JP2006000810A - 中空糸膜の製造方法、中空糸膜およびそれを用いて得られる中空糸膜モジュール - Google Patents

中空糸膜の製造方法、中空糸膜およびそれを用いて得られる中空糸膜モジュール Download PDF

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Abstract

【目的】 浄水処理など固液分離に使用される中空糸膜にあって、透水性と機械的強度をバランスさせたポリアクリロニトリル系中空糸膜の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 極限粘度が2.0(dl/g)以上のアクリロニトリル系重合体、平均分子量が1,000〜6,000のポリエチレングリコール、およびジメチルスルホキシドからなる製膜原液を、80〜95重量%のジメチルスルホキシド水溶液と共に凝固浴に押し出して凝固させる工程を有することを特徴するポリアクリロニトリル系中空糸膜の製造方法。
【選択図】図1

Description


本発明は、浄水処理などの固液分離に使用される中空糸膜、およびその製造方法に関する。さらには、前記中空糸膜を用いてなる中空糸膜モジュールに関する。

近年、膜分離技術の進展に伴い、中空糸分離膜特性の重要性が高まっている。一般的に中空糸分離膜に要求される諸特性として、選択透過性、透水性、及び機械的強度が大きいこと、さらに化学的に安定であることや汚れ難いことなどが挙げられるが、これらの諸特性をすべて充足する中空糸分離膜が見当たらないのが現状である。そのために膜素材として、セルロース系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポリカーボネート系、ポリスルホン系、ポリフッ化ビニリデン系などの種々のポリマーが使用されてきた。その中のアクリロニトリル系ポリマーは、膜の親水性、耐汚れ性、透水性、機械的強度も高いことから種々の製造方法が提案されているが、未だ多くの課題が残っている。たとえばアクリロニトリル系共重合体を相分離させてマクロボイドのある多孔性中空糸膜の製造方法が開示されている。しかし透水性を上げるために機械的強度が低く、膜の破断などによる阻止性能の低下が懸念される(特許文献1参照)。他方でアクリロニトリル系共重合体にプロピレンカーボネートなどの添加剤を加え、透水性と機械的強度をバランスさせた多孔性中空糸膜の製造方法が開示されている。しかしながら多成分の添加剤を添加するもので、抽出や熱処理に多くの手間がかかる(特許文献2参照)。
特開平11−539号公報(第5頁表1、第6頁図1) 国際公開第98/58758号パンフレット(第14頁第10行〜第14行目、第14頁第25〜26行目)
従来のポリアクリロニトリル系中空糸膜は、機械的強度などが不十分であり、糸切れなどの問題があった。本発明の目的は、浄水処理など固液分離に最適に使用できる透水性と機械的強度をバランスさせたポリアクリロニトリル系中空糸膜、およびその製造方法を提供すること、さらには、前記中空糸膜を用いてなる中空糸膜モジュールを提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明は、極限粘度が2.0(dl/g)以上のアクリロニトリル系重合体、平均分子量が1,000〜6,000のポリエチレングリコール、およびジメチルスルホキシドからなる製膜原液を、80〜95重量%のジメチルスルホキシド水溶液と共に凝固浴に押し出して凝固させる工程を有することを特徴するポリアクリロニトリル系中空糸膜の製造方法であることが必要である。また、かかる製造方法により得られたポリアクリロニトリル系中空糸膜は、少なくとも中空糸膜内部に直径5μm未満の孔径を有する厚さ100〜500μmのスポンジ層を有し、かつ直径0.1μm未満の孔径を前記中空糸膜の外表面に有することが必要であり、破断強度が600〜1800(gf/mm)、かつ破断伸度が70〜150(%)であって、透過水量が270〜800(リットル/m・hr・100(kPa))であることが好ましい。さらに原水の外圧全ろ過を5分間行った後の前記中空糸膜の真円度が60%以上となるろ過差圧の最大値(以下、耐圧と称する場合がある。)が400(kPa)以上であることが好ましい。また、かかるポリアクリロニトリル系中空糸膜を容器に装填することによりポリアクリロニトリル系中空糸膜のモジュールとすることが好ましい。
本発明の製造方法は、極限粘度が2.0(dl/g)以上のアクリロニトリル系重合体、平均分子量が1,000〜6,000のポリエチレングリコール、およびジメチルスルホキシドからなる製膜原液を、80〜95重量%のジメチルスルホキシド水溶液と共に凝固浴中に押し出して凝固させる工程を経ることで、透水性と機械的強度に優れたポリアクリロニトリル系中空糸膜を容易に製造することができる。さらに浄水処理など固液分離に好適に使用できる。
本発明における極限粘度が2.0(dl/g)以上のアクリロニトリル系重合体とは、少なくともアクリロニトリルを95mol%含有し、かつ、極限粘度が2.0(dl/g)以上のアクリロニトリル重合体を意味する。本発明のアクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルの単独重合体が好ましいが、5mol%以下、好ましくは3mol%以下で共重合成分を含んでいてもよい。共重合成分としては、ビニル化合物などが好ましく、たとえばアクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリル酸ソーダ、p-スチレンスルホン酸ソーダをモノマーとして挙げることができる。アクリロニトリル重合体の極限粘度は、2.0(dl/g)を以上であることが必要であり、好ましくは2.0〜3.6(dl/g)、より好ましくは2.3〜3.0(dl/g)の範囲である。極限粘度が2.0(dl/g)を下回ると、中空糸の機械的強度が低下する。また、3.6(dl/g)を超えると溶解性や紡糸性が低下する。
製膜原液中のアクリロニトリル系重合体の濃度は、製膜可能でかつ得られる膜が固液分離できる性能を有する濃度範囲であれば特に限定されないが、6〜16重量%の範囲が好ましく、より好ましくは8〜15重量%の範囲、さらに好ましくは12〜14.5重量%の範囲である。アクリロニトリル系重合体の濃度が6重量%を超えると機械的強度が向上し、さらに16重量%を下回ると透水性が向上するので実用上の膜性能が得られやすくなるからである。
ポリエチレングリコールは、上記アクリロニトリル系重合体と溶媒を溶解可能範囲に適宜組み合わせて行える。ポリエチレングリコールとしては、アクリロニトリル系重合体との溶解性を考慮すると、重量平均分子量が1,000〜6,000であることが必要であり、好ましくは1,500〜5,000、より好ましくは2,000〜4,500である。ポリエチレングリコールの重量平均分子量が1,000を超えると透水性が向上し、さらに6,000を下回ると製膜原液の溶解性が向上する。
ポリエチレングリコールの添加量としては、1〜12重量%が好ましく、より好ましくは4〜12重量%、さらに好ましくは7〜9重量である。ポリエチレングリコールの添加量が1重量%を超えると透水性能と機械的強度が向上し、さらに12重量%を下回ると溶解性が向上する。
アクリロニトリル系重合体を溶解する有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、γ-ブチロラクトン、エチレンカーボネート、N-メチル-2-ピロリドンなどを挙げることができる。特にアクリロニトリル系重合体とポリエチレングリコールとの相溶性が良く、比較的凝固点の高いジメチルスルホキシドが好ましく使用できる。
製膜原液と共に押し出す注入液としては、ジメチルスルホキシド水溶液を用いることが必須である。ジメチルスルホキシド水溶液の濃度としては、80〜95重量%である必要であり、好ましくは82〜92重量%、より好ましくは85〜92重量%である。ジメチルスルホキシド水溶液の濃度が80重量%を超えると吐出ムラや糸切れなどを軽減でき、95重量%を下回ると中空糸内表面の平滑性が向上し、中空部の流動抵抗が軽減される。
注入液は製膜原液に対して相分離を誘起させるものであるが、中空糸の曳糸性や膜構造に影響を与えるもので、たとえば上述したアクリロニトリル系重合体を溶解する有機溶剤に水、アルコール類、脂肪族ケトン、グリセリン、ポリエチレングリコールなどを混合したものを用いることも可能である。
本発明では、公知である中空糸用のチューブインオリフィス(2重環状オリフィス)を使い、上記の製膜原液をチューブインオリフィスより吐出して凝固浴中で凝固させる。この時の紡糸ドラフト比(オリフィスの原液吐出線速度/引取速度の比)が1〜20であることが好ましい。チューブインオリフィスの寸法は、紡糸ドラフトを考慮するとオリフィス外径が0.5〜10mmφ、チューブ外径0.3〜9.6mmφ、チューブ内径0.1〜9.4mmφであることが好ましい。また中空糸の通過するエアギャップは1〜60cmが好ましく、より好ましくは2〜40cm、さらに好ましくは2〜20cmになるように中空糸を紡出する。エアギャップが1cmを下回ると糸状形成不良が発生することがある。また60cmを超えるとエアギャップを通過する際に外表面および近傍で部分的にゲル化し、ドラフト比を高く設定した場合には、中空糸の長さ方向に高い張力を受けるので紡糸安定性が低下することがある。ここでエアギャップとは、チューブインオリフィスの吐出面と凝固浴の液面の距離を言う。エアギャップが1cmを超えると中空糸の真円度が向上し、さらに60cmを下回ると糸状の外表面および近傍で部分的にゲル化し、ドラフト比を高く設定した場合には、中空糸の長さ方向に高い張力を受けるにくくなるので糸の変形や潰れなどが軽減される。
エアギャップの雰囲気としては、中空糸の曳糸性や中空糸外表面に影響を与えるもので適宜温度と湿度を調整すれば良い。雰囲気温度としては、0〜40℃の範囲で相対湿度が20〜95%の範囲にあることが好ましい。
凝固浴温度としては、0〜60℃であることが好ましく、より好ましくは3〜40℃、さらに好ましくは5〜30℃の範囲である。凝固浴温度が60℃を超えると相分離が速くなりマクロボイドなどの構造的なポリマー欠損部位が発生し易くなる。また、凝固温度が0℃を下回ると膜表面の相分離が抑制され膜の緻密化が進展して透水性の低下を招く。凝固温度が0℃を超えると透水性能が向上し、さらに60℃を下回ると機械的強伸度が向上して、実用的な膜性能に近づけることができるからである。
凝固浴濃度としては、0〜40重量%の範囲のジメチルスルホキシド水溶液、或いは水単独でも構わない。ジメチルスルホキシド水溶液濃度としては、5〜35重量%の範囲、より好ましくは10〜30重量%の範囲である。ジメチルスルホキシド水溶液濃度が40重量%を下回ると実用的な透水性と機械的強度を得ることができる。また前記の製膜原液に使用した有機溶媒に水などの非溶媒を混合した混合液も適用することが可能である。
図1〜4は、本発明の中空糸膜を構成する膜壁を例示、説明するための図面代用の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。図1は本発明の中空糸膜の横断面を示す写真(倍率:250倍)であり、図2は図1の横断面を拡大した写真(倍率10,000倍)である。これら横断面写真より、直径1μm程度の細孔による網目状組織が膜壁の主な部分を占めている。本発明におけるスポンジ(層)とは、一体的に直径5μm未満の細孔が網目状に組織された層を有することを言う。本中空糸膜において、実用的な耐圧性、機械的強度、および透水性を得るには、スポンジ層の厚さが100〜500μmの範囲にあることが必要である。スポンジ層の厚さが100μmを超えると膜の耐圧性、機械的強度が向上し、500μmを下回ると透水性が向上する。図3は本発明の外表面を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:60,000倍)である。外表面には直径0.1μm以上の細孔が見られない。外表面の細孔としては、最も小さなウイルスであるポリオウイルス(約0.03μm)を阻止できる程度の孔を有していることが好ましい。本発明に係わる中空糸膜では、直径0.1μm未満の孔を外表面に有する緻密層を形成し、境界は明確でないがそれに続くスポンジ層により補強されており、高いバブルポイント値を示す。図4は本発明の中空糸膜の内表面を観察した写真(倍率:10,000倍)である。内表面は写真のように1〜3μm程度の孔を有する網目状構造を呈している。
本発明の製造方法により得られた中空糸膜は、外表面に直径0.1μm未満の微細孔を有し、外表面に続く膜壁の主な部分が細かなスポンジ組織で補強される構造を形成することで、破断強度を600〜1800(より好適には700〜18000)gf/(mm)、かつ破断伸度が70〜150(より好適には90〜150)%を発現する。このような破断強度および破断伸度の範囲にあると、エアスクラビングや逆洗などの物理洗浄を繰り返し行っても、充分な機械的強度を保持して糸切れが発生し難くなり、除濁・除菌性能の信頼性が向上する。また中空糸膜の透過水量が270〜800(より好適には350〜800)リットル/(m・hr・100(kPa))の範囲にあると、実用上の透過水量を得ることができる。さらに膜の耐圧(外圧)性を測る指標として、原水の外圧全ろ過を5分間行った後、ろ過差圧が400(より好適には500)kPa以上で真円度が60%以上である。ここで真円度が60%を下回ると膜の弾性回復が難しくなる傾向にあり、再び膜に高いろ過差圧を与えると塑性変形して中空部の閉塞が起こり、透過水を得ることができなくなる。また一般的には、膜壁にマクロボイドなどの構造的欠陥があると高真円度であっても耐圧性が低いことが多い。本発明の中空糸膜を容器に装填した中空糸膜モジュールを使用すると、たとえば膜の有効長の長い大型(長尺)モジュールの作製が可能となり、縦型であれば同一設置面積当たりの処理容量を増加させることが可能にある。
本発明においては、各性能については下記のとおり評価した。
(1)極限粘度の値は、ウベローデ粘度計を用いて、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒に使用し希釈法で35℃にて測定した。
(2)中空糸寸法は、デジタルゲージを取り付けた実体顕微鏡(SMZ型、日本光学製)を使用し、中空糸内径(ID)および外径(OD)を測定した。
(3)外表面および内表面の孔径は、任意の倍率で撮った外表面および内表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を選び、任意に選んだ1mmの領域内にある細孔の直径を測定し、それぞれの最大値を表面孔径とした。
また膜壁内部におけるスポンジ(層)の孔径は、任意の倍率で撮った縦断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を選び、外表面、内表面のそれぞれの壁面より内部に40μm入った位置を境界として、境界内にある細孔の直径を測定し、最大値をスポンジ層の孔径とした。
(4)中空糸膜の透過水量は、長さ200mmの中空糸膜からなるガラス管ミニモジュールを作製し、温度25℃、ろ過差圧50kPaの条件下で、実質的に微粒子などの固形物を含まない純水の外圧全ろ過を行い、その透過水量(リットル)を単位時間(h)および有効膜面積(m)あたりの値に換算した。単位はリットル/(m・h・100kPa)である。
(5)中空糸膜の引っ張り強度および伸度は、テンシロン(東洋ボールドウィン社製)を使用して、サンプル長さ50mm、引っ張り速度50mm/分で測定した。破断強力は中空糸膜1本あたりの破断荷重(gf)とし、破断強度は中空糸膜1本あたりの最大荷重(gf)を、引っ張る前の膜断面積あたりの値(gf/mm)で表し、伸度(伸び)を元の長さに対する破断までに伸びた長さを百分率(%)で表した。
(6)耐圧は、試料長20cmの中空糸膜1本からなる、内径10mmφの金属管ミニチュアモジュールを作製し、所定のろ過差圧(kPa)にて原水の外圧全ろ過を5分間行った後の中空糸膜について、20mm間隔で外径の短径(A)と(B)を測定し、それぞれについて下記の式(1)にて真円度を算出して、その平均を真円度とした。ここで耐圧とは、中空糸膜が平均60%の真円度を維持できる最も高いろ過差圧をいう。
真円度(%)={外径の短径(A)/外径の長径(B)}×100 (1)
図1〜4は、本発明の製造方法によって製造された中空糸膜の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。図1は本発明の中空糸膜の横断面を示す写真(倍率:250倍)であり、図2は図1の横断面を拡大した写真(倍率10,000倍)で直径1μm以上のボイドが含まれていないことが分かる。図3はその外表面を示す写真(倍率:60,000倍)である。本発明の外表面には、0.1μm以上の細孔が見られない。図4は本発明の中空糸膜の内表面を観察した写真(倍率:10,000倍)である。内表面は写真のように直径3μm未満の網目状構造を呈している。
(実施例1)
極限粘度が3.1(dl/g)のアクリロニトリル単独重合体を、平均分子量3,000のポリエチレグリコール(和光純薬社製、PEG4000)8重量%を含むジメチルスルホキシド溶媒に80℃で溶解させ、重合体濃度を13重量%の製膜原液として55℃で保温した。この製膜原液をチューブインオリフィス(環状オリフィス外径:4mmφ、チューブ外径1.4mmφ、チューブ内径1.0mmφ)に12.8g/分で供給し、85重量%のジメチルスルホキシド水溶液を4.8g/分と共に、エアギャップ3cmを介して、20重量%のジメチルスルホキシド水溶液を14℃に保温した凝固浴に吐出して凝固させて中空糸を得た後、引き続き中空糸を20重量%のジメチルスルホキシド水溶液を35℃に保温した浴槽を介して、さらに水温が60℃の水洗浴にて脱溶媒を繰り返して中空糸膜を得た。紡出する際のエアギャプの雰囲気は、温度21〜22℃で相対湿度40〜65%に調整した。 得られた中空糸膜は上記の図1〜4の走査型電子顕微鏡(SEM)写真で観察したとおりである。なお膜の性能、構造を表1に示した。
(実施例2)
実施例1の製膜原液を使用して、製膜原液を8.9g/分に、エアギャップを5cmにした以外は、実施例1と同じ条件で製膜紡糸した。得られた中空糸膜を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、実施例1と同じ様な膜構造であった。なお膜の性能、構造を表1に示した。
(比較例1)
極限粘度が3.1(dl/g)のアクリロニトリル単独重合体を、平均分子量600のポリエチレグリコール(和光純薬社製、PEG600)10重量%を含むジメチルスルホキシド溶媒で80℃に溶解して、重合体濃度を13重量%の製膜原液として55℃で保温した。この製膜原液を使用して実施例1の条件に紡糸を行った。得られた中空糸膜の性能、構造を表1に示した。
(比較例2)
極限粘度が3.1(dl/g)のアクリロニトリル単独重合体を、平均分子量20,000のポリエチレグリコール(和光純薬社製、PEG20000)2重量%を含むジメチルスルホキシド溶媒で80℃に溶解して、重合体濃度を13重量%の製膜原液として55℃で保温した。この製膜原液を使用して実施例1の条件下に紡糸を行った。得られた中空糸膜の性能、構造を表1に示した。
(比較例3)
実施例1と同じ製膜原液を使用して、紡糸に際して中空糸の内部凝固液をジメチルスルホキシド水溶液濃度78重量%にしてチューブインオリフィス(2重環状口金)のチューブより注入した以外は、実施例1と同じ条件に紡糸を行ったが、曳糸性(紡糸性)不良が発生して中空糸膜を得ることができなかった。
(比較例4)
実施例1と同じ製膜原液を使用して、紡糸に際して中空糸の内部凝固液をジメチルスルホキシド水溶液濃度97重量%にしてチューブインオリフィス(2重環状口金)のチューブより注入した以外は、実施例1と同じ条件に紡糸を行った。得られた中空糸膜の性能、構造を表1にした。
(比較例5)
極限粘度が1.2(dl/g)のアクリロニトリル共重合体(アクリロニトリル93.9モル%、アクリル酸メチル5.8モル%、メタクリル酸ソーダ0.3モル%)に平均分子量3,000のポリエチレグリコール(和光純薬社製、PEG4000)8重量%を含むジメチルスルホキシド溶媒で80℃に溶解し、重合体濃度を13重量%の製膜原液として55℃で保温した。この製膜原液を使用して実施例1の条件に紡糸を行った。得られた中空糸膜の性能、構造を表1に示した。なお中空糸膜の内部にマクロボイドが発生していた。
本発明の中空糸膜に関する一様態の横断面(一部)を示す電子顕微鏡写真(倍率250倍)である。 図1に示す中空糸膜の横断面(一部)を示す電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)である。 図1に示す中空糸膜の外表面の電子顕微鏡写真(倍率60,000倍)である。 図1に示す中空糸膜の内表面の電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)である。

Claims (5)

  1. 極限粘度が2.0(dl/g)以上のアクリロニトリル系重合体、平均分子量が1,000〜6,000のポリエチレングリコール、およびジメチルスルホキシドからなる製膜原液を、80〜95重量%のジメチルスルホキシド水溶液と共に凝固浴に押し出して凝固させる工程を有することを特徴するポリアクリロニトリル系中空糸膜の製造方法。
  2. 少なくとも中空糸膜内部に直径5μm未満の孔径を有する厚さ100〜500μmのスポンジ層を有し、かつ直径0.1μm未満の孔径を前記中空糸膜の外表面に有することを特徴とするポリアクリロニトリル系中空糸膜。
  3. 破断強度が600〜1800(gf/mm)、かつ破断伸度が70〜150(%)であって、透過水量が270〜800(リットル/m・hr・100(kPa))である請求項2記載のポリアクリロニトリル系中空糸膜。
  4. 原水の外圧全ろ過を5分間行った後の前記中空糸膜の真円度が60%以上となるろ過差圧の最大値が400(kPa)以上である請求項2または3に記載のポリアクリロニトリル系中空糸膜。
  5. 請求項2〜4記載の中空糸膜を容器に装填して得られるポリアクリロニトリル系中空糸膜モジュール。
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