JP6329421B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、トラック、バス等のような車両に装着される重荷重用空気入りタイヤに関する。
タイヤには、カーカスを補強するために、ベルトが設けられている。ベルトは、カーカスに積層されている。ベルトの端は、トレッドの端の近傍に位置している。走行状態にあるタイヤでは、ベルトの端に歪みが集中する。歪みの集中を抑えるために、ベルトの端とカーカスとの間には通常、クッションが設けられている。
環境への配慮から、近年、低燃費な車輌の開発が進んでいる。車輌には、空気入りタイヤが装着される。空気入りタイヤは、車体を支持するとともに、路面に動力を伝える役割を担っている。タイヤは、車輌の燃費性能に影響する。
車輌の低燃費化の達成の観点から、タイヤの開発も進んでいる。この開発では、タイヤの転がり抵抗を低減することに注力されている。小さな転がり抵抗の観点から、損失正接の小さなゴム材料の採用が検討されている。これは、損失正接の小さなゴム材料では、損失正接の大きなゴム材料に比べて発熱(エネルギーロス)が抑えられるためである。小さな損失正接を有するゴム材料を、前述のクッションへ適用するための検討例が、特開2010−184537公報に開示されている。
特開2010−184537公報
タイヤのカーカスは、並列された多数のコードを含んでいる。ベルトも、カーカスと同様、多数の並列されたコードを含んでいる。重荷重用タイヤのカーカス及びベルトには、スチールコードが採用されている。
重荷重用タイヤでは、硬質なスチールコードが柔軟なクッションに近接している。このため、ベルトとカーカスとの間に位置するクッションには歪みが集中しやすい。しかも損失正接の小さなゴム材料は損失正接の大きなゴム材料に比べてもろいため、損失正接の小さなゴム材料をクッションに適用すると、ベルトの端においてルースのような損傷が生じる恐れがある。損傷は、タイヤの耐久性に影響する。
重荷重用タイヤは、主に商用車で使われる。走行距離が長いため、このタイヤでは、耐摩耗性が重視される。耐摩耗性の観点から、大きなボリュームを有するトレッドを採用することがある。
近年、新興国においては高速道路の普及が著しい。高速走行では、トレッドが熱を帯びやすい。この発熱は、トレッドルースセパレーション(TLC)という損傷を招来する恐れがある。
前述の大きなボリュームを有するトレッドには、熱が蓄積しやすい。このため、TLC防止の観点からは、小さなボリュームを有するトレッドが採用される。トレッドボリュームの調整のみで耐摩耗性の向上とTLCの防止とを両立させるのは困難である。
トレッドのための組成物を改良すれば、小さなボリュームのトレッドで耐摩耗性の向上は達成できる。しかしこの場合、トレッドが発熱しやすくなるため、小さなボリュームのトレッドを採用しているにもかかわらず、TLCの防止を達成できない恐れがある。
本発明の目的は、転がり抵抗の低減及びトレッドルースセパレーションの防止が達成された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれが上記サイドウォールよりも半径方向内側に位置する一対のビードと、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、上記トレッドの半径方向内側においてカーカスと積層されるベルトと、それぞれが上記ベルトの軸方向外側に位置する一対のクッションとを備えている。上記クッションは上記ベルトの端と上記カーカスとの間に位置している。上記クッションは本体と緩衝層とを備えている。上記緩衝層は上記本体と上記ベルトの端との間及びこの本体と上記カーカスとの間に位置している。上記緩衝層の損失正接は上記本体の損失正接よりも大きい。上記ベルトの端から上記本体までの厚みt1は2mm以上4mm以下である。上記本体から上記カーカスまでの厚みt2は1mm以上3mm以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記厚みt1は2.5mm以上3.5mm以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記厚みt2は1.5mm以上2.5mm以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記緩衝層の損失正接と上記本体の損失正接との差は0.05以上である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、クッションは本体及び緩衝層を備えている。小さな損失正接の本体は、転がり抵抗の低減に寄与しうる。このタイヤでは、本体とベルトの端との間、及び、本体とカーカスとの間には、大きな損失正接の緩衝層が位置している。この緩衝層は、本体への歪みの集中を抑えうる。このタイヤでは、ベルトの端における損傷が効果的に防止される。
このタイヤでは、本体が発熱しにくいので、ショルダー部分の温度は従来タイヤのそれよりも低い。このタイヤでは、小さなボリュームのトレッドを採用せずとも、トレッドルースケーシング(TLC)の発生が防止できる。しかも大きなボリュームのトレッドを採用できるので、耐摩耗性が適切に維持される。
本発明によれば、転がり抵抗の低減及びトレッドルースセパレーションの防止が達成された空気入りタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、クリンチ8、ビード10、カーカス12、ベルト14、フィラー16、カバーゴム18、ストリップ20、インナーライナー22、インスレーション24、チェーファー26及びクッション28を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、トラック、バス等に装着される。このタイヤ2は、重荷重用である。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接触するトレッド面30を形成する。トレッド4には、溝32が刻まれている。この溝32により、トレッドパターンが形成されている。
このタイヤ2では、トレッドパターンは複数の主溝32を備えている。それぞれの主溝32は、周方向に連続して延在している。図1において、両矢印Wは主溝32の幅を表している。両矢印Dは、この主溝32の深さを表している。このタイヤ2では、主溝32の幅Wは2mm以上15mm以下である。主溝32の深さDは、11mm以上15mm以下である。
このタイヤ2では、トレッド4に複数の主溝34が刻まれることにより、軸方向に並列された複数の陸部36が形成されている。このタイヤ2では、これら陸部36のそれぞれは、周方向に連続して延在する単一のユニットから構成されている。このような陸部36は、リブとも称される。言い換えれば、このタイヤ2の陸部36は周方向に延在するリブから構成されている。この陸部36に略軸方向に延在する複数の溝32が刻まれることにより、この陸部36が周方向に並列された複数のブロックで構成されてもよい。
図示されていないが、このタイヤ2では、トレッド4はベース層とキャップ層とを有している。キャップ層は、ベース層の半径方向外側に位置している。キャップ層は、ベース層に積層されている。通常ベース層は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。通常キャップ層は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側端は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側端は、クリンチ8と接合されている。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
クリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、リムのフランジと当接する。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。
ビード10は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。ビード10は、コア38と、ハードエイペックス40と、ソフトエイペックス42とを備えている。コア38はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。ハードエイペックス40は、コア38から半径方向外向きに延びている。ハードエイペックス40は、高硬度な架橋ゴムからなる。ハードエイペックス40は、ビード10の部分の倒れを抑えうる。ソフトエイペックス42は、ハードエイペックス40から半径方向外向きに延びている。ソフトエイペックス42は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。ソフトエイペックス42は、軟質な架橋ゴムからなる。ソフトエイペックス42は、ビード10の部分における歪みを緩和しうる。
カーカス12は、カーカスプライ44からなる。カーカスプライ44は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ44は、コア38の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ44には、主部46と折り返し部48とが形成されている。折り返し部48の端は、軸方向において、ストリップ20とカバーゴム18との間に位置している。
カーカスプライ44は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。コードの材質は、スチールである。つまり、このカーカスプライ44はスチールコードを含んでいる。このタイヤ2では、カーカス12が2枚以上のカーカスプライ44から形成されてもよい。
ベルト14は、半径方向においてトレッド4の内側に位置している。ベルト14は、半径方向においてカーカス12の外側に位置している。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。このタイヤ2では、ベルト14は、第一層50、第二層52、第三層54及び第四層56からなる。このベルト14は4層から構成されている。このベルト14が3層で構成されてもよい。
第一層50は、半径方向においてベルト14の内側部分をなす。第一層50は、赤道面においてカーカス12と積層されている。第二層52は、第一層50の半径方向外側に位置している。第二層52は、第一層50と積層されている。第三層54は、第二層52の半径方向外側に位置している。第三層54は、第二層52と積層されている。第四層56は、第三層54の半径方向外側に位置している。第四層56は、第三層54と積層されている。図示されているように、軸方向において、第二層52がベルト14をなす4層のうち最も大きな幅を有している。このタイヤ2では、第二層52の端がベルト14の端58である。
図示されていないが、第一層50、第二層52、第三層54及び第四層56のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。第二層52のコードの赤道面に対する傾斜方向は、第一層50のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。第三層54のコードの赤道面に対する傾斜方向は、第二層52のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。第四層56のコードの赤道面に対する傾斜方向は、第三層54のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。それぞれの層において、コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、15°から70°である。コードの材質は、スチールである。つまり、このベルト14はスチールコードを含んでいる。
フィラー16は、ビード10の近くに位置している。フィラー16は、カーカス12と積層されている。フィラー16は、カーカスプライ44の内側において、ビード10のコア38の周りで折り返されている。フィラー16の一端は、カーカスプライ44の折り返し部48の軸方向外側に位置している。この一端は、折り返し部48とクリンチ8と間に位置している。フィラー16の他端は、カーカスプライ44の主部46の軸方向内側に位置している。この他端は、半径方向において一端よりも外側に位置している。図示されていないが、フィラー16は並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、半径方向に対して傾斜している。コードの材質は、スチールである。フィラー16は、ビード10の部分の倒れを抑えうる。
カバーゴム18は、軸方向においてソフトエイペックス42よりも外側に位置している。図示されているように、カバーゴム18は、カーカスプライ44の折り返し部48の端を覆う。カバーゴム18は、軟質な架橋ゴムからなる。カバーゴム18は、折り返し部48の端への応力集中を緩和する。
ストリップ20は、軸方向においてソフトエイペックス42とカバーゴム18との間に位置している。ストリップ20は、軟質な架橋ゴムからなる。図から明らかなように、折り返し部48の端がストリップ20に積層されている。ストリップ20は、折り返し部48の端への歪みの集中を緩和する。
インナーライナー22は、カーカス12よりも内側に位置している。インナーライナー22は、インスレーション24の内面に接合されている。インナーライナー22は、架橋ゴムからなる。インナーライナー22には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー22の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー22は、タイヤ2の内圧を保持する。
インスレーション24は、カーカス12とインナーライナー22との間に位置している。インスレーション24は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。インスレーション24は、カーカス12と堅固に接合し、インナーライナー22とも堅固に接合する。インスレーション24は、インナーライナー22の、タイヤ2からの剥離防止に寄与しうる。
チェーファー26は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー26がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー26は、クリンチ8と一体である。従って、チェーファー26の材質はクリンチ8の材質と同じである。チェーファー26が、布とこの布に含浸したゴムとからなってもよい。
クッション28は、ベルト14の端58の近くに位置している。クッション28は、ベルト14の軸方向外側に位置している。図示されているように、クッション28は、ベルト14の端58とカーカス12との間に位置している。言い換えれば、クッション28はベルト14の端58の部分とカーカスプライ44の主部46との間に挟まれている。クッション28は、ベルト14の端58の応力を吸収する。クッション28は、ベルト14の端58における損傷を防止する。
図1において、両矢印Tcはクッション28の厚みを表している。この厚みTcは、クッション28の最大厚みにより表される。応力の吸収の観点から、この厚みTcは10mm以上が好ましい。剛性の観点から、この厚みTcは20mm以下が好ましい。
図2は、図1に示されたタイヤ2の一部が示されている。この図2には、このタイヤ2のショルダー部分が示されている。図2において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。このタイヤ2では、クッション28は本体60と緩衝層62とを備えている。
本体60は、クッション28とトレッド4との境界64から軸方向略内向きに先細りな形状を呈している。緩衝層62は、軸方向において本体60よりも内側に位置している。このタイヤ2では、本体60の軸方向内端66(先端とも称される)が、この緩衝層62で覆われている。このタイヤ2では、本体60とトレッド4との間に緩衝層62は設けられていない。この本体60とトレッド4との間に、緩衝層62が設けられてもよい。
このタイヤ2では、本体60及び緩衝層62のそれぞれは架橋ゴムからなる。本体60の架橋ゴムは、緩衝層62の架橋ゴムとは相違する。特に、本体60と緩衝層62とでは、損失正接の点で相違している。本願において、損失正接(tanδとも称される。)は、「JIS K 6394」の規定に準拠して測定される。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
このタイヤ2では、緩衝層62の損失正接は本体60の損失正接よりも大きい。言い換えれば、本体60は小さな損失正接を有しており、緩衝層62は大きな損失正接を有している。
小さな損失正接の本体60では、変形により付与されたエネルギーが復元のために効率よく使用される。この本体60は発熱しにくい。エネルギーのロスが小さいので、この本体60は転がり抵抗の低減に寄与しうる。この本体60が発熱しにくいので、ショルダー部分の温度は従来タイヤのそれよりも低い。このタイヤ2では、小さなボリュームのトレッド4を採用せずとも、トレッドルースケーシング(TLC)が防止できる。しかも大きなボリュームのトレッド4を採用できるので、耐摩耗性が適切に維持される。この観点から、本体60の損失正接は0.10以下が好ましい。
大きな損失正接の緩衝層62では、変形により付与されたエネルギーの一部が熱として消費される。緩衝層62は本体60よりも発熱しやすい。エネルギーの消費により応力が緩和されるので、ベルト14の端58への歪みの集中が抑えられる。この緩衝層62は、ベルト14の端58における損傷の防止に寄与しうる。この観点から、緩衝層62の損失正接は0.10よりも大きいのが好ましく、0.11以上がより好ましい。過大な発熱の防止の観点から、損失正接は0.15以下が好ましい。
このタイヤ2では、緩衝層62の損失正接と本体60の損失正接との差は0.05以上が好ましい。このタイヤ2では、小さな損失正接を有する本体60が転がり抵抗の低減及びTLCの防止に寄与し、大きな損失正接を有する緩衝層62が耐久性の向上に寄与する。しかも大きなボリュームのトレッド4を採用できるので、耐摩耗性が適切に維持される。この観点から、この差は0.06以上がより好ましい。本体60と緩衝層62との境界への歪みの集中が防止されるとの観点から、両者の剛性差は適切に維持されるのが好ましい。この観点から、この差は0.10以下が好ましい。
このタイヤ2では、緩衝層62は本体60とベルト14の端58との間に位置している。言い換えれば、緩衝層62の一部が本体60とベルト14との間に位置している。緩衝層62は、本体60と、ベルト14に含まれるスチールコードとを適切な間隔で離間させる。緩衝層62は、本体60がこのスチールコードに接近することを防止する。前述の通り緩衝層62は、大きな損失正接を有している。この緩衝層62は、本体60への歪みの集中を抑えうる。このタイヤ2では、ベルト14の端58における損傷が防止される。
このタイヤ2では、緩衝層62は本体60とカーカス12との間に位置している。言い換えれば、緩衝層62の一部が本体60とカーカス12との間に位置している。緩衝層62は、本体60と、カーカス12に含まれるスチールコードとを適切な間隔で離間させる。緩衝層62は、本体60がこのスチールコードに接近することを防止する。前述の通り緩衝層62は、大きな損失正接を有している。この緩衝層62は、本体60への歪みの集中を抑えうる。このタイヤ2では、ベルト14の端58における損傷が防止される。
走行状態にあるタイヤ2では、ベルト14の端58の部分は動きやすい。図から明らかなように、本体60の先端66は軸方向においてベルト14の端58よりも内側に位置している。このタイヤ2では、本体60とベルト14とは半径方向において重なり合っている。本体60がベルト14のリフティングに伴うエネルギーロスを効果的に抑えうる。このタイヤ2では、転がり抵抗がかなり小さい。本体60における発熱が小さいので、TLCが効果的に防止される。この本体60がベルト14の端58よりもさらに軸方向外側に位置するクッション28とトレッド4との境界64にまで存在しているので、このタイヤ2では転がり抵抗がより一層低減される上に、TLCがより一層防止される。
本体60が転がり抵抗の低減及びTLCの防止に寄与し、緩衝層62がベルト14の端58における損傷の防止に寄与しうる。このタイヤ2では、クッション28に低発熱性のゴムを採用しているにもかかわらず、耐久性が適切に維持される。しかも大きなボリュームのトレッド4を採用できるので、このタイヤで2は耐摩耗性が適切に維持される。本発明によれば、転がり抵抗の低減及びトレッドルースセパレーションの防止が達成された空気入りタイヤ2が得られる。
図2において、両矢印t1はベルト14の端58から本体60までの厚みを表している。この厚みt1は、ベルト14の端58から本体60までの最短距離により表される。
このタイヤ2では、厚みt1は2mm以上4mm以下である。この厚みt1が2mm以上に設定されることにより、ベルト14の端58と本体60との間に位置する緩衝層62が適度なボリュームを有するので、この緩衝層62がタイヤ2の耐久性に寄与しうる。この観点から、この厚みt1は、2.0mm以上が好ましく、2.5mm以上がより好ましい。この厚みt1が4mm以下に設定されることにより、本体60が適度なボリュームを有するので、この本体60が転がり抵抗の低減及びTLCの防止に寄与しうる。しかも大きなボリュームのトレッド4を採用できるので、このタイヤで2は耐摩耗性が適切に維持される。この観点から、この厚みt1は、4.0mm以下が好ましく、3.5mm以下がより好ましい。
図から明らかなように、このタイヤ2では、本体60の先端66からクッション28とトレッド4との境界64に至るまで、本体60とベルト14との間に位置する緩衝層62は略一様な厚みを有している。このタイヤ2では、本体60とベルト14との間に位置する緩衝層62に特異な剛性を有する部分が形成されにくい。この緩衝層62は、ベルト14の端58における損傷防止に効果的に寄与しうる。なお、この本体60とベルト14との間において、緩衝層62が、その厚みが本体60の先端66から境界64に向かって漸増するように構成されてもよい。この緩衝層62が、その厚みが本体60の先端66から境界64に向かって漸減するように構成されてもよい。
図2において、両矢印t2は本体60からカーカス12までの厚みを表している。この厚みt2は、本体60とカーカス12との間に存在する緩衝層62の最小厚みにより表される。
このタイヤ2では、厚みt2は1mm以上3mm以下である。この厚みt2が1mm以上に設定されることにより、本体60とカーカス12との間に位置する緩衝層62が適度なボリュームを有するので、この緩衝層62がタイヤ2の耐久性に寄与しうる。この観点から、この厚みt2は、1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましい。この厚みt2が3mm以下に設定されることにより、本体60が適度なボリュームを有するので、この本体60が転がり抵抗の低減及びTLCの防止に寄与しうる。しかも大きなボリュームのトレッド4を採用できるので、このタイヤで2は耐摩耗性が適切に維持される。この観点から、この厚みt2は、3.0mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましい。
図から明らかなように、このタイヤ2では、本体60の先端66からクッション28層とトレッド4との境界64に至るまで、本体60とカーカス12との間に位置する緩衝層62はその厚みが概ね漸増するように構成されている。このタイヤ2では、本体60とカーカス12との間に位置する緩衝層62に特異な剛性を有する部分が形成されにくい。この緩衝層62は、ベルト14の端58における損傷防止に効果的に寄与しうる。なお、この本体60とベルト14との間において、緩衝層62が略一様な厚みを有していてもよい。
図2において、両矢印Lは本体60とベルト14との重複長さを表している。この長さLは、ベルト14の端58から本体60の先端66までの軸方向長さにより表される。
このタイヤ2では、本体60が転がり抵抗の低減に効果的に寄与しうるとの観点から、重複長さLは1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。この長さLは大きいほど好ましいが、この長さLが15mmを超えると、前述の厚みt1及び/又は厚みt2が過小となり、耐久性が低下してしまう。
以上説明されたタイヤ2は、次のようにして製造される。フォーマーのドラム上で、トレッド4、サイドウォール6等の部材を組み合わせて、ローカバー(未架橋タイヤ2)が得られる。特に、このタイヤ2の製造方法では、クッション28を形成する際、本体60のためのゴム組成物から第一ストリップが形成される。緩衝層62のためのゴム組成物から第二ストリップが形成される。この製造方法では、第一ストリップ及び第二ストリップのそれぞれを螺旋状に周方向に巻回して、本体60と緩衝層62とで構成されたクッション28が形成される。
この製造方法では、ローカバーはモールドに投入される。このとき、ブラダーはローカバーの内側に位置している。ブラダーにガスが充填されると、ブラダーは膨張する。これにより、ローカバーは変形する。モールドが締められ、ブラダーの内圧が高められる。ローカバーは、モールドとブラダーとに挟まれ加圧される。ローカバーは、ブラダー及びモールドからの熱伝導により、加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物は流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、図1に示されたタイヤ2が得られる。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤ2の場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた実施例1の重荷重用空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、315/80R22.5とされた。
この実施例1では、緩衝層の損失正接(tanδ)は0.11とされた。本体の損失正接(tanδ)は、0.05とされた。したがって、緩衝層の損失正接と本体の損失正接との差は、0.06であった。
この実施例1では、ベルトの端から本体までの厚みt1は3.0mmとされた。本体からカーカスまでの厚みt2は、2.0mmとされた。さらにこの実施例1では、本体とベルトとの重複長さLは、10mmとされた。
[実施例2−5及び比較例1−2]
厚みt1を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−5及び比較例1−2のタイヤを得た。
[実施例6−9及び比較例3−4]
厚みt2を下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6−9及び比較例3−4のタイヤを得た。
[実施例10−13及び比較例5−6]
本体の損失正接を変えて緩衝層の損失正接と本体の損失正接との差を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例10−13及び比較例5−6のタイヤを得た。比較例5では、実施例1の緩衝層のためのゴム組成物を用いてクッション全体が構成された。比較例6では、実施例1の本体のためのゴム組成物を用いてクッション全体が構成された。
[実施例14−17]
重複長さLを下記の表4に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例14−17のタイヤを得た。
[転がり抵抗(RR)]
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗を測定した。
使用リム:9.00×22.5(アルミニウム合金製)
内圧:850kPa
荷重:33.34kN
速度:80km/h
この結果が、実施例1を100とした指数として、下記の表1から4に示されている。数値が大きいほど転がり抵抗が低い。
[耐久性]
試作タイヤを正規リム(サイズ=9.00×22.5)に組み込み、このタイヤに内圧が830kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、トラック(10トン)の前輪に装着し、フル積載状態で80km/hの速度でサーキットコースを走行させた。主溝の深さを計測しつつ、主溝の深さが走行前の深さの70%(摩耗率)に到達するまで、この走行は継続された。走行後、タイヤの外観を目視にて観察し、損傷(ベルトエッジルース(BEL)及びプライルース(PL))の発生の有無を確認した。この結果が、下記の表1から4に示されている。損傷の発生が認められなかった場合が「OK」で表されている。損傷の発生が認められた場合が「NG」で表されている。
[TLCの評価]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して規格内圧(830kPa)とした。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、規格荷重(36.77kNの縦荷重)をタイヤに負荷した。このタイヤを、80km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を、測定した。この結果が、実施例1を100とした指数として、下記の表1から4に示されている。数値が大きいほど耐TLC性能に優れる。
Figure 0006329421
Figure 0006329421
Figure 0006329421
Figure 0006329421
表1から4に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された空気入りタイヤは、種々の重荷重用の車両に適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
28・・・クッション
30・・・トレッド面
34・・・主溝
44・・・カーカスプライ
46・・・主部
48・・・折り返し部
50・・・第一層
52・・・第二層
54・・・第三層
56・・・第四層
58・・・ベルト14の端
60・・・本体
62・・・緩衝層
66・・・本体60の先端

Claims (4)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれが上記サイドウォールよりも半径方向内側に位置する一対のビードと、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、上記トレッドの半径方向内側においてカーカスと積層されるベルトと、それぞれが上記ベルトの軸方向外側に位置する一対のクッションとを備えており、
    上記クッションが上記ベルトの端と上記カーカスとの間に位置しており、
    上記クッションが本体と緩衝層とを備えており、
    上記緩衝層が上記本体と上記ベルトの端との間及びこの本体と上記カーカスとの間に位置しており、
    上記緩衝層の損失正接が上記本体の損失正接よりも大きく、
    上記緩衝層の損失正接と上記本体の損失正接との差が0.03以上であり、
    上記ベルトの端から上記本体までの厚みt1が2mm以上4mm以下であり、
    上記本体から上記カーカスまでの厚みt2が1mm以上3mm以下である、空気入りタイヤ。
  2. 上記厚みt1が2.5mm以上3.5mm以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記厚みt2が1.5mm以上2.5mm以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記緩衝層の損失正接と上記本体の損失正接との差が0.05以上である、請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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