14にクロメート処理を施して形成した腐食防止処理層15a,15bと同等の腐食防止性能を有する。アニオン系ポリマーは、本質的に水溶性であるポリアニオン系ポリマーが架橋された構造であることが好ましい。該構造の形成に用いる架橋剤としては、例えば、イソシアネー卜基、グリシジル基、カルボキシ基、オキサゾリン基を有する化合物が挙げられる。さらにはシランカップリング剤を用いてシロキサン結合を有する架橋部位を導入することも可能である。
イソシアネー卜基を有する化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートあるいはその水素添加物、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートあるいはその水素添加物、イソホロンジイソシアネー卜などのジイソシアネー卜類;あるいはこれらのイソシアネー卜類を、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールと反応させたアダクト体、水と反応させることで得られたビューレッ卜体、あるいは三量体であるイソシアヌレート体などのポリイソシアネー卜類;あるいはこれらのポリイソシアネー卜類をアルコール類、ラクタム類、オキシム類などでブロック化させたブロックポリイソシアネー卜などが挙げられる。
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類とエピク口ルヒドリンを作用させたエポキシ化合物、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ卜ール、ソルビ卜ール等の多価アルコール類とエピク口ルヒドリンを作用させたエポキシ化合物、フタル酸、テレフタル酸、シュウ酸、アジピン酸等のジカルボン酸とエピクロルヒドリンとを作用させたエポキシ化合物などが挙げられる。
カルボキシ基を有する化合物としては、各種脂肪族あるいは芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにはポリ(メタ)アクリル酸及びポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ(土類)金属塩を用いることも可能である。
オキサゾリン基を有する化合物としては、例えば、オキサゾリンユニットを2つ以上有する低分子化合物、あるいはイソプロペニルオキサゾリンのような重合性モノマーを用いる場合には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等のアクリル系モノマーを共重合させた化合物が挙げられる。
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピル卜リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが挙げられ、特にアニオン性ポリマーとの反応性を考慮すると、エポキシシラン、アミノシラン、イソシアネートシランが好ましい。
架橋剤の配合量は、アニオン性ポリマー100質量部に対し、1〜50質量部が好ましく、10〜20質量部がより好ましい。架橋剤の比率がアニオン性ポリマー100質量部に対して1質量部以上であれば、架橋構造が充分に形成され易い。架橋剤の比率がアニオン性ポリマー100質量部に対して50質量部以下であれば、塗液のポットライフが向上する。
アニオン性ポリマーを架橋する方法は、上記架橋剤に限らず、チタニウム、ジルコニウム化合物を用いてイオン架橋を形成する方法等であってもよい。また、これらの材料は、腐食防止処理層15aを形成するコーティング組成物を適用してもよい。
以上説明した腐食防止処理層15a,15bにおいて、クロメート処理に代表される化成処理による腐食防止処理層15a,15bは、アルミニウム箔層14との傾斜構造を形成させるため、特にフッ酸、塩酸、硝酸、硫酸あるいはこれらの塩を配合した化成処理剤を用いてアルミニウム箔層14に処理を施し、次いでクロム系又はノンクロム系の化合物を作用させて化成処理層をアルミニウム箔層14に形成させる。しかし、上記化成処理は、化成処理剤に酸を用いていることから、作業環境の悪化及びコーティング装置の腐食を伴う。
一方、前述したコーティングタイプの腐食防止処理層15a,15bは、クロメート処理に代表される化成処理とは異なり、アルミニウム箔層14に対して傾斜構造を形成させる必要がない。そのため、コーティング剤の性状は、酸性、アルカリ性、中性等の制約を受けることがなく、良好な作業環境を実現できる。加えて、クロム化合物を用いるクロメート処理は、環境衛生上、代替案が求められている点からも、コーティングタイプの腐食防止処理層15a,15bが好ましい。
腐食防止処理層15a,15bは、必要に応じて、さらにカチオン性ポリマーを積層した積層構造としてもよい。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーとからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフ卜させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンあるいはこれらの誘導体、アミノフェノール樹脂等が挙げられる。
イオン高分子錯体を形成する「カルボン酸を有するポリマー」としては、例えば、ポリカルボン酸(塩)、ポリカルボン酸(塩)にコモノマーを導入した共重合体、カルボキシ
基を有する多糖類等が挙げられる。ポリカルボン酸(塩)としては、例えば、ポリアクリル酸あるいはそのイオン塩などが挙げられる。カルボキシ基を有する多糖類としては、例えば、カルボキシメチルセルロースあるいはそのイオン塩などが挙げられる。イオン塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
1級アミングラフ卜アクリル樹脂は、アクリル主骨格に1級アミンをグラフ卜させた樹脂である。該アクリル主骨格としては、ポリ(メタ)アクリル酸など、上述したアクリルポリオールで用いられる各種モノマーが挙げられる。該アクリル主骨格にグラフ卜させる1級アミンとしては、エチレンイミン等が挙げられる。
ポリアリルアミンまたはその誘導体としては、アリルアミン、アリルアミンアミド硫塩、ジアリルアミン、ジメチルアリルアミンなどの単独重合体あるいは共重合体を用いることが可能であり、さらに、これらのアミンはフリーのアミンでも酢酸あるいは塩酸による安定化物でも用いることが可能である。またさらに共重合体成分として、マレイン酸、二酸化イオウなどを用いることも可能である。さらには1級アミンを部分メトキシ化させることで熱架橋性を付与させたタイプも用いることが可能である。これらのカチオン性ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。カチオン性ポリマーとしては、上記の中でも、ポリアリルアミン及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
カチオン性ポリマーは、カルボキシ基、グリシジル基等のアミン/イミンと反応が可能な官能基を有する架橋剤と併用することが好ましい。カチオン性ポリマーと併用する架橋剤としては、ポリエチレンイミンとイオン高分子錯体を形成するカルボン酸を有するポリマーも使用でき、例えば、ポリアクリル酸あるいはそのイオン塩等のポリカルボン酸(塩)、あるいはこれにコモノマーを導入した共重合体、カルボキシメチルセルロースあるいはそのイオン塩等のカルボキシ基を有する多糖類等が挙げられる。
本実施形態においては、カチオン性ポリマーも腐食防止処理層15a,15bを構成する一構成要素として記載している。その理由は、リチウムイオン電池用外装材で要求される電解液耐性、フッ酸耐性を付与させるべく様々な化合物を用い鋭意検討を行った結果、カチオン性ポリマー自体にも、電解液耐性、耐フッ酸性を付与することが可能な化合物であることが判明したためである。この要因は、フッ素イオンをカチオン性基で捕捉する(アニオンキャッチャー)ことで、アルミニウム箔層14が損傷することを抑制しているためであると推測される。また、カチオン性ポリマーは、腐食防止処理層15bとシーラント接着層16の接着性の向上の点でも非常に好ましい。また、カチオン性ポリマーは、前述したアニオン性ポリマーと同様に水溶性であるため、上記架橋剤を用いて架橋構造を形成させることで耐水性を向上させることができる。このように、カチオン性ポリマーを用いても架橋構造を形成させることができることから、腐食防止処理層15a,15bの形成に希土類酸化物ゾルを用いた場合には、その保護層としてアニオン性ポリマーの代わりにカチオン性ポリマーを用いてもよい。
以上の内容から、上述したコーティングタイプの腐食防止処理の組み合わせの事例として、(1)希土類酸化物ゾルのみ、(2)アニオン性ポリマーのみ、(3)カチオン性ポリマーのみ、(4)希土類酸化物ゾル+アニオン性ポリマー(積層複合化)、(5)希土類酸化物ゾル+カチオン性ポリマー(積層複合化)、(6)(希土類酸化物ゾル+アニオン性ポリマー:積層複合化)/カチオン性ポリマー(多層化)、(7)(希土類酸化物ゾル+カチオン性ポリマー:積層複合化)/アニオン性ポリマー(多層化)、等が挙げられる。中でも(1)及び(4)〜(7)が好ましく、(4)〜(7)がより好ましい。また、腐食防止処理層15aの場合、腐食防止効果とアンカー効果(密着性向上効果)が一層で実現できることから、(6)が特に好ましい。また、腐食防止処理層15bの場合、シーラント層17側の電解液耐性をより保持し易くなることから、(6)及び(7)が特に好ましい。ただし、本実施形態は、上記組み合せに限られるわけではない。たとえば腐食防止処理の選択の事例として、カチオン性ポリマーは、後述するシーラント接着層16の説明で挙げる変性ポリオレフィン樹脂との接着性が良好であるという点でも非常に好ましい材料であることから、シーラント接着層16を変性ポリオレフィン樹脂で構成される場合においては、シーラント接着層16に接する面にカチオン性ポリマーを設ける(例えば、構成(5)及び(6)などの構成)といった設計が可能である。
ただし腐食防止処理層15a,15bは上述した層には限定されない。例えば、公知技術である塗布型クロメートのように、樹脂バインダー(アミノフェノール樹脂など)にリン酸とクロム化合物を配合した剤を用いて形成してもよい。該処理剤を用いれば、腐食防止機能と密着性を双方兼ね備えた層を形成することが可能になる。また、上述した化成処理層(脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理、あるいはこれら処理の組み合わせにより形成した層)に対して、密着性を向上させるために、上述してきたカチオン性ポリマー及び/又はアニオン性ポリマーを用いて複合的な処理を施したり、あるいはこれらの処理の組み合わせに対して多層構造としてカチオン性ポリマー及び/又はアニオン性ポリマーを積層させたりすることも可能である。また、塗液の安定性を考慮する必要があるが、上述してきた希土類酸化物ゾルとカチオン性ポリマーあるいはアニオン性ポリマーとを事前に一液化して得られたコーティング剤を使用して腐食防止機能と密着性の両方を兼ね備えた層とすることができる。
腐食防止処理層15a,15bの単位面積あたりの質量は0.005〜0.200g/m2の範囲内が好ましく、0.010〜0.100g/m2の範囲内がより好ましい。0.005g/m2以上であれば、アルミニウム箔層14に腐食防止機能を付与し易い。また、上記単位面積当たりの質量が0.200g/m2を超えても、腐食防止機能は飽和してあまり変らない。一方、希土類酸化物ゾルを用いた場合には、塗膜が厚いと乾燥時の熱によるキュアが不充分となり、凝集力の低下を伴うおそれがある。なお、上記内容では単位面積あたりの質量で記載しているが、比重がわかればそこから厚みを換算することも可能である。
腐食防止処理層15a,15bの厚さは、腐食防止機能、及びアンカーとしての機能の点から、例えば10nm〜5μmであることが好ましく、20nm〜500nmであることがより好ましい。シーラント層17側の腐食防止処理層15bの厚さは、アルミニウム箔層14の表面粗さの凹凸が埋められない程度の厚さであることが好ましく、アルミニウム箔層14の表面に形成されている凹凸高さの0.1〜10%の厚さであることが好ましく、0.5〜5%の厚さであることがより好ましい。
(シーラント接着層16)
シーラント接着層16は、腐食防止処理層15bが形成されたアルミニウム箔層14とシーラント層17を接着する層である。外装材10は、シーラント接着層16を形成する接着成分によって、熱ラミネート構成とドライラミネート構成に大きく分けられる。
熱ラミネート構成におけるシーラント接着層16を形成する接着成分は、ポリオレフィン系樹脂を酸でグラフト変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。酸変性ポリオレフィン系樹脂は、無極性であるポリオレフィン系樹脂の一部に極性基が導入されていることから、無極性のポリオレフィン系樹脂フィルム等で構成された場合のシーラント層17と、極性を有することが多い腐食防止処理層15bの両方に強固に密着することができる。また、酸変性ポリオレフィン系樹脂を使用することで、外装材10の電解液等の内容物に対する耐性が向上し、電池内部でフッ酸が発生してもシーラント接着層16の劣化による密着力の低下を防止し易い。
酸変性ポリオレフィン系樹脂のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度、中密度及び高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ポリプロピレン;並びに、プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。共重合体である場合のポリオレフィン樹脂は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。また、ポリオレフィン樹脂としては、上記したものにアクリル酸若しくはメタクリル酸等の極性分子を共重合させた共重合体、又は、架橋ポリオレフィン等の重合体等も使用できる。ポリオレフィン系樹脂を変性する酸としては、カルボン酸、エポキシ化合物及び酸無水物等が挙げられ、無水マレイン酸であることが好ましい。シーラント接着層16に使用する酸変性ポリオレフィン系樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
熱ラミネート構成のシーラント接着層16は、上記接着成分を押出し装置で押し出すことで形成できる。熱ラミネート構成のシーラント接着層16の厚さは2〜50μmであることが好ましい。
ドライラミネート構成のシーラント接着層16を形成する接着成分としては、例えば、接着層13で挙げたものと同様の接着剤が挙げられる。この場合、電解液による膨潤及びフッ酸による加水分解を抑制するため、加水分解し難い骨格の主剤で、かつ架橋密度の向上が可能な組成となるように、接着剤の組成を設計することが好ましい。
架橋密度を向上させる場合、例えば、ダイマー脂肪酸、ダイマー脂肪酸のエステルもしくは水素添加物、ダイマー脂肪酸の還元グリコール、ダイマー脂肪酸のエステルもしくは水素添加物の還元グリコールを接着剤に添加するとよい。上記ダイマー脂肪酸は、各種不飽和脂肪酸を二量化させた酸であり、その構造としては、非環型、単環型、多環型、芳香環型が例示できる。
ダイマー脂肪酸の出発物質である脂肪酸は特に限定されない。また、このようなダイマー脂肪酸を必須成分として、通常のポリエステルポリオールで用いられるような二塩基酸を導入しても構わない。シーラント接着層16を構成する主剤に対する硬化剤としては、例えば、ポリエステルポリオールの鎖伸長剤としても使用できるイソシアネート化合物を用いることが可能である。これにより、接着剤塗膜の架橋密度が高まり、溶解性及び膨潤性の向上につながるとともに、ウレタン基濃度が高まることで基材密着性の向上も期待できる。
ドライラミネート構成のシーラント接着層16は、エステル基及びウレタン基等の加水分解性の高い結合部を有しているので、より高い信頼性が求められる用途には、シーラント接着層16として熱ラミネート構成の接着成分を用いることが好ましい。例えば酸変性ポリオレフィン樹脂を、トルエン、メチルシクロヘキサン(MCH)等の溶剤にて溶解、あるいは、分散させた塗液に上述した各種硬化剤を配合し、塗布、乾燥させることでシーラント接着層16を形成する。
シーラント接着層16を押出成型により形成する場合、押出成型時に発生する応力等により、接着樹脂がMD方向(押出す方向)に配向し易い。この場合、シーラント接着層16の異方性を緩和するために、シーラント接着層16にエラストマーを配合してもよい。シーラント接着層16に配合するエラストマーとしては、例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等を用いることができる。
上記エラストマーの平均粒径は、エラストマーと接着樹脂との相溶性が向上し、またシーラント接着層16の異方性を緩和する効果を向上させることが可能な粒径が好ましい。具体的には、上記エラストマーの平均粒径は、例えば、200nm以下が好ましい。
なお、エラストマーの平均粒径は、例えば、電子顕微鏡により、エラストマー組成物の断面を拡大した写真を撮影し、その後、画像解析により、分散した架橋ゴム成分の数平均粒径を測定することで求められる。上記エラストマーは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
シーラント接着層16にエラストマーを配合する場合、シーラント接着層16(100質量%)中に添加するエラストマーの配合量は、例えば、1〜25質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。エラストマーの配合量を1質量%以上とすることで、接着樹脂との相溶性が向上すると共に、シーラント接着層16の異方性を緩和する効果が向上する傾向がある。また、エラストマーの配合量を25質量%以下とすることで、シーラント接着層16が電解液によって膨潤することを抑制する効果が向上する傾向がある。
シーラント接着層16として、例えば、接着樹脂を有機溶媒に分散させたディスパージョンタイプの接着樹脂液を用いてもよい。
シーラント接着層16の厚さは、熱ラミネート構成の場合には、8μm以上50μm以下であることが好ましく、20μm以上40μm以下であることがより好ましい。シーラント接着層16の厚さが8μm以上であることにより、腐食防止処理層15bが設けられたアルミニウム箔層14とシーラント層17との十分な接着強度が得られ易く、50μm以下であることにより、外装材端面から内部の電池要素に浸入する水分量を低減し易くすることができる。また、シーラント接着層16の厚さは、ドライラミネート構成の場合には、1μm以上5μm以下であることが好ましい。シーラント接着層16の厚さが1μm以上であることにより、腐食防止処理層15bが設けられたアルミニウム箔層14とシーラント層17との十分な接着強度が得られ易く、5μm以下であることにより、シーラント接着層16の割れの発生を抑制することができる。
(シーラント層17)
シーラント層17は、外装材10に対し、ヒートシールによる封止性を付与する層であり、蓄電装置の組み立て時に内側に配置されて熱融着される層である。シーラント層17としては、ポリオレフィン系樹脂、又はポリオレフィン系樹脂に無水マレイン酸等の酸をグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。中でも、水蒸気のバリア性を向上させ、ヒートシールによって過度に潰れることなく蓄電装置の形態を構成可能なポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度、中密度及び高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ポリプロピレン;並びに、プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。共重合体である場合のポリオレフィン樹脂は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。これらポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記各タイプのポリプロピレン、すなわち、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレンには、低結晶性のエチレン−ブテン共重合体、低結晶性のプロピレン−ブテン共重合体、エチレンとブテンとプロピレンの3成分共重合体からなるターポリマー、シリカ、ゼオライト、アクリル樹脂ビーズ等のアンチブロッキング剤(AB剤)、脂肪酸アマイド系のスリップ剤等を添加してもよい。
酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、シーラント接着層16で挙げたものと同様のものが挙げられる。
シーラント層17は、単層フィルムであってもよく、多層フィルムであってもよく、必要とされる機能に応じて選択すればよい。例えば、防湿性を付与する点では、エチレン−環状オレフィン共重合体及びポリメチルペンテン等の樹脂を介在させた多層フィルムが使用できる。
また、シーラント層17は、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤及び粘着付与剤等の各種添加材を含んでいてもよい。
シーラント層17として、押出成型により形成した熱溶着性フィルムを使用する場合、該熱溶着性フィルムの押出し方向に配向傾向がある。このため、配向によるシーラント層17の異方性を緩和する観点から、熱溶着性フィルムにエラストマーを配合してもよい。これにより、蓄電装置用外装材10を冷間成型して凹部を形成する際にシーラント層17が白化することを抑制できる。
シーラント層17を構成するエラストマーとしては、例えば、シーラント接着層16を構成するエラストマーとして例示した材料と同じ材料を用いることができる。シーラント層17が多層フィルム構造である場合、多層フィルム構造を構成する複数の層のうち、少なくとも1層がエラストマーを含むように構成してもよい。例えば、シーラント層17として、積層されたランダムポリプロピレン層/ブロックポリプロピレン層/ランダムポリプロピレン層よりなる3層積層構造の場合、エラストマーは、ブロックポリプロピレン層のみに配合してもよいし、ランダムポリプロピレン層のみに配合してもよいし、ランダムポリプロピレン層とブロックポリプロピレン層との両方に配合してもよい。
また、シーラント層17に滑り性を付与するために、滑剤を含有させてもよい。このように、シーラント層17が滑剤を含有することで、冷間成型により、蓄電装置用外装材10に凹部を形成する際、蓄電装置用外装材10において延伸率の高い凹部の辺又は角となる部分が必要以上に延伸されることを抑制可能となる。これにより、アルミニウム箔層14とシーラント接着層16との間が剥離したり、シーラント層17とシーラント接着層16とにおいてクラックによる破断及び白化が生じたりすることを抑制することができる。
シーラント層17に滑剤を含有させる場合、シーラント層17(100質量%)中の滑剤の含有量は、0.001質量%〜0.5質量%が好ましい。滑剤の含有量が0.001質量%以上であると、冷間成型時にシーラント層17が白化することをより抑制できる傾向がある。また、滑剤の含有量が0.5質量%以下であると、シーラント層17の面と接触する他の層の面との間における密着強度の低下を抑制できる傾向がある。
シーラント層17の厚さは、10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。シーラント層17の厚さが20μm以上であることにより、十分なヒートシール強度を得ることができ、90μm以下であることにより、外装材端部からの水蒸気の浸入量を低減することができる。
[外装材の製造方法]
次に、外装材10の製造方法について説明する。なお、外装材10の製造方法は以下の方法に限定されない。
外装材10の製造方法として、例えば、下記の工程S11〜S13を有する方法が挙げられる。
工程S11:アルミニウム箔層14の一方の面上に腐食防止処理層15aを形成し、アルミニウム箔層14の他方の面上に腐食防止処理層15bを形成する工程。
工程S12:腐食防止処理層15aのアルミニウム箔層14が積層された側とは反対側の面と、基材層11の面とを、接着層13を介して貼り合わせる工程。
工程S13:腐食防止処理層15bのアルミニウム箔層14が積層された側とは反対側の面上に、シーラント接着層16を介してシーラント層17を形成する工程。
(工程S11)
工程S11では、アルミニウム箔層14の一方の面上に腐食防止処理層15aを形成し、アルミニウム箔層14の他方の面上に腐食防止処理層15bを形成する。腐食防止処理層15a及び15bは、それぞれ別々に形成されてもよく、両方が一度に形成されてもよい。具体的には、例えば、アルミニウム箔層14の両方の面に腐食防止処理剤(腐食防止処理層の母材)を塗布し、その後、乾燥、硬化、焼付けを順次行うことで、腐食防止処理層15a及び15bを一度に形成する。また、アルミニウム箔層14の一方の面に腐食防止処理剤を塗布し、乾燥、硬化、焼き付けを順次行って腐食防止処理層15aを形成した後、アルミニウム箔層14の他方の面に同様にして腐食防止処理層15bを形成してもよい。腐食防止処理層15a及び15bの形成順序は特に制限されない。また、腐食防止処理剤は、腐食防止処理層15aと腐食防止処理層15bとで異なるものを用いてもよく、同じのものを用いてもよい。上記腐食防止処理剤としては、例えば、塗布型クロメート処理用の腐食防止処理剤等を用いることができる。腐食防止処理剤の塗布方法は、特に限定されないが、例えば、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、ダイコート法、バーコート法、キスコート法、コンマコート法等の方法を用いることができる。なお、アルミニウム箔層14として、未処理のアルミニウム箔層を用いてもよいし、ウェットタイプの脱脂処理又はドライタイプの脱脂処理により、脱脂処理を施したアルミニウム箔層を用いてもよい。
(工程S12)
工程S12では、腐食防止処理層15aのアルミニウム箔層14が積層された側とは反対側の面と、基材層11の面とが、接着層13を形成する接着剤を用いてドライラミネーション等の手法で貼り合わせられる。工程S12は、接着性の促進のため、室温〜100℃の範囲でエージング(養生)処理を行ってもよい。エージング時間は、例えば、1〜10日である。
(工程S13)
工程S12後、基材層11、接着層13、腐食防止処理層15a、アルミニウム箔層14及び腐食防止処理層15bがこの順に積層された積層体のうち、腐食防止処理層15bのアルミニウム箔層14が積層された側とは反対側の面上に、シーラント接着層16を介してシーラント層17が形成される。シーラント層17は、ドライラミネーション及びサンドイッチラミネーション等によって積層されてもよく、シーラント接着層16とともに共押出し法によって積層されてもよい。シーラント層17は、接着性向上の点から、例えばサンドイッチラミネーションによって積層される、又は、シーラント接着層16とともに共押出し法によって積層されることが好ましく、サンドイッチラミネーションによって積層されることがより好ましい。
以上説明した工程S11〜S13により、外装材10が得られる。なお、外装材10の製造方法の工程順序は、上記工程S11〜S13を順次実施する方法に限定されない。例えば、工程S13を行ってから工程S12行う等、実施する工程の順序を適宜変更してもよい。
[蓄電装置]
次に、外装材10を容器として備える蓄電装置について説明する。蓄電装置は、電極を含む電池要素1と、上記電極から延在するリード2と、電池要素1を収容する容器とを備
え、上記容器は蓄電装置用外装材10から、シーラント層17が内側となるように形成される。上記容器は、2つの外装材を、シーラント層17同士を対向させて重ね合わせ、重ねられた外装材10の周縁部を熱融着して得られてもよく、また、1つの外装材を折り返して重ね合わせ、同様に外装材10の周縁部を熱融着して得られてもよい。また、蓄電装置は、外装材20を容器として備えていてもよい。蓄電装置としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、及び鉛蓄電池等の二次電池、並びに電気二重層キャパシタ等の電気化学キャパシタが挙げられる。
リード2は、シーラント層17を内側として容器を形成する外装材10によって挟持され、密封されている。リード2は、タブシーラントを介して、外装材10によって挟持されていてもよい。
[蓄電装置の製造方法]
次に、上述した外装材10を用いて蓄電装置を製造する方法について説明する。なお、ここでは、エンボスタイプ外装材30を用いて二次電池40を製造する場合を例に挙げて説明する。図2は上記エンボスタイプ外装材30を示す図である。図3の(a)〜(d)は、外装材10を用いた片側成型加工電池の製造工程を示す斜視図である。二次電池40としては、エンボスタイプ外装材30のような外装材を2つ設け、このような外装材同士を、アライメントを調整しつつ、貼り合わせて製造される、両側成型加工電池であってもよい。また、エンボスタイプ外装材30は、外装材20を用いて形成されてもよい。
片側成型加工電池である二次電池40は、例えば、以下の工程S21〜S25により製造することができる。
工程S21:外装材10、電極を含む電池要素1、並びに上記電極から延在するリード2を準備する工程。
工程S22:外装材10の片面に電池要素1を配置するための凹部32を形成する工程(図3(a)及び図3(b)参照)。
工程S23:エンボスタイプ外装材30の成型加工エリア(凹部32)に電池要素1を配置し、凹部32を蓋部34が覆うようにエンボスタイプ外装材30を折り返し重ねて、電池要素1から延在するリード2を挟持するようにエンボスタイプ外装材30の一辺を加圧熱融着する工程(図3(b)及び図3(c)参照)。
工程S24:リード2を挟持する辺以外の一辺を残し、他の辺を加圧熱融着し、その後、残った一辺から電解液を注入し、真空状態で残った一辺を加圧熱融着する工程(図3(c)参照)。
工程S25:リード2を挟持する辺以外の加圧熱融着辺端部をカットし、成型加工エリア(凹部32)側に折り曲げる工程(図3(d)参照)。
(工程S21)
工程S21では、外装材10、電極を含む電池要素1、並びに上記電極から延在するリード2を準備する。外装材10は、上述した実施形態に基づき準備する。電池要素1及びリード2としては特に制限はなく、公知の電池要素1及びリード2を用いることができる。
(工程S22)
工程S22では、外装材10のシーラント層17側に電池要素1を配置するための凹部32が形成される。凹部32の平面形状は、電池要素1の形状に合致する形状、例えば平面視矩形状とされる。凹部32は、例えば矩形状の圧力面を有する押圧部材を、外装材10の一部に対してその厚み方向に押圧することで形成される。また、押圧する位置、すなわち凹部32は、長方形に切り出した外装材10の中央より、外装材10の長手方向の一方の端部に偏った位置に形成する。これにより、成型加工後に凹部32を形成していないもう片方の端部側を折り返し、蓋(蓋部34)とすることができる。
凹部32を形成する方法としてより具体的には、金型を用いた成型加工(深絞り成型)が挙げられる。成型方法としては、外装材10の厚さ以上のギャップを有するように配置された雌型と雄型の金型を用い、雄型の金型を外装材10とともに雌型の金型に押し込む方法が挙げられる。雄型の金型の押込み量を調整することで、凹部32の深さ(深絞り量)を所望の量に調整できる。外装材10に凹部32が形成されることにより、エンボスタイプ外装材30が得られる。このエンボスタイプ外装材30は、例えば図2に示すような形状を有している。ここで、図2(a)は、エンボスタイプ外装材30の斜視図であり、図2(b)は、図2(a)に示すエンボスタイプ外装材30のIIb−IIb線に沿った縦断面図である。
(工程S23)
工程S23では、エンボスタイプ外装材30の成型加工エリア(凹部32)内に、正極、セパレータ及び負極等から構成される電池要素1が配置され。また、電池要素1から延在し、正極と負極にそれぞれ接合されたリード2が成型加工エリア(凹部32)から外に引き出される。その後、エンボスタイプ外装材30は、長手方向の略中央で折り返され、シーラント層17同士が内側となるように重ねられ、エンボスタイプ外装材30のリード2を挟持する一辺が加圧熱融着される。加圧熱融着は、温度、圧力及び時間の3条件で制御され、適宜設定される。加圧熱融着の温度は、シーラント層17を融解する温度以上であることが好ましい。
なお、シーラント層17の熱融着前の厚さは、リード2の厚さに対し40%以上80%以下であることが好ましい。シーラント層17の厚さが上記下限値以上であることにより、熱融着樹脂がリード2端部を十分充填できる傾向があり、上記上限値以下であることにより、二次電池40の外装材10端部の厚さを適度に抑えることができ、外装材10端部からの水分の浸入量を低減することができる。
(工程S24)
工程S24では、リード2を挟持する辺以外の一辺を残し、他の辺の加圧熱融着が行われる。その後、残った一辺から電解液を注入し、残った一辺が真空状態で加圧熱融着される。加圧熱融着の条件は工程S23と同様である。
(工程S25)
リード2を挟持する辺以外の周縁加圧熱融着辺端部がカットされ、端部からははみだしたシーラント層17が除去される。その後、周縁加圧熱融着部を成型加工エリア32側に折り返し、折り返し部42を形成することで、二次電池40が得られる。
以上、本発明の蓄電装置用外装材及び蓄電装置の製造方法の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、基材層11を接着層13によってバリア層22に接着する態様を示したが、基材層11は、バリア層22に塗布することによって設けてもよい。この場合、基材層11の材料樹脂をそのまま塗布・乾燥させてもよく、適切な溶媒に溶解させて塗布・乾燥させてもよい。この場合、被覆層21は基材層11のみからなり、接着層13を有しないことになる。
また、上記実施形態ではバリア層22として腐食防止処理層15a,15bを有する態様を示したが、バリア層22は腐食防止処理層15a,15bの少なくとも一方を有しな
い構成としてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<材料>
蓄電装置用外装材を構成する各材料は、以下のとおりである。
(基材層)
厚さ5μmのPETと厚さ25μmのNy(ナイロン6)との共押し二軸延伸フィルム。
(接着層)
ポリウレタン系接着剤。
(アルミニウム箔層)
表面粗さが異なる軟質アルミニウム箔(8079材,厚さ40μm,東洋アルミニウム株式会社製)。
軟質アルミニウム箔のシーラント層に面する側の表面粗さは、算術平均高さSaで3.4μm〜5.5μmであるものを使用した。
(腐食防止処理層)
腐食防止処理層A:固形分濃度10質量%に調整した「酸化セリウムゾル」90質量%と、縮合リン酸Na塩10質量%とからなる組成物を、溶媒として蒸留水を用いて下地とする。この下地の上に、溶媒として蒸留水を用い、終固形分濃度5質量%に調整した「ポリアリルアミンポリマー」/「グリシジル化合物」=90/10からなる組成物の処理層を設ける。
腐食防止処理層B:ポリアクリル酸とオキサゾリン基含有アクリル樹脂からなる樹脂組成物に対し、CrF3とリン酸を配合して得られた塗布型化成処理剤(最終固形分濃度5質量%)を下地とする。この下地の上に、溶媒として蒸留水を用い、最終固形分濃度5質量%に調整した「ポリアリルアミンポリマー」/「グリシジル化合物」=90/10からなる組成物の処理層を設ける。
(シーラント接着層)
無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂をトルエンに溶解したトルエン溶液100重量部に対し、ポリイソシアネート化合物を10質量部(固形分比)配合したドライラミネート用接着剤組成物。
(シーラント層)
ランダムプロピレン/ブロックプロピレン/ランダムプロピレンからなる2種3層の多層フィルム(厚さ80μm,オカモト社製)。
<測定・評価>
(算術平均高さSaの測定)
表面粗さを表す算術平均高さSaの測定には、レーザー顕微鏡LEXT OL4000(オリンパス社製)を使用して、測定対象のアルミニウム箔を1cm角に切断することにより作製した測定用サンプルを、対物10倍、対眼10倍の条件にて測定した。
(圧縮試験)
作製したダミーセルをプレス機の平坦なプレート間に配置する。除々に圧力を加えていき、狙いの圧力となったら加圧をやめ、その圧力で3分間保持する。
・圧縮試験の評価
○:圧力を2.2MPaかけたときに電池セルが内部より破裂しなかった。
×:圧力を2.2MPaかけたときに電池セルが内部より破裂した。
・総合評価
○:リチウムイオン電池としての実用に耐えうる。
×:リチウムイオン電池としての実用に耐えない。
<実施例1>
(蓄電装置用外装材の作製)
始めに、アルミニウム箔層として、厚さ40μmの軟質アルミニウム箔8079材(東洋アルミニウム株式会社製)を準備し、シーラント層側となる面の算術平均高さSaを測定した。シーラント層側の表面粗さは、算術平均高さSaで5.5μmであった。
次いで、アルミニウム箔層の両面に、グラビアコートにより、腐食防止処理層A又は腐食防止処理層Bの母材を塗布した。
次いで、塗布した母材を乾燥させた後、焼付け処理を順次行うことで、腐食防止処理層を形成した。このとき、焼き付け条件としては、温度を150℃、処理時間を30秒とした。
次いで、基材層としてのPET/Nyの共押し二軸延伸フィルムの片面をコロナ処理した。
次いで、アルミニウム箔層に設けた腐食防止処理層の片面に、接着層としてのポリウレタン系接着剤を塗布した。次いで、ドライラミネート法により、接着層を介して、アルミニウム箔層と基材層のコロナ処理された面とを接着させた。その後、基材層、接着層、腐食防止処理層、アルミニウム箔層、及び腐食防止処理層からなる構造体を、温度が60℃の雰囲気中で6日間放置することで、エージング処理した。
次いで、アルミニウム箔層の基材層を設けた側とは反対側の面に、シーラント接着層の原料としての接着剤組成物を塗布した。次いで、ドライラミネート法により、シーラント接着層を介して、シーラント層17となるランダムプロピレン/ブロックプロピレン/ランダムプロピレンからなる2種3層の多層フィルムとアルミニウム箔層とを接着させた。
その後、基材層、接着層、腐食防止処理層、アルミニウム箔層、腐食防止処理層、シーラント接着層、及びシーラント層からなる構造体を、温度が40℃の雰囲気中で6日間放置することで、エージング処理した。これにより、蓄電装置用外装材を作製した。
(リチウムイオン電池ダミーセルの作製)
6mm(高さ)×51mm×43mmのセルサイズとなるようにシール部を考慮して蓄電装置用外装材を切り出し、成型した(図2の凹部32が成型加工されたセルサイズに相当する領域である)。内容物として6mm×51mm×43mmとなるように巻回したアルミニウム箔を用意し、成型した外装材内に配置し、一辺を残してシールした。次に、電解液の代わりに水12mlを注入し、残りの1辺を封止することで、ダミーセルを作製した。
この電池セルを五つ作製し、それぞれに対して圧縮試験を行った。圧縮試験の結果を表1に示す。なお、表1において、「n」は圧縮試験に用いたサンプル番号を示している。
<実施例2〜6>
シーラント層側の腐食防止処理層及び表面粗さを表す算術平均高さSaが表1に示すとおりに種々異なるアルミニウム箔を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、蓄電装置用外装材及びリチウムイオン電池ダミーセルを作製し、圧縮試験を行った。ここでの光沢度は、アルミニウム箔層単体として測定した光沢度である。
Figure 2017126490
これらの結果によれば、リチウムイオン電池ダミーセルの作製に用いられたアルミニウム箔層について、アルミニウム箔層単体としての、表面粗さを表す算術平均高さSaが4.6μm以上である場合に、圧縮試験が良好であることが分る。
<比較例1〜10>
シーラント層側の光沢度、及び腐食防止処理層が表1に示すとおりに種々異なるアルミニウム箔を用いたこと以外は実施例1と同様にして、蓄電装置用外装材及びリチウムイオン電池ダミーセルを作製し、圧縮試験を行った。ここでの表面粗さを表す算術平均高さSaは、腐食防止処理層を形成した時点で測定した「腐食防止処理層を設けた状態のアルミニウム箔層」としての値である。また、比較例1〜10で用いたアルニミウム箔は、実施例1〜6で用いたアルミニウム箔とそれぞれ同一のロットのものを用いた。
これらの結果によれば、リチウムイオン電池ダミーセルの作製に用いられたアルミニウム箔層について、腐食防止処理層が設けられた状態でのアルミニウム箔層としての表面粗さを表す算術平均高さSaが4.6μm未満である場合に、圧縮試験が良好ではないことが分る。
1…電池要素、2…リード、10…外装材(蓄電装置用外装材)、11…基材層、13…接着層、14…アルミニウム箔層、15a,15b…腐食防止処理層、16…シーラント接着層、17…シーラント層、30…エンボスタイプ外装材、32…成型加工エリア(凹部)、34…蓋部、40…二次電池

Claims (2)

  1. 少なくとも1層の基材層と、接着層と、少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられたアルミニウム箔層と、接着性樹脂層またはシーラント接着層と、シーラント層とがこの順に積層してなる積層体において、アルミニウム箔層のシーラント層側の表面粗さを表す算術平均高さSaが4.6μm以上10.0μm以下であるアルミニウム箔を使用したことを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
  2. 電極を含む電池要素と、前記電極から延在するリードと、前記電池要素を収容する容器とを備え、
    前記容器は、請求項1に記載の蓄電装置用外装材から、前記シーラント層が内側となるように形成されていることを特徴とする蓄電装置。
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