以下、本発明の実施の形態に係る遊技機について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る遊技機の外観を示す斜視図である。この遊技機は、いわゆる「パチスロ機」である。パチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ機1の全体を形成しているキャビネット2(筐体に含まれる)の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成されている。このパネル表示部2aの前面には、液晶表示装置5(画像表示手段の一例)により表示される矩形の液晶表示画面(以下、表示画面ともいう)5aが設けられ、この表示画面5aに液晶表示することができ、かつ液晶の奥側に配置されたリール3(左リール3L、中リール3C、右リール3Rに相当する)を透過表示できるようになっている。前記表示画面5aには、遊技に関する情報、あるいはアニメーション等による各種の演出が表示されるようになっている。
パネル表示部2aの中央には、縦長矩形の表示窓4L、4C、4R(図柄表示手段の一例)が設けられている。表示窓4L、4C、4Rには、有効ラインとして水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。
これらの有効ラインは、後述する1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、あるいはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が設定される。どの有効ラインが設定されたかは、後で説明するBETランプ9a、9b、9cが点灯されることで認識される。
ここで、有効ライン8a〜8eは、役の成否に関わる。具体的には、所定の役(例えば、後述の「チェリーの小役」)に対応する1つの図柄(例えば、後述の“チェリー(図柄104)”)が有効ライン8a〜8eのいずれかに対応する所定の位置(例えば、左の表示窓4L内の中段の位置)に停止表示されること、又は所定の役(例えば、後述の「ベルの小役」)に対応する図柄組合せを構成する図柄(例えば、後述の“ベル(図柄105)”)が有効ライン8a〜8eのいずれかに対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役が成立することとなる。
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3つのリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。前述したように、各リールの図柄は、表示窓4L、4C、4Rを透して目視できるようになっている。各リールは、定速(例えば80回転/分)で回転するようになっている。
前述の液晶表示画面5aの領域外で、表示窓4L、4C、4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19、操作キー24が設けられている。
1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9cは、1つのゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。このBET数は、投入枚数カウンタの値として後述のRAM33の所定の記憶領域に記憶される。
1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の有効ラインが設定されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の有効ラインが設定されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の有効ラインが設定されたときに点灯する。
クレジット表示部19は、7セグメントLEDからなり、貯留(クレジット)されているメダルの枚数を表示する。クレジットされているメダルは、遊技者がゲームで獲得し、払出されるべきものを機内に貯留したものである。この貯留したメダルの枚数は、クレジットカウンタの値として後述のRAM33の所定の記憶領域に記憶される。
操作キー24は、表示画面5aに表示された表示画像の選択操作を行うものである。また、所定の操作を行うことにより、メニュー画面の呼び出し表示を行うものである。
表示窓4L、4C、4Rの右側には、WINランプ(いわゆる当り表示ランプ)17、払出表示部18及びボーナス遊技情報表示部20が設けられている。
WINランプ17は、所定の役、例えば「ビッグボーナス(以下、BBと記す)」に当選した場合に所定の確率で点灯する。ここで、BB及び「レギュラーボーナス(以下、RBと記す)」を総称して、以下単に「ボーナス」という。BB及びRBの詳細については、後述する。
払出表示部18は、7セグメントLEDからなり、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDからなり、後で説明するRB遊技状態におけるゲームの回数等を表示する。
液晶表示画面5aの下方には、水平面の台座部10が形成されている。台座部10の右側には、メダル投入口22が設けられており、液晶表示画面5aの左側下方に、1−BETスイッチ11及び2−BETスイッチ12、台座部10の左側に、最大BETスイッチ13が設けられている。
1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回の押し操作により、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチ11、12、13を操作することで、前述のとおり、所定の有効ラインが設定される。
台座部10の前面部の左寄りには、精算ボタン14が設けられている。入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルがクレジットされ、クレジットが所定の枚数(例えば、50枚)以上になった場合には、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出される。また、精算ボタン14を押すことで、BETされているメダル、及びクレジットされているメダルが、メダル払出口15から払出され、このメダル払出口15から払出されたメダルは、メダル受け部16に溜められる。
精算ボタン14の右側には、遊技者の操作によりリール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4L、4C、4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部中央で、液晶表示画面5aの下方位置には、3つのリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための3つの停止ボタン7(左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、右停止ボタン7Rに相当する)が設けられている。
台座部10の前面部右側には、ドアキー26が設けられている。ドアキー26は、キャビネット2の前面側を構成する開閉自在の前面扉(フロントドア)のロックの解除を行う機能に加えて、打止解除及びエラー解除の操作を行う機能をも有している。
パネル表示部2aの上方の左右には、スピーカ21L、21R(音出力手段の一例)が設けられ、その2台のスピーカ21L、21Rの間には、表示図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。
パネル表示部2aの上方には、例えばランプ(LED等)等で構成される発光装置25(発光手段の一例)が設けられる。発光装置25は、演出内容に対応するパターンで、光を点消灯する。
なお、本実施の形態では、1ゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
また、本実施の形態では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタン7L、7C、7Rのいずれかの操作)を「第1停止操作」といい、「第1停止操作」の次に行われる停止操作を「第2停止操作」といい、「第2停止操作」の次に行われる停止操作を「第3停止操作」という。
図2は、各リール3L、3C、3Rに表された複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図10)に格納(記憶)されている。
各リール3L、3C、3R上には、“赤7(図柄101)”、“BAR(図柄102)”、“リプレイ(図柄103)”、“チェリー(図柄104)”、“ベル(図柄105)”及び“スイカ(図柄106)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L、3C、3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
次に、図3に図柄組合せテーブルを示し、説明する。
パチスロ機1においては、遊技者によりスタートレバー6が操作(開始操作)されると、内部抽選を行い、内部当選役(例えば、「チェリーの小役」、「リプレイ」、「RB」等)を決定する。そして、遊技者により停止ボタン7L、7C、7Rが操作(停止操作)されて、リール3が停止し、有効ライン8上に内部当選役に対応する図柄組合せが停止表示されれば、表示役の成立となる。
ここで、表示役のうち、特に、内部当選役に対応する図柄組合せが、有効ライン上に停止表示されたときに、払出しのあるものを「入賞役」とする。内部当選役に対応する図柄組合せが、有効ライン上に停止表示されたときに、払出しのないものは、「当選役の成立」とする。
図3に示すように、有効ラインに沿って図柄の組合せ“チェリー(図柄104)−ANY−ANY”(ANYはどの図柄でも良い)が並ぶことにより、「チェリーの小役」に入賞し、4枚のメダルが払出される。なお、投入枚数が3枚である、すなわち、有効ラインが5本設定されている場合に、チェリーが左の表示窓4Lの上段又は下段に表示されると、2つの有効ライン上で成立することとなるので、8枚(4枚×2)のメダルの払出しが行われる。
また、有効ラインに沿って図柄の組合せ“ベル(図柄105)−ベル−ベル”が並ぶことにより、「ベルの小役」に入賞し、15枚のメダルが払出される。
また、有効ラインに沿って図柄の組合せ“スイカ(図柄106)−スイカ−スイカ”が並ぶことにより、「スイカの小役」に入賞し、8枚のメダルが払出される。
上記「チェリーの小役」、「ベルの小役」、「スイカの小役」を「小役」と総称する場合もある。
また、有効ラインに沿って図柄の組合せ“リプレイ(図柄103)−リプレイ−リプレイ”が並ぶことにより、「リプレイ」が成立する。「リプレイ」が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。すなわち、「リプレイ」は、成立することにより遊技媒体の投入をすることによらずに遊技を行うことができる表示役である。
また、有効ラインに沿って図柄の組合せ“BAR(図柄102)−BAR−BAR”が並ぶことにより、「RB」が成立して、メダルは払出されないが、次のゲームの遊技状態が「RB遊技状態」となる。遊技状態については、後述する。
また、有効ラインに沿って図柄の組合せ“赤7(図柄101)−赤7−赤7”が並ぶことにより、「BB」が成立して、メダルは払出されないが、次のゲームの遊技状態が「BB遊技状態」となる。
また、上記「チェリーの小役」、「ベルの小役」、「スイカの小役」、「リプレイ」、「RB」及び「BB」に係る図柄の組合せ以外の図柄の組合せが表示されると、「ハズレ」が成立する。
ここで、遊技状態について説明する。遊技状態とは、そのゲームあるいは何回かのゲームの間の遊技状態を示すもので、基本となる「一般遊技状態」と、遊技者に有利な「BB遊技状態」とがある。
「BB遊技状態」には、メダルを獲得しやすい「RB遊技状態」と、この「RB遊技状態」に移行しやすい「BB一般遊技状態」とがある。
より詳しくは、「RB遊技状態」とは、内部抽選の際にメダルを獲得できる表示役に当選しやすい内部抽選テーブルが選択される遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。「内部抽選テーブル」については、後述する。
また、「RB遊技状態」は終了条件が規定されている。本実施の形態においては、1回の「RB遊技状態」において可能な最大のゲーム数(これを「RB遊技可能回数」という)は、12回である。また、この「RB遊技状態」において、メダルの払出しが行われる入賞役を成立させることができる回数(これを「RB入賞可能回数」という)は、8回までである。すなわち、この「RB遊技状態」は、ゲーム数が12回に達するか、又は入賞役の成立回数が8回に達した場合に終了する。
「BB一般遊技状態」とは、「RB」に当選しやすい内部抽選テーブルが選択される遊技状態であり、「RB遊技状態」に移行しやすい遊技状態である。
「BB遊技状態」においても、終了条件が規定されている。終了条件としては、ボーナスを終了させる払出枚数(これを「ボーナス終了枚数」という)が、所定枚数(例えば、465枚)に規定されている。すなわち、本実施の形態においては、この「BB遊技状態」は、払出枚数が“465”枚に達した場合に終了する。
また、上記のように「一般遊技状態」とは、遊技者に有利な特典がない基本的な遊技状態である。さらに、「一般遊技状態」において、「RB」又は「BB」(ボーナスの作動に係る内部当選役)に内部当選したが、設定された有効ライン上に「RB」又は「BB」の図柄組合せが表示させられなかった場合、内部当選した「RB」又は「BB」を次回以降のゲームに持ち越す。「RB」又は「BB」に内部当選すると、「RB」又は「BB」の図柄の組合せが、設定された有効ライン上に表示されるまでの間、「RB」又は「BB」を「持越役」として記憶する。「RB」が「持越役」として持ち越されている状態はRB持越状態であり、「BB」が「持越役」として持ち越されている状態はBB持越状態である。
次に、図4に内部抽選テーブル決定テーブルを示し、説明する。これは、内部抽選処理において、遊技状態に基づいて内部抽選テーブルの種別と抽選回数を決定するために用いられる。
すなわち、内部抽選テーブル決定テーブルは、遊技状態に応じて選択する内部抽選テーブルと、その内部抽選テーブルを用いて何回まで抽選を行うかを示す抽選回数と、が規定されたものである。ここで、抽選回数とは、内部抽選処理に先立って取得された乱数値と、当選番号ごとに設定された抽選値とを用いて行われる抽選処理(減算処理に相当する)の回数を示している。内部当選役は、この内部抽選処理により求められる当選番号にしたがって決定されることになる。
図4に示すように、一般遊技状態では、内部抽選テーブルとして一般遊技状態用内部抽選テーブルが決定されると共に、抽選回数として“6”が決定される。BB一般遊技状態では、内部抽選テーブルとしてBB一般遊技状態用内部抽選テーブルが決定されると共に、抽選回数として“5”が決定される。RB遊技状態では、内部抽選テーブルとしてRB遊技状態用内部抽選テーブルが決定されると共に、抽選回数として“3”が決定される。
次に、図5、図6、図7に内部抽選テーブルを示し、説明する。図5は、一般遊技状態用内部抽選テーブル、図6は、BB一般遊技状態用内部抽選テーブル、図7は、RB遊技状態用内部抽選テーブルである。これは、内部抽選処理において、当選番号と投入枚数に基づいて、抽出した乱数値から当選番号を求めるための、抽選値を取得するために用いられる。
図5、図6、図7に示すように、内部抽選テーブルには、当選番号と、この当選番号ごとに投入枚数にしたがった抽選値が示されている。各抽選値を所定の値(“65536”:各抽選値の合計値との差が“ハズレ”の割合となる)で除したものが、該当する内部当選役の当選率となる。また、本実施の形態では、「一般遊技状態用内部抽選テーブル」、「BB一般遊技状態用内部抽選テーブル」、「RB遊技状態用内部抽選テーブル」の3つの内部抽選テーブルを用いる。
図5は、一般遊技状態用内部抽選テーブルを示すものである。前述のように、一般遊技状態用内部抽選テーブルは、一般遊技状態で用いられる。また、ここでは、投入枚数ごとに当選番号と抽選値とが対応付けられている。この一般遊技状態用内部抽選テーブルに基づいて、当選番号として“1”〜“6”のいずれかに決定される可能性があり、いずれの抽選値の範囲内にもないときには、当選番号は“0”となる。
図6は、BB一般遊技状態用内部抽選テーブルを示すものである。前述のように、BB一般遊技状態用内部抽選テーブルは、BB一般遊技状態で用いられる。このBB一般遊技状態用内部抽選テーブルにおいても、投入枚数ごとに当選番号と抽選値とが対応付けられている。このBB一般遊技状態用内部抽選テーブルに基づいて、当選番号として“1”〜“5”のいずれかに決定される可能性があり、いずれの抽選値の範囲内にもないときには、当選番号は“0”となる。
図7は、RB遊技状態用内部抽選テーブルを示すものである。前述のように、RB遊技状態用内部抽選テーブルは、RB遊技状態で用いられる。このRB遊技状態用内部抽選テーブルに基づいて、当選番号として“1”〜“3”のいずれかに決定される可能性があり、いずれの抽選値の範囲内にもないときには、当選番号は“0”となる。
ここで、内部抽選テーブルは、複数段階(例えば、6段階)設けられた設定値(設定)ごとに設けられるが、設定値ごとの内部抽選テーブルは省略する。設定値は、基本的に遊技場側が設定(選択)する値であり、設定値に応じて遊技における遊技者の有利さの度合い(例えば、出玉率、役の内部当選確率など)が異なるようになっている。実際には、設定値として“1”〜“6”を設けるようにしている。そして、BBなどの役に内部当選する確率が、設定値の間で異なるようにしている。また、全ての設定値ごとに遊技状態に応じた内部抽選テーブルを用意するのではなく、設定値間で同一の内部抽選テーブルを共用しても良い。このとき、同一の遊技状態で共用しても良いし、異なる遊技状態で共用することもできる。このような内部抽選テーブルの設定は、前述の内部抽選テーブル決定テーブルにより、容易に行うことができる。
次に、図8に内部当選役決定テーブルを示し、説明する。内部当選役決定テーブルは、前述の内部抽選処理により求められた当選番号にしたがって内部当選役を決定するものである。
図8に示すように、当選番号が“0”のときには、内部当選役として“ハズレ”が決定される。当選番号が“1”のときには、内部当選役として“チェリー”が決定される。当選番号が“2”のときには、内部当選役として“ベル”が決定される。当選番号が“3”のときには、内部当選役として“スイカ”が決定される。
当選番号が“4”のときには、内部当選役として“リプレイ”が決定される。当選番号が“5”のときには、内部当選役として“RB”が決定される。当選番号が“6”のときには、内部当選役として“BB”が決定される。
次に、図9にボーナス作動時テーブルを示し、説明する。ボーナス作動時テーブルには、ボーナスが成立したときに設定する各種情報設定値が記載されている。
図9に示すように、表示役「BB」が成立し、BB作動時処理が発動されたときには、作動中フラグとして“BB作動中フラグ”をオンし、ボーナス終了枚数カウンタに“465”を設定する。
表示役「RB」が成立し、RB作動時処理が発動されたときには、作動中フラグとして“RB作動中フラグ”をオンし、遊技可能回数カウンタに“12”を、入賞可能回数カウンタに“8”を設定する。
次に、図10にパチスロ機1の主回路構成を示し、説明する。
図10は、パチスロ機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L、21R等を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムにしたがって制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を備えている。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、抽出(サンプリング)される乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。
なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわち、CPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成しても良い。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、あるいは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、CPU31の処理に係るプログラム、スタートレバー6を操作(スタート操作)するごとに行われる乱数サンプリングの判定に用いられる「内部抽選テーブル」、ボーナスが成立したときに設定する各種情報設定値が規定された「ボーナス作動時テーブル」、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための「停止制御テーブル」、副制御回路72に送信するための各種制御指令(コマンド)などが記憶されている。
RAM33には、種々の情報が格納される。例えば、抽出した乱数値、各種フラグ(例えば、BB作動中フラグ、RB作動中フラグ)、BET数、メダルのクレジット枚数、遊技状態の情報などが格納される。
また、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報などを入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、メダルを収納しホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40、リール3L、3C、3Rを回転駆動するステッピングモータ49L、49C、49R(図柄変動手段の一例)などがある。
さらに、ステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御するモータ駆動回路39及びホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。なお、モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L、49C、49Rを任意の速度で回転させる。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S(開始操作検出手段の一例)、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13(遊技媒体検出手段の一例)、精算スイッチ14S(精算指示検出手段の一例)、投入メダルセンサ22S(遊技媒体検出手段の一例)、リール停止信号回路46(停止操作検出手段の一例)、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51があり、これらもCPU31に接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作(開始操作)を検出してスタートスイッチ信号を発生する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。
CPU31は、投入メダルセンサ22Sがメダル投入口22に投入されたメダルを検出すると、まず、メダルをカウントして最大3枚のメダルを賭けメダル(投入枚数)としてBETする。また、すでに3枚のメダルが賭けメダルとしてBETされている場合には、メダルをカウントして最大50枚のメダルをクレジットする。また、CPU31は、クレジットされたメダルを1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13の操作に応じて賭けメダル(投入枚数)をBETするとともに、BET数分だけクレジットされたメダルを減算し、有効ライン8a〜8eを有効化し、BETランプ9a、9b、9cを点灯させるようになっている。
リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L、7C、7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L、3C、3R上の図柄の位置を検出するための信号をCPU31に供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達したとき、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
精算スイッチ14Sは、精算ボタン14に対する遊技者の押圧操作を検出し、検出した信号をCPU31に供給する。
乱数発生器36は、一定の数値範囲(0〜65535)に属する乱数値を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数値をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数値及びROM32内に格納されている内部抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。
リール3L、3C、3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L、49C、49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L、3C、3Rからは一回転ごとにリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L、3C、3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
前記リール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図柄テーブル(図示せず)がROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチごとに順次付与されるコードナンバー(図柄位置に相当する)と、それぞれのコードナンバーごとに対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応付けられている。
さらに、ROM32内には、図柄組合せテーブルが格納されている。この図柄組合せテーブルでは、表示役となる図柄の組合せと、表示役のメダル払出枚数と、その表示役を表わす表示役判定コードとが対応付けられている。前記図柄組合せテーブルは、左リール3L、中リール3C、右リール3Rの停止制御時、及び全リール3L、3C、3Rの停止後の表示役確認を行う場合に参照される。
前記乱数サンプリングに基づく抽選処理(内部抽選処理)に基づいて、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L、7C、7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られるリール停止信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L、3C、3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
内部当選後、入賞を示す停止態様となれば、CPU31は、RAM33にセットされたクレジットカウンタの更新、又は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定枚数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダル払出処理」を終了する。
次に、図11に副制御回路72の構成を示し、説明する。
図11に示すように、副制御回路72は、主制御回路71からの制御信号に基づいて液晶表示装置5の表示制御、ランプ類(BETランプ9a、9b、9c、WINランプ17、発光装置25)やLED類(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)の点灯制御及びスピーカ21L、21Rからの音の出力制御を行う。
この副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上から構成されており、音・ランプ制御回路73及び画像制御回路80を備えている。
画像制御回路80は、主制御回路71とシリアルポート77の間で信号の遣り取りを行うシリアルポート81と、画像制御CPU82と、画像制御ワークRAM83と、画像制御プログラムROM84と、カレンダIC85と、画像ROM86と、ビデオRAM87と、画像制御IC88と、制御RAM89等を備えている。
また、画像制御回路80は、主制御回路71と同様に、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えており、画像制御CPU82に接続されている(図示せず)。これらにより乱数サンプリングを実行するように構成されている。
乱数サンプリングは、乱数範囲「0〜65535」、「0〜255」などに属する乱数値を発生し、1個の乱数値をサンプリングすることにより行われる。また、乱数サンプリングは、画像制御CPU82でも、行うことができる。
画像制御CPU82は、画像制御回路80の全体を制御するコンピュータからなり、主制御回路71から送信されたコマンドに基づいて、画像制御プログラムROM84内に記憶された制御プログラムにしたがって、演出データ(画像情報、発光パターン情報、音情報を含む)の決定及び出力など、各種の処理を行う。
また、画像制御CPU82は、ゲームの回数やボーナス入賞回数等のゲームデータを統計すると共に、操作キー24により入力された操作指示にしたがった演出データの処理なども行う。また、画像制御CPU82は、後述する精算報知の演出データの処理を行う。
また、画像制御回路80は、精算回数をカウントする精算回数カウンタIC(図示せず)や後述する精算警告期間をカウントする精算警告期間タイマIC(図示せず)を備えており、画像制御CPU82に接続されている。なお、カウンタICやタイマICを設けずに、画像制御CPU82がこれらの機能を有してもよい。
画像制御ワークRAM83は、画像制御プログラムROM84に記憶された画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時記憶手段として構成される。
また、画像制御ワークRAM83は、画像制御CPU82により統計されたゲームデータや、精算回数、精算警告期間、精算履歴(精算履歴情報)等も記憶する。
画像制御プログラムROM84は、液晶表示装置5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルが記憶されている。
カレンダIC85には、時刻情報が記憶されており、メニュー画面表示からデモ画像表示への切り換えタイマとしても使用される。
このカレンダIC85と画像制御ワークRAM83は、電源が“オフ”されたときでもデータを保持するためのバックアップ対象となっている。つまり、画像制御CPU82に供給される電源が遮断された場合であっても、電源が供給され続け、記憶された情報等の消去が防止される。
画像ROM86は、画像を形成するための画像データ、ドットデータ等を記憶するようになっている。例えば、人物や動物などのキャラクタ、記号、文字、図形などのスプライト画像データ、背景データなどを記憶する。スプライト画像データは、背景画像(バックグランド面)上に重畳して表示させる画像である。
また、画像ROM86には、パチスロ機1が所定時間使用されないときに表示するデモ画像(非遊技時の待機表示)や精算報知の際に表示する映像等も記憶されている。
ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された演出内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置5に出力するようになっており、制御RAM89は、画像制御IC88に含まれ、画像制御IC88が画像を形成するときの各種制御パラメータが記憶される。
また、画像制御回路80では、画像制御CPU82が、音・ランプの演出の制御も行うこととなっている。画像制御CPU82は、決定した演出データに基づいて、音・ランプの種類及び出力タイミングを決定する。そして、画像制御CPU82は、所定のタイミングごとに、音・ランプ制御回路73にシリアルポート81を介してコマンドを送信する。音・ランプ制御回路73では、主に、画像制御回路80から送信されたコマンドに応じて、音・ランプの出力のみを行うこととなる(後述する音量調整制御を除く)。
音・ランプ制御回路73は、画像制御回路80のシリアルポート81に接続されたシリアルポート77と、音・ランプ制御CPU74と、プログラムROM75と、ワークRAM76と、音源IC78と、パワーアンプ79と、音源ROM91とを備えている。
音・ランプ制御CPU74は、シリアルポート81、77を介して主制御回路71及び画像制御CPU82から送信される制御信号にしたがって音・ランプの出力制御を行うものである。また、音・ランプ制御CPU74には、払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20及びBETランプ9a、9b、9c、WINランプ17、発光装置25が接続されている。音・ランプ制御CPU74は、画像制御回路80から所定のタイミングで送信されるコマンドに応じて、上記アクチュエータにそれぞれ出力信号を送信する。これにより、それぞれのアクチュエータがコマンドに応じた所定の態様で発光することとなる。
プログラムROM75は、音・ランプ制御CPU74が実行する制御プログラム等を記憶するものである。ワークRAM76は、音・ランプ制御CPU74が前述した制御プログラムを実行するときの一時記憶手段である。
音源ROM91は、音源を生成するための音源データ等を記憶するものである。音源IC78は、画像制御回路80から送信されたコマンドに基づいて、音源ROM91に記憶された音源等を利用して、音源を生成し、パワーアンプ79に出力するものである。パワーアンプ79は、増幅器であり、スピーカ21L、21Rが接続されている。パワーアンプ79は、音源IC78から出力された音源を増幅し、増幅した音源をスピーカ21L、21Rから出力させるものである。
また、音・ランプ制御CPU74には、音量調節部92が接続されている。音量調節部92は、遊技場の店員等により操作可能となっており、スピーカ21L、21Rから出力される音量の調節が行われる。音・ランプ制御CPU74は、音量調節部92から送信される入力信号に基づいて、スピーカ21L、21Rから出力される音を入力された音量に調節する制御を行う(音量調節制御)。
次に、図12、図13にパチスロ機1の主制御回路71による制御処理のメインフローチャートを示し、説明する。このフローチャートは、ROM32に記憶された制御プログラムにより実行される処理手順を示すものであり、CPU31によって実施される。
初めに、CPU31は、ゲーム開始時の初期化処理を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化などを行う。
次いで、1ゲーム終了時用初期化処理、すなわち、ゲーム終了時のRAM33の所定の記憶領域の情報を消去する(ステップS2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定などを行う。
次いで、メダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。具体的には、リプレイ作動中フラグに基づく前回のゲームでリプレイが成立したか否かの判別情報、メダル投入口22へのメダル投入に基づく投入メダルセンサ22Sからの入力、及び、BETスイッチ11、12、13からの入力、に応じて、RAM33にセットされた投入枚数カウンタを更新する。ここで、リプレイ作動中フラグは、リプレイの成立の有無を識別する情報であり、投入枚数カウンタは、次のゲームにおける投入枚数を特定する情報である。
また、投入枚数カウンタの値に応じて有効ラインの設定を行う。例えば、投入枚数カウンタが3であれば、全ての有効ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて後述の表示役を決定する。さらに、メダルが投入されていること(例えば、投入枚数カウンタが“1”以上であること、又は、投入枚数カウンタが最大値“3”であること)を条件として、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力の有無をチェックする。
メダル受付・スタートチェック処理の詳細については、後述する。
続いて、CPU31は、内部抽選用の乱数の抽出を行う(ステップS4)。この乱数の抽出処理では、サンプリング回路37を介して乱数発生器36により発生されている「0〜65535」の範囲の乱数値から1つの乱数値を抽出し、抽出した乱数値をRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。
次いで、CPU31は、遊技状態監視処理を行う(ステップS5)。この遊技状態監視処理では、BB作動中フラグ、RB作動中フラグ、又は持越役の情報に基づいて、今回のゲームにおける遊技状態を識別する情報をRAM33にセットする。
次に、CPU31は、内部抽選処理を行う(ステップS6)。
この内部抽選処理では、内部抽選テーブル決定テーブルを参照し、上記遊技状態監視処理で取得した遊技状態に基づいて、抽選回数と内部抽選テーブルの種別を決定する。例えば、遊技状態が一般遊技状態である場合、抽選回数として“6”を決定すると共に、内部抽選テーブルとして一般遊技状態用内部抽選テーブルを決定する。
次いで、この一般遊技状態用内部抽選テーブルを参照し、上記乱数値抽出処理で取得した乱数値(RAM33の乱数値記憶領域に記憶された乱数値)に基づいて、今回の内部当選役を決定する。次いで、決定した内部当選役がボーナスであれば、このボーナスを持越役としてRAM33の持越役格納領域にセットする。さらに、上記で決定した今回の内部当選役と持越役との論理和を当選役として決定する。
例えば、内部当選役として「ベルの小役」が決定され、持越役として「RB」がセットされていれば、「ベルの小役」と「RB」を当選役として決定する。つまり、内部当選役と持越役は、リール停止時の図柄の表示態様の決定に関わる情報であり、これらを含めて「当選役」という。内部抽選処理の詳細については、後述する。
次に、停止制御テーブル決定処理を行う(ステップS7)。停止制御テーブル決定処理では、上記内部抽選処理で決定された当選役に基づいて、各停止ボタン7L、7C、7Rが操作されたとき各リール3L、3C、3Rの停止位置を制御するための停止制御テーブルを決定する。
次いで、CPU31は、副制御回路72に対して「スタートコマンド」を送信する(ステップS8)。「スタートコマンド」には、内部当選役、遊技状態の情報などが含まれている。また、ここでの処理は、実際に副制御回路72に対して「スタートコマンド」を送信するわけではなく、RAM33に通信データとしてセットする(書き込む)だけである。そして、後述する割込処理において、このRAM33に通信データとしてセットされたデータが、副制御回路72に対して送信される。
以下の説明では、特に示す場合を除き、RAM33の通信データとしてセットする処理を、「副制御回路72に対してコマンド等を送信する」として説明する。
続いて、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば“4.1”秒)経過しているか否かを判断し(ステップS9)、この判断結果が“YES”のときにはゲーム監視用タイマのセット処理(ステップS11)に移り、“NO”のときには待ち時間消化処理(ステップS10)に移る。
待ち時間消化処理(ステップS10)では、前回のゲームが開始してから所定時間経過するまでの間、以降の処理を行わずに、ゲーム開始待ち時間の消化(ウェイト)を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
次に、ゲーム監視用タイマのセット処理(ステップS11)において、ゲーム監視用タイマをセットする。具体的には、1ゲーム間監視用タイマ、自動停止タイマをセットする。1ゲーム間監視用タイマは、上記ゲーム間の時間を確保するために、ゲームが開始してからの時間を測定するタイマであり、自動停止タイマは、遊技者の停止ボタン7L、7C、7Rの停止操作によらずに自動的にリール3L、3C、3Rを停止させるためのタイマである。
次に、CPU31は、モータ駆動回路39に対して、全リール(リール3L、3C、3R)の回転開始要求を行い(ステップS12)、モータ駆動回路39は、全リール(リール3L、3C、3R)の回転処理を行う。
次に、CPU31は、副制御回路72に対して「リール停止許可コマンド」を送信する(ステップS13)。「リール停止許可コマンド」には、リール停止が許可されたことを示す情報などが含まれている。
次いで、リール停止制御処理を行う(ステップS14)。具体的には、いずれかの停止ボタン7L、7C、7Rが操作された場合、停止制御テーブルに基づいて、停止操作された停止ボタン7L、7C、7Rに対応するリール3L、3C、3Rを停止させる。このとき、副制御回路72に対して、「リール停止コマンド」を送信する。「リール停止コマンド」には、停止リール、停止位置の情報などが含まれている。
次に、表示役特定処理を行う(ステップS15)。全ての停止ボタン7L、7C、7Rが操作され、全てのリール3L、3C、3Rを停止させたら、図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数を決定する。この処理では、表示窓4L、4C、4Rの図柄の停止態様に基づいて表示役(当選が成立した役)を識別し、表示役フラグをセットする。具体的には、有効ラインに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び図柄組合せテーブル、投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数を識別する。
次に、エラーチェック処理を行う(ステップS16)。エラーチェック処理では、上記特定した表示役と、内部当選役とに基づいて、特定された表示役が正しいかなどのチェックが行われる。
次いで、副制御回路72に対して表示役コマンドを送信する(ステップS17)。「表示役コマンド」には、表示役を特定する表示役フラグの情報、払出枚数に関する情報などが含まれる。
次に、メダル払出処理を行う(ステップS18)。このメダル払出処理では、払出枚数情報に基づいて、RAM33にセットされたクレジットカウンタを更新する。クレジット表示部19のクレジットカウンタの値は、このクレジットカウンタの更新に基づいて、表示させる。また、CPU31は、表示役がリプレイであれば、リプレイ作動中フラグをオンにする。また、CPU31は、メダルの獲得枚数を更新する。
次に、CPU31は、副制御回路72へ払出終了コマンドを送信する(ステップS19)。「払出終了コマンド」には、メダルの払出しが完了したことを示す情報などが含まれる。
次いで、CPU31は、RAM33の所定の記憶領域を参照して、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグを確認して(ステップS20)、BB作動中フラグ又はRB作動中フラグがオンであれば、ボーナス終了チェック処理を行う(ステップS21)。ボーナス終了チェック処理については、後述する。
BB作動中フラグ及びRB作動中フラグが共にオフであるか(ステップS20で判定)、ボーナス終了チェック処理(ステップS21)が終了したら、ボーナス作動チェック処理を行う(ステップS22)。ボーナス作動チェック処理についても、後述する。
ボーナス作動チェック処理(ステップS22)が終了したら、1ゲーム終了用初期化処理(図12のステップS2)に戻る。
次に、図14にメダル受付・スタートチェック処理のフローチャートを示し、説明する。図14は、主制御回路71のメダル受付・スタートチェック処理(図12のステップS3)の詳細を示すものである。
まず、メダル受付・スタートチェック処理では、デモフラグ表示タイマをセットする(ステップS31)。具体的には、デモフラグ表示タイマに例えば、“40000”をセットする。この値は、後述する定期割込処理におけるタイマ管理処理において減算されるものであり、この値が“0”となったとき、デモ画像を表示させるように制御する。
次に、自動投入要求があるか否かを判定し(ステップS32)、自動投入要求があれば、ステップS36に移行し、自動投入要求がなければ、ステップS33に移行する。この自動投入要求は、表示役として「リプレイ」が成立したときになされるものである。すなわち、ステップS32では、前回のゲームの表示役が「リプレイ」であったか否かが判定される。
ステップS33では、投入許可フラグ、精算許可フラグ等をRAM33の所定領域にセットする。すなわち、前回のゲームの表示役が「リプレイ」でなかった場合に、メダルの投入を許可する状態に制御する投入許可フラグ、及び、メダルの精算を許可する状態に制御する精算許可フラグをセットする。投入許可フラグがオンの状態を、メダル受付許可状態といい、精算許可フラグがオンの状態を、精算許可状態という。
次いで、デモフラグ表示タイマの値が“0”であるか否かを判定する(ステップS34)。
デモフラグ表示タイマの値が“0”となっていたら、デモ表示コマンドをセットする(ステップS35)。これにより、デモ表示コマンドが、後述する割込処理で、副制御回路72に送信され、デモ画像の表示が行われる。
デモフラグ表示タイマの値が“0”となっていなければ、ステップS36に移行する。
次に、ステップS36において、クレジットカウンタと投入枚数カウンタの値が共に“0”であるか否かを判定する。クレジットカウンタと投入枚数カウンタの値が共に“0”である場合には、ステップS38に移行し、クレジットカウンタと投入枚数カウンタの値のいずれか一方でも“0”でない場合には、ステップS37に移行して、精算スイッチチェック処理を行ってから、ステップS38に移行する。
ステップS37の精算スイッチチェック処理では、メダルの精算を行うか否かを判定し、精算を行う場合には、精算処理を実行する。精算スイッチチェック処理については、後述する。
ステップS38では、投入許可フラグがオンであるか否かを判定する。投入許可フラグがオンでない、すなわち、メダル受付許可状態でない場合には、メダル投入枚数チェック処理(ステップS40)に移行する。投入許可フラグがオンである、すなわち、メダル受付許可状態である場合には、メダル投入チェック処理(ステップS39)を行い、メダル投入枚数チェック処理(ステップS40)に移行する。
ステップS39のメダル投入チェック処理では、メダルが投入されたか、あるいは、BETスイッチ11〜13によりメダルが投入されたかをチェックし、投入されたメダルの枚数にしたがって有効ライン8a〜8eを設定する処理、クレジットに加算する処理等を行う。このとき、投入されたメダルの枚数にしたがって、BETランプ9a〜9cの点灯指示、メダル投入音の出音指示等を副制御回路72に送信する。
次に、メダル投入枚数チェック処理(ステップS40)では、投入枚数カウンタの値が規定範囲内(例えば、3枚以内)であるか否かをチェックする。
次いで、投入枚数は遊技可能枚数か否かを判定する(ステップS41)。投入枚数が遊技可能な枚数でない場合には、ステップS34に戻って、ステップS34〜ステップS41の処理が繰り返される。投入枚数が遊技可能枚数である場合には、ステップS42に移行する。
ステップS42では、スタートスイッチ6Sがオンであるか否か判定を行う。スタートスイッチ6Sがオンでなければ、ステップS34に戻って、上記処理を繰り返す。スタートスイッチ6Sがオンであれば、投入許可フラグ、精算許可フラグ等をオフにする(ステップS43)。また、ステップS31でセットしたデモフラグ表示タイマもクリアする。なお、デモフラグ表示タイマは、ステップS39においてメダルが投入されたことに基づいてクリアされることとしてもよい。
ステップS43の処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
次に、図15に精算スイッチチェック処理のフローチャートを示し、説明する。図15は、主制御回路71のメダル受付・スタートチェック処理の精算スイッチチェック処理(図14のステップS37)の詳細を示すものである。
まず、CPU31は、精算許可フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS51)。精算許可フラグがオンでない、すなわち、精算許可状態でない場合には、精算スイッチチェック処理を終了する。
一方、精算許可フラグがオンである、すなわち、精算許可状態である場合には、次いで、精算スイッチがオンであるか否か、すなわち、精算ボタン14が押圧操作され、精算スイッチ14Sがオンとなったか否かを判定する(ステップS52)。精算スイッチ14Sがオンとなっていなければ、精算スイッチチェック処理を終了する。
一方、精算スイッチ14Sがオンであれば、投入許可フラグをオフにして(ステップS53)、精算コマンドをセットする(ステップS54)。なお、ステップS54では、精算コマンドとともに上記デモ表示コマンドをセットすることとしてもよい。すなわち、精算ボタン14が押圧操作されたことに基づいてデモ画像を表示させるように制御することとしてもよい。
次いで、投入枚数カウンタの値が“0”であるか否かを判定する(ステップS55)。投入枚数カウンタの値が“0”であれば、ステップS57に移行する。投入枚数カウンタの値が“0”でなければ、メダル払出処理(ステップS56)を行ってから、ステップS57に移行する。このメダル払出処理では、投入枚数カウンタの値分のメダルの払出しを行う。
ステップS57では、クレジットカウンタの値が“0”であるか否かを判定する。クレジットカウンタの値が“0”であれば、ステップS59に移行する。クレジットカウンタの値が“0”でなければ、メダル払出処理(ステップS58)を行ってから、ステップS59に移行する。このメダル払出処理では、クレジットカウンタの値分のメダルの払出しを行う。
ステップS56及びステップS58において、投入枚数カウンタの値分及びクレジットカウンタの値分のメダルの払い戻しが終了すると、投入許可フラグをオンにし(ステップS59)、精算スイッチチェック処理を終了する。
次に、図16に内部抽選処理のフローチャートを示し、説明する。図16は、主制御回路71の内部抽選処理(図12のステップS6)の詳細を示すものである。
まず、CPU31は、内部抽選テーブル決定テーブル(図4参照)を参照し、遊技状態に基づいて内部抽選テーブルの種別と抽選回数を決定し(ステップS71)、決定した抽選回数をCPU31のレジスタの抽選回数カウンタにセットする。
次に、持越役があるときにフラグが“1(オン)”となる持越役格納領域が“0”であるか否かを判定する(ステップS72)。この判定により、持越役格納領域が“0”でなければ、すなわち、持越役があれば、抽選回数を“4”に変更する(ステップS73)。ここで、RB遊技状態のときには、持越役が発生しないので、抽選回数が4回未満のRB遊技状態において、抽選回数が“4”に変更されることはない。
次いで、抽選回数と同じ値を当選番号としてセットする(ステップS74)。例えば、一般遊技状態で抽選回数が“6”のとき、当選番号として“6”がセットされる。
次に、内部抽選テーブルを参照し、当選番号と投入枚数に基づいて、抽選値を取得する(ステップS75)。例えば、一般遊技状態で当選番号が“6”のとき、投入枚数が1枚なら抽選値“12”を、投入枚数が2枚なら抽選値“72”を、投入枚数が3枚なら抽選値“288”を取得する。
次いで、CPU31は、保持している乱数値から上記取得した抽選値を減算する(ステップS76)。減算した値は、再度乱数値として保持しておき、2回目以降は、この値から各抽選値を減算する。
次に、この減算によって桁かりが行われたか否か、つまり、上記減算結果が負の値となったか否かを判別する(ステップS77)。
減算によって桁かりが行われなかった場合、当選番号を“1”減算し(ステップS78)、抽選回数を“1”減算して(ステップS79)、抽選回数が“0”となったか否かを判定する(ステップS80)。
抽選回数が“0”となっていなければ、ステップS75の処理に戻って上記ステップS75〜ステップS80の処理が繰り返される。
また、ステップS80で抽選回数が“0”と判定されるか、ステップS77で桁かりが行われたと判定された場合、内部当選役決定テーブルを参照して、当選番号と遊技状態とに基づいて内部当選役を決定する(ステップS81)。ステップS80で抽選回数が“0”と判定される場合、当選番号は“0”となっている。
次いで、内部当選役に「BB」又は「RB」が含まれるか否かを判定し(ステップS82)、内部当選役に「BB」又は「RB」が含まれる場合にのみ、内部当選役に基づいて、持越役をセットする(ステップS83)。
すなわち、今回の内部当選役がボーナスの場合にのみ、持越役として格納し、他の小役等が内部当選役であった場合には、なにもしない。すでに持越役格納領域に持越役が格納されている場合には、そのまま保持される。
ステップS83の処理の後、内部抽選処理を終了する。
次に、図17にリール停止制御処理のフローチャートを示し、説明する。図17は、主制御回路71のリール停止制御処理(図13のステップS14)の詳細を示すものである。
まず、CPU31は、停止ボタン7L、7C、7Rのいずれかが有効に操作されたか否かを判定する(ステップS91)。具体的には、停止ボタン7L、7C、7Rの操作に基づいてリール停止信号回路46から停止信号が出力されたか否かを判定する。この判定が“YES”のときにはステップS92に移り、“NO”のときにはステップS91に戻る。
次に、内部当選役に基づいて滑りコマ数を決定する(ステップS92)。続いて、決定された滑りコマ数と現在の図柄位置に基づいて、停止予定位置を決定する(ステップS93)。
次いで、CPU31は、副制御回路72に対してリール停止コマンドを送信する(ステップS94)。このリール停止コマンドは、リール停止識別子とリール回転識別子を含む。なお、リール停止識別子は、停止ボタン7L、7C、7Rのいずれかの停止操作で回転停止するリールに関する情報である。また、リール回転識別子は、リールの状態(“回転中”または“停止中”)を示す情報であって、回転中を“1”、停止中を“0”として設定する。
次いで、CPU31は、回転中のリールはあるか否か(全てのリールが停止したか否か)を判定する(ステップS95)。この判定が、“YES”のときには、ステップS91に戻り、“NO”となったらリール停止制御処理を終了する。
次に、図18にボーナス終了チェック処理のフローチャートを示し、説明する。図18は、主制御回路71のボーナス終了チェック処理(図13のステップS21)の詳細を示すものである。
まず、CPU31は、入賞が成立したか否かを判定する(ステップS101)。入賞が成立していなければ、ステップS107に移行する。
入賞が成立した場合には、ボーナス終了枚数カウンタが“0”であるか否かを判定する(ステップS102)。ボーナス終了枚数カウンタが“0”でなければ、ステップS105に移行する。
ボーナス終了枚数カウンタが“0”であれば、RB終了時処理を行う(ステップS103)。具体的には、RB作動中フラグをオフにし、遊技可能回数カウンタ、入賞可能回数カウンタの値をクリアする。
続いて、BB終了時処理を行う(ステップS104)。具体的には、BB作動中フラグをオフにする。
BB終了時処理が終わったら、ボーナス終了チェック処理を終了する。
ステップS102において、ボーナス終了枚数カウンタの値が“0”でなかった場合には、入賞可能回数カウンタの値を“1”減算する(ステップS105)。
次に、入賞可能回数カウンタの値は“0”であるか否かを判定し(ステップS106)、入賞可能回数カウンタの値が“0”であれば、ステップS109に移行する。
この判定で、入賞可能回数カウンタの値が“0”でなかった場合には、遊技可能回数カウンタの値を“1”減算する(ステップS107)。
次に、遊技可能回数カウンタの値は“0”であるか否かを判定し(ステップS108)、遊技可能回数カウンタの値が“0”でなければ、ボーナス終了チェック処理を終了する。
この判定で、遊技可能回数カウンタの値が“0”であるか、ステップS106の判定で、入賞可能回数カウンタの値が“0”であった場合には、RB終了時処理を行って(ステップS109)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図19にボーナス作動チェック処理のフローチャートを示し、説明する。図19は、主制御回路71のボーナス作動チェック処理(図13のステップS22)の詳細を示すものである。
まず、CPU31は、有効ライン上に実際に揃って表示されている表示役が「BB」であるか否かを判定する(ステップS111)。表示役が「BB」である場合、ボーナス作動時テーブルに基づいて、BB作動時処理を行う(ステップS112)。具体的には、BB作動中フラグをオンにし、ボーナス終了枚数カウンタに、BB作動時の払出可能枚数である“465”をセットする。
一方、表示役が「BB」でなければ、CPU31は、表示役が「RB」であるか否かを判定する(ステップS113)。この判定が“NO”である場合、すなわち、表示役が「BB」及び「RB」のいずれでもない場合、ボーナス作動チェック処理を終了する。
表示役が「RB」である場合、CPU31は、ボーナス作動時テーブルに基づいて、RB作動時処理を行う(ステップS114)。具体的には、RB作動中フラグをオンにし、遊技可能回数カウンタに“12”を、入賞可能回数カウンタに“8”をセットする。
BB作動時処理(ステップS112)又はRB作動時処理(ステップS114)が終了すると、CPU31は、持越役格納領域をクリアして(ステップS115)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、図20に定期割込処理のフローチャートを示し、説明する。この定期割込処理は、1.1173msごとに主制御回路71で定期的に行われる。
まず、CPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS202)。この入力ポートチェック処理では、メダル投入口22からメダルが投入されたことにより投入メダルセンサ22Sによるメダル投入の検知、スタートレバー6の押下によりスタートスイッチ6Sによる開始操作の検知等の入力操作を確認する。
次いで、CPU31は、通信データ送信処理を行う(ステップS203)。この通信データ送信処理により、RAM33に通信データとしてセットした前述のコマンド等を、副制御回路72に対して送信する。
次いで、CPU31は、リール制御処理を行う(ステップS204)。具体的には、制御対象のリール(左リール3L、中リール3C、右リール3Rのいずれか)を示す情報をリール識別子(例えば、左“0”、中“1”、右“2”として識別する)として設定し、制御状態をモータ駆動回路39に指令して、当該リールの回転の加速制御、定速制御又は減速制御を行う。
次いで、CPU31は、LED類を駆動する7SEG駆動処理を行う(ステップS205)。この7SEG駆動処理において、CPU31は、例えば、入賞時のメダルの払出枚数、貯留(クレジット)されているメダルの枚数、RB遊技状態におけるゲームの回数などを、払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20に表示させるコマンドを、副制御回路72に対して送信する。なお、これらの表示部が主制御回路71に接続されている場合には、この7SEG駆動処理において、直接的に点灯制御が行われることとなる。
次いで、CPU31は、ランプ類を駆動するランプ駆動処理を行う(ステップS206)。このランプ駆動処理において、CPU31は、例えば、BETされているメダルの数に応じてBETランプ9a、9b、9cを点灯させるコマンド、キャビネット2の前面に設けられたWINランプ17を点灯させるコマンド、発光装置25を点灯させるコマンド等を、副制御回路72に対して送信する。なお、これらのランプ類が主制御回路71に接続されている場合には、このランプ駆動処理において、直接的に点灯制御が行われることとなる。
次いで、CPU31は、タイマ管理処理を行う(ステップS207)。このタイマ管理処理では、デモフラグ表示タイマの減算処理などを行う。このデモフラグ表示タイマの減算処理により、遊技者がゲームを行わないと、デモフラグ表示タイマがカウントダウンされ、約40秒後に“0”となり、デモ表示コマンドが副制御回路72に送信され、デモ画像が表示される。
次に、副制御回路72において実施される処理について、説明する。副制御回路72では、画像制御プログラムROM84に記憶された制御プログラムにしたがって、画像制御CPU82によって処理が行われる。画像制御CPU82は、電源が投入されると、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、画像制御プログラムROM84に記憶されたリセット割込処理を順次行う。
図21に、副制御回路72において行われるリセット割り込み処理のフローチャートを示し、説明する。
図21に示すように、副制御回路72において行われるリセット割り込み処理では、初めに、画像制御ワークRAM83、制御RAM89、ビデオRAM87などの初期化を行う(ステップS301)。
次いで、画像制御CPU82は、入力監視処理を行う(ステップS302)。この入力監視処理では、画像制御回路80に信号が入力されたか否かを監視する処理などを行う。例えば、画像制御CPU82は、遊技中以外(リール3の回転中以外など)において、操作キー24からの入力があれば、操作キー24の入力に対応する演出データ(メニュー画面など)を決定する。ここで決定される演出データには、パチスロ機1の履歴を表示させるためのデータなどが含まれている。
また、例えば、遊技場の店員により、後述する精算警告期間の設定がされると、精算警告期間が設定される。なお、精算警告期間は、所定の期間(例えば、5分)が予め設定されており、精算警告期間を新たに設定することにより、精算警告期間が更新されるようにしてもよい。
次に、画像制御CPU82は、コマンド受信処理を行う(ステップS303)。コマンド受信処理では、各コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて、液晶表示装置5、LED(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)、ランプ(BETランプ9a〜9c、WINランプ17、発光装置25)、スピーカ21L、21Rなどにより実行する演出の内容(すなわち、演出データ)を決定する。
次に、画像制御CPU82は、コマンド出力処理を行う(ステップS304)。このコマンド出力処理では、液晶表示装置5を駆動制御する画像制御IC88や、LED(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)、ランプ(BETランプ9a〜9c、WINランプ17、発光装置25)、スピーカ21L、21Rを駆動制御する音・ランプ制御回路73に対して、決定された演出データに応じたコマンドを出力する。これにより、液晶表示装置5は、決定された演出データに応じた画像を表示する。また、LED(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)及びランプ(BETランプ9a〜9c、WINランプ17、発光装置25)は、決定された演出データに応じた発光パターンを出力する。また、スピーカ21L、21Rは、決定された演出データに応じた音楽又は音声を出力する。画像制御CPU82は、コマンド出力処理(ステップS304)が終了すると、入力監視処理からの処理(ステップS302〜ステップS304)を繰り返す。
次に、図22に表示役コマンド受信処理のフローチャートを示し、説明する。表示役コマンド受信処理は、表示役コマンドを受信したとき、前述のコマンド受信処理(図21のステップS303)により呼び出され、処理が行われる。
表示役コマンド受信処理では、まず、受信したコマンドが表示役コマンドであるか否かを判定する(ステップS311)。受信したコマンドが表示役コマンドでなければ、表示役コマンド受信処理を終了する。
受信したコマンドが表示役コマンドであったら、受信した表示役コマンドから表示役、払出枚数等の情報を取得し、画像制御ワークRAM83のゲーム情報記憶領域にデータを書き込み、記憶させる(ステップS312)。
次いで、対応する演出データをセットして(ステップS313)、表示役コマンドを受信処理済みにし(ステップS314)、表示役コマンド受信処理を終了する。
次に、図23に精算コマンド受信処理のフローチャートを示し、説明する。精算コマンド受信処理は、精算コマンドを受信したとき、前述のコマンド受信処理(図21のステップS303)により呼び出され、処理が行われる。
精算コマンド受信処理では、まず、精算履歴を記憶する(ステップS321)。精算履歴には、例えば、精算が行われた日時の情報、メダル投入枚数やクレジット枚数の情報、精算警告期間内に精算されたか否かの情報、精算時の報知態様の情報等が含まれる。
次いで、精算警告期間中であるか否かを判定する(ステップS322)。精算警告期間は、短期間(設定された精算警告期間内)に精算ボタン14が複数回操作されたか否かを判定し、精算による不正行為が行われた可能性を警告するための報知が行われる期間であり、精算の開始から所定の時間(例えば、5分)を経過するまでの期間である。
ステップS322において、精算警告期間中である場合、ステップS325に移行する。一方、精算警告期間中でない場合、精算回数カウンタをクリアし(ステップS323)、設定されている精算警告期間タイマをセットしてから(ステップS324)、ステップS325に移行する。精算警告期間タイマには、所定の値(例えば、5分を示すタイマの値)が設定され、精算警告期間タイマがセットされるとカウントダウンが開始される。
ステップS325では、精算回数カウンタの値を“1”加算する。精算回数カウンタは、精算警告期間内の精算の回数(精算ボタン14の操作回数)を計数するカウンタである。
次いで、精算回数カウンタの値に応じた精算報知を実行する(ステップS326)。精算報知は、精算回数カウンタの値に応じて、精算報知手段としての液晶表示装置5に精算中を示す画像を表示する及び/又は精算報知手段としてのスピーカ21L,21Rから精算中を示す精算音を出力する及び/又は精算報知手段としての発光装置25を点灯することで行われる。精算報知については、後述する。
次いで、精算コマンドを処理済にして(ステップS327)、精算コマンド受信処理を終了する。
次に、精算報知について説明する。図24は、精算報知の態様を説明する説明図である。精算報知は、精算処理が実行されている間に実行される。精算回数カウンタの値が“1”の場合の精算報知は、通常の精算処理における精算報知態様であり、遊技者に不快感を与えない程度の演出である。具体的には、精算回数カウンタの値が“1”の場合、図24(a)に示すように、液晶表示装置5が精算中を示す表示画像を遊技者に不快感を与えないサイズ(小サイズ)で表示し、スピーカ21L,21Rが精算中を示す精算音を遊技者に不快感を与えない音量(小音量)で出力し、発光装置25が遊技者に不快感を与えない輝度(低輝度)で点灯する、第1精算報知を行う。
精算回数カウンタの値が“2”の場合の精算報知は、精算回数カウンタの値が“1”の場合より強調した演出を実行する。具体的には、精算回数カウンタの値が“2”の場合、図24(b)に示すように、液晶表示装置5が精算中を示す表示画像を通常より大きいサイズ(中サイズ)で表示し、スピーカ21L,21Rが精算中を示す精算音を通常より大きい音量(中音量)で出力し、発光装置25が通常より明るい輝度(中輝度)で点灯する、第2精算報知を行う。
精算回数カウンタの値が“3”の場合の精算報知は、精算回数カウンタの値が“2”の場合よりさらに強調した演出を実行する。具体的には、精算回数カウンタの値が“3”の場合、図24(c)に示すように、液晶表示装置5が精算中を示す表示画像を中サイズより大きいサイズ(大サイズ)で表示し、スピーカ21L,21Rが精算中を示す精算音を中音量より大きい音量(大音量)で出力し、発光装置25が中輝度より明るい輝度(高輝度)で点灯する、第3精算報知を行う。
ここで、精算回数カウンタの値が“1”の場合とは、精算警告期間外に精算ボタン14が押され、この精算指示(以下、「第1精算指示」という)に基づく精算コマンドが、通信データ送信処理(図20のステップS203)において送信された場合である。
また、精算回数カウンタの値が“2”の場合とは、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に精算ボタン14が押され、この精算指示(以下、「第2精算指示」という)に基づく精算コマンドが、通信データ送信処理(図20のステップS203)において送信された場合である。
精算回数カウンタの値が“3”の場合とは、第2精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に精算ボタン14が押され、この精算指示(以下、「第3精算指示」という)に基づく精算コマンドが、通信データ送信処理(図20のステップS203)において送信された場合である。
なお、精算回数カウンタの値が“2”の場合とは、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に1回目の精算ボタン14が押され、この精算指示に基づく精算コマンドが、通信データ送信処理(図20のステップS203)において送信された場合であってもよい。また、精算回数カウンタの値が“3”の場合とは、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に2回目の精算ボタン14が押され、この精算指示に基づく精算コマンドが、通信データ送信処理(図20のステップS203)において送信された場合であってもよい。
また、精算回数カウンタの値に基づく精算報知の報知態様は、上記の態様に限られるものではない。例えば、精算回数カウンタの値が“1”の場合と、精算回数カウンタの値が“2”の場合と、精算回数カウンタの値が“3”の場合とで、精算中を示す表示画像の表示内容自体を異ならせることとしてもよい。具体的には、精算回数カウンタの値が“1”の場合には、白色の精算中を示す表示画像を表示し、精算回数カウンタの値が“2”の場合には、黄色の精算中を示す表示画像を表示し、精算回数カウンタの値が“3”の場合には、赤色の精算中を示す表示画像を表示することとしてもよい。
また、例えば、精算回数カウンタの値が“1”の場合と、精算回数カウンタの値が“2”の場合と、精算回数カウンタの値が“3”の場合とで、精算中を示す精算音の出力内容自体を異ならせることとしてもよい。具体的には、精算回数カウンタの値が“1”の場合には、「精算が行われました」という音声を出力し、精算回数カウンタの値が“2”の場合には、「2連続で精算が行われました」という音声を出力し、精算回数カウンタの値が“3”の場合には、「3連続で精算が行われました、係員をお呼び下さい」という音声を出力することとしてもよい。
また、例えば、精算回数カウンタの値が“1”の場合と、精算回数カウンタの値が“2”の場合と、精算回数カウンタの値が“3”の場合とで、発光装置25の点灯態様自体を異ならせることとしてもよい。具体的には、精算回数カウンタの値が“1”の場合には、発光装置25を低速で点滅させ、精算回数カウンタの値が“2”の場合には、発光装置25を中速で点滅させ、精算回数カウンタの値が“3”の場合には、発光装置25を高速で点滅させることとしてもよい。
さらに、例えば、精算回数カウンタの値がいずれであるかにかかわらず、精算警告期間中は、精算が行われた日時、払い戻された投入メダル及びクレジットの枚数、精算期間中の何回目の精算指示であるか等の情報を含む精算関連情報を、液晶表示装置5に表示することとしてもよい。また、例えば、精算警告期間中においては、精算警告期間中である旨を報知することとしてもよい。
本実施の形態における精算報知は、上記の態様の一部又は全部を組み合わせた報知態様を適用することができる。
次に、図25にデモ表示コマンド受信処理のフローチャートを示し、説明する。デモ表示コマンド受信処理は、デモ表示コマンドを受信したとき、前述のコマンド受信処理(図21のステップS303)により呼び出され、処理が行われる。
デモ表示コマンド受信処理では、まず、精算報知期間中であるか否かを判定する(ステップS341)。精算報知期間とは、精算報知が行われている期間である。例えば、1回の精算報知の開始から終了までに所定時間(例えば、5秒)を要する場合には、その所定時間が精算報知期間となる。精算報知期間中であれば、精算報知期間が経過するまで処理を待機してから(ステップS342)、ステップS343に移行する。一方、精算報知期間中でなければ、ステップS343に移行する。なお、精算報知期間を、精算警告期間と同一の期間としてもよい。すなわち、精算警告期間中であれば精算警告期間が終了するまで、デモ画像が表示されないこととしてもよい。これにより、精算警告期間中であることを認識させることができる。
ステップS343では、画像制御IC88にデモ画像を描画し、液晶表示装置5にデモ画像を表示させるデモ表示処理を行う。
詳しくは、画像制御CPU82は、画像制御IC88の所定の記憶領域(以下、記憶領域Aとする)を画像描画領域とし、画像ROM86に記憶されている画像からデモ画像を描画、あるいは、直接デモ画像を呼び出し描画する。次に、画像制御CPU82は、画像制御IC88の画像描画領域であった記憶領域Aを画像表示領域に切り換える。また、他の記憶領域(以下、記憶領域Bとする)を次の画像描画領域とする。
次いで、画像制御IC88は、画像表示領域に指定されている記憶領域Aに描画されたデモ画像を液晶表示装置5に表示する。この間、画像制御CPU82は、画像制御IC88の記憶領域Bに、画像ROM86に記憶されている画像から次のデモ画像を描画する。次に、画像制御CPU82は、画像制御IC88の画像描画領域であった記憶領域Bを次の画像表示領域に切り換え、画像表示領域であった記憶領域Aを次の画像描画領域とする。
次いで、画像制御IC88は、記憶領域Bに描画されたデモ画像を液晶表示装置5に表示する。この間、画像制御CPU82は、画像制御IC88の記憶領域Bに、次のデモ画像を描画する。以下、同様に画像制御IC88の画像描画領域と画像表示領域とを切り換えて画像処理を行うことにより、液晶表示装置5に連続してデモ画像を表示することができ、デモ画像を表示させることができる。
また、画像制御IC88に対する画像描画処理において、必要であればビデオRAM87も使用する。例えば、記憶領域Aに描画したデモ画像をビデオRAM87に書き出し、再度記憶領域Aに書き込む、又は、記憶領域Bに書き込むといった使用方法がある。
ステップS343のデモ表示処理後、デモ表示コマンドを受信処理済みにして(ステップS324)、デモ表示コマンド受信処理を終了する。
なお、このデモ表示コマンド受信処理では、ステップS342の処理を行うことなく、ステップS343の処理を行うこととしてもよい。この場合、デモ画像の表示とともに上記の精算報知を行うこととしてもよい。例えば、デモ画像の表示と重畳して、精算回数カウンタの値に応じた精算中を示す表示画像や上記の精算関連情報を表示することとしてもよい。これにより、遊技が行われていない場合であっても、どのような頻度で精算指示がなされていたのかを認識させることができる。
次に、精算警告期間の設定について説明する。図26は、精算警告期間の設定画面を示す画面図である。
遊技場の店員がドアキー26を回転させて、前面扉(フロントドア)のロックを解除し、設定キー(図示せず)をオン操作して設定キースイッチ(図示せず)をオンにすると、液晶表示装置5(履歴表示手段の一例)にホールメニュー画面が表示される。ホールメニューには、「精算警告期間設定」項目5−1、「時刻設定」項目、「ガイドオプション」項目、「トータルメダル情報」項目、「設定変更・確認履歴」項目、「エラー情報履歴」項目、「監視履歴」項目、「警告表示設定」項目、「自動音量調整機能」項目、「精算履歴」項目5−10がある。
遊技場の店員が、操作キー24を操作してその画面の「精算警告期間設定」項目5−1を選択すると、図26に示すように、精算警告期間設定が可能な状態になる。本実施形態では、0分〜10分の時間を精算警告期間として設定可能である。
次に、精算履歴について、図27を参照して説明する。図27は、精算履歴の画面を示す画面図である。液晶表示装置5にホールメニュー画面が表示された状態で、操作キー24を操作してその画面の「精算履歴」項目5−10を選択すると、図27に示すように、精算履歴の閲覧が可能な状態になる。精算履歴には、例えば、精算が行われた日時の情報、払い戻された投入メダル及びクレジットの枚数、精算警告期間内に精算されたか否かの情報、精算時の報知態様の情報等が含まれる。
具体的には、例えば、図27に示すように、最も上の欄は、精算警告期間外の第1精算指示(図27では“●”で表示)によって、投入メダル3枚、クレジット15枚が精算されたことを示し、次の欄は、精算警告期間外の第1精算指示(図27では“●”で表示)によって、投入メダル0枚、クレジット50枚が精算されたことを示し、次の欄は、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内の第2精算指示(図27では“●●”で表示)によって、投入メダル0枚、クレジット50枚が精算されたことを示し、最も下の欄は、第2精算指示に基づいて設定された精算警告期間内の第3精算指示(図27では“●●●”で表示)によって、投入メダル0枚、クレジット50枚が精算されたことを示す。なお、図27では図示を省略するが、液晶表示装置5は、精算履歴として、報知態様が第1精算報知〜第3精算報知のいずれかであったかの情報を表示してもよい。
なお、精算警告期間の表示は、上記のように、精算警告期間外の第1精算指示、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内の第2精算指示、第2精算指示に基づいて設定された精算警告期間内の第3精算指示、のいずれかであることに限定されない。例えば、精算警告期間の表示は、精算警告期間内又は精算警告期間外の精算指示であってもよい。また、精算警告期間の表示は、精算警告期間外の第1精算指示、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内の1回目の精算指示、第1精算指示に基づいていて設定された精算警告期間内の2回目の精算指示のいずれかであってもよい。
また、精算警告期間内の精算指示によって精算がされた場合は、その欄を点灯させたり点滅させたりしてもよい。
また、図27に示す精算履歴を、精算報知において表示することとしてもよい。具体的には、上記の第3精算報知において、液晶表示装置5に精算中を示す表示画像とともに、あるいはこれにかえて、図27に示す精算履歴を表示することとしてもよい。また、上記の第2精算報知においても同様である。これにより、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為が行われた可能性が高い場合には、精算履歴を表示することで、煩雑な操作を行うことなく、不正行為が行われたか否かを正確かつ迅速に判断することができる。
次に、本実施の形態のパチスロ機1の主な作用効果について説明する。本実施の形態のパチスロ機1では、精算警告期間内に精算ボタン14が押された場合と、精算警告期間外に精算ボタン14が押された場合とで、精算報知手段による報知態様を異ならせることで、精算警告期間内に精算ボタン14が操作されたことを警告する演出が行われる。
これにより、遊技場の店員は、精算警告期間内に精算ボタンが押されたこと、すなわち、短期間に精算ボタンが複数回操作されたことを認識することができる。そのため、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為が行われた可能性を早期に察知することができる。また、遊技者に対しては、精算警告期間内に精算ボタンを押したことを認識させることができる。そのため、精算警告期間内に精算ボタンを押すことを躊躇させることができる。したがって、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為を防止することができる。
また、精算警告期間外に精算ボタン14が押された場合と、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に精算ボタン14が押された場合と、第2精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に精算ボタン14が押された場合とで、精算報知手段による報知態様を異ならせることで、警告の程度を変化させることができる。具体的には、精算警告期間外に精算ボタン14を押した遊技者に対し、不快感を与えない程度に精算中であることを示す演出を実行できる。一方、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に精算ボタン14が押された場合は、精算警告期間外に精算ボタン14が押された場合より強調した演出を実行できる。さらに、第2精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に精算ボタン14が押された場合は、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に精算ボタン14が押された場合よりさらに強調した演出を実行できる。
また、精算警告期間外に精算ボタン14が押された場合と、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に1回目の精算ボタン14が押された場合と、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に2回目の精算ボタン14が押された場合とで、精算報知手段による報知態様を異ならせることで、警告の程度を変化させることもできる。具体的には、精算警告期間外に精算ボタン14を押した遊技者に対し、不快感を与えない程度に精算中であることを示す演出を実行できる。一方、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に1回目の精算ボタン14が押された場合は、精算警告期間外に精算ボタン14が押された場合より強調した演出を実行できる。さらに、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に2回目の精算ボタン14が押された場合は、第1精算指示に基づいて設定された精算警告期間内に1回目の精算ボタン14が押された場合より強調した演出を実行できる。
これにより、精算時の報知態様をより詳細に変化させることができる。そのため、遊技場の店員は、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為が行われた可能性をより正確に察知することができる。また、遊技者に対しては、精算警告期間内に精算ボタンを押したことを強調して認識させることができる。そのため、精算警告期間内に再度精算ボタンを押すことを激しく躊躇させることができる。したがって、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為をさらに防止することができる。
また、液晶表示装置5は、精算履歴として、例えば、精算が行われた日時の情報、メダル投入枚数やクレジット枚数の情報、精算警告期間内に精算されたか否かの情報、精算時の報知態様の情報等を表示できる。これにより、遊技場の店員は、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為が行われた可能性を察知した場合に、精算履歴情報を確認することで、不正行為が行われたか否かを正確に判断することができる。したがって、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為をさらに防止することができる。
また、精算報知手段を音出力装置及び/又は液晶表示装置5及び/又は発光装置25とすることで、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為が行われた可能性を、視覚や聴覚によって直感的に認識させることができる。
以上、本発明に係る遊技機の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、遊技者にとって有利な遊技状態として、BB遊技状態を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、遊技者にとって有利な遊技状態として、遊技者にとって有利な停止操作の手順が報知されるAT遊技状態や、内部当選役として“リプレイ(再遊技)”が決定される確率が高いRT遊技状態(高確率再遊技状態)、あるいはこれらの組み合わせであるART遊技状態を採用することとしてもよい。
具体的には、所定の小役(例えば、「ベル」)と、所定の小役とは少なくとも図柄の組合せの一部が異なる複数の特定の小役とが重複して当選する所定の内部当選役を複数規定し、所定の内部当選役が決定された場合に、停止操作の手順(例えば、停止操作の順番)が予め定められた所定の手順であれば、所定の小役を入賞させて所定数(例えば、15枚)のメダルが払い出され、予め定められた所定の手順とは異なる手順であれば、一又は複数の特定の小役を入賞させて所定数よりも少ない特定数(例えば、1枚)のメダルが払い出されるように制御が行われることとし、AT遊技状態(あるいは、ART遊技状態)においては、所定の内部当選役が決定された場合に、予め定められた所定の手順が報知されることとすればよい。
また、AT遊技状態は、所定の開始条件(例えば、「スイカ」、「RB」、及び「BB」が内部当選役として決定された場合に所定の抽選に当選したこと)が成立した場合に、所定の終了条件(例えば、所定の遊技回数の遊技が行われたこと、あるいはAT遊技状態における差枚数(純増枚数)が所定の累積枚数となったこと)が成立するまで、主制御回路71及び/又は副制御回路72によってその遊技状態が維持されることとすればよい。
また、RT遊技状態は、特定の開始条件(例えば、BB遊技状態が終了したこと、あるいは一般遊技状態からRT遊技状態に移行する図柄の組合せが表示されたこと)が成立した場合に、特定の終了条件(例えば、所定の遊技回数の遊技が行われたこと、あるいはRT遊技状態から一般遊技状態に移行する図柄の組合せ(一例として、上記の特定の小役に係る図柄の組合せ)が表示されたこと)が成立するまで、主制御回路71によってその遊技状態が維持されることとすればよい。
また、ART遊技状態は、特別の開始条件(例えば、BB遊技状態において特別の抽選に当選し、「BB遊技状態」が終了したこと、あるいは一般遊技状態において特別の抽選に当選し、一般遊技状態からRT遊技状態に移行する図柄の組合せが表示されたこと)が成立した場合に、特別の終了条件(例えば、所定の遊技回数の遊技が行われたこと、あるいはRT遊技状態から一般遊技状態に移行する図柄の組合せ(一例として、上記の特定の小役に係る図柄の組合せ)が表示されたこと)が成立するまで、主制御回路71及び/又は副制御回路72によってその遊技状態が維持されることとすればよい。
そして、上記の有利遊技状態は、不正行為が行われなくともメダルが増加する期間であることから、精算警告期間が設定されないこととしてもよい。これにより、特に、遊技者にとって相対的に不利な遊技状態(例えば、一般遊技状態)にある場合に、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為が行われたか否かを監視することができるため、監視負担を低減させつつ、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為を防止することができる。
また、上記の実施形態では、精算回数や精算警告期間が副制御回路72でカウントされ、精算ボタン14が押されたタイミングで精算報知態様を異ならせる構成で説明したが、この態様に限定されない。例えば、精算回数や精算警告時間が主制御回路71でカウントされ、精算ボタン14が押されたタイミングで、精算回数や精算警告期間の情報が含まれる精算報知コマンド(あるいは、精算コマンドにそれらの情報が含まれることとしてもよい)が副制御回路72に送信されることで、精算報知態様を異ならせる構成としてもよい。具体的には、主制御回路71内に設けられる精算回数カウンタICにより精算回数をカウントし、主制御回路71内に設けられる精算警告期間タイマICにより精算警告期間をカウントし、RAM33が精算履歴、精算回数、精算警告期間等を記憶する。精算ボタン14が押されると、精算報知コマンドが副制御回路72に送信される。副制御回路72は、受信した情報に基づいて精算報知態様を異ならせる。この場合も、上述したパチスロ機1と同様の効果が得られる。
また、精算警告期間中は、液晶表示装置5に精算警告期間の残余時間や精算時刻等の計時情報を表示するようにしてもよい。これにより、遊技場の店員及び遊技者は、精算警告期間中であることや、いつ精算が行われたのかを知ることができるため、遊技者により精算警告期間中の精算指示がなされることを抑制することができる。すなわち、精算報知の有無にかかわらず、遊技媒体を不正に得ようとする不正行為を防止することができる。
また、上述の実施形態では、3種類の精算報知態様で説明したが、この態様に限定されない。例えば、精算報知態様は、2種類であってもよい。すなわち、少なくとも精算警告期間内に精算ボタン14が押された場合と、精算警告期間外に精算ボタン14が押された場合とで、精算報知態様を異ならせることとすればよい。また、精算報知態様は、4種類以上であってもよい。すなわち、精算回数カウンタの値に応じた精算報知態様により精算報知が行われることとすればよい。この場合も、上述したパチスロ機1と同様の効果が得られる。
また、上述の実施形態では、精算報知態様として、液晶表示装置5が精算中を示す表示画像を表示し、スピーカ21L,21Rが精算中を示す精算音を出力し、発光装置25が点灯することで、報知する態様で説明したが、この態様に限定されない。例えば、これらの精算報知手段のうち、少なくとも1つが報知する態様でもよい。また、例えば、精算報知を行なう精算報知手段の数を増減して報知する態様でもよい。具体的には、精算回数カウンタの値が“1”の場合、液晶表示装置5が精算中を示す表示画像を表示する。精算回数カウンタの値が“2”の場合、液晶表示装置5が精算中を示す表示画像を表示し、スピーカ21L,21Rが精算中を示す精算音を出力する。精算回数カウンタの値が“3”の場合の精算報知は、液晶表示装置5が精算中を示す表示画像を表示し、スピーカ21L,21Rが精算中を示す精算音を出力し、発光装置25が点灯するように構成としてもよい。この場合も、上述したパチスロ機1と同様の効果が得られる。
さらに、本実施の形態では、パチスロ機1として例示したが、これに限定されず、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用することができる。さらに、上述のパチスロ機1での動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。この場合も上述したパチスロ機1と同様の効果が得られる。