JP2017124647A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2017124647A
JP2017124647A JP2016003231A JP2016003231A JP2017124647A JP 2017124647 A JP2017124647 A JP 2017124647A JP 2016003231 A JP2016003231 A JP 2016003231A JP 2016003231 A JP2016003231 A JP 2016003231A JP 2017124647 A JP2017124647 A JP 2017124647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
clinch
tire
rubber layer
low heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016003231A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6627519B2 (ja
Inventor
萩原 貴志
Takashi Hagiwara
貴志 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2016003231A priority Critical patent/JP6627519B2/ja
Publication of JP2017124647A publication Critical patent/JP2017124647A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6627519B2 publication Critical patent/JP6627519B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】低転がり特性に優れる空気入りタイヤの提供。【解決手段】このタイヤ2は、トレッド4と、一対のサイドウォール6と、サイドウォール6の端から半径方向略内向きに延びる一対のクリンチ8とを備えている。このクリンチ8が、クリンチ用ゴムからなるクリンチゴム層26と、このクリンチ用ゴムより低い発熱性を有する低発熱性ゴムからなる低発熱性ゴム層28とを有している。この低発熱性ゴム層28が、組み付けられるリムのフランジ50の湾曲部52の開始位置54から先端位置56までの範囲内に対向するように配置されている。タイヤの周方向に垂直な断面において、低発熱性ゴム層28とクリンチゴム層26との境界線DLo、DLiが、クリンチ8の外周との交点における接線に対して80°以上100°以下の範囲内の方向を向いている。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、空気入りタイヤのクリンチ部分の改良に関する。
近年、燃費性能に優れたタイヤに対するニーズが高まっている。走行中のタイヤは、回転に伴って繰り返し撓みを生じている。この繰り返し変形により、タイヤにはエネルギーロスが生じ、タイヤの燃費性能を悪化させている。低燃費化のためには、タイヤの転がり抵抗を低減する必要がある。
転がり抵抗を低減する技術の一例が、特開2003−136920号公報に開示されている。この技術は、サイドウォールゴムに、トレッドゴムより損失係数(損失正接)tanδの小さい低発熱性ゴムを用いるものである。これにより、トレッド部の歪みをサイドウォール部に振り替えて転がり抵抗を減少させようというものである。
特開2013−169882号公報には、キャップ層とベース層とからなるトレッドを備えたタイヤが提案されている。このキャップ層のゴムに、損失係数(損失正接)tanδの小さい低発熱性ゴムを用いて、低燃費化を図ろうというものである。
特開2003−136920号公報 特開2013−169882号公報
しかし、さらなる低転がり抵抗化、低燃費化の要請には、上記先行文献の技術は応え切れていない。本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、転がり抵抗が低減した空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、
トレッドと、一対のサイドウォールと、サイドウォールの端から半径方向略内向きに延びる一対のクリンチとを備えており、
このクリンチが、クリンチ用ゴムからなるクリンチゴム層と、このクリンチ用ゴムより低い発熱性を有する低発熱性ゴムからなる低発熱性ゴム層とを有しており、
この低発熱性ゴム層が、組み付けられるリムのフランジの湾曲部の開始位置から先端までの範囲内に対向するように配置されており、
タイヤの周方向に垂直な断面において、低発熱性ゴム層とクリンチゴム層との境界線が、クリンチの外周との交点における接線に対して80°以上100°以下の範囲内の方向を向いている。
好ましくは、温度が70℃である条件下で測定された、上記低発熱性ゴムの損失正接tanδが、上記クリンチ用ゴムの損失正接tanδの、30%以上60%以下である。
好ましくは、温度が70℃である条件下で測定された、上記低発熱性ゴムの複素弾性率E*が、上記クリンチ用ゴムの複素弾性率E*の、80%以上100%以下である。
好ましくは、上記低発熱性ゴム層の、タイヤ半径方向外側及び内側のそれぞれに、上記クリンチゴム層が配置されている。
本発明に係る空気入りタイヤでは、走行に伴い、主にクリンチがリムフランジから繰り返し圧縮変形を受けることによって発生するエネルギーロスが低減される。その結果、転がり抵抗の低減が可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部を示す断面図である。 図2は、図1のタイヤのクリンチの部分を、リムフランジとともに拡大して示す断面図である。 図3は、リム組みする前のタイヤの、図2のIII部に相当する部分のクリンチを、リムフランジと共に拡大して示す断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1には、このタイヤ2の、周方向に対して垂直な断面の一部が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線で示される中心線CLは、タイヤ2の赤道面EQをも表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面EQに対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、クリンチ8、ビード10、カーカス12、ベルト14、インナーライナー16、チェーファー18及びクッション層20を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、四輪自動車、より詳細には、乗用車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接触するトレッド面22を形成する。トレッド面22には溝24が刻まれている。この溝24により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。サイドウォール6の半径方向外側端は、トレッド4と接合されている。サイドウォール6の半径方向内側端は、クリンチ8と接合されている。サイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、軸方向においてカーカス12よりも外側に位置している。サイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
クリンチ8は、サイドウォール6の端から半径方向略内向きに延びている。クリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、ビード10及びカーカス12よりも軸方向外側に位置している。クリンチ8は、リムのフランジ50と当接し、リムからの荷重を支持する。クリンチ8は、後述するように、互いに特性の異なるゴムからなる二種類の層を含んでいる。この二種類の層は、互いに接合されている。この二種類の層は、クリンチゴム層26及び低発熱性ゴム層28である。このように、クリンチ8は、その部位によってその発熱性が異なるように構成されている。いずれの層を構成するゴムも、耐摩耗性に優れた架橋ゴムである。
ビード10は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。ビード10は、コア30と、このコア30から半径方向外向きに延びるエイペックス32とを備えている。コア30はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス32は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス32は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス12は、カーカスプライ34からなる。カーカスプライ34は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。カーカスプライ34は、コア30の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ34には、主部34aと折り返し部34bとが形成されている。
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト14は、カーカス12と積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。このタイヤ2のベルト14は、内側層36及び外側層38からなる。図1から明らかなように、外側層38は内側層36の半径方向外側に位置している。
インナーライナー16は、カーカス12の内側に位置している。インナーライナー16は、カーカス12の内面に接合されている。インナーライナー16は、架橋ゴムからなる。インナーライナー16には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー16は、タイヤ2の内圧を保持する。
チェーファー18は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー18がこのリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー18は、クリンチ8と一体に形成されている。従って、チェーファー18の材質はクリンチ8の材質と同じである。この場合、チェーファー18の材質は、後述するクリンチ用ゴムと同一となる。チェーファー18は、クリンチ8と一体に形成されなくてもよい。
クッション層20は、ベルト14の端部近傍において、カーカス12と積層されている。クッション層20は、ベルト14の端部の応力を吸収する。このクッション層20により、ベルト14のリフティングが抑制される。
前述したように、クリンチ8は、互いに接合されたクリンチゴム層26と低発熱性ゴム層28とを有している。図2にも示されるように、クリンチ8のうち、この低発熱性ゴム層28のタイヤ半径方向外側及び内側のそれぞれに、クリンチゴム層26o、26iが配置されている。これら両クリンチゴム層は、まとめて符号26でも示される。クリンチゴム層26は、従来のタイヤのクリンチエイペックスとして一般的に用いられているゴム(クリンチ用ゴムという)からなる。低発熱性ゴム層28は、クリンチ用ゴムより発熱性の低い低発熱性ゴムからなる。
図2に示されるタイヤ2の周方向に垂直な断面において、低発熱性ゴム層28は、組み付けられた正規リムのフランジ50の湾曲部52の開始位置54から先端位置56までの範囲内に対向するように配置されている。図示のとおり、通常のリムフランジ50は、タイヤ2のビード10の部分を受け入れる略円筒状の部分58と、この略円筒状部分58から半径方向外方の先端位置56に向けて軸方向外方へ拡がる湾曲部52とを有している。湾曲部52は、上記断面において円弧状を呈している。この湾曲部52の開始位置54とは、略円筒状部分58の半径方向外端であり、略円筒状部分58と湾曲部52との境界位置でもある。
図2における直線DLoは、低発熱性ゴム層28と、タイヤ半径方向外側のクリンチゴム層26oとの境界線を示す。直線DLiは、低発熱性ゴム層28と、タイヤ半径方向内側のクリンチゴム層26iとの境界線を示す。低発熱性ゴム層28の配置を上記のごとくした理由は、リムフランジ50の湾曲部52の開始位置54から先端位置56までの範囲は、タイヤ走行時にクリンチ8との接触圧が特に高くなる範囲だからである。タイヤ走行に伴い、クリンチ8の上記範囲には高い圧縮力が繰り返し負荷される。
このタイヤ2では、リムフランジ50との接触圧が高くなる範囲に低発熱性ゴム層28が設けられている。これにより、変形に伴う発熱が抑制されるので、転がり抵抗が低減される。
低発熱性ゴムは、一般的に摩耗しやすい傾向にある。従って、クリンチ8の全体を低発熱性ゴムから構成してしまうと、クリンチ8が損傷するおそれがある。
図3は、周方向に垂直な断面におけるクリンチ8を示している。この断面において、低発熱性ゴム層28の占める範囲が、クリンチ8の外周面を示す曲線40に沿った展開長さLCで示されている。一方、リムフランジ50の湾曲部52の占める範囲が、リムフランジの内周面を示す曲線に沿った展開長さLFで示されている。前述した作用効果を奏するために、低発熱性ゴム層28が占める展開長さLCは、4mm以上40mm以下の範囲であるのが好ましい。また、リムフランジ50の湾曲部52の展開長さLFに対しては、10%以上80%以下の範囲が好ましい。
上記低発熱性ゴム層28のタイヤ半径方向内側端の位置(DLiの位置)は、リムフランジ50の湾曲部52の開始位置54から、クリンチ8の外周曲線40に沿って、タイヤ半径方向外方に向かって、0mm以上30mm以下の範囲にあるのが好ましい。
ゴムの発熱性を評価するための損失正接tanδ及び複素弾性率E*は、「JIS K 6394」の規定に準拠し、測定温度70℃において測定される。
前述したように、低発熱性ゴム層28は、クリンチ用ゴムより発熱性の低い低発熱性ゴムからなる。低発熱性ゴムの、上記条件下での損失正接tanδは、クリンチ用ゴムの同条件下での損失正接tanδの30%以上60%以下である。低発熱性ゴムの、上記条件下での複素弾性率E*は、クリンチ用ゴムの同条件下での複素弾性率E*の80%以上100%以下である。
低発熱性ゴムの損失正接tanδを、クリンチ用ゴムの損失正接tanδの30%以上とすることにより、低発熱性ゴムの耐久性がクリンチ用ゴムのそれに較べて低下しすぎることなく、損傷の発生を抑制しうる。一方、低発熱性ゴムの損失正接tanδを、クリンチ用ゴムの損失正接tanδの60%以下とすることにより、リムフランジ50からの圧縮力が大きい部位においても、エネルギーロス低減の効果を発揮しうる。
低発熱性ゴムの複素弾性率E*を、クリンチ用ゴムの複素弾性率E*の100%以下とすることにより、低発熱性ゴムが高剛性になりすぎることなく、損傷の発生を抑制しうる。低発熱性ゴムの複素弾性率E*を、クリンチ用ゴムの複素弾性率E*の80%以上とすることにより、低発熱性ゴムが低剛性になりすぎることなく、クリンチの過度な屈曲変形を抑制しうる。
クリンチ用ゴムの発熱性を定量的に示す性質は、以下のとおりである。クリンチ用ゴムの、70°C、振動数10Hz、振動歪み2%の条件下における損失正接tanδは、一般的に0.05以上0.30以下の範囲である。この数値が小さいほど発熱性が低く、転がり抵抗が低くなる。
図3に示される、周方向に垂直な断面において、低発熱性ゴム層28とクリンチゴム層26o、26iとの2本の境界線DLo、DLi、は、クリンチ8の外周面を示す曲線40に対してほぼ垂直な方向に延びている。この境界線DLo、DLiは、クリンチ8の外周面を示す曲線40との交点における接線TLに対してなす角度αが80°以上100°以下の範囲内の方向に延びている。換言すれば、境界線DLo、DLiは、クリンチ8の外周面を示す曲線40との交点における法線に対して±10°以内の方向に延びている。上記境界線DLo、DLiの方向の規定は、タイヤがリムに組み込まれていない製造時点の状態でのものである。従って、図3ではリムフランジ50が二点鎖線で示されている。境界線DLの上記接線TLに対してなす角度αは、低発熱性ゴム層28の半径方向外側の境界線DLoと半径方向内側の境界線DLiとで、異なっていてもよい。
この構成によれば、境界線DLo、DLiの方向が、リムフランジ50からクリンチ8の外周面への圧縮力の方向に略一致する。低発熱性ゴム層28とクリンチゴム層26o、26iとの境界を上記のごとく形成することにより、リムフランジ50とクリンチ8とが圧接した際、リムフランジ50からクリンチ8の外周面への垂直方向の圧縮力に対してクリンチ8が効率良く作用することができる。境界線DLo、DLiの方向が上記法線方向から大きく傾斜すると、クリンチ8の耐久性が低下する傾向が現れる。
本発明では、特に言及された場合を除き、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。前述したように、本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1から図3に示された基本構成を備え、表1に示された仕様のクリンチを備えた実施例1の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは「205/55R16」である。このタイヤでは、低発熱性ゴム層28が占める展開長さLC(図3)は、6mmとされている。低発熱性ゴム層28のタイヤ半径方向内側端の位置(DLiの位置)は、リムフランジ50の湾曲部52の開始位置54から、クリンチ8の外周曲線40に沿って、タイヤ半径方向外方に向かって、3mmの位置とされている。この実施例1では、そのクリンチ用ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*を、後述の比較例1の値を指数で100したときの指数値で示されている。境界線DLの上記接線TLに対する交差角度αが、度単位で示されている。表1から明らかなように、実施例1のクリンチ用ゴムには、比較例1と同じクリンチ用ゴムが用いられている。また、その低発熱性ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*も、比較例1のクリンチ用ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*の値を指数で100したときの指数値で示されている。
[実施例2−5]
図1から図3に示された基本構成を備え、表1に示された仕様のクリンチを備えた実施例2から5の空気入りタイヤを得た。クリンチ用ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*を、比較例1の値を指数で100したときの指数値で示されている。低発熱性ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*も、比較例1のクリンチ用ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*の値を指数で100したときの指数値で示されている。実施例2から5のその他の構成は、実施例1と同一とされた。
[比較例1]
比較例1は、従来のタイヤである。この比較例1のタイヤには、低発熱性ゴム層は設けられていない。クリンチの全てがクリンチ用ゴムから構成されている。その他は、実施例1と同じ構成とした。
[実施例6−9]
図1から図3に示された基本構成を備え、表2に示された仕様のクリンチを備えた実施例6から9の空気入りタイヤを得た。クリンチ用ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*を、比較例1の値を指数で100したときの指数値で示されている。低発熱性ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*も、比較例1のクリンチ用ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*の値を指数で100したときの指数値で示されている。実施例6から9のその他の構成は、実施例1と同一とされた。
[実施例10、11、比較例2及び3]
図1から図3に示された基本構成を備え、表3に示された仕様のクリンチを備えた実施例10及び11、並びに、比較例2及び3の空気入りタイヤを得た。クリンチ用ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*を、比較例1の値を指数で100したときの指数値で示されている。低発熱性ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*も、比較例1のクリンチ用ゴムの損失正接tanδ及び複素弾性率E*の値を指数で100したときの指数値で示されている。実施例10及び11、並びに、比較例2及び3のその他の構成は、実施例1と同一とされた。
[比較例4]
比較例4のタイヤでは、そのクリンチの全てが低発熱性ゴムから構成されている。この比較例4のタイヤのクリンチには、クリンチゴム層は設けられていない。その他は、実施例1と同じ構成とした。
[耐久性]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を250kPaとした。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、7.3kNの縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを、100km/hの速度で、駆動ドラムの上を走行させた。20000km走行後、タイヤの外観を観察し、クリンチ及びその周辺部における損傷の有無、及び、損傷の程度が確認された。その結果が表1から3に示されている。損傷が確認されなかったタイヤはA、微細な損傷が確認されたタイヤはB、明確な損傷が確認されたタイヤはCで示されている。
[転がり抵抗]
タイヤを正規リムに組み込み、転がり抵抗試験機を用いて下記の測定条件で転がり抵抗を測定した。
タイヤ内圧:210kPa
負荷荷重 :4.8kN
走行速度 :80km/h
各タイヤの転がり抵抗の測定値に基づき、比較例1の値を100とする指数が表1から3に示されている。この指数が、各タイヤの低転がり抵抗性を示している。指数は、大きいほど低転がり抵抗性に優れることを示している。
Figure 2017124647
Figure 2017124647
Figure 2017124647
表1から3に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、種々の車両に適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・インナーライナー
18・・・チェーファー
20・・・クッション層
22・・・トレッド面
24・・・溝
26・・・クリンチゴム層
28・・・低発熱性ゴム層
30・・・コア
32・・・エイペックス
34・・・カーカスプライ
36・・・(ベルトの)内側層
38・・・(ベルトの)外側層
40・・・(クリンチの外周面を示す)曲線
50・・・リムフランジ
52・・・(リムフランジの)湾曲部
54・・・(リムフランジの湾曲部の)開始位置
56・・・(リムフランジの)先端位置
58・・・(リムフランジの)略円筒状部分
CL・・・中心線
DLo・・・(半径方向外側の)境界線
DLi・・・(半径方向内側の)境界線
EQ・・・赤道面
TL・・・接線

Claims (4)

  1. トレッドと、一対のサイドウォールと、サイドウォールの端から半径方向略内向きに延びる一対のクリンチとを備えており、
    このクリンチが、クリンチ用ゴムからなるクリンチゴム層と、このクリンチ用ゴムより低い発熱性を有する低発熱性ゴムからなる低発熱性ゴム層とを有しており、
    この低発熱性ゴム層が、組み付けられるリムのフランジの湾曲部の開始位置から先端までの範囲内に対向するように配置されており、
    タイヤの周方向に垂直な断面において、低発熱性ゴム層とクリンチゴム層との境界線が、クリンチの外周との交点における接線に対して80°以上100°以下の範囲内の方向を向いている、空気入りタイヤ。
  2. 温度が70℃である条件下で測定された、上記低発熱性ゴムの損失正接tanδが、上記クリンチ用ゴムの損失正接tanδの、30%以上60%以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 温度が70℃である条件下で測定された、上記低発熱性ゴムの複素弾性率E*が、上記クリンチ用ゴムの複素弾性率E*の、80%以上100%以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記低発熱性ゴム層の、タイヤ半径方向外側及び内側のそれぞれに、上記クリンチゴム層が配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2016003231A 2016-01-12 2016-01-12 空気入りタイヤ Active JP6627519B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016003231A JP6627519B2 (ja) 2016-01-12 2016-01-12 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016003231A JP6627519B2 (ja) 2016-01-12 2016-01-12 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017124647A true JP2017124647A (ja) 2017-07-20
JP6627519B2 JP6627519B2 (ja) 2020-01-08

Family

ID=59363817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016003231A Active JP6627519B2 (ja) 2016-01-12 2016-01-12 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6627519B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006035895A (ja) * 2004-07-22 2006-02-09 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ランフラットタイヤ
JP2008044440A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2008273247A (ja) * 2007-04-25 2008-11-13 Bridgestone Corp 高荷重用ラジアルタイヤ
JP2015171850A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2015174526A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2015199465A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006035895A (ja) * 2004-07-22 2006-02-09 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ランフラットタイヤ
JP2008044440A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2008273247A (ja) * 2007-04-25 2008-11-13 Bridgestone Corp 高荷重用ラジアルタイヤ
JP2015171850A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2015174526A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2015199465A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6627519B2 (ja) 2020-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6772601B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4478646B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2014151755A (ja) 重荷重用タイヤ
CN107020894B (zh) 充气轮胎
JP4728304B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2018070110A (ja) 空気入りタイヤ
JP6389426B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6816543B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6165615B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2017137007A (ja) 空気入りタイヤ
JP7230479B2 (ja) 二輪自動車用タイヤ
JP7225669B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP7183689B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP6465401B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6329421B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6077837B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6315667B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2013154819A (ja) ランフラットタイヤ
JP6627519B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5128137B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6627545B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP6274500B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2017121848A (ja) 空気入りタイヤ
JP2014201079A (ja) 空気入りタイヤ
JP6707863B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6627519

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250