JP2020171923A - 多孔質膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、濾過用途に好適な高い透水性能、高い阻止性能、さらに長期の高い運転圧力負荷に対する耐久性能を備える多孔質膜を提供することを目的とする。【解決手段】濾過液側の表面を一方の表面、被濾過液側を他方の表面としたときに、前記一方の表面の表面孔径指数(=最表面の孔径/第2表面の孔径)が2.5以上であることを特徴とする、多孔質膜。【選択図】図3

Description

本発明は、多孔質膜に関する。
濾過プロセスは、無菌水、高純度水或いは飲料水の製造、空気の浄化等の産業分野において、広く用いられてきた。また、近年においては、生活廃水や産業排水等の下水処理場における二次処理或いは三次処理や、浄化槽における固液分離等の高濁性水処理の分野等においても、その用途範囲が広がりつつある。
このような濾過プロセスに用いられる濾材としては、加工性に優れる高分子を中空管状に形成した中空糸膜、或いは、高分子をシート状に形成した平膜等を、集合させてなる膜モジュールが用いられている。
特に河川水を除濁して上水等で用いる場合には、高い阻止性能、大量の水を処理するための高い透水性能、高い運転圧力を含む幅広い運転条件で長期間使用できる高い強度、の3つの性能が要求される。
前記の膜モジュールに用いられる多孔質膜に求められる性能のうち、水処理分野では濾過した水の水質に影響を及ぼすため、ウイルスや細菌を確実に除去できる阻止性能が重要である。さらに阻止性能を維持しつつ、高い透水性能を持つことが必要である。
特許文献1において、膜厚方向の断面孔径を規定することにより、ウイルスの除去率と透水性能、高い耐圧縮強度を両立した多孔質膜が提案されている。しかし、かかる多孔質膜では、長期の圧縮クリープに対する耐久性が低く、さらなる耐久性向上が必要である。
国際公開第2017/217446号
本発明は、濾過用途に好適な高い透水性能、高い阻止性能、さらに長期の高い運転圧力負荷に対する耐久性能を備える多孔質膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
[1]
濾過液側の表面を一方の表面、被濾過液側を他方の表面としたときに、前記一方の表面の表面孔径指数(=最表面の孔径/第2表面の孔径)が2.5以上であることを特徴とする、多孔質膜。
[2]
前記一方の表面の前記最表面の孔径が1.0μm以上である、[1]に記載の多孔質膜。
[3]
前記一方の表面の前記最表面の孔径の前記他方の表面に対する孔径の割合が30以上である、[1]又は[2]に記載の多孔質膜。
[4]
他方の表面の孔径が60nm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の多孔質膜。
[5]
耐圧縮強度が0.30MPa以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の多孔質膜。
[6]
膜厚方向について、他方の表面の位置を0、一方の表面の位置を1として規格化し膜厚方向に10分割した場合の膜厚位置が0.9〜1.0の領域における断面孔径が0.5μm以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の多孔質膜。
[7]
圧縮クリープ係数が−0.014以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の多孔質膜。
[8]
中空糸状の膜形状を有し、
前記一方の表面のうち前記中空糸膜の流路の中心を挟んで対向する2箇所での前記表面孔径指数との差が1.3以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の多孔質膜。
[9]
主成分として、フッ化ビニリデン系樹脂を含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の多孔質膜。
[10]
主成分として、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合ポリマーを含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の多孔質膜。
[11]
主成分として、フッ化ビニリデンとクロロトリフロオロエチレンとの共重合ポリマーを含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の多孔質膜。
本発明によれば、濾過用途に好適な高い透水性能、高い阻止性能、さらに長期の高い運転圧力負荷に対する耐久性能を備える多孔質膜を提供することができる。
中空形状の多孔質膜を製造する場合の製造装置の一例である。 圧縮クリープ係数を算出するための概要図である。 (A)実施例3の多孔質膜の内表面の電子顕微鏡写真(250倍)である。(B)(A)に示す多孔質膜の内表面における最表面の孔と第2表面の孔との例である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の多孔質膜は、濾過液側の表面を一方の表面、被濾過液側を他方の表面としたときに、前記一方の表面の表面孔径指数(=最表面の孔径/第2表面の孔径)が2.5以上であることを特徴とする。
本実施形態の多孔質膜は、膜を構成する高分子成分として、例えば、フッ化ビニリデン系、ヘキサフルオロプロピレン系、クロロトリフロオロエチレン系、またはポリスルホン系の樹脂を主成分として含む。ここで、「主成分として含む」とは、高分子成分の固形分換算で50質量%以上含むことを意味する。
ポリスルホン系樹脂としては、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンなどがあげられる。
なお、以下はフッ化ビニリデン系樹脂ついて述べるが、本発明の多孔質膜を構成するための高分子成分は、これに限るものではない。
フッ化ビニリデン系樹脂とは、フッ化ビニリデンのホモポリマー、又は、フッ化ビニリデンを重量比で50%以上含有する共重合ポリマーを意味する。フッ化ビニリデン系樹脂は、柔軟性に優れることから共重合ポリマーであることが好ましい。フッ化ビニリデン系樹脂が共重合ポリマーである場合、フッ化ビニリデンモノマーと共重合させる他の共重合モノマーとしては、公知のものを適宜選択して用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、テトラフルオロエチレンやトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンのようなフッ素系モノマーやクロロトリフルオロエチレンのような塩素系モノマー等を好適に用いることができる。
一般に汚濁分の多い原水を濾過する場合、濾過を続けていくと膜表面又は膜内部に濾過
されずに残った堆積物が新たな濾過抵抗となるため、濾過能力が落ちてしまうことが知ら
れている。そのため、濾過運転の途中に濾過をせずに高流速の水流で堆積物を剥ぎ取るフ
ラッシング、気泡を膜にあて、膜を振動させることにより堆積物を剥ぎ取るエアースクラビング、濾過の方向を逆にして洗浄する逆洗等が取り入れられている。特に、柔軟性の高い共重合ポリマーを使用した膜の場合、エアースクラビングによる振動が大きく効率的に堆積物を剥ぎ取ることができる。
なお、フッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、10万以上100万以下であることが好ましく、15万以上90万以下であることがより好ましい。また、単一の分子量のフッ化ビニリデン系樹脂に限らず、複数の分子量が違うフッ化ビニリデン系樹脂を混合してもよい。なお、本実施形態において、重量平均分子量(Mw)については、分子量既知の標準樹脂を基準としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。
また、多孔質膜は、特に限定されるものではないが、高分子成分中に、フッ化ビニリデン系樹脂を、80質量%以上99.99質量%以下含むことが好ましい。
一方、多孔質膜は、他の高分子成分を含むものであってもよい。他の高分子成分としては、特に限定されるものではないが、フッ化ビニリデン系樹脂と相溶するものが好ましく、例えば、フッ化ビニリデン系樹脂と同様に高い薬品耐性を示すフッ素系の樹脂等を好適に用いることができる。
また、多孔質膜は、他の高分子成分として親水性の樹脂を含むことが好ましい。親水性の樹脂として、重量平均分子量(Mw)が2万以上30万以下のポリエチレングリコール(ポリエチレンオキサイドと呼ばれることもある。)や、分子量の指標であるK値が17以上120未満のポリビニルピロリドンが好ましい。なお、本実施形態において、K値についてはJIS K7367−2に準拠して測定することができる。
ポリエチレングリコールの場合、フッ化ビニリデン系樹脂100質量部に対し0.01質量部以上4.0質量部以下含むことが好ましい。望ましくは0.01質量部以上3.5質量部以下であり、さらに望ましくは0.01質量部以上3.0質量部以下である。多孔質膜がこのようなポリエチレングリコールを含むことにより、膜表面の親水性が増し、水溶液と接触させた際に膜表面に水分子層が形成されやすくなるので、この膜表面に形成される水分子層により、多孔質膜を構成する高分子成分と洗浄薬品との接触頻度が低減されるものと推定され、結果として、多孔質膜の薬品耐性を向上させることができる。
ここで、ポリエチレングリコールの重量平均分子量(Mw)が2万未満であると、膜からの溶出が増大する傾向にある。逆に、ポリエチレングリコールの重量平均分子量(Mw)が30万を超えると、多孔質膜を形成する多孔質体にポリエチレングリコールが球状に含まれる部分が生じ、多孔質体の強度が低下する傾向にある。
一方、ポリエチレングリコールの含有量が0.01質量部未満であると、水分子層が形成されにくい傾向にあり、4.0質量部を超えると、ポリエチレングリコールが水分子を過剰に引き付けて膜が膨潤し、透水量が低下する傾向にある。好ましくは、0.1質量部以上であり、さらに好ましくは0.3質量部以上である。
上記のポリエチレングリコールの含有形態は、特に限定されるものではなく、例えば、コーティングやグラフト重合等により多孔質体の表面層のみにポリエチレングリコール分子が存在するものであってもよいが、薬品耐性の向上効果を長期的に持続させる観点から、ポリエチレングリコール分子の少なくとも一部が多孔質体の骨格中に埋抱されていることがより好ましい。いずれの形態であっても、薬品耐性の向上効果は奏されるが、コーティング等でポリエチレングリコールを多孔質体の表面層に付与した場合には、水中で使用した際に経時的にポリエチレングリコールが溶出し、また、グラフト重合等でポリエチレングリコールを多孔質体の表面層に物理的に結合させた場合には、膜の洗浄時に結合部位が洗浄薬品により切断され、いずれも、薬品耐性の向上効果を長期的に維持することが困難な傾向にある。
上記は、親水性樹脂としてポリエチレングリコールを用いた場合の含有形態について述べたが、特にこれに限るものではない。
上記の多孔質膜の形態として、例えば、中空糸膜の膜構造を有する形態とすることができる。かかる形態は、言い換えれば、中空糸状の膜形状である。
ここで、中空糸膜とは、中空環状の形態をもつ膜を意味する。多孔質膜が中空糸膜の膜構造を有することにより、平面状の膜に比べて、モジュール単位体積当たりの膜面積を大きくすることが可能である。
但し、本実施形態の多孔質膜は、中空糸膜の膜構造を有する多孔質膜(中空糸状の多孔質膜)に限定されるものではなく、平膜、管状膜などの他の膜構造を有するものであってもよい。
水処理の分野では、ウイルスやバクテリアなどを除去することが求められるが、上記の多孔質膜は、前述の他方の表面を原水側として用い、原水側の表面の孔径を50nm以下とすることによって、高い阻止性能を発現させながら、透水性能の低下を抑制できる。
上記他方の表面の孔径は5nm以上60nm以下がより好ましく、さらに好ましくは5nm以上40nm以下であり、特に好ましくは5nm以上35nm以下である。なお、本願明細書では、他方の表面の孔径とは、特に断りのない限り、他方の表面の最表面の孔径というものとする。
さらに上記の多孔質膜は、三次元網目状構造が好ましい。三次元網目状構造であると、隣り合う孔同士の連通性が良いため、多孔質膜を水が通過する際の抵抗が小さく、高い透水性能を発現させることができる。連通性は、多孔質膜の膜厚と、純水透水量の比率で表せる。たとえば、球状の結晶が連結した構造や孔と孔の連通性が悪い独立泡構造は、膜厚部での抵抗が大きくなるので、その比率が小さくなるのに対して、三次元網目状構造は、その比率が大きくなる。純水透水量をFとした場合に、1000LMH以上であることが好ましく、さらに好ましくは1200LMH以上である。さらに好ましくは1400LMH以上である。
また、多孔質膜の膜厚をDとした場合に、多孔質膜の膜厚と純水透水量の比率を透水係数Pと定義すると、P=F/Dで表される。本実施形態において、透水係数Pは3000L/m/hr/mm以上であると、三次元網目状構造で高い透水性能を発現させた多孔質膜である。好ましくは3500L/m/hr/mm以上であり、さらに好ましくは4000L/m/hr/mm以上である。
また、膜厚は150μm以上であり、さらに好ましくは160μm以上である。膜厚が150μm以上であると、濾過時の圧力に対して、多孔質膜の構造を維持することができる。
上記の多孔質膜を中空糸膜の膜構造とする場合、濾過面積を大きく確保できる外圧濾過方式が主に用いられる。そのため、濾過運転時に中空糸膜が潰れないために外圧方向に対する高い強度、すなわち高い耐圧縮強度を有することが多孔性中空糸膜に求められる。本実施形態の多孔質膜は、耐圧縮強度を0.30MPa以上とすることができる。耐圧縮強度が0.30MPa以上であれば、瞬間的に外圧方向に圧力がかかっても中空糸膜がつぶれる事は無い。
さらに、長期に運転圧力がかかる水処理の分野で、外圧濾過の場合には、その形状を長期間、維持することができる圧縮クリープ耐性が求められる。また、内圧濾過の場合には、破裂クリープ耐性が求められる。本願明細書では、多孔質膜の効果として圧縮クリープ耐性を主として記載するが、本実施形態の多孔質膜は外圧濾過用途に限られない。
圧縮クリープ耐性は圧縮クリープ係数により評価した。表面孔径指数が大きいと、最も圧縮応力がかかる中空糸膜内表面(外圧濾過の場合、一方の表面)の最表面への流れが急激に変化するため、最表面への負荷が減り圧縮クリープ潰れを抑制できる。圧縮クリープ係数は−0.014以上が好ましく、さらに好ましくは−0.012以上である。特に好ましくは−0.010以上である。
本多孔質膜は、濾過液側の表面(一方の表面)の最表面の孔径の第2表面の孔径に対する割合(表面孔径指数=最表面の孔径の平均値/第2表面の孔径の平均値)が、2.5以上であることにより、高い圧縮クリープ耐性を発現できる。表面孔径指数は、さらに好ましくは2.8以上であり、特に好ましくは3.0以上である。
また、表面孔径指数は、急激な多孔質膜の構造変化を抑制する観点から、30以下としてよく、好ましくは25以下である。
ここで、第2表面の孔径とは、膜厚方向にみて最表面の孔の中に観察することができる孔であって、その中で最も一方の表面側に観察される孔の孔径ことをいう。詳細には、膜厚方向にみて最表面の孔の中に観察することができる孔が複数存在する場合には、複数の孔のうち当該孔の外輪郭線をなす部分の膜厚方向における平均位置が最も一方の表面側にある孔の孔径のことを第2表面の孔径という。
また、多孔質膜を中空糸膜の膜構造とする場合、中空糸膜の中空部内径は0.10mm以上5.0mm以下であり、その外径が0.15mm以上6.0mm以下であることが好ましい。
多孔質膜のウイルスの阻止性能を測定する方法として、大腸菌ファージMS−2を用いて行うことができる。試験方法としては、例えば決まった大きさの指標菌を培養して、ウイルス原液は指標菌を約1.0×10pfu/mLの濃度を含有する様に蒸留水中で調製し、全ろ過を行う。原液中の菌濃度を分子に、透過液の菌濃度を分母にとり、その比を常用対数(LRV)で表す。本実施形態の多孔質膜では、LRV1.5以上とすることが好ましく、より好ましくは2.0以上である。
さらに透水性能を向上させるためには、多孔質膜を、原水側が、孔径が小さい、その他他方の表面側となるようにして用い、濾過液側の孔径を、原水側に比べて大きくすることが良い。これにより、膜断面方向に液が通過する際の抵抗を小さくすることができ、透水性能を高くすることができる。また、原水側の孔径が小さいため、膜汚れの原因物質による膜断面方向の閉塞を抑制することができる。
多孔質膜の一方の表面の前記最表面の孔径は、濾過性能の観点から、1.0μm以上200μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以上180μm以下であり、特に好ましくは5μm以上160μm以下である。
孔径が小さい側(他方の表面側)の表面の孔径の平均値に対して、孔径が大きい側(一方の表面側)の孔径の平均値は、その30倍以上にするとよい。それにより、高い透水性能を発現させることができる。好ましくは、40倍以上3000倍以下である。さらに好ましくは50倍以上2500倍以下である。この範囲にあると、高い透水性能とともに、高い耐圧縮強度を発現させることができる。
また、膜厚方向の孔径プロファイルを取った際に、原水側の表面(他方の表面)の位置を0、濾過液側の表面(一方の表面)の位置を1として規格化し膜厚方向に10分割した場合の膜厚位置が0.9〜1.0の領域における断面孔径が0.5μm以上であると、高い透水性能を発現することができるため、好ましい。0.9〜1.0の領域における断面孔径が0.5μm以上であることにより、濾過時の抵抗が下がり、かつ、膜性能低下の要因となる物質が膜の断面方向に堆積しないため、透水性能の低下を抑制することができる。上記0.9〜1.0の領域における断面孔径は、より好ましくは0.6μm以上であり、特に好ましくは0.8μm以上である。
本実施形態の多孔質膜は、単一層で構成されても、二層以上の多層構造でも良い。
次に、上記実施形態の多孔質膜の製造方法について説明する。
上記実施形態の多孔質膜は、好ましくは、フッ化ビニリデン系樹脂、さらに好ましくは、フッ化ビニリデンを重量比で50%以上含有する共重合ポリマー、またはポリスルホン系の樹脂を主成分とする疎水性高分子成分、親水性高分子成分、並びに、これら疎水性及び親水性高分子成分の共通溶媒を少なくとも含有する製膜原液(紡糸原液)を、成型用ノズルから押し出し、水を主成分とする溶液中で凝固させる、いわゆる湿式製膜法、或いは、成形用ノズルから押し出した後に所定の空走区間を確保する、いわゆる乾湿式製膜法によって製造される。ここで本発明における疎水性高分子及び親水性高分子とは、その高分子の20℃での臨界表面張力(γc)が50(mN/m)以上のものを親水性高分子と、50(mN/m)未満のものを疎水性高分子と定義する。
フッ化ビニリデンモノマーと共重合させる他の共重合モノマーとしては、公知のものを適宜選択して用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、テトラフルオロエチレンやトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンのようなフッ素系モノマーやクロロトリフルオロエチレンのような塩素系モノマー等を好適に用いることができる。
また、必要に応じて、製膜原液は、疎水性高分子に対する非溶媒を含んでいてもよい。
本実施形態の製造方法においては、まず、フッ化ビニリデン系樹脂を主成分とする多孔質膜を形成するための疎水性高分子成分と、親水化成分としての親水性高分子成分とを、それら疎水性及び親水性高分子成分の共通溶媒に溶解させた多孔質膜製膜原液を作製する。
多孔質膜を形成するための疎水性高分子成分は、単一分子量のフッ化ビニリデン系樹脂でもよく、複数の分子量が違うフッ化ビニリデン系樹脂の混合物でもよい。また、多孔質膜の性質を改善するために、疎水性高分子成分に、疎水性高分子に限定されず1種以上の他の高分子を混合してもよい。
他の高分子を混合する場合、他の高分子はフッ化ビニリデン系樹脂と相溶するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、膜に親水性を付与したい場合は親水性高分子を、疎水性をより高めたい場合は疎水性高分子、好ましくはフッ素系の高分子等を用いればよい。他の高分子を混合する場合、全高分子成分の固形分換算で、フッ化ビニリデン系樹脂を80質量%以上、好ましくは90質量%以上含有することが好ましい。
本実施形態の製造方法においては、製膜原液に配合する親水化成分としての親水性高分子成分には、重量平均分子量(Mw)が2万以上15万以下のポリエチレングリコール(ポリエチレンオキサイドと呼ばれることもある)を用いることが好ましい。重量平均分子量が2万未満のポリエチレングリコールを用いても、多孔質膜を作製することは可能であるが、本発明を満たす孔径の多孔質膜を製膜することが困難な傾向にある。また、重量平均分子量が15万を超える場合は、多孔質膜を形成する疎水性高分子成分の主成分であるフッ化ビニリデン系樹脂と紡糸原液中で均一に溶解することが困難な傾向にある。製膜性に優れる紡糸原液を得る観点から、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は2万以上12万以下であることがより好ましい。なお、製膜性に優れる紡糸原液を得るとともに、結晶化度と比表面積のバランスを保つ観点から、ポリエチレングリコールの親水性高分子成分に占める割合は、親水性高分子成分の固形分換算で、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
上記実施形態の通り、本発明の製造方法では、親水性高分子成分としてポリエチレングリコールを用いることが好ましいが、ポリエチレングリコールに限るものではなく、ポリビニルピロリドンや一部がケン化されたポリビニルアルコールを用いてもよい。また、2種以上の親水性高分子成分を混合してもよい。
上記の要件を満たす親水性高分子成分は、工業製品として存在するものを単独で用いる他、数種を混合して調整したものであってもよく、さらには、より重量平均分子量の大きいものを原料として化学的或いは物理的処理によって適応した重量平均分子量として生成させたものであってもよい。
また、疎水性高分子に対する非溶媒としては、水およびアルコール化合物などが挙げられる。これらのうち、製造原液の調整の容易さ、親水性高分子の分布形成、保存中の組成変化の起きにくさ、取扱いの容易さなどの観点から、グリセリンが好ましい。
また、上記の親水性高分子中に含まれる水分率は3.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2.5質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以下である。これは、相分離における希薄相を形成する親水性高分子に非溶媒である水分が少ないと、相分離時間のばらつきが低減することができるからである。水分率は、赤外線水分計やカールフィッシャー法により測定できる。
さらに、上記製膜原液における疎水性高分子成分及び親水性高分子成分の混合比率としては、特に限定されるではないが、疎水性高分子成分が20質量%以上40質量%以下、親水性高分子成分が8質量%以上30質量%以下、残部が溶媒であることが好ましく、疎水性高分子成分が23質量%以上35質量%以下、親水性高分子成分が10質量%以上25質量%以下、残部が溶媒であることがより好ましい。この範囲の製膜原液を用いて多孔質膜を製膜することで、親水性高分子成分の残量を所定の量に調整することが容易になるとともに、強度が高く薬品耐性及び透水性に優れる多孔質膜を簡易に得ることが可能となる。
また、上記の製造方法において、その製膜時に、製膜原液を凝固させる、水を主成分とする溶液の溶液温度(Tb℃)が、製膜原液の温度(Td℃)に対して、Tb≦Td+50の関係を満たし、且つ、製膜原液の濁り点温度(Tc℃)が、Tc≦Tbの関係を満たすことが好ましい。このような温度範囲の関係を満たした条件下で製膜することにより、高い透水性の多孔質膜が得られるとともに、凝固液の拡散速度が上がるため、親水性高分子成分の少なくとも一部が多孔質体の骨格中に埋抱された状態で凝固が完了するので、親水性高分子成分の残量を望ましい範囲に調整することができる。
また製膜原液の温度(Td℃)と濁り点温度(Tc℃)は、Td>Tc+10℃を満たすことが好ましい。このような条件下で製膜することにより、原液が均一な状態になるため表面孔径指数のばらつきを低減できクリープ寿命を高くすることができる。
さらに、上記の製造方法において、中空糸状の多孔質膜を製造する場合、製造時の成型用ノズルとして二重管状のノズルを用い、製膜原液を中空形成剤とともに二重管状のノズルから押し出し、上記の溶液が貯留された溶液槽で凝固させることが好ましい。このようにすることで、中空糸膜の膜構造を有する多孔質膜を簡易に製造することができる。ここで用いる二重管状の成型用ノズル及び中空形成剤は、この種の分野において常用されている公知のものを、特に制限なく用いることができる。なお、本明細書において、中空糸膜の膜構造を有する多孔質膜を多孔性中空糸膜ともいう。
上記多孔性中空糸膜を製造する製造装置の一例を図1に示す。多孔性中空糸膜の製造装置は、二重管状の成形用ノズル10と、製膜原液を凝固させる溶液が貯留される溶液槽20と、成形用ノズル10から吐出された成膜原液が溶液槽20中の溶液に到達するまでに通過する空走部を覆う容器30と、多孔性中空糸膜40を搬送して巻き取るための複数のローラ50を備えている。1個目のローラが第一水中ローラ60である。
二重管状の成形用ノズル10から押し出した製膜原液は、空走部を経て、溶液槽20を通過させる。空走部を製膜原液が通過する時間は0.2から10秒が望ましい。また、中空部を形成させるために、二重管状の成形用ノズル10の最内部の円環に、中空形成剤を流す。中空形成剤は、製膜原液の共通溶媒と水を、共通溶媒が25から95の質量比となるように混合した水溶液を用いると良い(ここで、質量比は水溶液に対する共通溶媒の質量%)。このように混合した水溶液を用いることで、多孔性中空糸膜の内表面側の孔径を制御することができる。ここで、25質量比以上であれば、内表面(ここでは孔径が大きい表面)側の孔径を外表面(ここでは孔径が小さい表面)側の孔径の30倍以上にすることができ、高い透水性能を発現させることができる。95質量比よりも大きいと、内表面側の凝固が遅いため、紡糸安定性がきわめて悪くなる。
また製膜原液の溶液槽(溶液中)における滞留時間は5.0秒以上であることが望ましい。溶液槽の滞留時間を5.0秒以上にすると、膜厚中央部から内表面に存在する製膜原液の共通溶媒が、溶液槽中の非溶媒と拡散し交換される時間が確保される。そのため、凝固が促進され、適度な状態で相分離が停止するため、断面の膜構造の連通性が良くなる。また、滞留時間が長いと、多孔質膜の断面における外表面付近での収縮する時間が長くなり、結果として、多孔質膜の他方の表面を0、一方の表面を1として規格化した膜厚において0.9から1.0までの位置に孔径0.5μm以上の孔を有する膜にすることができる。
滞留時間は、さらに望ましくは5.0秒以上50秒以下である。50秒以下であれば工程が短くなり簡略化することができる。さらに望ましくは6.0秒以上45秒以下である。溶液槽は、目的によって、1段でもよく、2段以上の複数になってもよい。複数の場合は、各段の合計の滞留時間が、上記の範囲になればよい。
また製膜原液の溶液槽において製膜原液が溶液槽に到達してから、第一水中ローラに到達するまでの滞留時間は3.0秒以上が好ましい。3.0秒以上であると、製膜原液が固化してから中空糸膜が屈曲するため、最表面の孔径と第2表面目の孔径の比が変化しないため、中空糸膜の断面周方向の表面孔径指数のばらつきが小さくなり高いクリープ耐性を発現させることができる。
一方、第一水中ローラまでの到達時間が短く固化が十分でない場合、表面は固化しているのに対して、内部は固化していない。そのため、その状態でロールによって屈曲されることで内部の孔が引き延ばされ、最表面と第2表面の孔径差がつきにくい。さらに好ましくは3.5秒以上である。
第一水中ローラでの中空糸膜の抱き角は30°以上145°以下であることが好ましい。なお、第一水中ローラでの中空糸膜の抱き角とは、第一水中ローラに接触する前の製膜原液からなる紡糸がなすラインと第一水中ローラから離れた製膜原液からなる紡糸がなすラインとがなす角度のうち小さい方の角度をいう。
30°以上であるとローラと中空糸膜の接触面積が確保できるため、中空糸膜のたるみやローラから外れることなく安定的に製造することができる。145°以下であればローラ側に対して反対側の面の内部の孔が引き延ばされないため、表面孔径指数が小さくなり高いクリープ耐性を発現させることができる。上記抱き角は好ましくは40°以上140°以下であり、さらに好ましくは45°以上135°以下である。ローラの材質などは特に限定されるものではない。
本実施形態の中空糸膜においては、製膜時にローラ側に位置していた内面の表面孔径指数と製膜時にローラ側に対して反対側に位置していた内面の表面孔径指数との差が、1.3以下であれば高いクリープ耐性を有する。上記差は、好ましくは1.2以下であり、さらに好ましくは1.1以下であり、特に好ましくは0.8以下である。本実施形態の中空糸膜では、断面における内面の任意の2箇所において表面孔径指数の差が、上記範囲を満たすことも好ましい。
溶液槽の温度は、上記に示した関係を満たせば特に限定はされないが、45℃以上95℃以下が好ましく、さらに好ましくは50℃以上90℃以下である。溶液槽が複数になる場合は、温度条件を各溶液槽ごとに変更してもよい。
また、上記の空走部分には、空走部の温度、湿度をコントロールするための容器を設けてもよい。この容器に関しては、とくに形状等限定はされないが、例えば角柱状や円柱状があり、また密閉されたものでもよく、そうでなくてもよい。
空走部の温度環境は、3℃以上90℃以下が好ましい。この範囲にあれば安定的な温度制御が可能であり、可紡性を維持できる。望ましくは5℃以上85℃以下の範囲である。また、相対湿度は、20%から100%の範囲である。
さらに、製膜原液に用いる共通溶媒として、上記の疎水性及び親水性高分子成分を溶かすものであれば特に限定されるものではなく、公知の溶媒を適宜選択して用いることができる。製膜原液の安定性を向上させる観点で、共通溶媒として、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒を用いることが好ましい。また、上記の群から選択される少なくとも1種の共通溶媒と他の溶媒との混合溶媒を用いてもよい。この場合、前記の群から選択される共通溶媒の合計量が、混合溶媒全量に対し、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含む混合溶媒を用いることが好ましい。
本実施形態の多孔質膜の製造方法における製膜原液は、二重管状の成形用ノズル10から流出させる温度における溶液粘度が50Pa・s以上200Pa・s以下であることが好ましく、60Pa・s以上190Pa・s以下であることがより好ましい。溶液粘度が50Pa・s以上であると、多孔性中空糸膜を作製する場合に二重管状の成形用ノズル10から流出させた製造原液が、自重で垂れ落ちることなく、空走時間を長く取ることができる。さらに相分離の速度が遅くなるため相分離時間が長くなり、膜の断面、特に溶液槽中の非溶媒の拡散が遅れる内表面側を大孔径化することができる。さらに該溶液粘度範囲内で中空形成剤の質量比にすることで、表面孔径指数を高くすることができる。また、溶液粘度が200Pa・s以下であると、二重管状の成形用ノズル10から一定流量で安定して押し出すことが可能となり、膜性能のばらつきが生じにくい。
成型用のノズル10の吐出口の最外径と多孔性中空糸膜の外径の比を絞り比(=吐出口の最外径/多孔性中空糸膜の外径)と定義した場合に、絞り比は1.00以上が好ましい。
上記範囲の粘度である製膜原液の場合、相分離速度が速いために、多孔性中空糸膜の断面、特に断面外表面付近にボイドが生成される可能性が高いが、絞り比を1.00以上にすることにより、ボイド生成が抑制され三次元網目構造にすることができる。
製膜後に、必要に応じて熱処理をおこなってもよい。熱処理の温度は、45℃以上100℃以下が好ましく、50℃以上95℃以下がさらに好ましい。この温度範囲であれば、透水量が大幅に低下することなく、熱処理をおこなうことができる。
これらの製造方法を用いることによって、従来の多孔質膜では成し得なかった、高い阻止性能を持ち、かつ透水性能と強度に優れ、長期に安定的な濾過運転が可能な多孔性中空糸膜を簡易且つ安定に製造することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
ここでは、本発明の実施例および比較例の多孔質膜からなる多孔性中空糸膜(以下において、単に中空糸膜と称する場合がある。)を製造し、評価した。
なお、本実施例において用いた測定方法は以下のとおりである。以下の測定は特に記載がない限り全て25℃で行っている。
以下では、評価方法について説明した後、実施例及び比較例の製造方法及び評価結果について説明する。
[1]外径及び内径(mm)の測定
中空糸膜を膜長手方向に垂直な向きにカミソリなどで薄く切り、顕微鏡を用いて断面の内径の長径と短径、外径の長径と短径を測定し、以下の式(2)、(3)により、それぞれ内径と外径を決定した。また、膜厚D(mm)は式(4)で表される。
[2]純水透水量(L/m/hr)
約10cm長の湿潤中空糸膜の一端を封止し、他端の中空部内へ注射針を入れ、注射針から0.1MPaの圧力にて25℃の純水を中空部内へ注入し、外表面へと透過してくる純水の透過水量を測定し、以下の式(5)により純水透水量Fを決定した。ここで、膜有効長とは、注射針が挿入されている部分を除いた、正味の膜長を指す。
なお、透水係数Pは、上述のようにして測定した膜厚Dと純水透水量Fとから、P[L/m/hr/mm]=F/Dの関係に基づいて算出した。
[3]耐圧縮強度(MPa)
約5cm長の湿潤中空糸膜の一端を封止し、他端を大気開放とし、外表面より40℃の純水を加圧し大気開放端より透過水を出した。このとき膜供給水を循環させることなくその全量を濾過する方式、即ち全量濾過方式を取った。
加圧圧力を0.1MPaより0.01MPa刻みで昇圧し、各圧力にて15秒間圧力を保持し、この15秒間に大気開放端より出てくる透過水をサンプリングした。中空糸膜の中空部が潰れないうちは加圧圧力が増すにつれて透過水量(質量)の絶対値も増してゆくが、加圧圧力が中空糸膜の耐圧縮強度を超えると中空部が潰れて閉塞が始まるため、透過水量の絶対値は加圧圧力が増すにも関わらず、低下する。透過水量の絶対値が極大になる加圧圧力を耐圧縮強度とした。
[4]圧縮クリープ係数
約5cm長の湿潤中空糸膜の一端を封止し、他端を大気開放とし、外表面より40℃の純水を加圧し大気開放端より透過水を出した。このとき膜供給水を循環させることなくその全量を濾過する方式、即ち全量濾過方式を取った。
加圧圧力を、圧縮強度から0.05MPa減算した値に設定し、中空糸膜が潰れるまで連続に加圧した。長期に時間が経過すると中空糸膜は楕円形上に扁平してくるが、完全につぶれた時を、潰れと判断した。同様の試験を3回行い、最も潰れるまでの時間が短かった点を潰れた時間として採用した。
次に、横軸を負荷時間、縦軸を負荷圧力とした両対数グラフ上に、耐圧縮強度(時間は0.008時間とした)と、耐圧縮強度から0.05MPa減算した圧力値で潰れが生じた時間をプロットした(図2中、4点のうちの左側2点)。この2点から長時間側に補外し、10〜1000時間の間で潰れる点を予測し、次の加圧圧力を決定した。この方法により、2点を追加し圧縮強度の点を含めた計4点で最小二乗法による近似曲線により傾きを算出した。この傾きを、圧縮クリープ係数とした。圧縮クリープ係数の算出方法を図2に示す。圧縮クリープ係数は、値が大きいほど圧縮クリープ耐性が高いことを示す。
[5]内外表面孔径(μm)
HITACHI製電子顕微鏡SU8000シリーズを使用し、加速電圧3kVで、中空糸膜の外表面と内表面とを撮影した。20個以上の孔の形状が確認できる倍率で、例えば、実施例2では一方の表面(この場合、内表面)を250倍で、撮影を行った。
撮影した画像を用いて、例えば、国際公開第2001/53213号公報に記載されているように、画像のコピーの上に透明シートを重ね、黒いペン等を用いて、最表面部分の孔部分を黒く塗り潰し、透明シートを白紙にコピーすることにより、孔部分は黒、非孔部分は白と明確に区別した。その後に市販の画像解析ソフトWinroof6.1.3を使い、判別分析法により二値化を行った。こうして得た二値化画像の占有面積を求めることにより、一方の表面、他方の表面の開孔率を求めた。
孔径は、表面に存在した各孔に対して円相当径を算出し、孔径の大きい方から順に各孔の孔面積を足していき、その和が各孔の孔面積の総和の50%に達するところの孔の孔径で決定した。
また、一方の表面の最表面/他方の表面の孔径比は、上記のようにして求めた一方の表面の最表面の孔径の平均値と他方の表面の孔径の平均値との比である。
[6]表面孔径指数(―)
上記[5]に記載のとおり中空糸膜の一方の表面(実施例の場合、内表面)を撮影し、撮影した画像を用いて、一方の表面の最表面部分の孔部分を黒く塗り潰し、孔径を算出した。
また、同じ画像において、膜厚方向にみて最表面の孔の中に観察することができる孔であって、その中で最も一方の表面側に観察される孔を第2表面の孔として、その孔の孔径を算出した。
最表面の孔と第2表面の孔との例を図3(B)に示す。なお、図3(B)は、図3(A)に示す実施例3の多孔質膜の内表面の電子顕微鏡写真(250倍)の拡大図である。
表面孔径指数は、一方の表面の最表面の孔径と第2表面の孔径との比により算出した。表面孔径指数は、中空糸膜製膜時にローラ側(図1参照)となった面とローラ側に対して反対側(図1参照)となった面との両方について算出した。
一方の表面が中空糸膜の内表面の場合、ローラ側となった面とローラ側に対して反対側となった面とは、中空糸膜の流路の中心を挟んで対向する。より具体的に述べると、ローラ側となった面での算出箇所とローラ側に対して反対側となった面での算出箇所とは、中空糸膜の延在方向に直交する断面において中空糸膜の流路の中心に関して反対側に位置する。
[7]断面孔径(μm)
断面孔径は、膜を膜厚方向に10分割して規格化し、他方の表面を0とし、一方の表面側を1とした場合、0〜0.1の領域、0.1〜0.2の領域・・・0.9〜1.0の領域の10の領域の孔径を測定し、断面の孔径のプロファイルを解析して算出した。
まず、10分割した膜の断面の孔を100個以上の孔の形状が確認できる倍率にて走査型電子顕微鏡で撮影した画像を用いて、例えば、国際公開第01/53213号に記載されているように、電子顕微鏡画像のコピーの上に透明シートを重ね、黒いペン等を用いて孔部分を黒く塗り潰し、その後透明シートを白紙にコピーすることにより、孔部分は黒、非孔部分は白と明確に区別した。孔の外周が、断面を分割した境界線と交わる場合は、その孔は測定対象と見なさなかった。
市販の画像解析ソフトWinroof6.1.3を利用して、判別分析法により二値化を行い、孔部分の面積の総和を求めた。また各孔の円相当径を算出し、円相当径を降順に並べ、最大の孔から順に孔の面積を加算した際に、その総和が、すべての孔の面積の1/2に相当する孔の円相当径を、断面の孔径とした。
膜厚位置0.9〜1.0の領域の断面孔径を、表1に示す。
[8]ウイルス阻止性能(―)
供試ウイルスとして大腸菌ファージMS−2(Bacteriophage MS−2 NBRC13965)(粒径約25nm)を用い、大腸菌中で10pfu/mLオーダーに増殖させ、0.1mMリン酸バッファーにてpH7に調製し、これを試験原液とした。そして、次の非破壊性試験により、多孔性中空糸膜のウイルス阻止性能を評価した。
湿潤した多孔性中空糸膜を有効長12cm程度に切断した。その多孔性中空糸膜を筒状ケース内、多孔性中空糸膜の片端は封止し、片端は開放できるように固定した。そのケース内に液の供給口を設け、その供給口から1000mLのファージ溶液を20kPaの圧力をかけて送液し、ファージ溶液を多孔性中空糸膜に外側から内側に向けて濾過させた。そして、多孔性中空糸膜の開口した端部から濾過液を取り出し、その終流20mLをサンプリングした。試験原液、サンプリングされた濾過液の大腸菌ファージMS2をそれぞれ定量し、以下の式(6)より、大腸菌ファージMS2の阻止性能(除去性能)を算出した。
以下の[9]、[10]は疎水性高分子成分としてPVDF樹脂を用いた場合の測定方法である。
[9]多孔質膜中のPVDF樹脂100質量%に対するポリエチレングリコール含有率測定(膜中のPEG残存量測定)
日本電子社のLambda400をNMR測定装置として用い、溶媒にd6−DMFを、内部標準(0ppm)にテトラメチルシランを各々用いて、多孔質膜の1H−NMR測定を実施した。得られたスペクトルにおいて、3.6ppm付近に現れるポリエチレングリコール由来のシグナルの積分値(IPEG)と、2.3〜2.4と、2.9〜3.2ppm付近に現れるPVDF樹脂由来のシグナルの積分値(IPVDF)とから、次式によって算出した。
ポリエチレングリコール含有率(質量%)={44(IPEG/4)/60(IPVDF/2)}×100
[10]多孔質膜中のポリエチレングリコール重量平均分子量測定
多孔質膜0.1gをアセトン10mLに溶解し、その溶液を100mLの水中に滴下し、膜を構成する高分子は再沈殿させ、膜中に残存していたポリエチレングリコールは水溶液として分離した。その後、ポリエチレングリコールを含む溶液をエバポレーターで濃縮し、その後、下記の移動相液で溶解しポリエチレングリコール溶液とした。得られた溶液を200mL用い、以下の条件でGPC測定を行いその重量平均分子量(ポリエチレングリコール標準試料換算)を求めた。
装置 :HLC−8220GPC(東ソー株式会社)
カラム:Shodex SB−803HQ
移動相:0.7mL/min KHPO(0.02mM)+NaHPO(0.02mM)水溶液
検出器:示差屈折率検出器
[11]製膜原液の溶液粘度測定
広口ビンに入れた製造原液を恒温槽に入れ、液温が二重管ノズルから押し出される温度になるように設定した。B型粘度計を用いて粘度の測定を行った。
次に、各実施例及び比較例の製造方法について説明する。
(実施例1)
PVDF(アルケマ社製、KYNAR761)25質量%と、ポリエチレングリコール重量平均分子量35000(メルク社製、ポリエチレングリコール35000)16質量%とを、N−メチルピロリドン59質量%に80℃で溶解させ製膜原液とした。
この製膜原液を二重環紡糸ノズルから中空形成剤としてN−メチルピロリドン80質量%の水溶液と共に押し出し、空走距離を経て、83℃の水中で凝固させ、その後60℃の水中で脱溶媒を行い、多孔性中空糸膜を得た。83℃の水中において第一水中ローラまでの滞留時間は4.0秒とし、溶液槽の滞留時間は25秒とした。得られた多孔性中空糸膜を60℃にて湿熱処理を行った。
膜の性質を、以降の例を含め、表1にまとめた。
(実施例2)
PVDF(アルケマ社製、KYNAR761)10質量%と、P(VDF−HFP)(アルケマ社製、KYNARFLEX LBG)15質量%、ポリエチレングリコール重量平均分子量35000(メルク社製、ポリエチレングリコール35000)18質量%とを、N−メチルピロリドン57質量%に80℃で溶解させ製膜原液とした以外は、実施例1と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。
(実施例3)
P(VDF−HFP)(アルケマ社製、KYNARFLEX LBG)25質量%、ポリエチレングリコール重量平均分子量35000(メルク社製、ポリエチレングリコール35000)18質量%を、N−メチルピロリドン57質量%に80℃で溶解させ製膜原液とした以外は、実施例1と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。
図3(A)は本実施例3の多孔質膜(多孔性中空糸膜)の一方の表面(この場合、内表面)の電子顕微鏡写真(250倍)である。
(実施例4)
P(VDF−HFP)(アルケマ社製、KYNARFLEX LBG)25質量%、ポリエチレングリコール重量平均分子量35000(メルク社製、ポリエチレングリコール35000)16質量%を、N−メチルピロリドン59質量%に80℃で溶解させ製膜原液とした。第一水中ローラまでの滞留時間を5.0秒とした以外は実施例1と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。
(実施例5)
多孔性中空糸膜の外径を0.9mm、内径を0.5mmとした以外は、実施例3と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。
(実施例6)
多孔性中空糸膜の外径を1.1mm、内径を0.6mmとした以外は、実施例3と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。
(実施例7)
多孔性中空糸膜の外径を1.1mm、内径を0.6mm、第一水中ローラまでの滞留時間を3.5秒とした以外は、実施例3と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。
(実施例8)
多孔性中空糸膜の外径を1.1mm、内径を0.6mm、第一水中ローラでの抱き角を30°とした以外は、実施例3と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。
(実施例9)
多孔性中空糸膜の外径を1.1mm、内径を0.6mm、第一水中ローラでの抱き角を145°とした以外は、実施例3と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。
(比較例1)
83℃の水中において第一水中ローラまでの滞留時間を2.0秒とした以外は、実施例1と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。第一水中ローラまでの時間が短いため、ローラに対して反対側の一方の表面(内表面)の表面孔径指数が低いためクリープ係数が小さくなった。
(比較例2)
83℃の水中において第一水中ローラまでの滞留時間を2.0秒とした以外は、実施例3と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。第一水中ローラまでの時間が短いため、ローラに対して反対側の一方の表面(内表面)の表面孔径指数が低いためクリープ係数が小さくなった。
(比較例3)
第一水中ローラの抱き角を20°とした以外は実施例3と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。抱き角が小さいため、中空糸膜の製造が安定しないためサンプル採取不可であった。
(比較例4)
多孔性中空糸膜の外径を1.1mm、内径を0.6mm、第一水中ローラでの抱き角を150°とした以外は、実施例3と同様の方法で多孔性中空糸膜を製膜した。抱き角が大きいため、ローラに対して反対側の一方の表面(内表面)の表面孔径指数が低いためクリープ係数が小さくなった。
10 二重管状の成形用ノズル
20 溶液槽
30 容器
40 多孔性中空糸膜
50 ローラ
60 第一水中ローラ

Claims (11)

  1. 濾過液側の表面を一方の表面、被濾過液側を他方の表面としたときに、前記一方の表面の表面孔径指数(=最表面の孔径/第2表面の孔径)が2.5以上であることを特徴とする、多孔質膜。
  2. 前記一方の表面の前記最表面の孔径が1.0μm以上である、請求項1に記載の多孔質膜。
  3. 前記一方の表面の前記最表面の孔径の前記他方の表面の孔径に対する割合が30以上である、請求項1又は2に記載の多孔質膜。
  4. 他方の表面の孔径が60nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔質膜。
  5. 耐圧縮強度が0.30MPa以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔質膜。
  6. 膜厚方向について、他方の表面の位置を0、一方の表面の位置を1として規格化し膜厚方向に10分割した場合の膜厚位置が0.9〜1.0の領域における断面孔径が0.5μm以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔質膜。
  7. 圧縮クリープ係数が−0.014以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多孔質膜。
  8. 中空糸状の膜形状を有し、
    前記一方の表面のうち前記中空糸膜の流路の中心を挟んで対向する2箇所での前記表面孔径指数との差が1.3以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多孔質膜。
  9. 主成分として、フッ化ビニリデン系樹脂を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の多孔質膜。
  10. 主成分として、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合ポリマーを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の多孔質膜。
  11. 主成分として、フッ化ビニリデンとクロロトリフロオロエチレンとの共重合ポリマーを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の多孔質膜。
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