JP2005296222A - スロットマシン - Google Patents

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Yasunobu Kai
康伸 甲斐
Junichi Ikeda
淳一 池田
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Abstract

【課題】 クレジット機能を悪用し、クレジット精算の際に大量のメダルを不正に抜き取る行為を効果的に防止する。
【解決手段】 メダルが賭けられた後にゲームを開始し、当該ゲームの入賞内容に応じて、所定枚数のメダルを払い出すスロットマシン1であって、メダル投入口11から投入されたメダル、及び、ゲームの入賞内容に応じて払い出すべきメダルを、クレジットとして貯溜するクレジット機能を有し、クレジットとして貯溜されたメダルを、所定のクレジット精算操作に応じて払い出すとき、報知音やランプ表示によって、クレジット精算を周囲に報知する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、クレジット機能を備えるスロットマシンに係り、詳しくは、クレジット機能を悪用し、クレジット精算により大量のメダルを不正に抜き取る行為に対して、優れた防止効果を発揮し得るスロットマシンに関する。
メダルが賭けられた後にゲームを開始し、当該ゲームの入賞内容に応じて、所定枚数のメダルを払い出すスロットマシンが普及している。この種のスロットマシンでは、通常、メダルを賭ける方法として、ゲーム毎にメダル投入口からメダルを投入する方法と、クレジット機能により貯溜されたメダルを賭ける方法とがあり、いずれかの方法を遊技者が選択できるようにしてある(例えば、特許文献1参照。)。
上記のクレジット機能は、メダル投入口から投入されたメダルや、入賞内容に応じて払い出すべきメダルを、クレジットとして機械内部に貯溜(記憶)する機能であり、貯溜されたメダルの枚数はクレジット表示部に表示される。クレジットとして貯溜されたメダルは、BETスイッチやMAXBETスイッチの操作により、ゲームに賭けることができ、また、クレジット精算スイッチの操作により、払い出すことができる。このクレジット精算は、通常、その台を離れるときに一回だけ実行される。
特開2002−360778号公報
しかしながら、従来のスロットマシンでは、クレジット機能を悪用した不正行為が行われる可能性がある。例えば、先端部に発光素子が設けられた特殊器具をメダル投入口から挿入し、その先端部をメダルセレクタ部のメダル通過センサ(例えばフォトインタラプタ)まで到達させた後、発光素子の点滅によってメダル通過センサを誤作動させ、クレジット枚数を瞬時に最大値(例えば50枚)まで上げる不正行為が増えている。
この種の不正行為は、短時間のうちに実行されているので、発見がきわめて困難であり、しかも、クレジット枚数を最大値まで上げ、これをクレジット精算で払い出すという行為が繰り返されるため、大量のメダルが抜かれ、大きな被害を生じる可能性がある。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、クレジット機能を悪用し、クレジット精算により大量のメダルを不正に抜き取る行為に対して、優れた防止効果を発揮するスロットマシンの提供を目的とする。
上記目的を達成するため本発明のスロットマシンは、メダルが賭けられた後にゲームを開始し、当該ゲームの入賞内容に応じて、所定枚数のメダルを払い出すスロットマシンであって、メダル投入口から投入されたメダル、及び、ゲームの入賞内容に応じて払い出すべきメダルを、クレジットとして貯溜するクレジット手段と、クレジットとして貯溜されたメダルを、所定のBET操作に応じてゲームに賭けるBET手段と、クレジットとして貯溜されたメダルを、所定のクレジット精算操作に応じて払い出すクレジット精算手段と、クレジットとして貯溜されたメダルを払い出すとき、これを周囲に報知するクレジット精算報知手段とを備える構成としてある。
このように構成すれば、クレジット機能を悪用し、大量のメダルを不正に抜き取る行為に対して、優れた防止効果を発揮することができる。すなわち、クレジット機能を悪用した不正行為において、クレジット精算が頻繁に行われることに着目し、クレジット精算を周囲に報知するようにしたので、不正行為の発見が容易になるだけでなく、不正行為そのものを抑止する効果が得られる。
なお、本発明によるクレジット精算の報知は、スロットマシン本体で行うものに限らず、スロットマシンに接続された機器で行うものも含まれる。例えば、クレジット精算時に、外部出力端子から呼出ランプに信号を出力し、呼出ランプの点灯や点滅によって不正又は不正の疑いのあるクレジット精算を報知することができる。
また、本発明のスロットマシンは、前記クレジット精算報知手段が、報知音及び/又はランプ表示によって、クレジット精算を周囲に報知する構成としてある。
このように構成すれば、スロットマシンが備える既存のスピーカやランプを利用して、クレジット精算を周囲に報知することができる。これにより、現行のハードウエアを承継し、ソフトウエアの一部を書き換える程度の簡単な変更によって、本発明の実施が可能になる。
また、本発明のスロットマシンは、前記クレジット精算報知手段が、前記報知音として、通常の払出音とは異なる払出音を用いる構成としてある。
このように構成すれば、クレジット精算時に、払出音を切換える程度の簡単な変更によって、本発明の実施が可能になる。
また、本発明のスロットマシンは、前記クレジット精算報知手段が、前記報知音として、音声メッセージを用いる構成としてある。
このように構成すれば、クレジット精算時に音声メッセージが流れ、周囲の注意をより喚起することができる。また、音声メッセージを善良な遊技者に向けた内容(例えば「遊んでくれてありがとう。また遊んでね。」)とすれば、善良な遊技者に不快感を与える不都合を回避しつつ、このような音声が短時間に繰り返し流れることで周囲の遊技者等にも不正を報知することができ、不正行為の未然防止及び早期発見が可能となる。
また、本発明のスロットマシンは、前記クレジット精算報知手段が、クレジット精算される貯溜メダルの払出枚数と、あらかじめ設定された報知基準枚数とを比較し、クレジット精算される貯溜メダルの払出枚数が前記報知基準枚数を超えると判断した場合にのみ、クレジット精算を周囲に報知する構成としてある。
このように構成すれば、不正行為の可能性が低い少量のクレジット精算において、不要な報知が行われることを回避できる。なお、報知基準枚数は、例えば、一回の入賞に係るメダルの最大払出枚数(例えば15枚)とすることができる。
また、本発明のスロットマシンは、前記クレジット精算報知手段が、所定時間内に所定回(例えば二回)以上のクレジット精算を判断した場合にのみ、クレジット精算を周囲に報知する構成としてある。
このように構成すれば、例えば、疲れた遊技者が誤って精算ボタンを一回だけ押した場合のような、偶発的に行われる不正でないクレジット精算を除外して、不正行為の可能性が高いクレジット精算のみを報知できるので、報知の信頼性が向上するだけでなく、不要な報知によって善良な遊技者に不快感を与える不都合も回避できる。
また、本発明のスロットマシンは、前記クレジット精算報知手段が、着席センサの検出信号にもとづいて、遊技者の着席を判断するとともに、遊技者が着席を維持した状態で、所定時間内に所定回(例えば二回)以上のクレジット精算を判断した場合にのみ、クレジット精算を周囲に報知する構成としてある。
このように構成すれば、不正行為の可能性が高いクレジット精算を絞り込むことができるので、報知の信頼性がより向上するとともに、不要な報知を更に減らすことができる。
以上のように、本発明によれば、クレジット機能を悪用した不正行為において、クレジット精算が頻繁に行われることに着目し、クレジット精算を周囲に報知するようにしたので、不正行為の発見が容易になるだけでなく、不正行為そのものを抑止する効果が得られる。
また、本発明によるクレジット精算の報知には、スロットマシンが備える既存の報知手段(スピーカ、ランプなど)を利用できるので、現行のハードウエアを変更することなく、ソフトウエアの一部を書き換えるだけで実施できるという利点がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一本実施形態に係るスロットマシンについて説明する。
図1は、第一実施形態に係るスロットマシンの正面図、図2は、第一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す斜視図、図3は、第一実施形態に係るスロットマシンのメダルセレクタ部を示す側面図、図4は、第一実施形態に係るスロットマシンの制御構成を示すブロック図である。
図1に示すように、スロットマシン1は、前扉10に、メダル投入口11と、クレジット表示部12と、クレジット精算スイッチ13と、BETスイッチ14と、MAXBETスイッチ15と、スタートレバー16と、複数のストップボタン17(17a〜17c)と、メダル払出口18と、メダルセレクタ部19と、スピーカSPと、ランプLとを備え、また、本体内部に、ドラムユニット20と、ホッパー装置30と、制御部40とを備えている。
メダル投入口11は、ゲームに賭けるメダルを受け入れる。スロットマシン1には、ゲームに賭けるメダルを、ゲーム毎にメダル投入口11から投入するメダル投入モードと、クレジットとして内部に貯溜されたメダルをゲームに賭けるクレジットモードとがあり、いずれかのモードを遊技者が選択できる。
クレジットモードでは、メダル投入口11から投入されたメダルや、ゲームの入賞内容に応じて払い出すべきメダルが、最大クレジット枚数(例えば50枚)を限度として内部に貯溜され、その枚数がクレジット表示部12に表示される。
クレジット精算スイッチ13は、クレジットとして貯溜されたメダルを払い出すためのスイッチであり、本実施形態では、クレジットモードのON/OFF操作にも兼用されている。例えば、クレジットモードがOFFの状態でクレジット精算スイッチ13を押すと、クレジットモードがONになり、クレジットモードがONの状態でクレジット精算スイッチ13を押すと、貯溜メダルが払い出された後、クレジットモードがOFFとなる。
なお、このようなクレジットモードの切換を行わず、最大クレジット枚数(例えば50枚)までは常にメダルが貯溜されるようにすることもできる。
BETスイッチ14及びMAXBETスイッチ15は、クレジットとして貯留されたメダルをゲームに賭けるためのスイッチである。BETスイッチ14は、クレジットとして貯留されたメダルを、一回の操作につき一枚ずつ賭けることができ、MAXBETスイッチ15は、一回のゲームに賭けられる最大枚数(例えば三枚)を、一回の操作で賭けることができる。
スタートレバー16は、メダルが賭けられた後に操作される。スタートレバー16を操作すると、ドラムユニット20に設けられる回胴21a〜21cの回転が開始される。
ストップボタン17a〜17cは、回胴21a〜21cと同数(通常は三つ)設けられている。これらのストップボタン17a〜17cが押されると、対応する回胴21a〜21cの回転が停止し、ゲームの入賞又は外れが決まる。
メダル払出口18は、ゲームの入賞内容に応じて、所定枚数のメダルが払い出される部分である。また、精算された貯溜メダルも、ここから払い出される。
スピーカSPは、効果音、払出音、音声メッセージなどの出音により、遊技を演出するとともに、本発明に係るクレジット精算の報知を行う。
また、ランプLは、その点灯や点滅により、遊技を演出するとともに、本発明に係るクレジット精算の報知を行う。
メダルセレクタ部19は、メダル投入口11からホッパー装置30に至るメダル経路に、セレクタ19aと、ブロッカ19bと、メダル通過センサ19cとを備えて構成されている。
セレクタ19aは、正規のメダルのみを通過させ、その他のメダルを排除するように構成されており、排除されたメダルは、メダル払出口18から返却される。
ブロッカ19bは、メダル経路を電磁的な動作で開閉するものであり、例えば、クレジット満杯時やクレジット精算中に閉動作される。ここでブロックされたメダルは、メダル払出口18から返却される。
メダル通過センサ19cは、例えば、メダルの通過を光学的に検出するフォトインタラプタ(透過型フォトセンサ)によって構成されており、その検出信号は、メダル投入信号として制御部40に入力される。
図4に示すように、ドラムユニット20は、複数の回胴21a〜21cと、モータ駆動回路22と、複数のステッピングモータ23a〜23cと、回胴位置検出部24とを有している。
回胴21a〜21cの外周面には、複数の図柄が描かれている。これらの図柄は、前扉10の表示窓10aを介して、遊技者に目視される。
モータ駆動回路22は、制御部40からのパルス信号にもとづき、ステッピングモータ23a〜23cを駆動制御して、回胴21a〜21cの回転を始動・停止させる。
回胴位置検出部24は、回胴21a〜21cの回転が停止すると、この回胴21a〜21cに記されたマーカにもとづいて、回胴21a〜21cの回転停止位置を検出し、これを制御部40へ送る。
ホッパー装置30は、ホッパー31と、ホッパー駆動回路32と、メダル検出部33とを有している。
ホッパー31は、メダル投入口11から投入されたメダルや、外部から補給されたメダルをメダルを蓄える部分である。
ホッパー駆動回路32は、制御部40から払い出し信号を受信すると、ホッパー31の底部に設けられるメダル排出部(図示せず)を駆動し、所定枚数のメダルを払い出させる。
メダル検出部33は、メダル排出部から払い出されるメダルの枚数をカウントし、これを制御部40へ送る。
制御部40は、表示駆動回路41と、サウンド回路42と、ランプ駆動回路43と、CPU44と、クロック発生回路45と、乱数発生回路46と、ROM47と、RAM48とを有している。
表示駆動回路41は、CPU44からの信号に応じて、クレジット表示部12にクレジット枚数を表示させる。
サウンド回路42は、CPU44からの信号(コマンド)に応じて、スピーカSPに効果音、払出音、音声メッセージなどを出力させる。
ランプ駆動回路43は、CPU44からの信号(コマンド)に応じて、ランプLを点灯・点滅させる。
CPU34は、クレジット精算スイッチ13、BETスイッチ14、MAXBETスイッチ15、スタートレバー(スタートスイッチ)16、ストップボタン(ストップスイッチ)17a〜17c、メダル通過センサ19cなどから信号を入力し、これらの入力信号にもとづいて、ドラムユニット20、ホッパー装置30、表示駆動回路41、サウンド回路42、ランプ駆動回路43などの制御を行う。
ROM47は、所定のプログラムを記憶しており、このプログラムにしたがってCPU44が動作される。
RAM48は、遊技に係る各種のデータを記憶する。ここには、クレジットとして貯留されるメダルの枚数データも含まれる。
つぎに、制御部40の制御手順について、図5を参照して説明する。
図5は、第一実施形態に係るスロットマシンの制御手順(メインルーチン)を示すフローチャート、図6は、第一実施形態に係るスロットマシンの制御手順(クレジット精算処理)を示すフローチャートである。
図5に示すように、メインルーチンは、起動時に初期設定(S101)を実行した後、クレジット精算処理(S102:クレジット精算手段、クレジット精算報知手段)、メダル投入処理(S103:クレジット手段)、BET処理(S104:BET手段)、スタート処理(S105)、回胴停止処理(S106)、入賞処理(S107)、賞メダル払出処理(S108:クレジット手段)などを繰り返し実行する。
初期設定は、各種設定値の初期化、メモリクリアなどを行う。
クレジット精算処理は、クレジット精算スイッチ13の操作に応じて、貯溜メダルの払い出し、クレジットモードのON/OFF切り換え、クレジット精算の報知などを行う。
メダル投入処理は、メダルの投入に応じて、これをゲームに賭ける処理(クレジットモードOFF時)や、クレジット枚数をインクリメントする処理(クレジットモードON時)を行う。
BET処理は、BETスイッチ14やMAXBETスイッチ15の操作に応じて、貯溜メダルをゲームに賭ける処理(クレジットモードON時のみ)を行う。
スタート処理は、スタートレバー16の操作に応じて、抽選用の乱数を取得するとともに、回胴21a〜回胴21cの回転を開始させる。
回胴停止処理は、ストップボタン17a〜17cの操作に応じて、回胴21a〜回胴21cの回転を停止させる。このとき、抽選用の乱数にもとづいて、回転停止時のすべり量が制御される。
入賞処理は、回胴21a〜回胴21cの停止位置(停止図柄)にもとづいて、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役などの入賞を判定するとともに、入賞内容に応じて、払い出すメダルの枚数を決定する。
賞メダル払出処理は、ホッパー装置30を制御し、メダルの払い出しを行う。このとき、クレジットモードがONであれば、払い出すべきメダルがクレジット枚数に加算される。また、メダルをメダル払出口18から払い出す場合は、通常の払出音コマンドをセットし、スピーカSPから通常の払出音を出音させる。
つぎに、本発明の要部であるクレジット精算処理について、図6を参照して詳細に説明する。
この図に示すように、クレジット精算処理では、まず、クレジット精算スイッチ13のON/OFFを判断し(S201)、これがONの場合は、続いてクレジットモードのON/OFFを判断する(S202)。ここで、クレジットモードがOFFの場合は、クレジットモードをONにして処理が終わる(S203)。一方、クレジットモードがONの場合は、貯溜メダルの有無を判断し(S204)、これがYESの場合は、メダルセレクタ部19のブロッカ19bを閉じた後(S205)、クレジット精算報知用の払出音コマンド及びランプ点灯コマンドをセットし(S206、S207)、払出音及びランプ点灯による報知動作を開始する。ここで用いられる払出音やランプ点灯パターンは、通常の払い出し時に用いるものとは異なるものであり、ホールの店員や周囲の遊技者に注意を喚起できるものが好ましい。
つぎに、サブルーチンのメダル払出処理(S208)によってメダルの払い出しを開始するとともに、一枚払い出すごとに、クレジット枚数(貯溜枚数)のデクリメントと(S209)、クレジット表示部12の表示枚数更新を行う(S210)。クレジット枚数が0枚になったら(S211)、ホッパー装置30をOFFにするとともに(S212)、払出音停止コマンド及びランプ停止コマンドをセットし(S213、S214)、報知動作を停止させる。その後、ブロッカ19bを開き(S215)、クレジットモードをOFFにして処理が終わる(S216)。
なお、クレジット精算を報知する報知音としては、払出音に限らず、音声メッセージを用いることができる。この場合、音声メッセージの内容は、善良な遊技者に不快感を与えない内容、例えば、「遊んでくれてありがとう。また遊んでね。」といった内容にすることが好ましい。
善良な遊技者の場合には、クレジット精算を行うのは、通常、遊技を終了してその台を離れる場合であり、このような音声メッセージを行うことで、善良な遊技者に不快感を与える不都合を回避しつつ、このようなメッセージが短時間に繰り返し流れれば、周囲の遊技者等も不正が行われているのではと疑念を抱くことになり、結果として、不正行為の未然防止と早期発見が可能となる。
以上のように構成された本実施形態のスロットマシン1によれば、クレジット機能を悪用した不正行為において、クレジット精算が頻繁に行われることに着目し、クレジット精算を周囲に報知するようにしたので、不正行為の発見が容易になるだけでなく、不正行為そのものを抑止する効果が得られる。
また、本実施形態では、スロットマシン1が備える既存のスピーカSPやランプLを利用して、クレジット精算を周囲に報知するので、現行のハードウエアを承継できるだけでなく、ソフトウエアの一部を書き換える程度の簡単な変更によって、本発明の実施が可能になる。
また、本実施形態では、クレジット精算の報知音として、通常の払出音とは異なる払出音を用いるので、クレジット精算時に払出音を切換えるだけで、クレジット精算を周囲に報知することができる。
また、クレジット精算の報知音として、音声メッセージを用いれば、周囲の注意をより喚起することができる。このとき、音声メッセージを善良な遊技者に向けた内容とすることにより、善良な遊技者に不快感を与える不都合も回避できる。
[第二実施形態]
つぎに、本発明の第二実施形態に係るスロットマシン1について、図7を参照して説明する。ただし、第一実施形態と共通する構成については、第一実施形態と同じ符号を付し、第一実施形態の説明を援用する。
図7は、第二実施形態に係るスロットマシンの制御手順(クレジット精算処理)を示すフローチャートである。
この図に示すように、第二実施形態のスロットマシン1は、クレジット精算処理において、クレジット精算される貯溜メダルの払出枚数と、あらかじめ設定された報知基準枚数とを比較し、クレジット精算される貯溜メダルの払出枚数が前記報知基準枚数を超えると判断した場合にのみ、クレジット精算を周囲に報知する点が第一実施形態と相違している。
具体的に説明すると、第二実施形態のクレジット精算処理には、S301〜S303が追加されている。S301は、第一実施形態のS205とS206の間に挿入され、ここで、クレジット精算される貯溜メダルの払出枚数と、あらかじめ設定された報知基準枚数とを比較する。報知基準枚数は、例えば、一回の入賞に係るメダルの最大払出枚数(例えば15枚)とすることができる。
そして、S301において、クレジット精算される貯溜メダルの払出枚数が報知基準枚数を超えると判断した場合には、第一実施形態と同様に、クレジット精算報知用の払出音コマンド及びランプ点灯コマンドをセットし(S206、S207)、払出音及びランプ点灯による報知動作を開始する。一方、クレジット精算される貯溜メダルの払出枚数が報知基準枚数以下の場合は、通常の払出音コマンド及びランプ点灯コマンドをセットし(S302、S303)、報知動作を回避する。
以上のように構成された第二実施形態のスロットマシン1によれば、不正行為の可能性が低い少量のクレジット精算において、不要な報知が行われることを回避できる。これにより、不要な報知によって、善良な遊技者に不快感を与える可能性を低減することができる。
[第三実施形態]
つぎに、本発明の第三実施形態に係るスロットマシン1について、図8を参照して説明する。
図8は、第三実施形態に係るスロットマシンの制御手順(クレジット精算処理)を示すフローチャートである。
この図に示すように、第三実施形態のスロットマシン1は、所定時間内(例えば三分以内)に所定回(例えば二回)以上のクレジット精算を判断した場合にのみ、クレジット精算を周囲に報知する点が上記の実施形態と相違している。
具体的に説明すると、第三実施形態のクレジット精算処理には、S401〜S405が追加されている。S401は、第一実施形態のS205とS206の間に挿入され、ここで、前回のクレジット精算から今回のクレジット精算までの経過時間を演算する。その後、経過時間が所定の報知基準時間内であるか否かを判断し、この判断がYESの場合には、第一実施形態と同様に、クレジット精算報知用の払出音コマンド及びランプ点灯コマンドをセットし(S206、S207)、払出音及びランプ点灯による報知動作を開始する。一方、経過時間が報知基準時間を超える場合は、通常の払出音コマンド及びランプ点灯コマンドをセットし(S403、S404)、報知動作を回避する。その後、今回のクレジット精算時間を前回精算時間として記憶し(S405)、貯溜メダルの払い出しを開始する。
以上のように構成された第三実施形態のスロットマシン1によれば、不正行為の可能性が高いクレジット精算のみを報知できるので、報知の信頼性が向上するだけでなく、不要な報知によって善良な遊技者に不快感を与える不都合も回避できる。
[第四実施形態]
つぎに、本発明の第四実施形態に係るスロットマシン1について、図9を参照して説明する。
図9は、第四実施形態に係るスロットマシンの制御手順(クレジット精算処理)を示すフローチャートである。
この図に示すように、第四実施形態のスロットマシン1は、着席センサS(図4参照)の検出信号にもとづいて、遊技者の着席を判断するとともに、遊技者が着席を維持した状態で、所定時間内に所定回(例えば二回)以上のクレジット精算を判断した場合にのみ、クレジット精算を周囲に報知する点が前記実施形態と相違している。
なお、着席センサSとしては、例えば、遊技席の座部に埋め込まれた圧力センサや、スロットマシン1から前方に超音波、赤外線などを出射し、その反射波や反射光にもとづいて遊技者との距離を計測する距離センサを用いることができる。
具体的に説明すると、第四実施形態のクレジット精算処理は、第三実施形態のクレジット精算処理に、S501及びS502を追加したものである。S501は、クレジット精算スイッチ13がOFFのとき、着席センサSの検出信号を参照し、遊技者の着席状態を判断する。ここで、遊技者が着席状態の場合は、そのまま処理を終了するが、遊技者の離席を判断すると、前回精算時間とクリアする(S502)。すなわち、所定時間内に例えば二回以上のクレジット精算があっても、その間に遊技者の離席があった場合は、遊技者が入れ替わったと判断し、報知動作を回避する。
以上のように構成された第四実施形態のスロットマシン1によれば、不正行為の可能性が高いクレジット精算を絞り込むことができるので、報知の信頼性がより向上するとともに、不要な報知を更に減らすことができる。
以上、本発明のスロットマシンについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るスロットマシンは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、メダルのクレジットモードをON/OFF切換できるスロットマシンを例にとって説明したが、スロットマシンの機種によっては、クレジットモードの切換を行わず、最大クレジット枚数(例えば50枚)までは常にメダルが貯溜されるスロットマシンもある。そして、本発明は、そのようなクレジットモードの切換機能のないスロットマシンについても適用することができる。
本発明は、クレジット機能を備えるスロットマシンに適用することができる。特に、クレジット機能を悪用した不正行為が行われる可能性のあるスロットマシンにおいて有用である。
第一実施形態に係るスロットマシンの正面図である。 第一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す斜視図である。 第一実施形態に係るスロットマシンのメダルセレクタ部を示す側面図である。 第一実施形態に係るスロットマシンの制御構成を示すブロック図である。 第一実施形態に係るスロットマシンの制御手順(メインルーチン)を示すフローチャートである。 第一実施形態に係るスロットマシンの制御手順(クレジット精算処理)を示すフローチャートである。 第二実施形態に係るスロットマシンの制御手順(クレジット精算処理)を示すフローチャートである。 第三実施形態に係るスロットマシンの制御手順(クレジット精算処理)を示すフローチャートである。 第四実施形態に係るスロットマシンの制御手順(クレジット精算処理)を示すフローチャートである。
符号の説明
1 スロットマシン
11 メダル投入口
12 クレジット表示部
13 クレジット精算スイッチ
14 BETスイッチ
15 MAXBETスイッチ
16 スタートレバー
17a〜17c ストップボタン
18 メダル払出口
19 メダルセレクタ部
19c メダル通過センサ
20 ドラムユニット
30 ホッパー装置
40 制御部
L ランプ
SP スピーカ
S 着席センサ

Claims (7)

  1. メダルが賭けられた後にゲームを開始し、当該ゲームの入賞内容に応じて、所定枚数のメダルを払い出すスロットマシンであって、
    メダル投入口から投入されたメダル、及び、ゲームの入賞内容に応じて払い出すべきメダルを、クレジットとして貯溜するクレジット手段と、
    クレジットとして貯溜されたメダルを、所定のBET操作に応じてゲームに賭けるBET手段と、
    クレジットとして貯溜されたメダルを、所定のクレジット精算操作に応じて払い出すクレジット精算手段と、
    クレジットとして貯溜されたメダルを払い出すとき、これを周囲に報知するクレジット精算報知手段と
    を備えることを特徴とするスロットマシン。
  2. 前記クレジット精算報知手段が、報知音及び/又はランプ表示によって、クレジット精算を周囲に報知することを特徴とする請求項1記載のスロットマシン。
  3. 前記クレジット精算報知手段が、前記報知音として、通常の払出音とは異なる払出音を用いることを特徴とする請求項2記載のスロットマシン。
  4. 前記クレジット精算報知手段が、前記報知音として、音声メッセージを用いることを特徴とする請求項2又は3記載のスロットマシン。
  5. 前記クレジット精算報知手段が、クレジット精算される貯溜メダルの払出枚数と、あらかじめ設定された報知基準枚数とを比較し、クレジット精算される貯溜メダルの払出枚数が前記報知基準枚数を超えると判断した場合にのみ、クレジット精算を周囲に報知することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスロットマシン。
  6. 前記クレジット精算報知手段が、所定時間内に所定回以上のクレジット精算を判断した場合にのみ、クレジット精算を周囲に報知することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスロットマシン。
  7. 前記クレジット精算報知手段が、着席センサの検出信号にもとづいて、遊技者の着席を判断するとともに、遊技者が着席を維持した状態で、所定時間内に所定回以上のクレジット精算を判断した場合にのみ、クレジット精算を周囲に報知することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスロットマシン。
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