本発明の実施の形態にかかる遊技機1の構成について、図面を参照しつつ説明する。
[外観構成について]
まず、図1を参照して、遊技機1の概観について説明する。
遊技機1には、後述の主制御回路71などを収容するキャビネット1aとキャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられる前面扉1bとが設けられている。前面扉1bの中央には、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5の表示画面5aでは、所定の画像が表示されることにより、演出の実行や遊技に関する情報の報知等が行われる。液晶表示装置5の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の中央であって、メインドア1bのキャビネット1aの内部側には、3つのリール3L、3C、3Rが横一列に設けられている。各リール3L、3C、3Rの周面には複数種類の図柄がリールの回転方向に連続して配されている。各リール3L、3C、3Rは、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路71により制御される。
台座部10の中央には、図柄表示手段としての縦長矩形の3個の表示窓4L、4C、4Rが、対応する各リール3L、3C、3Rの前方に位置するように設けられている。各表示窓4L、4C、4Rを通して、各リール3L、3C、3Rの回転及び回転の停止が観察できるようになっている。また、各表示窓4L、4C、4Rには、上段、中段又は下段の3個の表示領域の夫々に一の図柄が表示され、対応するリールの周囲に配された図柄のうち連続する3個の図柄が表示されるようになる。
また、表示窓4L、4C、4Rには、その上段、中段及び下段のうちの所定の表示領域を結ぶ入賞ラインが設けられている。本実施の形態では、入賞ラインとして、トップライン8a、センターライン8b及びボトムライン8cの3種類が設けられている。トップライン8aは、各表示窓4L、4C、4Rの上段を結ぶラインである。また、センターライン8bは、各表示窓4L、4C、4Rの中段の領域を夫々結んでなるラインである。また、ボトムライン8cは、各表示窓4L、4C、4Rの下段を結ぶラインである。
表示窓4L、4C、4Rの左右には、メダル投入口22、1‐ベットボタン11、2‐ベットボタン12及び最大ベットボタン13が設けられている。基本的に、メダル投入口22にメダルが投入されることにより、又は、ベットボタン11、12、13の操作に基づいてメダルが投入されることにより、上記入賞ライン8a、8b、8cが有効化される(有効化された入賞ラインを以下、「有効ライン」という)。尚、有効ラインは、本例のように3本に限定されるものではなく、5本やその他の本数であってもよい。また、本実施の形態では、遊技媒体としてメダルを使用するが、これに限らず、コイン、遊技球又はトークンなどの他、メダルの数量等の情報を記憶したカード等も適用可能である。また、ベットボタン11、12、13の上方には、十字キー、選択ボタン及び決定ボタンから構成される操作部17が設けられている。
表示画面5aの左側には、1‐ベットランプ9a、2‐ベットランプ9b及び最大ベットランプ9cが設けられている。これらベットランプ9a、9b、9cは、単位遊技(例えば、リールの回転の開始から、リールの回転が停止して特典の付与を行うか否かが決定されるまでの1回の遊技)において投入されるメダルの枚数(以下、投入枚数という)に応じて点灯が行われる。ベットランプ9a、9b、9cの下方には、情報表示部18が設けられている。情報表示部18は、7セグメントLEDから成り、遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、「払出枚数」という)などを表示する。
台座部10の前面部の左寄りには、メダルのクレジット(Credit)又は払い出し(Pay)の切り換えを行うためのC/Pボタン14が設けられている。払い出しが行われる場合、払出枚数に応じたメダルが正面下部のメダル払出口15から払い出され、メダル受け部16に溜められる。また、クレジットが行われる場合、払出枚数に応じたメダルがクレジットされる。尚、メダルの払い出し及びクレジットを総称して単に「払い出し」という場合がある。
台座部10の前面部中央で、各表示窓4L、4C、4Rの下方位置には、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられ、各リール3L、3C、3Rの回転を停止させるためのストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。ストップボタン7L、7C、7Rの左側には、リール3L、3C、3Rの回転を開始するためのスタートレバー6が設けられている。以下では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われる停止操作(即ち、ストップボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の抑圧操作)を「第1停止操作」といい、第1停止操作の次に行われ、2つのリールが回転しているときに行われる停止操作を「第2停止操作」といい、第2停止操作の次に行われ、残り1つのリールが回転しているときに行われる停止操作を「第3停止操作」という。
また、前面扉1bの上部には、LED101及びランプ102が設けられている。LED101及びランプ102は、遊技の状況に応じた点灯パターンにて点灯が行われ、遊技に関する演出が行われる。前面扉1bの下部には、スピーカ21L、21Rが設けられている。スピーカ21L、21Rからは、遊技の状況に応じた効果音や楽曲等の音が出力されて、遊技に関する演出が行われる。また、図示は省略しているが、キャビネット1aの内部には、遊技機1に電源を役人するための電源ボタン、設定値の変更を開始するための設定変更ボタン、予め定められた複数の設定値の中から何れかを決定するためのリセットボタンが設けられている。
[ハードウェア構成について]
次に、図2を参照して、主制御回路71、副制御回路72、主制御回路71及び副制御回路72と電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を含む遊技機1の回路構成について説明する。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、記憶手段であるROM32及びRAM33により構成されている。ROM32には、CPU31により実行される制御プログラム、後述の図柄組合せテーブル等の各種テーブル等が記憶されている。RAM33には、後述の持越役格納領域等の各種格納領域が設けられ、種々のデータが記憶される。
CPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。発生させた基準クロックパルスに基づいて、後述の割込処理などが行われる。乱数発生器36は、一定の範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生した乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。
図2の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、ベットランプ9a、9b、9c、情報表示部18、ホッパー40、ステッピングモータ49L、49C、49R等がある。また、マイクロコンピュータ30の各出力ポートには、CPU31から出力される制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御するための各回路がそれぞれ接続されている。各回路としては、モータ駆動回路39、ランプ駆動回路45、表示部駆動回路48及びホッパー駆動回路41がある。
ランプ駆動回路45は、ベットランプ9a、9b、9cの点灯や消灯の制御を行う。表示部駆動回路48は、情報表示部18による各種情報(払出枚数、クレジット校数等)の表示の制御を行う。ホッパー駆動回路41は、ホッパー40によるメダルの払い出しの制御を行う。モーダ駆動回路39は、主制御回路71からのパルスをステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力することによって、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御し、リール3L、3C、3Rの回転及びその停止の制御を行う。
ここで、本実施の形態では、リールが一回転したことを示すリールインデックスが後述のリール位置検出回路50により検出されてから、ステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数を計数することによって、リールインデックスが検出される位置を基準とするリールの回転角度を検出することとしている。また、ステッピングモータ49L、49C、49Rの回転を所定の減速比をもってリール3L、3C、3Rに伝達するギア(図示せず)が備えられており、ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して16回のパルスの出力が行われることによって、リールの周囲に配された図柄1つ分のリールの回転が行われる構成となっている。
具体的には、前述のステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力されたパルスの数は、RAM33のパルスカウンタによって計数され、パルスカウンタによりT6回のパルスの出力が計数される毎に、RAM33の図柄カウンタが1ずつ加算される。また、図柄カウンタは、リールインデックスが検出される毎にその値がクリアされる。
ここで、前述のリールの周面に配された各図柄には、リールの回転方向から順に、夫々を識別するための図柄位置「0」〜「20」が規定されている。そして、図柄位置「0」に対応する図柄がセンターライン8b(より正確には、各表示窓4L、4C、4R内の縦方向における中段の領域の中心部)に位置するように、後述のリール位置検出回路50によってリールインデックスが検出される構成となっている。即ち、リールインデックスの検出により図柄カウンタの値が「0」になる際に、図柄位置「0」に対応する図柄がセンターライン8bに位置することとなり、この結果、図柄カウンタと図柄位置とが対応付けられる。従って、図柄カウンタを参照することにより、センターライン8bに位置する図柄を特定することが可能となる。
尚、本実施の形態では、図柄位置「0」の図柄がセンターライン8bに位置するようにリールインデックスが検出される構成とし、図柄カウンタによりセンターライン8b上にある図柄が特定されるようにしているが(即ち、所定の位置としてセンターライン8bを適用したが)、これに限らず、図柄が特定される位置は任意に変更可能である。例えば、所定の位置として、トップライン8aやボトムライン8cを適用することもできる。このとき、トップライン8a(より厳密には、各表示窓4L、4C、4Rの縦方向における上段の領域の中心部)やボトムライン8c(より厳密には、各表示窓4L、4C、4Rの縦方向における下段の領域の中心部)に図柄位置「0」の図柄が位置するようにリールインデックスが検出される構成を適用することができる。
また、マイクロコンピュータ30の各入力ポートには、スイッチ類等がそれぞれ接続されており、前述のアクチュエータ等の制御が行われる契機となる所定の信号を入力する。具体的には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、1‐ベットスイッチ11S、2‐ベットスイッチ12S、最大ベットスイッチ13S、C/Pスイッチ14S、設定変更スイッチ19S、リセットスイッチ20S、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51が接続されている。また、図示を省略しているが、電源ボタンに対する管理者の操作に基づいて、遊技機1に対する電源の供給及び遮断を行うための電源スイッチも設けられている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の傾動操作(即ち、開始操作)を検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。ストップスイッチ7Sは、各ストップボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の押圧操作(即ち、停止操作)を夫々検出し、検出した信号をマイクロコンピューク30に出力する。1‐ベットスイッチ11S、2‐ベットスイッチ12S及び最大ベットスイッチ13Sは、1‐ベットボタン11、2‐ベットボタン12及び最大ベットボタン13の夫々に対する遊技者の押圧操作(即ち、投入操作)を検出し、検出した信号をマイクロコンピューク30に出力する。メダルセンサ22Sは、遊技者の操作によりメダル投入口22に役人されたメダルを検出し、検出した信号をマイクロコンピュー夕30に出力する。
C/Pスイッチ14Sは、C/Pボタン14に対する遊技者の押圧操作を検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。リール位置検出回路50は、例えば発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール3L、3C、3R毎に検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの動作により、払出枚数が所定枚数に達したか否かを検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
設定変更スイッチ19Sは、設定変更ボタンに対する管理者の操作を検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。リセットスイッチ20Sは、リセットボタンに対する管理者の操作を検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。設定値は、遊技者にとっての有利さの度合いを区別するための指標となるデータである。即ち、後述の内部当籤役の当籤確率等に関わり、遊技者及び遊技店舗の利益に関わるデータである。特典の付与に係る内部当籤投の当籤確率等が高いほど、より多くのメダルを獲得することができる可能性が生じるので、遊技者にとっては有利となる。本実施の形態では、設定値として「1」〜「6」の6段階が設けられており、スタートスイッチ6S、設定変更スイッチ19S及びリセットスイッチ20Sの入力に基づいて、これらのうち何れかがRAM33の設定値格納領域に格納(記憶)される。
次に、副制御回路72の回路構成について説明する。主制御回路71は、遊技の進行など遊技全体を制御するものであるのに対し、副制御回路72は、画像の表示や音・ランプの出力などにより遊技に関する演出を制御するものである。主制御回路71と副制御回路72とはハーネスなどにより電気的に接続されており、副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述するスタートコマンドなど)に基づいて演出内容の決定や実行などの各種処理を行う。
副制御回路72は、詳細は後述するが、シリアルポートを介して主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、サブROM内に記憶された制御プログラムに従って、演出データ(画像データ、発光パターンデータ、音データ等を含む)の決定や、その出力などの各種処理を行う。
副制御回路72により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、液晶表示装置5、スピーカ21L、21R、LED101及びランプ102がある。副制御回路72は、決定した演出データに基づいて、液晶表示装置5に画像の表示を行わせ、LED101やランプ102に点灯パターンの出力を行わせ、スピーカ21L、21Rに演出音や効果音の出力を行わせる。また、副制御回路72には、操作部17と音量調節部103が接続されており、これらから出力される信号に基づいて画像や音の出力を行う。
図3は、副制御回路72の電気的な接続を示すブロック図である。副制御回路72は、画像制御回路201と音・ランプ制御回路202とからなる。
画像制御回路201では、主制御回路71から送信されるコマンドはシリアルポート211を介して画像制御マイコン212が受信する。画像制御マイコン212は、CPUを備え、液晶表示装置5の画像表示を制御する。プログラムROM213は、画像制御マイコン212が実行する各種制御プログラムを格納しており、ワークRAM214は、画像制御マイコン212のワークエリアとなる。カレンダIC215は、カレンダ機能を有する回路である。
画像制御IC221は、画像制御マイコン212の制御により液晶表示装置5の画像表示を制御する駆動回路である。画像ROM222には、液晶表示装置5に表示する演出などの動画像データが格納されている。画像制御IC221は、制御RAM223、ビデオRAM224をワークエリアとして使用し、画像ROM222に格納されている各種動画像データを液晶表示装置5に表示する。
操作部17で行う各種の操作は画像制御マイコン212に伝えられる。
主制御回路71から送信されるコマンドはシリアルポート231を介して音・ランプ制御回路202の音・ランプ制御マイコン232でも受信する。音・ランプ制御マイコン232は、CPUを備え、LED類232、ランプ類233、スピーカ類21L,21Rを制御する。プログラムROM233は、音・ランプ制御マイコン232が実行する各種制御プログラムを格納している。ワークRAM234は、音・ランプ制御マイコン232のワークエリアとなる。
音源ROM235は、スピーカ類21L,21Rから出力する各種音声データを格納している。音源IC236は、スピーカ類21L,21Rから音を出力するパワーアンプ237の駆動回路である。音量調節部103で行う各種の操作は音・ランプ制御マイコン232に伝えられ、スピーカ類21L,21Rの音量調節を行うことができる。
[主要な各種テーブル、各種格納領域について]
次に、図4を参照して、主制御回路71の図柄配置テーブルについて説明する。
図柄配置テーブルは、各リール3L、3C、3Rの周囲に配された図柄の構成をデータとして表したものである。図柄配置テーブルには、リールインデックスが検出されたときに、各表示窓4L、4C、4Rの中段に位置する図柄を図柄位置「0」として、前述の図柄カウンタと対応する図柄位置「0」〜「20」と、各図柄位置に対応する図柄の種別とが規定されている。各図柄の種別は、例えば、チェリーであれば「00000001」など、1バイトのデータにより表される。従って、図柄配置テーブルと図柄カウンタとに基づいて、各リール3L、3C、3Rの表示窓4L、4C、4Rの中段に位置する図柄や、これに隣接する図柄なども特定可能となる。
次に、図5を参照して、主制御回路71の内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルでは、RAM33の遊技状態格納領域に格納されている遊技状態の種別に応じて決定される内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とが規定されている。一般遊技状態では、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、基本的に、抽籤回数が5に決定される。後述のレギュラーボーナス(以下、「RB」と略記する)遊技状態では、RB遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、抽籤回数が3に決定される。
次に、図6〜図8を参照して、主制御回路71の内部抽籤テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブルでは、各当籤番号に応じて割り当てられた乱数値の下限値及び上限値(即ち、下限値以上且つ上限値以下の数値の範囲)が規定されている。当籤番号は、内部抽籤テーブルに規定される複数の数値範囲を識別するためのデータであり、後述の内部当籤役の決定等を行う際に用いられるデータである。
内部抽籤テーブルでは、「0〜65535」の範囲から抽出され、RAM33の乱数値格納領域に格納された乱数値が、前述の各当籤番号の数値範囲に属するか否かの判定が行われる。前述の抽籤回数は、この判定を行う回数を示す。抽籤回数分の判定を行った結果、乱数値格納領域に格納された乱数値が何れかの数値範囲に属すれば、該当する当籤番号が決定される。尚、乱数値格納領域に格納された乱数値が何れの数値範囲にも属さなければ、当籤番号が0に決定される。また、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に規定された上限値と下限値との差に1を加えた数(即ち、数値範囲の大きさであり、図中における幅)/発生する全ての乱数値の数(即ち65536)」により算出することができる。
図6は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図7は、リプレイタイム(以下、「RT」と略記する)作動中用内部抽籤テーブルを示す。一般遊技状態用内部抽籤テーブル及びRT作動中用内部抽籤テーブルでは、メダルの投入枚数が1〜3枚の各場合について、当籤番号1〜当籤番号5に応じた下限値及び上限値が規定されている。また、一般遊技状態用内部抽籤テーブルとRT作動中用内部抽籤テーブルとでは、基本的に、後述の再遊技の作動に係る当籤番号(即ち、当籤番号4(後述のリプレイ))の当籤確率が異なり、その他の当籤番号(即ち、当籤番号1〜5)の当籤確率は等しくなっている。RT作動中用内部抽籤テーブルでは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルに比べてリプレイの当籤確率が相当高くなっている。
図8は、RB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。RB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、メダルの投入枚数が1枚の場合について、当籤番号1〜当籤番号3に応じた下限値及び上限値が規定されている。また、RB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号2(後述のベル)の当籤確率が極めて高い構成となっている。
次に、図9を参照して、主制御回路71の内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルでは、前述の当籤番号に応じた内部当籤役が規定されている。具体的には、当籤番号1〜5の夫々に応じて、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、BBの夫々が規定されている。前述の内部抽籤テーブルにより当籤番号が決定されると、この当籤番号に応じた内部当籤役が決定されるため、当籤番号の決定と内部当籤役の決定とは等価の関係にあるといえる。
次に、図10を参照して、主制御回路71の図柄組合せテーブルについて説明する。
図柄組合せテーブルでは、特典の付与に係る図柄の組合せと、これに対応する表示役及び払出枚数とが規定されている。表示役は、図柄表示手段により表示される図柄の組合せの種別を識別するためのデータである。
左リール3Lにチェリーが表示されると(中リール3C、右リール3Rの図柄は問わない(図10では「ANY」と表示している))、表示役がチェリーと決定される。チェリーに対応する払出枚数は4である。また、各リール3L、3C、3Rにベルが表示されると表示役がベルと決定される。ベルに対応する払出枚数は15である。各リール3L、3C、3Rにスイカが表示されると表示役がスイカと決定される。スイカに対応する払出枚数は6である。
各リール3L,3C,3Rにリプレイが表示されると表示役がリプレイと決定される。リプレイが決定されると、次回の単位遊技において再遊技が行われる。即ち、これらが表示役として決定された単位遊技における投入枚数と同数のメダルが、次回の単位遊技において、遊技者による投入操作に基づかずに、自動的に投入される。これにより、遊技者はメダルを消費することなく次回の単位遊技を行うことができる。
ここで、RTの作動が開始されると、所定回数の単位遊技が行われる間、前述のRT作動中用内部抽籤テーブルが使用される。従って、再遊技の作動に係る内部当籤役(当籤番号7のリプレイ)が高い確率で決定されるようになり、その結果、再遊技が行われる機会が増加するので、RTの非作動中(一般遊技状態用内部抽籤テーブルの場合)において同じ回数の単位遊技が行われる場合と比べて、メダルの消費を抑えることが可能となる。また、前述のように、RTの作動中では、RTの非作動中と同様に、払い出しに係る内部当籤後やボーナスゲームの作動に係る内部当籤後の当籤確率が規定されていることから、消費するメダルの枚数を極力抑えつつ、メダルの払い出しやボーナスゲームの作動が行われることを遊技者に期待させることができる。
各リール3L、3C、3Rの赤7が一の有効ラインに沿って3つ並んで表示されと、表示役がBBと決定される。BBが決定された場合には、BBの作動が開始される。
また、表示窓4L、4C、4Rにより表示される図柄の組合せが、表示窓4L、4Rにスイカ、表示窓4Cにチェリーが表示されると、表示役が特殊ハズレと決定される。
ここで、チェリー、ベル、スイカは、遊技媒体(即ち、メダル)の払い出しに係るものである。リプレイは、再遊技の作動に係るものである。BBは、遊技者にとって有利なボーナスゲームの作動に係るものである。また、特殊ハズレは、後述のとおりRTの作動の継続性にも係るものである。
次に、図11を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルには、ボーナスゲームの作動の開始時に、RAM33の所定領域に格納されるデータが規定されている。RBの作動時には、後述のRAM33の作動中フラグ格納領域におけるRB作動中フラクがオンされ、遊技可能回数カウンタに12が格納され、入賞可能回数カウンタに8が格納される。遊技可能回数カウンタは、RB作動中において行われた単位遊技の回数を計数するためのデータである。入賞可能回数カウンタは、RB作動中において入賞が決定された(例えば、メダルの払い出しに係る表示役が決定された)回数を計数するためのデータである。
BBの作動時には、後述のRAM33の作動中フラグ格納領域におけるBB作動中フラクがオンされ、ボーナス終了枚数カウンタに350が格納される。ボーナス終了枚数カウンタは、BBの作動中における払出枚数の総数を計数するためのデータである。
次に、図12を参照して、主制御回路71のRAM33の内部当籤役格納領域の構成について説明する。
内部当籤役が決定されると、内部当籤役格納領域(表示役格納領域)に格納(記憶)される。図12に示す内部当籤役格納領域のビット0〜7の夫々は、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、BBの夫々に対応している。尚、表示役格納領域の構成は、この内部当籤役格納領域の構成と同様の内容となっている。
次に、図13を参照して、主制御回路71のRAM33の持越役格納領域の構成について説明する。
前述の内部当籤役決定テーブルによりボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されると、それを示す識別子(即ち、フラグ)が、この持越役格納領域に格納される。具体的に、ビット4がBBに対応している。また、持越役格納領域に格納された識別子は、ボーナスゲームの作動が開始されることによりクリアされる。即ち、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されると、そのボーナスゲームの作動が開始されるまでの間、その識別子が記憶される構成となっている(いわゆる「持ち越し」と称され、格納されている識別子は「持越役」と称される)。そして、持越役格納領域に識別子が格納されている間は、抽出される乱数値にかかわらず、その格納されている識別子が内部当籤役として決定されるようになっている。また、持越投は、内部当籤役に基づいて決定されることから、内部当籤役の下位概念とも言える。
次に、図14を参照して、主制御回路71のRAM33の作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
ボーナスゲーム及びRTの作動が開始される場合には、作動が開始されるボーナスゲーム及びRTの種別を示す識別子がこの作動中フラグ格納領域に格納される。具体的に、ビット0はRB作動中フラグ、ビット1はBB作動中フラグ、ビット2はRT作動中フラグに夫々対応している。
次に、図15を参照して、主制御回路71のRAM33の遊技状態格納領域の構成について説明する。
前述の作動中フラグ格納領域に格納されているデータに基づいて、遊技状態の更新が行われると、遊技状態の種別を示す識別子がこの遊技状態格納領域に格納される。具体的に、ビット0、ビット1の夫々は、一般遊技状態、RB遊技状態の夫々に対応している。
図16を参照して、主制御回路71のRAM33の停止テーブル決定テーブルの構成について説明する。
停止テーブル決定テーブルは、内部当籤役に応じて停止テーブルを決定するためのテーブルである。例えば、内部当籤役がチェリーのときは、チェリー用停止テーブルが決定される。各停止テーブルは、停止操作が行われた場合の滑り駒数を決定するテーブルである。
図17を参照して、内部当籤役がスイカのときに使用されるスイカ用停止テーブルについて説明する。スイカ用停止テーブルにおいては、各リール3L、3C、3Rごとに、各停止位置(各停止位置の番号は図4の図柄配置テーブルにおける図柄位置の番号に対応している)の滑り駒数を示している。例えば、リール3Lにおいて停止位置0は図柄位置「0」の図柄(リプレイ)に対応し、滑り駒数は当該図柄がセンターライン8bにあるときに遊技者がストップボタン7Lを押下して停止操作を行ったときの滑り駒数を示している。ここでは、滑り駒数が「1」であるから、図柄位置「0」のリプレイがセンターライン8bにあるときに遊技者がストップボタン7Lを押下したときは、リプレイから1駒の位置にあるスイカが表示される図柄となる。
ここで、本遊技機1では、最大の滑り駒数が4であり、4駒以内の滑り駒数でスイカを表示できるときはスイカを表示するように滑り駒数が決定されている。リール3Cは、他のリール3L、3Rと比べて少ない2つのスイカのみが図柄として含まれていて、滑り駒数4以内でスイカを引き込めないことがあり、この場合はチェリーが表示されるように滑り駒数が決定されている(例えば、リール3Cの停止開始位置4ではベルがセンターライン8bにあるときに遊技者がストップボタン7Lを押下して停止操作を行ったときの滑り駒数が「1」であり、チェリーが表示される。よって、スイカ用停止テーブルでは、目押しによりスイカ‐スイカ‐スイカの図柄を揃えてスイカに入賞することができるが、取りこぼすと、特殊ハズレの図柄であるスイカ‐チェリー‐スイカの図柄が揃うことになる。
[主制御回路の制御動作について]
次に、図18〜図28に示すフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31が行う制御について説明する。
先ず、図18、図19を参照して、主制御回路71のCPU31により行われるリセット割込処理について説明する。CPU31は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、リセット割込を発生させ、そのリセット割込の発生に基づいて、ROM32に記憶されたリセット割込処理を順次行うように構成されている。
電源が投入されると、初めに、CPU31は、初期化処理を行う(ステップS1)。この処理では、電源遮断時にRAM33に格納されたレジスタのデータや実行アドレスの復帰を行う処理また、この初期化処理では、設定スイッチ19Sの入力のチェックが行われ、設定スイッチ19Sがオンであると判別した場合には、設定値の変更が行われる。具体的には、リセットスイッチ20S及びスタートスイッチ6Sの入力に基づいて、設定値「1」〜「6」のうちの何れかがRAM33の設定値格納領域に格納される。次に、CPU31は、RAM33における指定格納領域のクリアを行う(ステップS2)。この処理では、RAM33の各種格納領域等に格納されたデータがクリアされる。
次に、CPU31は、後で図20を参照して説明するボーナス作動監視処理を行う(ステップS3)。この処理では、BB作動中フラグがオンである場合に、RBの作動を行うか否かのチェックが行われる。次に、CPU31は、後で図21を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS4)。この処理では、投入メダルセンサ22S及びベットスイッチ11S、12S、13Sの入力のチェックに基づく投入枚数カウンタ等の更新や、スタートスイッチ6Sの入力のチェックが行われる。次に、CPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS5)。この処理では、乱数発生器36とサンプリング回路37によって乱数値を抽出し、RAM33の乱数値格納領域に格納する。
次に、CPU31は、遊技状態監視処理を行う(ステップS6)。この処理では、RB作動中フラグがオンであればRB遊技状態を示す識別子(いわゆるフラグ)がRAM33に格納され、RB作動中フラグがオフであれば一般遊技状態を示す識別子がRAM33に格納される。次に、CPU31は、後で図22を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS7)。この処理では、乱数値格納領域に格納されている乱数値が内部抽籤テーブルに規定されている複数の数値範囲のうち何れに属するかの判別が行われ、当該判別結果に基づいて内部当籤役が決定される。
次に、CPU31は、RT遊技数カウンタ更新処理を行う(ステップS8)。RT遊技数カウンタは、RT作動中において行われた単位遊技の回数を計数するためのカウンタである。この処理では、RT遊技数カウンタが0か否かが判別され、RT遊技数カウンタが0でないと判別された場合にRT遊技数カウンタが1減算される。この減算の結果、RT遊技数カウンタが0になったか否かが判別され、RT遊技数カウンタが0になったと判別された場合にRT作動中フラグがクリアされる。次に、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS9)。スタートコマンドには、内部当籤役や遊技状態などのデータが含まれている。次に、CPU31は、回胴停止初期設定処理を行う(ステップS10)。この処理では、前述の停止テーブル決定テーブルが参照され、各内部当籤役格納領域に基づいて停止テーブルが決定される。
そして、前回のリール3L、3C、3Rの回転開始から4.1秒経過すると(ステップS11,S12)、CPU31は、全リールの回転開始を要求する(ステップS13)。尚、全リールの回転開始が要求されると、後述する割込処理(図28参照)においてリールの回転を開始する処理が行われる。そして、全てのリール3L、3C、3Rの回転が定速に達すると、各ストップボタン7L、7C、7Rの押圧操作が有効であることを示す識別子がRAM33に格納され、押圧操作の有効化が行われる。次に、CPU31は、後で図23を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS14)。この処理では、全てのリール3L、3C、3Rの回転を停止する処理が行われる。
次に、CPU31は、図柄組合せテーブルを参照し、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せに基づいて表示役等を決定する処理を行う(ステップS15)。この処理では、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せと表示窓4L、4C、4Rにより表示される図柄の組合せ(より厳密には、有効ライン8a〜8cに沿って並ぶ3個の図柄の組合せ)とが比較され、一致するか否かが判別される。そして、一致するときには、該当する表示役及び払出枚数が決定され、各表示役格納領域及び払出枚数カウンタが更新される。また、一致しないときには、各表示役格納領域に格納されるデータが「0」となり、表示役はハズレとなる。このようにして、停止制御手段により全てのリールの回転が停止されると、図柄表示手段により表示される図柄の組合せに基づいて、入賞か否かが決定され、遊技者に対して特典の付与が行われる。
次に、CPU31は、表示役コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS16)。表示役コマンドには、決定された表示役などのデータが含まれている。次に、CPU31は、メダル払出処理を行う(ステップS17)。この処理では、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー40の制御やクレジットカウンタの更新が行われる。次に、CPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS18)。この処理では、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であることを条件に、当該カウンタから払出枚数に応じた値が減算される。
次に、CPU31は、BB作動中フラクがオンであるか否かを判別する(ステップS19)。CPU31は、BB作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図26を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS20)。この処理では、ボーナスゲームの作動時にRAM33に格納される各種カウンタが0に更新されたか否かの判別に基づいて、ボーナスゲームの作動を終了する処理が行われる。CPU31は、ステップS18の後、又は、ステップS17においてBB作動中フラグのうちの何れもオンではないと判別したときには、後で図25を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(ステップS21)。この処理では、決定された表示役の種別に基づいて、ボーナスの作動を開始する処理等が行われる。そして、図27を参照して説明するRT終了チェック処理を行って(ステップS22)、ステップS2に戻る。
次に、図20を参照して、ボーナス作動監視処理について説明する。
初めに、CPU31は、BB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS31)。CPU31は、BB作動中フラグがオンではないと判別したときには、ボーナス作動監視処理を終了する。CPU31は、BB作動中フラグがオンであると判別したときには、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS32)。CPU31は、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動監視処理を終了する。
CPU31は、ステップS32においてRB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行う(ステップS33)。このように、本実施の形態では、BB作動中フラグがオンであればRBの作動が終了しても次の単位遊技において直ちにRBの作動が開始され、BBが作動中であればRBの作動が連続的に行われる構成となっている。この処理が終了すると、ボーナス作動監視処理を終了する。
次に、図21を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、メダルが通過したか否かを判別する(ステップS51)。具体的には、投入メダルセンサ22Sがオンである場合に、メダルが通過したと判別される。CPU31は、メダルが通過したと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値(本実施の形態では「3」)であるか否かを判別する(ステップS52)。CPU31は、投入枚数カウンタは最大値ではないと判別したときには、投入枚数カウンタに1を加算する(ステップS53)。次に、CPU31は、有効ラインカウンタに3を格納する(ステップS54)。次に、CPU31は、メダル投入コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS55)。メダル投入コマンドは、投入枚数のデータ等が含まれる。
CPU31は、ステップS52において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(ステップS56)。クレジットカウンタは、クレジットされるメダルの枚数を計数するためのデータである。次に、CPU31は、ステップS56の後、ステップS51においてメダルが通過していないと判別したとき、又は、ステップS57の後には、ベットスイッチのチェックを行う(ステップS57)。具体的には、ベットスイッチ11S、12S、13Sがオンである場合は、その種別が特定され、投入枚数カウンタ、クレジットカウンタ及び(遊技状態に応じて設定される)投入枚数カウンタの最大値に基づいて、投入枚数カウンタに加算する値が算出され、投入枚数カウンタが更新される。
次に、CPU31は、投入枚数カウンタは3であるか否かを判別する(ステップS58)。CPU31は、投入枚数カウンタは3ではないと判別したときには、ステップS51に移る。CPU31は、投入枚数カウンタは3であると判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS59)。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、ステップS51に移る。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
次に、図22を参照して、内部抽籤処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブルに基づいて、内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(ステップS91)。次に、CPU31は、後で図22を参照して説明する内部抽籤テーブル変更処理を行う(ステップS92)。次に、CPU31は、持越役格納領域が0か否かを判別する(ステップS93)。CPU31は、持越役格納領域が0でない、すなわち、BBが格納されていると判断したときには、抽籤回数を4に変更する(ステップS94)。これによって、持越役が存在するときには、BBが重複して決定されないようになる。
CPU31は、ステップS94の後、又は、ステップS93において持越役格納領域が0である、すなわち、BBが格納されていなかったときは、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットする(ステップS95)。次に、CPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値と、設定値格納領域に格納されている設定値及び内部抽籤テーブルに規定されている当籤番号に応じた下限値及び上限値とを比較する(ステップS96)。次に、CPU31は、乱数値は下限値以上且つ上限値以下であるか否かを判別する(ステップS97)。
CPU31は、ステップS97において乱数値は下限値以上且つ上限値以上であると判別したときには、当籤番号を所定の当籤番号格納領域に格納する(ステップS98)。次に、CPU31は、ステップS98の後、又は、ステップS97において乱数値は下限値以上且つ上限値以上ではないと判別したときには、抽籤回数を1減算する(ステップS99)。次に、CPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(ステップS100)。CPU31は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、ステップS95に移る。CPU31は、抽籤回数は0であると判別したときには、内部当籤役決定テーブルを参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役を決定する(ステップS101)。
そして、内部当籤役とボーナスチェックデータとの論理積をとり、持越役格納領域の論理和を持越役格納領域に格納する(ステップS102)。次に、CPU31は、内部当籤役持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS103)。
次に、図23を参照して、内部抽籤テーブル変更処理について説明する。
初めに、CPU31は、RT作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS111)。CPU31は、RT作動中フラグはオンである、すなわち、RTが作動中であると判断したときには、一般遊技状態用内部抽籤テーブルをRT作動中用内部抽籤テーブルに変更する(ステップS112)。この処理が終了すると、内部抽籤テーブル変更処理を終了する。
次に、図24を参照して、リール停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、有効なストップボタン7L、7C又は7Rが押圧操作されたか否かを判別する(ステップS131)。CPU31は、有効なストップボタン7L、7C又は7Rが抑圧操作されていないと判別したときには、ステップS131の処理を繰り返す。尚、いわゆる自動停止を行う場合には、スタートスイッチ6Sがオンされてから所定時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判別するようにしても良い。CPU31は、ステップS131において有効なストップボタン7L、7C又は7Rが押圧操作されたと判別したときには、押圧操作が行われたストップボタン7L、7C又は7Rの種別を特定し、該当するストップボタン7L、7C又は7Rの押圧操作を無効化する(ステップS132)。即ち、該当するストップボタン7L、7C又は7Rの押圧操作が無効であることを示す識別子がRAM33に格納される。
次に、CPU31は、所定の図柄カウンタ、ストップボタン7L、7C又は7Rの種別、及び停止テーブルに基づいて滑り駒数を決定する(ステップS133)。すなわち、図柄位置の移動分が滑り駒数(0も含む)となる。
次に、CPU31は、停止制御位置待ちに移行する(ステップS134)。例えば、決定された滑り駒数が「2」であり、停止開始位置が「20」であれば、停止制御位置が「1」に決定される。そして、停止制御位置が決定されると、後述する割込処理(図28参照)において、当該停止制御位置に基づいて該当リールの回転を停止する処理が行われる。尚、滑り駒数と停止制御位置は、一方が決定されれば、他方も決定される関係にあるため、等価の関係にあるといえる。
次に、CPU31は、抑圧操作が有効なストップボタン7L、7C又は7Rがあるか否かを判別する(ステップS135)。CPU31は、押圧操作が有効なストップボタン7L、7C又は7Rがあると判別したときには、ステップS131に移る。また、CPU31は、押圧操作が有効なストップボタン7L、7C又は7Rがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
次に、図25を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役がBBか否かを判別する(ステップS151)。CPU31は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいてボーナス作動時処理を行ない(ステップS152)。持越役格納領域をクリアする(ステップS153)。次に、CPU31は、RT作動中フラグをオフし、RT遊技数カウンタをクリアして(ステップS154)、作動中のRTを終了する。
次に、図26を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、入賞が成立したか否かを判別する(ステップS161)。CPU31は、入賞が成立したと判別したときには、ボーナスの終了にかかるメダル枚数を管理するボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS162)。CPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、RT作動中フラグをオンにし、RT遊技数カウンタに500を格納して(ステップS163)、RTの作動を開始する。そして、BB終了時処理を行う(ステップS164)。具体的には、作動中フラグ格納領域におけるBB作動中フラグのオフや、ボーナス終了枚数カウンタのクリアが行われる。そして、ボーナス終了コマンドを送信する(ステップS165)。
ステップS172でボーナス終了枚数カウンタは0でなかったときは、ボーナスにおける入賞回数を管理する入賞可能回数カウンタを1減算する(ステップS166)。そして、入賞可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS167)。入賞可能回数カウンタは0でないときは、ボーナスにおけるゲーム数を管理する遊技可能回数カウンタを1減算する(ステップS168)。そして、遊技可能回数カウンタが0か否かを判断する(ステップS169)。遊技可能回数カウンタが0であるか、入賞可能回数カウンタが0であるときは、RB終了時処理を行う(ステップS170)。具体的には、作動中フラグ格納領域におけるRB作動中フラグのオフや、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのクリアが行われる。
次に、図27を参照してRT終了チェック処理について説明する。
まず、RT遊技数カウンタが0か否かを判断する(ステップS171)。RT遊技数カウンタが0のとき、すなわち、RTが終了しているときはRT作動中フラグをオフする(ステップS172)。RT遊技数カウンタが0でないとき、すなわち、RTが作動中であるときに、表示窓4L、4C、4Rにスイカ‐チェリー‐スイカが表示されたとき、すなわち、前述のとおり、スイカに内部当籤していながら遊技者の目押しが成功せず、スイカの入賞を取りこぼしてしまったときは、RT作動中フラグをオフし、RT遊技数カウンタをクリアして、作動中であったRTを終了する。すなわち、RT作動中のスイカの取りこぼしはRTの終了の契機となる。
次に、図28を参照して、主制御回路71のCPU31の制御により行われる、1.1173ms周期の割込処理について説明する。
初めに、CPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS191)。次に、CPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS192)。具体的には、CPU31は、各スイッチなどからの信号の入力などをチェックする。次に、CPU31は、リール制御処理を行う(ステップS193)。具体的には、リールの回転開始要求がされた場合であれば、リール3L、3C、3Rの回転が開始され、一定速度での回転が行われる。また、停止制御位置が決定された場合であれば、該当リールの図柄カウンタが停止制御位置と同一の値に更新されたとき、その回転の減速及び停止が行われる。例えば、図柄カウンタが「0」であり、停止制御位置が「4」であれば、図柄カウンタが「4」に更新されたときにリールの回転が停止される。
次に、CPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS194)。具体的には、CPU31は、投入枚数カウンタに基づくベットランプ9a、9b、9cの点灯や、情報表示部18への払出枚数の表示などの処理を行う。次に、CPU31は、レジスタの復帰を行う(ステップS195)。この処理が終了すると、1.1173ms周期の割込処理を終了する。
[副制御回路の制御動作について]
次に、副制御回路72による制御動作について説明する。
副制御回路72は、サブCPU(画像制御マイコン412)の制御により所定の処理を繰返し行うRESET割込処理を行うである。
図29は、このRESET割込処理のフローチャートである。初めに、画像制御マイコン412は、ワークRAM414、制御RAM423、ビデオRAM424などの初期化処理を行ない(ステップS201)、操作部31などからの入力を監視して、その入力に応じた処理を行う入力監視処理を行なう(ステップS202)。次に、主制御回路301からの各種コマンドの入力を受け付け、そのコマンドに応じた処理を実行するコマンド入力処理を行い(ステップS203)、音・ランプ制御回路402などの各部に各種コマンドを出力するためのコマンド出力処理を行い(ステップS204)、ステップS202に戻る。ステップS204により液晶表示装置5による画像表示、スピーカ21L、21Rによる出音、LED類101の点滅による演出が実行される。
図30は、コマンド入力処理(ステップS203)のサブルーチンを説明するフローチャートである。コマンド入力処理では、未処理のコマンドがあったときに(ステップS211のY)、そのコマンドの種類に応じた実行処理を行い(ステップS212)、この場合は、未処理のコマンドを処理済みに設定する(ステップS213)。
以上説明した本実施の形態の遊技機1によれば、当籤しても遊技者が適切な目押しを行わないと、対応する図柄の組合せが表示窓4L、4C、4Rに表示されない特定役としてスイカ(対応する図柄の組合せは、スイカ‐スイカ‐スイカ)が規定されており(図17、図4参照)、RTの作動中にスイカが内部当籤役として決定された場合に、当該特定役に対応する図柄の組合せを表示窓4L、4C、4Rに表示することができずに取りこぼすと、表示窓4L、4C、4Rには所定の図柄の組合せ(スイカ‐チェリー‐スイカが対応する図柄の組合せとなる特殊ハズレ)が表示されるように停止制御が行われる。
この特殊ハズレの図柄の組合せが表示窓4L、4C、4Rに表示されることはRTの終了条件となっているので(ステップS173,S174)、内部当籤役としてスイカが当籤したことを察知し、適切な目押しにより特定役に対応する「スイカ‐スイカ‐スイカ」の図柄の組合せを表示することができる熟練の遊技者は、これができない未熟な遊技者に比べてRTを長く継続させることができる可能性が高い。もって、RTの終了条件に関して、遊技に技術介入性をもたせることができるので、興趣の高い遊技機1を提供することができる。
また、ボーナスゲームが終了したことによるRTの作動は(ステップS162,S163)、全ての遊技者にRTによる利益を享受させることができる。
なお、前述の特定役(スイカ)とは異なる特定役に内部当籤し、かつ、前述のスイカ‐スイカ‐スイカとは異なる特定の図柄の組合せが表示窓4L、4C、4Rに表示されたこともRTの作動の条件としてもよい。すなわち、所定のRT作動図柄を用意し、図9の内部当籤役決定テーブルに内部当籤役としてRTを規定し、図6、図7の内部抽籤テーブルに当該RTの当籤番号に対応した上限値、下限値をメダル投入枚数ごとに規定し、図10の図柄組み合わせテーブルにも、RTの図柄の組み合わせに対応した表示役のデータや内容、さらには払出枚数を規定するようにする。そして、内部抽籤処理によりRTに当籤したときは、当該RTを図12に示す内部当籤役格納領域に格納するようにする。なお、RTに当籤し、表示役がRTとなったときに、メダルの払い出しはあってもなくてもよい。
この場合は、当該特定の図柄の組み合わせを表示窓4L、4C、4Rに表示させることに対して、適切な目押しが必要であるか否かを設定することにより、RTの作動に関する遊技の難易度を自由に設定することができる。
また、RTの作動が、予め定められた回数の遊技が行われたことで終了するようにしており(ステップS162,S171,S172)、また、ボーナスにかかる内部当籤役であるBBが内部当籤役として決定されたことや、ボーナスゲームの作動が行われたこともRTの作動の終了の契機としているので(ステップS151,S152,S154)、RTの作動の終了事由として適切な条件を与えることができる。
さらに、上述した特定役(スイカ)の内部当籤を遊技者に報知するような構成としてもよい。ここで、報知するか否かは、例えば、抽籤により、あるいは所定の演出が実行されたことに基づいて更新される所定のカウンタの値や、所定のフラグが示すステータスに応じて、又は所定の遊技回数の遊技が行われたことに基づいて決定されるような構成としてもよい。
これにより、特定役(スイカ)に当籤したか否かを毎回の遊技に渡り遊技者は注意することとなるので、遊技に対する関心をより高めることができる。
なお、この場合に具体的に遊技者に報知する手段としては、主制御回路71から送信されるコマンドにより副制御回路72の画像制御マイコン412が特定役(スイカ)に当籤したことを知らせ、例えば、ステップS204で実行される液晶表示装置5による画像表示、スピーカ21L、21Rによる出音、及びLED類101の点滅により実行される演出の中で行うなどすればよい。より具体的には、演出の画像の中で明確に特定役(スイカ)に当籤したことを報知してもよいし、特定役(スイカ)に当籤したときには特定の演出画像が出やすくするようにしても良い。あるいは、特定の図柄の組み合わせが表示窓4L、4C、4Rに表示される可能性を高くすることにより遊技者に悟らせるようにしても良い。