JP2017124392A - 多孔性中空糸膜、多孔性中空糸膜の製造方法、及び浄水方法 - Google Patents

多孔性中空糸膜、多孔性中空糸膜の製造方法、及び浄水方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐剥離性を長期にわたって維持可能な多孔性中空糸膜を提供する。【解決手段】マルチフィラメントからなる複数本の糸を成形した中空状の経編紐2と、経編紐2の外周面に設けられた多孔質膜層3とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔性中空糸膜、多孔性中空糸膜の製造方法、及び浄水方法に関する。
上水処理および下水処理において、処理水から懸濁物の除去を行う除濁操作が行われる。従来の除濁操作には、沈降法、砂濾過法又は凝集沈殿砂濾過法などが用いられている。一方、高く且つ安定的な除濁性、小設置スペース、および自動運転の容易性などから、近年では、膜濾過法が普及しつつある。
膜濾過法においては、緻密な細孔を画定する幹を有する中空糸状の膜、例えば限外濾過膜や精密濾過膜(孔径数nmから数百nmの範囲)が用いられる。このような膜は、多様な方法により製造される。製造方法の中で、膜の孔径コントロールがしやすい相分離法が知られている。
更に高い強度を有する膜として、支持体上に多孔質膜層をコーティングした中空糸膜が提案されている(特許文献1参照)。
国際公開2009/142279号
しかし、特許文献1に記載された中空糸膜では引張強度は向上するものの、支持体表面からの多孔質膜の剥離が問題となることがある。
そこで、本発明は、高い耐剥離性を長期にわたって維持可能な多孔性中空糸膜を提供することを目的とする。
本発明の多孔性中空糸膜は、マルチフィラメントからなる複数本の糸を成形した中空状の経編紐と、経編紐の外周面に設けられた多孔質膜層とを備える。
また、上記本発明の多孔性中空糸膜において、多孔質膜層は、経編紐の空孔を画定する内壁に係合するように突出している係合片を有し、少なくとも一部の係合片の突出方向における何れかの位置において、その突出方向に垂直な何れかの方向における太さが80um以上であることが好ましい。
また、上記本発明の多孔性中空糸膜において、係合片は経編紐の外周面から内周面に向かって貫通していることが好ましい。
また、上記本発明の多孔性中空糸膜において、多孔質膜層と経編紐との剥離強度は40N以上であることが好ましい。
また、上記本発明の多孔性中空糸膜において、経編紐の複数の空孔の少なくとも一部の面積は0.05mm以上であることが好ましい。
本発明の多孔性中空糸膜の製造方法は、上記本発明の多孔性中空糸膜の製造方法であって、溶剤および熱可塑性樹脂を含み、粘度が250Pa・s以上の製膜原液を、経編紐の外表面に塗布し、相分離法により多孔質膜層を形成することを特徴とする。
また、上記本発明の多孔性中空糸膜の製造方法において、相分離法は、熱誘起相分離法であることが好ましい。
また、上記本発明の多孔性中空糸膜の製造方法において、製膜原液は、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリフッ化ビニリデンのうちのいずれかの熱可塑性樹脂と溶剤との混合物であることが好ましい。
また、上記本発明の多孔性中空糸膜の製造方法において、ポリエチレンは粘度平均分子量100万以上であることが好ましい。
また、上記本発明の多孔性中空糸膜の製造方法において、製膜原液は、熱可塑性樹脂、無機微粉および溶剤の混合物であることが好ましい。
本発明の浄水方法は、上記本発明の多孔性中空糸膜を用いてろ過をすることを特徴とする。
本発明の多孔性中空糸膜によれば、高い耐剥離性を長期にわたって維持することができる。
本発明に係る多孔性中空糸膜の一実施形態を模式的に示す断面図である。 図1の多孔性中空糸膜における経編紐の外観を示す斜視図である。 図1の多孔性中空糸膜における経編紐の部分拡大図である。 図1の多孔性中空糸膜の断面図の部分拡大図である。 図1の多孔質膜層の係合片の太さを説明するための図
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変更して実施できる。
[多孔性中空糸膜]
多孔性中空糸膜は、細長い中空糸状に形成された濾過膜である。図1は、本実施形態に係る多孔性中空糸膜の長さ方向に直交する方向の断面を模式的に示したものである。図1に示すように、多孔性中空糸膜1は、内周面isによって中空部1aが画定される断面環状の経編紐2と多孔質膜層3とを備える。多孔性中空糸膜1は二層構造であり、経編紐2の外周面に多孔質膜層3が設けられる。外圧ろ過の観点から、外表面側に多孔質膜層3を配置し、内表面側に中空状の経編紐2を配置することが好ましい。後述するように、多孔質膜層3の経編紐2側の面に形成される係合片が経編紐2の空孔4を画定する内壁5(図2参照)に係合してアンカーとして機能し、これにより剥離強度を向上させることができる。また、経編紐2および多孔質膜層3の間の剥離強度は40N以上であることが好ましい。
多孔性中空糸膜1の内径は、0.4mm以上5mm以下が好ましい。内径が0.4mm以上であれば多孔性中空糸膜内を流れる液体の圧損が大きくなるのを防ぐことができ、5mm以下であれば比較的薄い膜厚で十分な圧縮強度や破裂強度を発現しやすい。この内径は、より好ましくは0.5mm以上3.0mm以下であり、さらに好ましくは0.6mm以上1.0mm以下である。
多孔性中空糸膜1の厚さは、好ましくは100μm以上500μm以下であり、より好ましくは200μm以上300μm以下である。厚さが100μm以上であると圧縮に対する強度がより高くなり、他方、500μm以下であると膜抵抗による圧損をより小さくすることができる。
多孔性中空糸膜の透水性に対する指標である純水フラックス(透水量)は、多孔性中空糸膜の中空部に純水を注入し、中空部から外表面に透過する純水量を測定することで決定できる。詳細には下記実施例に記載した方法に準じて測定できる。
多孔性中空糸膜1の純水フラックスは、3,000LMH(L/m2/h)以上であり、好ましくは3,000LMH以上30,000LMH以下、より好ましくは3,000LMH以上20,000LMH以下である。純水フラックスが3,000LMH以上であると実際のろ過時の透水性を維持しやすくなり、他方、30,000LMH以下であると大腸菌などの菌群を阻止できる。純水フラックスがこのような範囲にある多孔性中空糸膜を得るには、例えば、ポリマー濃度の調整や紡糸温度の調整など紡糸条件を調整すればよい。
<経編紐>
経編紐2はマルチフィラメントからなる複数本の糸を、たとえばラッセル編みあるいはトリコット編みにより成形されている。図2に示すように、経編紐2は中空糸状、好ましくは管状であって、経編紐2の網目が外周面osから内周面isに通じる複数の空孔4を構成している。多孔性中空糸膜1の製造に使用する経編紐2、すなわち、多孔質膜層3を外表面に設ける前の経編紐2において、複数の空孔4の少なくとも一部の面積は0.05mm以上であることが好ましい。面積の測定は、光学顕微鏡や電子顕微鏡などで撮影した画像によって測定する。まず経編紐を外力をかけずに顕微鏡の試料台に置き、外表面を50倍〜100倍で撮影する。その画像を画像解析ソフトを使用して、面積を測定する。面積の測定は、最外表面の開口の面積を測定する。
経編紐2は、たとえば図3に示すラッセル編紐のように、一本の繊維又は二本以上の繊維が束ねられて形成された複数本の糸(マルチフィラメント糸)を、空孔4が画定されるように、管状に組むことにより形成されたものである。経編紐2は、リリアン紐のような横編み紐と違い、伸縮時の寸法変化が少なくて好ましい。このことにより多孔性中空糸膜にした際にピンホールなどの欠陥が起きにくい。
経編紐2に含まれる素材として、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール等のポリエステル系、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニル系、ポリテトラフルオロエチレン及びポリフッ化ビニリデン等のポリフッ素系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリロニトリル系、ポリ尿酸系、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系、並びにポリウレタン系等の合成高分子素材を用いることができる。また、セルロース系、タンパク質系、種子毛繊維及び石綿等の天然高分子素材を用いることができる。また、金属繊維、炭素繊維及びケイ酸塩繊維等の無機素材を用いることができる。また、上述した合成高分子素材、天然高分子素材および無機材料のいずれかを組み合わせたものが挙げられる。これらは、用途に応じて適切なものを選ぶことが可能である。水処理等の用途においては、コストや繊維形状の自由度の高さから合成高分子素材が好ましく、ポリエチレンテレフタラートがより好ましい。
繊維の太さは特に限定されないが、直径1μm以上100μm以下が好ましい。直径が1μm以上であれば、表面の毛羽立ち等をより抑制し、多孔質層とのより高い接着性を発揮でき、100μm以下であれば得られる組紐がしっかりと組まれ、一層高い圧縮強度を発揮できる。マルチフィラメント糸の場合、糸1本における繊維の本数は、10本以上1000本以下であることが好ましい。10本以上であれば、マルチフィラメント糸及びこれからなる組紐の柔軟性がより高くなり、結果としてエアースクラビング等で揺れやすい洗浄効果の高い多孔性中空糸膜1が得られる。一方、1000本以下であれば、マルチフィラメント糸が太くなりすぎず、より高い圧縮強度を有する組紐を得ることができる。組紐の打ち数は、5以上100以下であることが好ましい。5以上であれば得られる組紐が更に高い圧縮強度を発現でき、100以下であれば収縮による構造変化をより好ましい範囲に抑えることができる。
<多孔質膜層>
図1に示すように、多孔質膜層3は、経編紐2の外周面osに設けられている。多孔質膜層3は、経編紐2の外周面os全体を覆うことが好ましい。図4は、図1に示す多孔性中空糸膜1の断面の部分拡大図を示す図である。図4に示すように、多孔質膜層3は、複数の係合片8を有する。係合片8は、経編紐2の空孔4をそれぞれ画定する内壁5に係合するように空孔4に向かって突出している。そして、少なくとも一部の係合片8において、図5に示すように突出方向(矢印A方向)におけるいずれかの位置(たとえば中央位置)において、突出方向に垂直ないずれかの方向(たとえば矢印B方向)における太さが80μm以上である。なお、上記突出方向は、経編紐2の厚さ方向と同じ方向である。
太さの測定には、サンプルを割断して膜の断面を電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察し、測定する。割断には、ダイヤモンドナイフ等鋭利な刃物で削ぐ方法や、エポキシなどの樹脂に包埋させて断面を観察する方法がある。測定には、多孔性中空糸膜1の長さ方向について0.5mm間隔で連続する10か所の断面を観察して測定し、そのとき測定した上記太さの最大値を採用する。係合片8は、前述の剥離強度の向上のためには、経編紐2の外周面osから内周面isまで貫通していることが好ましい。
なお、太さが80μm以上である係合片8の割合が多くなるほど剥離強度を向上する観点から好ましく、例えば95%以上が好ましく、98%以上がより好ましく、99%以上がさらに好ましく、実質的に100%が最も好ましい。
多孔質膜層3を構成する素材は、例えば、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂として、具体的には、ポリオレフィン、又はオレフィンとハロゲン化オレフィンとの共重合体、又はハロゲン化ポリオレフィン、又はそれらの混合物である。例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、及びこれらの混合物を挙げることができる。これらの素材は熱可塑性ゆえに取り扱い性に優れ、且つ強じんであるため、膜素材として優れる。これらの中でもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン及びこれらの混合物は、機械的強度、化学的強度(耐薬品性)に優れ、且つ成形性が良好であるために好ましい。なお、多孔質膜層3は、熱可塑性樹脂以外の成分(不純物)を5質量%程度まで含んでいてもよい。
<ポリエチレン>
上記熱可塑性樹脂の中でも、ポリエチレンを選択する場合には、特に粘度平均分子量が100万以上のポリエチレンを選択することが好ましい。粘度平均分子量100万以上のポリエチレンは、特に限定されないが、例えば、メタロセン系触媒を用いて懸濁重合等することにより、調製することができる。
本実施形態のポリエチレンは、粘度平均分子量が100万以上であり、好ましくは150万以上700万以下であり、より好ましくは200万以上400万以下である。この粘度平均分子量が100万以上であると耐摩耗性が向上し、他方、700万以下であると粘度が高すぎず紡糸しやすい。
<粘度平均分子量(Mv)>
本実施形態のポリエチレンの粘度平均分子量については、ISO1628−3(2010)従って、以下に示す方法によって求めた。まず、溶融管にパウダー状のポリエチレン20mgを秤量し、溶融管を窒素置換した後、20mLのデカヒドロナフタレン(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを1g/L加えたもの)を加え、150℃で2時間攪拌してパウダー状のポリエチレンを溶解させた。その溶液を135℃の恒温槽で、キャノン−フェンスケの粘度計(柴田科学器械工業社製:製品番号−100)を用いて、標線間の落下時間(ts)を測定した。同様に、パウダー状のポリエチレン量を10mg、5mg、2.5mgと変えたサンプルついても同様に標線間の落下時間(ts)を測定した。ブランクとしてパウダー状のポリエチレンを入れていない、デカヒドロナフタレンのみの落下時間(tb)を測定した。以下の式に従って求めたパウダー状のポリエチレンの還元粘度(ηsp/C)をそれぞれプロットして濃度(C)(単位:g/dL)と超高分子量エチレン系共重合体パウダーの還元粘度(ηsp/C)の直線式を導き、濃度0に外挿した極限粘度([η])を求めた。
ηsp/C=(ts/tb−1)/0.1 (単位:dL/g)
次に、下記数式Aを用いて、上記極限粘度[η]の値を用い、粘度平均分子量(Mv)を算出した。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 ・・・数式A
[多孔性中空糸膜の製造方法]
多孔性中空糸膜1の製造方法について説明する。本実施形態に係る製造方法は、多孔質膜層3を構成する樹脂を経編紐2の空孔4内に突出させて係合片8を形成させるため、多孔質膜層3を形成する製膜原液は、その粘度が高い方が有利である。したがって多孔質膜層3の形成は熱誘起相分離法による方が有利であるが、非溶剤相分離法でも多孔質膜層3を形成する製膜原液の粘度が250Pa・s以上である場合には、この限りではない。
以下、熱誘起相分離法を採用する場合の多孔性中空糸膜1の製造方法を説明する。(a)製膜原液を準備する工程と、(b)製膜原液を多重構造の紡糸ノズルに供給する工程と、紡糸ノズルから製膜原液と経編紐2とを押し出すことによって中空糸膜1を得る工程とを備える。なお、内側のノズルは経編紐2を通し、外側のノズルは製膜原液を供給し、経編紐上に多孔質膜層3を作製するためのものである。
製膜原液の熱可塑性樹脂の濃度は好ましくは10〜40質量%であり、より好ましくは12〜35質量%であり、更に好ましくは12〜30質量%である。この値が10質量%未満であると機械的強度が低下しやすく、他方、35質量%を超えると透水性能が低下しやすい。
製膜原液は、上述の多孔質膜層3を構成する素材である熱可塑性樹脂及び溶媒の二成分からなるものであってもよく、熱可塑性樹脂、無機微粉及び溶媒の三成分からなるものであってもよい。無機微粉を使用する場合、製膜原液に含まれる無機微粉の一次粒径は好ましくは5nm以上50nm以下であり、より好ましくは5nm以上30nm未満である。なお、無機微粉を含まない製膜原液を使用する場合、工程(b)を経て得られる製膜原液を多孔性中空糸膜層として使用してもよい。無機微粉を含む製膜原液を使用して多孔性中空糸膜層を製造する場合、本実施形態に係る製造方法は工程(b)後に、中空糸膜から無機微粉を抽出除去して多孔性中空糸膜層3を得る工程を更に備えることが好ましい。
無機微粉の具体例としては、シリカ微粉、酸化チタン、塩化リチウム等が挙げられ、これらのうち、コストの観点からシリカ微粉が好ましい。上述の「無機微粉の一次粒径」は電子顕微鏡写真の解析から求めた値を意味する。すなわち、まず無機微粉の一群をASTM D3849の方法によって前処理を行う。その後、透過型電子顕微鏡写真に写された3000〜5000個の粒子直径を測定し、これらの値を算術平均することで無機微粉の一次粒径を算出する。
非溶剤誘起相分離法を採用する場合には、ポリフッ化ビニリデン、溶剤、添加剤の混合物を製膜原液として用いる。この場合、製膜原液の粘度が上がりやすいように、添加剤には、高分子量のポリエチレングリコール(PEG)やポリビニルピロリドン(PVP)などを好適に使用できる。
添加剤の重量平均分子量は、好ましくは5,000以上、50,000以下、より好ましくは10,000以上、40,000以下である。
<溶剤>
本実施形態の溶剤の三次元溶解性パラメーターPは以下の式で算出され、好ましくは11.0未満であり、より好ましくは7.0未満であり、さらに好ましくは6.0未満である。この値が8.0未満であると熱可塑性樹脂が溶剤により十分に溶解又は分散した製膜原液を得ることができる。
P=((σdm−σdp+(σpm−σpp+(σhm−σhp1/2[式中、σdm及びσdpは溶剤及び熱可塑性樹脂の分散力項をそれぞれ示し、σpm及びσppは溶剤及び熱可塑性樹脂の双極子結合力項をそれぞれ示し、σhm及びσhpは溶剤及び熱可塑性樹脂の水素結合項をそれぞれ示す。]
例えば、ポリエチレンに対しては流動パラフィン、フタル酸ジ2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)及びフタル酸ジイソデシル(DIDP)など、ポリフッ化ビニリデンに対しては、熱誘起相分離法、非溶剤相分離法の双方とも選択できるが、フタル酸ジブチル(DBP)、アセチルトリブチルクエン酸(ATBC)、フタル酸ベンジルブチル(BBP)(以上熱誘起相分離法)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)(以上非溶剤相分離法)など、ポリプロピレンに対しては、ジフェニルエーテルなど、溶剤は上記式で表される三次元溶解性パラメーターPが11.0未満のものを好適に用いることができる。
製膜原液に含まれる熱可塑性樹脂及び溶剤の合計の含有率は、製膜原液100質量%に対し、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下である。この含有率が90質量%以上であるとポリマー本来の性質が得られやすい。
製膜原液に含まれるポリエチレンの含有率は、製膜原液100質量%に対し、好ましくは5質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以上18質量%以下である。この値が5質量%以上であるとより高い機械的強度が得られやすく、他方、20質量%以下であると製膜原液の粘度がより低くなるので多孔質膜層3を成形しやすい。
[吐出積層工程]
本実施形態の多孔性中空糸膜1の製造方法では、上述したように製膜原液をノズルから吐出する吐出工程により中空糸状に多孔質膜層3を形成することができる。また、上記のノズルはノズルの中央部に経編紐を通し、経編紐の外周面側から製膜原液をサイドフィードして吐出する方法が、経編紐の中まで製膜原液が染み込むため好ましい。サイドフィードノズルを用いた吐出工程としては、例えば、ノズルの中央部に経編紐を通し、製膜原液吐出部より前のノズル径は経編紐が通る程度の径にしておき、製膜原液吐出部の後のノズル径は多孔性中空糸膜の外径に合わせて調整するのが好ましい。この吐出積層工程を経た製膜原液は、後述する凝固工程により、製膜される。
例えば、国際公開2004/043579号は、組紐上に多孔質膜層をコーティングする方法を開示する。この方法を採用する場合、二重管ノズルの内管と外管との間の流路から製膜原液を吐出し、内管から組紐を吐出して紡糸する。製膜原液の吐出に合わせて、組紐を引き取れば、多孔質膜層を組紐にコーティングされた多孔性中空糸膜を得ることができる。こうして得られた多孔性中空糸膜は、より高い開口率とより高い強度を両立することができる。
[凝固工程]
本実施形態の凝固工程では、製膜原液を凝固して熱誘起相分離法により製膜させて多孔質膜層を形成することができる。多孔質膜層の製膜法としては、非溶剤と接触させることで相分離を起こし多孔質層を形成させる乾湿式法(非溶剤相分離法)、並びに、冷却することにより相分離を起こし多孔質層を形成させる熱誘起相分離法が挙げられる。これらの中では、製膜原液の粘度が上がりやすいため、熱誘起相分離法が好ましい。熱誘起相分離法は、例えば、製膜原液を約30℃程度の水に浸すことにより、相分離を起こさせることができる。非溶剤相分離法でも製膜原液の粘度が高い場合には採用できる。
こうして、多孔質膜層を備える本実施形態の多孔性中空糸膜を得ることができる。なお、本実施形態の製造方法は、本発明の作用効果を阻害しない限り、上記以外に、多孔性中空糸膜の製造方法が有し得る他の工程を有していてもよい。
[浄水方法]
本実施形態の浄水方法は、上述の多孔性中空糸膜を用いてろ過をする。ろ過する懸濁水としては、例えば、天然水、生活排水、及びこれらの処理水が挙げられる。天然水としては、河川水、湖沼水、地下水及び海水が例として挙げられる。これら天然水に対し沈降処理、砂濾過処理、凝集沈殿砂濾過処理、オゾン処理及び活性炭処理などの処理を施した処理水も、処理対象の懸濁水に含まれる。生活排水の例としては、例えば下水が挙げられる。下水に対してスクリーン濾過や沈降処理を施した下水1次処理水や、生物処理を施した下水2次処理水、さらには凝集沈殿砂濾過、活性炭処理及びオゾン処理などの処理を施した3次処理(高度処理)水も、処理対象の懸濁水に含まれる。処理対象の懸濁水には、μmオーダー以下の微細な有機物、無機物及び有機無機混合物からなる濁質(腐植コロイド、有機質コロイド、粘土、細菌など)が含まれ得る。また、研磨廃水など比較的堅い粒子を含んだ原水を濃縮、精製する用途にも使用できる
懸濁水(上述の天然水、生活排水、及びこれらの処理水など)の水質は、一般に、代表的な水質指標である濁度及び有機物濃度の単独又は組み合わせにより表現できる。濁度(瞬時の濁度ではなく平均濁度)で水質を区分すると、大きくは、濁度1未満の低濁水、濁度1以上10未満の中濁水、濁度10以上50未満の高濁水、濁度50以上の超高濁水などに区分できる。また、有機物濃度(全有機炭素濃度(Total Organic Carbon(TOC)):mg/L)(瞬時の値ではなく平均値)で水質を区分すると、大きくは、1未満の低TOC水、1以上4未満の中TOC水、4以上8未満の高TOC水、8以上の超高TOC水などに区分できる。基本的には、濁度又はTOCの高い水ほど濾過膜を目詰まりさせやすいため、濁度又はTOCの高い水ほど、本実施形態の多孔性中空糸膜(例えば図1に示す多孔性中空糸膜10,20)を使用する効果が大きくなる。
より具体的には、本発明は、膜濾過法により天然水、生活排水、及びこれらの処理水である懸濁水を除濁する方法において、膜の目詰まりによる透水性能劣化が少なく、また膜表面の擦過による透水性能劣化も少ない多孔性中空糸膜を提供することを目的とする。
以下、実施例を挙げて本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらによって何ら限定されるものではない。実施例、比較例における各物性値は以下の方法で各々測定及び評価を行った。
(1)多孔質膜層の孔径
HITACHI製の電子顕微鏡(製品名「SU8000シリーズ」)を使用し、加速電圧3kVで膜の表面及び断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を5000倍で撮影した。
孔径は、表面の100mm×100mmの領域におけるSEM画像において、表面に存在した各孔に対し、孔径の小さい方から順に各孔の孔面積を加算していき、その和が、各孔の孔面積の総和の50%に達するところの孔の孔径で決定した。
(2)経編紐の空孔の面積
経編紐サンプルを5cmの長さにカットし、そのままマイクロスコープ(キーエンス製 VHX−5000)の試料台の上に置いた。マイクロスコープで倍率50倍により撮影し、その最外表面の開口の面積を空孔の面積として測定した。
(3)係合片の太さ
多孔性中空糸膜サンプルを3cm程度にカットし、エポキシ樹脂中に包埋した。エポキシ樹脂には、EPOK812(応研商事)を使用した。多孔性中空糸膜の長さ方向に直交する方向から多孔性中空糸膜を含む包埋樹脂をスライスし、上記長さ方向について0.5mm間隔で連続する10か所の多孔性中空糸膜の断面をマイクロスコープ(キーエンス製 VHX−5000)により観察した。係合片の太さは経編紐の厚さ方向(係合片の突出方向)の中央位置で計測し、測定したすべての係合片の中で最も大きい値をその多孔性中空糸膜の係合片の太さとした。
(4)純水フラックス
エタノールに浸漬した後、数回純水への浸漬を繰り返した約10cm長の湿潤中空糸膜の一端を封止し、他端から中空部内に注射針を挿入し、25℃の環境下にて注射針から0.1MPaの圧力で25℃の純水を中空部内に注入し、外表面に透過してくる純水量を測定し、下記式により純水フラックスを決定した。
純水フラックス[L/m/h(LMH)]=60×(透過水量[L])/{π×(膜外径[m])×(膜有効長[m])×(測定時間[min])}
なお、ここに膜有効長とは、注射針が挿入されている部分を除いた、正味の膜長を指す。
(5)剥離強度
剥離強度の測定については、以下の方法で実施した。多孔性中空糸膜サンプルを10cmにカットする。2cm×2cmの範囲で接着剤を展開し、多孔性中空糸膜サンプルの一方の端部1cmだけ接着剤に触れないようにし、多孔性中空糸膜サンプルを接着剤の範囲の中央に位置するよう設置する。接着剤の厚みは5mm程度に調整する。このとき、多孔性中空糸膜内部の経編紐に接着剤が付着しないように成形する。接着剤は特に指定しないが、染み込み速度が遅く、速乾性のエポキシ系の2液混合型が好適に使用できる。こうして作成したサンプルをオートグラフによって引張強力を測定する。オートグラフに対して、接着剤に触れていない多孔性中空糸膜サンプルの端部と、接着固定されている多孔性中空糸膜サンプルの端部とを固定し、接着剤に触れていない端部側を引っ張ることによって剥離強度を測定した。試験間距離は50mmに設定し、引張速度は10mm/sに設定する。このとき、接着部の多孔質膜層と内部の経編紐とが剥離して分離するときの最大試験力を剥離強度とする。
(6)懸濁水濾過時の透水性能保持率
懸濁水濾過時の透水性能保持率は、目詰まり(ファウリング)による透水性能劣化の程度を判断するための1指標である。エタノールに浸漬した後、数回純水への浸漬を繰り返した湿潤中空糸膜を用いて、膜有効長11cmにて外圧方式により濾過を行った。初めに純水を、膜外表面積1m当たり1日当たり10m透過する濾過圧力にて濾過し、透過水を2分間採取し、採取した水の量を初期純水透水量とした。次いで、天然の懸濁水である河川表流水(富士川表流水:濁度2.2、TOC濃度0.8ppm)を、初期純水透水量を測定したときと同じ濾過圧力にて10分間濾過し、濾過を開始してから8分後から10分後までの2分間透過水を採取し、採取した水の量を懸濁水濾過時透水量とした。それらの透水量から、懸濁水濾過時の透水性能保持率を、下記式により算出した。操作は全て25℃、膜面線速0.5m/秒で行った。
懸濁水濾過時の透水性能保持率[%]=100×(懸濁水濾過時透水量[g])/(初期純水透水量[g])
なお、式中の各パラメーターは下記式から算出される。
濾過圧力={(入圧[MPa])+(出圧[MPa])}/2
膜外表面積[m]=π×(中空糸膜外径[m])×(中空糸膜有効長[m])
膜面線速[m/s]=4×(濾過水量[m/s])/{π×(中空糸膜内径[m])−π×(膜外径[m])
本測定においては懸濁水の濾過圧力を各膜同一ではなく、初期純水透水性能(懸濁水濾過開始時点での透水性能でもある)が膜外表面積1m当たり1日当たり10m透過する濾過圧力に設定した。これは、実際の上水処理や下水処理において、膜は定量濾過運転(一定時間内に一定の濾過水量が得られるよう濾過圧力を調整して濾過運転する方式)で使用されるのが通常であるため、本測定においても中空糸膜1本を用いた測定という範囲内で、定量濾過運転の条件に極力近い条件での透水性能劣化の比較ができるようにしたためである。
(6)HSP距離(三次元溶解性パラメーター)
HSP距離[d熱可塑性樹脂−d溶媒]は、「Hansen, Charles(2007) Hansen Solubility Parameters: A user‘s handbook, Second Edition. Boca Raton, Fla:CRC Press(ISBN 978−0−8493 7248−3)」に記載する方法により求めた。
(7)製膜原液粘度
製膜原液の粘度は、キャピラリーレオメータ(東洋精機製作所製)を用いて、せん断速度100−10,000s−1の範囲で、使用温度での粘度を測定して求めた。また、本稿では代表値として100s−1の値を示す。
(8)ピンホール
作製した多孔性中空糸膜を10cmにカットし、一方の端を接着剤を用いて封止し、他方の端から0.05MPaの圧力で空気を加圧した。この時、10cmの多孔性中空糸膜を水中に沈めるとピンホールから気泡が上がる。この個数をカウントしてピンホールの個数とした。
[実施例1]
2重構造の紡糸ノズル(二重管ノズル)を用いて、実施例1の多孔性中空糸膜を得た。具体的には、まず、熱可塑性樹脂として超高分子量ポリエチレン(旭化成ケミカルズ社製、製品名「UH−900」、粘度平均分子量:3.3×10)12.5質量%と、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHP)87.5質量%とを準備した。
これらを二軸混練押出機(東芝機械製TEM−37、L/D:32)により溶融温度:240℃で溶融混練して押出機内で製膜原液(粘度:500Pa・s)を得た。次いで、240℃で、押出機出口に設置した二重管ノズル(外層最外径2.0mm、中空部形成層最外径0.9mm)の内管と外管との間の流路から上記製膜原液を吐出すると共に、内管内の流路から経編紐を通過させることで、中空糸状成型物を得た。この時、製膜原液の吐出流量を二重管ノズルの製膜原液通過断面積で割ったせん断速度を、500〜5,000s−1に設定した。
吐出した(押し出した)中空糸状成型物を、50mmの距離で空走させた後、30℃の水中で熱誘起相分離を進行させた。熱誘起相分離後の中空糸状成型物を30m/分の速度で引き取り、かせに巻き取った。巻き取った後の中空糸状成型物をイソプロピルアルコール中に浸漬させてフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)を抽出除去し、多孔性中空糸膜を得た。
経編紐には250デニールのマルチフィラメントの糸5本をラッセル編に編んだ経編紐を用いた。この紐には、面積0.07mmの開口部が等間隔に存在している。
表1に、得られた多孔性中空糸膜の配合組成及び製造条件並びに各種性能を示す。
[実施例2]
製膜原液の組成として、ポリプロピレン(アイソタクティック Mw:580,000 15%)、溶剤としてジフェニルエーテル(85%)を混合した製膜原液(粘度:500Pa・s)を用いて、混練温度および紡糸温度:180℃にて実施例1と同様に製膜した。中空糸状成型物は溶剤をイソプロピルアルコールで除去し実施例2の多孔性中空糸膜を得た。表1に、得られた多孔性中空糸膜の配合組成及び製造条件並びに各種性能を示す。
[実施例3]
製膜原液の組成として、ポリフッ化ビニリデン(ソルベイソレクシス製:Solef6010 40%)、溶剤としてフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)とフタル酸ジブチルを5:1の比で混合した混合溶剤(37%)、および疎水性シリカ微粉(日本アエロジル製:R972 23%)を混合した製膜原液(粘度:1000Pa・s)を用いて、実施例1と同様に製膜した。中空糸状成型物は溶剤をイソプロピルアルコールで除去し、5%苛性ソーダでシリカを抽出除去して、実施例3の多孔性中空糸膜を得た。表1に、得られた多孔性中空糸膜の配合組成及び製造条件並びに各種性能を示す。
[実施例4]
製膜原液の組成をポリフッ化ビニリデン(ソルベイソレクシス製:Solef6010 25%)溶剤として、N−メチルピロリドン(三菱化学製 60%)、ポリエチレングリコール(クラリアント製:Polyglykol20,000 15%)を混合した原液(粘度:250Pas)を用いて、混練温度および紡糸温度:70℃にて実施例1と同様に製膜した。中空状成形物は溶剤を90℃温水中で除去し、実施例4の多孔性中空糸膜を得た。表1に、得られた多孔性中空糸膜の配合組成及び製造条件並びに各種性能を示す。
[実施例5]
孔面積が0.05mmである経編紐を用いた以外は、実施例1と同様にして製膜し、実施例6の多孔性中空糸膜を得た。表1に、得られた実施例5の多孔性中空糸膜の配合組成及び製造条件並びに各種性能を示す。
[比較例1]
支持体として、420デニールのマルチフィラメント1本を丸編み法を用いて作製したリリヤン編紐を用いた。この編紐には、面積0.07mmの孔が空いている。それ以外は実施例1と同様に製膜し、比較例1の多孔性中空糸膜を得た。表1に、得られた多孔性中空糸膜の配合組成及び製造条件並びに各種性能を示す。この編紐は、長さ方向に張力がかかると110%以上伸び、外表面に多孔質膜層を塗布する段階で欠陥ができやすく、ピンホールが多かった。
以上のように、本件に示す多孔性中空糸膜は、耐剥離性に優れ、透水性保持率が高いことがわかる。
本発明の多孔性中空糸膜によれば、高いろ過性能を長期にわたって維持可能な多孔性中空糸膜、その製造方法、及びこの多孔性中空糸膜を用いた浄水方法を得ることができる。本発明は、水処理等の分野において産業上の利用可能性がある。
1 多孔性中空糸膜
2 経編紐
3 多孔質膜層
4 空孔
5 内壁
8 係合片
FA 外表面

Claims (11)

  1. マルチフィラメントからなる複数本の糸を成形した中空状の経編紐と、前記経編紐の外周面に設けられた多孔質膜層とを備える多孔性中空糸膜。
  2. 前記多孔質膜層は、前記経編紐の空孔を画定する内壁に係合するように突出している係合片を有し、
    少なくとも一部の前記係合片の突出方向における何れかの位置において、該突出方向に垂直な何れかの方向における太さが80um以上であることを特徴とする請求項1記載の多孔性中空糸膜。
  3. 前記係合片は前記経編紐の外周面から前記内周面に向かって貫通していることを特徴とする請求項2記載の多孔性中空糸膜。
  4. 前記多孔質膜層と前記経編紐との剥離強度が40N以上である請求項1から3いずれか1項記載の多孔性中空糸膜。
  5. 前記経編紐の複数の前記空孔の少なくとも一部の面積が0.05mm以上である請求項1から4いずれか1項記載の多孔性中空糸膜。
  6. 請求項1から5のいずれか1項記載の多孔性中空糸膜の製造方法であって、溶剤および熱可塑性樹脂を含み、粘度が250Pa・s以上の製膜原液を、前記経編紐の外表面に塗布し、相分離法により前記多孔質膜層を形成することを特徴とする多孔性中空糸膜の製造方法。
  7. 前記相分離法は、熱誘起相分離法である請求項6記載の多孔性中空糸膜の製造方法。
  8. 前記製膜原液は、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリフッ化ビニリデンのうちのいずれかの熱可塑性樹脂と溶剤との混合物である請求項6または7記載多孔性中空糸膜の製造方法。
  9. 前記ポリエチレンは粘度平均分子量100万以上であることを特徴とする請求項8記載の多孔性中空糸膜の製造方法。
  10. 前記製膜原液は、熱可塑性樹脂、無機微粉および溶剤の混合物である請求項6から9のいずれか1項記載の多孔性中空糸膜の製造方法。
  11. 請求項1から5のいずれか1項記載の多孔性中空糸膜を用いてろ過をする浄水方法。
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